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審決分類 |
審判 全部申し立て 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 C12N |
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管理番号 | 1044960 |
異議申立番号 | 異議1998-76156 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-07-09 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-12-25 |
確定日 | 2001-05-19 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2769305号「トリコダーマにおいてタンパク質生成物を産生するための方法」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2769305号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第2769305号に係る出願は、昭和62年4月30日に出願した特願昭62-104838号の一部を平成7年10月11日に新たな特許出願としたものであって、平成10年4月10日にその特許の設定登録がなされ、その後、異議申立人内野光平により特許異議の申立てがなされ、取消理由が通知され、平成13年3月8日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 ア.訂正の内容 平成9年8月18日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載の「(c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる選択マーカー、」を「(c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカーを除く選択マーカー、」と訂正する。 イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否 上記訂正は、本件請求項1に係る発明において使用することができる選択マーカーから、特定の「ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカー」を除くものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、選択マーカーに関連する記載として、願書に添付した明細書の発明の詳細な説明には「異なった選択マーカー、たとえばargB(A.ニジュランス又はT.リーセイ)、amdS(A.ニジュランス)及びpyr4(ネウロスポラ クラサ又はT.リーセイ)が使用され得る。」(段落0026)と記載され、選択マーカーとしてN.クラサのpyr4遺伝子を用いることが実験例1に、A.ニジュランスのamdS遺伝子を用いることが実験例3に、A.ニジュランスのargB遺伝子を用いることが実験例4にそれぞれ記載されている。 これらの記載からみて、N.クラサのpyr4遺伝子だけでなく、それ以外のT.リーセイのpyr4遺伝子、A.ニジュランスのargB遺伝子、T.リーセイのargB遺伝子、及びA.ニジュランスのamdS遺伝子を選択マーカーとして使用することは、願書に添付した明細書に記載した事項であるといえる。 してみると、上記訂正は、選択マーカーとして使用できる遺伝子の一部、即ちN.クラサのpyr4遺伝子を削除したに過ぎず、削除した訂正後の事項は、願書に添付した明細書に記載された事項であるので、上記訂正は新規事項の追加にならない。 また、上記訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ.独立特許要件 後記の「3.特許異議申立てについて」の「ウ.判断」の項に示すとおり、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 エ.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2ー4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立てについて ア.本件特許発明 上記2.で述べたように上記訂正が認められるから、本件特許発明の要旨は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】トリコダーマにおけるタンパク質産物の製法であって、以下の段階: (1)(a)所望のタンパク質産物をコードする遺伝子、 (b)上記所望の産物の発現を制御するために作用可能な状態で連結されたプロモーター/エンハンサーを含むDNA配列を含む遺伝子発現を促進する機能、及び (c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカーを除く選択マーカー、 を含むベクター系により好適なトリコダーマ菌株を形質転換させ、 (2)全窒素源としてニトレートを含まない培地上で上記段階(1)の選択マーカーにより安定して形質転換されたトリコダーマを選択して、トリコダーマの安定した形質転換体を調製し、 (3)好適な培養基中で上記トリコダーマの安定した形質転換体を培養し、そして (4)上記培養基又はその菌糸体からその発現された所望のタンパク質産物を回収する、 を含む製法。」 イ.異議申立ての理由の概要 異議申立人 内野光平は、下記に示す甲第1ないし3号証を提出して、 「本件明細書において、pyr4遺伝子は選択マーカーとして利用が可能なものとして記載されている。しかし、甲第1及び2号証には、pyr4遺伝子を用いて得られた形質転換体がその形質を安定に保持し得ないものであることが開示されている。従って、本件特許発明が意図するタンパク質を生産するために、pyr4遺伝子は選択マーカーとして利用することができない。pyr4についてその発明の実施ができない以上、当業者が容易に実施できるようにその目的、構成、および効果が明細書に記載されていない。また、請求項1に記載の「選択マーカー」にはpyr4遺伝子が含まれない以上、請求項1は本件特許発明の構成に欠くことができない事項以外を記載している。よって、本件の明細書は特許法第36条第3項又は第4項に規定する要件を満足しないものであるから、本件特許は取り消されるべきである。」旨主張している。 記 甲第1号証 Curr.Genet(1990)18:71-76 甲第2号証 Curr.Genet(1991)19:359-365 甲第3号証 特許第2702924号公報 ウ.判断 異議申立人が指摘するとおり、甲第1及び2号証には、選択マーカーとしてネウロスポラ・クラサのpyr4遺伝子を用いて得られた形質転換体は、その形質を安定に保持し得ないことが記載されているが、平成13年3月8日付け訂正請求により、本件特許発明において使用可能な選択マーカーから ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカーが除かれた結果、異議申立人が主張する記載不備は解消した。 してみると、甲第3号証(本件特許の原出願について付与された特許第2702924号公報)を参考にするも、異議申立人の上記主張を採用することはできない。 エ.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び提出した証拠方法によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 トリコダーマにおいてタンパク質生成物を産生するための方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 トリコダーマにおけるタンパク質産物の製法であって、以下の段階: (1)(a)所望のタンパク質産物をコードする遺伝子、 (b)上記所望の産物の発現を制御するために作用可能な状態で連結されたプロモーター/エンハンサーを含むDNA配列を含む遺伝子発現を促進する機能、及び (c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカーを除く選択マーカー、 を含むベクター系により好適なトリコダーマ菌株を形質転換させ、 (2)全窒素源としてニトレートを含まない培地上で上記段階(1)の選択マーカーにより安定して形質転換されたトリコダーマを選択して、トリコダーマの安定した形質転換体を調製し、 (3)好適な培養基中で上記トリコダーマの安定した形質転換体を培養し、そして (4)上記培養基又はその菌糸体からその発現された所望のタンパク質産物を回収する、 を含む製法。 