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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F16B
管理番号 1046642
異議申立番号 異議2000-72551  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-06-23 
確定日 2001-07-02 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3029826号「常温かしめ用樹脂リベット」の請求項1〜7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3029826号の請求項1〜7に係る特許を維持する。 
理由 I.手続の経緯
特許第3029826号の請求項1〜7に係る発明についての出願は、平成10年12月18日に出願され、平成12年2月4日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、異議申立人・日東精工株式会社により異議申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年4月5日に訂正請求がなされたものである。

II.訂正の適否について

1.訂正の内容
(1)訂正事項a
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)の特許請求の請求項1に係る記載を
「【請求項1】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式1)」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項4に係る記載を
「【請求項4】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式2)」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の特許請求の範囲の請求項5に係る記載を
「【請求項5】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式3)」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許明細書の段落番号【0004】、【0007】、【0008】内にある「常温かしめ時において非補強部の内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれて締結される」の記載を「これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止される」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の追加の有無及び拡張・変更の存否
(1)上記訂正事項a〜cは、非補強部内面の先端部の巻き込みを作用的に限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するものである。また、これらの訂正は、特許明細書の段落【0012】内の「非補強部(32)の長さが外径よりも小さ過ぎると、かしめ時にカールされる部分が短くなって、図4に示す如く非補強部(32)の外面で被締結部材(A)を押さえるようになり、時間の経過に伴って矢印の如くカール部分が被締結部材(A)から浮き上がってかしめが緩んでしまうという不具合が生じ、非補強部(32)の長さが外径よりも大き過ぎると座屈を起こし易くなるとともにかしめ後のカール部分の山が高くなってしまうためである。」、【0016】内の「常温かしめ用樹脂リベット(1)を使用してのかしめ作業は、先ず図5に示すように、脚部を被締結部材(A)に挿通して非補強部(32)をカールさせる。このとき、非補強部(32)の内面が被締結部材(A)に当接するように先端部が巻き込まれて締結されるので、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向(矢印方向)へと働き、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない。」及び【0031】内の「非補強部の長さと外径が略等しくされていることによって、非補強部をカールさせてその内面で被締結部材を押さえることが可能となり、時間の経過に伴うかしめの緩みを防止することができるとともに、かしめ時に座屈を起こしにくい。また、かしめ時において非補強部の内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれて締結されることによって、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向へと働くので、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない。」の記載に基づくものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。
(2)上記訂正事項dは、上記訂正事項a〜cのように訂正したことに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の欄の記載との整合を図るためのものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当するものである。またこの訂正は願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内でした訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書、及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

III.特許異議の申立てについて

1.特許異議申立理由の概要
特許異議申立人・日東精工株式会社は、本願出願前に頒布された下記に示す甲第1号証〜甲第5号証を提示し、本件特許第3029826号の請求項1〜7に係る発明は、甲第1号証〜甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、取消されるべきである旨主張している。

2.本件発明
前示のとおり本件訂正が認められたことにより、本件請求項1〜7に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」〜「本件発明7」という。また、それらを総称して「本件発明」という。)は、下記に示すとおりのものである。
【請求項1】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式1)
【請求項2】 前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項3】 バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項4】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式2)
【請求項5】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式3)
【請求項6】 前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項4又は5に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項7】 バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の常温かしめ用樹脂リベット。

3.引用刊行物に記載された発明
当審で通知した取消理由で引用した刊行物は下記に示すとおりのものである。
刊行物1(甲第1号証);特開平7-208421号公報
刊行物2(甲第2号証);米国特許1,995,610号明細書
刊行物3(甲第3号証);特開平9-42248号公報
刊行物4(甲第4号証);実願昭49-46906号(実開昭50-135869号)のマイクロフィルム
刊行物5(甲第5号証);実願昭62-110844号(実開昭64-17039号)のマイクロフィルム

