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審決分類 |
審判 一部申し立て 特29条の2 D06M 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 D06M 審判 一部申し立て 2項進歩性 D06M |
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管理番号 | 1046753 |
異議申立番号 | 異議2000-72401 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-07-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-06-13 |
確定日 | 2001-07-02 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2989012号「塩素スカベンジャーを含有した布帛柔軟化組成物」の請求項1ないし5、8、10に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2989012号の請求項1ないし5、8、10に係る特許を維持する。 |
理由 |
A.手続きの経緯 本件特許第2989012号に係る発明は、平成7年8月8日に特許出願され(優先権主張 1994年10月7日 米国;国際出願番号PCT/US95/10129)、平成11年10月8日にその特許の設定登録がなされたが、その後、花王株式会社より特許異議の申立てがなされ、平成12年10月17日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内(期間延長有り)である平成13年5月1日に訂正請求がなされたものである。 B.訂正の適否についての判断 1、訂正の目的及び内容 (1)特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1におけるII.(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 (2)特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項8における(B)1項中の記載「好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン」を、「モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン」と訂正する。 (3)特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項8におけるII.(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 (4)特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項10における(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 2、訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否 上記(1)(3)及び(4)の訂正は、訂正前の上記特許請求の範囲における「塩素スカベンジャー」対して、さらに「水溶性」という要件を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正前の本件特許明細書には、「好ましい塩素スカベンジャーは水溶性(中略)である。」と記載(明細書第11頁4〜6行)されているから、当該訂正は願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 上記(2)の訂正は、訂正前の上記特許請求の範囲における「好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン」を、下位概念の化合物及びそれらの混合物に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正前の本件特許明細書には、「好ましい塩素スカベンジャーは(中略)例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミンである。」と記載(明細書第11頁4〜6行)されているから、当該訂正は願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 3、むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 C.特許異議の申立についての判断 1、特許異議申立の理由の概要 特許異議申立人 花王株式会社(以下、「申立人」という)は、甲第1、2号証を提出し、訂正前の本件請求項1〜5、8及び10に係る発明は、甲第1号証記載の発明と同一であるか、或いは甲第1号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから(主張1)、また、訂正前の本件請求項1〜5及び8に係る発明は、甲第2号証記載の先願発明と同一であるから(主張2)、本件請求項1〜5、8及び10に係る特許は取り消されるべきである旨の主張をしている。 2、主張1に対して (1)本件発明 特許異議申立に係る本件発明は、訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜5、8及び10に記載された次のとおりのものと認める。 【請求項1】I.(A)組成物の50〜95重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物;(B)1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン、好ましくは2000以下の分子量を有する、更に好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアクリルアミド 及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量、好ましくは組成物の0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜6%、最も好ましくは0.03〜5%の塩素スカベンジャー; (C)好ましくは単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤、脂肪酸コリンエステル、脂肪アミンアミド、ノニオン系界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)組成物の0〜20重量%のpH調整剤(好ましくは上記pH調整剤はBronstead酸であり、更に好ましくは上記pH調整剤はクエン酸、グルコン酸、酒石酸、1,2,3,4‐ブタンテトラカルボン酸及びそれらの混合物からなる群より選択される)を含んでなる固形粒状組成物と、 II.(A)組成物の0.5〜50重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン、好ましくは2000以下の分子量を有する、更に好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアクリルアミド 及び 9.それらの混合物からなる群より選択される、有効量、好ましくは組成物の0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜6%、最も好ましくは0.03〜5%の水溶性塩素スカベンジャー; (C)好ましくは単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤、脂肪酸コリンエステル、脂肪アミンアミド、ノニオン系界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)水、C1-C4一価アルコール、C2-C8多価アルコール、液体ポリアルキレングリコール,プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部を含んでなる液体組成物(該液体組成物は2〜5のpHを有している) からなる群より選択される、すすぎ液添加布帛柔軟化組成物。 【請求項2】生分解性カチオン系柔軟活性剤が下記一般式: Ep+〔Y‐R2〕mpX-(上記式中pは1又は2、好ましくは1である;mは2又は3、好ましくは2である;各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である;各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である;各R2はC11‐C22ヒド口カルビル又は置換ヒド口力ルビル置換基、好ましくはC15‐C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である;及び各X-は柔軟剤適合性アニオン、好ましくはクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択されるアニオンてある)を有している、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】調整剤がエトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシ化脂肪アミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるノニオン系界面活剤からなる群より選択される,請求項1に記載の組成物。 【請求項4】液体キャリアが水からなる、請求項1に記載の組成物。 【請求項5】液体キャリアが、水と、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、びそれらの混合物からなる群より選択される低分子量アルコールとの混合液である、請求項1に記載の組成物。 【請求項8】(A)組成物の0.05〜50重量%、好ましくは15〜32%の、下記一般式を有するカチオン系生分解性四級アンモニウム布帛柔軟化化合物: Ep+〔Y‐R2〕mpX-(上記式中pは1又は2、好ましくは1である;mは2又は3、好ましくは2である;各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である;各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である;各R2はC11‐C22ヒド口カルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、好ましくはC15‐C17ヒドロカルビル又は置換ヒド口カルビル置換基である;及び各X-は、好ましくはクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)1.モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド 及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の水溶性塩素スカベンジャー; (C)組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び(D)水、C1‐C4一価アルコール、C2‐C6多価アルコール、液体ポリアルキレングリコール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部 を含んでなり、組成物のpHが2〜5である、すすぎ液添加液体布帛柔軟化組成物。 【請求項10】(A)組成物の3〜50重量%の、下記一般式を有するカチオン系生分解性四級アンモニウム布帛柔軟化化合物: Ep+〔Y‐R2〕mpX- (上記式中Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である;pは1である;Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である;mは2である;R2はC15‐C17ヒド口カルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である、;X-は、クロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)組成物の0.001〜10重量%の、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群から選択されるアンモニウム塩からなる水溶性塩素スカベンジャー; (C)エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるノニオン系界面活性剤からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)水 を含んでなり、2〜5のpHを有している、液体すすぎ液添加布帛柔軟化組成物。 (以下、【請求項1】記載の発明を「本件訂正発明1」といい、【請求項2】記載の発明以下の発明を順次「本件訂正発明2」などという) (2)申立人の提出した甲号証の記載事項 甲第1号証:特開平6-228877号公報 a.「下記(a),(b)および(c)成分を含有し、pHが2.5〜5の範囲にあることを特徴とする液体柔軟剤組成物。 (a)化1(一般式I)で表されるジ長鎖第4級アンモニウム塩:3〜30重量% (中略) (b)炭素数が10〜18の脂肪酸のアルカノールアミン塩:0.3〜5重量% (c)アルキレンオキシド付加型ノニオン界面活性剤:0.1〜10重量%」(特許請求の範囲第1項) b.「脂肪酸のアルカノールアミン塩は、本発明の柔軟剤組成物中に0.3〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%配合される。この配合量が0.3重量%未満であると、pH変化抑制効果が期待できない。」(段落【0025】) 甲第2号証:特願平5-188890号の明細書(特開平7-18577号公報) c.「(A)下記化1の一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩:3〜30重量% (B)下記化2の一般式(II)で表されるモノ長鎖アルキルアミン又はその中和物及び化3に一般式(III)で表されるモノアルキルアミンエトキシレートから選ばれる1種ないしは2種以上:0.1〜3重量% (C)炭素数10〜20のアルコール、アミン又は脂肪酸にエチレンオキシド20〜100モル付加したエトキシレート:0.01〜10重量%を含有することを特徴とする液体柔軟剤組成物。 (中略) 【化2】 R8 | N-R7 (II) | R9 (R7:炭素数11〜23のアルキル基またはアルケニル基 R8,R9:-CH3基又は-H基) (後略)」(特許請求の範囲) d.「(B)成分は、本発明の柔軟剤組成物中に0.1〜3.0重量%、好ましくは0.3〜1.5重量%配合される。この配合量が0.1重量%未満では、低温保存時の安定化効果が不十分であり」(段落【0018】) (3)対比・判断 a.主張1に関して (本件訂正発明1に対して) 本件訂正発明1における液体組成物(II)に係る発明(前者)と上記甲1号証記載の発明(後者)とを対比すると、両者は共に布帛に適用する液体柔軟剤組成物である点で軌を一にするものであるが、前者は、(B)成分として特に「1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン、好ましくは2000以下の分子量を有する、更に好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアクリルアミド 及び 9.それらの混合物からなる群より選択される水溶性塩素スカベンジャー」を含むことを発明の要件(以下、この要件を「本件水溶性塩素スカベンジャー要件」という)の一つとするものであるが、後者においては当該要件についてはなんら記載されておらず示唆する記載もない点で相違している。 この相違点に関して、申立人は、「甲第1号証には(b)成分として、炭素数が10〜18の脂肪酸のアルカノールアミン塩、具体的には、ステアリン酸ジエタノールアミンなど、すなわち、二級アミンが用いられていることが記載されている」旨の主張(申立書第11頁末行〜第12頁4行)をしている。 しかしながら、甲第1号証に記載されているステアリン酸ジエタノールアミンなどの炭素数が10〜18の脂肪酸のアルカノールアミン塩は、広義には二級アミン化合物であるといえるけれども、分子内に10〜18の脂肪酸残基を持つことから水溶性の化合物であるとは認められず、甲第1号証に記載されているステアリン酸ジエタノールアミンなどの炭素数が10〜18の脂肪酸のアルカノールアミン塩は前者における「水溶性アミン」と異なる化合物であると認められる。 しかも、後者において「炭素数が10〜18の脂肪酸のアルカノールアミン塩」を配合する目的は「液体柔軟剤組成物に対するpH変化抑制効果」(上記bの記載参照)であって、甲第1号証には、前者における塩素スカベンジャーという作用効果についてなんら記載されていない。 したがって、両者が同一の発明であるはいえないし、また、前者が後者から当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (本件訂正発明2〜5に対して) 本件訂正発明2〜5は、本件訂正発明1の液体柔軟剤組成物の成分をそれぞれ下位概念の化合物に限定した発明であるから、上記aの(本件訂正発明1に対して)において記載した理由と同様の理由により、本件訂正発明2〜5が甲第1号証記載の発明と同一の発明であるはいえないし、また、本件訂正発明2〜5が甲第1号証記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (本件訂正発明8に対して) 本件訂正発明8は、本件訂正発明1の液体柔軟剤組成物の成分(B)1のアミンをを下位概念の化合物及びそれらの混合物に限定した発明であるから、上記aの(本件訂正発明1に対して)において記載した理由と同様の理由により、本件訂正発明8が甲第1号証記載の発明と同一の発明であるはいえないし、また、本件訂正発明8が甲第1号証記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (本件訂正発明10に対して) 本件訂正発明10は、本件訂正発明1の液体柔軟剤組成物の組成を下位概念のものに限定した発明であるから、上記aの(本件訂正発明1に対して)において記載した理由と同様の理由により、本件訂正発明10が甲第1号証記載の発明と同一の発明であるはいえないし、また、本件訂正発明10が甲第1号証記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 b.主張2に関して (本件訂正発明1に対して) 本件訂正発明1における液体組成物(II)に係る発明(前者)と上記甲2号証記載の発明(先願明細書記載の発明)とを対比すると、両者は共に布帛に適用する液体柔軟剤組成物である点で軌を一にするものであるが、前者の組成物は、特に上記「本件水溶性塩素スカベンジャー要件」を具備するものであるのに対して、後者においては当該要件についてはなんら記載されていない点で相違している。 この相違点に関して、申立人は、「甲第2号証には(B)成分として、一級アミン、二級アミンなど前者と同一のアミンを用いることが記載されている」旨の主張(申立書第18頁末行〜第19頁2行)をしている。 しかしながら、甲第2号証に記載されている(B)成分のモノ長鎖アルキルアミンは、分子内に少なくとも炭素数11のアルキル基またはアルケニル基を持つことから(上記cの記載参照)水溶性の化合物であるとはいえず、甲第2号証に記載されているモノ長鎖アルキルアミンと前者における「水溶性のアミン」とは異なる化合物であると認められる。 しかも、後者においてこの化合物を配合する目的は、「液体柔軟剤組成物の低温保存時の安定化」(上記dの記載参照)であって、甲第2号証には前者における塩素スカベンジャーという作用効果についてなんら記載されていない。 したがって、前者が先願明細書に記載された発明であるとはいえない。 (本件訂正発明2〜5に対して) 本件訂正発明2〜5は、本件訂正発明1の液体柔軟剤組成物の成分をそれぞれ下位概念の化合物に限定した発明であるから、上記bの(本件訂正発明1に対して)において記載した理由と同様の理由により、本件訂正発明2〜5が先願明細書に記載された発明であるとはいえない。 (本件訂正発明8に対して) 本件訂正発明8は、本件訂正発明1の液体柔軟剤組成物の成分(B)1のアミンを下位概念の化合物及びそれらの混合物に限定した発明であるから、上記bの(本件訂正発明1に対して)において記載した理由と同様の理由により、本件訂正発明8が先願明細書に記載された発明であるとはいえない。 4、むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし5、8、10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし5、8、10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 塩素スカベンジャーを含有した布帛柔軟化組成物 【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は低レベルの塩素スカベンジャーを含有した液体及び固体布帛柔軟化組成物に関する。