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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 H01M 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 H01M 審判 全部申し立て 2項進歩性 H01M |
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管理番号 | 1044775 |
異議申立番号 | 異議1999-73935 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1992-04-16 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-10-18 |
確定日 | 2001-04-02 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2884746号「非水電解液2次電池」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2884746号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第2884746号の請求項1〜4に係る発明は、平成2年9月3日に特許出願され、平成11年2月12日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後、請求項1〜4に係る特許について秋山重夫より特許異議の申立てがなされ、平成13年3月6日に取消理由通知の手交と訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 2-1.訂正の内容 (a)特許請求の範囲の 「【請求項1】リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液2次電池において; 前記負極は易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であることを特徴とする非水電解液2次電池。 【請求項2】上記黒鉛質材料は、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものである特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。 【請求項3】上記黒鉛質材料は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下である特許請求の範囲第1項または第2項記載の非水電解液2次電池。 【請求項4】上記正極は、LiCoO2、LiMn2O4、あるいはこれらのCoおよびMnの一部を他元素で置換した複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1つである特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。」を、 「【請求項1】リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液2次電池において; 前記負極は易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものである非水電解液2次電池。 【請求項2】上記黒鉛質材料は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下である特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。 【請求項3】上記正極は、LiCoO2、LiMn2O4、あるいはこれらのCoおよびMnの一部を他元素で置換した複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1つである特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。」と訂正する。(以下、「訂正事項a」という。) (b)特許明細書第6頁第3行〜第8行(特許公報第4欄第10行〜第14行)の 「これらの課題を解決するため本発明は、負極に球状コークスやメソカーボンマイクロビーズなど球状粒子からなる黒鉛材料を選択し、正極にリチウム含有複合酸化物を用いることによって、4V近い高電圧と高容量を有し、サイクル特性を向上させたものである。」を、 「これらの課題を解決するため本発明は、負極に易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものを選択し、正極にリチウム含有複合酸化物を用いることによって、4V近い高電圧と高容量を有し、サイクル特性を向上させたものである。」と訂正する。(以下、「訂正事項b」という。) 