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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 H01L |
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管理番号 | 1044680 |
異議申立番号 | 異議2000-71389 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-07-21 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-04-05 |
確定日 | 2001-03-07 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2958519号「半導体装置の接合方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2958519号の請求項1に係る特許を取り消す。 |
理由 |
(1).手続の経緯 特許第2958519号に係る発明についての出願は、昭和63年4月27日に特許出願した特願昭63-105302号の一部を平成10年7月21日に新たな特許出願とし、平成11年7月30日にその発明について特許の設定登録がされた後、その特許について、特許異議申立人高木栄より特許異議の申立てがされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年7月28日に訂正請求がなされた後、訂正拒絶理由通知がされ、その指定期間内である平成12年11月21日に訂正請求書の補正がされたものである。 (2).訂正の適否 (2-1)訂正請求書に対する補正の適否について (2-1-1)補正の内容 訂正請求書についての平成12年11月21日付補正は、平成12年7月28日付訂正明細書について、次の補正を行うものである。 (a)特許請求の範囲について (a-1)特許請求の範囲の請求項1について (a-1-1)「前記中間接続膜」を「この中間接続膜上にメッキ用下地層を形成し、前記メッキ用下地層」と補正する。 (a-1-2)「30μm以下の」を「30μm以下であり、上面が平坦で下面が前記メッキ用下地層に対応した」と補正する。 (b)発明の詳細な説明について (b-1)訂正明細書の第3頁第13行〜第14行の「前記中間接続膜」を「この中間接続膜上にメッキ用下地層を形成し、前記メッキ用下地層」と補正する。 (b-2)訂正明細書の第3頁第15行の「30μm以下の」を「30μm以下であり、上面が平坦で下面が前記メッキ用下地層に対応した」と補正する。 (2-1-2)補正内容についての検討 「中間接続膜上にメッキ用下地層を形成」する点および「上面が平坦で下面が前記メッキ用下地層に対応したフォトレジスト」とした点は、訂正時の請求項1に新たな訂正事項を加えるものである。 したがって、この補正は、訂正請求書の要旨を変更するものであるから、特許法第120条の4第3項において準用する同法第131条第2項の規定に違反してされたものであり、当該補正は認められない。 (2-2)訂正請求の適否について (2-2-1)訂正の内容 訂正請求は、本件特許の願書に添付した明細書を平成12年7月28日付けの訂正明細書のとおりに訂正しょうとするものであって、その内容は次のとおりである。 (a)訂正事項1)特許請求の範囲の請求項1の「中央部分が」を「シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が」と訂正する。 (b)訂正事項2)発明の詳細な説明の欄の段落番号【0004】の「中央部分が」を「シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が」と訂正する。 (2-2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、拡張・変更の存否の各要件についての判断 (a)訂正事項1)について 訂正事項1)は、半導体装置を形成する電極パッドがシリコンウエハ上に形成されるようにした構成とすることによって技術的に限定するものであるから特許請求の範囲の減縮に該当する。 そして、本件特許発明が、そもそも基板をシリコンウエハから構成していることは【0005】、【0006】および【符号の説明】の記載から読みとれる。 したがって、この訂正は、願書に添付した明細書または図面に記載した範囲内でなされたものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または、変更するものではない。 (b)訂正事項2)について 訂正事項2)は、(2-2-2)-(a)の特許請求の範囲の訂正に合わせて特許請求の範囲と発明の詳細な説明の欄を整合するようにしたものであるから明りょうでない記載の釈明に該当する。 そして、この訂正は、願書に添付した明細書または図面に記載した範囲内でなされたものであり、また、実質上請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。 (3).