その組成物はすすぎ水中に存在する低レベルの塩素に影響されやすい布帛の色の色あせを最少に抑える。 発明の背景 塩素は水をきれいにするために世界の多くの地域で用いられている。確かに水が安全であるようにするためには、わずかな残留量、典型的には約1〜2ppmの塩素が水中に残される。US地域の少くとも約10%では、ときどきそこの水道水中に約2ppm以上の塩素を有している。水道水中にあるこの少量の塩素は、ある布帛染料の色あせを起こしうることがわかっている。布帛色あせを減少させるために塩素スカベンジャーを含有した洗濯洗剤組成物の使用は当業界で知られている。しかしながら、もっと少ない塩素スカベンジャーでも、すすぎ液添加布帛柔軟剤組成物中に配合されると、それより多量の塩素スカベンジャーを含有した洗剤組成物に匹敵する効果を発揮することが、ここに発見されたのである。典型的な洗浄液中には、残留塩素を除去して塩素感受性染料へのダメージを最少に抑えるために十分な汚れが布帛上に通常存在していると考えられる。しかしながら、すすぎサイクルだと汚れレベルは著しく減少して、一部の染料は何回もの洗濯サイクル後にあせることがある。このため、水道水に起因した経時的な布帛色あせは、洗浄水よりもすすぎ水中における残留塩素の存在の結果である。布帛上に留まった多量の塩素スカベンジャーがすすぎサイクルにとり十分な残留活性を発揮するように用いられないかぎり、これは洗浄サイクル後になくなる洗濯洗剤中の塩素スカベンジャーの存在が解決できていない問題である。本発明のすすぎ液添加柔軟剤組成物の二次的効果は、塩素ブリーチがしみとり又は衛生目的で洗浄液中に用いられたときに、洗濯布帛の塩素臭を消失又は減少させるそれらの能力である。もう1つの二次的効果は、最終布帛上に留まらない水溶性塩素スカベンジャーを用いる能力である。残存は蓄積と布帛の変色を起こすことがあり、したがって望ましくない。 発明の要旨 本発明は: I.(A)組成物の約50〜約95重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.アミン 2.以下に特定の単純なアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の塩素スカベンジャー; (C)組成物の約0〜約30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)組成物の約0〜約20重量%のpH調整剤 を含んでなる固形粒状組成物と、 II.(A)組成物の約0.5〜約50重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.アミン 2.以下に特定の単純なアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の塩素スカベンジャー; (C)組成物の約0〜約30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤; (D)水、C1‐C4一価アルコール、C2‐C8多価アルコール、液体ポリアルキレングリコール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部 を含んでなる液体組成物(該液体組成物は約2〜約5のpHを有している)からなる群より選択されるすすぎ液添加布帛柔軟化組成物(rinse-added fabric softeing composition)に関する。 発明の具体的な説明 本発明は: I.(A)組成物の約50〜約95重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.アミン 2.以下に特定の単純なアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の塩素スカベンジャー; (C)組成物の約0〜約30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)組成物の約0〜約20重量%のpH調整剤 を含んでなる固形粒状組成物と、 II.(A)組成物の約0.5〜約50重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.アミン 2.以下に特定の単純なアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の塩素スカベンジャー; (C)組成物の約0〜約30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤; (D)水、C1‐C4一価アルコール、C2‐C8多価アルコール、液体ポリアルキレングリコール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部 を含んでなる液体組成物(該液体組成物は約2〜約5のpHを有している)からなる群より選択されるすすぎ液添加布帛柔軟化組成物に関する。 (A)生分解性カチオン系布帛柔軟活性剤 好ましい布帛柔軟活性剤は、長い疎水基にエステル結合鎖を含んだ下記式を有する生分解性カチオン系エステル四級アンモニウム柔軟活性剤(EQA)である: Ep+〔Y‐R2〕mpX- 上記式中 pは1又は2である; mは2又は3である; 各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; 各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; R2は同一又は異なるC11-C22ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、好ましくはアルキル及び/又はアルケニルである; X-はクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸等のような柔軟剤適合性アニオンである。 好ましくはEは (1)(R)4-m、N+〔(CH2)n〕m(mは2又は3である) (2)(R)3N+(CH2)nCH-CH2及び (3)それらの混合 からなる群より選択される; 上記式中 nは1〜4である; 各RはC1-C6アルキル又は置換アルキル基(例えばヒドロキシアルキル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル)、好ましくはC1-C3アルキル基、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル等、ベンジル基、水素及びそれらの混合である;及び R2はC11-C22脂肪アシル基から誘導される。 上記式(1)のEを有した好ましいEQAは下記式を有している: (R)4-mN+〔(CH2)n‐Y‐R2〕mX- 上記式中:Y=‐O‐(O)C‐又は-C(O)‐O‐;m=2又は3;各n=1〜4;各R置換基は短鎖C1-C6、好ましくはC1-C3アルキル基、例えばメチル(最も好ましい)、エチル、プロピル等、C1-C3ヒドロキシアルキル基、ベンジル又はそれらの混合である;各R2は長鎖で、好ましくは少くとも部分的に不飽和、例えば約5以上で約100以下のヨウ素価(IV)のC11-C22ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル基である;対イオンX-はいずれかの柔軟剤適合性アニオン、例えばクロリド、ブロミド、メチル硫酸、ギ酸、硫酸、硝酸等である。 E(1)の生分解性柔軟活性剤の非制限例は、N,N‐ジ(タロウオイルオキシエチル)‐N,N-ジメチルアンモニウムクロリド及びN,N‐ジ(タロウオキシエチル)‐N‐(2‐ヒドロキシエチル)‐N‐メチルアンモニウムメチルサルフェートである。 E(2)の生分解性柔軟活性剤の非制限例は、1,2‐ジタロウオイルオキシ‐3‐トリメチルアンモニオプロパンクロリドである。 完全飽和アルキル基(R2)で作られたEQA化合物は急速生分解性で、優れた柔軟剤である。しかしながら、少くとも部分的に不飽和のアルキル基で作られた化合物は多くの利点(即ち、濃縮性及び良好な貯蔵粘度)を有しており、消費製品として高度に許容される。不飽和アルキル基を有したEQAは、飽和アルキル基を有したEQAと比較して、改善された布帛水吸収性も与える。 不飽和アシル基を用いた最大効果を得るために調整されねばならない可変要素には、脂肪酸のヨウ素価(IV)、脂肪アシル基のシス/トランス異性体重量比と、脂肪酸及び/又はEQAの臭気がある。以下のIV価への言及は脂肪アシル/アルキル基のIVに関するもので、得られるEQA化合物に関するものではない。 脂肪アシル基のIVが約20以上であるとき、EQAは優れた静電気防止効果を発揮する。静電気防止効果は布帛がタンブルドライヤーで乾燥される場合、及び/又は静電気を生じる合成物質が用いられる場合に特に重要である。最大静電気抑制は約20以上、好ましくは約40以上のIVで起きる。完全飽和EQA組成物が用いられるときには、静電気抑制力は乏しい。しかも、柔軟剤濃度の高い処方ほど典型的に高いヨウ素価を要する。濃縮性の効果には、パッケージング物質の使用量減少、有機溶媒、特に揮発性有機溶媒の使用量減少、性能に何も影響しない濃縮助剤の使用量減少等がある。 IVが上がると、臭気問題の可能性がある。獣脂のような脂肪酸の一部の高度に望ましい易入手源は、原料獣脂を最終EQAに変換する化学的及び機械的加工処理ステップにもかかわらず、化合物EQAに残存する臭気を有している。このような供給源は、当業界で周知のように、例えば吸収、蒸留(スチーム除去のような除去を含む)等により脱臭されねばならない。加えて、酸化防止剤、抗菌剤等を加えることにより、酸素及び/又は細菌への生じる脂肪アシル基の接触を最少に抑える注意が払われねばならない。不飽和脂肪アシル基にかけた余分な費用及び努力は、優れた濃縮性及び/又は性能により正当化される。例えば、不飽和脂肪アシル基を有するEQAは、追加濃縮助剤、特に界面活性濃縮助剤の必要性なしに、約13%以上濃縮することができる。 高度不飽和脂肪アシル基、即ち約65重量%以上の全不飽和率を有する脂肪アシル基から誘導されたEQAは、静電気防止性についていかなる追加改善も示さない。しかしながら、それらは布帛の改善された水吸収性のような他の効果を発揮できるかもしれない。一般的に、約40〜約65のIV範囲が濃縮性、脂肪アシル源の最大化、優れた柔軟性、静電気抑制等にとり好ましい。 ジエステル化合物の高濃縮水性分散液は低温(40°F、約4℃)貯蔵中にゲル化及び/又は増粘化しうる。不飽和脂肪酸のみから作られたジエステル化合物はこの問題を最少に抑えるが、逆に悪臭形成をもっと起こしやすくなる。約5〜約25、好ましくは約10〜約25、更に好ましくは約15〜約20のIVと、約30/70以上、好ましくは約50/50以上、更に好ましくは約70/30以上のシス/トランス異性体重量比を有する脂肪酸から作られるジエステル化合物を含有した組成物は低温で貯蔵安定性であり、臭気形成も最少である。