上記刊行物1には、以下の技術事項が記載されている。、
(a)「【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。図1ないし図3においてAは樹脂リベットである。この樹脂リベットAは上面が球面状の頭部1と横断面が円形の脚部2からなり、この脚部2の先端面には六つの鋭い山形歯3が放射状に形成してあり、その中心部には先端側から所定の寸法の縦穴4が設けられている。また、頭部1下面の周緑には平坦部5を設け、その平坦部5の内側から脚部2の付け根まで環状凹部6が形成されている。そしてこの樹脂リベットAの材質は、引張り強さがほぼ650kg/cm2、引張り伸び率40%、硬度ロックウェルMスケール85、アイゾット衝撃値がほぼ9kg-cm/cmのエラストマーを添加したホモポリマーのポリアセタール樹脂を用いて強度、硬度とともにじん性の高い樹脂材により成形されている。なお、樹脂リベットの頭部1の上面は円錐台形であってもよい。」(段落【0006】、公報2欄32行〜46行参照)
(b)「この樹脂リベットAは、図4に示すように被締結部材である複数枚の段ボール11、12など軟質材の締結に最適なリベットである。図のように2枚の段ボール11、12を重ね合せ、リベットかしめ機等により所望の締結位置に樹脂リベットAを脚部先端3から直接締結部へ打ち込むことにより、適切な硬度を有しているので先端の山形歯3によって段ボール11および12を破砕して穿孔し被締結材を貫通する。その後、頭部1上面を支え脚部2先端をかしめポンチで押圧することにより、適切なじん性を有しているので先端を押し潰して脹らませ、加熱することなくかしめ付けることができる。このかしめ付けは、頭部1上面を支えて脚部2先端から押圧すると段ボール12から突出した先端部が押し潰されて脚部2の軸径よりも大きく脹らみ段ボール12に当接する。さらに押圧されると頭部周縁5が頭部上面方向へ歪み段ボール11に圧力接触する状態になりかしめ付けられる。かしめ付けを修了して押圧力を解除すると前記脹らみ部7がやや復元方向に戻るが、前記環状凹部6を設けたことによる頭部周縁5の弾性によって歪みが復元してこれを吸収し、段ボール11、12を確実にかしめ付けることができる。尚、かしめ付けに際して押圧力およびかしめストロークを適性に設定することにより確実なかしめ付けを行うことができるのである。またこの樹脂材によるリベットは、図5に示すように頭部下面に環状凹部を形成しない形状の樹脂リベットBとすることができる。この樹脂リベットBは被締結部材に弾力性があるものなどに適し、かしめ付けが終り脹らみ部7がわずかに戻っても被締結部材の弾性により吸収できるので確実なかしめ付けができる。」(段落【0007】、公報2欄47行〜3欄25行参照)
これらの記載事項並びに明細書及び図面の記載からみて、刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という、)が記載されているものと認めることができる。
「頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなり、先端部を押し潰して脚部の軸径よりも大きく膨らませた被締結部材のかしめ付け樹脂リベット。」

刊行物2には、以下の技術事項が記載されている。
(c)「鋼製リベット…が使用される他のすべての分野」(明細書1頁左欄6〜9行)
(d)「巻きかしめられたリベットは、カウンタシンクと司教冠形の空洞の壁が厚ければ厚いほど強く、より強力になることが認められる。内部端を継続してプレスすることにより巻き付きの限界に至らせ、そして強力なかしめを形成する場合、リベット止めの広がりとかしめは、かしめを締めて巻くのに十分且つハンマーの打撃または静的圧力をかけて使用され、且つ特にその使用のために適合させて作成されるパンチの使用によってのみ可能である。カウンタシャンクの司教冠形リムは、パンチ端部の形で、内部に応力を持続させ、かしめを完成し、リベットで留められたメンバーに対して圧力を加える。」(明細書1頁右欄12行〜27行、要部訳文14行〜21行参照)

刊行物3には、下記の技術事項が記載されている。
(e)「【発明の実施の形態】 以下、本発明を図面を参照して説明する。図1は本発明の繊維強化樹脂製リベットの一例を示す正面図である。1は繊維強化樹脂製リベットであって、長繊維に熱硬化剤及び光開始剤の一方又は両方を含有する硬化性樹脂が含浸され、繊維含有量が20〜70重量%とされた繊維強化樹脂から製せられており、柱状部11の一端に頭部12が設けられている。柱状部11には、硬化性樹脂中に長手方向に沿って配向するように長繊維が連続的に配設されている。」(段落【0014】、公報3欄3行〜11行)
(f)「【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、商品名「4516」)100重量部と、熱硬化剤(チバガイギー社製、商品名「イルガキュア651」)1.5重量部からなるものを用い、これにガラスロービングを含浸させて、繊維含有量45重量%の繊維強化樹脂材料を作製した。」(段落【0020】、公報4欄8行〜15行参照)