訂正の認否 したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書きおよび同第3項で準用する同法第126条第2項および3項の規定に適合するので当該訂正を認める。 (4).特許異議の申立てについて (4-1)本件発明 前述のように、本件訂正は適法なものであるので、本件請求項1に係る発明は、訂正明細書に添付された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのもの(以下、「本件発明1」という)である。 「【請求項1】シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ前記絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド上に高さが10〜25μmの柱状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極を他の電子部品の接続端子と接合する半導体装置の接合方法において、前記絶縁膜および前記絶縁膜の開口から露出された前記電極パッド上に中間接続膜を形成し、前記中間接続膜上に粘度数百CPS〜千数百CPSのフォトレジスト液を滴下して、スピンコ-ティングにより厚さが前記バンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成するとともに、このフォトレジスト膜を前記絶縁膜の開口と前記電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチングし、前記フォトレジスト膜のエッチングした部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成し、前記フォトレジスト膜を除去した後、前記バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングし、前記バンプ電極を前記他の電子部品の接続端子と接合することを特徴とする半導体装置の接合方法。」 (4-2)当審が平成12年6月19日で通知した取消理由通知の概要 訂正前の請求項1に係る発明1は、特開昭62-293649号公報(以下、「刊行物1」という )、SOLID STATE TECHNOLOGY p.33-38/March/1977(以下、「刊行物2」という)、特開昭62-296536号公報(以下、「刊行物3」という)、特開昭52-131161号公報(以下、「刊行物4」という)、「フォトエッチングと微細加工」第63頁-第64頁 昭和52年5月10日 総合電子出版社(以下、「刊行物5」という)、特開昭55-41729号公報(以下、「刊行物6」という)、特開昭59-75694号公報(以下、「刊行物7」という)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、訂正前の請求項1に係る発明1の特許は、取り消されるべきである。 (4-2-1)引用例の記載事項 (a)刊行物1について (a-1)「絶縁用SiO2膜2と、Al-Si配線およびそれに連なる電極パッド3と、パッシベ-ション用Si3N4膜4を形成したシリコン基板1上全面に、…中略…形成する(第5図(a))。次に、液状フォトレジスト6をスピンナ-で塗布し、ICの配線における電極パッド3上にのみ所望の大きさのバンプ径をパタ-ニング開孔6aする(第5図(b))。…中略…以上のようにして、Alパッド電極上部にAu-Al相互のTi/Ni/Pd拡散抑制層5aをもつAuバンプ電極7が形成される。」(第2頁左上欄第9行-同右上欄第12行および第5図参照) (a-2)「以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。第1図は本発明製造方法の一実施例を工程順に示したものである。第1図において、第5図におけると同じ符号をもって示した示したものは従来製造方法におけると同じ内容を意味するので、その説明を省略する。…中略…この半導体基板1上の全面に、5×10-6Toor程度以下の条件の真空蒸着法によって、約1000Å厚のTi層、約3000〜6000Å厚のNi層、500Å厚のPd層を順次積層し、さらにPd層の上に重ねてCu層を300Å以下の厚さに積層して、4層の金属多層膜15を形成する。…中略…次に、第1図(b)のように、高さ20μmのバンプを形成するため、膜厚25μmのドライフィルムレジスト16(例えばRiston1206、1010、ヂュポン社商品名)を、…中略…熱圧着する。続いて、走査型プロジェクションアライナを用い、バンプ径…中略…レジストの露光を行いこれを現像して電極パッド上に側面の急峻な開孔16aを形成する。…中略…続いて前記金族多層膜15を陰極とすると共にドライフィルムレジストをメッキマスクとして、シアン系電極パッド上部にのみ選択的にAuバンプ17を電解析出させる。…中略…Auメッキ成長がレジスト厚25μmを超える直前の時間…中略…メッキを行った。…中略…しかる後、メチレンクロライド、トリクレンなどの剥離剤の煮沸処理をして完全にドライフィルムレジスト16を除去する。続いて電解析出させたAuバンプ17をマスクとして電極パッド以外の領域上に形成されている金属多層膜を…中略…エッチング除去すれば…中略…高さ20μmの箱状のバンプ17がAu-Al拡散抑制層15aとともに形成される。」