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審決分類 審判 一部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G06F
審判 一部申し立て 2項進歩性  G06F
管理番号 1046737
異議申立番号 異議2000-74048  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-11-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-11-08 
確定日 2001-07-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3038611号「病院情報システム」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 本件特許異議の申立てを却下する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3038611号の請求項1乃至5に係る発明についての出願は、平成3年4月18日に特許出願され、平成12年3月3日にその特許権の設定登録がなされ、その後、小塚浩より、甲第1号証及び甲第2号証を提示して、その請求項1、2に係る発明の特許に対して特許異議の申立てがなされ、そして(1)本件請求項1および2に係る特許は、月刊新医療、16[7](1989-7-1)(甲第2号証)、特開平02-140875号公報(甲第1号証)、医療情報学、10[3](1990-12-31)、特開昭62-121576号公報、及び東京都立科学技術大学研究報告第2号(S63-3-30)にそれぞれ記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、取り消すべきものと認められる旨、ならびに(2)本件請求項1および2に係る発明を明確に把握することができないので、 請求項1、2に係る発明の特許は、特許法第36条第5項及び第6項に規定する要件を満たさない特許出願に対してなされたものであるから、取り消すべきものと認められる旨の取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成13年5月14日に訂正請求がなされたものである。
2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、以下のa、b、c、d及びeのとおりである。
a.特許請求の範囲の請求項1を削除する。
b.特許請求の範囲の請求項2を削除する。
c.特許請求の範囲の請求項3を請求項1とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテへの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記ワークステーションからの前記カルテへの前記操作を、特定の条件を満足する場合に限って許可する病院情報システムであり、かつ前記特定の条件を、医師の担当する患者の当該診療科のカルテのみとすることを特徴とする病院情報システム。」とする。
d.特許請求の範囲の請求項4を請求項2とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテへの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者の診療の完了の時点、または前記保管ファイルが所定の期間アクセスされない場合に、前記保管ファイルの内容を前記保存カルテファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。」とする。
e.特許請求の範囲の請求項5を請求項3とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテへの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者が複数の前記診療サブシステムの前記診療科を受診している場合、前記診療サブシステムで診療中の前記患者に関する前記保管ファイルの内容を、他の前記診療サブシステムの前記保管ファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。」とする。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正a、bは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、また実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
