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審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:2 G06F |
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管理番号 | 1046145 |
審判番号 | 補正2001-50032 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1993-08-06 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 2001-04-19 |
確定日 | 2001-10-09 |
事件の表示 | 平成 4年特許願第196766号「データ変換装置並びにこれを用いた座標入力システム及び座標入出力システム」において、平成13年1月9日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
1.本願は、平成4年7月23日の出願であって、その後、平成13年1月9日付けで明細書を補正する手続補正がなされたところ、この手続補正について平成13年3月13日付けで補正の却下の決定をしたものである。 2.上記補正の却下の決定(以下、原決定という。)の理由は、次のとおりのものである。 「 上記手続補正書の段落0018における「これらステップs12及びステップs13は、図1に示す要求分析手段aに相応する。」という事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、ステップs12及びステップs13が要求分析手段に対応するものであることが、同明細書又は図面の記載からみて自明のこととも認められないので、この補正により発明の構成に関する技術的事項が変更されたものと認める。 したがって、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められ、特許法第53条第1項の規定により、上記結論のとおり決定する。」 3.そこで検討すると、願書に最初に添付した明細書(以下、当初明細書という。)には、以下の点が記載されている。 「本発明は前記従来の問題点に鑑み、タブレットから送出されるデータを、該データを利用するソフトウェアの要求に応じた座標形式、データ量、データフォーマット等に変換して出力し得るデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システム、また、変換後の座標形式、データ量、データフォーマット等を簡単な操作で変更可能なデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システム、並びにタブレットから送出されるデータを、何ら操作を要することなく各種のソフトウェアに応じた座標形式、データ量、データフォーマット等に変換して出力し得るデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システムを提供することを目的とする。」(段落【0007】) 「【課題を解決するための手段】図1は本発明の第1のデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システムの概要を示すもので、タブレットA及び表示装置Bが接続されたホストコンピュータCは、該タブレットAから送出されるデータを利用するソフトウェア、例えばアプリケーションプログラムDの要求を分析する要求分析手段aと、該分析結果に応じてタブレットAから送出されるデータを変換するデータ変換手段bとを備えたデータ変換装置Eを有している。」(段落【0008】) 「図7及び図8はタブレットドライバ23の一例を示すもので、ここではアプリケーションプログラムに応じて座標形式を切替えるようになした例を示す。」(段落【0018】) 「図8はデータ変換動作の流れを示すもので、まず、タブレット1からデータが入力される(ステップs11)と、動作中のアプリケーションプログラム22を判定し(ステップs12)、前記登録した内容から該アプリケーションプログラム22に対応して登録された座標形式を調べる(ステップs13)。ここで、登録された座標形式が相対座標形式であれば(ステップs14)、タブレット1からのデータを相対座標形式に変換し(ステップs15)、さらに表示画面上の絶対座標データに変換して(ステップs16)、ウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する(ステップs17)。また、登録された座標形式が絶対座標形式であれば、そのまま表示画面上の絶対座標データに変換してウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する。」(段落【0020】) 補正後の明細書の記載は、「図6はデータ変換処理の流れを示すもので、まず、タブレット1からデータが入力される(ステップs11)と、CPU19は、動作中のアプリケーションプログラム22を判定し(ステップs12)、図5に示す登録処理により登録された内容から、該アプリケーションプログラム22に対応して登録された座標形式を調べる(ステップs13。これらステップs12及びステップs13は、図1に示す要求分析手段aに相応する。)。ここで、登録された座標形式が相対座標形式であれば(ステップs14)、タブレット1からのデータを相対座標形式に変換し(ステップs15)、さらに表示画面上の絶対座標データに変換して(ステップs16。これらステップs15及びステップs16は、図1に示すデータ変換手段bに相応する。)、ウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する(ステップs17)。また、登録された座標形式が絶対座標形式であれば、そのまま表示画面上の絶対座標データに変換してウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する。」(段落【0018】)というものである。 ここで、当初明細書の「要求分析手段」についてみてみると、段落【0008】の記載から、「タブレットAから送出されるデータを利用するソフトウェア、例えばアプリケーションプログラムDの要求を分析する」ものであり、分析した結果により「タブレットAから送出されるデータを変換する」ものである。 これは、段落【0007】に記載された「タブレットから送出されるデータを、該データを利用するソフトウェアの要求に応じた座標形式、データ量、データフォーマット等に変換して出力し得るデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システム、また、変換後の座標形式、データ量、データフォーマット等を簡単な操作で変更可能なデータ変換装置及びこれを用いた座標入出力システム、並びにタブレットから送出されるデータを、何ら操作を要することなく各種のソフトウェアに応じた座標形式、データ量、データフォーマット等に変換して出力」するという目的に合わせて構成されたものであり、具体的には、段落【0020】に記載されているように「タブレット1からデータが入力される(ステップs11)と、動作中のアプリケーションプログラム22を判定し(ステップs12)、前記登録した内容から該アプリケーションプログラム22に対応して登録された座標形式を調べる(ステップs13)。ここで、登録された座標形式が相対座標形式であれば(ステップs14)、タブレット1からのデータを相対座標形式に変換し(ステップs15)、さらに表示画面上の絶対座標データに変換して(ステップs16)、ウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する(ステップs17)。また、登録された座標形式が絶対座標形式であれば、そのまま表示画面上の絶対座標データに変換してウィンドゥプログラム21及びアプリケーションプログラム22に転送する」ようにされたものである。 してみると、「タブレットAから送出されるデータを利用するソフトウェア、例えばアプリケーションプログラムDの要求を分析する」ことは、「タブレット1からデータが入力される(ステップs11)と、動作中のアプリケーションプログラム22を判定し(ステップs12)、前記登録した内容から該アプリケーションプログラム22に対応して登録された座標形式を調べる(ステップs13)」ことに他ならないのであり、ステップs12及びステップs13が「要求分析手段」に対応する点は、当初明細書に記載された範囲内の構成である。 よって、上記手続補正は、明細書の要旨を変更するものではない。 したがって、これを却下すべきものとした原決定は、失当である。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-09-18 |
出願番号 | 特願平4-196766 |
審決分類 |
P
1
7・
2-
W
(G06F)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 竹井 文雄 |
特許庁審判長 |
川嵜 健 |
特許庁審判官 |
治田 義孝 片岡 栄一 |
発明の名称 | データ変換装置並びにこれを用いた座標入力システム及び座標入出力システム |
代理人 | 松本 孝 |
代理人 | 黒田 健二 |