(第3頁左上欄第20行-第4頁左上欄第10行および第1図、第5図参照) (a-3)「また、形成されたバンプの形状を調べたところ…中略…しかも上面は径の大小にかかわらず同じ20μmの高さをもちかつ平坦であった。」(第4頁右上欄第14行-同第20行参照) (b)刊行物2について (b-1)第2図として、ウエハにバンプ電極を形成するための金属被覆工程に関して概略下記の点が記載されている。 第2図の1には、シリコン基板上に熱酸化膜を形成する工程、Al電極パタ-ンを形成する工程、その上に絶縁膜であるSILOXをCVDにより被覆する工程、前記SILOXに開口を施すことによりバンプ電極を形成するための前記Al電極を露出させる工程が、 第2図の2には、上記シリコン基板のAl電極に接触金属層および拡散防止層を必要に応じて複数層堆積させ、最上層にAu層を堆積させる工程が、第2図の3には、上記シリコン基板上の全面に1mil(25.4μm)の厚さのラミネ-ト製フォトレジスト膜を貼着後バンプ電極形成面をパタ-ニングして除去する工程が、第2図の4には、上記部分に電気メッキにより望ましい高さに金バンプを形成する工程が、 第2図の5には、金バンプ形成後にレジストを剥離する工程が、 第2図の6には、堆積層を金バンプをマスクにして堆積した金属層をエッチング除去する工程が開示されている。 (b-2)「電気メッキによる金バンプ形成のためにフォトレジストが適用される。それは、一般的な手法である液体のフォトレジストのスピニング、もしくは固体のフォトレジストのラミネ-トをウエハ上に形成し、乾燥、露光、現像工程を行うことによってなしうる。」(第34頁左欄第33行〜第37行参照) (b-3)第2図には中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド、およびレジストの開口部の大きさが電極パッドの周縁部と絶縁膜の開口部との間に形成された点、ならびに、バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングされた点が開示されている。 (c)刊行物3について (c-1)「次いで、同図(c)に示すように、その上に第2のレジスト膜を塗布し、露光・現像して前記開口部15の位置に開口部よりやや広い窓部を有する第2のレジスト膜パタ-ン17を設け、そのレジスト膜パタ-ンをマスクにして、窓部に膜厚20〜30μmの金バンプ18を鍍金法で被着する。このように、金バンプ18を厚く被着させるために、レジスト膜パタ-ン17は30μm程度の厚い膜厚に形成する必要がある。」(第4頁左上欄第19行〜同右上欄第7行および第1図参照) (d)刊行物4について (d-1)「厚膜法により形成された絶縁層上に…中略…薄膜層上に粘度が280Cp(センチポアズ)以上の液状フォトレジストを塗布することを特徴とする回路基板の製造方法」(特許請求の範囲および第2図参照) (e)刊行物6について (e-1)「次に本方法…中略…スピンコ-ト…中略…基板上に…中略…例えば厚さ75μの感光性厚膜を形成する。」(第2頁右上欄第6行〜第13行参照) (f)刊行物7について (f-1)「以下、本発明の一実施例…中略…基板1をスピンナ2上に吸着固定させる。…中略…高速回転させながら、該基板1の上面1Aにフオトレジスト溶液を…中略…垂らして行く…中略…上記フオトレジスト膜5の厚さt2は15〜35μとなっている。」(第2頁右下欄第4行〜第3頁左上欄第4行参照) (4-3)対比・判断 〈対比〉 記載事項(a-1)〜(a-3)を総合すれば 刊行物1には、シリコン基板1上にSiO2膜を形成する工程、Al-Si配線およびこれに連なる電極パッドを形成する工程、シリコン基板1上全面に、パッシベ-ション用Si3N4膜4を形成する工程、電極パッド3上にのみ所望の大きさのバンプ径をパタ-ニング開孔6a形成する工程、総計約5000〜8000Å程度の厚みのTi/Ni/Pd/Cu層によるAu-Al拡散抑制層を形成する工程、25μmの厚膜レジストを熱圧着させパタ-ニングする工程、このパタ-ンを基にAuバンプ電極を厚膜レジストの厚み以下である20μmに電解析出させる工程、レジストを剥離する工程、バンプ電極をマスクにして金属堆積層であるTi/Ni/Pd/Cu層をエッチング除去する工程を経てバンプ電極がAu-Al拡散抑制層とともに形成される点、およびこうして作成したバンプ電極の頭部が平坦である点が記載されているといえる。 そこで、本件発明1と刊行物1に記載の発明とを対比すると、前者の「シリコンウエハ」、「絶縁膜の開口から露出された電極パッド」、「10〜25μmの柱状のバンプ電極」、「電極パッド上に形成した中間接続膜」、「バンプ高さ以上で30μm以下のフォトレジスト膜」、「メッキによりバンプ電極をその上面がフォトレジスト膜の上面よりも低くなる位置まで形成する工程」、「フォトレジストの除去」、「バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜をエッチングし、前記バンプ電極を前記他の電子部品の接続端子と接合する工程」は、後者の「シリコン基板」、「パッシベ-ション膜に対してパタ-ニング開孔6aし、所望の大きさのバンプ径を電極パッド3上にのみ形成する工程」、「20μmのバンプ」、「Ti/Ni/Pd/Cu層」、「膜厚25μmのドライフィルムレジスト」、「バンプ電極を厚膜レジストの厚み以下である20μmに電解析出させる工程」、「レジストを剥離する工程」、「金バンプ電極をマスクとして堆積金属層を剥離する工程」、「金バンプ電極をマスクとして堆積金属層を剥離する工程によりバンプ電極を形成する工程」に相当するから、 