また、上記訂正c,d,eは、明細書の明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当するものであり、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであって、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2、3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
3.特許異議の申立てについて
請求項1,2に係る発明は、訂正の結果削除され、特許異議の申立ての対象が存在しないので、この特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものである。
したがって、本件特許異議の申立ては、特許法第120条の6第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
病院情報システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記ワークステーションからの前記カルテヘの前記操作を、特定の条件を満足する場合に限って許可する病院情報システムであり、かつ前記特定の条件を、医師の担当する患者の当該診療科のカルテのみとすることを特徴とする病院情報システム。
【請求項2】 病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者の診療の完了の時点、または前記保管ファイルが所定の期間アクセスされない場合に、前記保管ファイルの内容を前記保存カルテファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。
【請求項3】 病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者が複数の前記診療サブシステムの前記診療科を受診している場合、前記診療サブシステムで診療中の前記患者に関する前記保管ファイルの内容を、他の前記診療サブシステムの前記保管ファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、病院における直接的あるいは間接的な診療情報の登録、保管、保存および処理等を含む病院情報システムに関し、更に、それらの情報を統合管理するに好適な病院情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
病院で扱われる患者に関する情報には、医事に関する情報、診療録(カルテ)に関する情報、検査および検査結果の情報、X線およびその他の画像情報、薬剤処方や処置および手術等に関する情報、病棟(入院、給食または看護等)に関する情報等の如く、情報の発生源、発生装置あるいはシステム、情報の利用部署および利用者、データの保管保存方式、特定部署の情報と全病院的情報、保管・保存が義務付けられた情報、プライバシーやセキュリティー上の保護が必要な情報とそうでないもの等、非常に多くの性質の異なる情報が存在している。
これらの情報とその運用は、その時々の利用可能な技術、病院あるいは診療科の状況、更には、これらの歴史的経緯等を反映して、種々の形態、方式が、ときには複合あるいは混合されて、利用されている。
このうち医事に関する情報については、コンピュータ処理が広く実用化されているが、その他については現状では不完全な状況である。画像に関しては光ディスク等の大容量記録媒体を用いたシステム(通常、「PACS」と呼ばれている)が実用段階を迎えつつあるが、カルテに記載される全診療情報および検査情報等を含めた病院全体にわたっての全体的、統合的なシステム化はなされていない。
なお、上述の如き病院情報システムに関しては、例えば、電子情報通信学会編「電子情報通信ハンドブック」(オーム社1988年刊)第38編第4部門の記載、医療情報システム開発センター編「医療情報システム10年の歩み」(昭和59年)の記録等を参考にすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、上述の如く病院全体にわたる情報の統合的システム化を目的とした場合、上述の各々の部署での発生および利用における情報の電子化が不十分な点もあり、各々の情報に対して他の部署あるいは他の情報との関係について十分考慮されておらず、統合システム化が困難であるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、従来の技術における上述の如き問題を解消し、病院における各種情報の発生源、発生装置、利用部署、利用目的、管理目的等の性質に応じた最適な配置と管理を可能とする病院情報システムを提供すること、更に、種々の規模の病院に適合できるような形での統合化を可能とする病院情報システムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の上述の目的は、診療科あるいは病棟等の診療単位を診療サブシステムとし、該サブシステムと保存カルテファイル、他の診療あるいは検査サブシステム、院内管理情報システムおよび医事システム等を第一のネットワークで結合するとともに、前記診療サブシステムには、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御、カルテの情報処理を実行するサーバ、および、カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照等のカルテの操作を通じて診療行為を実行するシステムを備えたワークステーションを第二のネットワークで結合して、前記診療サブシステム毎に、当該サブシステムに直接関係する患者のカルテを前記保管ファイルに保持することを特徴とする病院情報システムによって達成される。