2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、特許請求の範囲において、請求項1を削除し、これに伴い、請求項1を引用して記載されていた請求項2を独立形式に訂正して新たな請求項1とすると共に、請求項1ないし2を引用して記載されていた請求項3,4を繰り上げ、新たな請求項1のみを引用する新たな請求項2,3と訂正するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 上記訂正事項bは、上記訂正事項aにより特許請求の範囲が訂正されることに伴い、発明の詳細な説明の記載をこれに整合するように訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。 2-3.独立特許要件 2-3-1.訂正明細書の請求項1〜3に係る発明 訂正明細書の請求項1〜3に係る発明は、平成13年3月6日付け訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものである。 2-3-2.取消理由の概要 取消理由は、本件特許明細書には記載不備が存在するから、本件請求項1〜4に係る発明の特許は、特許法第36条第3項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるというものである。 2-3-3.取消理由についての判断 取消理由で指摘された明細書の記載不備は、概略、『本件請求項1〜4に係る発明と甲第4号証に記載の電池1とは、負極が球状粒子からなる黒鉛質材料である点で同様の構成を採用しながら、本件請求項1〜4に係る発明は優れたサイクル特性を有すると記載されているのに対し、甲第4号証の電池1はサイクル特性が劣っていると記載されており、本件特許明細書の記載は、甲第4号証の記載と矛盾している。』という趣旨のものである。 しかしながら、訂正明細書に記載された、負極が球状粒子でない黒鉛質材料を用いた比較例2の電池は、サイクル寿命が約100サイクルであるのに対し、甲第4号証に記載の電池1は、サイクル寿命が約150サイクルであって、訂正明細書の請求項1〜3に係る発明と同様に、前記比較例2の電池よりも改良されていると認められるから、訂正明細書の記載が甲第4号証の記載と矛盾するとはいえない。 よって、訂正明細書の記載が特許法第36条第3項の規定に違反するとはいえない。 2-3-4.まとめ したがって、訂正明細書の請求項1〜3に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とすることはできない。 2-4.訂正の適否についての結論 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2〜4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立てについての判断 3-1.本件請求項1〜3に係る発明 本件請求項1〜3に係る発明は、平成13年3月6日付けで提出された訂正請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものである。 3-2.申立ての理由の概要 特許異議申立人は、甲第1〜5号証及び参考資料1を提出して、本件請求項1に係る発明は、参考資料1の記載を参照すると、甲第1号証に記載された発明といえるから、本件請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであり(申立て理由1)、また、本件請求項1〜4に係る発明は、甲第1〜3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1〜4に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり(申立て理由2)、さらに、本件特許明細書には記載不備が存在するから、本件請求項1〜4に係る発明の特許は、特許法第36条第3項(なお、特許異議申立書における「特許法第36条第4項」は、「特許法第36条第3項」の誤記と認められる)に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから(申立て理由3)、本件請求項1〜4に係る発明の特許は取り消されるべきものであると主張している。 3-3.甲各号証記載の発明 甲第1号証(特開昭62-90863号公報)には、二次電池に関して、 「構成要素として少なくとも、正、負電極、セパレーター、非水電解液からなる二次電池であって、下記I及び/又は下記IIを正、負いずれか一方の極の活物質として用いることを特徴とする二次電池。 I:層状構造を有し、一般式 AxMyNzO2(但しAはアルカリ金属から選ばれた少なくとも一種であり、Mは遷移金属であり、Nは、Al,In、Snの群から選ばれた少なくとも一種を表わし、x、y、zは各々0.05≦x≦1.10、 0.85≦y≦1.00、 0.001≦z≦0.10の数を表わす。) で示される複合酸化物。 