刊行物4には、以下の技術事項が記載されている。
(g)「第1図において(1)は本考案の打込みリベットである。該打込みリベット(1)の脚部(2)周面には首下部(3)から2個の突条(4)が円周方向に等間隔をおいて軸方向に設けられ、脚端部(5)の外縁及び内縁には面取りがほどこされている。」(明細書2頁5行〜9行)
(h)「また該突条を設けることにより、打込みリベットの脚部が強化され座屈及び胴ぶくれ現象が防止でき、」(同3頁2行〜4行)

刊行物5には、以下の技術事項が記載されている。
(i)「連結用かしめピンdは制動部a並びに取付部bに位置づけるピン本体e1と、該ピン本体e1の一端に形成されたピン本体e1よりも大径となしたつば状の係止頭部e2と、ピン本体e1の他端に形成されたピン本体e1よりも小径のかしめ部e3とから構成され、ピン本体e1、係止頭部e2及びかしめ部e3の径方向中央は、部材の軽量化と材料費の節減をはかる為、中空にされている。」(明細書3頁1行〜8行)
(j)「第1図は、本考案にかかる連結用かしめピンの一実施例である。連結用かしめピンAの外形は、従来のピンと同様、ピン本体1の一端にピン本体1よりも大径のつば状の係止頭部2が形成され、他端にはピン本体1よりも小径のかしめ部3が段部4を介して形成された構成としている。」(同5頁3行〜8行)
(k)「第2図は、かしめ部3の肉厚をピン本体1の肉厚d1よりも薄くして、連結装置組み立て時のかしめ部3のかしめ作業を容易にした場合である。」(同14行〜16行)