【0005】
【作用】
本発明に係る病院情報システムにおいては、病院内の種々の情報をその性質に応じて、後述する如く、分類して取り扱う。
これにより、本発明に係るシステムにおいては、各サブシステムを自律的に機能できる構成を基本とし、サブシステムに必要な情報はそのサブシステムでの分散管理とし、全体に係る情報は集中管理とすることができ、部分的または段階的な拡張や各種規模への対応を可能としつつ、病院全体として高度な情報の活用を実現した統合化を可能とすることができる。
【0006】
【実施例】
以下、本発明の基本となる考え方を説明した後、具体的な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
前述の如く、本発明に係る病院情報システムにおいては、病院内の種々の情報をその性質に応じて、分類して取り扱う。
すなわち、
1)病院内全体の管理情報(病歴、保存カルテ、現在の院内状態、各種マスタ)
2)医事、会計情報
3)ラン状態のカルテ(医師の直接操作情報)
4)アクティブ状態のカルテ(保管状態にあり、容易にラン状態にできる)
5)インアクティブ状態のカルテ(保存状態にあり、アクティブにできる)
6)オーダの実行システム(オーダ内容、実施記録、発生源ファイル)
7)病棟、看護情報システム
8)その他の情報発生源および部署内のシステム
9)X線画像の利用(読影およびレポーティング)システム
10)X線画像の発生、保管、保存システム
等である。
これらの電子化情報は、ネットワークを通じてオンラインシステム化される。
なお、病院で利用される情報には、上述の如き直接診療に係る情報の他にも、文献、学会情報、症例研究、論文、会議および通信記録等のいわば間接的診療情報もあり、これらの各種情報についても上記全体システムに統合化可能である。
【0007】
以下、上記1)〜10)について詳細に説明する。
1)は病院内全体に関連した管理情報であり、以下の如きいくつかの性質の情報を含む。すなわち、病歴管理情報、後述する「インアクティブ」カルテの状態、どの情報が今どこにどのような状態であるか等の現在の病院内の状態を表わす情報、各種マスタ情報等である。これらの情報を病院内で一元的に管理することは、病院内の多くの部署やサブシステムの状態、オーダの処理状況やカルテの分散状態等の病院内の現在の状態を正確にモニタできることであり、本発明の如く多くのサブシステムを含み、これらからの情報を電子化し統合化した病院情報システムの構築を目的としたとき初めて必要になり、かつ、統合化システムにおいて本質的に重要になるものである。
2)は病院全体にわたっての医事情報である。医事情報は実施された医療行為を基に、レセプトを作成する等に利用される情報であり、病院のほとんど全ての医療行為と関連する。すなわち、どの部署で実施される医療行為であっても、その行為に関する医事情報を吸い上げ患者毎に管理すること、また、これらは保健制度と直結した情報であるから、病院内で全体として一元管理するのが合理的である。上記医事情報の吸い上げのために、各々の部署において医療行為が実施される毎に、その内容および結果を発生源から上記ネットワークを通じて上記管理システムに直接伝達する。
3)〜5)はカルテ情報で、その状態により分類している。ここで「ラン」とは、医師がそのカルテを扱っている状態である。すなわち、対象患者の検査情報を参照したり、オーダや所見その他の診療情報の入力を行う等、医師が情報を操作しているあるいは容易に操作できる状態である。具体的には、医師ワークステーションを通じて処理中または処理のため待機中のカルテである。「アクティブ」とは、容易に(短時間に)上記ラン状態にすべきカルテである。具体的には、現在診療が進行中の患者のカルテである。これは当日の診療(カルテの使用)の予定が無いものも含む。「インアクティブ」とは、既に目的とした診療が終了したか、あるいは、新たな診療行為が実施されないまま所定の期間が経過した患者のカルテである。
上記性質から、本発明に係る病院情報システムにおいては、「ラン」はワークステーション上に置くカルテ情報、「アクティブ」は診療が実施される目的診療科で管理する。すなわち各診療科保管ファイルに置くカルテ情報とし、科内のローカルエリアネットワーク(支線LAN)等を通じて、高速にワークステーションに取り込み、かつ、そこで新たに追加された情報を含むカルテは、容易に上記科内保管ファイルに転送して最新情報の反映されたカルテとすることに特徴がある。
【0008】