これらのシス/トランス異性体重量比はこれらのIV範囲で最良濃縮性を示す。約25以上のIV範囲のとき、シス対トランス異性体の比率はもっと高い濃度が必要とされないかぎりさほど重要でない。いかなるIVでも、水性組成物で安定である濃度は安定性に関する基準(例えば、約5℃に下がるまで安定;0℃に下がるまで安定;ゲル化しない;ゲル化しても、加熱で回復する;等)及び存在する他成分に依存するが、安定である濃度は望ましい安定性を得るために濃縮助剤を加えることで高めることができる。 通常、多不飽和を減少させかつIVを低下させて、良好な色と改善された香気及び香気安定性を保証するための、脂肪酸の水素付加によれば、分子中で高度のトランス配置にできる。しかしながら、低IV値を有する脂肪アシル基から誘導されるジエステル化合物は、約5〜約25のIVとなる比率で完全水素付加脂肪酸を低水素付加脂肪酸と混合することにより得られる。低硬化脂肪酸の多不飽和含有率は約5%以下、好ましくは約1%以下であるべきである。低硬化中に、シス/トランス異性体重量比は、例えば最適の混合により特別な触媒を用いて高H2利用性を図る等の、当業界で知られる方法によりコントロールされる。高いシス/トランス異性体重量比の低硬化脂肪酸は市販されている(即ち、FINAからRadiacid 406)。 R2はアルコキシル又はヒドロキシル基のような様々な基で場合により置換できることが理解されるであろう。好ましい化合物の一部は、汎用布帛柔軟剤であるジタロウジメチルアンモニウムクロリド(DTDMAC)のジエステルバリエーションであると考えることができる。好ましくは、EQAの少くとも約80%がジエステルである。好ましくは約20%以下、更に好ましくは約10%以下がEQAモノエステル(例えば、1つだけの‐Y‐R2基)であるべきだ。 本明細書で用いられるように、ジエステルが記載されているとき、それには通常存在するモノエステルを含めている。モノエステルのレベルはEQAの製造に際してコントロールできる。好ましくは、わずかなモノエステルが存在している。ジエステル対モノエステルの全体比率は約100:1〜約2:1、好ましくは約50:1〜約5:1、更に好ましくは約13:1〜約8:1である。高洗剤キャリーオーバー条件下において、ジ/モノエステル比は好ましくは約11:1である。 本発明の液体組成物は、典型的には約0.5〜約50%、好ましくは約1〜約35%、更に好ましくは約4〜約32%の生分解性ジエステル四級アンモニウム柔軟活性剤を含有している。 後で記載されるような本発明の粒状固形顆粒組成物は、典型的には約50〜約95%、好ましくは約60〜約90%の生分解性ジエステル四級アンモニウム柔軟活性剤を含有している。 (B)塩素スカベンジャー 塩素スカベンジャーとは、塩素、又は次亜塩素酸塩のような塩素発生物質と反応して、塩素物質の漂白活性を消失又は減少させる活性剤である。すすぎ液添加布帛柔軟剤組成物の場合には、すすぎ水中で約10ppmの塩素を中和する、好ましくは約4ppmの塩素を中和する、更に好ましくは約2ppmの塩素を中和する、更に一層好ましくはすすぎ水中で約1ppmを中和するために十分な塩素スカベンジャーを配合することが適切である。洗浄中における塩素漂白剤の使用からの布帛塩素臭の消失又は減少のために、すすぎ液添加布帛柔軟剤組成物はすすぎ水中で約10ppmを中和するために十分な塩素スカベンジャーを含有しているべきである。 典型的には、本発明の柔軟剤組成物は平均すすぎ浴中に存在する約0.1〜約40ppm、好ましくは約0.2〜約20ppm、更に好ましくは約0.3〜約10ppmの塩素と反応するために十分な塩素スカベンジャーを供給する。本発明の液体柔軟剤組成物中における塩素スカベンジャーの適切なレベルは、 約0.01〜約10%、好ましくは約0.02〜約5%、最も好ましくは 約0.03〜約4%の範囲である。スカベンジャーのカチオン及びアニオン双方が塩素と反応するならば、その方が望ましいけれども、そのレベルは相当量の有効塩素と反応するように調整される。 塩素スカベンジャーの非制限例には、アミン、好ましくは一級及び二級脂肪アミンを含めた一級及び二級アミンと、アルカノールアミン;アンモニウム塩、これは塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムとそれらの混合物からなる群から選択される;アミン官能ポリマー;アミノ基を有するアミノ酸ホモポリマー及びそれらの塩、例えばポリアルギニン、ポリリジン、ポリヒスチジン;アミノ基を有するアミノ酸コポリマー及びそれらの塩、但し1,5‐ジアンモニウム‐2‐メチルパンテンジクロリドでもリジン一塩酸塩でもない;アミノ酸及びそれらの塩、好ましくは1分子当たり2以上のアミノ 基を有したもの、例えばアルギニン、ヒスチジン、但し、亜硫酸、重亜硫酸、チオ硫酸、亜硝酸のようなアニオンを還元するリジン以外;酸化防止剤、例えばアスコルベート、カルバメート、フェノール類;それらの混合物がある。 好ましい塩素スカベンジャーは水溶性、特に低揮発性の低分子量一級及び二級アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンンテトラミンである。これらのアミンは、たとえそれらの固有アルカリ度を中和する上でより多くの酸の添加を要するとしても、高度に望ましい。 適切な塩素スカベンジャーポリマーには、水溶性アミン官能ポリマー、例えばポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリアミンアミド、ポリアクリルアミド及びそれらの混合物がある。好ましいポリマーはポリエチレンイミン、ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミン及びそれらの縮合生成物以外と、ポリアミンアミドである。本発明の布帛柔軟化組成物で使用上好ましいポリマーは、ポリエチレンイミンである。好ましいポリエチレンイミンは約2000以下、更に好ましくは約200〜約1500の分子量を有する。 本発明の液体すすぎ液添加布帛柔軟剤組成物で使用上好ましい塩素スカベンジャーは、水溶性液体又は固体物質である。本発明の固形すすぎ液添加布帛柔軟剤組成物で使用の塩素スカベンジャーは、好ましくは固体、例えば水溶性アミン、アミン塩及び/又はポリマーである。塩素スカベンジングアミン官能物質は、それらが組成物中に加えられる前に、酸で中和されることが好ましい。この中和が実際にアミンをアンモニウム塩に変換する。液体組成物と、液体に再調製しうる固形組成物の場合に、無機多価アニオン、例えば硫酸、リン酸を含む塩素スカベンジャーは液体組成物のイオン強度を有意に増加させ、このため不都合な組成物粘度、例えばゲル化を起こす可能性がある。一般的に、液体組成物と、液体に再調製しうる固形組成物の場合に、好ましいポリマー塩素スカベンジャーは約5000以下、更に好ましくは約200〜約2000、更に一層好ましくは約200〜約1000の平均分子量を有する。低分子量ポリマーの方が布帛から除去されやすいため、塩素スカベンジャーの蓄積と、ひいては布帛の変色を起こしにくい。 過酸化水素及び過酸化水素発生物質、例えば過ホウ酸、過炭酸、過カルボン酸が塩素スカベンジャーとして働く。しかしながら、それら自体が布帛色あせを起こす可能性があるため、それらは本発明の範囲外である。 塩素スカベンジャー及び布帛柔軟活性剤を含有した布帛柔軟剤組成物は、これら2物質の比率及び割合を様々に変えて提供できる。勿論、塩素スカベンジャーの量は、すすぎサイクルで予想される残留塩素のレベルに応じて変えることができる。 (C)任意の粘度/分散性調整剤 粘度/分散性調整剤は、本発明の布帛柔軟化組成物を濃縮させる目的で加えることができる。 (1)単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤 モノ長鎖アルキル(水溶性)カチオン系界面活性剤は: (a)粒状顆粒組成物の場合、0〜約30%、好ましくは約3〜約15%、更に好ましくは約5〜約15%のレベルであり、 (b)液体組成物の場合、0〜約30%、好ましくは約0.5〜約10%のレベルである(存在する全単一長鎖カチオン系界面活性剤は少くとも有効レベルである)。 本発明で有用なこのようなモノ長鎖アルキルカチオン系界面活性剤は、好ましくは下記一般式の四級アンモニウム塩である: 〔R3N(+)R3〕X(-) 上記式中各R基はC1-C3アルキル又はヒドロキシアルキル基、例えばメチル、エチル、ヒドロキシエチル等、水素とそれらの混合である;R3基はC10-C22炭化水素基、好ましくはC12-C18アルキル基、又はエステル結合鎖及びN間で短いアルキレン(C1-C4)基で遮断されてかつ類似炭化水素基を有した対応エステル結合鎖、例えばコリンの脂肪酸エステル、好ましくはC12‐C14(ココ)コリンエステル及び/又はC16-C18タロウコリンエステルである。各R及びX(-)は前記と同様の意味を有する。 上記範囲は、本発明の組成物に加えられる単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤の量を表す。その範囲には成分(A)、ジエステル四級アンモニウム化合物に既に存在するモノエステルの量を含まず、全存在量は少くとも有効レベルである。 単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤の長鎖基R3は、典型的には約10〜約22の炭素原子、固形組成物の場合で好ましくは約12〜約16の炭素原子、液体組成物の場合で好ましくは約12〜約18の炭素原子を有するアルキル基を含んでいる。このR3基は、親水性、生分解性等の増加にとり望ましいエステル、アミド、エーテル、アミン等、好ましくはエステル結合基を1以上含んだ基を介して、カチオン性窒素原子に結合させることができる。このような結合基はその窒素原子に対して約3以内の炭素原子であることが好ましい。長鎖中にエステル結合鎖を含んだ適切な生分解性単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤は、1989年6月20日付で発行されたHardy及びWalleyの米国特許第4,840,738号明細書で記載されており、上記特許は参考のため本明細書に組み込まれる。 対応非四級アミンが用いられるならば、エステル基を安定化させるために加えられたいかなる酸(好ましくは、鉱酸又はポリカルボン酸)も、アミンがカチオン基を有するように、組成物中で、好ましくはすすぎ液中でアミンをプロトン化させておける。組成物は、水性液体濃縮製品で適切な有効電荷密度を維持するために、例えば低濃縮製品を形成する上で更なる希釈時に及び/又は洗濯プロセスのすすぎサイクルヘの添加時に、約2〜約5、好ましくは約2〜約4のpHに調整される。 