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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A61K 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 A61K 審判 全部申し立て 発明同一 A61K |
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管理番号 | 1044805 |
異議申立番号 | 異議2000-71927 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-06-23 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-05-10 |
確定日 | 2001-04-25 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2974778号「シリコーンコンディショニング剤含有ヘアコンディショニングシャンプー組成物」の請求項1ないし12に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2974778号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.経緯 本件特許第2974778号は平成4年3月18日の国際出願(優先権主張、1991年4月5日、米国)に係り、平成11年9月3日に設定登録された後、異議申立てがあり、取消理由通知の後、平成13年3月7日に訂正請求がなされたものである。 2.本件訂正請求に係る訂正事項は以下のとおりである。 (1)特許明細書の特許請求の範囲の請求項1〜7における、 「1.(a)洗浄界面活性剤成分5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤0.1〜10重量%;及び (c)水; を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。 2.nが30〜85であり、Rが炭素原子11〜15を有する、請求項1に記載の組成物。 3.シリコーンコンディショニング剤用の懸濁化剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。 4.懸濁化剤が長鎖アシル誘導体、長鎖アミンオキシド,キサンタンガム、カルボキシビニルボリマー懸濁化剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。 5.洗浄界面活性剤成分が組成物の重量で少くとも2%のアニオン系界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。 6.アニオン系界面活性剤がアルキルサルフェート、エトキシル化アルキルサルフェート又はそれらの混合物からなる、請求項5に記載の組成物。 7.洗浄界面活性剤成分が両性界面活性剤、双極性界面活性剤又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の組成物。」なる記載を、 「1.(a)洗浄界面活性剤成分5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)25℃で1,000,000センチボイズ以上の粘度を有し、200,000超の質量分子量を有するポリジメチルシロキサンゴム及び25℃で10〜100.000センチボイズの粘度を有するポリジメチルシロキサン液の混合物からなり、その混合物が30:70〜70:30のゴム:液重量比を有する、分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤0.1〜10重量%;及び (c)水;を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。 2.nが30〜85であり、Rが炭素原子11〜15を有する、請求項1に記載の組成物。 3.シリコーンコンディショニング剤用の懸濁化剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。 4.懸濁化剤が長鎖アシル誘導体、長鎖アミンオキシド,キサンタンガム、カルボキシビニルボリマー懸濁化剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。 5.洗浄界面活性剤成分が組成物の重量で少くとも2%のアニオン系界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。 6.アニオン系界面活性剤がアルキルサルフェート、エトキシル化アルキルサルフェート又はそれらの混合物からなる、請求項5に記載の組成物。 7.洗浄界面活性剤成分が両性界面活性剤、双極性界面活性剤又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の組成物。」に訂正する。 (2)特許明細書の請求項8〜12を削除する。 そこで検討するに(1)の訂正は、特許明細書の請求項1における「分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤 」を特定のポリジメチルシロキサンゴムとポリジメチルシロキサン液の混合物からなるものに限定するとともに、その混合割合をも限定するものである。そして、これにより、請求項1及び該請求項1をさらに限定した請求項2〜7においては、その包含する範囲はさらに狭まるから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、実質的に特許請求の範囲を拡張あるいは変更するものでもない。さらに、上記請求項1に係る訂正事項は、特許明細書の請求項8その他に記載されていた事項であるから、この訂正は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内の訂正である。 (2)の訂正は、請求項の削除に係るものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであることは明かであって、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、また、実質的に特許請求の範囲を拡張あるいは変更するものでもない。 したがって、以上の点からみれば、本件訂正請求は、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例とされる特許法第120条の4第3項の規定において準用する改正前の特許法第126条(平成5年法)第1項ただし書き、第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.異議申立てについて、 本件異議申立人の主張の概要は、本件請求項1〜12の各発明は、甲第1号証に記載された発明であるか、甲第1〜3号証に記載された発明から容易に発明できたものであるか、もしくは甲第5号証に係る先願の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるから、これら各請求項に係る特許は、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、あるいは特許法第29条の2の規定に違反してなされたというものである。 これに対して本件訂正後の請求項1〜7の発明は、訂正明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された事項によって構成される以下のとおりのものである。 証拠方法 甲第1号証;特開昭63-156712号公報 甲第2号証;特開昭64-13013号公報 甲第3号証;特開昭63-45213号公報 甲第4号証;「最新化粧品科学」第1版、薬事日報社、昭和55年4月10日、第154-157頁 甲第5号証;特開平4-24518号公報(特願平2-245184号(平成2年、9月14日出願)の公開公報、以下、先願明細書という。) 「1.(a)洗浄界面活性剤成分5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)25℃で1,000,000センチボイズ以上の粘度を有し、200,000超の質量分子量を有するポリジメチルシロキサンゴム及び25℃で10〜100.000センチボイズの粘度を有するポリジメチルシロキサン液の混合物からなり、その混合物が30:70〜70:30のゴム:液重量比を有する、分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤0.1〜10重量%;及び (c)水;を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。 2.nが30〜85であり、Rが炭素原子11〜15を有する、請求項1に記載の組成物。 3.シリコーンコンディショニング剤用の懸濁化剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。 4.懸濁化剤が長鎖アシル誘導体、長鎖アミンオキシド,キサンタンガム、カルボキシビニルボリマー懸濁化剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。 5.洗浄界面活性剤成分が組成物の重量で少くとも2%のアニオン系界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。 6.