• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E02F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  E02F
管理番号 1044834
異議申立番号 異議2000-70154  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-08-15 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-01-17 
確定日 2001-05-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2930853号「小型バックホウの運転部」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2930853号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続きの経緯
本件特許第2930853号は、平成6年2月9日に出願され、平成11年5月21日にその特許権の設定登録がなされ、その後、平成12年1月17日に株式会社小松製作所より特許異議の申立てがなされ、取消理由がなされ、その指定期間内である平成13年1月30日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否について
2-1.訂正請求の訂正の内容
特許権者が求めている訂正は、本件特許第2930853号の明細書を本件訂正請求書に添付した訂正明細書のように訂正しようとするものであって、その訂正の内容は次のとおりである。
訂正事項1:特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。」を、
「【請求項1】旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のうち円形旋回台(3)の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。」と訂正する。
訂正事項2:明細書の段落【0005】を、
「【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、旋回台を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、円形旋回台に運転キャビンを、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、運転キャビン側壁のうち円形旋回台の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアを、円形旋回台の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けたことにある。」と訂正する。
2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)上記訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、上記訂正事項2は、特許請求の範囲との整合をとるために、発明の詳細な説明の記載の明りょうでない記載を明確にしたものである。
(2)また、上記訂正事項1および2に関連する記載として、願書に添付した明細書には、「旋回台3を、平面視で左右クローラ式走行装置2の外幅以内の直径の円形に形成して旋回半径を小さくし、運転キャビン6を平面視でほぼ半円形に形成し、運転キャビン6の側壁を平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台3の周縁部に沿う円弧状に形成し、運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたるほぼ角度90度の範囲を透視可能なスライドドア9に形成し、スライドドア9を前方及び横外側方の視界が良好なものに形成するとともに、円形旋回台3の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてある。」(明細書段落【0009】)と記載されており、図2には、スライドドア9が円形旋回台3の最前部から設けられていることことが示されているから、上記訂正事項1および2は、願書に添付した明細書および図面に記載した事項の範囲内において訂正したものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。
2-3.まとめ
したがって、特許権者が求めている訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書きおよび第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立について
3-1.異議申立ての理由の概要
異議申立人株式会社小松製作所は、甲第1号証ないし甲第3号証を提出し、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と実質的に同一であり、少なくとも甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、或いは同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである旨主張している。
3-2.本件発明
本件の請求項1に係る発明は、上記訂正請求によって訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである(以下、「本件発明」という)。
【請求項1】旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のうち円形旋回台(3)の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。
3-3.甲各号証の記載事項
甲第1号証:実願平3-84044号(実開平5-38057号)のCD-ROM
(取消理由に引用された刊行物)
甲第2号証:実願平2-44164号(実開平4-37656号)のマイクロフィルム
甲第3号証:実願平2-112893号(実開平4-69314号)のマイクロフィルム
(1)甲第1号証には、バックホーにおけるキャビン構造に関して、
a.「走行装置2の上部に、掘削装置4を具備する旋回フレーム3を載置したバックホーにおいて、旋回フレーム3の外形を平面視で円形状に構成すると共に、同旋回フレーム3上に運転者用キャビン14を設け、しかも、同キャビン14を構成する開閉ドア15の平面形状を、旋回フレーム3の形状に沿って円弧状に形成し、かつ、同開閉ドア15は円弧状に沿って開閉作動することを特徴とするバックホーにおけるキャビン構造。」(実用新案登録請求の範囲の請求項1)、
b.「【従来の技術】従来、バックホーのキャビン構造は、図5に示す如く構成されており、旋回フレーム30を円形状に形成して、」(段落【0002】)、
c.「【実施例】本考案の実施例を図面に基づき具体的に説明すると、図1において、1はバックホーであって、クローラ型走行装置2の上部に旋回フレーム3を載置して旋回自在としている。
そして、同旋回フレーム3の外形は図2に示す如く平面視で略円形に構成されている。
(中略)また、14は、円形に形成された旋回フレーム3上に設ける運転者用キャビンであって、同キャビン14の外側14-1は旋回フレーム3の形状に沿うように平面視で円弧状に形成されている。」(段落【0006】〜【0010】)、
d.図2には、甲第1号証に記載されたキャビン構造の平面図として、図5には、従来型の平面図として、旋回フレームの前部が欠けているが略円形の旋回フレーム上にキャビンが設けられたキャビン構造が記載されており、図2のキャビン14の側壁は操作レバー20附近の前部、運転者用座席21の横附近の横外側部、運転者用座席21の斜め後方附近の後部にわたって旋回フレームの周縁部に沿う円弧状をしており、該側壁のうち前部から横側側部前側部分にわたる範囲には開閉ドア15が設けられている。