水溶性カチオン系界面活性剤の主要機能は、組成物の粘度を下げること及び/又はジエステル柔軟剤化合物の分散性を増加させることであると理解され、したがってこれはそのケースではないかもしれないが、カチオン系界面活性剤自体が実質的に柔軟化させる性質を有していることは必須ではない。しかも、単一長鎖アルキル鎖のみを有する界面活性剤は、おそらくそれらが水に大きな溶解度を有しているため、すすぎ液中に繰り越されたアニオン系界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーと相互作用しないように、ジエステル柔軟剤を保護することができる。 単一のC12‐C30アルキル鎖を有するアルキルイミダゾリン、イミダゾリニウム、ピリジン及びピリジニウム塩のような環構造をした他のカチオン系物質も使用できる。非常に低いpHが、例えばイミダゾリン環構造を安定化させるために要求される。 本発明で有用な一部のアルキルイミダゾリニウム塩は下記一般式を有する: 上記式中Y2‐C(O)‐O‐、‐O‐(O)‐C‐、‐C(O)‐N(R7)又は‐N(R7)‐C(O)‐であって、ここでR7は水素又はC1‐C4アルキル基であり、R5はC1‐C4アルキル基であり、R4及びR6は単一長鎖カチオン系界面活性剤について前記されたR及びR3から各々独立して選択されるが、但し1つだけはR3であり、X(-)は前記と同様の意味を有する。 本発明で有用な一部のアルキルピリジニウム塩は下記一般式を有する: 上記式中R3及びX(-)は前記のとおりである。このタイプの典型的物質はセチルピリジニウムクロリドである。 アミンオキシドも使用できる。適切なアミンオキシドには、炭素原子約8〜約22、好ましくは炭素原子約10〜約18、更に好ましくは炭素原子約8〜約14の1つのアルキル又はヒドロキシアルキル部分と、炭素原子約1〜約3のアルキル基及びヒドロキシアルキル基からなる群より選択される2つのアルキル部分を有したものがある。 例としては、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジエチルデシルアミンオキシド、ビス(2‐ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ジメチルドデシルアミンオキシド、ジプロピルテトラデシルアミンオキシド、メチルエチルヘキサデシルアミンオキシド、ジメチル‐2‐ヒドロキシオクタデシルアミンオキシド及びココナツ脂肪アルキルジメチルアミンオキシドがある。 (2)ノニオン系界面活性剤(アルコキシル化物質) 粘度/分散性調整剤として働く適切なノニオン系界面活性剤には、エチレンオキシド、場合によりプロピレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アミン等との付加生成物がある。それらはエトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪酸及びエトキシル化脂肪アミンと称される。 後で記載される具体的タイプのアルコキシル化物質はいずれもノニオン系界面活性剤として使用できる。一般的に、このノニオン系は単独で用いられるとき、固形組成物の場合で約5〜約20%、好ましくは約8〜約15%のレベルであり、液体組成物の場合で0〜約5%、好ましくは約0.1〜約5%、更に好ましくは約0.2〜約3%のレベルである。適切な化合物は、下記一般式の実質的に水溶性の界面活性剤である: R2‐Y3‐(C2H4O)n‐C2H4OH 上記式中R2は固形及び液体双方の組成物で一級、二級及び分岐鎖アルキル及び/又はアシルヒドロカルビル基;一級、二級及び分岐鎖アルケニルヒドロカルビル基;一級、二級及び分岐鎖アルキル‐及びアルケニル‐置換フェノール系ヒドロカルビル基からなる群より選択され、上記ヒドロカルビル基は炭素原子約8〜約20、好ましくは約10〜約18のヒドロカルビル鎖長を有している。更に好ましくは、ヒドロカルビル鎖長は液体組成物の場合で約16〜約18の炭素原子、固形組成物の場合で約10〜約14の炭素原子である。本エトキシル化ノニオン系界面活性剤に関する一般式において、Y3は典型的には‐O‐、 ‐C(O)O‐、‐C(O)N(R)‐又は‐C(O)N(R)R‐であり、R2及びRは存在するとき前記の意味を有し、及び/又はRは水素であり、nは少くとも約8、好ましくは少くとも約10〜11である。柔軟剤組成物の性能と、通常安定性は、エトキシレート基がそれ以下で存在するとき減少する。 本ノニオン系界面活性剤は約7〜約20、好ましくは約8〜約15のHLB(親水性‐親油性バランス)により特徴付けされる。勿論、R2とエトキシレート基の数を規定することにより、界面活性剤のHLBが一般的に決定される。しかしながら、本発明で有用なノニオン系エトキシル化界面活性剤は濃縮液体組成物の場合に比較的長鎖のR2基を含み、比較的高度にエトキシル化されていることが注記される。短いエトキシル化基を有する短アルキル鎖界面活性剤も必須HLBを有するが、それらは本発明で有効としてではない。 粘度/分散性調整剤としてのノニオン系界面活性剤は、香料が高レベルの組成物の場合に、本明細書で開示された他の調整剤よりも好ましい。 ノニオン系界面活性剤の例は以下である。本発明のノニオン系界面活性剤はこれらの例に限定されない。例中で、整数は分子中におけるエトキシル(EO)基の数を表す。 (3)直鎖一級アルコールアルコキシレート 本明細書で記載された範囲内のHLBを有するn‐ヘキサデカノール及びn‐オクタデカノールのデカ、ウンデカ、ドデカ、テトラデカ及びペンタデカ‐エトキシレートが、本発明の関係において有用な粘度/分散性調整剤である。組成物の粘度/分散性調整剤として本発明で有用な例示エトキシル化一級アルコールはn‐C18EO(10)及びn‐C10EO(11)である。“タロウ”鎖長範囲にある混合天然又は合成アルコールのエトキシレートも本発明では有用である。このような物質の具体例には、タロウアルコール‐EO(11)、タロウアルコール‐EO(18)及びタロウアルコール‐EO(25)がある。 (4)直鎖二級アルコールアルコキシレート 本明細書で記載された範囲内のHLBを有する3‐ヘキサデカノール、2‐オクタデカノール、4‐エイコサノール及び5‐エイコサノールのデカ、ウンデカ、ドデカ、テトラデカ、ペンタデカ、オクタデカ及びノナデカ‐エトキシレートが、本発明の関係において有用な粘度/分散性調整剤である。組成物の粘度/分散性調整剤として本発明で有用な例示エトキシル化二級アルコールは、2‐C16EO(11)、2-C20EO(11)及び2-C16EO(14)である。 (5)アルキルフェノールアルコキシレート アルコールアルコキシレートの場合にように、本明細書で記載された範囲内のHLBを有するアルキル化フェノール、特に一価アルキルフェノールのヘキサ〜オクタデカ‐エトキシレートが、本組成物の粘度/分散性調整剤として有用である。p‐トリデシルフェノール、m‐ペンタデシルフェノール等のヘキサ〜オクタデカ‐エトキシレートが本発明では有用である。混合物の粘度/分散性調整剤として本発明で有用な例示エトキシル化アルキルフェノールは、p‐トリデシルフェノールEO(11)及びp‐ペンタデシルフェノールEO(18)である。 本発明で用いられ、当業界で通常認識されているように、ノニオン式中のフェニレン基は2〜4の炭素原子を含むアルキレン基の相当物である。本目的にとり、フェニレン基を含むノニオン系は、アルキル基中の炭素原子+各フェニレン基につき炭素原子約3.3の合計として計算された、相当数の炭素原子を含むと考えられる。 (6)オレフィン性アルコキシレート すぐ上で開示されたものに相当する、一級及び二級双方のアルケニルアルコールとアルケニルフェノールも、本明細書で記載された範囲内のHLBまでエトキシル化させて、本組成物の粘度/分散性調整剤として使用できる。 (7)分岐鎖アルコキシレート 周知“OXO”プロセスから入手できる分岐鎖一級及び二級アルコールもエトキシル化させて、本組成物の粘度/分散性調整剤として使用できる。 上記エトキシル化ノニオン系界面活性剤は本組成物において単独でも又は組合せでも有用であり、“ノニオン系界面活性剤”という用語には混合ノニオン系界面活性剤を含む。 (8)混合物 “混合物”という用語には、DEQA中に存在するモノエステルに加えて、組成物に加えられるノニオン系界面活性剤及び単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤を含む。 上記粘度/分散性調整剤の混合物は高度に望ましい。単一長鎖カチオン系界面活性剤は、洗浄液から繰り越されたアニオン系界面活性剤及び/又は洗浄ビルダーに対して、主要DEQAの改善された分散性と保護を示す。 粘度/分散性調整剤の混合物は、固形組成物の場合だと組成物の約3〜約30重量%、好ましくは約5〜約20%、液体組成物の場合だと約0.1〜約30%、好ましくは約0.2〜約20%のレベルで存在する。 (D)任意のpH調整剤 生分解性カチオン系ジエステル四級アンモニウム布帛柔軟活性剤は加水分解に対してやや不安定であるため、安定な希釈又は濃縮液体柔軟剤組成物を形成するためには、水が加えられる固形粒状組成物中に任意のpH調整剤を含有させることが好ましい。上記の再調製された安定な液体組成物は、約2〜約5、好ましくは約2〜約4.5、更に好ましくは約2〜約4のpH(ニート)を有しているべきである。 pHは、固体水溶性Bronsted酸を配合することにより調整できる。適切なBronsted酸の例には、ホウ酸、重硫酸ナトリウム、重硫酸カリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸カリウム及びそれらの混合物のような無機鉱酸;クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、タンニン酸、グリコール酸、クロロ酢酸、フェノキシ酢酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、o‐トルエンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンホスホン酸、シュウ酸、1,2,4,5‐ピロメリット酸、1,2,4‐トリメリット酸、アジピン酸、安息香酸、フェニル酢酸、サリチル酸、コハク酸及びそれらの混合物のような有機酸;無機鉱酸及び有機酸の混合物がある。好ましいpH調整剤はクエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、1,2,3,4‐ブタンテトラカルボン酸及びそれらの混合物である。 場合により、シクロデキストリン及びゼオライトのような固体包接化合物を形成できる物質が、酢酸、HCl、硫酸、リン酸、硝酸等のような濃液体酸のホストキャリアとして固形粒状組成物中でアジュバントとして使用できる。