アニオン系界面活性剤がアルキルサルフェート、エトキシル化アルキルサルフェート又はそれらの混合物からなる、請求項5に記載の組成物。 7.洗浄界面活性剤成分が両性界面活性剤、双極性界面活性剤又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の組成物。」に訂正する。 そこで、まず 、本件訂正後の請求項1の発明(以下、本件発明という。)について検討する。 甲第1号証においては、アニオン界面活性剤と、一般式(1)、 [式中、RはC16〜C22のアルキル基であり、Xは、 (m+n=0〜20の整数) で表されるエステル型ノニオン界面活性剤と、シリコーン誘導体とを配合したシャンプー組成物について記載されており、上記したエステル型ノニオン界面活性剤は、本件発明のポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤とその構造において重複し、また、甲第1号証においては上記シリコーン誘導体として、式(8)のジメチルポリシロキサンも記載されてはいるが、このジメチルポリシロキサンは、その繰返し単位数からみて、本件発明において使用する上記の「25℃で1,000,000センチポイズ以上の粘度を有し、200,000超の質量分子量を有するポリジメチルシロキサンゴム」とはいえないものであり、甲第1号証においては、本件発明において使用するポリジメチルポリシロキサンゴムを使用する旨の記載はないから、この点において、本件発明は甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。 また、甲第2、3号証においては、本件発明と同様のポリジメチルポリシロキサンゴムを使用したシャンプー組成物について記載されているが、これら甲第2、3号証においては、本件発明におけるポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を使用する旨の記載はなく、これら甲第1〜3号証においては、本件発明における特定のポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤と、ポリジメチルポリシロキサンゴムとを併用する旨の記載はない。一方、本件発明の目的、効果は、特定のポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を使用することにより、シリコーンヘアコンディショナーの毛髪への沈着性を増大し、シリコーンヘアコンディショナーの使用量を減ずることができるというものであり、事実、本件訂正明細書の例I-Vに示されるように、ポリジメチルポリシロキサンゴムとポリシロキサン液の混合液の使用量は甲第2、3号証に記載されたものよりいずれも少量である。しかも、本件発明のこのような目的、効果については甲第1〜3号証に全く記載されてはおらず、これら甲各号証の記載からでは、当業者が予想できたものともすることはできない。 したがって、以上の点からみれば、本件発明は甲第1〜3号証に記載された発明から当業者が容易に発明できたものとすることはできない。 そして、本件発明が、甲第1号証に記載された発明とはいえず、また、甲第1〜3号証に記載された発明から当業者が容易に発明できたものとはいえない以上、本件発明をさらに限定した訂正後の請求項2〜7の各発明も甲第1号証に記載された発明とはいえず、また、甲第1〜3号証に記載された発明から当業者が容易に発明できたものといえない。 なお、甲第4号証は、 シャンプーの添加物のコンディショニング剤の効果として、櫛通りが良く髪の毛がバサつかないことが挙げられているだけであるから、上記判断を何ら左右するものではない。 次に、先願明細書においては、ポリオキシエチレングリセリンの脂肪酸エステル、アニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレン変成オルガノポリシロキサンとを配合した洗浄剤組成物が記載されてはいるが、このポリオキシアルキレン変成オルガノポリシロキサンは、本件発明の上記ポリジメチルポリシロキサンゴムとは異なり、先願明細書においては該ポリジメチルポリシロキサンゴムとポリジメチルシロキサン液の混合物を使用する旨の記載は全くないから、本件発明と先願明細書に記載された発明とは同一とはいえない。また、当然本件発明をさらに限定した訂正後の請求項2〜7の発明も先願明細書に記載された発明と同一発明とはいえない。 4.以上のとおりであるから、結局、本件訂正後の請求項1〜7の発明は、異議申立ての理由及び証拠によっては取消すことができない。また、他に本件請求項1〜7に係る特許を取消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 シリコーンコンディショニング剤含有ヘアコンディショニングシャンプー組成物 【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はヘアリンス組成物及びヘアコンディショニングシャンプー組成物を含めた分散非揮発性シリコーンコンディショニング剤を有するヘアコンディショニングシャンプー組成物に関する。 発明の背景 人のヘアはその周囲雰囲気との接触及び大部分は頭部により分泌される皮脂から汚れてくる。皮脂の蓄積はヘアに汚い感じと魅力のない外観をもたせる。ヘアの汚染はそれが頻繁に規則的に洗髪されることを要する。 ヘアの洗髪で過度の汚れ及び皮脂を除去することによりきれいになる。しかしながら、洗髪プロセスはヘアがぬれてもつれ合いかつ通常扱いにくい状態におかれるという欠点を有する。洗髪で天然の油又は他のヘアモイスチャリング物質の除去によりヘアが乾燥又は“縮れ毛”になることもある。洗髪後、ヘアは“柔軟性”の知覚喪失をうけるこ.ともある。柔軟性は勿論シャンプー製品の多数のユーザーにとり通常望ましい特性である。様々なアプローチがシャンプー後問題を緩和するために開発されてきた。これらはシャンプー中へのヘアコンディショニング助剤の含有からヘアコンディショナー、即ちヘアリンスのシャンプー後適用にまでわたる。ヘアリンスは典型的にはポリマー被膜、カチオン系ヘアコンディショニング界面活性剤又は他の物質をヘア上に沈着させることで機能する。しかしながら、非常に一般的な問題に対するこのような解決策は完全には満足されなかった。1つには、ヘアリンスは通常性質上液体であり、洗髪後に別のステップで適用され、ヘアにしばらく放置され、きれいな水でリンスされねばならない。これは勿論時間がかかり、不便である。 コンディショニング助剤を含有した様々なシャンプーが開示されてきたが、これらの従来の手法は様々な理由から全体的に満足できなかった。一般的な問題は良好なクリーニングアニオン系界面活性剤と良好なコンディショニング剤である慣用的カチオン系剤との間における適合性問題に関する。 シリコーンは優れたヘアコンディショニング効果を発揮できてアニオン系洗浄界面活性剤と不適合でない物質である。 シャンプー組成物中におけるシリコーンはいくつかの異なる公開文献で開示されている。このような公開文献としては1958年3月11日付でGeenに発行された米国特許第2,826,551号;1976年6月22日付でDrakoffに発行された米国特許第3,964,500号;1982年12月21日付でPaderに発行された米国特許第4,364,837号;1960年9月28日付でWoolstonに発行された英国特許第849,433号明細書がある。これらの特許明細書はシリコーン含有組成物について開示しているが、それらは満足できる製品を製造する上で遭遇するすべての問題に対する答えを与えたわけではなかった。1つの問題は分散された不溶性シリコーン物質を懸濁させて全製品を安定にしておくことである。最近、安定なシリコーン含有ヘアコンディショニングシャンプーが1988年5月3日付でGrote及びRussellに発行された米国特許第4,741,855号明細書で記載されたが、そこではクリーニング界面活性剤、不溶性の非揮発性シリコーン、水及びエチレングリコールの長鎖エステル、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖アミンオキシド等のような懸濁化剤を含有したシャンプーについて開示している。安定なシリコーン含有ヘアコンディショニングシャンプーは1988年11月29日付でBolich及びrilliamsに発行された米国特許第4,788,066号明細書でも開示され、そこではキサンタンガム懸濁化剤について開示している。 安定なシリコーン含有ヘアコンディショニングシャンプーは最近市場で実質的成功をおさめている。これらのシャンプーはユーザーに優れたヘアコンディショニング効果を示すことができる。しかしながら、シャンプーに配合されるシリコーンの量を減少させ、結果的に原料コストを減少させるためにこのようなシャンプー中に配合されるシリコーンヘアコンディショナーの効力を増加させることでこれらタイプのシャンプーを改善することが望まれる。シリコーンヘアコンディショナーの有効性に影響を与える1つのファクターはヘア上に沈着するシリコーンの能力である。 本発明の目的はヘア上への改善されたシリコーンヘアコンディショナー沈着性により特徴付けられるシリコーンヘアコンディショナー含有シャンプー組成物を特に提供することである。 他で指摘されないかぎり、すべてのパーセンテージは全組成物の重量により計算され、すべての比率は重量ベースで計算される。 発明の要旨 本発明はヘア上への改善されたシリコーンヘアコンディショナー沈着性を有するシリコーンヘアコンディショニングシャンプー組成物を提供する。本発明の組成物は洗浄界面活性剤、分散不溶性非揮発性シリコーンヘアコンディショニング剤及び水を含んでなる。