本発明に係る病院情報システムにおいては、一人の患者が複数の科を受診している場合には、それぞれの科毎に「アクティブ」カルテを配置する。複数の科で発生した新規情報はネットワークを通じて他科の同一患者カルテに追加される。すなわち、複数科の「アクティブ」カルテには、他科の受診内容も含め、常に患者の最新情報が反映されている。この機能により、複数科での処方、処置が無効や逆効果にならないようにすることが可能になり、医療の質の向上につなげられる。
上記性質から「アクティブ」カルテは、そのときそこで診療中の患者のカルテを、その診療科で保管するような診療科毎の分散カルテ管理方式とする。
一方、「インアクティブ」カルテは保存カルテであり、多少のアクセス時間は許容される。そこで、その保存には、十分な容量を持つ集合型光ファイル等を用いる。更に、「インアクティブ」カルテは、次回の利用要求がどの部署から発生するかが不確定である。従って、特定の診療科で分散管理することは合理的とはいえない。そこで、「インアクティブ」カルテは、病院内で集中管理する。この構成により、診療科では必要なカルテを手元に置き、高速アクセスや応答特性等、利用上の効果が得られ、同時に、当面不要な情報によりファイル容量が過大になる問題やアクセス上の問題を解決できる。
一方、「インアクティブ」カルテを集中化することで、ファイリングの効率を高め、経済的なシステムとすることができる。更に、「インアクティブ」カルテに対しては、その全てがオンライン化されていなくても支障無い場合も多い。
【0009】
6)はオーダ内容とその実施記録、および、検査結果等のマルチメディア情報(静止画、波形、テキスト情報等)を含む。これら患者対応のマルチメディア情報は、上記「アクティブ」カルテに反映される。すなわち、オーダの発生元ではオーダの送信先に向けての送信機能を持ち、オーダの受診側では自部署へのオーダの受信機能とともに、実施記録およびデータ等を管理部署および要求元に伝送する送信機能を持つ。オーダの具体的な実行方法は、各部署で独立に実行される。
7)は入院患者に対する看護情報システムを主体とした病棟サブシステムである。病棟サブシステムは、上記診療科サブシステムとカルテの管理に関しては同様である。すなわち、入院患者のカルテは「アクティブ」で、その病棟の保管ファイルに置く。
8)は上記以外の部署あるいは特定部署の専用システム情報である。これらはネットワークとの結合以外はその部署で閉じたシステムとして管理・運用する。アナログ画像等の非標準化情報のファイリングシステム等はこの例である。
9),10)は放射線科関連の情報で、一般にPACSと呼ばれているシステムと等価である。放射線科サブシステムでのオーダの処理については、6)の場合と本質的には同様である。しかし、結果である画像データは画像データベースとして集中管理する。この理由は、放射線画像が大容量であることと、従来のフィルムベースのシステムが患者毎のフイルムを集中管理していること、更に、専門医による集中的な読影業務を伴うこと等の病院業務の特性による。
これは放射線画像の性質と従来からの運用方式を継承したものになっている。なお、放射線画像についても上と同様に、「アクティブ」,「インアクティブ」による保管,保存管理方式が適用できる。
上述の如く、本発明に係る病院情報システムにおいては、情報の管理およびファイルやデータ(データベース)の配置、アクセスの制限等をそれぞれの性質に従って最適に行うことを特徴とする。すなわち、病院全体で一元管理すべきもの,集中管理すべきもの、利用部署あるいは発生部署で分散的に管理すべきもの、集中と分散を時と場所および状態に応じて使い分けるもの等の最適化である。
上記の如き情報の分類自体に、病院における各部署の機能と性質の種々の側面からの検討に基づいた本発明の高度な見識が表現されている。
【0010】
本発明に係る病院情報システムにおいては、上述の如く、分散と集中を最適に組み合せて機能するよう、例えば、診療科が自律的に機能するために次のような機能を診療科サブシステム自体が持つ。
(1)科内支線LANで、科内保管ファイルその他のデータベースや関連情報を結合したネットワークシステムを持つ。
(2)データベースサーバや特定の処理を実行するサーバおよびカルテ情報の入出力を実行するワークステーション(WS)または端末を持つ。
(3)科内保管ファイル内にアクティブカルテをファイリングする。
(4)他のサブシステム間および一元管理情報システムとネットワーク(LAN)を通じて結合する。
更に、電子カルテシステムの基本機能として次の機能を持つ。
(5)必要な情報を院内情報管理システムを通じて自システムに取り込む。
(6)必要な患者カルテを取り出す。
(7)所見や他の診療情報をカルテに入力する。
(8)オーダを発行する(そのオーダを実行する部署に要求内容を伝達する)。
(9)病歴や検査結果その他の関連情報を参照する。
(10)発生源から自システム宛に伝送されるカルテ情報(オーダの実行結果等)を該当カルテの所定領域に取り込む。
(11)データを所定の形式や見易い形に変換・処理・編集する。
上記電子カルテの基本機能は、上記診療科サブシステム内のワークステーション(WS)あるいはサーバ(S)上で実行される。
【0011】
以下、診療科サブシステムを例に、診療の実行とそれに伴う上記各機能の作用について説明する。