4.本件発明1〜本件発明7と刊行物1〜5に記載された発明との対比・判断
(1)本件発明1について
本件発明1と引用発明を比較すると、両者は、「頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされたリベット」の点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。
[相違点1]
本件発明1では、「非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止される」のに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
そこで上記相違点について検討する。
刊行物1には、「脚部2の…中心部には先端側から所定の寸法の縦穴4が設けられている。」(記載事項(a)参照)と記載されているのみであつて、該縦穴の長さと外径が略等しいとの記載は明細書に開示されておらず、そして、リベットの脚部の周壁は、図を参照するに、カールさせるには分厚過ぎ、無理に実行しようとしても、単に脚部先端部が拡開するだけであったり、また割れや座屈が生じるものと認められ、本件発明1のように先端部が巻き込みによつて形成されたカール部を有するものとは認められず、刊行物1の発明の詳細な説明に記載のように、押し潰しかしめ、軸径よりも大きく膨らませた膨出部を形成するものに過ぎないものと認められる。また、刊行物2には、先端部が巻き込みによつて形成されたカール部を有するリベットが開示されてはいるが、刊行物2に記載のカール部を有するリベットは鋼製のリベットであるので、一旦かしめをしてしまえば、元の直線形状に戻ろうとはしない。その巻き込みによって形成されたカール部は、被締結部材を積極的に押圧せず、このカール部の作用によってかしめの経時的緩みを防止できない。してみると、このような刊行物2に記載の巻き込みによって形成されたカール部を有する鋼製のリベットの技術を引用発明の膨出部を有するリベットに適用しても、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働くという作用まで想定することは難しく、本件発明1で言うリベットの構成とすることが容易に想到しえたものとは認められない。また、上記相違点1を有する本件発明1は、非補強部の長さと外径が略等しくされていることによって、非補強部をカールさせてその内面で被締結部材を押さえることが可能となり、時間の経過に伴うかしめの緩みを防止することができるとともに、かしめ時に座屈を起こしにくい。また、かしめ時において非補強部の内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれて締結されることによって、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向へと働くので、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない、等の本件発明の発明の詳細な説明に記載の効果を奏するものと認められる。したがって、本件発明1は、刊行物1及び刊行物2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとは認めることができない。
(2)本件発明2及び本件発明3について
本件発明2は、頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなる点を、本件発明3は、該リベットがバージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなる点を本件発明1に、それぞれ付加したものであるが、刊行物1には、頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなる構成が記載されており、また、刊行物1のリベットがポリアセタール樹脂からなり、刊行物3には、リベットがポリエステル樹脂でなることが記載されている。
しかしながら、本件発明2及び本件発明3は、いずれも本件発明1の構成を具備したうえで上記構成を付加したものであるから、本件発明1との上記相違点1を有するので、上記相違点1で述べたと同様の理由により、刊行物1〜3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとは認めることができない。
(3)本件発明4について
本件発明4と引用発明を比較すると、両者は、「頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされたリベット」の点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。
[相違点2]
本件発明4では、「非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止される」のに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
[相違点3]本件発明4では、「脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部と」したのに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
そこで上記相違点について検討する。
刊行物4には、脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部としたことが記載されており、相違点3は格別のものとは認められない。
しかしながら、本件発明4は本件発明1との上記相違点1と同様の相違点2を有するので、上記相違点1で述べたと同様の理由により、刊行物1〜4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとは認めることができない。
(4)本件発明5について
本件発明5と引用発明を比較すると、両者は、「頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされたリベット」の点で一致し、以下の点で相違するものと認められる。
[相違点4]
本件発明5では、「非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止される」のに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
[相違点5]本件発明5では、「脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなる」のに対して、引用発明は、そのような構成を具備していない点。
そこで上記相違点について検討する。
刊行物5には、脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなる構成が記載されており、相違点5は格別のものとは認められないてい。
しかしながら、本件発明5は本件発明1との上記相違点1と同様の相違点4を有するので、上記相違点1で述べたと同様の理由により、刊行物1〜5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとは認めることができない。
(5)本件発明6及び本件発明7について
本件発明6は、頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなる点を、本件発明7は、該リベットがバージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなる点を本件発明1に付加したものであるが、刊行物1には、頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなる構成が記載されており、また、刊行物1のリベットがポリアセタール樹脂からなり、刊行物3には、リベットがポリエステル樹脂でなることが記載されている。
しかしながら、本件発明6及び本件発明7は、いずれも本件発明4又は5の構成を具備したうえでさらに上記構成を付加したものであるから、本件発明6及び本件発明7は、本件発明1との上記相違点1と同様の上記相違点2又は4を有するので、上記相違点1で述べたと同様の理由により、刊行物1〜5に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたものとは認めることができない。