リン酸、硫酸及び硝酸の包接複合体の例と、それらの製造方法は、1982年12月21日付で発行されたSzejtliらの米国特許第4,365,061号明細書で開示されており、上記特許は参考のため本明細書に組み込まれる。 用いられる場合、pH調整剤は典型的には約0.01〜約20%、好ましくは約0.1〜約10%、更に好ましくは約0.2〜約5%のレベルで用いられる。 (E)液体キャリア 本組成物で用いられる液体キャリアは、水と、場合により水に高度に可溶性な低分子量有機溶媒、例えばC1-C4一価及びC2-C6多価アルコール、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、アルキレンカーボネート及びそれらの混合物を含有した水性系であることが好ましい。これら水溶性溶媒の例には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n‐ブチルアルコール、t‐ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物がある。水は、その低コスト、入手可能性、安全性及び環境適合性のために好ましい液体キャリアである。水には蒸留、脱イオン又は水道水がある。水と、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びそれらの混合物のような低分子量短鎖アルコールの混合物も、好ましいキャリアである。 インスタント液体組成物中における液体キャリアのレベルは、約50%以上、好ましくは約65%以上、更に好ましくは70%以上である。液体キャリア中における水のレベルは、約50重量%以上、好ましくは約80%以上、更に好ましくは約85%以上のキャリアである。 発明のもう1つの面において、水は約0.5〜約50%、好ましくは約1〜約35%、更に好ましくは約4〜約32%の上記ジエステル柔軟化化合物の濃度で希釈又は濃縮液体柔軟剤組成物を形成するために、粒状顆粒固形組成物に加えることができる。すすぎ浴に後で加えられる水性組成物を形成するために水を粒状固形組成物に加える効果には、輸送をより経済的にするようにより軽量で輸送できる能力と、低エネルギー量、即ち低剪断及び/又は低温ですむとして消費者に通常販売されているものと似た液体組成物を形成できる能力がある。更に、粒状顆粒固形布帛柔軟剤組成物は、消費者に直接販売されるとき、少ないパッケージング要求と、より小さくて使い捨てしやすい容器ですむ。その後で、消費者は取扱いやすい、即ち計量及び分配を簡単にする液体製品形態で、すぐに洗濯処理できる、利用できる耐久容器中に固形組成物を前希釈する。 (F)他の任意成分 1.安定剤 安定剤も本発明の組成物中に存在できる。本明細書で用いられる“安定剤”という用語には、酸化防止剤及び還元剤を含む。これらの剤は組成物の約0〜約2重量%、好ましくは約0.01〜約0.2%、酸化防止剤の場合で更に好ましくは組成物の約0.035〜約0.1重量%、還元剤の場合で更に好ましくは組成物の約0.01〜約0.2重量%のレベルで存在する。これらは溶融形で貯蔵される組成物及び化合物にとり長期貯蔵条件下で良好な香気安定性を保証する。酸化防止剤及び還元剤である安定剤の使用は無香又は低香製品(無又は低香料)にとり特に重要である。 るアスコルビン酸、アスコルビン酸パルミテート、没食子酸プロピルの混合物; ルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル及びク Eastmanから入手できるブチル化ヒドロキシアニソール;没食子酸の長鎖エステ それらの混合物、更に好ましくはクエン酸と混合された又は単独の 記表Iで掲載されている。 それらの混合物がある。 2.無機粘度調整剤 水溶性のイオン化しうる塩のような無機粘度調整剤も、場合により本発明の組成物中に配合できる。様々なイオン化しうる塩が使用できる。適切な塩の例は、元素の周期律表のIA及びIIA族金属のハライド、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム及び塩化リチウムである。イオン化しうる塩は、本組成物を作ってその後に望ましい粘度を得るために、諸成分の混合プロセス中で特に有用である。用いられるイオン化しうる塩の量は組成物で用いられる活性成分の量に依存し、処方者の希望に従い調節できる。組成物粘度を調節するために用いられる塩の典型的レベルは、重量で組成物の約20〜約10,000ppm、好ましくは約20〜約4000ppmである。 3.シリコーン成分 本発明の布帛柔軟化組成物は主に直鎖ポリジアルキル又はアルキルアリールシロキサンの水性エマルジョンを場合により含有しており、その場合にアルキル基は1〜5つの炭素原子を有して、全部又は一部フッ素化させることができる。これらのシロキサンは改善された布帛効果を発揮するように作用する。適切なシロキサンは、25℃で約100〜約100,000センチストークス、好ましくは約1000〜約12,000センチストークスの粘度を有したポリジメチルシロキサンである。一部の適用例では、1センチストークスもの低い物質が好ましい。 本発明の布帛柔軟化組成物は、約0.1〜約10%のシリコーン成分を含有することができる。 4.増粘剤 場合により、本発明の布帛柔軟化組成物は、0〜約3%、好ましくは約0.01〜約2%の増粘剤を含有している。適切な増粘剤の例には、セルロース誘導体、合成高分子量ポリマー(例えば、カルボキシビニルポリマー及びポリビニルアルコール)及びカチオン性グアーガムがある。 本発明で増粘剤として機能性であるセルロース誘導体は、Dow Chemical,Inc. うなあるカチオン性セルロースエーテル誘導体として特徴付けできる。 増粘剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース又はそれらの混合物からなる群より選択され、上記セルロース系ポリマーは2%水溶液中20℃で約15〜約75,000センチポイズの粘度を有している。 5.汚れ放出剤 本発明において、任意の汚れ放出剤が添加できる。本発明のプロセスにより製造される柔軟化組成物は、0〜約10%、好ましくは約0.2〜約5%の汚れ放出剤を含有することができる。好ましくは、このような汚れ放出剤はポリマーである。本発明で有用なポリマー汚れ放出剤には、テレフタレートとポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド等とのコポリマーブロックがある。 汚れ放出剤の更に完全な開示は、1987年4月28日付で発行されたDeckerらの米国特許第4,661,267号;1987年12月8日付で発行されたGosselinkらの第4,711,730号;1988年6月7日付で発行されたEvansらの第4,749,596号;1989年4月4日付で発行されたTrinhらの第4,818,569号;1989年10月31日付で発行されたMaldonadoらの第4,877,896号;1990年9月11日付で発行されたGosselinkらの第4,956,447号;1990年12月11日付で発行されたMaldonadoらの第4,976,879号明細書に含まれており、上記すべての特許が参考のため本明細書に組み込まれる。 6.スカム分散剤 本発明において、任意スカム分散剤が汚れ放出剤以外に添加できる。 本発明で好ましいスカム分散剤は、高度エトキシル化疎水性物質により形成される。疎水性物質には、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪酸アミド、アミンオキシド、四級アンモニウム化合物、又は汚物放出ポリマーを形成させるために用いられる疎水性物質がある。好ましいスカム分散剤は高度にエトキシル化されていて、分子当たり平均で例えば約17モル以上、好ましくは約25モル以上、更に好ましくは約40モル以上のエチレンオキシドであり、ポリエチレンオキシド部分は全分子量の約76〜約97%、好ましくは約81〜約94%である。 スカム分散剤のレベルは、使用条件下で許容される、好ましくは消費者に気付かれないレベルにスカムを保つために十分であるが、但し柔軟化に悪影響を与えるほど十分ではない。一部の目的のためには、スカムは存在しないことが望ましい。典型的洗濯プロセスの洗浄サイクルで用いられるアニオン系又はノニオン系洗剤等の量、本組成物の導入前のすすぎステップの効率と水硬度に依存して、布帛(洗濯物)に捕捉されるアニオン系又はノニオン系洗浄界面活性剤と洗浄ビルダー(特にホスフェート)の量は様々である。通常、最少量のスカム分散剤が柔軟化性質に対する悪影響を避けるために用いられるべきである。典型的には、スカム分散剤は柔軟活性剤のレベルに基づき少くとも約2%、好ましくは少くとも約4%(最大スカム回避のためには少くとも6%、好ましくは少くとも10%)を要する。しかしながら、(柔軟剤物質に対して)約10%以上のレベルだと、特に布帛が洗浄操作中に吸収された高割合のノニオン系界面活性剤を含んでいるときに、製品の柔軟化効力を喪失する危険がある。 である。 7.殺菌剤 本発明の組成物で使用される殺菌剤の例には、グルタルアルデヒド、ホルムア Chemicalsから販売される2‐ブロモ‐2‐ニトロプロパン‐1,3‐ジオール 5‐クロロ‐2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン及び2‐メチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オンの混合物がある。本組成物で用いられる殺菌剤の典型的レベルは、重量で組成物の約1〜約1000ppmである。 8.他の任意成分 本発明はテキスタイル処理組成物で常用される任意成分、例えばエタノール又はプロピレングリコールのような短鎖アルコール、着色剤、香料、保存剤、螢光増白剤、不透明剤、界面活性剤、グアーガム及びポリエチレングリコールのような安定剤、収縮防止剤、布帛クリスピング(crisping)剤、シミ抜き剤、殺微生物剤、殺真菌剤、腐蝕防止剤等を含有することができる。 (G)処理方法 本発明の組成物は、好ましくは慣用的自動洗濯操作のすすぎサイクルで用いられる。通常、すすぎ水は約5〜約60℃の温度を有している。 布帛又は繊維は、水浴中で有効量、通常約10〜約300ml(処理される繊維又は布帛3.5kg当たり)の本組成物と接触させる。勿論、用いられる量は柔軟化物質の濃度、繊維又は布帛タイプ、望まれる柔軟さの程度等に応じて、ユーザーの判断に任せられる。典型的には、約5〜約40%生分解性カチオン系布帛柔軟活性剤分散液及び約0.001〜約10%塩素スカベンジャーの約10〜約300mlが、柔軟化し、静電気防止効果を発揮し、色あせを防止又は減少させるために、混合布帛3.5kgに対して約20ガロン(約76l)洗濯すすぎ浴で用いられる。好ましくは、すすぎ浴は約20〜約250ppmの布帛柔軟化物質と約0.02〜約20ppmの塩素スカベンジャーを含有している。