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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B32B
管理番号 1046769
異議申立番号 異議2000-71712  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-02-10 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-21 
確定日 2001-06-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2968045号「少なくとも2層が互いに異なる重合体材料からなる少なくとも3層の波形状重合体管」の請求項1〜5、8及び11に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2968045号の請求項1〜5、8及び11に係る特許を維持する。 
理由 A.手続きの経緯
本件特許第2968045号に係る発明は、平成7年4月10日に特許出願(優先権主張国;米国、主張日;1994年4月10日)され、平成11年8月20日にその特許の設定登録がなされたが、その後、越智理恵より特許異議の申立てがなされ、平成12年8月17日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内(期間延長有)である平成13年2月28日に訂正請求がなされたものである。

B.訂正の適否についての判断
1、訂正の目的及び内容
(1)特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1の記載中、
「各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通じてほぼ一定に維持される」を、
「各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通じてほぼ一定かつ連続状態に維持される」に訂正する。
2、訂正の目的の適否及び拡張・変更の存否
上記(1)の訂正は、訂正前の特許請求の範囲請求項1における「各層の厚さ」に対して、さらに「連続状態に維持される」という限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件特許明細書には、「壁部は、ほぼ一定の厚さで永久的かつ第1,第2領域を通じて互いに均一に結合された多数の層で形成される。」と記載(本件特許公報第8頁左欄12〜14行)されているから、当該訂正は願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内のものであり、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。
3、むすび
以上のとおり、上記訂正は特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

C.特許異議の申立についての判断
1、特許異議申立の理由の概要
特許異議申立人 越智理恵(以下、「申立人」という)は、甲第1号証〜甲第4号証を提出し、本件請求項1〜5、8及び11に係る発明は、甲第1号証〜甲第4号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1〜5、8及び11に係る特許は取り消されるべきである旨の主張をしている。
2、異議申立の対象となった本件発明
異議申立の対象となった本件請求項1〜5、8及び11に係る発明は、訂正された明細書の特許請求の範囲の請求項1〜5、8及び11に記載された下記のとおりのものと認める。
【請求項1】外面とこの外面とほぼ平行な内面とを有し、この内面がほぼ円筒状の内部を形成し、このほぼ円筒状の内部はその長手方向軸線とほぼ同軸状に長手方向に延びる円筒状壁を備える自動車に用いるのに適した多層管であって、この円筒状壁自体は、ほぼ均一な断面径を有する第1領域を備え、この第1領域で、この円筒状壁が平坦な長手方向断面を有し、円筒状壁が同軸の長手方向軸線にほぼ平行に向き、更に前記円筒状壁が少なくとも1のコンボルーションを有する第2領域を備え、このコンボルーションはこの第2領域内で、長手方向位置に応じて位置変化する断面径を有し、このコンボルーションは第1領域のほぼ均一な断面径とは異なる断面径を有し、この多層管の円筒状壁は、更に、内外面を有する厚い可撓性の外側層を備え、この外側層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、更に、この厚い外側層の内面に均等に結合された薄い中間結合層を備え、この結合層は、短連鎖炭化水素の透過に耐性を持つ押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からなり、この熱可塑性材料からなる薄い中間結合層は、厚い外側層に用いられる押し出し可能な熱可塑性材料と化学的に非類似で、厚い外側層の内面に十分永久的に積層接着可能であり、更に、この中間結合層に均等に結合される押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からなる内側層を備え、この内側層の押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料は、中間結合層に十分永久的に積層接着可能であり、この内側層の押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有し、この内側層は、外側層の厚さよりも薄く、各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通してほぼ一定かつ連続状態に維持される、管。