医師による診療は、上記科内のWS上で該当患者のカルテを開く操作から実行される。前述の如く、アクティブカルテは科内保管ファイルであるから、WS上で医師ID(識別情報)、患者IDによる初期操作で、目的のカルテが開かれる。上述のカルテを開く動作は、すなわち、電子カルテシステムを起動することである。開いたカルテには、再診の場合は前回までの診療記録があり、初診の場合には患者基本情報のみが記入されている。基本情報は、受付時に病院内一元管理情報として登録される。診療科サブシステムは、ネットワークを通じて上記一元管理情報から基本情報を取り込み、上記カルテを作成する。
診療を通じて発生する情報は、WS上で電子カルテシステム情報として順次カルテに記録される。そこで発生されるオーダは、カルテに記録されるとともに目的部署に伝送される。目的部署への伝送は必ずしもオーダ発生と同時である必要はない。実施済の検査データ等は既にカルテの所定領域に入力されているので、オーダとその結果の形で参照できる。未実施のオーダはその旨の表示を行うことで、識別することができる。診療が終了すれば上記カルテを閉じる。この操作により、上記カルテの内容は全て科内保管ファイルにアクティブファイルの一つとして保管され、WS上の電子カルテシステムは終了する。
ここで、上記診療行為に関する診療内容や処置内容等は、医事システムに転送する。医事システムでは、そこから医事関連情報のみを取り出し処理する。上記保管ファイルヘのファイリング情報は、当該患者が複数の科を受診中であれば、他の科の保管ファイル内の当該患者のカルテにも転送する。複数科受診の情報は前記病院内一元管理情報を通じて認識する。この機能により他科における患者の診療経過および最新状態も把握することができ、患者の総合的状態の把握によるよりよい医療の実現につなげられる。また、カルテの内容は、当該科に関する部分のみを操作可能とし、他科のカルテ情報は参照のみ可能で操作はできないようにする。
上記の如く診療科サブシステムは独立した一つの単位として自律的に機能しうる。従って適当なサイズの診療単位を基として段階的に増設したり、サブシステム内のサーバやWS、ファイルの性能や規模を選ぶことによって種々の病院規模に柔軟に適用できる等の特徴を持つ。
【0012】
次に、検査室を例としてオーダ実行側のシステムを説明する。オーダを受けると自システムのスケジューラに登録し、以降はスケジューラに従って処理を実行する。検査データは発生源ファイルに収め、そこから要求元の保管カルテに転送する。以降、カルテ上のデータを主とし、転送後の発生源ファイルは検査室側の管理に任せる。一方、実施内容は医事システムに送る。また、上記スケジューラの内容によって、オーダの処理状態が分かる。
放射線科システムもオーダの受付、処理および医事システムとの関係は、上記検査システムと基本的には同様である。しかし、大量の画像データの伝送および保管の問題のため、発生源側で画像データベースとして集中管理する。画像は読影とその所見を経て要求元で参照されるのが基本的な形態であるが、画像データそのものの伝送も可能とする。更に、画像は、例えば、フィルムや光または磁気記録媒体の運般によるオフラインでの利用形態でも利用できる。上記画像データベースと読影端末との間には高速の伝送系(画像LAN)を設けるが、要求元の診療科でも画像を必要とする場合には、上記画像LANを診療科まで延長することで実現できる。
更に、上記分散カルテのほかにマスタカルテとも呼ぶべき集中管理カルテを持つシステムも可能である。この方式では常に複数のカルテが存在するので、複数カルテ間の内容の整合は上記カルテの最新情報の相互転送をネットワークを通じて行うことで実現できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1に、本発明の一実施例である病院情報システムの構成を示す。図中、1はホストコンピュータまたはサーバ、2はデータベース、3は医事,会計に関するシステムで病院情報システムの一つのサブシステム、4,5はいくつかある診療科を代表した診療科サブシステム、6は種々の検査機器あるいはシステムを代表した検査室サブシステム、7は入院病棟を代表した病棟サブシステム、8は放射線科の機能を代表した放射線科サブシステム、9は病院内全体の管理情報を一元的に集約管理するシステムで、病院内全体のモニタ機能を持つ。また、10は上記サブシステム相互を結ぶ情報ネットワーク(LAN)、100は上記サブシステム4〜8における支線LANを示している。
医事サブシステム3は、病院内各部署から発生する医事情報を、各サブシステムに結合されたLAN100,10によりオンラインで吸い上げ、レセプトや会計システムにつなげる等の処理をホストコンピュータ1により実行する。この医事情報の処理に関しては、従来システムと特に変わることはない。すなわち、医事情報はホスト1およびデータベース2により実行され、管理は集中的である。その他、データベース2では各種マスタ情報および病院内各サブシステムおよびカルテの状況や状態も集中管理される。更に、病院内全体にわたる保存カルテ情報(インアクティブカルテそのものおよびこれに関する情報)も、一元的に集中管理する。