したがって、甲第1号証には、以下の発明が記載されているものと認められる。
旋回フレーム3を平面視で略円形に形成したバックホーにおいて、前記旋回フレーム3にキャビン14を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記旋回フレーム3の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記キャビン14の側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたる範囲の開閉ドア15を、前記旋回フレーム3の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてあるバックホーの運転部
(2)甲第2号証には、建設機械の運転キャビンに関して、
a.「第6図は本考案の第2実施例を示したもので、外側側面6を鉛直軸を中心軸とする部分回転面で形成したもので、レール13、18、23は、この部分回転面に沿って円弧状に設けられている。扉9も前記側面6と同一形状に形成されており、円弧状のレール13、18、23で案内されて開閉自在である。このように外側側面6を円弧面とすれば、扉9を開いたときにその後端が内側に向かって回り込むように開かれるから、開いた扉9が旋回台41の外側に突出するのを避けることができ、特に外側側面6の円弧の中心軸を旋回台41の旋回中心軸Pと一致させれば、この突出を完全に防止できる。また他の構造として、扉9を開いたときに扉9の後端がエンジンルーム43やカウンタウエイトの側面に沿って移動するよう、エンジンルーム43やカウンタウエイトの側面の円弧半径に合わせて運転キャビンの外側側面6の円弧半径を決めてやるのも良い方法である。第7図は本考案の第3実施例を示したもので、前面3と外側側面6とを一体にして部分球面状に形成したものである。レール13、18、23は、この部分球面に沿って円弧状に設けられており、扉9も側面と同形の部分球面状に形成され、円弧状のレール13、18、23に案内されて開閉自在である。」(第8頁第19行〜第10頁第3行)と第6、7図と共に記載されている。
(3)甲第3号証には、小旋回式作業車両の乗降 用ドアに関して、
「第3図及び第4図に本考案に係る小旋回式作業車両の一実施例を示す。第3図に示すように、小旋回式掘削機1は走行装置2と、走行装置2上に載置され、走行装置2に対して360°に旋回可能な掘削手段3とを備えている。第4図に示すように、掘削手段3は最大旋回半径として半径Rを有する。掘削手段3の一部として運転室4が設けられており、運転室4は円弧形状の乗降用ドア5を有する。第4図に示すように、乗降用ドア5は最大旋回半径Rを半径とする円の円周に沿って摺動自在に形成される。第4図の破線で示す位置Aにあるときは乗降用ドア5は閉まっており、矢印Xの方向に摺動させて実線で示す位置Bまで移動させると乗降用ドア5は開く。乗降用ドア5を閉じるときは矢印Xと逆方向に摺動させる。乗降用ドア5は円弧形状であるので、最大旋回半径Rを半径とする円の円周に沿って移動することが可能である。」
と第3、4図と共に記載されている。
3-3.対比・判断
本件発明と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、甲第1号証に記載された発明の「旋回フレーム3」、「キャビン14」および「開閉ドア15」が本件発明の「旋回台3」、「運転キャビン6」および「スライドドア9」にそれぞれ相当し、甲第1号証に記載されたバックホーはその運転者用座席の大きさ等から本件発明のバックホウと同程度の大きさの小型のバックホウであると考えられるから、両者は、旋回台を平面視で略円形に形成した小型バックホウにおいて、前記略円形旋回台に運転キャビンを、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記略円形旋回台の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のスライドドアを、前記略円形旋回台の周縁部に沿って後方へスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部である点で一致しており、下記の点で相違している。
相違点:本件発明は、旋回台が円形であり、スライドドアが、運転キャビン側壁のうち円形旋回台の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアであるのに対して、甲第1号証に記載された発明は、旋回台はその前側部分が一部欠けている略円形であり、スライドドアは運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアである点で相違している。
なお、異議申立人は、本件発明の「旋回台を平面視で円形に形成した」構成は、甲第1号証に記載された「旋回フレーム3の外形を平面視で円形状に構成する」に相当している旨主張しているが、上記3-3.(1)bないしdの記載から考えて、甲第1号証における「円形状」とは、甲第1号証の図2、5に示されている旋回フレームの形状のような「前部が欠けた略円形」を指すものであって、本件発明における「円形」と一致するものであるとは認められないから、上記主張は採用できない。
そして、甲第2、3号証を見ても、本件発明の上記相違点に係る構成は記載も示唆もされていない。
さらに、本件発明は、上記相違点に係る構成を含む全体の構成により、「スライドドア9の横幅を十分に大きくしてスライドドア9の開放状態で幅広の乗降口により容易に乗降できるとともに、スライドドア9の開閉いかんにかかわらず良好な運転視界を確保できる」という明細書記載の格別の効果を奏するものである。
したがって、本件発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であるとも、また、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものであるともすることはできない。

4.むずび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由および証拠方法によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
小型バックホウの運転部
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、
前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、
前記運転キャビン側壁のうち円形旋回台(3)の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、旋回半径を小さくできるように、旋回台を平面視で円形に形成した小型バックホウの運転部に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型バックホウの円形旋回台には、搭乗運転者の頭上を覆う日除けや、側方および上方からの土の降りかかりを回避するキャノピーを設けているに過ぎず、居住性改善の面から運転キャビンの導入が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、小型バックホウでは運転スペースが本来小さいために、中型機あるいは大型機と同様なドア付きの運転キャビンを搭載すると、乗降口が小さいものとなってしまい、実用上かえって使い難いものとなることが予想される。