洗浄界面活性剤成分はアニオン系界面活性剤及びポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステルノニオン系界面活性剤の組合せを含み、場合により両性、双極性もしくは他のノニオン系界面活性剤又はそれらの混合物を含有する。シリコーンコンディショニング剤は典型的には組成物中に懸濁助剤と共に懸濁される。意外にも、ポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステル、以下PEGグリセリル脂肪エステルはヘア上へのシリコーンヘアコンディショニング剤の沈着性を改善することができる。 更に具体的には、本発明は: (a)洗浄界面活性剤成分約5〜約50%(洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で約0.5〜約20%のポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステルノニオン系界面活性剤を含む); (b)分散非揮発性不溶性シリコーンヘアコンディショニング剤約0.01〜約10%; (c)水; を含んでなるシャンプー組成物を提供する。 典型的には、その組成物はシリコーンを組成物中に安定的に分散して維持させておく懸濁化剤を含む。 本発明はその好ましい態様を含めて下記における発明の具体的な説明で更に詳細に記載されている。 発明の具体的な説明 本発明の組成物の必須な及びある好ましい最適な成分は以下で記載されている。 洗浄界面活性剤 本発明のシャンプー組成物は組成物にクリーニング性能を付与する洗浄界面活性剤を含む。 洗浄界面活性剤は通常全部で組成物の約5〜約50%、好ましくは約8〜約30%、更に好ましくは約10〜約25%である。洗浄界面活性剤成分はアニオン系、ノニオン系、カチオン系、双極性及び両性界面活性剤から選択される。好ましくは、その組成物は少くとも約2%、好ましくは約5〜約20%のアニオン系界面活性剤を含有する。典型的にはヘアコンディショニング効果のためか又は使用されるとすれば例えば脂肪物質と組合されてゲル様レオロジーの形成を助けるために含有されるカチオン系界面活性剤は洗浄目的で含有されるアニオン系界面活性剤の有効性を有意には妨げるべきではない。 ポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステルノニオン系界面活性剤 本発明における洗浄界面活性剤成分は必須成分としてポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステルノニオン系界面活性剤を含む。ポリエチレングリコールグリセリル脂肪エステル、即ち本発明におけるPEGグリセリル脂肪エステルは通常約5〜約200の重合度を有し、その界面活性剤の脂肪エステルは炭素約8〜20の脂肪族ヒドロカルビル基を有する。更に具体的には、PEGグリセリル脂肪エステルは通常下記式を有する: 上記式中nは約5〜約200、好ましくは約20〜約100、更に好ましくは約30〜約85である;RC(O)‐はエステルであって、ここでRは炭素原子約7〜19、好ましくは炭素原子約9〜17、更に好ましくは炭素原子約11〜17、最も好ましくは炭素原子約11〜14を有する脂肪族基からなる。 これら界面活性剤の適切なグリセリル脂肪エステル部分としてはグリセリルココエート、グリセリルタロウエート、グリセリルパルメート、グリセリルステアレート、グリセリルラウレート、グリセリルオレエート、グリセリルリシノレエートとパーム油、アーモンド油及びコーン油のようなトリグリセリド類から誘導されるグリセリル脂肪エステルがある。 好ましいグリセリルエステルとしてはグリセリルタロウエート及びグリセリルココエートがある。 このクラスの適切な界面活性剤はシェレックス・ケミカル社(Sherex Chemical Co.)(ダブリン,オハイオ州, 界面活性剤として市販されている。これらには例えばバロニックLI48(ポリエチレングリコール(n=80)グリセリルタロウエート、別にPEG80グリセリルタロウエートとも称される)、バロニックLI2(PEG28グリセリルタロウエート)、バロニックLI420(PEG200グリセリルタロウエート)とバロニックLI63及び67(PEG30及びPEG80グリセリルココエート)、更にはクローダ社(Croda,Inc.)(ニューヨーク,ニューヨーク州,USA)からそれらのクロ (PEG20アーモンドグリセリド)、クロボールA-70(PEG60アーモンドグリセリド)、クロボールM-40(PEG20メイズグリセリド)、クロボールM-70(PEG60メイズグリセリド)、クロボールPK-40(PEG12パーム核グリセリド)及びクロボールPK-70(PEG45パーム核グリセリド)のような界面活性剤がある。ポリエチレングリコールのモノタロウエート及びココエート脂肪エステル誘導体又はそれらの混合物、特にPEG82グリセリルモノタロウエート、PEG30グリ.セリルココエート及びそれらの混合物のような物質が特に好ましい。 PEGグリセリル脂肪エステルノニオン系界面活性剤は典型的には組成物の重量で約0.5〜約20%、好ましくは約5〜約15%、更に好ましくは約7〜約11%のレベルで利用される。 PEGグリセリル脂肪エステルは他の界面活性剤、好ましくはアニオン系界面活性剤と組合せて、アニオン系界面活性剤と両性及び/又は双極性界面活性剤の組合せと共に用いられることが好ましい。他のノニオン系界面活性剤も使用できる。 アニオン系界面活性剤 本発明において有用なアニオン系洗浄界面活性剤としてはアルキル及びアルキルエーテルサルフェート類がある。これらの物質は各々式ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3Mを有するが、その場合にRは炭素原子約8〜約24のアルキル又はアルケニル、xは1〜10、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性カチオンである。本発明で有用なアルキルエーテルサルフェート類はエチレンオキシドと炭素原子約8〜約24を有する一価アルコール類との縮合生成物である。好ましくは、Rはアルキル及びアルキルエーテルサルフェート類の双方において炭素原子約12〜約18を有する。そのアルコール類は脂肪、例えばココナツ油もしくは獣脂に由来しても又は合成であってもよい。ラウリルアルコール及びココナツ油に由来する直鎖アルコール類がここでは好ましい。このようなアルコール類は約1〜約10、特に約3モル割合のエチレンオキシドと反応せしめられ、例えばアルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の混合物が硫酸化及び中和される。 本発明で使用されるアルキルエーテルサルフェート類の具体例はココナツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート及び獣脂アルキルヘキサオキシエチレンサルフェートのナトリウム及び/又はアンモニウム塩である。高度に好ましいアルキルエーテルサルフェート類は個々の化合物の混合物からなるものであり、その混合物は炭素原子約12〜約16の平均アルキル鎖長及びエチレンオキシド約1〜約4モルの平均エトキシル化度を有する。このような混合物はC12-13化合物約0〜約20重量%;C14-15-16化合物約60〜約100重量%、C17-18-19化合物約0〜約20重量%;0のエトキシル化度を有する化合物約3〜約30重量%;約1〜約4のエトキシル化度を有する化合物約45〜約90重量%;約4〜約8のエトキシル化度を有する化合物約10〜約25重量%;約8を超えるエトキシル化度を有する化合物約0.1〜約15重量%も含む。 アニオン系界面活性剤のもう1つの適切な種類は下記一般式の有機硫酸反応生成物の水溶性塩である: R1-SO3-M 上記においてR1は約8〜約24、好ましくは約12〜約18の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族炭化水素基からなる群より選択される;Mはカチオンである。重要な例は漂白及び加水分解を含めて公知のスルホン化法に従い得られる、約8〜約24の炭素原子、好ましくは約12〜約18の炭素原子を有するイソ-、ネオ-、インエソ-及びn-パラフィン類を含めたメタン系列の炭化水素とスルホン化剤、例えばSO3、H2SO4、発煙硫酸との有機硫酸反応生成物の塩である。アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C12-18n-パラフィン類が好ましい。 本発明の用語内に属するアニオン系界面活性剤の追加例はイセチオン酸でエステル化され及び水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物(例えば脂肪酸はココナツ油に由来する);メチルタウリドの脂肪酸アミドのナトリウム又はカリウム塩(脂肪酸は例えばココナツ油に由来する)である。この種類の他のアニオン系合成界面活性剤は米国特許第2,486,921号、第2,486,922号及び第2,396,278号明細書で記載されている。 更に他のアニオン系界面活性剤としてはスクシナメート類として表示される種類がある。この種類としてはN‐オクタデシルスルホスクシンアミド酸二ナトリウム;N‐(1,2‐ジカルボキシエチル)‐N‐オクタデシルスルホスクシンアミド酸四ナトリウム;スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル;スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル;スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルのような界面活性剤がある。 