診療科サブシステム4,5は、基本的には自律的に機能する。すなわち、当該科に関するアクティブカルテを科内保管カルテファイルに持ち、科毎に分散管理する。従って、例えば、一人の患者が診療科4,5の両方で受診している場合には、いずれの科の保管ファイルにも同一のカルテが置かれる。更に、上記分散カルテとは別に、マスタカルテを備えた運用方式の病院の場合には、単一科受診でも常に複数のカルテが存在する。
図2に、図1で示した診療科内の構成を示す。科内サーバ(S)40,科内ファイル(F)41,医師用WS42等が、支線LAN100で結合されている。科内ファイル(F)41には、当該科のアクティブカルテが保管される。更に、サーバ(S)40は、科内ファイル(F)41および医師用WS42を通じて、電子カルテシステムを実行する。以下、診療科での動作を説明する。
【0014】
図3に、診療の過程を示す。まず、医師は、WS42を通じて自分および患者のIDで電子カルテシステムを起動する(ステップ21および22)。これにより、当該患者のカルテが開かれる(ステップ23)。すなわち、科内保管ファイル(F)41からアクティブ状態の当該カルテが、患者名で検索されてWSに表示され、ラン状態になる。ここで、上記カルテは、当日の診療スケジュールに従って予めWSに移し、ラン状態にしておくこともできる。なお、上記カルテには、前回までの診療記録が記載されており、医師はそれを基に診療を実行する。
診寮では、これまでの診療記録や検査データの参照、これらの情報の処理や表示法の変更等をWS上で実行する。更に、新たなオーダの発行やコメント、所見の入力、予約や診療計画の検討等を実行する(ステップ24)。検査や処置のオーダ等が発行されると、カルテに記録するとともにネットワークを介してそれぞれの目的部署に伝送される(ステップ25)。この制御はサーバ(S)40およびWS42からなる電子カルテシステムが行う。予約や他の部署宛の情報についても同様である。
上記診療の実行に当たっては、例えば検査の状況や各種装置、病棟、予約状況等の情報の参照が必要である(ステップ26)。これらは病院内管理情報システムを通じて確認する。診療が終了するとカルテを閉じる(ステップ27)。すなわち、WS42上のランカルテを保管ファイル(F)41に戻す。ここで、当該患者が複数の科を受診している場合には、当該科の保管ファイル内容を他科の保管ファイルにも転送する(ステップ28)。なお、複数科受診は、前述の病院内管理情報システムを通じて確認する。カルテを閉じる事で電子カルテシステムは終了する。
図4に、病院内管理情報と診療科との関係を示す。初診患者については、受付から患者基本情報が、病院内管理情報システムに登録される。再来患者については、病歴データベースから過去のデータが付加され、いわばカルテの表紙が作られて所定の診療科に転送され、アクティブカルテとして管理される。同時に、この内容は、図示されていないカルテ状態テーブルにセットされ、カルテが前述のどの診療科にあるかが表示される。上記カルテ状態テーブルは、この他オーダの状態、予約の状態、検査装置の状態、病棟の状態等を反映したテーブルとなっており、病院内の現状モニタとして機能する。
病院内管理情報には、この他に、保存カルテの情報、病歴情報、保健制度に関する情報等が一元管理される。従って、病院内各サブシステムから、患者名、情報名等の所定の情報をキーとして必要な情報を知ることができる。
【0015】
図5は、科内保管ファイルと保存ファイルとの関係を示す。診療中のアクティブカルテは科内ファイルに保管されるが、診療が完了するか、あるいは、所定の期間アクセスがされぬままの場合には、保存ファイルへ転送し保管ファイル内のカルテは消去する。この操作により、保管ファイル内のカルテの量は診療中のものに限られ、保管量が過大になることが避けられる。
なお、図2に示すサブシステムは、診療単位あるいはサブシステムでの処理能力を考慮して設置することができ、病院の規模や処理内容に応じて柔軟に対応できること、段階的に運用することができることが特徴である。
次に、検査室サブシステム6の動作を説明する。図8に、そのハードウェア構成を示す。本サブシステムは、サーバ(S)60,検査室ファイル(F)61,WS62,検査機器または装置64,装置ファイル(F)63,スキャナ65,写真等66の要素からなる。
図6,図7は、検査室サブシステムの処理の流れを示すものである。オーダを受けるとスケジューラに登録され(ステップ31)、以後、スケジューラの管理の下に、オーダの詳細仕様に従って検査が実行される(ステップ32)。検査結果は発生源のファイルに納められた後、要求元に伝送される(ステップ33と34)。ここで、図7に示す如く、検査内容は医事システムに送られ、検査内容によって定められた処理がなされる。また、検査データは要求元の診療科に送られ、保管ファイル内の該当カルテに、オーダの結果として記録される。これは従来の紙カルテにおいて検査データをカルテに貼付することに対応する。一方、オーダの実施記録を前述の病院内管理情報のオーダテーブルに反映し、オーダが実施された状態になったことを示す。