【請求項2】 前記タンパク質産物が、分泌されたタンパク質産物である、請求項1に記載の製法。 【請求項3】 前記タンパク質産物がトリコダーマと同種である、請求項1に記載の製法。 【請求項4】 前記タンパク質産物がトリコダーマと異種である、請求項1に記載の製法。 【請求項5】 前記タンパク質産物がプロキモシンである、請求項1に記載の製法。 【請求項6】 前記タンパク質産物がT.リーセイのエンドグルカナーゼI(EG.I)である、請求項1に記載の製法。 【請求項7】 前記菌株が原栄養性T.リーセイ株である、請求項1に記載の製法。 【請求項8】 前記菌株が栄養要求性T.リーセイ株である、請求項1に記載の製法。 【請求項9】 前記菌株が不所望の産物をコードする遺伝子のいずれをも欠失している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製法。 【請求項10】 前記菌株がcbhl遺伝子を欠失している、請求項9に記載の製法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、トリコダーマの形質転換に使用するためのベクターシステム、トリコダーマにおけるタンパク質の高レベルでの発現及び分泌のための方法、DNA組換え体ベクター及び形質転換されたトリコダーマ菌株に関する。 【0002】 【発明の背景】 繊維状菌類は、種々の発酵生成物を製造するために生物工学に広く使用される下等真核生物である。菌類は多くの工業的に重要な酵素、たとえばグルコアミラーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、ペクチナーゼ及びグルコセオキシダーゼを分泌する。 【0003】 繊維状菌類は多くの生物工学的利点を有する。それらは一般的に高い量のタンパク質を産生し、大規模での培養は複雑でなく、そして発酵の後、培養液体からの菌糸体の分離が容易である。 【0004】 中温性不完全菌類トリコダーマ リーセイ〔以前はT.ビリデ(T.viride)〕(参照1)は、セルロースバイオマスの転換に必要とされる酵素を産生し、そしてたぶん最も広く研究されたセルラーゼ産生生物である。 【0005】 セルロースのグリコースヘの加水分解のためには、3種のタイプの酵素活性が必要とされる;通常、置換された可溶性基質を攻撃し、そして結晶性セルロースに親和性を示さない、ランダム切断性エンドグルカナーゼ(1,4-β-D-グルカングルカノヒドロラーゼ、EC.3,2,1,4);結晶性セルロースを分解することができるが、しかし誘導体化されたセルロースに対する活性を持たないセルロビオヒドロラーゼ(1,4-β-D-グルカン セルロビオヒドロラーゼ、EC.3,2,1,91)及びグルコースを得るためにセロビオース及びセロ-オリゴ糖を攻撃するβ-グルコシダーゼ(β-D-グルコシド グルコヒドロラーゼ、EC.3,2,1,21)。いくらかのこれらの酵素間の相乗作用が示された(参照2〜4)。 【0006】 菌類のセルラーゼが精製され、そして特徴づけられ、そしてすべての3種の主要タイプの酵素は、多種の形で存在することが示された(参照5)。2つの免疫学的に異なるセルロビオヒドロラーゼ、すなわちCBHI及びCBHIIは、T.リーセイの培養培地から検出された(参照4,6)。5〜8の電気泳動的に異なるエンドグルカナーゼが報告され、それらの多くは、基質特異性を変えることを示した(参照7,8,9,10)。2つの細胞外β-グルコシダーゼの特徴化が報告された(参照11)。 【0007】 突然変異及びスクリーニングの直接的アプローチを用いて開発された多くの菌株は、いくつかの高収率のT.リーセイ突然変異株を好結果をもたらして産生した(参照11〜22)。最良のT.リーセイ突然変異体によって産生された細胞外タンパク質の量は、培養流体1l当り20〜30gであり、これは合計細胞タンパク質の50%以上である。分泌されたタンパク質の主要部分は、セルラーゼを含み、そしてその間には、CBHI成分が最も豊富であり、そして分泌されたセルラーゼタンパク質の60%まで示す。 【0008】 CBHIのための遺伝子は、Shoemakerなど(参照23)及びTeeriなど(参照24)によってクローンされ、そして該遺伝子の完全なヌクレオチド配列は公表されている(参照23)。T.リーセイからまた、主なエンドグルカナーゼEGIのための遺伝子がクローンされ、そして特徴づけられた(参照25,26,27)。他の単離されたセルラーゼ遺伝子はcbh2(参照28,29)及びegl3(参照30)である。 【0009】 産業的に重要な繊維状菌類の分子生物学は、一般的に良く知られていない。これは一部、有性生殖サイクル及び/又は遺伝的な形質転換システムの不十分な認識による。最近、形質転換システムが、ネウロスポク クラサ(参照31)、A.ニジュランス(参照32,33,34)及びA.ニガー(A.niger)参照35)のために開発され、そしてそれらは、ベクター分子によって担持されるそれぞれの機能性遺伝子により突然変異宿主の相補性においてそれらの主成分を一般的に有する。しかしながら、これらの菌類の中でA.ニガーのみが当座は、産業的興味の対象である。 【0010】 菌類の分類において、属アスペルジラスは、綱アスコマイセティス(Ascomycetes)、サブクラス ユーアスコマイセティス(Euascomycetes)に含まれる。ユーアスコマイセティスは、子実体に基づいて3つの群、すなわちプレクトマイセティス(Plectomycetos)、ピレノマイセテイス(Pyrenomycetes)及びジスコマイセティス(Discomycetes)に分けられる。最も重要な属は、アスペルジラス及びペニシリアム(参照56)である。代わりに、トリコダーマが不完全菌類のメンバーとして分類される。不完全菌類は、有性生殖又は有性生殖属との明確な類似性を持たない菌類、たとえばひじょうに特徴的なアスペルジラスのキャッチ-オール カテゴリーである。トリコダーマは、完全なアスコマイセティス種ハイポクレア(Hypocrea)(参照57)の不完全状態である不十分に定義された生殖段階を有することを報告されたけれども、属アスペルジラス及びトリコダーマは明らかに、分類学上ひじょうに異なると思われる。アスペルジラス ニジュランスからのargb遺伝子及びネウロスポラ クラサからのpyr4遺伝子は、非ストリンジェント条件下でそれぞれのトリコダーマの遺伝子にハイブリダイズせず、従ってトリコダーマは他のアスコマイセテス(Ascomycetes)と進化論的にまったく異なるという考えを推定できることもまた示された(Vananen,S.,調製において)。 【0011】 増殖培地中にタンパク質を分泌する、その例外的能力によって、トリコダーマ リーセイは、タンパク質の産生のための可能な宿主として良好な候補者であると思われる。しかしながら、これまでは、T.リーセイの遺伝研究は、該菌類のセルラーゼ産生特性を改良することにほとんど向けられ、そしてハイパ-セルロチック(Hypercellulotic)トリコダーマ菌株の開発のために使用される技術は、単に従来の突然変異生成及びスクリーニングであった。トリコダーマのための形質転換システムは、今まで開発されていない。 【0012】 トリコダーマ リーセイのための有効な宿主-ベクターシステムを提供し、トリコダーマ中に異質のタンパク質の高い発現及び分泌レベルを得、又は同質のタンパク質の産生を高めることが本発明の主な目的である。 【0013】 本発明の明細書において、表現“トリコダーマに異質のタンパク質”とは、トリコダーマによって天然に産生されないタンパク質を意味し、ところが“トリコダーマに同質のタンパク質”とは、トリコダーマ自体によって産生されるタンパク質を意味する。 【0014】 初めに開発された菌類の形質転換システムにおいて、すなわちアスペルジラス及びネウロスポラにおいては、形質転換がプロトプラストを用いて行なわれる。