ここで利用できる他の適切なアニオン系界面活性剤は約12〜約24の炭素原子を有するオレフィンスルホネート類である。“オレフィンスルホネート類”という用語は非錯体化三酸化イオウによるα‐オレフィン類のスルホン化、しかる後その反応で形成されたいかなるスルホン類も加水分解されて対応ヒドロキシ-アルカンスルホネート類を生じるような条件下における酸反応混合物の中和により製造できる化合物を意味するためにここでは用いられる。三酸化イオウは液体又は気体であり、必ずというわけではないが、不活性希釈物により、例えば液体形で用いられる場合には液体SO2、塩素化炭化水素等により又は気体形で用いられる場合には空気、窒素、ガス状SO2等により通常希釈される。 オレフィンスルホネート類が誘導されるα‐オレフィン類は約12〜約24の炭素原子、好ましくは約14〜約16の炭素原子を有するモノオレフィン類である。好ましくは、それらは直鎖オレフィン類である。適切な1‐オレフィン類の例としては1‐ドデセン、1‐テトラデセン、1‐ヘキサデセン、1‐オクタデセン、1‐エイコセン及び1‐テトラコセンがある。 本来のアルケンスルホネート類と一部のヒドロキシ-アルカンスルホネート類に加えて、オレフィンスルホネート類は反応条件、反応剤の割合、オレフィンストック中における出発オレフィン類及び不純物の性質とスルホン化プロセス中における副反応に応じてアルケンジスルホネート類のような少量の他の物質も含有することができる。 上記タイプの具体的なα‐オレフィンスルホネート混合物は参考のためここに組み込まれる1967年7月25日付で発行されたPflaumer及びKesslerの米国特許第3,332,880号明細書で更に詳細に記載されている。 アニオン系界面活性剤のもう1つの種類はβ‐アルキルオキシアルカンスルホネート類である。これらの化合物は下記式を有する: 上記式中R1は炭素原子約6〜約20を有する直鎖アルキル基である;R2は炭素原子約1(好ましい)〜約3を有する低級アルキル基である;Mは前記のような水溶性カチオンである。 ここで有用な低硬度(カルシウムイオン)感受性を有するβ‐アルキルオキシアルカン‐1‐スルホネート類又は代わりに2‐アルキルオキシアルカン‐1‐スルホネート類の具体例としてはβ‐メトキシデカンスルホン酸カリウム、2‐メトキシトリデカンスルホン酸ナトリウム、2‐エトキシテトラデシルスルホン酸カリウム、2‐イソプロポキシヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、2‐t‐ブトキシテトラデシルスルホン酸リチウム、β‐メトキシオクタデシルスルホン酸ナトリウム及びβ‐n‐プロポキシドデシルスルホン酸アンモニウムがある。 更に多数の合成アニオン系界面活性剤はMcCutcheon′s,Emulsifiers and Detergents(マキュチェオンの乳化剤及び洗浄剤),1989年版,M.C.Publishing Co.発行で記載されているが、これは参考のためここに組み込まれる。1975年12月30日付でLaughlinらに発行された米国特許第3,929,678号明細書も多数の他のアニオン系と他の界面活性剤タイプについて開示しており、参考のためここに組み込まれる。石鹸も勿論使用できるアニオン系洗浄界面活性剤の範囲内に属する。 ノニオン系界面活性剤 ノニオン系界面活性剤がPEGグリセリル脂肪エステルに加えて洗浄界面活性剤として使用できる。それらはアニオン系、両性、双極性界面活性剤又はそれらの混合物と組合せて用いられることが好ましい。ノニオン系界面活性剤としてはアルキレンオキシド基(性質上親水性)と性質上脂肪族でも又はアルキル芳香族でもよい有機疎水性化合物との縮合により生産される化合物として広義に定義されるものがある。ノニオン系界面活性剤の種類の例は以下である: 1.アルキルフェノール類のポリエチレンオキシド縮合物、例えば直鎖又は分岐鎖配置のいずれかで炭素原子約6〜約20、好ましくは約6〜約12のアルキル基を有するアルキルフェノール類とエチレンオキシドとの縮合生成物(上記エチレンオキシドはアルキルフェノール1モル当たりエチレンオキシド約10〜約60モルに相当する量で存在する)。このような化合物におけるアルキル置換基は、例えば重合プロピレン、ジイソブチレン、オクタン又はノナンから誘導してよい。 2.望ましい疎水性及び親水性要素間のバランスに応じて組成上変えてもよいエチレンオキシドとプロピレンオキシド及びエチレンジアミン生成物の反応による生成物との縮合から得られる化合物。例えば、エチレンオキシド基とエチレンジアミン及び過剰のプロピレンオキシドの反応生成物からなる疎水性塩基との反応で得られる、ポリオキシエチレン約40〜約80重量%を含みかつ分子量約5000〜約11,000を有する化合物(上記塩基は約2500〜約3000程度の分子量を有する)が満足される。 3.直鎖又は分岐鎖配置のいずれかで炭素原子約8〜約18を有する脂肪族アルコール類とエチレンオキシドとの縮合生成物、例えばココナツアルコール1モル当たりエチレンオキシド約10〜約30モルを有してココナツアルコール部分が炭素原子約10〜約14を有するココナツアルコールエチレンオキシド縮合物。 4.下記一般式に相当する長鎖三級アミンオキシド類: R1R2R3N→O 上記式中R1は炭素原子約8〜約18のアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を有する;R2及びR3は例えばメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基のように炭素原子約1〜約3及びヒドロキシ基0〜約1を有する。式中の矢印は半極性結合の慣用的表現である。本発明での使用に適したアミンオキシド類の例としてはジメチルドデシルァミンオキシド、オレイルジ(2‐ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジメチルデシルアミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、3,6,9‐トリオキサヘプタデシルジエチルアミンオキシド、ジ(2‐ヒドロキシエチル)テトラデシルアミンオキシド、2‐ドデコキシエチルジメチルアミンオキシド、3‐ドデコキシ‐2‐ヒドロキシプロピルジ(3‐ヒドロキシプロピル)アミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシドがある。 5.下記一般式に相当する長鎖三級ホスフィンオキシド類: RR′R″P→O 上記式中Rは鎖長が炭素原子約8〜約18のアルキル、アルケニル又はモノヒドロキシアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を有する;R′及びR″は各々炭素原子約1〜約3を有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基である。式中の矢印は半極性結合の慣用的表現である。適切なホスフィンオキシド類の例はドデシルジメチルホスフィンオキシド、テトラデシルジメチルホスフィンオキシド、テトラデシルメチルエチルホスフィンオキシド、3,6,9‐トリオキサオクタデシルジメチルホスフィンオキシド、セチルジメチルホスフィンオキシド、3‐ドデコキシ‐2‐ヒドロキシプロピルジ(2‐ヒドロキシエチル)ホスフィンオキシド、ステアリルジメチルホスフィンオキシド、セチルエチルプロピルホスフィンオキシド、オレイルジエチルホスフィンオキシド、ドデシルジエチルホスフィンオキシド、テトラデシルジエチルホスフィンオキシド、ドデシルジプロピルホスフィンオキシド、ドデシルジ(ヒドロキシメチル)ホスフィンオキシド、ドデシルジ(2‐ヒドロキシエチル)ホスフィンオキシド、テトラデシルメチル‐2‐ヒドロキシプロピルホスフィンオキシド、オレイルジメチルホスフィンオキシド、2‐ヒドロキシドデシルジメチルホスフィンオキシドである。 6.炭素原子約1〜約3の1つの短鎖アルキル又はヒドロキシアルキル基(通常、メチル)と炭素原子約8〜約20のアルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はケトアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を含む1つの疎水性長鎖を有する長鎖ジアルキルスルホキシド類。例としてはオクタデシルメチルスルホキシド、2‐ケトトリデシルメチルスルホキシド、3,6,9‐トリオキサオクタデシル2-ヒドロキシエチルスルホキシド、ドデシルメチルスルホキシド、オレイル3‐ヒドロキシプロピルスルホキシド、テトラデシルメチルスルホキシド、3‐メトキシトリデシルメチルスルホキシド、3‐ヒドロキシトリデシルメチルスルホキシド、3‐ヒドロキシ‐4‐ドデコキシブチルメチルスルホキシドがある。 7.他のノニオン系界面活性剤も本組成物中で使用できる。ポリソルベート類、例えば脂肪酸のスクロースエステル類。このような物質、例えばスクロースココエート〔主にモノエステルからなるココナツ酸のスクロースエステルの混合物、リタ(RITA)から商品名グリロテン(GRILLOTEN)LSE87K及びクローダからクロデスタ(CRODESTA)SL-40として販売される〕は米国特許第3,480,616号明細書で記載されている。 炭素原子約6〜約30、好ましくは炭素原子約10〜約16の疎水基と多糖、例えばポリグリコシド親水基を有するアルキル多糖ノニオン系界面活性剤が1986年1月21日付でLlenadoに発行された米国特許第4,565,647号明細書で記載されている。