【請求項2】円筒状壁の第2領域に配置されたコンボルーションの断面径は、第1領域の内径よりも約20%と約300%との間で大きい請求項2に記載の管。
【請求項3】内側層に用いられる熱可塑性材料は、104から109ohm/cm2の範囲の静電荷散逸能力を形成するために十分な量の導電性媒体を含む請求項1または2に記載の管。
【請求項4】内側層は、更に、元素炭素と、銅と、銀と、金と、ニッケルと、シリコンと、それらの混合物とからなるクループから選択される導電性物質を包含し、この導電性物質は、ポリマー材料の約5容積%よりも少ない量が存在する請求項1から3のいずれか1に記載の管。
【請求項5】厚い外側層の押し出し可能な熱可塑性材料は、ナイロン11とナイロン12と塩化亜鉛耐性のナイロン6とこれ等の混合物とからなるクループから選択されたポリアミドである請求項1から5のいずれか1に記載の管。
【請求項8】中間層と内側層との双方は、約0.05mm と約0.2mmとの間の厚さを有する請求項1から7のいずれか1に記載の管。
【請求項11】内側層は、カプロラクタムの縮合重合から誘導された押出し可能な6炭素ブロックポリアミドからなる請求項8又は9に記載の管。
(以下、【請求項1】記載の発明を「本件訂正発明1」といい、【請求項2】記載の発明以下の発明を順次「本件訂正発明2」などという)
3、申立人の提出した甲号証の記載事項
甲第1号証:米国特許第5038833号明細書
a.「本発明の主目的は、アルコールを含まない燃料は勿論、アルコールを含む燃料にも有効に利用できる自動車用の固定長(fixed-length)燃料管を提供することである。」(第2欄3〜6行)
b.「これらの目的は本発明により達成され、その本発明は、押出しされたポリアミド壁の燃料管と、その内側に被覆された好ましくはポリビニルアルコール系のアルコール-ブロック又はバリヤー層と、その内側の流れに接する側に被覆されたポリアミド系のウオータ-バリヤー層とからなる。」(第2欄16〜24行)
c.「上記ポリアミド壁としては、ドイツ工業規格(DIN)7728によるポリアミド11又はポリアミド12(ナイロン11又はナイロン12)が好ましいことが分った。」(第2欄31〜34行)
d.「従って、好ましい上記ウオーターブロック層は、ドイツ工業規格(DIN)7728によるポリアミド11又はポリアミド12(ナイロン11又はナイロン12)である。」(第2欄第57〜60行)
e.「特に自動車用又は他の車用の燃料管としては、直径が5〜10mm、特に約8mmであって、ポリアミド壁の厚さが0.75〜1.25mm、ブロック又はバリヤー層の厚さが共にポリアミド壁の約10%であるものが適していることが分った。例えば、直径約8mmの燃料管の場合、ポリアミド壁の厚さが0.8mm、被覆された両バリヤー層の厚さが約0.1mmである。」(第2欄61行〜第3欄2行)
f.「共押出しされた製品は、ポリアミド壁2と、その内側に被覆された押出し可能なPVA系組成物からなるアルコールバリヤー層3と、その内側に被覆されたポリアミド系、例えばポリアミド壁2と同じポリアミド系組成物からなるウオータ-バリヤー層4とから構成されている。」(第4欄第15〜21行)
g.「内側層は、外側層の厚さよりも薄く構成された多層燃料管の断面図」(第2図)
上記c及びdの記載における「ドイツ工業規格(DIN)7728によるポリアミド11又はポリアミド12(ナイロン11又はナイロン12)」は、本件訂正発明1の外側層及び内側層で用いられている材料と同じ材料であると認められるので、これらの材料は、「少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有しているもの」であると認められ、また、当該多層燃料管は、各層間の剥離は問題とはなっていないので、各層間は「十分永久的に積層接着しているもの」であると認められる。
したがって、上記a〜gの記載を総合すると、この甲第1号証には、「外面とこの外面とほぼ平行な内面とを有し、この内面がほぼ円筒状の内部を形成し、このほぼ円筒状の内部はその長手方向軸線とほぼ同軸状に長手方向に延びる円筒状壁を備える自動車に用いるのに適した多層管であって、この円筒状壁自体は、ほぼ均一な断面径を有する領域を備え、この領域で、この円筒状壁が平坦な長手方向断面を有し、円筒状壁が同軸の長手方向軸線にほぼ平行に向き、この多層管の円筒状壁は、更に、内外面を有する厚い可撓性の外側層を備え、この外側層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、更に、この厚い外側層の内面に均等に結合された薄い中間結合層を備え、この結合層は、短連鎖炭化水素の透過に耐性を持つ押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からなり、この熱可塑性材料からなる薄い中間結合層は、厚い外側層に用いられる押し出し可能な熱可塑性材料と化学的に非類似で、厚い外側層の内面に十分永久的に積層接着可能であり、更に、この中間結合層に均等に結合される押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からなる内側層を備え、この内側層の押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料は、中間結合層に十分永久的に積層接着可能であり、この内側層の押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有し、この内側層は、外側層の厚さよりも薄く、各層のそれぞれの厚さは、ほぼ一定かつ連続状態に維持される、管。」の発明(以下、「甲第1号証の発明」という)が記載されていると認められる。