形質転換性DNAが通常、宿主のゲノム中に組込まれる。安定した形質転換体を同定するための選択システムを得るためには、ベクターシステムが、宿主ゲノムの対応する突然変異を補足するか、又は特定の増殖培地上での原栄養株の増殖のために必要な活性、通常酵素を供給する機能的な遺伝子(選択マーカー)を担持すべきかである。 【0015】 【発明の要約】 本発明は、トリコダーマの形質転換のための組換え体DNAクローニングベクターシステムを記載する。このDNAクローニングベクターシステムが目的とするタンパク質生成物をコードする DNA配列を含有する場合、本発明のベクターシステムによるトリコダーマの形質転換は、形質転換された微生物が適切な培養培地中において増殖される場合、目的とするタンパク質の高レベルの発現及び分泌を提供するであろう。 【0016】 その第1の観点によれば、本発明は、 a)目的とするタンパク質生成物をコードする遺伝子、 b)目的とする生成物の発現を制御するために機能可能的に結合されたプロモーター/エンハンサーを含む遺伝子発現を促進する機能、 c)場合によっては、目的とする生成物のために該遺伝子の5′末端の上流に融合されたシグナル/リーダー配列及び d)選択マーカーを含んで成るベクターシステムを提供する。 【0017】 その第2の観点によれば、本発明は、トリコダーマの形質転換のための方法を提供し、ここで適切なトリコダーマ菌株が本発明のベクターシステムにより形質転換される。 【0018】 その第3の観点によれば、本発明は、本発明のベクターシステムによりトリコダーマを形質転換し、該形質転換された菌株を適切な培地中で培養し、そして発現され、そして分泌された生成物を該培地から回収することを含んで成る、トリコダーマにおけるタンパク質の産生のための方法を提供する。 【0019】 本発明はまた、トリコダーマ中にタンパク質の産生のための方法も提供し、この方法によって、ベクターシステムにより形質転換されたトリコダーマ菌株は、適切な培地中で培養され、そして発現され、そして分泌されたタンパク質が該培養培地から回収される。 本発明はさらに、安定して形質転換されたトリコダーマ菌株を提供する。 【0020】 本明細書に使用される場合、“ベクターシステム”とは、宿主ゲノム中に組込まれるべきDNA-情報を共に含む単一のベクター又はプラスミドもしくは複数のベクター又はプラスミドを含む。該ベクター又はプラスミドは、線状又は閉環状分子である。トリコダーマ中における自己複製プラスミドは現在知られていないが、本発明はまた、のちに見出されるにちがいない、そのような自己複製プラスミドも包含する。 【0021】 本発明のベクターシステムは、プロモーター、エンハンサー及び転写開始部位並びにターミネーターを含む遺伝子発現を促進する機能をコードするDNA-配列、形質転換体の選択のためのマーカー及び目的のタンパク質をコードするDNA配列を含んで成る。 【0022】 発現された生成物の分泌を確保するために、目的とする生成物のための遺伝子は、好ましくは、細胞の分泌路中に、発現された生成物の有効な方向を確保する前領域を提供される。この前領域(天然に存在するシグナル又はリーダーペプチドもしくはその一部である)は一般的に、分泌の間、目的の生成物から切断され、この後、その成熟した生成物は、培養培地から単離され得る。 目的とする生成物のための遺伝子は、ゲノム遺伝子又はcDNAクローンから得られる。DNA-配列はまた、合成され得る。 【0023】 シグナル/リーダー配列は、目的とするタンパク質をコードする遺伝子のシグナル/リーダー配列に由来し、又はトリコダーマ又は他の生物源のいづれかからの他の分泌されたタンパク質のための遺伝子に由来する。トリコダーマによって分泌されるタンパク質をコードする遺伝子に由来するシグナル/リーダー配列の例は、cbh1シグナル配列又はegl1シグナル配列又はその一部である。トリコダーマに異質の分泌されたタンパク質をコードする遺伝子に由来するシグナル/リーダー配列は、アスペルジラスのアミラーゼ又はグルコアミラーゼのための遺伝子に由来する。また合成シグナル/リーダー配列も使用され得る。 【0024】 プロモーターは、トリコダーマ中に転写活性を示すDNA配列であり、そしてトリコダーマに同質か又は異質の遺伝子に由来することができる。トリコダーマに同質のタンパク質をコードする遺伝子に由来するプロモーターの例は、CBHIプロモーター又はEGIプロモーターもしくはその一部である。トリコダーマに異質のタンパク質のための遺伝子に由来するプロモーターの例は、アスペルジラスのグルコアミラーゼ プロモーターである。転写ターミネーターは、プロモーターと同じ源に由来する。また合成プロモーター又はターミネーター配列も使用され得る。 【0025】 特別に言及されたすべてのDNA配列は、コードされた生成物の機能に不可欠な塩基の数個を補正又は欠失することによって変性され得ることが理解され、そしてそれは当業者にとっては明らかである。たとえば、cbh1又はegl1シグナル又はプロモーター配列に実質的に類似するDNA配列は、それらがトリコダーマ中において意図された機能を示すかぎり使用され得る。また目的とするタンパク質のための遺伝子は、これがタンパク質の活性に対して悪影響を持たないかぎり、変えられ得る。 【0026】 異なった選択マーカー、たとえばargB(A.ニジュランス又はT.リーセイ)、amdS(A.ニジュランス)及びpyr4(ネウロスポラ クラサ又はT.リーセイ)が使用され得る。 【0027】 宿主菌株は、形質転換方法に使用される選択マーカーに依存して、原栄養性又は栄養要求性トリコダーマ菌株である。本明細書の実験部分に示されているように、A.ニジュランスからのamdS遺伝子は、原栄養性I.リーセイの形質転換のために使用され得る。T.リーセイは単一の窒素源としてアセトアミド上で完全に増殖せず、そしてその増殖は培地上にCsClを添加することによってさらに阻害され得る。従って、CsClの存在下で単一の窒素源としてアセトアミド上での増殖は、amdS+形質転換体を同定するために選択培地として使用され得る。 【0028】 宿主ゲノムの対応する突然変異を相補する選択マーカーが使用される場合、栄養要求性トリコダーマ突然変異体が構成されるべきである。栄養要求性トリコダーマ突然変異体は、突然変異株を産生するための既知方法によって製造され得る。 【0029】 増殖のためにウラシル、トリプトファン又はアルギニンを必要とする栄養要求性トリコダーマ突然変異体は、Nevalainen(参照36)によって記載されているようにして、濾過濃縮技法(filtration enrichment technique)によって単離された。アルギニン要求性栄養要求体から、argB遺伝子を欠失する突然変異体が、アルギニン生合成において異なった中間体によって供給される一連の最少プレートを用いることによって同定された。ウラシル要求性突然変異体から、pyr4遺伝子を欠失する菌株を、菌糸体調製物(参照37)においてオロチジン-5′-ホスフェートデカルボキシラーゼ(OMP decase)の活性を測定することによって見出すことができる。 【0030】 trp1遺伝子欠失の突然変異体は、それらの菌糸体におけるPRAイソメラーゼ-InGPシンセターゼ活性の欠失によって特徴づけられる(参照40)。酵素活性を示さない突然変異体のtrp1-特性は、たとえばN.クラサのtrp1プラスミド(参照41)又はA.ニジュランスのtrpC-プラスミド(参照34)による形質転換及び相補性によって確認され得る。 【0031】 使用される形質転換技法はA.ニジュランスの形質転換法(参照32,33)から改造された方法である。プロトプラストは、寒天プレート上で菌糸体を増殖し、そしてNovozym(登録商標)234の緩衝溶液中に菌糸体を懸濁することによる既知の方法によって調製される。従来のNovozym(登録商標)234のスクロース溶液の代わりに、ソルビトール溶液が好都合に使用され得る。次に、本発明の実験部にさらに詳しく記載しているようにして、形質転換性DNAが前記プロトプラスト溶液に添加される。形質転換は普通、同時形質転換として行なわれ、それによって、選択不可能なプラスミドがもう1つのプラスミド中に挿入される選択可能なマーカー(たとえばp3SR2中へのamdS又はpSa143中へのargB)を用いて高頻度でT.リーセイ中に同時形質転換される。