多糖は約1.0〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最も好ましくは約1.3〜約2.7の糖単位を有することができる。炭素原子5又は6を有するあらゆる還元糖、例えばグルコース、ガラクトースが使用でき、ガラクトシル部分がグルコシル部分に代わることができる(場合により、疎水基は2、3、4位等で結合され、このためグルコシド又はガラクトシドとは異なってグルコース又はガラクトースを与える)。糖間結合は例えば追加糖単位の1つの位置と既存糖単位の2、3、4及び/又は6位との間である。 場合により、望ましいというわけではないが、疎水部分と多糖部分を結合するポリアルキレンオキシド鎖が存在できる。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。典型的な疎水基としては炭素原子約8〜約18、好ましくは約10〜約16を有する飽和又は不飽和の分岐鎖又は直鎖アルキル基がある。好ましくは、アルキル基は直鎖飽和アルキル基である。アルキル基は約3以内のヒドロキシ基を含むことができ、及び/又はポリアルキレンオキシド鎖は約10以内、好ましくは5以下のアルキレン部分を含むことができる。適切なアルキル多糖類はオクチル、ノニルデシル、ウンデシルドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ジ、トリ、テトラ、ペンタ及びヘキサグルコシド類、ガラクトシド類、ラクトシド類、グルコース類、フルクトシド類、フルクトース類及び/又はガラクトース類である。適切な混合物としてはココナツアルキル、ジ、トリ、テトラ及びペンタグルコシド類と獣脂アルキル、テトラ、ペンタ及びヘキサグルコシド類がある。 好ましいアルキル多糖類は下記式のアルキルポリグリコシド類である: R2O(CnH2nO)(グリコシル)x 上記式中R2はアルキル、アルキルフェニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルフェニル及びそれらの混合物からなる群より選択され、その場合にアルキル基は約10〜約18、好ましくは約12〜約14の炭素原子を有する;nは2又は3、好ましくは2である;tは0〜約10、好ましくは0である;xは1.3〜約10、好ましくは1.3〜約3、最も好ましくは約1.3〜約2.7である。グリコシルはグルコースから誘導されることが好ましい。これらの化合物を製造するため、アルコール又はアルキルポリエトキシアルコールが最初に形成され、しかる後グルコース又はグルコース源と反応せしめられて、グルコシドを形成する(1位で結合)。次いで追加グリコシル単位はそれらの1位と既存グリコシル単位の2、3、4及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で結合させることができる。 双極性及び両性界面活性剤 双極性界面活性剤は脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広義に記載できるもので例示され、その場合に脂肪族基は直鎖又は分岐鎖であって、脂肪族置換基のうち1つは炭素原子約8〜約18を有しかつ1つはアニオン基、例えばカルボキシ、スルホン酸、硫酸、リン酸又はホスホン酸イオン基を有している。これらの化合物に関する一般式は以下である: 上記式中R2は炭素原子約8〜約18のアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキル基、0〜約10のエチレンオキシド部分及び0〜約1のグリセリル部分を有する;Yは窒素、リン及びイオウ原子からなる群より選択される;R3は炭素原子約1〜約3を有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基である;xはYがイオウ原子のとき1及びYが窒素又はリン原子のとき2である;R4は炭素原子約1〜約4のアルキレン又はヒドロキシアルキレンである;Zはカルボン酸、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸及びリン酸イオン基からなる群より選択される基である。 このような界面活性剤の例としては: 4‐〔N,N‐ジ(2‐ヒドロキシエチル)‐N‐オクタデシルアンモニオ〕ブタン‐1‐カルボキシート; 5‐(S‐3‐ヒドロキシプロピル‐S‐ヘキサデシルスルホニオ)‐3‐ヒドロキシペンタン‐1‐サルフェート; 3‐(P,P‐ジエチル‐P‐3,6,9‐トリオキサテトラデシルホスホニオ)‐2‐ヒドロキシプロパン‐1‐ホスフェート; 3‐(N,N‐ジプロピル‐N‐3‐ドデコキシ‐2‐ヒドロキシプロピルアンモニオ)プロパン‐1‐ホスホネート; 3‐(N,N‐ジメチル‐N‐ヘキサデシルアンモニオ)プロパン‐1‐スルホネート; 3‐(N,N‐ジメチル‐N‐ヘキサデシルアンモニオ)‐2‐ヒドロキシプロパン‐1‐スルホネート; 4‐〔N,N‐ジ(2‐ヒドロキシエチル)‐N‐(2‐ヒドロキシドデシル)アンモニオ〕ブタン‐1‐カルボキシレート; 3‐〔S‐エチル‐S‐(3‐ドデコキシ‐2‐ヒドロキシプロピル)スルホニオ〕プロパン‐1‐ホスフェート; 3‐(P,P‐ジメチル‐P‐ドデシルホスホニオ)プロパン‐1‐ホスホネート;及び 5‐〔N,N‐ジ(3‐ヒドロキシプロピル)‐N‐ヘキサデシルアンモニオ〕‐2‐ヒドロキシペンタン‐1‐サルフェートがある。 ベタイン類のような他の双極性イオン類も本発明で有用である。ここで有用なベタイン類の例としてはココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルα‐カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス(2‐ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス(2‐ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγ‐カルボキシプロピルベタイン及びラウリルビス(2‐ヒドロキシプロピル)α‐カルボキシエチルベタインのような高アルキルベタイン類がある。スルホベタイン類はココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス(2‐ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等で代表されるが、RCONH(CH2)3基がベタインの窒素原子に結合されたアミドベタイン類及びアミドスルホベタイン類も本発明で有用である。本組成物で使用上好ましいベタイン類はココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン及びオレイルベタインである。 本発明の組成物で使用できる両性洗浄界面活性剤の例は脂肪族二級及び三級アミン類の誘導体として広義に記載される化合物であり、その場合に脂肪族基は直鎖又は分岐鎖であって、脂肪族置換基のうち1つは炭素原子約8〜約18を有しかつ1つはアニオン水溶性基、例えばカルボキシ、スルホン酸、硫酸、リン酸又はホスホン酸イオン基を有している。この定義内に属する化合物の例は3‐ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3‐ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号明細書の開示に従いドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることで製造されるようなN‐アルキルタウリン類、米国特許第2,438,091号明細書の開示に従い生産されるようなN-高級アルキルアスパラギン酸及び商品名“ミラノール”(Miranol)として販売される米国特許第2,528,378号明細書で記載された製品である。 他の両性界面活性剤としてスルタイン類及びアミドスルタイン類がある。スルタイン類及びアミドスルタイン類は目にマイルドな起泡増強界面活性剤としてアニオン系界面活性剤の部分代替物に有利に利用できる。アミドスルタイン類を含めたスルタイン類としては例えばココジメチルプロピルスルタイン、ステアリルジメチルプロピルスルタイン、ラウリルビス(2‐ヒドロキシエチル)プロピルスルタイン等;ココアミドジメチルプロピルスルタイン、ステアリルアミドジメチルプロピルスルタイン、ラウリル、アミドビス(2‐ヒドロキシエチル)プロピルスルタイン等のようなアミドスルタインがある。C12‐C18ヒドロカルビルアミドプロピルヒドロキシスルタイン類、特にC12‐C14ヒドロカルビルアミドプロピルヒドロキシスルタイン類、例えばラウリルアミドプロピルヒドロキシスルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタインのようなアミドヒドロキシスルタイン類が好ましい。他のスルタイン類は参考のためここに組み込まれる1976年4月13日付で発行された米国特許第3,950,417号明細書で開示されている。 他の具体的な両性類としては下記式Iで示されるイミダゾリニウム物質がある: 上記式中R1はC8‐C22アルキル又はアルケニルである;R2は水素、CO2M、CH2CO2M又はCH2CH2Mである;ZはCO2M又はCH2CO2Mである;Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムである。 このタイプの適切な物質は商品名ミラノールとして市販され、複合混合種からなると理解される。 CTFA Cosmetic Dictionary(CTFA化粧品辞典),第3版はこれらの物質に関する式として下記式Iを示している。