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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B02C
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載  B02C
管理番号 1044938
異議申立番号 異議2000-73283  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-07-11 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-25 
確定日 2001-05-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3030702号「ロ―ラ装置におけるスクレイパ―装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許3030702号の請求項1〜4に係る発明は、平成11年2月25日に特許出願され、平成12年2月10日に特許の設定登録がなされ、その後、請求項1に係る発明について特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年4月17日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否についての判断
ア.訂正の内容
訂正事項a
請求項1を削除する。
訂正事項b
【請求項2】を【請求項1】とし、これに「定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において」を加入する。
訂正事項c
【請求項3】とあるを【請求項2】とし、【請求項4】とあるを【請求項3】と訂正する。
訂正事項d
発明の詳細な説明中段落(0005)の「摺動ローラの軸受けに、該摺動ローラのスクレイパーの保持部を設けたことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置であり、」を削除する。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
訂正事項b〜dは上記訂正事項aに伴って、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正であって、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
ウ.むすび
以上のとおり、上記訂正は、特許法第120の4第2項および第3項において準用する特許法第126条第第第2項から第3項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議申立について
請求項1に係る発明は、訂正の結果削除され、特許異議申立の対象が存在しないので、この特許異議申立は、不適法な申立であって、その補正をすることができないものである。
したがって、本件特許異議の申立は、特許法第120条の6第1項で準用する第135条の規定により却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ローラ装置におけるスクレイパー装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕・圧扁加工などを行うローラ装置において、摺動ローラの軸受けにブラケットの一端部を固定し、該ブラケットの他端部に支軸によりスクレイパーの保持部を回動自在に取付け、前記スクレイパーの先端を前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置。
【請求項2】 直線移動部材と離接できる摺動ローラとにより粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において、前記摺動ローラの軸受けに、該摺動ローラのスクレイパーの保持部を設けると共に、前記スクレイパーの先端側を、前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置。
【請求項3】 定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において、摺動ローラの軸受けに突片を設け、該突片に支軸によりスクレイパーを回動自在に取付け、前記スクレイパーの先端側を、前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、摺動ローラの摺動に伴ってスクレイパーの保持部も連動させ、摺動ローラに対するスクレイパーの相対的当接位置を不変にすることを目的としたローラ装置におけるスクレイパー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来製粉装置においては、定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラ装置によって製粉しており、摺動ローラの摺動により両ローラ間隙を調整している。前記各ローラの外周面には夫々スクレイパーが当接してあって、各ローラの外周面に付着した被処理物を剥離除去している。前記両ローラ間隔の調整に際し、摺動ローラの左右端の摺動量の差異が避けられない為に、該摺動ローラとスクレイパーの当接縁が離れ、襖状の間隙を生じ、剥離除去状態に差異を生じ、その結果製粉粒度のバラツキ或いは圧扁作用に乱れが生じて居た。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来のローラ装置においては、スクレイパーは機枠に回動自在に固定されているので、各ローラの外周面と、スクレイパーの先端とは常時弾力的に当接しているけれども、摺動ローラの場合には、摺動ローラが摺動しても、スクレイパーの位置は不変であるから、必然的に当接位置がずれることになる。前記における摺動ローラの外周面は円筒形であるからスクレイパーとの当接位置がずれると、当接状態が変り、摺動ローラの外周面に付着した粉砕物などの剥離が不十分になる問題点があった。例えば摺動ローラの外周面と、スクレイパーの当接面との間に襖状微小間隙を生じるおそれがあり、その為に摺動ローラの外周面の剥離清掃が不十分になるおそれがあった。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
