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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11C |
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管理番号 | 1046432 |
審判番号 | 不服2000-13316 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-11-15 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-08-24 |
確定日 | 2001-10-09 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第105740号「ページストア装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 6年11月15日出願公開、特開平 6-318397]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯・本願発明 本願は、平成5年5月6日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成12年9月21日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「【請求項1】アドレス線を有する不揮発性半導体記憶装置に設けられるページストア装置であって、 外部から指定された、または内部で発生させたページストア開始アドレス信号を入力する第1入力と、第3の信号を入力する第2入力と、該ページストア開始アドレス信号に対応する第2の開始アドレス信号を出力する第1出力と、第4の信号を出力する第2出力とをそれぞれ有する複数のアドレス選択回路と、 該第1出力と接続された第3入力と、該第2入力と該アドレス線を介して接続された第3出力とを有し、該第3入力より入力した該第2の開始アドレス信号に対応する第5の信号を発生させ、該アドレス線を介して該アドレス選択回路にそれぞれ戻す複数のカウンタ回路と、 各アドレス選択回路の第2出力と接続され、該カウンタ回路よりアドレス選択回路に戻された第5の信号を入力して、ストアすべきページをアドレス指定するアドレスデコード回路と、 該カウンタ回路からの所定信号に基づいて、ページストア動作を禁止させるストア動作禁止信号を発生させるストア動作禁止信号発生回路と、 を具備するページストア装置。」 2.引用例の記載 これに対して、当審における平成13年4月3日付けの拒絶理由通知に引用した特開平4-228178号公報(以下「引用例1」という。)特開昭63-13197号公報(以下「引用例2」という。)には、下記の事項が記載されている。 (引用例1) 「【請求項1】アドレス線を有するNVDRAM記憶装置に於けるデータのページリコールのための装置であって、 該アドレス線に接続され、複数の第1の開始アドレス信号を含む所定のページリコール開始アドレスを入力するため外部パッドであって、それぞれが該第1の開始アドレス信号の1を出力するための複数の第1の出力を有する外部パッド、それぞれが該第1の出力の1に接続され、該第1の開始アドレス信号の1に対応する第2の開始アドレス信号を出力するための第2の出力をそれぞれ有する複数のアドレス選択回路、該第2の開始アドレス信号の1を受け取るために該第2の出力の1にそれぞれが接続された複数の第1の入力、及び複数の第3の出力を有するカウンタ回路であって、該アドレス選択回路のそれぞれは第2の入力を有し、該第3の出力のそれぞれは該第2の入力の1に接続され、該アドレス選択回路のそれぞれは該第1の開始アドレス信号の1に対応する第4の出力を有しているカウンタ回路、並びに入力として該第4の出力を有し、該データのページをアドレス指定するアドレスデコード回路を備えている、データのページリコールのための装置。 【請求項2】前記アドレス選択回路のそれぞれが、入力として前記第1の出力の1とアドレスイネーブル信号とを有し、第5の出力を有する第1のNANDゲート、入力として前記第5の出力を有し、第6の出力を有する第1の伝送ゲート、及び入力として前記第3の出力の1を有し、第7の出力を有する第2の伝送ゲートを備え、該第6の出力及び第7の出力が結合されて、該第6の出力及び第7の出力の一方を該第2の出力として一度に出力する請求項1に記載の装置。」 (引用例2) 「リフレッシュを行なうには、リフレッシュ入力とライト入力とを同時に活性化して外部アドレスに開始アドレスを供給すると、該開始アドレスはアドレスバッファ・デコーダ24を介してリフレッシュアドレスカウンタ26に保持される。続いて、リフレッシュ入力とリード入力とを活性化し外部アドレス終了アドレスを供給すると、該アドレスはアドレスバッファ・デコーダ24を介してリフレッシュアドレスカウンタ26に保持される。リフレッシュ期間に入り外部からリフレッシュ要求があると、リフレッシュ制御回路27の制御のもとにリフレッシュアドレスがアドレスバッファ・デコーダに送出され、開始アドレスと終了アドレスとの間に指定されるメモリセルのリフレッシュがなされる。」