等モル量のDNAが形質転換のために使用される場合、高い割合の形質転換体が、ゲノム中に組込まれた選択不可能なプラスミドを含む。argB-T.リーセイ菌株が、等モル量のプラスミドp3SR2及びpSa143による形質転換に使用される場合、形質転換体を、二重選択培地(最少培地、アセトアミド、CsCl)上に得ることができる。他方、単鎖のプラスミドは、形質転換のために使用され得、ここでまた、マーカーが挿入される。 【0032】 次に、形質転換体は、適切な培地中で培養される。単純な培地中に目的とする生成物を産生することができるためには、グルコース誘導性プロモーターが使用される。トリコダーマが1%グルコースを含む培地上で増殖される場合、プロテアーゼを含む、すべての細胞外タンパク質の分泌が強く抑制される。目的とする酵素をコードする遺伝子がグルコース含有性培地中において強く発現されるプロモーターに連結される場合、目的とする酵素は増殖培地に分泌される。他のタンパク質はこれらの条件下で産生されないので、目的とする酵素は、培地中に分泌される主なタンパク質である。 【0033】 菌類の菌糸体が除去される場合、目的とするタンパク質は、種々の純粋な形でその得られた溶液に存在する。必要により、それはさらにひじょうに容易に、精製され得る。なぜならば、それはほとんどタンパク質のみであるからである。 【0034】 本発明はまた、宿主生物のある酵素活性を産生する遺伝子を変性又は不活性化するためにも使用され得る。例として、セルラーゼ-陰性T.リーセイ菌株が構成され得る。この突然変異生成は、欠失されたセルラーゼ遺伝子を担持するプラスミドによるトリコダーマ リーセイの形質転換に基づかれる。染色体セルラーゼ遺伝子産でのプラスミドの同質組換えは、内存性T.リーセイ セルラーゼ遺伝子の挿入不活性化を引き起こす。形質転換のために使用されるプラスミドは、セルラーゼコード領域の一部のみを含み、そして不活性タンパク質を産生する。5′を末端とする配列は含まれない。フレームシフト変異がまた、切断されたコード領域に導入され得る。選択マーカー(argB)又はスクリーニングのためのマーカー(lacZ)が形質転換のために使用されるプラスミドに連結され得る。組換えの後、マーカーは、2種の得られた欠陥性セルラーゼ遺伝子の間に、配置されるであろう。その方法の原理は第1図に示される。 【0035】 本発明は、キモシン及びトリコダーマ リーセイのエンドグルカナーゼI(EGI)によって例示される。プロモーター、シグナル及びリーダー並びにターミネーター配列は、アスペルジラス ニガーからのグルコアミラーゼ遺伝子又はトリコダーマ リーセイのcbh1遺伝子のいづれかに由来した。選択マーカーとして、A.ニジュランスからのamdS遺伝子が使用された。 【0036】 材料 プラスミド: p285:ATCC 20681 pCAMG91:参照56 piC19R:参照57 pSa143:参照48+51 p3R2:参照30+32 pDJB2:参照35 pMC1817:参照43 pTT01,pTT11:参照27 pUC 9,pUC13:参照59 pUC18,pUC19:参照55 【0037】 菌株: E.コリ(E.coli)株、JM 101,JM 109及びDHI(参照59)がE.コリ クローニングにおいて宿主として使用される。トリコダーマ リーセイ菌株QM9414(ATCC 26921)及びRUT-C-30(ATCC 56765)が菌類の形質転換及び発現研究に使用される。 【0038】 トリコダーマの最少培地: グルコース 2g (NH4)2SO4 5g KH2PO4 15g MgSO4 0.6g CaCl 0.6g FeSO4,7H2O 5mg MnSO4,H2O 1.56mg ZnSO4,7H2O 1.4mg CoCl2 2mg/1H2O 【0039】 【実施例】 実 験 例 1 栄養要求性T.リーセイ突然変異菌株の誘導、濃縮及び単離。 増殖のためにウラシル、トリプトファン又はアルギニンを必要とする栄養要求性突然変異体を、Nevalainen(参照36)によって記載されているようにして、濾過濃縮法を用いて単離する。使用される突然変異誘発剤は、紫外線である。アルギニン要求性の栄養要求体から、argB遺伝子を欠失する突然変異体が、アルギニン生合成において異なった中間体によって供給される一連の最少プレートを用いることによって同定される(参照36)。増殖のためにシトルリンを必要とする突然変異体は、可能性あるargB-突然変異体として考慮される。単離された突然変異体のargB-特性は、A.ニジュランスのargB遺伝子(例4)を含むプラスミドpSa143を用いて原栄養体中にそれらを形質転換することによって確認される。 【0040】 ウラシル要求性突然変異体から、pyr4遺伝子を欠失する菌株が捜し求められる。 これらの突然変異体のpyr4-特性を、N.クラサのpyr4遺伝子(参照38)を含むプラスミドによる形質転換によって確認した。 【0041】 例 2 プロトプラストの調製。 菌糸体をポテトデキストロース寒天プレート(Difco)上のセロファンディスク上で増殖する。5枚のセロファン培養物からの菌糸体を、0.1Mリン酸カリウムによりpH5.6で緩衝化された、1.2Mソルビトール中Novozym(登録商標)234の5mg/ml溶液15ml中に懸濁する。その混合物を30℃で1.5〜2時間、インキュベートする。焼結ガラス濾過(多孔度1)により菌糸体破壊物からプロトプラストを分離し、4000gで5分間ペレット化し、そして1.2Mソルビトール-10mMのTris,HCl(pH7.5)溶液により2度洗浄する。 【0042】 プロトプラストのより良好な精製は、Tillburnなど(参照33)によって記載された方法を用いることによって達成され得る。pH5.8で緩衝化された、1.2MのMgSO4中、Novozym(登録商標)234の5mg/ml溶液を、プロトプラスティングのために使用する。インキュベーション及び濾過の後、そのプロトプラスト懸濁液を、0.6Mソルビトール-100mMのTris,HCl(pH7.0)の等体積と共に4000gで15分間、遠心分離する。プロトプラストは、管の中間に鋭いバンドを形成する。そのプロトプラストを、1.2Mソルビトール-10mMのTris,HCl溶液(pH7.5)1体積中に懸濁し、回転沈殿せしめ、そして1.2Mソルビトール-10mMのTris,HCl溶液(pH7.5)により2度洗浄する。そのプロトプラストを、5×106〜5×107個のプロトプラスト/mlの濃度で、1.2Mソルビトール-10mMのCaCl2-10mMのTris,HCl溶液(pH7.5)中に懸濁する。 【0043】 プロトプラストの生存率を、浸透圧安定剤として1Mソルビトールを含むトリコダーマの最少培地上で評価する。その再生頻度は、菌株QM9414(ATCC 26921)のためには40〜80%である。 【0044】 例 3 A.ニジュランスのアセトアミダーゼ(amdS)を用いてT.リーセイの形質転換。 プラスミドp3SR2を、形質転換に使用する。それは、完全なアセトアミダーゼ構造遺伝子amdS及びその調節領域amdIを担持するA.ニジュランスDNAを含む(参照45及び33)。 【0045】 形質転換性DNA20μl(4〜10μg)を、プロトプラスト溶液200μl中に添加する。25%PEG 6000-50mMのCaCl2-10mMのTris,HCl溶液(pH7.5)50μlを添加し、そしてその混合物を、氷上で20分間、インキュベートする。PEG溶液2mlを添加し、そしてその混合物を、室温でさらに5分間、インキュベートする。1.2Mソルビトール-10mMのCaCl2-10mMのTris,HCl溶液(pH7.5)4mlを添加し、そしてそのプロトプラストを3%寒天表面上にプレートする。その選択培地は、(NH4)2SO4の代わりに単一の窒素源として10mMアセトアミドを有するトリコダーマ最少培地であり、そして浸透圧安定剤として1Mソルビトール及びバックグラウンド増殖を抑制するために12.5mMのCsClにより補充される。 【0046】 40〜600個の形質転換体/DNAμgの形質転換頻度を、菌株QM9414(ATCC 26921)のために得る。最も高い頻度は、DNAが2サイクルのCsCl/エチジウムブロミド遠心分離により精製される場合に得られる。 【0047】 胞子形成は選択培地上ではめったに観察されないが、しかしポテト デキストロース寒天に移される場合、通常、その形質転換体は胞子形成する。