II:BET法比表面積A(m2/g)が0.1<A<100の範囲で、かつX線回折における結晶厚みLc(Å)と真密度ρ(g/cm3)の値が下記条件1.70<ρ<2.18かつ10<Lc<120ρ-189を満たす範囲にある炭素質材料のn-ドープ体。」(特許請求の範囲)、 「二次電池の分野では従来より鉛電池、ニッケル-カドミ電池が用いられてきたが両者共、小型軽量化という点で大きな問題点を有している。かかる観点から、非水系二次電池が非常に注目されてきているが、未だ実用化に至っていない。その理由の一つは該二次電池に用いる電極活物質でサイクル性、自己放電特性等の実用物性を満足するものが見出されていない点にある。一方、従来のニッケル-カドミ電池、鉛電池などと本質的に異なる反応形式である層状化合物のインターカレーション、又はドーピング現象を利用した新しい群の電極活物質が注目を集めている。」(第1頁右下欄第16行〜第2頁左上欄第8行)、 「Li+イオン等の陽イオンを取り込んだ黒鉛層間化合物を負極として用いることは当然考えられ、事実、例えば特開昭59-143280号公報に、陽イオンを取り込んだ黒鉛層間化合物を負極として用いることが記載されている。」(第2頁右下欄下から第4行〜第3頁左上欄第1行)、 「本発明の条件範囲を満たす炭素質材料の一例を示せば、例えば気相成長法炭素繊維が挙げられる。」(第5頁左下欄第9行〜第11行)、 「かかる気相成長炭素繊維が易黒鉛化炭素の典型例であることは公知の事実である。即ち熱処理により極めて容易に黒鉛グラファイト化するという特徴を有している。」(第5頁右下欄第5行〜第8行)、 「又、他の例を示せば、ピッチ系炭素質材料が挙げられる。本発明で用いられるピッチ類の一例を示せば、石油ピッチ、アルファルトピッチ、コールタールピッチ、原油分解ピッチ、石油スラッジピッチ等の石油、石炭の熱分解により得られるピッチ、高分子重合体の熱分解により得られるピッチ、テトラベンゾフェナジン等の有機低分子化合物の熱分解により得られるピッチ等が挙げられる。」(第6頁右上欄第3行〜第11行)、 「本発明の活物質IIは、前述の如く負極として用いた場合に特に優れた性能を発揮するが、この時用いられる正極としては特に限定されないが、・・・Li(1-x)MnO2、Li(1-x)CoO2、Li(1-x)NiO2、・・・が挙げられる。」(第8頁右上欄第13行〜第18行)、 「実施例1 アントラセン油をAr雰囲気下で・・・1200℃で1時間焼成炭化した。・・・この試料を・・・塗工液とし、・・・製膜した。これをSUSネットにはさみ、第1図に示す電池の負極とした。一方、・・・Li1.03Co0.95Sn0.042O2の組成を有する複合酸化物を得た。この複合酸化物を・・・と混合した後、15μmのアルミ箔・・・の片面に・・・塗布した。これをSUSネットではさんだものを正極とし、・・・LiClO4プロピレンカーボネート溶液を電解液として電池評価を行った。」(第9頁右上欄第10行〜左下欄第17行)、 「実施例2〜6,比較例1〜5 第1表に示す素原料を同じく第1表に示す処理条件で焼成炭化、もしくは熱処理して得られた炭素質材料を用い、実施例1と同様の電池評価を行った。」(第9頁右下欄第14行〜第18行)、 「実施例41,比較例21〜27 実施例1において、アントラセン油焼成炭化物の粉末のかわりに第9表に示す炭素質材料を用いた以外、全く同様の電池評価を行った。」(第18頁左下欄第1行〜第4行)と記載され、また、第1表には、比較例1,2における炭素質材料の面間隔d002が3.39Åである旨が、第9表には、比較例24における炭素質材料が、ライオン・アクゾ社というメーカーの製品名ケッチェンブラックECというカーボンブラックである旨、及び、その面間隔d002が3.42Åである旨が記載されている。 甲第2号証(「第15回炭素材料学会年会要旨集」炭素材料学会(昭和63年12月7日発行)P76-77)には、エマルション法によるメソカーボンマイクロビーズ(I)石炭系、石油系ビーズの諸物性に関して、 「Fig.3に、得られた石炭系MCBの、熱処理温度(HTT)による面間隔d(002)と結晶子の厚みLc(002)の変化を示す。従来の調製法によるMCBは、その構成分子の良配向性から、易黒鉛化性炭素であることが知られており、ある石炭系MCBについてHTT2800℃では、d(002)が0.3365nm、Lc(002)が100nm以上になるという報告がある(本田ら、炭素、1975[No.82]、107)。本調製法によるMCBは、HTT2000℃付近から、d(002)、Lc(002)共に急激に変化し、d(002)はHTT2500℃以上で0.3361nmとなり、Lc(002)は、HTT2500℃で90nmに達した。この結果より、本法によるMCBは、原料バルクメソフェーズの持つ積層構造を引き継いだ、易黒鉛化性炭素であるといえる。」(第77頁第17行〜第28行)と記載されている。 