この発明は、前記問題点を解決することを目的として開発したものであって、摺動ローラの軸受けにスクレイパーを保持させて摺動ローラとスクレイパーの相対関係位置を常時正しく保ったまま摺動ローラが摺動できるようにしたのである。
【0005】
即ちこの発明は、定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において、摺動ローラの軸受けにブラケットの一端部を固定し、該ブラケットの他端部に支軸によりスクレイパーの保持部を回動自在に取付け、前記スクレイパーの先端を前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置である。
【0006】
また他の発明は直線移動部材と離接できる摺動ローラとにより粉砕圧扁加工などを行うローラ装置において、前記摺動ローラの軸受けに、該摺動ローラのスクレイパーの保持部を設けると共に、前記スクレイパーの先端側を、前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置である。
【0007】
更に他の発明は、定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において、摺動ローラの軸受けに、突片を設け、該突片に支軸によりスクレイパーを回動自在に取付け、前記スクレイパーの先端側を、前記摺動ローラの外周面へ弾力的に当接すべく付勢したことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置である。
【0008】
前記は、摺動ローラの軸受けにスクレイパーを取付けるようにしたが、摺動ローラとスクレイパーが同一関係位置を保って摺動するならば、スクレイパーの取付け位置に制限を設けるものではない。要は両者の当接状態が常時同一であることを要件とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、摺動ローラの軸受けにスクレイパーを取付けるものであって、摺動ローラとスクレイパーとが同一位置関係を保ったまま連動して摺動することを要件としている。
【0010】
前記スクレイパーの取付けには、摺動ローラの軸受けにブラケットを固定し、又は前記軸受けにスクレイパー取付け用の突片を設けても同様である。
【0011】
また摺動ローラの相手は、定位置回転ローラ又は直線移動板である。
【0012】
【実施例1】
この発明の実施例を図1、2に基づいて説明する。
【0013】
摺動ローラ1の軸1aを支持する軸受け2を、機体3に設けた案内4に摺動自在に嵌挿し、前記軸受け2と、案内4の一側壁4aに貫通螺合する調節螺杆5のスプリング受け5aとの間にスプリング6を介装して軸受け2を弾力的に支持し、前記調節螺杆5の外端部にハンドル7が固定してある。
【0014】
前記軸受け2の下部には、ブラケット8が設置され、ブラケット8にスクレイパー9が支軸10により回転自在に取付けてあり、前記スクレイパー9の先端部9cと、前記ブラケット8の止ピン12との間に引張用スプリング11が張設してある。従って前記スクレイパーgの先端9bは、摺動ローラ1の円周面に常時弾力的に当接すべく前記スプリング11により付勢されている。
【0015】
図中13は定位置回転ローラ、14は定位置回転ローラ13のスクレイパー、18、19はローラの軸に固定したギヤー、20はロックナットである(図1)。
【0016】
前記実施例において、被処理物をホッパー17から矢示15のように装入すると、両ローラが矢示21、22の方向へ回転する際に、被処理物による負荷力が設定値以上に大きくなると、軸受け2は矢示16の方向へ摺動ずる。この場合に、ブラケット8に取付けたスクレイパー9も同一方向へ摺動ずるので、摺動ローラ1の外周面と、スクレイパー9の先端9bとの相対位置は不変であり、常時最良の当接状態が保たれ、付着物を確実に剥離除去する。
【0017】
【実施例2】
この発明の他の実施例を図3に基づいて説明する
【0018】
摺動ローラ1の軸1aを支持する軸受け2を、機体3に設けた案内4に嵌挿し、前記軸受け2と、案内4の 側壁4aを貫通する調節螺杆5のスプリング受け5aとの間にスプリング6を介装して軸受け2を弾力的に支持し、調節螺杆5の回転によってスプリング6の弾力を調節し、ローラ間隙をロックナット20により設定できるようにしてある。
【0019】
前記軸受け2にはボルト23によってブラケット8の基部を固定し、前記ブラケット8の先端部にスクレイパー9を支軸10で回動自在に取付け、前記ブラケット8の突片8aと、前記スクレイパー9の後端部の突起9aとの間にスプリング11を介装したもので、図中24は突片8aに螺合する調節ねじ、13は定位置回転ローラ、14は定位置回転ローラ13のスクレイパーである。
【0020】
前記実施例において、被処理物を矢示15のように装入すると、両ローラが矢示21、22の方向へ回転する際に、被処理物による負荷力が設定値以上に大きくなると、軸受け2は矢示16の方向へ摺動ずる6この場合に、ブラケット8に取付けたスクレイパーgも同一方向へ摺動するので、摺動ローラ1の外周面と、スクレイパーgの先端9aとの相対位置は不変であり、常時良好な関係に保たれて、付着物を確実に剥離除去することができる。
【0021】
【実施例3】
この発明の他の実施例を図4について説明する。摺動ローラ1の軸1aを支持する軸受け25を、ピン26により機体3へ回動自在に取付け、前記軸受け25の下縁へ突片27を突設し、突片27にピン28によりスクレイパー9を回動自在に取付ける。
【0022】
前記スクレイパーgの基部と、前記軸受け25の突起29との間にスプリング30を介装する。図中36は調節ねじである。
【0023】
前記軸受け25の一端上部に設けた突起31と、機体3へ固定したブラケット32に螺合する調節ねじ33との間にスプリング34を介装したものである。
【0024】