上述の如く、本発明における分散カルテ方式においては、診療科ではオーダの発行とともにその詳細をオーダ実施部署に伝送し、かつ、病院内管理情報としてオーダの発生をセットする機能を持つ。一方、オーダ実施部署ではオーダを受信し、自サブシステム内のスケジューラにセットするとともに、実施後は、実施内容、結果データ、実施記録の各々に対して、医事、要求元、病院内管理のそれぞれのサブシステム宛に情報伝送を行う機能を持つ。
図8に示したハードウェア構成において、上記スケジューラや結果のそれぞれのサブシステムヘの伝送は、サーバ60が実行する。転送は一日分等のまとまった単位で行う場合と、一件単位で行う場合とがある。検査装置64からのデータは、オンライン伝送できるものの他、例えば、写真の如くスキャナ65を介して電子化する場合もある。
病棟システム7も、自サブシステム内部での具体的処理内容を別にすれば、外部との関係および検査室サブシステム等との情報伝達は、上記診療科あるいは検査室サブシステムおよびその組み合せと基本的には変わらない。
なお、以上の説明では、診療科と検査室とを独立なサブシステムとした場合を示したが、診療科内にいくつかの検査装置があることも普通であり、この場合は、上述の場合を複合したものとすればよい。
【0016】
放射線科システム8は、オーダの受信および実施結果情報の伝送機能については検査システムとその基本部分は同様である。しかし、画像データは放射線科システム内で画像データベースとして集中管理する。すなわち、前記検査システムの場合の発生源ファイルが、画像データの保管ファイルに相当する。放射線科では、放射線科医による画像の読影処理が行われる。この場合には、上記データベースを基に、専用の高精細読影端末を用いて集中的に実行される。この構成および機能は、従来のファルムの集中管理,集中的な読影処理等の運用方式を踏襲したものでよい。
画像は読影結果とその所見を付けて、要求元で参照されるのが基本的な形態であるが、画像データそのものの伝送も可能である。画像データの伝送は、ネットワーク10を通じてあるいは専用の画像LANを必要部署まで延長して行う。
図9に、放射線科サブシステムの構成を示す。WS83、ファイル(F)84は、放射線科へのオーダを受理し、スケジューリングする。また、WS85は検査装置(CT,MR等各種のモダリテイー)86,87の装置ファイル(F)88から、画像データを圧縮等の処理を施して集中画像データベース(IDB)81に収める。80は画像データベースサーバである。なお、上記画像圧縮は、伝送路130の部分またはサーバで共通に実行してもよい。120は画像LANであり、入力伝送路130に比べ、トラフィックが大きいことから高速伝送路としている。画像LANには画像表示端末(IDT)82が結合される。画像表示端末82は、大容量の放射線画像が表示できる高精細表示装置を持つ。ここでは、読影およびレポーテイングシステムの機能も実行できる。なお、放射線画像は光ディスク等の可般媒体90によリオフラインでの運用も可能である。
画像LAN120と画像表示端末82とは、放射線科外にも拡張して利用できる。この組み合せを病院全体に拡張し、病院内のどこでも利用できるような構成としたシステムの全体構成を図10に、また、各部の詳細を図11〜図13に示す。図11に示す診療科5の医師用WS54は、画像表示用の高精細表示装置も備えたワークステーションである。なお、53は科内用の画像ファイル、52はサーバである。更に、55は診療科に備えられた検査装置であり、診療科と検査の複合機能を備える。
【0017】
図10〜図13に示した構成例は、上記システムの基本構成であるが、具体的実行方式には種々の形態があり得る。また、それぞれの形態により、LANのトラフィック、応答性能、信頼性等の基本特性にも影響する。以下、それらの例を示す。
例えば、各診療科では当該科患者のカルテを持つが、病院内全体のカルテを集約したマスタカルテを備えることもあり得る。この場合、分散カルテとの内容を常に一致させておく実行形態、すなわち、マスタカルテも常にアクティブカルテと同一とする方式と、マスタカルテは分散した時点での内容とする方式とが可能である。後者の場合には、最新の患者情報は分散カルテの中にのみ存在することになる。
診療科で操作可能なカルテの内容としては、当該科直接関連し、かつ、各々の医師について自分の担当患者情報のみに限定することを原則とする。従って、複数科受診の患者の場合には、一つの診療科の医師はその患者についての他科での検査データや処置等、最新診療内容を参照することはできるが、他科カルテヘの入力等操作は一切できないようにする。この様な操作可能範囲の制御は、患者ID(識別コード)と担当医師IDの組合せによるゲート処理で実現できる。
更に、他の利用者確認手段とも組み合せて、制限機能を更に強力にして記録内容の機密保持を図ることは、より高度な利用を実現し、電子化の特徴をより発現させることにもなる。このような配慮があって始めて、安心して他科の診療情報や過去の病歴データ等が容易に利用でき、総合的な見地からの患者の情報を活用して、医療の質の向上につなげることが可能になる。