甲第3号証(特公昭62-13284号公報)には、高密度炭素材の製造方法に関して、 「コールタールピッチを350〜600℃の温度で熱処理し、・・・次いで焼成および黒鉛化を行い、カサ密度1.9g/cm3以上の高密度炭素材を得ることを特徴とする高密度炭素材の製造方法。」(特許請求の範囲)、 「現在、高密度炭素材は、放電加工用電極等の電気化学用、・・・等の極めて広範囲にわたる分野において利用され、かつ開発が進められている。」(第1欄第19行〜第23行)、 「かかる複雑な工程の簡略化および生成する炭素材の高密度化を目的として、バインダーを使用せずに高密度炭素材を製造するいくつかの方法が提案された。かかる方法の一例では、コールタールピッチを350〜500℃で熱処理し、この際ピッチ中に発生する光学的異方性小球体をキノリン等で溶剤抽出し、抽出液から溶剤を除去して得た残留物を成形する(特開昭49-23792号)。」(第2欄第5行〜第12行)と記載されている。 甲第4号証(特許第2940172号公報)には、非水電解液二次電池に関して、 「リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液二次電池において、前記負極は球状粒子よりなる黒鉛材料と炭素繊維とで構成された複合炭素材であり、かつ前記黒鉛材料がX線広角回折法による002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下である非水電解液二次電池。」(特許請求の範囲の請求項1)、 「コークスの高温焼成体などは、・・・比較的高容量(200〜250mAh/g)を与えることが見いだされている。しかしながら充放電に伴い黒鉛のC軸方向の膨脹および収縮が大きいために成形体が膨潤し、元の形状を維持できなくなる。従って、サイクル特性に問題がある。本発明は、上記のような従来の問題を解消し、高電圧、高容量を有し、かつサイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的としている。」(段落【0010】、【0011】)、 「球状粒子からなる黒鉛材料を負極に用いた場合、初期は200〜250mAh/gの高容量を有するが、充放電に伴い成形体の膨潤、破壊が見られ、サイクルに伴う容量劣化が大きくなる。そこで本発明者らは上記黒鉛材料に炭素繊維を混合し複合炭素材とすることによって、負極合剤の強度を高め、成形体の膨潤、破壊を防ぐことによって上述の問題点を解決した。」(段落【0015】、【0016】)、 「本発明による球状粒子からなる黒鉛材料は、その形状が球状であることがリチウムのインターカレーション/デインターカレーション反応に適しており、他の黒鉛材料に比べて電解液の分解などの副反応が比較的起こりにくい。しかしながら充放電サイクルに伴い負極成形体の膨潤が見られ、粒子間の接触が悪くなるために容量劣化が顕著となる。そこで上述の黒鉛材料に炭素繊維を混合、分散させることによって合剤の強度を高め粒子間の接触を良好に保つことによって、サイクルに伴う容量劣化を防ぐことができた。」(段落【0022】、【0023】)と記載されている。 参考資料1(ライオン・アクゾ株式会社の「ケッチェンブラックE.C」に関するカタログ)には、ケッチェンブラックE.Cに関して、 「ケッチェンブラックE.Cには、外側に薄く黒鉛結晶が寄り集まったような、いわば”中空のシェル状粒子”が存在している」(第5頁中欄第3行〜第7行)と記載され、また、ケッチェンブラックE.Cの電子顕微鏡写真が示され、 「中央の黒色鎖状部分は、従来のカーボンに見られるような凝集体ですが、そのまわりの球状をなさない特異な中空シェル状の粒子にご注目下さい。」(第5頁中欄下から第4行〜右欄第3行)と記載されている。 3-4.当審の判断 3-4-1.申立て理由1 前記訂正請求により、特許明細書に記載された請求項1に係る発明は削除されたので、申立て理由1は解消している。 3-4-2.申立て理由2 (本件請求項1に係る発明について) 本件請求項1に係る発明と甲第1号証記載の発明とを対比すると、両者は、「リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液二次電池において、前記負極は炭素質材料である非水電解液二次電池。」である点で一致するが、本件請求項1に係る発明は、負極の炭素質材料が、「易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したもの」であるのに対し、甲第1号証には、炭素質材料として気相成長法炭素繊維、ピッチ系炭素質材料等が示されているだけで、上記の球状コークス、あるいはピッチを原料としたメソカーボンマイクロビーズは示されていない点で相違する。 そこで、この相違点について検討する。 本件請求項1に係る発明は、高電圧、高容量を有し、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することを目的として、前記相違点で示される構成要件を採用したものである。 