5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によつては、本件請求項1〜7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よつて、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
常温かしめ用樹脂リベット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式1)
【請求項2】 前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項3】 バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項4】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式2)
【請求項5】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部材が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式3)
【請求項6】 前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項4又は5に記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【請求項7】 バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の常温かしめ用樹脂リベット。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は常温かしめ用樹脂リベットに係り、その目的は常温にてかしめ可能であって、かしめ時に座屈や割れが発生しにくく、しかも経時的なかしめの緩みを防ぐことができる樹脂リベットを提供することにある。
なお、本発明において、「バージン材ポリエステル樹脂」とは、製品としての成形過程を経ていないポリエステル樹脂のことを指し、また「リサイクル材ポリエステル樹脂」とは、製品として一旦成形されたものを粉砕してリサイクルしたポリエステル樹脂のことを指す。
【0002】
【従来の技術】
一般に、合成樹脂製品、布製品、皮製品、紙製品等の部品の締結には、樹脂リベットが広く使用されている。
樹脂リベットは、金属製リベットと比較して軽量であること、成形が容易であること、腐食しないこと等の種々の利点を備えているが、締結時において脚部が座屈を起こし易いという強度面の欠点が存在していた。
このような欠点を解消するために、脚部の長手方向全体に複数のリブを形成することにより脚部を補強し、締結時において座屈を起こしにくくした樹脂リベットも創出されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した脚部の長手方向全体にリブが形成された従来の樹脂リベットでは、長手方向全体にリブが形成されていることから脚部の剛性が大きく、常温で先端をカールさせてかしめた場合にはカール部に割れが発生してしまうという問題があった。そのため、このような樹脂リベットの使用にあたっては先端部を加熱してかしめ作業を行っていた。
ところが、加熱かしめにはヒータを内蔵したポンチを必要とするため設備費用が高価となり、しかも冷却のための時間を必要とするためサイクルタイムが長くなり製造効率も悪くなってしまうという課題があった。
他方、常温でかしめることが可能な常温かしめ用樹脂リベットも存在しているが、このような常温かしめ用樹脂リベットを使用して先端をカールさせてかしめた場合には、時間の経過とともに図16に示す如くカール部分(C)が被締結部材(A)から浮き上がり、リベット(R)による被締結部材(A)のかしめが緩んでしまうという不具合が生じていた。
現在はこのような不具合を解消するために被締結部材(A)とカール部分(C)との間に樹脂製のカラーを挟んで緩みを防止しているが、このような緩み防止対策をとると製造コストが高くなってしまうという課題が存在していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来技術のもつ課題を解決するためになされたものであって、請求項1記載の発明は、頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベットである。
k≒d (式4)
【0005】
請求項2記載の発明は、前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の常温かしめ用樹脂リベットである。
【0006】
請求項3記載の発明は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の常温かしめ用樹脂リベットである。
【0007】
請求項4記載の発明は、頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が非締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベットである。
k≒d (式5)
【0008】
請求項5記載の発明は、頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベットである。
k≒d (式6)
【0009】
請求項6記載の発明は、前記頭部下面の周縁が平坦部とされるとともに、該平坦部の内側に環状凹部が形成されてなることを特徴とする請求項4又は5に記載の常温かしめ用樹脂リベットである。
【0010】
請求項7記載の発明は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂からなることを特徴とする請求項4乃至6いずれかに記載の常温かしめ用樹脂リベットである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの好適な実施形態について図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す正面図、図2は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す底面図、図3は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す断面図である。
第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)は、上面が球面状とされた頭部(2)と、この頭部(2)の下方に延出された中空筒状の脚部(3)とから構成されている。尚、頭部の形状は必ずしも図示例の如く上面が球面状でなくてもよく、上面が平面状のものや面取りが施されているもの等の他の形状としてもよく、特に限定はされない。
【0012】
第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、脚部(3)は、頭部(2)の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部(31)とされ、中途部から先端部にかけての部分が補強部(31)よりも薄肉の非補強部(32)とされた構造になっており、補強部(31)の厚肉は脚部(3)を補強してかしめ時の座屈を防ぐ役割を果たす。
この常温かしめ用樹脂リベット(1)は、非補強部(32)の長さ(k)と外径(d)とが略等しく形成されている。なお、(h)は、補強部(31)の長さである。
k≒d (式7)
これは、非補強部(32)の長さが外径よりも小さ過ぎると、かしめ時にカールされる部分が短くなって、図4に示す如く非補強部(32)の外面で被締結部材(A)を押さえるようになり、時間の経過に伴って矢印の如くカール部分が被締結部材(A)から浮き上がってかしめが緩んでしまうという不具合が生じ、非補強部(32)の長さが外径よりも大き過ぎると座屈を起こし易くなるとともにかしめ後のカール部分の山が高くなってしまうためである。
【0013】
なお、この常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、補強部(31)の長さ(h)を被締結部材の厚み(t)と略等しくすることが好ましい。(厚み(t)は図5参照)
これは、常温かしめ用樹脂リベット(1)を被締結部材に対してかしめた時に、補強部(31)の長さが被締結部材の厚みと略等しくされていた場合、剛性の小さい非補強部(32)の部分のみをカールさせてかしめることができるためである。
【0014】
また、この常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、図3に示す如く、頭部(2)下面の周縁を平坦部(21)としこの平坦部(21)の内側に環状凹部(22)を形成することが好ましい。
これは、環状凹部(22)を設けることによって、後述する如く、かしめ時において頭部(2)が偏平化するように弾性変形させることが可能となり、変形後の復元力を利用して上面から被締結部材を押さえてかしめの緩みを防ぐことができるためである。
【0015】