両者は、「シリコンウエハ上に形成され、かつ、絶縁膜の開口から露出された電極パッド上に高さが10〜25μmの柱状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極を他の電子部品の接続端子と接合する半導体装置の接合方法において、前記絶縁膜の開口から露出された前記電極パッド上に中間接続膜を形成し、前記中間接続膜上にフォトレジスト厚さが前記バンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成するとともに、このフォトレジスト膜を開口し、前記フォトレジスト膜の開口した部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成し、前記フォトレジスト膜を除去した後、前記バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面をエッチングし」た点で一致し、下記の点で相違している。 a)前者が、「中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド」としているのに対し、後者にはその記載がない。 b)前者が、「中間接続膜上に粘度数百CPS〜千数百CPSのフォトレジスト液を滴下して、スピンコ-ティングにより厚さがバンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成」としているのに対し、後者にはその記載がない。 c)前者が、「フォトレジスト膜を絶縁膜の開口と電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチング」しているのに対し後者にはその記載がない。 d)前者が、「バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチング」しているのに対し後者にはその記載がない。 〈判断〉 そこで、上記相違点について検討する。 相違点a):記載事項(b-3)に示されているように「中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド」とすることはバンプ電極を構成する際に当業者が普通に行うことにすぎない。 したがって、相違点a)は格別のものではない。 相違点b):「中間接続膜上にフォトレジスト液を滴下して、スピンコ-ティングにより厚さがバンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成」する点は、記載事項(b-1)に記載されたとおりであり、 また、滴下フォトレジストの粘度を数百CPS〜千数百CPSとすることについては、記載事項(d-1)に粘度が280CPS以上のものが示されている如く、数百CPS〜千数百CPSの粘度のフォトレジストは通常のものであり、しかも、レジスト膜の厚さは、レジスト液の粘度、スピンコ-タの回転数に依存することは自明のことであるから、厚膜レジスト(記載事項(b-1)、(c-1)、(e-1)、(f-1)参照)を形成する際に当業者が当然なすべき設計的事項にすぎない。 したがって、相違点b)は格別のものではない。 相違点c):刊行物1、2に記載のものも、レジストを乾燥させた後に露光、現像を行っており(記載事項(a-2)、(b-2)参照)、この現像工程はエッチング工程と言える。また、「フォトレジスト膜を絶縁膜の開口と電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさ」にすることも特許権者が、平成12年7月28日付特許異議意見書第3頁27行〜第4頁3行で認めているように、刊行物3に記載されているとおりの周知技術にすぎないから、当業者が適宜なしえたことにすぎない。 したがって、相違点c)は格別のものではない。 相違点d):バンプ電極を形成する上で、電極上を一部覆う絶縁膜上に設けられた中間接続膜を金バンプをマスクとしてバンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングすることは、バンプ電極の高さ20μmに対して中間接続膜が約5000〜8000Åと、ごく薄いものであるから、金属堆積層をエッチング除去する工程を経てバンプ電極がAu-Al拡散抑制層とともに形成される記載からみて当然に生ずる現象にすぎず、当業者が普通に行うことにすぎない。 したがって、相違点d)は格別のものではない。 そうすると、上記相違点a)〜d)は当業者が容易に想到しうるものと認められ、しかも、本件発明1により奏される効果も当業者が当然に予想しうる程度のものと認められる。よって、本件発明1は、上記刊行物1〜4、および6、7に記載の発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (5).