伝統的に、ミラノールは下記環状構造を有するとして記載されている: 上記式中R1、R2及びZは前記と同義である;Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムである。実際に複合混合種が存在するらしく、以下で式Iは前記のような混合種を包含すると考えられる。 含まれる物質はココアンホカルボキシプロピオネート、ココアンホカルボキシプロピオン酸及びココアンホカルボキシグリシネートである。これら物質の混合物も使用してよい。本発明で使用上最も好ましいこのタイプの物質はココアンホカルボキシグリシネート(ココアンホジアセテートとしても知られる)である。 本組成物のイミダゾリニウム誘導体成分を供与する具体的な市販製品としてはミラノール C2M CONC.N.P.、ミラノール C2M CONC.O.P.、ミラノール C2M SF、ミラノール CM スペシャル(ミラノール社);アルカテリック(ALKATERIC)2CIB〔アルカリル・ケミカルズ(Alkaril Chemicals)〕;アンホタージ(AMPH0TERGE)}2〔ロンザ社(Lonza,Inc.)〕;モナテリック(MONATERIC)CDX-38、モナテリックCSH-32〔モナ・インダストリーズ(Mona Industries)〕;リウォテリック(REWOTERIC)AM-2C〔リウォ・ケミカル・グループ(Rewo Chemical Group)〕;シェルコチック(SCHERCOTIC)MS-2〔スケア・ケミカルズ(Scher Chemicals)〕の商品名で販売される製品がある。 もう1つの具体的な種類の両性界面活性剤は下記式IIのアミノアルカノエート類: R-NH(CH2)n COOM (II) 下記式IIIのイミノジアルカノエート類: R-N[(CH2)m COOM]2 (III) 及びそれらの混合物により規定される;上記式中n及びmは1〜4の数、RはC8‐C22アルキル又はアルケニル、Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又はアルカノールアンモニウムである。 式IIに属する両性界面活性剤の例としてはn-アルキルアミノプロピオネート類及びn‐アルキルイミノジプロピオネート類がある。このような物質はヘンケル(Henkel)より商品名デリファト(DERIPHAT)及びミラノール社よりミラテイン(MIRATAINE)として販売されている。具体例としてはN‐ラウリル‐β‐アミノプロピオン酸又はその塩、N‐ラウリル‐β‐イミノジプロピオン酸(デリファト160C)又はその塩及びそれらの混合物がある。 好ましいシャンプーは必須PEGグリセリル脂肪エステルと共に約2〜約16%のアルキルサルフェート類及び0〜約14%のエトキシル化アルキルサルフェート類を含有する。好ましい態様では約0.5〜約10%、好ましくは約1〜約8%の両性もしくは双極性界面活性剤又はそれらの混合物も含むことが好ましい。 シリコーンコンディショニング剤 本発明の必須成分は非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤である。シャンプー組成物は特に通常重量で約0.01〜約10%、好ましくは約0.05〜約5%、更に好ましくは約0.05〜約3%、最も好ましくは約0.1〜約2.5%のシリコーンコンディショニング剤を含む。シリコーンコンディショニング剤には非揮発性不溶性シリコーン液を含む。ここでシャンプー組成物に有用なシリコーンコンディショニング剤は25℃で好ましくは約1000〜約2,000,000センチストークス、更に好ましくは約10,000〜約1,800,000センチストークス、更に一層好ましくは約100,000〜約1,500,000センチストークスの平均粘度を有する。しかしながら、より低粘度の非揮発性シリコーンコンディショニング剤も使用できる。粘度は1970年7月20日付でダウ・コーニング社(Dow Corning Corporate)試験法CTM0004において記載されたようにガラスキャピラリー粘度計で測定できる。 以下で用いられるように、シリコーンコンディショニング剤に関する“不溶性”という用語はシリコーン物質が水に不溶であることを意味する。ここで用いられるようなシリコーンコンディショニング剤に関する“非揮発性”という用語は当業者によりよく理解されている意味に従い、即ちシリコーン液が環境条件下で非常に低い蒸気圧を示すだけか又は有意の蒸気圧を示さないとして解釈される。“シリコーン液”という用語は25℃で1,000,000センチストークス以下の粘度を有する流動性シリコーン物質を意味する。通常、その液の粘度は25℃で約5〜1,000,000センチストークス、好ましくは約10〜約100,000センチストークスである。ここでシリコーンコンディショニング剤には非揮発性かつ不溶性であるシリコーンゴムも含むが、シリコーンゴムについては後記される。ここで用いられる“シリコーン”という用語は“ポリシロキサン”という用語と同義である。 ヘアコンディショニング剤で使用上適切な非揮発性シリコーン液としてはポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物がある。しかしながら、ヘアコンディショニング性を有する他のシリコーン液も使用してよい。使用してよい非揮発性ポリアルキルシロキサン液としては例えばポリジメチルシロキサン類がある。これらのシロキサン類は例えばゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からビスカシル(Viscasi1)シリーズとして及びダウ・コーニングからダウ・コーニング200シリーズとして市販されている。好ましくは、粘度は25℃で約10〜約100,000センチストークスの範囲である。 使用してよいポリアルキルアリールシロキサン液としては例えばポリメチルフェニルシロキサン類がある。これらのシロキサン類は例えばゼネラル・エレクトリック社からSF1075メチルフェニル液として又はダウ・コーニングから556コスメチック・グレード液(Cosmetic Grade Fluid)として市販されている。 使用してよいポリエーテルシロキサンコポリマーとしては例えばポリプロピレンオキシド改質ジメチルポリシロキサン(例えば、ダウ・コーニングDC-1248)があるが、エチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物も使用してよい。エチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドレベルは水及び本組成物への溶解を妨げるほど十分低くなければならない。 ここでシリコーン液としては下記構造のポリアルキル又はポリアリールシロキサン類も含む: 上記式中Rはアルキル又はアリールである;xは約7〜約8000の整数である。“A”はシリコーン鎖の末端をブロックする基を表す。 シロキサン鎖(R)で又はシロキサン鎖の末端(A)で置換されたアルキル又はアリール基は、得られるシリコーン類が室温で液体のままであり、疎水性であって、ヘアに適用された場合に刺激性、毒性がないのみならず無害であり、組成物の他の成分と適合し、通常の使用及び貯蔵条件下で化学的に安定であり、ヘア上に沈着してそれをコンディショニングすることができるかぎり、いかなる構造を有していてもよい。 適切なA基としてはメチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシがある。ケイ素原子上における2つのR基は同一基でも又は異なる基を表してもよい。好ましくは、2つのR基は同一基を表す。適切なR基としてはメチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルがある。好ましいシリコーン類はポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。 適切なシリコーン液について開示する参考文献としてはGeenの米国特許第2,826,551号;1976年6月22日付でDrakoffに発行された米国特許第3,964,500号;Pader の米国特許第4,364,837号;Woolstonの英国特許第849,433号明細書がある。これらすべての特許は参考のためここに組み込まれる。Silicon Compounds,Petrarch Systems,Inc発行,1984も参考のためここに組み込まれる。この参考文献は適切なシリコーン液の広範囲な(限定的ではない)リストを示す。 シリコーンコンディショニング剤で特に有用なもう1つのシリコーン液は不溶性シリコーンゴムである。ここで用いられる“シリコーンゴム”という用語は25℃で1,000,000センチストークス以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質を意味する。シリコーンゴムは1979年5月1日付でSpitzerらに発行された米国特許第4,152,416号明細書及びNo11,Walter,Chemistry and Technology of Silicones,NewYork:Academic Press,1968を含めてPetrarch及びその他により記載されている。ゼネラル・エレクトリック・シリコーンラバー製品データシートSE30、SE33、SE54及びSE76もシリコーンゴムについて記載している。すべてのこれら記載された参考文献は参考のためここに組み込まれる。“シリコーンゴム”は典型的には約200,000以上、通常約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体例としてはポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー及びそれらの混合物がある。 