甲第2号証:特開昭60-12228号公報
h.「柔軟な材料からなる主体層の表面に機械的強度の優れた材料からなる被覆層を有する多層パリスンを金型間に配置し、該パリスン内に圧力流体を導入してベローズ状のキャビティ面の形状にパリスンを膨張した後、ベローズの山部に接したキャビティ面を軸方向に移動し、該山部の内面同志を溶着一体化することを特徴とするベローズ中空帯の製造方法。」(特許請求の範囲)
甲第3号証:米国特許第3751541号明細書
i.「図3は本発明装置により製造されたチューブを表し、このチューブは飲み物用のストローとして設計されたものである。この飲み物用ストローの製造装置では、チューブ29の平坦領域に対応した内面形状の幾つかのモールドに連続して、長さ方向に沿って管状の波形領域30に対応した内面形状のモールドが配置されている。」(第5欄8〜15行)
j.「本発明装置により製造された図4に示すプラスチックチューブは、空調又は換気システムに好適に使用される。」(第5欄68〜71行)
甲第4号証:特開平2-62494号公報
k.「発水性の高いふっ素樹脂を外層に、高密度ポリエチレンを内層にした合成樹脂製波付管。」(特許請求の範囲第1項)
4、対比・判断
(1)本件訂正発明1に対して
本件訂正発明1(前者)と上記甲第1号証の発明(後者)とを対比すると、両者は共に「外面とこの外面とほぼ平行な内面とを有し、この内面がほぼ円筒状の内部を形成し、このほぼ円筒状の内部はその長手方向軸線とほぼ同軸状に長手方向に延びる円筒状壁を備える自動車に用いるのに適した多層管であって、この円筒状壁自体は、ほぼ均一な断面径を有する領域を備え、この領域で、この円筒状壁が平坦な長手方向断面を有し、円筒状壁が同軸の長手方向軸線にほぼ平行に向き、この多層管の円筒状壁は、更に、内外面を有する厚い可撓性の外側層を備え、この外側層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、更に、この厚い外側層の内面に均等に結合された薄い中間結合層を備え、この結合層は、短連鎖炭化水素の透過に耐性を持つ押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からなり、この熱可塑性材料からなる薄い中間結合層は、厚い外側層に用いられる押し出し可能な熱可塑性材料と化学的に非類似で、厚い外側層の内面に十分永久的に積層接着可能であり、更に、この中間結合層に均等に結合される押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からなる内側層を備え、この内側層の押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料は、中間結合層に十分永久的に積層接着可能であり、この内側層の押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20℃より低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有し、この内側層は、外側層の厚さよりも薄く、各層のそれぞれの厚さは、ほぼ一定かつ連続状態に維持される、管。」であるといえる。
しかしながら、前者は、「円筒状壁の領域が少なくとも1のコンボルーションを有する第2領域を備え、このコンボルーションはこの第2領域内で、長手方向位置に応じて位置変化する断面径を有し、このコンボルーションは第1領域のほぼ均一な断面径とは異なる断面径を有する」点、及び「円筒状壁を構成する各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通してほぼ一定かつ連続状態に維持される」点をそれぞれ発明を特定する事項として有するものであるのに対して、後者ではかかる特定事項を有するものではない点で相違している。
そこで、相違点について検討する。
甲第2号証記載の発明は多層構造のベローズに関するものであり、また、甲第4号証記載の発明は多層構造の波付管に関するものであって、これら多層構造の管状物は、いわば全体が前者の第2領域であるコンボルーションのみで構成されているものであると認められるから、甲第2号証及び甲第4号証記載の発明には、管の一部に長手方向位置に応じて断面径が変化する第2領域を設けるという技術思想はまったく存在しない。
したがって、たとえ甲第2号証または甲第4号証記載の発明を後者(甲第1号証の発明)に適用したとしても、管全長がコンボルーションからなる多層管が構成されるだけであり、前者(本件訂正発明1)の構造を有する多層管が構成されることはない。