むすび 上記のとおりであるから、本件発明1についての特許は、特許法113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 半導体装置の接合方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ前記絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド上に高さが10〜25μmの柱状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極を他の電子部品の接続端子と接合する半導体装置の接合方法において、前記絶縁膜および前記絶縁膜の開口から露出された前記電極パッド上に中間接続膜を形成し、前記中間接続膜上に粘度数百CPS〜千数百CPSのフォトレジスト液を滴下して、スピンコーティングにより厚さが前記バンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成するとともに、このフォトレジスト膜を前記絶縁膜の開口と前記電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチングし、前記フォトレジスト膜のエッチングした部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成し、前記フォトレジスト膜を除去した後、前記バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングし、前記バンプ電極を前記他の電子部品の接続端子と接合することを特徴とする半導体装置の接合方法。 【請求項2】 請求項1記載の発明において、前記バンプ電極を前記他の電子部品と接合する前に、反応性イオンエッチングにより前記バンプ電極の上面にV字状溝を形成することを特徴とする半導体装置の接合方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、バンプ電極を備えた半導体装置の接合方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、TAB(Tape Automated Bonding)方式においては、半導体装置にバンプ電極を形成し、このバンプ電極をテープキャリアのフィンガリードに直接ボンディング(接合)している。この場合、従来のバンプ電極を備えた半導体装置は、図8に示すように構成されている。すなわち、シリコンウエハ1上にはアルミニウム又はアルミニウム合金からなる電極パッド2が形成されている。電極パッド2は、図示してしないが、シリコンウエハ1のゲート等の内部電極と接続されている。電極パッド2の周縁部は、この電極パッド2に対向して開口3aが形成された窒化シリコン等からなる絶縁膜3で被覆されている。電極パッド2上には、バリアメタル層4aと接着メタル層4bとで構成されるアンダバンプ層4が形成されている。アンダバンプ層4は、蒸着又はスパッタにより形成されるもので、同図においては電極パッド2およびこの電極パッド2の周囲の絶縁膜3上にのみ形成されているが、実際の工程としては電極パッド2および絶縁膜3上の全面に形成した上、バンプ電極5を形成した後に、図示の如く、エッチング処理されるものである。この場合、アンダバンプ層4は電極パッド2およびこの電極パッド2の周囲の絶縁膜3に固着され、この固着面積が大きいことにより十分な接合強度が確保される。アンダバンプ層4上には金からなるバンプ電極5が形成されるが、このバンプ電極5はメッキにより形成されるものであるため、その下地層としてアンダバンプ層4上に金薄膜5aが形成されている。この後、前述した如く、バンプ電極5をマスクとして、バンプ電極5の外側部分のアンダバンプ層4をエッチングにより除去する。この場合、通常、等方性のウェットエッチングが用いられる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、上記の半導体装置のバンプ電極5は、通常、フォトレジストを用いて電解メッキにより形成されるが、フォトレジストの厚さを厚くすることができないため、フォトレジストの上方へ突出して形成される。しかし、フォトレジストの上方ではメッキ形成速度が等方性を有するため、バンプ電極5の頭部形状が図8に示すような「きのこ」状に盛り上がる。すなわち、バンプ電極5の頭部は中央部がほぼ平坦で外周部が外輪山状に盛り上がった形状となる。このため、このバンプ電極5の頭部表面に図示しないテープキャリアのフィンガリードをボンディングするためにただ単に接触させたとき、バンプ電極5の頭部の外輪山状の外周部表面の一部のみにフィンガリードが接触することとなり、この結果ボンディング(熱圧着)の条件によってはフィンガリードがバンプ電極5の頭部の外輪山状の外周部表面のみに接合され、バンプ電極5の頭部のほぼ平坦な中央部表面に接合されないことがあり、ひいては接合強度が低下することがあるという問題がある。