好ましくは、シリコーンヘアコンディショニング剤は25℃で約1,000,000センチストークス以上の粘度を有するポリジメチルシロキサンゴムと25℃で約10〜約100,000センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサン液の混合物からなり、その場合にゴム対液の比率は約30:70〜約70:30、好ましくは約40:60〜約60:40である。 カチオン系シリコーン液及びゴムも用いてよいが、但しノニオン系シリコーン液及びゴムが好ましい。 水 水は本発明の最後の必須成分である。それは通常組成物の重量で約20〜約95%、好ましくは約50〜約85%、更に好ましくは約60〜約85%のレベルで存在する。 懸濁化剤 本シャンプー組成物において分散形でシリコーンヘアコンディショニング剤を懸濁させる上で有用ないかなる懸濁化剤も好ましくは使用される。懸濁化剤は流動性液体処方で特に重要である。 本組成物で好ましい懸濁化剤は長鎖アシル誘導体物質、長鎖アミンオキシド又はこのような物質の混合物であり、このような懸濁化剤は結晶形で組成物中に存在する。これらの懸濁化剤は参考のためここに組み込まれる1988年5月3日付でGrote及びRussellに発行された米国特許第4,741,855号明細書で記載されている。好ましくは炭素原子約16〜約22を有する脂肪酸のエチレングリコールエステル類が含まれる。モノ及びジステアレート双方のエチレングリコールステアレート類、但し特に約7%以下のモノステアレートを含有するジステアレートが更に好ましい。有用とわかった他の懸濁化剤は好ましくは炭素原子約16〜約22、更に好ましくは炭素原子約16〜18を有する脂肪酸のアルカノールアミド類である。好ましいアルカノールアミド類はステアリンモノエタノールアミド、ステアリンジエタノールアミド、ステアリンモノイソプロパノールアミド及びステアリンモノエタノールアミドステアレートである。他の長鎖アシル誘導体としては長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテート等)、グリセリルエステル(例えば、グリセリルジステアレート)及び長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアロアミドジエタノールアミドジステアレート、ステアロアミドモノエタノールアミドステアレート)がある。長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドも前記された好ましい物質に加えて懸濁化剤として用いてよい。例えば、長鎖ヒドロカルビルがC8‐C22鎖を有する懸濁化剤も用いてよいと考えられる。 懸濁化剤にはアルキル(C16‐C22)ジメチルアミンオキシド類、例えばステアリルジメチルアミンオキシドのような長鎖アミンオキシド類を含む。組成物がアミンオキシド又は界面活性剤である長鎖アシル誘導体を含有する場合、懸濁化機能はこのようなアミンオキシド又は界面活性剤によっても与えられ、追加の懸濁化剤は不要かもしれない。 使用できる他の長鎖アシル誘導体としてはN,N‐ジヒドロカルビルァミド安息香酸及びその可溶性塩(例えば、Na及びK塩)、特にステパン社(Stepan Company)(ノースフィールド,イリノイ州,USA)から市販されるこの群のN,N‐ジ(水素付加)C16、C18及び獣脂アミド安息香酸種がある。 アシル誘導体及びアミンオキシド懸濁化剤は典型的には約0.1〜約5.0%、好ましくは約0.5〜約3.0%のレベルで流動性液体処方中に存在する。懸濁化剤はシリコーン物質の懸濁を助ける上で役立ち、製品にパールエッセンス感を与える。懸濁化剤の混合物も本発明の組成物で使用上適する。 使用できるもう1つのタイプの懸濁化剤はキサンタンガムである。シリコーンヘアコンディショニング成分用の懸濁化剤としてキサンタンガムを利用したシャンプー組成物は参考のためここに組み込まれる1988年11月29日付でBolich及びWilliamsに発行された米国特許第4,788,006号明細書で記載されている。キサンタンガムは市販される生合成ガム物質である。それは分子量百万以上のヘテロ多糖である。それは2.8:2.0:2.0のモル比でD‐グルコース、D‐マンノース及びD‐グルクロネートを含むと考えられる。その多糖は4.7%アセチルで部分的にアセチル化されている。この情報及びその他はWhistler,Roy L.Editor,Industrial Gums-Polysaccharides and Their Derivatives(工業ゴム-多糖類及びそれらの誘導体),New York:Academic Press,1973でみられる。メルク社(Merck & Co.,Inc.)の一部門ケルコ(Kelco)はケルトロ のガムは、シリコーンヘアコンディショニング成分の懸濁化剤として用いられた場合に、典型的には本発明の組成物中約0.3〜約3%、好ましくは約0.4〜約1.2%のレベルで流動性液体処方中に存在する。 長鎖アシル誘導体及びキサンタンガムの組合せは参考のためここに組み込まれる1987年11月3日付でOhらに発行された米国特許第4,704,272号明細書でシリコーンヘアコンディショナー用の懸濁化剤として開示され、本組成物でも用いてよい。 使用できるもう1つのタイプの懸濁化剤はカルボキシビニルポリマーである。好ましいポリマーは参考のためここに組み込まれる1957年7月2日付でBrownに発行された米国特許第2,798,053号明細書で記載されるようなポリアリルスクロースで架橋されたアクリル酸のコポリマーである。これらのポリマーは例えばカルボポール(Carbopo1)934、940、941及び956としてB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)により提供される。 カルボキシビニルポリマーはモノマーオレフィン性不飽和カルボン酸と多価アルコールのポリエーテルの全モノマーの約0.1〜約10重量%を含むモノマー混合物のインターポリマーであって、多価アルコールは少くとも4つの炭素原子を有し、それに少くとも3つのヒドロキシル基が結合され、ポリエーテルは1分子当たり2以上のアルケニル基を有する。他のモノオレフィン性モノマー物質は所望であれば主割合であってもモノマー混合物中に存在してよい。カルボキシビニルポリマーは液体揮発性有機炭化水素に実質上不溶性であり、空気露出時に寸法安定性である。 カルボキシビニルポリマーを生産するために用いられる好ましい多価アルコールとしてはオリゴ多糖類、カルボニル基がアルコール基に変換されたその還元誘導体及びペンタエリトリトールからなる種類より選択されるポリオール類があり、オリゴ多糖類が更に好ましく、スクロースが最も好ましい。修正されるポリオールのヒドロキシル基はアリル基でエーテル化され、ポリオールはポリオール分子当たり少くとも2つのアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールがスクロースである場合、スクロースはスクロース分子当たり少くとも約5つのアリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオールのポリエーテルは全モノマーの好ましくは約0.1〜約4%、更に好ましくは約0.2〜約2.5%である。 ここで用いられるカルボキシビニルポリマーを生産する上で使用上好ましいモノマーオレフィン性不飽和カルボン酸としてはモノマー重合性α‐βモノオレフィン性不飽和低級脂肪族カルボン酸がある;下記構造のモノマーモノオレフィン性アクリル酸類: (上記式中Rは水素及び低級アルキル基からなる群より選択される置換基である)が更に好ましい;アクリル酸が最も好ましい。 本発明の処方で用いられる好ましいカルボキシビニルポリマーは少くとも約750,000の分子量を有する;少くとも約1,250,000の分子量を有するカルボキシビニルポリマーが更に好ましい;少くとも約3,000,000の分子量を有するカルボキシビニルポリマーが最も好ましい。 水溶性又はコロイド水溶性ポリマーのような組成物にゲル様粘度を付与できるもの、例えばセルロースエーテル類(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーガム、デンプン及びデンプン誘導体と他の増粘剤、粘度調節剤、ゲル化剤等を含めて、他の物質も懸濁化剤として使用できる。これら物質の混合物も使用できる。 懸濁化剤は通常組成物の重量で約0.1〜約10%、最も普通には約0.3〜約5.0%のレベルで用いられる。 任意成分 本組成物は様々な非必須任意成分を含有することができる。このような任意成分としては、例えばベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素のような保存剤;カチオン系コンディショニング界面活性剤及びカチオン系コンディショニングポリマーの双方を含めたカチオン系コンディショニング剤;脂肪アルコール類;BASFヤンドット(BASF Wyandotte)により提供されるプルロニック(Pluronic)F88のようなエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックポリマー;塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム;キシレンスルホン酸アンモニウム;プロピレングリコール;ポリビニルアルコール;エチルアルコール;ユニオン・カーバイド社(Union Carbide Corp.)