アセトアミド上で増殖するそれらの能力は多様である。選択培地上でのコロニィーの直径は、1mm以下から10〜20mmの範囲である。 【0048】 形質転換体の有糸分裂安定性を調べた。種々のサイズの10個の大きな形質転換体を、アセトアミド-CsClプレート上に継代培養し、ポテト デキストロース(PD)上に胞子形成し、そしてPD上に再プレートした。ヘテロカリオシスによって引き起こされた異質性(heterogeneity)を除くために、1つの胞子から生まれる個々のコロニィーをAmdS+表現型について試験した。おのおのの元の形質転換体からの1つの陽性クローンを、非選択性培地上で連続プレーチング(5増殖サイクル)にゆだね、そしておのおのの世代の後、表現型を選択培地上で試験した。1つのサイクルの後、10個の大きな形質転換体を非選択培地上で試験し、その10個の形質転換のうち6個は100%のAmdS+分生子を与え、3個は47〜87%の分生子を与え、そして1つの形質転換体は、AmdS+分生子を与えなかった。この結果は、5つの非選択性増殖サイクルを通して同様のままであり、初めの不安定なAmdS+表現型が後で安定化され得ることを示唆した。 【0049】 元の10個の小さなコロニィーのうち、3個は、種々の頻度のAmdS+表現型を有する胞子を与えた(94%,44%及び5%の胞子)。他の7個のクローンは、アセトアミド上で増殖し得ない胞子のみを与えた。興味あることには、得られたすべてのAmdS+は、大きなコロニィーの形質転換体の特徴を有する、活発な増殖をアセトアミドプレート上で示した。 【0050】 形質転換体におけるプラスミドDNAの存在を全DNAのサザン法によって分析し、形質転換体から単離し(Raeder及びBrodaに従って、参照44)、XhoI又はSalI及びEcoRIにより切断した。ベクターpUC18及びプラスミドp3SR2のamdS遺伝子を含むSalI-EcoRIフラグメントを、プローブとして使用する。その形質転換体は、トリコダーマのゲノムDNA中の多くの異なった部位で、すなわちゲノム当り1〜数個のコピィーでの組換えによって生じることが示された。 【0051】 例 4 A.ニジュランス及びN.クラサのプラスミドによるT.リーセイの形質転換。 異質DNAによる栄養要求性突然変異の相補性をT.リーセイにおいて示す。A.ニジュランスからのargB遺伝子を含むプラスミドpSa143を使用して、T.リーセイのargB-突然変異体株を形質転換する。N.クラサからのpyr4遺伝子を含むプラスミドpDJB2を用いて、T.リーセイのpyr4-突然変異体株を形質転換する。その形質転換体を、アルギニン又は30μg/mlウラシルを含まない最少培地上でそれぞれ選択した。両者の場合の形質転換の頻度は、約300個の形質転換体/DNAμgである。 【0052】 染色体DNAを、その形質転換体から単離し、そしてサザン ハイブリダイゼーション実験のために使用し、T.リーセイの染色体DNA中へのプラスミドDNAの正しい組込みを確めた。複数のタンデムコピーのpSal143を、ゲノム中に組込んだ。サザン及びドット プロット ハイブリダイゼーションは、分析された形質転換において、argBのコピー数がおよそ2〜100以上異なることを示した。ArgB+形質転換体は、少なくとも3世代を通して、表現型的に100%安定していることが示された。これは、完全培地上で5個の形質転換からの分生子の連続プレーチングによって試験し、そしてその後、最少培地(50〜80個のコロニィー/形質転換体)上でArg+表現型を試験した。 【0053】 例 5 amdS及びargBプラスミドによるT.リーセイの同時形質転換。 非選択性プラスミドによりトリコダーマを同時形質転換するための可能性は、アルギニン栄養要求性変異体により最初に示された。 【0054】 argB-T.リーセイ株を、等モル量のA.ニジュランスプラスミドpSa143(argB)及びp3SR2(amdS)により形質転換し、形質転換体をArg+表現型について選択し、そしてアセトアミド-CsCl-プレート上で画線培養することによってamdSの取得について試験した。ArgB形質転換体のうち、86%がまたAmdS+であった。同時形質転換体のサザン分析は、両プラスミドが、ゲノム中のいくつかの異なった位置に種々の量のコピーとして組込まれたことを指摘した(データは示されていない)。 【0055】 アセトアミド-CsCl最少培地上での二重選択は、DNAμg当り約100個のAmd+Arg+形質転換体及びamdS形質転換の特徴を示す多くの小さなコロニィーをもたらした。 【0056】 argB amdS同時形質転換体のArgB+表現型の安定性を試験する場合、5個のうち3個が100%安定していると判明され、ところが他は、分析された子孫の7%又は80%においてArgB+特性を失っていた。同じ個々のコロニィーはまた、AmdS+表現型も失なっていた。この不安定性が、たとえば、同じ染色体位置へのamdSと共にargBの同時組込みによって引き起こされたかどうかは、知られていない。 【0057】 E.コリのlacZ遺伝子を含むプラスミドpAN5-4IBがプロモーターに位相が一致して結合し、そしてA.ニジュランスのグリセルアルデヒデホスフェート デヒドロゲナーゼ遺伝子(gpd)(参照62)のN-末端タンパク質コード領域をまた同時形質転換のために使用した。さらに、このプラスミドは、A.ニジュランスのargB遺伝子及びpBR322配列を含む。原栄養性T.リーセイ(QM9414)を、プラスミドp3SR2(amdS)及びpAN5-4IBにより同時形質転換し、形質転換体をAmd+表現型について選択し、そしてXgalを含むアセトアミド-CsCl-プレート上でβ-gal発現についてスクリーンした。グルコースが培地中に存在し、そしてXgalプレートのpHが中性である場合、内在性T.リーセイのβ-ガラクトシダーゼ活性は検出され得なかった。 【0058】 1〜4日の増殖の後、青色が見られた。1.0/0.7のモル比のプラスミド(p3SR2/pAN5-4IB)を形質転換に使用する場合、13%の大きなAmd+クローン及び6%の小さなAmd+クローンがβ-ガラクトシダーゼ活性を示し、そして1.0/2.6モル比で、39%及び7%のXgal+クローンがそれぞれ得られた。青色を示すAmd+形質転換体における両プラスミドの存在は、サザンハイブリダイゼーションによって確められた(データは示されていない)。 【0059】 例 6 cbh1 トリコダーマ リーセイ株の構成。 記載された方法による異なったセルラーゼ遺伝子の活性化は、特定の組合せのcbh1-株を産生する一連のT.リーセイ株の構成を可能にする。cbh1-株はまた、cbh1プロモーターを用いる場合、異質タンパク質の有効な産生のためにも重要である。トリコダーマ リーセイ株 QM9414(ATCC 26921)は、cbh1特異性プローブを用いるサザン 【0060】 ハイブリダイゼーションによってcbh1遺伝子の1つの染色体コピーのみを含むことが示され、そしてその結果、1回の組換え結果が、その遺伝子を不活性化すべきである。不活性遺伝子を次のようにして構成した。ベクターpUC8中のcbh1遺伝子の完全な長さのcDNAクローンを含むプラスミドpTTO1(参照27)を、制限酵素Bgl1及びBglIIにより切断した。cbh1遺伝子の5′末端領域からの0.8Kbフラグメントを、従来の技法によって、アガロースゲルから単離した。そのフラグメントを、S1ヌクレアーゼを用いてブラント末端化し、そしてそれを、EcoRIにより切断され、ブラント末端化されたpUC18ベクターに連結し、そしてE.コリJM109に形質転換した。cbh1遺伝子フラグメントを含むクローンからのDNAを単離し、そしてcbh1のBglI-BglIIフラグメントの中間を切断する制限酵素EcoRIにより消化した。EcoRIにより生成された末端をフィルインし、そしてバック連結した。切断されたcbh1遺伝子フラグメントの中間にフレームシフト変異を含むプラスミドpMS4を得た(第2図)。 【0061】 トリコダーマを、プラスミドpMS4及び3〜4倍のモル過剰のプラスミドpMS4と共にプラスミドp3SR2を含むA.ニジュランス amdSにより同時形質転換した。 形質転換体を、例3に記載しているようにしてamdS+表現型に基づいて選択し、そして単一の炭素源としてアセトアミドを含む選択培地上で精製した。