この発明の課題は、十分な接合強度を得ることができる半導体装置の接合方法を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】 この発明は、シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ前記絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド上に高さが10〜25μmの柱状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極を他の電子部品の接続端子と接合する半導体装置の接合方法において、前記絶縁膜および前記絶縁膜の開口から露出された前記電極パッド上に中間接続膜を形成し、前記中間接続膜上に粘度数百CPS〜千数百CPSのフォトレジスト液を滴下して、スピンコーティングにより厚さが前記バンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成するとともに、このフォトレジスト膜を前記絶縁膜の開口と前記電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチングし、前記フォトレジスト膜のエッチングした部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成し、前記フォトレジスト膜を除去した後、前記バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングし、前記バンプ電極を前記他の電子部品の接続端子と接合するようにしたものである。この発明によれば、メッキによりバンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成しているので、バンプ電極が柱状となり、その上面が平坦となり、このためこのバンプ電極のほぼ平坦な上面に他の電子部品の接続端子をボンディングのためにただ単に接触させても、十分な接触面積を得ることができ、したがって、十分な接合強度を得ることができる。 【0005】 【発明の実施の形態】 以下、図面と共に、この発明の実施形態を説明する。図1はバンプ電極を備えた半導体装置の断面図を示す。この図において、10はシリコンウエハであり、通常は直径4〜8インチのものが使用される。シリコンウエハ10上にはゲート等の内部電極11および酸化シリコンからなる絶縁膜12が形成されている。絶縁膜12上には内部電極11に接続された電極パッド13が形成されている。電極パッド13はアルミニウム(Al)、アルミニウム(Al)-けい素(Si)、アルミニウム(Al)-銅(Cu)-けい素(Si)等のアルミニウム合金からなっている。電極パッド13の周縁部および絶縁膜12上には窒化シリコンからなる絶縁膜14が形成されている。電極パッド13と対応する部分の絶縁膜14には開口14aが形成されている。開口14aに対向する電極パッド13およびこの電極パッド13の周縁部を覆っている部分の絶縁膜14上には中間接続膜(アンダバンプ層)15が形成されている。中間接続膜15はバリアメタルと接着メタルとの合金、例えばチタン(Ti)-タングステン(W)、白金(Pt)-チタン(Ti)、パラジウム(Pd)-チタン(Ti)等の合金からなる。このようなバリアメタルと接着メタルとの合金は、単一層でもバリア機能の他、バンプ電極16bと電極パッド13との接合強度を確保する機能を合わせ持つ。好ましくは、チタンを原子量比で10%、重量比で30%混合したチタン-タングステン合金を用い、スパッタリングにより数千Åの厚さに形成する。中間接続膜15の外側端は電極パッド13の外側端と絶縁膜14の開口14aとの間に位置付けされている。中間接続膜15上には金(Au)からなる外部電極16が柱状に形成されている。この外部電極16は金薄膜16aとバンプ電極16bとからなり、全体の厚さが10〜25μm程度に形成され、その外側端は中間接続膜15の外側端とほぼ同一面とされている。金薄膜16aは、メッキにより形成されるバンプ電極16bのメッキ用下地層であり、スパッタにより中間接続膜15に付着される。バンプ電極16bの頭部表面には微細なV字状溝17が形成されている。 【0006】 次に、図2(A)〜(E)を参照して、シリコンウエハ10に外部電極16を形成する方法について説明する。まず、図2(A)に示すように、シリコンウエハ10上に内部電極11および酸化シリコンからなる絶縁膜12を形成し、その上にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる電極パッド13を形成する。次に、電極パッド13および絶縁膜12上に亘って窒化シリコンからなる絶縁膜14を形成する。絶縁膜14には電極パッド13の外形よりも少し小さい開口14aをエッチングにより形成し、この開口14aから電極パッド13が露出されるようにする。この状態では、チタン-タングステン等の合金からなる中間接続用合金および金を順次スパッタリングすることにより、シリコンウエハ10上の電極パッド13および絶縁膜14の全面に亘って、中間接続膜15および金薄膜16aをそれぞれ数千Åの厚さに形成する。但し、金薄膜16aの厚さは数百Å程度でもよい。この場合、付着する金属粒子を均一にするために、スパッタリングが最適である。また、この処理を行う前には、必要に応じてアルミニウムの酸化膜を除去する除去処理を行う。 【0007】 次に、図2(B)に示すように、金薄膜16a上にフォトレジスト液を滴下してスピンコーティングによりフォトレジスト膜19を厚く形成する。