これに対し、甲第2号証には、ピッチ類の液相炭素化過程において出現する光学的異方性のメソフェーズ小球体を、溶剤分別法によりピッチマトリックスから分離するという従来の調製法により得られたメソカーボンマイクロビーズは、易黒鉛化性炭素であること、エマルション法によるメソカーボンマイクロビーズは、d(002)が熱処理温度2500℃以上で0.3361nmとなる等の結果から、易黒鉛化性炭素であるといえること等が記載されているが、本件請求項1に係る発明の前記目的に対する認識が存在しないし、また、それらメソカーボンマイクロビーズの熱処理されたものを非水電解液二次電池の負極の材料として用いることも記載されていない。 甲第3号証には、コールタールピッチを350〜600℃の温度で熱処理し、次いで焼成および黒鉛化を行い、カサ密度1.9g/cm3以上の高密度炭素材を得ること、高密度炭素材は、放電加工用電極等の電気化学用等の極めて広範囲にわたる分野において利用され、かつ開発が進められていることが記載されているが、本件請求項1に係る発明の前記目的に対する認識が存在しないし、また、その高密度炭素材を非水電解液二次電池の負極の材料として用いることも記載されていない。 以上のように、甲第2,3号証には、非水電解液二次電池の電圧、容量、サイクル特性の向上についての認識が全く存在しないし、また、それらに記載の炭素材を非水電解液二次電池の負極の材料として用いることについて示唆するところもないから、甲第2,3号証記載の発明に基づいて前記相違点で示される本件請求項1に係る発明の前記構成要件が容易に想到できるとはいえない。 そして、本件請求項1に係る発明は、前記相違点で示される構成要件を具備することにより、高電圧、高容量を有し、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができるという、明細書記載の効果を奏するものである。 したがって、本件請求項1に係る発明は、甲第1〜3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (本件請求項2,3に係る発明について) 本件請求項2、3に係る発明は、本件請求項1に係る発明を引用し、それぞれ、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)、正極の複合酸化物についてさらに限定したもので、負極の炭素質材料が、「易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したもの」であるという構成要件を具備する点で本件請求項1に係る発明と共通するから、本件請求項1に係る発明と同様に、甲第1〜3号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3-4-3.申立て理由3 申立て理由3において、特許異議申立人が指摘した明細書の記載不備は、概略、『本件請求項1〜4に係る発明と甲第4号証に記載の電池1とは、負極が球状粒子からなる黒鉛質材料である点で同様の構成を採用しながら、本件請求項1〜4に係る発明は優れたサイクル特性を有すると記載されているのに対し、甲第4号証の電池1はサイクル特性が劣っていると記載されており、本件特許明細書の記載は、甲第4号証の記載と矛盾している。』というものである。 しかしながら、「2-3-3.取消理由についての判断」において前述したように、本件特許明細書には、特許法第36条第3項の規定に違反する記載不備が存在するとはいえない。 4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1〜3に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 非水電解液2次電池 (57)【特許請求の範囲】 (1)リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液2次電池において; 前記負極は易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものである非水電解液2次電池。 (2)上記黒鉛質材料は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下である特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。 (3)上記正極は、LiCoO2、LiMn2O4、あるいはこれらのCoおよびMnの一部を他元素で置換した複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1つである特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。 【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、非水電解液2次電池、詳しくは小形、軽量の新規な2次電池に関する。 