前記実施例において、被処理物を矢示15のように装入すると、両ローラが矢示21、22の方向へ回転する際に、被処理物による負荷力が設定値以上に大きくなると、摺動ローラ1が矢示35の方向へ回動ずるが、スクレイパーgも同一方向へ回動ずるので、摺動ローラ1の外周面と、スクレイパー9の先端9bとの相対位置は常時同一関係位置で良好に保たれて、付着物を確実に剥離除去することができる。
【0025】
【実施例4】
この発明の他の実施例を図5、6により説明する。大径の回転リング36の内側へ、摺動ローラ37を離接可能に架設し、該摺動ローラ37の軸受け38の基端部へ、スクレイパー39の中間部をピン40により回転自在に取付け、前記スクレイパー39の基部ヘスプリング41を介装して、スクレイパー39の先端部を前記摺動ローラ37の外周面に当接させたスクレイパー装置である。前記において、駆動ローラ42により回転リング36を矢示43の方向に回転させると共に摺動ローラ37を矢示44の方向へ回転すれば、餅45を所定の厚さに展延させることができる。
【0026】
前記において、摺動ローラ37を矢示46又は47の方向へ摺動させると、軸受け38も同方向へ移動する為に、摺動ローラ37の外周面とスクレイパー39の先端との相対位置は不変であり、スクレイパー39により、摺動ローラ37面に付着した物を容易かつ確実に取除くことができる。
【0027】
【実施例5】
この発明の他の実施例を図7、8に基づいて説明する。直線移動する板体48の上方へ摺動ローラ49を離接可能に架設したもので、摺動ローラ49の軸受け50の基端部ヘスクレイパー51の中間部をピン52により回転可能に取付けたもので、図中53はスプリング、54は板体4の駆動ローラである(図7(a))。
【0028】
前記において、摺動ローラ54を矢示55の方向へ回転すれば、板体48も矢示56の方向へ移動し、摺動ローラ49を矢示57の方向へ回転させれば、餅45を、所定の厚さに展延することができる。
【0029】
図7(b)は、駆動ローラ54を矢示55又は58の方向へ回転することにより、板体48は矢示56又は59の方向へ往復移動させ、板体48の往復により、所定の厚さの餅を容易に得ることができる。摺動ローラ49が矢示57aの方向に回転する場合には前記スクレイパー51に代えてスクレイパー51a、スプリング53に代えてスプリング53a、ピン52に代えてピン52aが働くことになる。
【0030】
図8の実施例は、スチールバンドコンベア60の上方に摺動ローラ61を回転可能に架設したもので図中62は軸受け、63はスクレイパー、64はそのピン、65はスプリング、66受圧板である。
【0031】
前記実施例において、スチールバンドコンベア60を矢示67の方向へ移動し、摺動ローラ61を矢示68の方向へ回転すれば、スチールバンドコンベア60上へ、餅45を所定の厚さに展延することができる。
【0032】
【発明の効果】
この発明によれば、摺動ローラとスクレイパーとが常時一定関係を保ったまま(同一体となって)摺動ずるので、摺動ローラの外周面と、スクレイパーの先端との位置関係は常時良好に保たれ、一定粒度の製粉作業或は、整った厚さの圧扁作業等が設計時のスクレイパーの能力を保ったまま発揮できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の実施例の一部を省略した側面図。
【図2】
同じく一部を省略した正面図。
【図3】
同じく他の実施例の一部を省略した側面図。
【図4】
同じく他の実施例の一部を省略した側面図。
【図5】
同じくリングローラを用いた実施例の概念図。
【図6】
同じく摺動ローラの一部を省略した平面図。
【図7】
(a) 同じく板体と摺動ローラとの実施例の概念図。
(b) 同じく板体を往復させる実施例の概念図。
【図8】
同じくスチールバンドコンベアを用いる実施例の概念図。
【符号の説明】
1 摺動ローラ
2 軸受け
3 機体
4 案内
5 調節螺杵
5a スプリング受け
6、11 スプリング
7 ハンドル
8、24、32 ブラケット
8a 突片
9、14 スクレイパー
9a 突起
10 支軸
12 止ピン
13 定位置回転ローラ
17 ホッパー
18、19 ギヤー
20 ロックナット
21、29、31 突起
23 ボルト
24、33、36 調節ねじ
25 軸受け
26、28 ピン
27 突片
30、34 スプリング
33 調節ねじ
34 スプリング
36 回転リング
37、49、61 摺動ローラ
38、50、62 軸受け
39、51、63 スクレイパー
40、52、64 ピン
41、53、65 スプリング
42、54 駆動ローラ
45 餅
48 板体
60 スチールバンドコンベア
66 受圧板
 
訂正の要旨 訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、
請求項1を削除する。
訂正事項b
明瞭でない記載の釈明を目的として、 【請求項2】を【請求項1】とし、これに「定位置回転ローラと、摺動ローラとの一対のローラによって、粉砕、圧扁加工などを行うローラ装置において」を加入する。
訂正事項c
明瞭でない記載の釈明を目的として、 【請求項3】とあるを【請求項2】とし、【請求項4】とあるを【請求項3】と訂正する。
訂正事項d
明瞭でない記載の釈明を目的として、 発明の詳細な説明中段落(0005)の「摺動ローラの軸受けに、該摺動ローラのスクレイパーの保持部を設けたことを特徴とするローラ装置におけるスクレイパー装置であり、」を削除する。
異議決定日 2001-05-08 
出願番号 特願平11-48462
審決分類 P 1 652・ 113- XA (B02C)
P 1 652・ 121- XA (B02C)
最終処分 決定却下  
前審関与審査官 黒石 孝志  
特許庁審判長 加藤 孔一
特許庁審判官 山田 充
西村 和美
登録日 2000-02-10 
登録番号 特許第3030702号(P3030702)
権利者 株式会社オオヤマフーズマシナリー
発明の名称 ロ―ラ装置におけるスクレイパ―装置  
代理人 涌井 謙一  
代理人 斉藤 侑  
代理人 鈴木 正次  
代理人 鈴木 正次  
代理人 伊藤 文彦  
代理人 涌井 謙一  

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