このフォトレジスト膜19は厚さを20〜30μm程度にするために、粘度が数百〜千数百CPS(センチポイズ)で、通常のスピンコーティングのものよりも数倍ないし数十倍高いもの(例えば東京応化工業(株)製のBMR1000)を使用する。なお、回転速度は数百rpmである。この場合、フォトレジスト液の粘度が百CPS以下であると、所定の厚さにすることはできない。次に、このように形成されたフォトレジスト膜19を乾燥処理した後、その上面にマスク(図示せず)をアライメントする。このマスクの透光部は、電極パッド13と絶縁膜14の開口14aとの外側縁部間に透光部の外側縁部が位置するような大きさに形成されている。そして、このマスクを介してフォトレジスト膜19を露光し、現像することにより、図2(C)に示すように、フォトレジスト膜19に開口19aを形成する。次に、開口19aを介して露出された金薄膜16aに金を電解メッキすることにより、バンプ電極16bを形成する。このバンプ電極16bの形成は、その上面がフォトレジスト膜19の上面よりも突出しないところで止め、その厚さを20〜30μm程度にする。この結果、バンプ電極16bは柱状となり、その上面はほぼ平坦となる。なお、フォトレジスト膜19の現像に使用する現像液はキシレンを主成分とする有機溶剤(例えば東京応化工業(株)製のC-3)である。 【0008】 次に、図2(D)に示すように、フォトレジスト膜19をエチルセルソルブ、ジクロルベンゼンを主成分とする有機溶剤(例えば東京応化工業(株)製の剥離液SP)で剥離する。そして、この状態で、金薄膜16aをヨウ素系のエッチング液でエッチングして、不要な部分つまりバンプ電極16bと対応しない部分の金薄膜16aを除去する。この状態を図2(E)に示す。次に、シリコンウエハ10(図面は、バンプ電極構造の拡大部分のみを示すが、実際は、4〜8インチの円盤形状)を図3に示すスパッタ(エッチング)装置20に格納して反応性イオン(スパッタ)エッチングを行う。スパッタ装置20は、真空室21内にプレート22、23を備えており、シリコンウエハ10はプレート23上に配される。プレート23には、13.56MHzの高周波信号がマッチングボックス24、ブロックコンデンサ25を介して印加される。真空室21内は、図示しない真空ポンプにより高真空度に保持され、バルブ26の開放により反応性イオンガス28が真空室21内に導入される。反応性イオンガス28の流入量を流量計27で計測してバルブ26の開閉を制御することにより、真空室21内は15〜30Pa(パスカル:1Pa=1/133Torr)のガス圧力に設定されている。反応性イオンガス28としては、ハロゲン化ガスと塩素系ガスとの混合ガスを用いる。ハロゲン化ガスとしては、CF4、C2F6、C3F8、CHF3、SF6等を用いることができる。また、塩素系ガスとしては、CF3Cl、CF2Cl2、CFCl3、Cl2、SiCl4、BCl3、HCl、CCl4等を用いることができる。代表的な組合わせとしては、SF6+CFCl3が挙げられる。 【0009】 上記の条件で反応性イオンエッチングを行うと、中間接続膜15およびバンプ電極16bに反応性イオンによるスパッタリング効果が作用し、異方性エッチングが進行する。この場合、中間接続膜15に比しバンプ電極16bの厚さは極めて大きいので、中間接続膜15は完全に除去されるが、バンプ電極16bは頭部の表面にスパッタリングによる、微細な、しかし、比較的深いV字状溝17が形成される。図6は、バンプ電極16bをメッキ形成した時点の状態、すなわち、図2(C)〜(E)の状態におけるバンプ電極16bの顕微鏡写真である。図6におけるバンプ電極16bの頭部表面にも微細な凹凸面は観察される。しかし、この状態におけるバンプ電極16bの頭部表面には、先端側が球状に隆起した微小な凸部が形成されている。また、図7は、反応性イオンエッチングを実施した後の状態、すなわち、図1に示す状態におけるバンプ電極16bの顕微鏡写真である。この状態のバンプ電極16bの頭部表面には、先端側が鋭く尖った微小な隆起物が観察される。このように両者を比較すると、反応性イオンエッチング処理を実施する前と後では、バンプ電極16bの頭部表面の構造が全く異なることが認識される。 【0010】 次に、図4および図5を参照して、上記のように構成された半導体装置の外部電極16にフィンガリードを接続する場合について説明する。まず、シリコンウエハ10をダイシングにより切断して、複数の半導体チップ30に分離する。この半導体チップ30の1つには上述した外部電極16が多数配列されている。また、フィンガリード41は、銅箔をテープキャリア40にラミネートした上、エッチングにより所定の形状に形成されたもので、各フィンガリード41には半田42がメッキされている。各フィンガリード41の一端はテープキャリア40の中央に形成された四角い孔43内に突出され、この突出された各端部は半導体チップ30の各外部電極16と対応して配列されている。この場合、フィンガリード41の表面にメッキされる半田42はすず(Sn)と鉛(Pb)が8:2程度の合金からなり、その厚さが0.2〜0.6μm程度である。 【0011】 さて、半導体チップ30の各外部電極16にフィンガリード41を接続する場合には、各外部電極16にそれぞれフィンガリード41を対応させて熱圧着する。