【0004】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、円形旋回台を有する小型バックホウの運転居住性を向上し、しかも、そのための構成を、旋回半径を小さく維持できるとともに乗降が容易なものにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴構成は、旋回台を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、円形旋回台に運転キャビンを、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、運転キャビン側壁のうち円形旋回台の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアを、円形旋回台の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けたことにある。
【0006】
【作用】
つまり、運転キャビンを備えることによって、円形旋回台を有する小型バックホウでありながら搭乗運転者が風雨に曝されることを回避でき、運転居住性を向上できる。
しかも、運転キャビン側壁を平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台の周縁部に沿う円弧状に形成するとともに、スライドドアを円形旋回台の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けることによって、スライドドアを閉じた状態のみならず開放した状態でもスライドドアを円形旋回台の内側に収めて、旋回半径を小さく維持できる。
さらに、スライドドアを運転キャビ側壁の前部から横外側部前側部分にわたるものに形成するから、スライドドアの横幅を十分に大きくでき、スライドドア開放状態で幅広の乗降口により容易に乗降できる。
【0007】
【発明の効果】
その結果、運転居住性が良好で、旋回半径が小さく、搭乗運転部に対する乗降が容易な、一段と便利な円形旋回台付の小型バックホウを提供できるようになった。
【0008】
【実施例】
図1及び図2に示すように、トーザ1およびクローラ式走行装置2を備えた走行車体上に、旋回台3を縦軸芯回りで駆動旋回操作自在に設け、バックホウ装置4、エンジン5、運転キャビン6、燃料タンク7、作動油タンク8などを旋回台3に設け、ドーザ付きの小型バックホウを構成してある。
【0009】
旋回台3を、平面視で左右クローラ式走行装置2の外幅以内の直径の円形に形成して旋回半径を小さくし、運転キャビン6を平面視でほぼ半円形に形成し、運転キャビン6の側壁を平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台3の周縁部に沿う円弧状に形成し、運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたるほぼ角度90度の範囲を透視可能なスライドドア9に形成し、スライドドア9を前方及び横外側方の視界が良好なものに形成するとともに、円形旋回台3の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けてある。
【0010】
つまり、運転キャビン6を備えることによって搭乗運転者が風雨に曝されることを回避して運転居住性を向上してある。そして、運転キャビン側壁を平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台3の周縁部に沿う円弧状に形成するとともに、スライドドア9を円形旋回台3の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けることによって、スライドドア9を閉じた状態のみならず開放した状態でもスライドドア9を円形旋回台3の内側に収めて、旋回半径を小さく維持できるように構成してある。さらに、スライドドア9を運転キャビン側壁の前部から横外側部前側部分にわたる視界の良いものに形成することによって、スライドドア9の横幅を十分に大きくしてスライドドア9の開放状態で幅広の乗降口により容易に乗降できるとともに、スライドドア9の開閉いかんにかかわらず良好な運転視界を確保できるように構成してある。
【0011】
エンジン5をスライドドア9とはキャビン内側側壁に対して反対側に配置して、スライドドア9を開けた時にもエンジン排気が運転キャビン6内に入りにくいように構成し、また、燃料及び作動油タンク7,8を旋回台3の後部に配置してバランスウェイトとしての機能を発揮させるようにしてある。
【0012】
〔別実施例〕 スライドドア9の横幅は適宜選定自在であり、スライドドア9のスライド開閉自在な取付け構成は周知のドア取付け構成から適宜選定できる。
【0013】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体側面図
【図2】 一部切り欠き平面図
【符号の説明】
3 旋回台
6 運転キャビン
 
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項1:
特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】旋回台(3)を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、前記円形旋回台(3)に運転キャビン(6)を、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって前記円形旋回台(3)の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、前記運転キャビン側壁のうち円形旋回台(3)の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドア(9)を、前記円形旋回台(3)の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けてある小型バックホウの運転部。」と訂正する。
訂正事項2:
明細書の段落【0005】
「【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、旋回台を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、円形旋回台に運転キャビンを、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、運転キャビン側壁のうち前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアを、円形旋回台の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けたことにある。」を、不明りょうな記載の釈明を目的として、
「【課題を解決するための手段】本発明の特徴構成は、旋回台を平面視で円形に形成した小型バックホウにおいて、円形旋回台に運転キャビンを、その側壁が平面視で前部、横外側部、後部にわたって円形旋回台の周縁部に沿う円弧状になる状態で設け、運転キャビン側壁のうち円形旋回台の最前部から横外側部前側部分にわたる範囲のスライドドアを、円形旋回台の周縁部に沿って後方ヘスライド開放自在に取付けたことにある。」と訂正する。
異議決定日 2001-03-29 
出願番号 特願平6-15046
審決分類 P 1 651・ 121- YA (E02F)
P 1 651・ 113- YA (E02F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 草野 顕子  
特許庁審判長 幸長 保次郎
特許庁審判官 鈴木 公子
宮崎 恭
登録日 1999-05-21 
登録番号 特許第2930853号(P2930853)
権利者 株式会社クボタ
発明の名称 小型バックホウの運転部  
代理人 野口 武男  
代理人 北村 修一郎  
代理人 北村 修一郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