(ダンベリー,コネチカット州,USA)からそれらのユーケアー・ポリマー(UCARE POLYMER)JRシリーズの物質として市販されるポリクォータニウム(Polyquaternium)‐10〔トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応せしめられたヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩に関してザ・コスメチック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーション(The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)(CTFA)により命名された工業用語〕、例えばユーケアー・ポリマーJR-30M、JR-125及びJR-400;クエン酸、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のようなpH調節剤;香料;色素;エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムのような金属イオン封鎖剤がある。これらの任意成分は典型的には組成物の約0.01〜約10%のレベルで用いられる。任意成分のこのリストは排他的であることを意味せず、他の任意成分も利用できる。 更に他の任意物質としては、参考のためここに組み込まれる米国特許第4,379,753号及び第4,345,080号明細書で開示されたように、ピリジンチオン塩のようなふけ防止剤、特に小板形のものがある。例えば、1‐ヒドロキシ‐2‐ピリジンチオンの重金属(例えば、亜鉛)、マグネシウム及びアルミニウム塩が含まれる。他のふけ防止剤としては二硫化セレンのようなセレン化合物がある。ふけ防止剤は通常組成物の約0.1〜約4%、好ましくは約0.2〜約2%のレベルで用いられる。 殺シラミ剤もシラミ侵襲をコントロールするため本組成物に含有させることができる。適切な殺シラミ剤は当業界で周知であり、例えば参考のためここに組み込まれるAllanの米国特許第4,668,666号明細書で開示されたようなピレトリン類を含む。 本組成物のpHは通常重要でなく、2〜約10、好ましくは約3〜約9、更に好ましくは約4〜約8の範囲である。 製造方法 本発明の組成物は高温、例えば約72℃で物質を一緒にミックスす.ることにより一般に製造できる。諸成分が高温で十分にミックスされ、しかる後高剪断ミル、次いで熱交換器にポンプ導入されて、それを環境温度まで冷却させる。シリコーンの平均粒度は約0.5〜約20ミクロンであることが好ましい。代わりに、例えば、シリコーンコンディショニング剤は分散シリコーン含有プレミックスを形成するために高温でアニオン系界面活性剤とセチル及びステアリルアルコールのような脂肪アルコールとでミックスすることができる。次いでプレミックスはシャンプーの残留物質に加えられてミックスされ、高剪断ミルにポンプ導入され、冷却される。 使用方法 本組成物はヘアをクリーニングするために常法で用いられる。ヘアをクリーニング及びコンディショニングする上で有効量の組成物、典型的には約1〜約20gの組成物が好ましくは通常水で濡らされたヘアに適用され、しかる後洗い落とされる。ヘアヘの適用では典型的にはほとんど又はすべてのヘアが組成物と接触されるように組成物でヘア中処理する。 例 下記例は本発明の範囲内に属する好ましい態様について更に記載及び実証する。例は説明目的で単に示され、本発明の制限として解釈されるべきでなく、その多くのバリエーションがその精神及び範囲から逸脱せずに可能である。示されたすべてのレベルは他で特に指摘されないかぎり提示された物質の活性重量を表す。 組成物は下記のように製造する。ラウレス‐3硫酸ナトリウムの一部をプレミックスタンクに加えて71℃に加熱することによりシリコーンプレミックスを最初に製造する。一部のバロニックLI-48及び塩化ナトリウムを加え、溶融させる。ジメチコンを加え、エマルジョンが形成されるまでミックスする。 残りのラウレス‐3硫酸ナトリウム、一部のバロニックLI‐48、ココアンホジアセテート、ラウロイミノプロピオネート及び香料を別のタンクにいれる。混合物(“メインミックス”)を撹拌し、71℃に加熱する。次いでエチレングリコールジステアレートを加え、溶融させる。メインミックスを高剪断ミキサー及び熱交換器に通し、そこでそれを38℃に冷却し、最終タンクに集める。プレミックスも剪断し、冷却し、同最終タンクに集め、そこでメインミックス及びプレミックスを均一になるまでミックスする。最後に、残りの成分を加え、シャンプー組成物にミックスする。最終pHはクエン酸で6.5〜7.2の範囲内に調整する。 上記の例の組成物は高いシリコーンヘアコンディショニング剤効力と一緒に優れた使用時ヘアクリーニング及びコンディショニング性を示すことができる。 (57)【特許請求の範囲】 1. (a)洗浄界面活性剤成分 5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するボリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)25℃で1,000,000センチポイズ以上の粘度を有し、200,000超の質量分子量を有するポリジメチルシロキサンゴム及び 25℃で10〜100,000センチポイズの粘度を有するポリジメチルシロキサン液の混合物からなり、 その混合物が30:70〜70:30のゴム:液重量比を有する、分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤0.1〜10重量%;及び (c)水; を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。 2. nが30〜85であり、Rが炭素原子11〜15を有する、請求項1に記載の組成物。 3. シリコーンコンディショニング剤用の懸濁化剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。 4. 懸濁化剤が長鎖アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、キサンタンガム、カルボキシビニルボリマー懸濁化剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項3に記載の組成物。 5. 洗浄界面活性剤成分が組成物の重量で少くとも2%のアニオン系界面活性剤を含む、請求項1に記載の組成物。 6. アニオン系界面活性剤がアルキルサルフェート、エトキシル化アルキルサルフェート又はそれらの混合物からなる、請求項5に記載の組成物。 7. 洗浄界面活性剤成分が両性界面活性剤、双極性界面活性剤又はそれらの混合物を含む、請求項5に記載の組成物。 |
訂正の要旨 |
(3)訂正の要旨 訂正事項a 請求項1 「(a)洗浄界面活性剤成分5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するボリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤 0.1〜10重量%;及び (c)水; を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。」を、 「(a)洗浄界面活性剤成分 5〜50%;但し、該洗浄界面活性剤成分は組成物の重量で0.5〜20%の下記式を有するポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルのノニオン系界面活性剤を含む; (上記式中nは5〜200である;Rは炭素原子9〜17を有する脂肪族アルキル又はアルケニル基である) (b)25℃で1,000,000センチポイズ以上の粘度を有し、200,000超の質量分子量を有するポリジメチルシロキサンゴム及び 25℃で10〜100,000センチポイズの粘度を有するボリジメチルシロキサン液の混合物からなり、 その混合物が30:70〜70:30のゴム:液重量比を有する、分散非揮発性不溶性シリコーンコンディショニング剤 0.1〜10重量%;及び (c)水; を含んでなるヘアコンディショニングシャンプー組成物。」 と訂正を行う。 訂正事項b 請求項8〜12を削除する訂正を行う。 |
異議決定日 | 2001-03-28 |
出願番号 | 特願平4-509352 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YA
(A61K)
P 1 651・ 161- YA (A61K) P 1 651・ 121- YA (A61K) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 福井 悟 |
特許庁審判長 |
吉村 康男 |
特許庁審判官 |
深津 弘 谷口 浩行 |
登録日 | 1999-09-03 |
登録番号 | 特許第2974778号(P2974778) |
権利者 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー |
発明の名称 | シリコーンコンディショニング剤含有ヘアコンディショニングシャンプー組成物 |
代理人 | 佐藤 一雄 |
代理人 | 小野寺 捷洋 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 紺野 昭男 |
代理人 | 小野寺 捷洋 |
代理人 | 佐藤 一雄 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 紺野 昭男 |