この熱圧着の条件は温度が200〜400℃で、圧着力が30〜360g/mm2で、時間が1〜5secである。このように外部電極16にフィンガリード41が熱圧着されると、バンプ電極16bとフィンガリード41の表面の半田42はAu-Sn共晶接合される。しかも、バンプ電極16bの頭部表面には微細なV字状溝17が形成されており、このV字状溝17に半田42が喰い付くので、半田のバンプ電極粗面へのアンカー効果が得られ、信頼性の高い接合が達成される。なお、バンプ電極16bの頭部表面に微細なV字状溝17を形成しなくても、バンプ電極16bが柱状であってその上面がほぼ平坦であるので、このバンプ電極16bのほぼ平坦な上面にテープキャリア40のフィンガリード41(他の電子部品の接続端子)をボンディングのためにただ単に接触させても、十分な接触面積を得ることができ、したがって十分な接合強度を得ることができる。また、上記実施形態において金薄膜16aをウェットエッチングとしているのは、エッチングにより除去された金を回収して再使用するためであり、このエッチングは中間接続膜15と同様、反応性イオンエッチングにより同時に除去することは当然可能なことである。 【0012】 【発明の効果】 以上説明したように、この発明によれば、メッキによりバンプ電極をその上面がフォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成しているので、バンプ電極が柱状となり、その上面がほぼ平坦となり、このためこのバンプ電極のほぼ平坦な上面に他の電子部品の接続端子をボンディングするためにただ単に接触させても、十分な接触面積を得ることができ、したがって十分な接合強度を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の一実施形態におけるバンプ電極を備えた半導体装置の断面図。 【図2】 (A)〜(E)はそれぞれ図1に示す半導体装置の各形成工程を示す断面図。 【図3】 図2(E)に示す半導体装置のバンプ電極等をエッチングするための反応性イオンエッチング装置の断面図。 【図4】 図1に示す半導体装置をテープキャリアに搭載した状態の平面図。 【図5】 図1に示す半導体装置のバンプ電極とテープキャリアのフィンガリードとを接合した状態の断面図。 【図6】 図2(C)〜(E)に示す状態におけるつまり反応性イオンエッチングを行う前の状態におけるバンプ電極の粒子構造の顕微鏡写真。 【図7】 図1に示す状態におけるつまり反応性イオンエッチングを行った後の状態におけるバンプ電極の粒子構造の顕微鏡写真図。 【図8】 従来のバンプ電極を備えた半導体装置の断面図。 【符号の説明】 10 シリコンウエハ 13 電極パッド 14 絶縁膜 15 中間接続膜 16a 金薄膜 16b バンプ電極 40 テープキャリア 41 フィンガリード |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 1.特許請求の範囲の減縮を目的として 特許請求の範囲の請求項1を 「【請求項1】シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が絶縁膜の開口から露出され、かつ前記絶縁膜により周縁部分が被覆された電極パッド上に高さが10〜25μmの柱状のバンプ電極を形成し、このバンプ電極を他の電子部品の接続端子と接合する半導体装置の接合方法において、前記絶縁膜および前記絶縁膜の開口から露出された前記電極パッド上に中間接続膜を形成し、前記中間接続膜上に粘度数百CPS〜千数百CPSのフォトレジスト液を滴下して、スピンコーティングにより厚さが前記バンプ電極の高さ以上で且つ30μm以下のフォトレジスト膜を形成するとともに、このフォトレジスト膜を前記絶縁膜の開口と前記電極パッドの周縁部との間にその周縁部が位置する大きさにエッチングし、前記フォトレジスト膜のエッチングした部分を介して、メッキにより前記バンプ電極をその上面が前記フォトレジスト膜の上面と同一となる位置もしくはそれよりも低くなる位置まで形成し、前記フォトレジスト膜を除去した後、前記バンプ電極の外側部分の前記中間接続膜を前記バンプ電極の側面とほぼ同一面までエッチングし、前記バンプ電極を前記他の電子部品の接続端子と接合することを特徴とする半導体装置の接合方法。」と訂正する。 2.発明の詳細な説明を、不明瞭な記載の釈明を目的として 発明の詳細な説明の欄の段落番号【0004】の「中央部分が」を「シリコンウエハ上に形成され、かつ、中央部分が」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-01-15 |
出願番号 | 特願平10-12002 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
ZA
(H01L)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 内野 春喜、阿波 進、今井 拓也 |
特許庁審判長 |
影山 秀一 |
特許庁審判官 |
伊藤 明 中西 一友 |
登録日 | 1999-07-30 |
登録番号 | 特許第2958519号(P2958519) |
権利者 | カシオ計算機株式会社 |
発明の名称 | 半導体装置の接合方法 |