また、甲第3号証には、ほぼ均一な断面径を有する第1領域と長手方向位置に応じて断面径が変化する第2領域とからなる円筒状壁をもつチューブが記載されているけれども、このチューブは、単層からなるものであって、前者の特定事項の一つである「円筒状壁を構成する各層のそれぞれの厚さは、第1領域と第2領域におけるコンボルーションとを通してほぼ一定かつ連続状態に維持される」という多層管における各層間の関係をなんら教示するものではない。
したがって、甲第3号証記載の発明を後者に適用したとしても、ただちに前者(本件訂正発明1)の構造を有する多層管が構成されるというものでもない。
そして、本件訂正発明1は、本件特許請求の範囲請求項1記載の特定事項を具備することにより、装着の際に種々の曲げ及び輪郭形状とすることができる、自動車の燃料管などとして有用な多層管を提供しうるという本件特許明細書記載の効果を奏し得ているものと認められる。
したがって、本件訂正発明は、甲第1号証〜甲第4号証記載の発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
(2)本件訂正発明2〜5、8及び11に対して
本件訂正発明2〜5、8及び11は、本件訂正発明1に対して、さらに技術的限定を附加したものであるから、「本件訂正発明1に対して」に記載した上記理由と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
5、むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件請求項1〜5、8及び11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜5、8及び11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
少なくとも2層が互いに異なる重合体材料からなる少なとも3層の波形状重合体管
【発明の詳細な説明】
発明の分野
本発明は、波形状の管に関する。特に、本発明は少なくとも1の領域が波形状である多層構造の管に関する。
発明の背景
従来、ポリアミド等の合成材料で形成された単層構造の燃料管路および蒸気戻り管路が提案され、採用されている。このような材料を採用した燃料管路は、一般に少なくとも数メートルの長さを有する。このような管路は、いったん装着されたときは、使用中に受ける応力等による収縮あるいは伸張で、作動期間中にわたって材料的な変化がないことが重要である。
更に、採用する管路は、管を透過することによる炭化水素の放出で本質的に影響を受けないことが次第に重要となっている。連邦および州規則は、このような管路を透過することによる炭化水素の許容可能な放出に制限を設けている。カリフォルニア州等で施行される規則は、1車両に対する全受動的炭化水素放出を、24時間あたり2g/m2に設定し、この計算は、例えば1991年9月26日修正提案されたカリフォルニア州法第13編1976章に規定されているような蒸発試験法(evaporative emission testing methods)による。全車両放出量を望ましいレベルとするために、管路に対する炭化水素の透過レベルは、24時間当り0.5g/m2以下であることが必要とされる。最後に、使用する燃料管路は、酸化作用剤および表面活性材等の燃料中に存在する腐食性物質、および、エタノールおよびメタノール等の添加剤との相互作用に敏感でないことが重要である。
種々のタイプの管がこれに関連して提案されている。全体的に、最も成功しているものは、同時押出しされた多層管であり、これは外部環境に対して耐性をもつ材料からなる比較的厚い外側層を採用する。最内側の層は、より薄く、燃料混合物内に存在する脂肪族炭化水素、アルコールおよび他の物質の外側の層に対する拡散をブロックする能力から選定された材料で形成される。内側層用として選択した材料は、例えばナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン11およびナイロン12等のポリアミドである。
管を通して搬送される燃料中のアルコールおよび芳香族化合物は、脂肪族化合物とは異なる割合で管壁を通して拡散する。管内の液体の成分が変化することにより、材料の溶解度閾値が変化し、例えばナイロン11およびナイロン12等のモノマーおよびオリゴマーを結晶化して液体とすることができる。燃料ポンプ等から得られる銅イオンの存在はこの結晶化を促進する。結晶化された沈殿物は、フィルタおよび燃料噴射装置を閉塞させ、集まって燃料ポンプあるいはキャブレータのフロートの移動を制限し、更に、燃料ポンプの臨界制御面に堆積する可能性がある。
米国特許第5,076,329号(Brunnhofer)には、5層の燃料管路が提案されており、この燃料管路は、丈夫で周囲環境によるデグラデーションに対する耐性を有するナイロン11あるいはナイロン12等の耐腐食性の既知の材料から形成された外側層を備えている。この特許に記載の管は、通常のナイロン6で形成された厚い中間層を備える。これらの外側および中間層は、マレイン酸無水物の活性側鎖を有するポリエチレンあるいはポロプロピレンから形成される。管の最内側領域として、低モノマー含有の後縮合されたナイロン6が用いられる。内側の流体に接触面の材料としてナイロン6を用いることは、ナイロン11あるいはナイロン12の場合に生じるモノマーおよびオリゴマーの少なくとも一部が溶解するのを排除するためである。薄い最内層は、重量で約30%と約45%との間のエチレンを含有するエチレンおよびビニルアルコールの共重合体で形成された溶媒ブロック層により薄い中間層に結合されている。5層システムを使用することは、ナイロン12の耐衝撃性とナイロン6の低モノマー/オリゴマー製品(production)を有する管を得るためである。これらの特徴は、5層よりも少ない管では得ることができないと考えられる。