精製された形質転換体を、炭素源として1%Solka flocセルロース及び窒素源として0.2%プロテオースペプトンを含むトリコダーマ最少培地200μlのマイクロタイタープレート上で増殖した。そのセルラーゼ表現型を、参照59に記載しているようにしてCBHI特異的抗血清(羊)に対する希釈されていない増殖培地を用いるオクテルロニーの免疫拡散によって試験した。多くの形質転換体(正常な量のCBHHを産生するが、しかし検出できるCBHIを産生しない)が同定された。 【0062】 例 7 I.プロキモシン遺伝子を含むプラスミド285′proCの調製(第3図)。 T.リーセイにおける異質タンパク質の例として、本発明者は、プロキモシンcDNAを発現することを選択した(第3図)。プレプロキモシン遺伝子を子牛の胃のcDNAライブラリィから単離し、そしてG-Cテイリング(参照49及び50)によってpBR322のpst1部位中に挿入し、pR26を得た。pUC9をSalIにより切断し、そしてクレノウポリマラーゼにより補充し、そしてT4リガーゼにより連結した。その得られたプラスミドをBamHI-EcoRIにより切断し、そして2.7Kbの大フラグメントを、pR26からの0.47KbのBamHI-EcoRIフラグメントと連結し、プロキモシン遺伝子のN-末端にHind III部位を含むpUC9′を得た。pUC13をBamHI-NarI及びNarI-XmaIにより切断し、そしてそれぞれ大小のフラグメントをpR26の0.64KbのXmaI-BclIフラグメントと連結し、プロキモシン遺伝子のC-末端にXbaI-部位を含むプラスミドpUC13′を得た。pUC13′からの0.65KbのXmaI-XbaIフラグメントを、第5図に示されているようにしてpUC9′の0.46KbのHind III-XmaIフラグメント及びp285の11KbのXbaI-Hind IIIフラグメントと連結し、プロキモシン遺伝子を含むプラスミドp285′proCを得た。 【0063】 II.プラスミドpAMG/Termの構成。 pCAMG91をSalI及びPstI制限エンドヌクレアーゼにより消化する。そのような消化物から698bpのフラグメントをアガロースゲル上に単離した。このSalI-PstIフラグメントは、グルコアミラーゼmRNAの140bp3′非翻訳部+540bpの3′〜ポリ(A)付加部位をコードする領域を含む。XbaIリンカーの添加及びXbaI制限酵素による消化の前、この3′フラグメントをT4-DNAポリマラーゼにより処理し、その制限部位を“ブラント末端”にした。このグルコアミラーゼ遺伝子の3′末端を、XbaIにより線状にされたpUC13に連結し、グルコアミラーゼ遺伝子poly(A)付加領域を含むプラスミドpAMG/Termを得た。 【0064】 III.プラスミドpMT837の構成。 プロモーター及びグルコアミラーゼ(AMG)シグナル及びリーダーペプチドをコードする配列を含むpCAMG91の0.5KbのSmaII-BssHIIフラグメントを、SmaI-BamHIにより消化されたpUC13及びプロキモシンの最初の6個のアミノ酸をコードする合成BssHII-BamHIアダプターに連結した。この得られたプラスミド、pMT626から、0.8KbのNdeI-BamHIフラグメントを単離し、そしてproCのN末端半分についての配列を含むp285′proCからの0.5KbのBamHI-EcoRIフラグメント及びproCについての配列のC末端部を含むpMT622の3.0KbのEcoRI-NdeIフラグメントに連結した。(pMT622は単に、pUC13においてp285′proCのEcoRI-XbaIサブクローンである)。その得られたプラスミドpMT648(第4図を参照のこと)は、完全なプロキモシン遺伝子、その先にAMGプロモーター及びシグナル/リーダーコード配列を含む。pMT648は、A.ニジュランスのargB遺伝子を含むようにさらに変性された(参照51)。1.8KbのNarI-フィルインされたpMT648のXbaIフラグメントを、6.8KbのClaI-フィルインされたpSal43のEcoRIフラグメントに連結し、pMT651を得た。AMGプロモーターのさらに上流の配列(上流の活性化配列;UAS)をさらに挿入した。これは、元のクローンpCAMG91からの3.7KbのClaI-BssHIIフラグメントを、proC配列を含むpMT648からの1.1KbのBssHII-フィルインされたXbaIフラグメント及びpMT813からの3.1KbのClaI-フィルインされたEcoRIフラグメントとしてargB遺伝子(pMT813は、EcoRV-BglIIにより切断されたpiC19R中にクローンされた3.1KbのBamHI-NruIフラグメントとしてクローンされたargB遺伝子である)に連結することによって達成された。その得られたプラスミドpMT830は、AMGからのUAS、プロモーター、シグナル及びリーダー配列及びproCのための完全な遺伝子を含む発現ユニットを有する。最後に、AMGのターミネーター配列は、プラスミドpAMG/Termから0.6KbのXbaI-XbaIフラグメントとして取られ、そしてXbaIにより切断され、そして脱リン酸化されたpMT830中に挿入され、pMT837が得られた。pMT837の構成が第5図に例示される。 【0065】 例 8 pMT837を用いてキモシンの産生。 T.リーセイ株QM9414及びRUT-C-30を、プラスミドpMT837及びp3SR2により同時形質転換した。プラスミドpMT837は、プロキモシン遺伝子の先にAMGプロモーター及びシグナル/リーダー配列を含む。プラスミドpMT837の構成法は例7に記載されている(また第3〜5図を参照のこと)。同時形質転換及び選択を例5におけるようにして行なった。 【0066】 キモシン産生のためには、1%Solka flocセルロース及び0.2%プロテオースペプトンを含む最少培地上で形質転換体を培養した。 その菌糸体を集め、そして必要な場合、TCA沈殿法によってその上清液を濃縮し、そして2MのNaOH、10mMのTris溶液(pH8.5)中に希釈した。そのサンプルをSDS-ページ(7.5%〜15%のポリアクリルアミドグラジェント)上で分別し、そしてニトロセルロースフィルターにエレクトロブロットした。そのフィルターを、ウサギプロキモシン抗血清と共にインキュベートし、そしてシグマから購入されたα-ウサギ-IgG-ペルオキシダーゼ接合体を用いて4-クロロ-1-ナフトールにより染色した。 【0067】 キモシンは、およそ1μg/1のレベルで培地中に分泌されることを示された。AMGプロモーターは、明らかにT.リーセイにおいて非能率的に機能するので、相同のT.リーセイプロモーター-ターミネーターベクターが、キモシンの産生レベルを改良するために構成された。 【0068】 例 9 cbh1プロモーターを用いて、T.リーセイ中において子牛プロキモシンの産生のための異質発現ベクターの構成。 I.cbh1ターミネーター領域へのプロキモシン遺伝子の連結。 子牛プロキモシン遺伝子を、プラスミドpR27から得た(第6図)。ほとんど全体の遺伝子を含むPstI-PstIフラグメント(約1110bp)を、従来の技法によってアガロースゲルから単離し、そしてpUC19のPst1部位に連結した。 【0069】 このプラスミドをPstIにより一部消化し、末端をS1ヌクレアーゼによりブラント化し、そしてcbh1遺伝子(クレノウフラグメントによるブラント末端)のAvaIIターミネーターフラグメント(〜750bp)をこのプラスミドに連結した。cbh1遺伝子のターミネーター領域を、pBR322(参照24)中にサブクローンされたcbh1cDNAの末端の1.8KbBamHIフラグメントから得た。pUC19において、cbh1遺伝子のターミネーター領域と連結したproCフラグメントを含むこのプラスミドをpAMH100(第7図)と言及した。 【0070】 II.BglI-SacIIアダプターを用いて、CBHIプロモーター領域及びプロキモシンコード領域の融合。 プロキモシンのN-末端領域をコードするSacII-PstIフラグメント(80bp)を、プラスミドpR27(第6図を参照のこと)から単離した。ゲノムクローンλ44Aからのcbh1プロモーター領域をまず、2.8Kbの長さのEcoRI-EcoRIフラグメントとしてpUC18(プラスミドpUA01、第8図)中にサブクローンし、そして次に約2.2Kbの長さのEcoRI-BglIフラグメントをこのサブクローンから単離した。