更に好ましくは、米国の条件だと、すすぎ浴は約50〜約150ppmの布帛柔軟化物質と約0.3〜約10ppmの塩素スカベンジャーを含有している。更に好ましくは、欧州の条件だと、すすぎ浴は約250〜約450ppmの布帛柔軟化物質と約0.2〜約20ppmの塩素スカベンジャーを含有している。更に好ましくは、日本の条件だと、すすぎ浴は約30〜約80ppmの布帛柔軟化物質と約0.2〜約10ppmの塩素スカベンジャーを含有している。これらの濃度レベルだと、優れた布帛柔軟化、静電気抑制及び色保護を行う。 本発明は下記非制限例で例示され、そこではすべての数値が通常の経験に合致する概算である。 (1)ジ(硬化タロウオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド (2)脂肪アシル基が脂肪酸から誘導されている、約55のIV、約53.1の不飽和%及び約8.2のC18シス/トランス異性体比(シス異性体約40.0%及びトランス異性体約4.9%)のジ(軟質タロウオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド;そのジエステルは約11:1ジエステル:モノエステルの重量比でモノエステルを含む;エタノール中固形物86% 例I-プロセス HClでpH2.1に既に酸性化されたモノエタノールアミン溶液 (約30.9%)約14g及びHCl溶液(25%)約0.7gを3lステンレススチールミックスタンク中で約74℃に前加熱された脱イオン永約1790gに加える。ウォーターシートをIKAミキサー(Model RW 20 DZM)により約5.1cm径ブレードの羽根車を用いて約2000rpmでミックスする。次いで約89℃に前加熱されたジ(硬化タロウオイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド約189g及びイソプロピルアルコール約8gの混合物を重力供給式滴下漏斗からウォーターシートにゆっくり加えて、プレミックスをミキサー羽根車の近くに注入する。柔軟剤添加直後のミックス温度は約73℃で、pHは約3.5である。更に約6.14gのHClを追加して、ミックスのpHを約2.0に減少させる。バッチは、ミックスをなお撹拌しながらミックスを氷水浴で冷却することにより、約23℃に冷却させる。 例II-プロセス 例IIの製造操作は例Iの場合と類似しているが、但し軟質タロウ柔軟剤を硬化タロウ柔軟剤の代わりに用い、2‐アミノ‐2‐メチル‐1,3‐プロパンジオールをモノエタノールアミンの代わりに用いる。 例III-プロセス 例IIIの組成物は下記プロセスにより作る: 1.別々に、Tenox6酸化防止剤含有ジエステル化合物プレミックスとHCl及び消泡剤含有ウォーターシートとを約75℃に加熱する。 2.ジエステル化合物プレミックスをウォーターシート中に加える。注入中に、バッチをミックス及びミル化する。 3.注入過程のほぼ中間でCaCl2の約10%を加える。 4.プレミックス注入が完了した後、ミックスしながらCaCl2の約40%を加える。 5.香料、その後色素及びKathonをミックスしながら加える。 6.バッチを約20〜27℃に冷却する。 7.CaCl2の残り、塩化アンモニウム及び色素溶液を冷却されたバッチにミックスしながら加える。 (1)ジ(タロウオイルオキシエチル)(2‐ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェート、エタノール中85%活性剤 (2)1,2‐ジ(硬化タロウオイルオキシ)‐3‐トリメチルアンモニウムプロパンクロリド 例IVプロセス HCl溶液(25%)約4.5g及びポリエチレンイミンMW600約1.5gを脱イオン水約889gに加え、1.5lステンレススチールミックスタンク中で約70℃に前加熱する。この“ウォーターシート”をIKAミキサー(Model RW25)により約5.1cm径ブレードの羽根車を用いて約1000rpmでミックスする。エタノール中に約85%ヒドロキシエチルエステル四級物を含有したStepanquat6585‐ET約98gを約70℃に前加熱し、その後蠕動ポンプから羽根車ブレードの所で注入してウォーターシートにゆっくり加える。混合物をミックス中に冷却させ、香料約4.5g、1.5%Kathon CG溶液約0.2g及び約0.8%色素溶液を混合物温度が約45℃に達したときに加える。25%CaCl2溶液約0.6gは、混合物温度が約27℃に達したときに加える。ミックスはバッチ温度が約24℃に達したときに止める。 例Vプロセス HCl溶液(25%)約3.6gと、別にHClでpH2.1に既に酸性化されたモノエタノールアミン溶液(約30.9%)約7.1gを脱イオン水約887gに加え、1.5lステンレススチールミックスタンク中で約74℃に前加熱する。ウォーターシートをIKAミキサー(Model RW 20 DZM)により約5.1cm径ブレードの羽根車を用いて約1000rpmでミックスする。混合物は同時にミル化する。プロピルエステル四級物約86.7g及びエタノール約12gの混合物を約82℃に前加熱し、その後ウォーターシートにゆっくり加えて、重力供給式滴下漏斗から羽根車ブレードの所で注入する。ミキサーrpmはこの添加中に約1500rpmに増加させる。CaCl2溶液(25%)約0.3gを加えて混合物の粘度を減少させ、混合物rpmを約1000rpmに減少させる。1.5%KathonCG溶液約0.2gを加える。混合物をなおミックスしながら氷水浴で冷却する。ミルはこの時点で止める。25%CaCl2溶液0.3gを混合物温度が約27℃に達したときに加える。次いで香料約3gをミックスしながら加える。 粒状顆粒固形組成物は、溶融物を作り、それを冷却により固化させ、その後望ましいサイズに粉砕及び篩分けすることにより形成できる。顆粒の主要粒子は約50〜約1000、好ましくは約50〜約400、更に好ましくは約50〜約200ミクロンの径を有することが高度に好ましい。顆粒はそれより小さな及び大きな粒子を含んでいてもよいが、好ましくは約85〜約95%、更に好ましくは約95〜約100%は上記範囲内である。小さな及び大きな粒子は、水に加えられたときに最良のエマルジョン/分散液を形成しない。溶融物のスプレー冷却を含めた、主要粒子を製造する他の方法も使用できる。主要粒子は凝集させて、ダストフリーの非粘着易流動性粉末を形成することができる。凝集は水溶性結合剤により慣用的凝集ユニット(即ちZig-Zag Blender,Lodige)で生じさせることができる。上記凝集プロセスで有用な水溶性結合剤の例には、グリセロール、ポリエチレングリコール、PVAのようなポリマー、ポリアクリレートと、糖のような天然ポリマーがある。 顆粒の流動性は、クレー、シリカ又はゼオライト粒子、水溶性無機塩、デンプン等のような流動改善剤で顆粒の表面を処理することにより改善できる。 (1)例IIのエステル四級化合物 (2)C16-C18E18 例VIプロセス 溶融ジエステルを溶融エトキシル化脂肪アルコールとミックスする。次いで他の物質をミックスしながらブレンドする。混合物を金属プレート上に注いで冷却及び固化させ、その後粉砕及び篩分けする。 例VII-プロセス ポリエチレンイミンクロリドを、まずポリエチレンイミンMW600約5部を蒸留水約33.86部中25%HCl水溶液約12.14部とミックスすることにより作る。次いで水を例えばフリーズドライにより除去して、エチレンイミンクロリド約8部及び水3部を含有したエチレンイミンクロリドの粘稠スラリーを得る。 溶融ジエステルを溶融ココナツコリンエステルクロリドとミックスする。次いで他の物質をミックスしながらブレンドする。混合物を金属プレート上に注いで冷却及び固化させ、その後粉砕及び篩分けする。 (57)【特許請求の範囲】 1. I.(A)組成物の50〜95重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、 クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン、好ましくは2000以下の分子量を有する、更に好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量、好ましくは組成物の0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜6%、最も好ましくは0.03〜5%の塩素スカベンジャー; (C)好ましくは単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤、脂肪酸コリンエステル、脂肪アミンアミド、ノニオン系界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)組成物の0〜20重量%のpH調整剤(好ましくは上記pH調整剤はBronstead酸であり、更に好ましくは上記pH調整剤はクエン酸、グルコン酸、酒石酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸及びそれらの混合物からなる群より選択される) を含んでなる固形粒状組成物と、 II.(A)組成物の0.5〜50重量%の生分解性カチオン系四級アンモニウム布帛柔軟化化合物; (B)1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、 クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン、好ましくは2000以下の分子量を有する、更に好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド、好ましくは5000以下の分子量を有するポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量、好ましくは組成物の0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜6%、最も好ましくは0.03〜5%の水溶性塩素スカベンジャー; (C)好ましくは単一長鎖アルキルカチオン系界面活性剤、脂肪酸コリンエステル、脂肪アミンアミド、ノニオン系界面活性剤及びそれらの混合物からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)水、C1‐C4一価アルコール、C2‐C8多価アルコール、 液体ポリアルキレングリコール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部 を含んでなる液体組成物(該液体組成物は2〜5のpHを有している)からなる群より選択される、すすぎ液添加布帛柔軟化組成物。 2. 