(第3頁左上欄第2行〜第16行) 3.対比・判断 本願の請求項1に係る発明(以下「前者」という。)と上記引用例1に記載の発明(以下「後者」という。)を比較する。両者は、いずれも不揮発性半導体記憶装置であって、 後者の「アドレス選択回路」「カウンタ回路」「アドレスデコード回路」は、それぞれ前者の「アドレス選択回路」「カウンタ回路」「アドレスデコード回路」に対応しており、 両者は、「アドレス線を有する不揮発性半導体記憶装置であって、 外部から指定された、または内部で発生させた開始アドレス信号を入力する第1入力と、第3の信号を入力する第2入力と、該開始アドレス信号に対応する第2の開始アドレス信号を出力する第1出力と、第4の信号を出力する第2出力とをそれぞれ有する複数のアドレス選択回路と、 該第1出力と接続された第3入力と、該第2入力と該アドレス線を介して接続された第3出力とを有し、該第3入力より入力した該第2の開始アドレス信号に対応する第5の信号を発生させ、該アドレス線を介して該アドレス選択回路にそれぞれ戻す複数のカウンタ回路と、 各アドレス選択回路の第2出力と接続され、該カウンタ回路よりアドレス選択回路に戻された第5の信号を入力して、ページをアドレス指定するアドレスデコード回路と、 を具備する不揮発性半導体記憶装置。」 である点で一致し、 (1)前者は、「ページストア装置」であるのに対し、後者はページリコール装置である点、 (2)前者は、「該カウンタ回路からの所定信号に基づいて、ページストア動作を禁止させるストア動作禁止信号を発生させるストア動作禁止信号発生回路」を備えるのに対し、後者はそのような回路を備えていない点で相違している。 次に、上記相違点について検討する。 相違点(1)について 半導体記憶装置において、ページ書き込みを行うことは周知であるから、後者の不揮発性半導体記憶装置において、ページストア装置とすることに格別発明力を要するとすることはできない。 相違点(2)について 前者には、「【0024】また、上記ページストア装置において、ストア動作禁止信号発生回路を備えた構成とした場合には、該ストア動作禁止信号発生回路が発するストア動作禁止信号に基づいてページストア動作を禁止させる構成とすることができる。ストア動作禁止信号発生回路としては、前記カウンタ回路からの所定信号に基づいて前記ストア動作禁止信号を発生する構成とすることもできる。」ことと「【0039】図2は、カウンタ回路70とストア動作禁止信号発生回路71を示すブロック図である。このカウンタ回路70は、ロードカウンタ(CNT1〜CNTn)10がn個並設されており、カウンタ出力がA1からAnであるnビットカウンタを構成している。各ロードカウンタ10は、出力Qを出力する端子、並びにデータ入力DATA、クロック入力(CKバー)、ロード信号(LDバー)、及びセット信号(SETバー)を入力する端子を有する。最終のストア動作禁止信号発生回路71用のロードカウンタCNTn+1を除き、各ロードカウンタ(CNT1〜CNTn-1)10の出力Qを出力する端子は、それぞれ後続のロードカウンタ10のクロック入力(CKバー)を入力する端子に接続されている。」ことが記載されている。 これらの記載によれば、前者の「該カウンタ回路からの所定信号に基づいて、ページストア動作を禁止させるストア動作禁止信号を発生させるストア動作禁止信号発生回路」における「ストア動作禁止信号」は、カウンタ回路のロードカウンタCNTn+1の出力であることが認められ、すなわち、カウンタ回路の最終出力ということができる。 一方、上記引用例2には、ダイナミック型半導体記憶装置において、リフレッシュアドレスカウンタ26に開始アドレスと終了アドレスを保持し、リフレッシュ要求により、上記開始アドレスと終了アドレスの間に指定されるメモリセルのリフレッシュを行うことが記載されており、このように、リフレッシュアドレスカウンタ26が終了アドレスに達すると、リフレッシュ動作を停止させるものである。この終了アドレスは前者の所定信号に対応する。 そうすると、かかる技術思想を適用して、後者におけるページストア動作において、カウンタ回路からの所定信号に基づいて、ページストア動作を禁止するようにすることは当業者が容易に推考し得ることである。 また、本願請求項1にかかる発明の効果についてみても、上記構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、上記引用例1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-08-01 |
結審通知日 | 2001-08-07 |
審決日 | 2001-08-20 |
出願番号 | 特願平5-105740 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G11C)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 須原 宏光 |
特許庁審判長 |
斎藤 操 |
特許庁審判官 |
馬場 清 山本 穂積 |
発明の名称 | ページストア装置 |
代理人 | 小池 隆彌 |
代理人 | 佐々木 晴康 |
代理人 | 木下 雅晴 |