従来の技術 近年、民生用電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでいる。これにつれて駆動用電源を担う小形、軽量で、かつ高エネルギー密度を有する2次電池への要望も高まっている。このような観点から、非水系2次電池、特にリチウム2次電池は、とりわけ高電圧、高エネルギー密度を有する電池としてその期待は大きく、開発が急がれている。 従来、リチウム2次電池の正極活物質には、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、二硫化チタンなどが用いられていた。これらの正極と、リチウム負極および有機電解液とで電池を構成し、充放電を繰り返していた。ところが、一般に負極にリチウム金属を用いた2次電池では充電時に生成するデンドライト状リチウムによる内部短絡や活物質と電解液の副反応といった課題が2次電池化への大きな障害となっている。更には、高率充放電特性や過放電特性におても満足するものが見い出されていない。また昨今、リチウム電池の安全性が厳しく指摘されており、負極にリチウム金属あるいはリチウム合金を用いた電池系においては安全性の確保が非常に困難な状態にある。 一方、層状化合物のインターカレーション反応を利用した新しいタイプの電極活物質が注目を集めており、古くから黒鉛層間化合物が2次電池の電極材料として用いられている。 特に、ClO4-、PF6-、BF4-イオン等のアニオンを取りこんだ黒鉛層間化合物は正極として用いられ、一方、Li+、Na+等のカチオンを取りこんだ黒鉛層間化合物は負極として考えられている。しかしカチオンを取りこんだ黒鉛層間化合物は極めて不安定であり、天然黒鉛や人造黒鉛を負極として用いた場合、通常は電池としての安定性に欠けると共に容量も低い。更には電解液の分解を伴うために、リチウム負極の代替となり得るものではなかった。 最近になって、各種炭化水素あるいは高分子材料を炭素化して得られた疑黒鉛材料のカチオンドープ体が負極として有効であり、利用率が比較的高く電池としての安定性に優れることが見いだされた。そしてこれを用いた小形、軽量の2次電池について盛んに研究が行われている。 一方、炭素材料を負極に用いることに伴い、正極活物質としては、より高電圧を有し、かつLiを含む化合物であるLiCoO2やLiMn2O4、あるいはこれらのCoおよびMnの一部を他元素、例えばFe、Co、Ni、Mnなどで置換した複合酸化物を用いることが提案されている。 発明が解決しようとする課題 前述のようなある程度の乱層構造を有した疑黒鉛材料を負極材に用いた場合、リチウムの吸蔵および放出量を求めたところ、100〜150mAh/gcarbonの容量しか得られず、また充放電に伴う炭素極の分極が大きくなる。 従って、例えばLiCoO2などの正極と組み合わせた場合、満足のいく容量、電圧を得ることは困難である。一方、高結晶性の黒鉛材料を負極材に用いた場合、充電時に黒鉛電極表面で電解液の分解によるガス発生が起こり、リチウムのインターカレーション反応は進みにくいことが報告されている。しかしコークスの高温焼成体などは、ガス発生は伴うものの比較的高容量(200〜250mAh/g)を与えることが見いだされている。しかしながら充放電に伴い黒鉛のC軸方向の膨張および収縮が大きいために成形体が膨潤し、元の形状を維持できなくなる。従って、サイクル特性に大きな問題があった。本発明は、上記のような従来の問題を解消し、高電圧、高容量を有し、サイクル特性に優れた非水電解液2次電池を提供することを目的としている。 課題を解決するための手段 これらの課題を解決するため本発明は、負極に易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものを選択し、正極にリチウム含有複合酸化物を用いることによって、4V近い高電圧と高容量を有し、サイクル特性を向上させたものである。 一般に、化学的に黒鉛層間にインターカレートされ得るリチウムの量は、炭素6原子に対しリチウム1原子が挿入された第1ステージの黒鉛層間化合物C6Liが上限であると報告されており、その場合活物質は372mAh/gの容量を持つことになる。上述のような疑黒鉛材料を用いた場合、黒鉛の層状構造が未発達であるためにインターカレートされ得るリチウム量は少なく、また充放電反応は金属リチウムに対して貴な電位(1.0V付近)で進行するために負極材料として適するものではなかった。 そこで本発明者らはより結晶化の進んだ黒鉛材料を負極材として選択し、その形状を検討することにより上述の問題点を解決した。その結果、負極黒鉛材には球状粒子からなる黒鉛材料が好ましく、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークスあるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズが使用できることがわかった。これらはいずれもその黒鉛化度が重要な因子であり、002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下がよく、更に好ましくは3.40Å以下である。