この常温かしめ用樹脂リベット(1)は、常温でかしめた時に座屈を起こさずカール部が割れることがない材料から構成される。具体的には、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂等の合成樹脂が好適に使用され、これらの樹脂は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂の順に好適に使用される。
なお、ポリエステル樹脂としては特に限定されないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂を好適に使用することができる。
【0016】
図5及び図6は、上記第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)を使用して、被締結部材(A)をかしめた時の第一段階及び第二段階を示す断面図である。
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)を使用してのかしめ作業は、先ず図5に示すように、脚部を被締結部材(A)に挿通して非補強部(32)をカールさせる。
このとき、非補強部(32)の内面が被締結部材(A)に当接するように先端部が巻き込まれて締結されるので、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向(矢印方向)へと働き、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない。
【0017】
次いで、頭部(2)が固定された状態のままカール部分を再度押圧することによって、図6に示す如く環状凹部(22)を利用して頭部(2)が偏平化するように弾性変形させる。
これによって、弾性変形された頭部(2)の復元力により被締結部材(A)に対して上面からも押圧力が加わり、前記したカール部の復元力によって生ずる押圧力と相まって上下両面から被締結部材(A)を挟み付けることが可能となり、経時的なかしめの緩みが防がれる。
【0018】
なお、常温かしめ用樹脂リベット(1)が、上記したバージン材ポリエステル樹脂からなるリベット、リサイクル材ポリエステル樹脂からなるリベット、ポリアセタール樹脂からなるリベットのいずれかであれば、常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が一層起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが一層緩みにくくなる。なお、この常温かしめ用樹脂リベット(1)は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された2種以上の樹脂から構成された場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0019】
図8は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す正面図、図9は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す底面図、図10は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す断面図である。
第二実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)も、上面が球面状とされた頭部(2)と、この頭部(2)の下方に延出された中空筒状の脚部(3)とから構成されている。尚、この第二実施形態においても、頭部の形状は必ずしも図示例の如く上面が球面状でなくてもよく、上面が平面状のものや面取りが施されているもの等の他の形状としてもよく、特に限定はされない。
【0020】
第二実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、脚部(3)は頭部(2)の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブ(4)が形成された補強部(31)とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部(32)とされている。
リブ(4)は脚部(3)を補強してかしめ時の座屈を防ぐ役割を果たし、図示例では円周方向に等間隔で4つ形成されている。但し、このリブ(4)の数は必ずしも4つに限定されず3つ或いは5つ以上であってもよい。
この常温かしめ用樹脂リベット(1)においても、上記第一実施形態と同様、非補強部(32)はその長さ(k)と外径(d)を略等しく形成されている。その理由は、上述の通りである。なお、(h)は、補強部(31)の長さである。
k≒d (式8)
【0021】
図11は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す正面図、図12は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す底面図、図13は本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す断面図である。
第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)も、上面が球面状とされた頭部(2)と、この頭部(2)の下方に延出された中空筒状の脚部(3)とから構成されている。尚、この第三実施形態においても、頭部の形状は必ずしも図示例の如く上面が球面状でなくてもよく、上面が平面状のものや面取りが施されているもの等の他の形状としてもよく、特に限定はされない。
【0022】
第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、脚部(3)は、頭部(2)の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部(31)とされ、中途部から先端部にかけての部分が補強部(31)よりも薄肉且つ小径の非補強部(32)とされた段付き構造とされており、補強部(31)の厚肉は脚部(3)を補強してかしめ時の座屈を防ぐ役割を果たす。
この常温かしめ用樹脂リベット(1)においても、上記第一実施形態と同様、非補強部(32)はその長さ(k)と外径(d)を略等しく形成されている。その理由は上述の通りである。なお、(h)は、補強部(31)の長さである。
k≒d (式9)
【0023】
上記した第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、補強部(31)の長さ(h)を被締結部材の厚み(t)と略等しくすることが好ましい(厚み(t)は図14参照)。その理由は、上述の通りである。
また、上記第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)においては、図10及び図13に示す如く、頭部(2)下面の周縁を平坦部(21)としこの平坦部(21)の内側に環状凹部(22)を形成することが好ましい。
【0024】
第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)は、常温でかしめた時に座屈を起こさずカール部が割れることがない材料から構成される。具体的には、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂等の合成樹脂が好適に使用され、これらの合成樹脂は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂の順に好適に使用される。
なお、ポリエステル樹脂としては特に限定されないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂を好適に使用することができる。
バージン材ポリエステル樹脂からなるリベット、リサイクル材ポリエステル樹脂からなるリベットは、上記したように、いずれも適度な伸びと強さを備えて常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が一層起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが一層緩みにくい。
なお、第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂の双方から構成されてもよい。この場合も、同様の効果を奏することができる。
【0025】
図14及び図15は、上記第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)を使用して、被締結部材(A)をかしめた時の第一段階及び第二段階を示す断面図である。
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)を使用してのかしめ作業は、先ず図14に示すように、脚部を被締結部材(A)に挿通して非補強部(32)をカールさせる。
このとき、非補強部(32)の内面が被締結部材(A)に当接するように先端部が巻き込まれて締結されるので、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向(矢印方向)へと働き、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない。