BglI部位は、cbh1遺伝子のシグナル配列の中間に配置される。cbh1遺伝子のプロモーター及びシグナルペプチドのコード領域の約半分を含む、約2.2Kbの長さのEcoRI-BglIフラグメントの約80bpのSacII-PstIプロキモシン フラグメントヘの正確な連結は、BglI-SacIIアダプター(NOR202+NOR203、第10図)によって仲介される。アダプターと共にこれらのフラグメントを、EcoRI-PstIにより消化されたpUC19中に連結した。このプラスミドは、プロキモシンの第1アミノ酸に融合されたCBHIの完全なシグナル配列、次にそのN-末端配列のいくらかをコードする。最後に、この構造体からEcoRI-pcbh1ss-proC-PstIフラグメントを単離し、SalI及びPstIにより消化されたpAMH100中にその3′末端から連結した。そのフラグメントの5/末端及びプラスミドpAMH100のEcoRI末端をクレノウによりフィルインし、そして連結した。cbh1遺伝子のプロモーター及びproC′フラグメントを、cbh1ターミネーター領域の前の′proCの前に移した。この構成体を、pAMH102(第11図)と名付けた。 【0071】 III.クロモシン発現プラスミドヘの選択マーカーの付加。 発現プラスミドにおける選択マーカーとして、A.ニジュランスのamdS遺伝子(参照42,30)又はA.ニジュランスのargB遺伝子(参照48)のいづれかを使用することができる。 amdS遺伝子を、p3SR2からPvuI-SalIフラグメントとして単離し、そしてpAMH102の6Kbの長さのPvuI-SalIフラグメントに連結する。 この選択可能なベクターを、pAMH104(第11図)として命名した。 【0072】 IV.オリゴヌクレオチドを用いてcbh1プロモーター及びプレプロキモシンコード酸列の正確な融合。 プレプロキモシンのアミノ末端PstIフラグメント(約150bp)を、pBR322においてPstI部位に挿入されたATGから12bp上流で始まる、完全なプレプロキモシンcDNAクローンを含むpR26(第3図)から単離した。このフラグメントを、pTZ19Rのポリリンカー中に、cbhI(第8図)のシグナル配列のコードする領域も含む、cbhIEcoRI-SacI(約2.6Kb)プロモーターフラグメントと共にサブクローンした。cbhIEcoRI-SacIフラグメントを、元のλ44Aクローン(参照24)の、pUC18(pUA01、第8図)における2.8KbのEcoRI-EcoRIサブクローンから得た。pTZ19R(Pharmacia)は、複製のF1起源及びオリゴヌクレオチドの突然変異生成のために単鎖鋳型の使用を可能にするT7プロモーターを含む、pUC19基礎プラスミドである。この得られたプラスミド(pAMH105)の構成法は第8図に例示されている。このプラスミドから、cbh1プロモーター領域とproC ATGとの間の配列を、特定のオリゴヌクレオチド、OAMH3(第10図)を用いてループ-突然変異生成によって削除した。オリゴヌクレオチド指図の突然変異生成の実施は第9図に例示されている。問題のオリゴヌクレオチドをリン酸化し、それぞれモル比20:1でpAMH105の単鎖DNA(参照60、単鎖DNAは、Pharmaciaによって記載されているようにしてJM103/pAMH105から単離された)にアニールした。オリゴヌクレオチド プライマーを、参照60に記載しているようにしてクレノウポリマラーゼ及びT4リガーゼを用いて延長した。その延長された混合物を、SmaI(pTZ19Rのポリリンカーに存在する、第9図を参照のこと)により消化し、その後、E.コリのmutL不適正修復欠失性株、BMH71.18中に形質転換した。形質転換体のプールを、5mlの液体培養(100μg/mlのアンピシリンを含む、参照62に記載のようなLuriaブイヨン)中で1晩増殖した。プラスミドDNAを、形質転換体のプールから単離し、そしてそれをSmaIにより再消化し、そしてE.コリJM109株中に再形質転換した。可能性ある欠失クローンのスクリーニングを、異なった制限酵素を用いる消化によって行ない、そして欠失の特異性もさらに、配列決定することによって確認した。その得られたプラスミドをpAMH1101(第12図)と呼ぶ。このプラスミドを、さらにEcoRI及びPstIにより消化し、そしてその得られたpcbh1-preproCフラグメントを単離し(第14図)、そしてPstI及びSalIにより消化されたpAMH100プラスミドにそのPstI末端で連結した。その得られた連結フラグメントの末端を、クレノウによってフラントし、そして連結した。その得られたプラスミドをpAMH101と呼び、そしてそれは、プロキモシンのシグナル配列に融合されたcbh1プロモーター及びcbh1遺伝子のターミネーター領域に融合された全プロキモシンコード領域を含む(第14図)。 【0073】 V.オリゴヌクレオチドを用いることによって行なわれたシグナル配列融合による、cbh1プロモーター及びpreproC遺伝子の正確な融合。 前のチャプターIVに詳しく記載されたpAMH1101の構成と本質的に同じようにしてプラスミドpAMH1103(第12図)の構成を行なった。但し、この構成のために使用された特異的オリゴヌクレオチドはOAMH1(第10及び9図)であった。その得られたプラスミドpAMH1103は、proC遺伝子のコード領域のアミノ末端部分(〜140bp)の先のpreproCシグナル配列からのaa12〜16に融合された、cbh1シグナル配列からのアミノ酸(aa)1〜12を含むシグナル配列融合体を含む(第12図)。プラスミドpAMH1103からのpcbh1-sso-proC′(0=融合)フラグメントを、本質的に前のチャプターIVに記載しているようにしてpAMH100にサブクローンした(第12図を参照のこと)。この得られたプラスミドpAMH103は、cbh1ターミネーター領域に融合されたproCコード領域の先のcbh1のプロモーター領域及びcbh1及びpreproCのシグナル配列融合体を含む。 【0074】 VI.オリゴヌクレオチドを用いることによるproCコード領域へのcbh1コード領域の正確な融合。 プラスミドpAMH1106(第13図)の構成を、本質的に前のチャプターIVに詳しく記載されたpAMH1101の構成と同じようにして行なった。但し、この構成のために使用された特異的オリゴヌクレオチドはOAMH2(第10及び9図)であった。cbh1のプロモーター領域、cbh1のシグナル配列及びproCのコード領域に融合された、成熟CBHIの初めの1〜20のaaのコード領域を含むその得られたプラスミドpAMH1106からの、pcbh1成熟o-proC′を含むフラグメントを、本質的に前のチャプターIVに記載しているようにしてpAMH100中にサブクローンした(第12図)。その得られたプラスミドpAMH106は、cbh1のプロモーター領域、cbh1のシグナル配列、proCのコード領域に融合された成熟CBHIのアミノ酸1〜20のコード領域を含む。 【0075】 例10 pAMH102及びpAMH104を用いてキモシンの産生。 T.リーセイ株QM9414及びRUT-C-30を、それぞれ5:1のモル比でプラスミドpAMH102及びp3SR2により同時形質転換した。プラスミドpAMH102の構成法は例9のチャプターIIに記載された。同時形質転換及び選択を例5におけるようにして行なった。その形質転換体を、例3に記載されたようにして、選択性アセトアミドプレート上で精製した。 【0076】 キモシン産生のために、形質転換体を、1%Solk flocセルロース及び0.2%プロテオースペプトンを含む最少培地(10〜50ml)上で培養した。その菌糸体を集め、そしてその上清液をTCA沈殿法によって濃縮し、そして2MのNaOH、10mMのTris(pH8.5)の溶液中に希釈した。その菌糸体を液体窒素の存在下で破壊し、その破壊された細胞をペレット化し、そしてその上清液を、前記培養培地と同じ方法で処理した。そのサンプルを、SDS-page(7.5%〜15%のポリアクリルアミド グラジェント)上で画分し、そしてニトロセルロースフィルターにエレクトロプロットした。