おおむね3,43Å以上の疑黒鉛質の状態では他の疑黒鉛材料の場合と同様に容量が少なく、炭素極の分極が大きくなる。 一方、正極にはリチウムイオンを含む化合物であるLiCoO2やLiMn2O4更には両者のCoあるいはMnの一部を他の元素、例えばCo,Mn,Fe,Ni,などで置換した複合酸化物が使用できる。上記複合酸化物は、例えばリチウムやコバルトの炭酸塩あるいは酸化物を原料として、目的組成に応じて混合、焼成することによって容易に得ることができる。勿論他の原料を用いた場合においても同様に合成できる。通常焼成温度は650℃〜1200℃の間で設定される。 電解液、セパレー夕については特に限定されるものではなく従来より公知のものが何れも使用できる。 作用 本発明による球状粒子からなる炭素材はいずれも高温で熱処理を施すことにより容易に黒鉛化するが元の球形の形状は維持しており、若干のクラックがみられる程度である。この球状であることが、黒鉛のC軸方向の膨張および収縮に対して柔軟であり、初期に若干のガス発生は生じるものの可逆的にリチウムのインターカレーションおよびデインターカレーションを行うことができる。またこれらの反応は金属リチウムに対して0.05〜0.20Vと非常に卑な電位で進行するために、高容量、高電圧を有し、サイクル特性に優れた2次電池を得ることが可能となる。 実施例 以下、実施例により本発明を詳しく述べる。 第1図に本実施例で用いた円筒形電池の縦断面図を示す。図において1は耐有機電解液性ステンレス鋼板を加工した電池ケース、2は安全弁を設けた封口板、3は絶縁パッキングを示す。4は極板群であり、正極および負極がセパレータを介して複数回巻回されて収納されている。そして上記正極からは正極リード5が引出されて封口板2に接続され、負極からは負極リード6が引出されて電池ケース底部1に接続されている。7は絶縁リングで極板群の上下部にそれぞれ設けられている。以下正、負極板、電解液等について詳しく説明する。 正極はLi2CO3とCoCO3とを混合し、900℃で10時間焼成し合成したLiCoO2の粉末100重量部に、アセチレンブラック3重量部、グラファイト4重量部、フッ素樹脂系結着剤7重量部を混合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にした。このペーストを厚さ0.03mmのアルミ箔の両面に塗着し、乾燥後圧延して厚さ0.19mm、幅40mm、長さ250mmの極板とした。合剤重量は5gであった。 負極は2800℃の熱処理を施したフリュードコークス(d002=3.38Å)100重量部に、フッ素樹脂系結着剤10重量部を混合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にした。そしてこのペーストを厚さ0.02mmの銅箔の両面に塗着し、乾燥後厚延して厚さ0.02mm、幅40mm、長さ260mmの極板とした。合剤重量は2.5gであった。 そして正、負極板それぞれにリードを取りつけ、厚さ0.025mm、幅46mm、長さ700mmのポリプロピレン製のセパレータを介して巻回し、直径13.8mm、高さ50mmの電池ケース内に収納した。電解液には炭酸プロピレンと炭酸エチレンの等容積混合溶媒に、過塩素酸リチウムを1モル/1の割合で溶解したものを用いた。 そしてこの電池を封口する前に充放電操作を行い、発生したガスを真空下で充分に脱気した後封口し、実施例の電池とした。 比較例1 負極に1200℃で熱処理を施したフリュードコークス(d002=3.55Å)を用いた以外は全く実施例の電池と同一条件で構成を行い、比較例1の電池とした。 比較例2 負極に2800℃で熱処理を施したニードルコークス(d002=3.37Å)を用いた以外は全く実施例の電池と同一条件で構成を行い、比較例2の電池とした。 比較例3 負極にリン状の天然黒鉛(d002=3.36Å)を用いた以外は全く実施例の電池と同一条件で構成を行い、比較例3の電池とした。 上述の実施例の電池および比較例の電池を充放電電流100mA、充電終止電圧4.1V、放電終止電圧3.0Vの条件下で定電流充放電試験を行った。その10サイクル目の充放電曲線の比較を第2図に、サイクル特性の比較を第3図に示した。なお比較例3の電池は封口する前に充放電を行ったにもかかわらず、その後の充電時に内圧の上昇に伴って安全弁が作動し、電解液の漏液に至った。このため以後の使用は不可能となり試験を中断した。 第2図より明らかなように、黒鉛化の発達した負極材を用いた実施例の電池および比較例2の電池は450〜500mAhの容量を有し、放電時の平均電圧が3.7Vと高い。一方、黒鉛化していない負極材を用いた比較例1の電池では容量が350mAhと少なく、充放電曲線の傾斜が大きく平均放電電圧も3.5Vと低くなってしまう。また第3図から明らかなように、実施例の電池ではサイクル平坦性が良好であり、500サイクル以上の充放電が可能である。