【0018】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した如く、本発明によれば、病院における各種情報を、その発生源、利用方法、利用者、管理方式等からの性質に応じた最適な配置管理を可能とする病院情報システムを実現することができ、更に、種々の規模の病院に差合する形での統合化を可能とする病院情報システムを実現できるという顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る病院情報システムの一実施例を示す構成図である。
【図2】
診療科サブシステムのハードウェア構成例を示す図である。
【図3】
診療科での診療過程の流れを示す図である。
【図4】
病院内管理情報システムと診療科との関係を示す図である。
【図5】
カルテの保存ファイルと診療科での保管ファイルとの関係を示す図である。
【図6】
検査システムにおけるオーダの処理の流れを示す図である。
【図7】
検査システムと他のシステムとの関係を示す図である。
【図8】
検査室サブシステムのハードウェア構成例を示す図である。
【図9】
放射線科サブシステムのハードウェア構成例を示す構成図である。
【図10】
本発明に係る病院情報システムの具体的構成例を示す全体構成図である。
【図11】
本発明に係る病院情報システムの具体的構成例を示す部分構成図である。
【図12】
本発明に係る病院情報システムの具体的構成例を示す部分構成図である。
【図13】
本発明に係る病院情報システムの具体的構成例を示す部分構成図である。
【符号の説明】
1…ホストコンピュータまたはサーバ、2…データベース、
3…医事サブシステム、4,5…診療科サブシステム、
6…検査室サブシステム、7…病棟サブシステム、
8…放射線科サブシステム、9…状態管理システム、10…LAN、
100…支線LAN、120…画像LAN、
40,50,60,70,80…サブシステム内のサーバ、
41,51,61,71,84…サブシステム内のファイル、
42,52,62,72,83,85…ワークステーション、
63,88…装置ファイル、82…画像表示端末、
54…画像表示機能を備えたワークステーション。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
a.特許請求の範囲の請求項1を削除する。
b.特許請求の範囲の請求項2を削除する。
c.特許請求の範囲の請求項3を請求項1とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記ワークステーションからの前記カルテヘの前記操作を、特定の条件を満足する場合に限って許可する病院情報システムであり、かつ前記特定の条件を、医師の担当する患者の当該診療科のカルテのみとすることを特徴とする病院情報システム。」とする。
d.特許請求の範囲の請求項4を請求項2とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者の診療の完了の時点、または前記保管ファイルが所定の期間アクセスされない場合に、前記保管ファイルの内容を前記保存カルテファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。」とする。
e.特許請求の範囲の請求項5を請求項3とし、その記載を「病院内の診療科又は病棟を含む診療単位における情報を処理する診療サブシステムと、前記病院内のカルテ情報を保存する保存カルテファイルと、検査サブシステムと、病院内管理情報システムと、医事システムと、それらを含む複数のシステムを統合する第1のネットワークとを有し、前記診療サブシステムは、カルテを保管する保管ファイルと、該保管ファイルの制御と、前記カルテの情報処理を実行するサーバと、前記カルテヘの診療情報の入力や記録情報の参照を行う操作が行われるシステムを備えたワークステーションと、これらを統合する第2のネットワークとを有し、前記診療サブシステム毎に、当該診療サブシステムで診療中の患者の前記カルテを前記保管ファイルに保存する病院情報システムにおいて、前記患者が複数の前記診療サブシステムの前記診療科を受診している場合、前記診療サブシステムで診療中の前記患者に関する前記保管ファイルの内容を、他の前記診療サブシステムの前記保管ファイルに転送することを特徴とする病院情報システム。」とする。
異議決定日 2001-06-12 
出願番号 特願平3-86383
審決分類 P 1 652・ 121- XA (G06F)
P 1 652・ 534- XA (G06F)
最終処分 決定却下  
前審関与審査官 高瀬 勤  
特許庁審判長 斎藤 操
特許庁審判官 村上 友幸
徳永 民雄
登録日 2000-03-03 
登録番号 特許第3038611号(P3038611)
権利者 株式会社日立製作所
発明の名称 病院情報システム  
復代理人 渡辺 昌幸  
代理人 磯村 雅俊  
復代理人 渡辺 昌幸  
代理人 磯村 雅俊  

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