そのフィルターを、ウサギプロキモシン抗血清及びα-ウサギ-IgG-AP(アルカリホスファターゼ)接合体と共にインキュベートし、そしてPromega Biotecから購入されたニトロプルーテトラゾリウム及び5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルにより染色した。菌糸体の内部及び外部のキモシンの量を比較した(第17図)。菌糸染色体DNA中に組込まれたプラスミドpAMH102の高い数のコピィーを含むクローンがまたよりキモシンを産生したことが、サザンハイブリダイゼーションによって示された。1つのコピィーの形質転換体を用いる場合、分泌されたキモシンの量は1lの培養培地当り100μgであった(ウェスターンゲルから近づいた場合)(第17図)。分泌されたプロキモシンは、ウェスターンゲルによって及び凝乳活性(β-カセイン決定基の切断によるキモシン凝乳)によって活性キモシンにプロセスされることが示された(参照63)。菌糸体の内部の種々の形のキモシン(preproC,proC,C及び細胞の内部の分解生成物に由来したキモシン)の量は、菌糸体の合計タンパク質の0.04%であることが測定され(第17図)、そして分泌されたキモシンの量は、産生された合計キモシンの60%であった。これは、菌糸体の外部でさえ異質遺伝子生成物を分泌するT.リーセイの能力を示す。 【0077】 プラスミドpAMH104(第11図)のいくつかのコピィーを有する形質転換体(多量のプロキモシンを分泌できる)を、増殖培地の凝乳活性を決定することによって、スクリーンした。研究された40のうち最良の形質転換体は、ウェスターンゲル上で及び凝乳活性によって測定される場合、培養培地1l当り500μgを分泌することが見出された。 【0078】 培養物が小規模な培養(10〜50ml)と比べて、51ラボラトリィファーメンター中において増殖される場合、分泌される、活性キモシンの量は、200倍増大されるので、この型の菌株によって産生されたキモシンの量は、約100mg/lである。 【0079】 例11 T.リーセイにおける同質及び異質のタンパク質の産生のための一般的発現ベクターの構成。 T.リーセイにおいて種々のタンパク質の産生のためのベクターを構成するために、cbh1遺伝子のプロモーター及びターミネーター領域を含む一般的発現ベクターを構成した。cbh1ターミネーターを、3個の読み枠が整合してSTOPコドンTAAを含むアダプターと共に、pUC19のpstI部位にサブクローンし、プラスミドpAMH110′(第15図)を得た。pstIターミネーターフラグメントをpAMH110′から単離し、cbh1プロモーターを、proC遺伝子のアミノ末端を含むEcoRI-PstIフラグメントとしてpAMH102から単離し、そしてこれらのフラグメントを、EcoRI-PstIにより消化されたpUC19*(これから、このサブクローン段階の前、1つのNdeI部位がクレノウによりブラントされた)中にサブクローンした。その得られたプラスミドpAMH110は、cbh1遺伝子のプロモーター及びターミネーター及びこれらの配列の間に、SacII及びNdeIによる消化によって除去され得るスタファー(stuffer)フラグメントを含む。末端がブラントされた後、遺伝子のcDNA又は染色体コピィーを、プロモーター及びターミネーターの間に挿入することができる(第15図)。 【0080】 例12 cbh1プロモーター下でT.リーセイエンドグルカナーゼIの発現。 産生されるエンドグルカナーゼの量を増大せしめるために、egl1遺伝子を、より強力なcbh1プロモーターに連結した。T.リーセイエンドグルカナーゼIのためのcDNAを、スタファーフラグメントを削除するためにまずSacII-NdeIにより消化された一般的な発現ベクターpAMH110(例11に記載された)中にEcoRI-BamHIフラグメントとしてサブクローンした(第16図)。cbh1遺伝子のプロモーター及びターミネーターの間にegl1遺伝子を含む、その得られたプラスミドpAMH111を、それぞれ5:1のモル比でp3SR2と共に、T.リーセイQM9414(ATCC 26921)に同時形質転換した。形質転換体を、Amds+表現型について選択し、そしてさらに選択培地上で精製した。6個の個々の形質転換体を、50mlの液体培養において、セルラーゼ含有培地(炭素源としてSolka floc,1%)中で4日間、増殖せしめた。次にその培養上清液を、ヒドロキシエチルセルロース(0.1%、参照12)からの還元性糖の放出を測定することによってエンドグルカナーゼ活性について試験した。形質転換体のEGI活性を対照(QM9414)と比較し、そして最良の形質転換体は、対照菌株のエンドグルカナーゼ活性の4倍分泌することが示された。この例は、それぞれのプロモーターを変えることによって、T.リーセイにおいて、異なったセルロース分解酵素の量を調整することが可能であることを示す。 【0081】 参考文献 1.Simmons,E.G.,いくつかのセルラーゼ産生トリコダーマ種の分類(Classification of some cellulase producing Trichoderma species) 。 Abstracts of Second International Mycological Congress.Tampa,Florida,USA.H.E.Aigelow&E.G.Simmons(Eds.)1977,618ページ。 2.Berghem,L.E.R.&Pettersson,L.G.,酵素によるセルロース分解の機構(The mechanism of enzymatic cellulose degradation)。高く指図されたセルロースに対して活性化するトリコダーマ ビリデからセルロース分解酵素の精製(Purification of cellulolytic enzyme from Trichoderma viride active on highly ordered cellulose.Eur.J.Biochem.97(1973),21〜30ページ。 【0082】 3.Gong,C.S.,Ladisch,M.R.&Tsao,G.T.,Biosynthesis,purification and mode of action of celluloses of Trichoderma reesei.Adv.Chem.Ser.181(1979),261〜287ページ。 4.Faegerstam,L.G.& Pettersson,L.G.,The1,4-β-glucan cellobiohydrolases of Trichoderma reesei 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訂正の要旨 |
<訂正の要旨> 平成9年8月18日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載の「(c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる選択マーカー、」を「(c)安定したトリコダーマ形質転換体を選択することができる、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)pyr4遺伝子に由来する選択マーカーを除く選択マーカー、」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-04-26 |
出願番号 | 特願平7-263229 |
審決分類 |
P
1
651・
532-
YA
(C12N)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 種村 慈樹、鵜飼 健 |
特許庁審判長 |
田中 久直 |
特許庁審判官 |
徳廣 正道 田村 明照 |
登録日 | 1998-04-10 |
登録番号 | 特許第2769305号(P2769305) |
権利者 | アルコ グループ リミティド |
発明の名称 | トリコダーマにおいてタンパク質生成物を産生するための方法 |
代理人 | 西山 雅也 |
代理人 | 戸田 利雄 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 吉田 維夫 |
代理人 | 西山 雅也 |
代理人 | 戸田 利雄 |
代理人 | 石田 敬 |
代理人 | 吉田 維夫 |