【0026】
次いで、頭部(2)が固定された状態のままカール部分を再度押圧することによって、図15に示す如く環状凹部(22)を利用して頭部(2)が偏平化するように弾性変形させる。
これによって、弾性変形された頭部(2)の復元力により被締結部材(A)に対して上面からも押圧力が加わり、前記したカール部の復元力によって生ずる押圧力と相まって上下両面から被締結部材(A)を挟み付けることが可能となり、経時的なかしめの緩みが防がれる。
【0027】
なお、常温かしめ用樹脂リベット(1)が、上記したバージン材ポリエステル樹脂からなるリベット、リサイクル材ポリエステル樹脂からなるリベットであれば、常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が一層起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが一層緩みにくくなる。また、この常温かしめ用樹脂リベット(1)は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂の双方から構成された場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0028】
【試験例】
バージン材ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)からなるリベット、リサイクル材ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)からなるリベット、ポリアセタール樹脂からなるリベットの引張り強度について、それぞれ試験を行った。なお、樹脂リベットの形状としては、上記第一実施形態に係るものを使用した。
(試験方法)
(脚部の径:d)×(脚部の長さ:(h+k))=4.5mm×7mmである常温かしめ用樹脂リベットを上記樹脂から構成した。この樹脂リベットで2枚の被かしめ部材(B),(B)を図7に示す如くかしめ締結し、その締結された2枚の被かしめ部材(B),(B)を反対の向きに引っ張り、樹脂リベットの破断加重(単位:kgf)を計測した。
その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1の結果より、バージン材ポリエステル樹脂からなるリベット、リサイクル材ポリエステル樹脂からなるリベット、ポリアセタール樹脂からなるリベットの順に引張り強度が高いことが分かる。
これらの常温かしめ用樹脂リベットは、いずれも適度な伸びと強さを備えて常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが緩みにくい常温かしめ用樹脂リベットとすることができる。
なお、第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベット(1)は、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された2種以上の樹脂で構成されてもよい。この場合も、常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが緩みにくい常温かしめ用樹脂リベットとすることができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の常温かしめ用樹脂リベットによれば、脚部の頭部の首下から中途部にかけて厚肉部が形成されているので、かしめ時に座屈が発生しにくく、しかも中途部から先端部にかけては薄肉部とされているので、かしめ時にはリベットの先端を容易にカールさせてかしめることが可能となり、常温でかしめてもカール部分に割れが発生しにくい。また、非補強部の長さと外径が略等しくされていることによって、非補強部をカールさせてその内面で被締結部材を押さえることが可能となり、時間の経過に伴うかしめの緩みを防止することができるとともに、かしめ時に座屈を起こしにくい。また、かしめ時において非補強部の内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれて締結されることによって、カール部が元の状態に復元する力が締め付け方向へと働くので、時間の経過に伴ってかしめが緩むことがない。
【0032】
請求項2記載の常温かしめ用樹脂リベットによれば、かしめ時に頭部を偏平状に弾性変形させることができるので、弾性変形された頭部の復元力により被締結部材に対して上面からも押圧力を加え、カール部の復元力によって生ずる押圧力と相まって上下両面から被締結部材を挟み付けることが可能となり、経時的なかしめの緩みをより確実に防ぐことができる。
【0033】
請求項3記載の常温かしめ用樹脂リベットによれば、バージン材ポリエステル樹脂、リサイクル材ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂からなる群から選択された1又は複数の樹脂でリベットを構成することにより、この樹脂リベットは、常温でのかしめ加工を行い易く且つ割れや座屈が一層起こりにくく、しかも経時変化が小さくてかしめが一層緩みにくくなる。
【0034】
請求項4記載の常温かしめ用樹脂リベットによれば、脚部の頭部の首下から中途部にかけてリブが形成されているので、かしめ時に座屈が発生しにくく、しかも中途部から先端部にかけてはリブが形成されていないので、かしめ時にはリベットの先端を容易にカールさせてかしめることが可能となり、常温でかしめてもカール部分に割れが発生しにくい。また、補強部の長さが被締結部材の厚みと略等しくされていることによって、リベットを被締結部材に挿入してかしめた時に、剛性の小さい非補強部の部分のみを容易にカールしてかしめることができる。
【0035】
請求項5記載の常温かしめ用樹脂リベットによれば、脚部の頭部の首下から中途部にかけて厚肉部が形成されているので、かしめ時に座屈が発生しにくく、しかも中途部から先端部にかけては薄肉部とされているので、かしめ時にはリベットの先端を容易にカールさせてかしめることが可能となり、常温でかしめてもカール部分に割れが発生しにくい。また、補強部の長さが被締結部材の厚みと略等しくされていることによって、リベットを被締結部材に挿入してかしめた時に、剛性の小さい非補強部の部分のみを容易にカールしてかしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す正面図である。
【図2】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す底面図である。
【図3】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第一実施形態を示す断面図である。
【図4】
被補強部の長さを外径よりも小さくした場合の樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の様子を示す断面図である。
【図5】
第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の第一段階の様子を示す断面図である。
【図6】
第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の第二段階の様子を示す断面図である。
【図7】
第一実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベットの引張り強度試験の様子を示す正面図である。
【図8】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す正面図である。
【図9】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す底面図である。
【図10】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第二実施形態を示す断面図である。
【図11】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す正面図である。
【図12】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す底面図である。
【図13】
本発明に係る常温かしめ用樹脂リベットの第三実施形態を示す断面図である。
【図14】
第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の第一段階の様子を示す断面図である。
【図15】
第二及び第三実施形態に係る常温かしめ用樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の第二段階の様子を示す断面図である。
【図16】
従来の常温かしめ用樹脂リベットを使用して被締結部材をかしめた時の様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 常温かしめ用樹脂リベット
2 頭部
21平坦部
22環状凹部
3 脚部
31補強部
32非補強部
4 リブ
 