生分解性カチオン系柔軟活性剤が下記一般式: Ep+〔Y‐R2〕mpX- (上記式中 pは1又は2、好ましくは1である; mは2又は3、好ましくは2である; 各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; 各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; 各R2はC11-C22ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、好ましくはC15-C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である;及び 各X-は柔軟剤適合性アニオン、好ましくはクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択されるアニオンである) を有している、請求項1に記載の組成物。 3. 調整剤がエトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるノニオン系界面活性剤からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。 4. 液体キャリアが水からなる、請求項1に記載の組成物。 5. 液体キャリアが、水と、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びそれらの混合物からなる群より選択される低分子量アルコールとの混合液である、請求項1に記載の組成物。 6. (A)組成物の50〜95重量%、好ましくは60〜90%の、下記式を有する生分解性カチオン系柔軟活性剤: Ep+[Y‐R2〕mpX- (上記式中 pは1又は2、好ましくは1である; mは2又は3、好ましくは2である; 各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; 各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; 各R2はC11‐C22ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、 好ましくはC15-C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である;及び 各X-は、好ましくはクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)1.好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、 クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量、好ましくは組成物の0.01〜10重量%の塩素スカベンジャー; (C)組成物の3〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)組成物の0.01〜20重量%、好ましくは0.2〜5%のpH調整剤 を含んでなる、すすぎ液添加固形粒状布帛柔軟化組成物。 7. pH調整剤が、好ましくはクエン酸グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、1,2,3,4‐ブタンテトラカルボン酸及びそれらの混合物からなる群より選択される固形水溶性Bronstead酸である、請求項6に記載の組成物。 8. (A)組成物の0.05〜50重量%、好ましくは15〜32%の、下記一般式を有するカチオン系生分解性四級アンモニウム布帛柔軟化化合物: Ep+〔Y‐R2〕mpX- (上記式中 pは1又は2、好ましくは1である; mは2又は3、好ましくは2である; 各Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; 各Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; 各R2はC11-C22ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基、 好ましくはC15-C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である;及び 各X-は、好ましくはクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)1.モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン 2.塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、 クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群より選択されるアンモニウム塩 3.アミノ酸、但しリジン以外 4.ポリアミノ酸 5.ポリエチレンイミン 6.ポリアミン、但しジ(高級アルキル)環式アミンでもそれらの縮合生成物でもない 7.ポリアミンアミド 8.ポリアクリルアミド及び 9.それらの混合物 からなる群より選択される、有効量の水溶性塩素スカベンジャー; (C)組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)水、C1‐C4一価アルコール、C2‐C6多価アルコール、 液体ポリアルキレングリコール、プロピレンカーボネート及びそれらの混合物からなる群より選択される液体キャリアからなる残部 を含んでなり、組成物のpHが2〜5である、すすぎ液添加液体布帛柔軟化組成物。 9. (A)組成物の60〜90重量%の、下記一般式を有するカチオン系生分解性四級アンモニウム布帛柔軟化化合物: Ep+〔Y‐R2〕mpX- (上記式中Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; pは1である; Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; mは2である; R2はC15‐C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である; X-はクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)組成物の0.01〜10重量%の、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群がら選択されるアンモニウム塩からなる 塩素スカベンジャー; (C)エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるノニオン系界面活性剤からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸及びそれらの混合物からなる群より選択される、 組成物の0.01〜20重量%のpH調整剤 を含んでなる、固形粒状すすぎ液添加布帛柔軟化組成物。 10. (A)組成物の3〜50重量%の、下記一般式を有するカチオン系生分解性四級アンモニウム布帛柔軟化化合物: Ep+〔Y‐R2〕mpX- (上記式中Eは電荷p+の窒素四級アンモニウム基である; pは1である;Yは‐O‐(O)C‐又は‐C(O)‐O‐である; mは2である; R2はC15‐C17ヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル置換基である; X-はクロリド、ブロミド、メチル硫酸、エチル硫酸、ギ酸、硝酸及びそれらの混合からなる群より選択される柔軟剤適合性アニオンである); (B)組成物の0.001〜10重量%の、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム、クエン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム及びそれらの混合物からなる群から選択されるアンモニウム塩からなる 水溶性塩素スカベンジャー; (C)エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪アルコール、エトキシル化脂肪アミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるノニオン系界面活性剤からなる群より選択される、組成物の0〜30重量%の粘度、分散性又は双方の調整剤;及び (D)水 を含んでなり、2〜5のpHを有している、液体すすぎ液添加布帛柔軟化組成物。 |
訂正の要旨 |
特許第2989012号発明の明細書中、 1.特許請求の範囲の請求項1におけるII.(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 2.特許請求の範囲の請求項8における(B)1項中の記載「好ましくは一級アミン、二級アミン、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン」を、「モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミン、及びそれらの混合物からなる群より選択されるアミン」と訂正する。 3.特許請求の範囲の請求項8におけるII.(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 4.特許請求の範囲の請求項10における(B)項中の記載「塩素スカベンジャー」を、「水溶性塩素スカベンジャー」と訂正する。 |
異議決定日 | 2001-06-14 |
出願番号 | 特願平8-512561 |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YA
(D06M)
P 1 652・ 113- YA (D06M) P 1 652・ 16- YA (D06M) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 真々田 忠博 |
特許庁審判長 |
小林 正巳 |
特許庁審判官 |
喜納 稔 仁木 由美子 |
登録日 | 1999-10-08 |
登録番号 | 特許第2989012号(P2989012) |
権利者 | ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー |
発明の名称 | 塩素スカベンジャーを含有した布帛柔軟化組成物 |
代理人 | 小野寺 捷洋 |
代理人 | 紺野 昭男 |
代理人 | 小野寺 捷洋 |
代理人 | 紺野 昭男 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 佐藤 一雄 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 奥村 茂樹 |
代理人 | 佐藤 一雄 |