一方、ニードルコークスを用いた比較例2の電池は、サイクルに伴う劣化が著しく、50サイクルで初期容量の半分以下になってしまった。この電池を100サイクル終了時に分解し、負極板を観察した結果、合剤の膨潤、はがれが目立った。一方、フリュードコークスを用いた実施例の電池を500サイクル終了時に分解したところ、負極板には目立った変化は認められなかった。第4図に本実施例で用いたフリュードコークスの走査型電子顕微鏡写真を示す。なおギルソナイトコークス、メソカーボンヌイクロビーズもこれに準じた球状の粒子から構成されている。 本実施例ではフリュードコークスを負極材に用いたが、ギルソナイトコークス、メソカーボンマイクロビーズを用いた場合でも、更にはこれらの混合物を用いた場合も同様の効果が得られた。 発明の効果 以上の説明から明らかなように、負極に易黒鉛性の球状粒子からなる黒鉛質材料を用い、リチウム含有複合酸化物からなる正極と組み合わせる本発明による非水電解液2次電池は、高電圧、高容量を有し、サイクル特性に優れた非水電解液2次電池を提供することができるという効果がある。 【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例における円筒形電池の縦断面図、第2図は10サイクル目の充放電曲線の比較を示す図、第3図はサイクル特性の比較を示す図、第4図は球状粒子からなる黒鉛材の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。 1……電池ケース、2……封口板、3……絶縁パッキング、4……極板群、5……正極リード、6……負極リード、7……絶縁リング、8……電池ケース、9……リチウム金属、10……電解液。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 (A)特許請求の範囲を、特許請求の範囲の減縮を目的として、 「【請求項1】リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、再充電可能な負極とを備えた非水電解液2次電池において; 前記負極は易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものである非水電解液2次電池。 【請求項2】上記黒鉛質材料は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が、3.42Å以下である特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。 【請求項3】上記正極は、LiCoO2、LiMn2O4、あるいはこれらのCoおよびMnの一部を他元素で置換した複合酸化物の中から選ばれる少なくとも1つである特許請求の範囲第1項記載の非水電解液2次電池。」と訂正する。 (B)特許明細書第6頁第3行〜第8行(特許公報第4欄第10行〜第14行)の「これらの課題を解決するため本発明は、負極に球状コークスやメソカーボンマイクロビーズなど球状粒子からなる黒鉛材料を選択し、正極にリチウム含有複合酸化物を用いることによって、4V近い高電圧と高容量を有し、サイクル特性を向上させたものである。」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「これらの課題を解決するため本発明は、負極に易黒鉛化性の球状粒子からなる黒鉛質材料であって、フリュードコークス、ギルソナイトコークスなどの球状コークス、あるいはピッチの炭素化過程で生じるメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズから選ばれる少なくとも1つであり、これらに熱処理を施すことによって黒鉛化したものを選択し、正極にリチウム含有複合酸化物を用いることによって、4V近い高電圧と高容量を有し、サイクル特性を向上させたものである。」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-03-13 |
出願番号 | 特願平2-233512 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H01M)
P 1 651・ 113- YA (H01M) P 1 651・ 531- YA (H01M) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 種村 慈樹 |
特許庁審判長 |
松本 悟 |
特許庁審判官 |
能美 知康 綿谷 晶廣 |
登録日 | 1999-02-12 |
登録番号 | 特許第2884746号(P2884746) |
権利者 | 松下電器産業株式会社 |
発明の名称 | 非水電解液2次電池 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 岩橋 文雄 |
代理人 | 岩橋 文雄 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 内藤 浩樹 |