訂正の要旨 (1)訂正事項a
本件特許の願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)の特許請求の請求項1に係る記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式1)」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項4に係る記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項4】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が長手方向に複数のリブが形成された補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分がリブの無い円筒形状の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式2)」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の特許請求の範囲の請求項5に係る記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項5】 頭部と脚部とからなる合成樹脂リベットであって、該脚部は頭部の首下から中途部にかけての部分が厚肉の補強部とされ、中途部から先端部にかけての部分が前記補強部よりも薄肉且つ小径の非補強部とされてなるとともに、前記非補強部の長さ(k)が該非補強部の外径(d)と略等しくされ、これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止されることを特徴とする常温かしめ用樹脂リベット。
k≒d (式3)」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許明細書の段落番号【0004】、【0007】、【0008】内にある「常温かしめ時において非補強部の内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれて締結される」の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「これにより、常温かしめ時において非補強部が座屈せずにその内面が被締結部材に当接するように先端部が巻き込まれることが可能とされ、その巻き込みによって形成されたカール部が元の状態に復元する力が被締結部材を締め付ける方向へと働き、経時的なかしめ緩みが防止される」と訂正する。
異議決定日 2001-06-14 
出願番号 特願平10-360835
審決分類 P 1 651・ 121- YA (F16B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 栗林 敏彦  
特許庁審判長 船越 巧子
特許庁審判官 秋月 均
常盤 務
登録日 2000-02-04 
登録番号 特許第3029826号(P3029826)
権利者 福井鋲螺株式会社
発明の名称 常温かしめ用樹脂リベット  
代理人 清原 義博  
代理人 清原 義博  

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