米国特許第5,038,833号(Brunnhofer)には、モノマー/オリゴマー溶解に対する耐性を持たない3層の燃料管路が提案されており、この管はナイロン11あるいはナイロン12の同時押出しされた外壁と、エチレン-ビニルアルコール共重合体から形成された中間アルコール障壁と、ナイロン11あるいはナイロン12等のポリアミドから形成された内側耐水壁とから形成されている。ドイツ公報DE4006870号には、中間の溶媒障壁層が変更されないナイロン6・6とポリアミドエラストマーの混合物とを別個にあるいは組合わせて形成されている。内側層も、変更されあるいは変更されないナイロン6であるのが好ましいポリアミドから形成されている。外側層はナイロン6あるいはナイロン12からなる。
アルコール媒体に耐性を持つように形成された他の管は、英国出願第2204376A号に記載されており、この管は、ナイロン11あるいはナイロン12等の11あるいは12ブロックポリアミドからなる薄い外側層を有し、これはナイロン6あるいは6・6ナイロン等の6炭素ブロックポリアミド単独あるいは組合わせて用いられる。外側層は、プロピレンおよびマレイン酸の共重合体等のアルコール耐性のポリオレフィン共重合体から形成される内側層と同時に押出すことができる。
これまで、非類似の重合体層間に満足できる積層特性を得ることは極めて困難であった。したがって、従来提案された多層管の全ては、多数の層のほとんどあるいは全てがポリアミドをベースとした材料を有する。一方、更に効果的な溶媒耐性化学物質が多く存在しているが、伸張特性、強度およびナイロン11およびナイロン12との互換性が制限されているため、この分野における使用が制限されている。
これらの問題を解決するため、化学的に異なる層を採用した多層管材料が、本願の発明者(Noone,Mitchell)による米国特許出願第07/897,302号、07/897,376号および07/896,824号に提案されている。これらの管材料は、一般に、好適な中間結合層により、内側炭化水素耐性層に結合された外側ポリアミド層を採用する。このような材料は、炭化水素の浸透に耐性を持った望ましい特性を提供するが、形成された管は一般に直線状材料であり、自動車内の係合に合わせて連続的に曲げることは困難である。
多くの自動車用の用途では、使用する管は、その全長にわたって種々の角度に曲げ、特定の自動車構造における配置およびスペース上の必要に対応させることができなければならない。種々のポリマー材料は、重要な弾性記憶(elastic memories)を有し、これは、管部材を連続的に曲げ、特定の自動車用に必要な永久的形状あるいは外形とすることを困難にする。他の重合体材料は、極めて剛性で、材料が曲げられると、しわが形成され(crimping)、これにより、内部を通る流れを規制し、曲げ領域あるいはその近部の疲労および応力により、使用寿命を大きく減じる。更に、従来の管の曲げは、異なる層の分離あるいは弱化を生じさせ、これは、その一部において、種々の層がそれぞれ極めて異なる弾性および疲労特性を有するという事実によるものである。
この問題を解決するため、従来の単層管の適宜の曲げ領域を波形とすることが提案されている。この曲げ領域は、複数の環状に配置されたアコーデオン状の折り(pleats)を備え、内部開口を狭めあるいは管材料に無用の応力を与えることなく、これらの折りが配置された領域で曲げることができる。これは、環状の折りのそれぞれの一側を圧縮し、一方、反対側は互いに外方に伸張し、必要な角度を形成することにより行うことができる。これまで、単一の一体的に積層された壁部に、化学的に異なる層材料を有する波形多層管は形成されていない。
更に、異なる化学特性を有する重合体材料の多数の層を備えた波形管は製造されあるいは提案されていない。何等の理論に制限されることなく、従来の押出しおよび管形成工程は、このような管材料、特に約0.75mmより少ない壁厚を有する波形管材料を形成することはできない。
丈夫で有機物質の透過を防止あるいは減少する管材料を提供することが望ましい。更に、内部を搬送する液体の成分と本質的に非反応性の管材料を提供することが望ましい。更に、これらの特性を波形の一部あるいは全領域に有する管材料を提供することが望ましい。
発明の概要
本発明は、自動車に使用するのに適し、外面とこの外面にほぼ平行で、その長手方向に延びる本質的に障害を形成しない円形状の内部開口を形成する内面とを有する円筒状壁を備える多層管である。円筒状壁は、この円筒状壁が円筒状の内部を同軸状に延びる長手方向軸線をほぼ平行に延びる第1領域により特徴付けられる。
この第1領域に第2領域が隣接し、この第2領域は、円筒状壁における少なくとも1の波形部で形成される。各波形部は円筒状壁の領域を備え、この領域は第1領域で規定される長手方向軸線から第1半径方向距離に配置された第1面から偏位している。したがって、第1領域は、ほぼ均一の断面径を有し、一方、第2領域は、波形の長手方向長に対する位置にしたがって変化する断面径と、第1領域のほぼ均一な断面径とは異なる径とを有する。第2領域の変化する径は、第1領域の直径よりも大きい。
本発明の管の円筒状壁は、
内面と外面とを有する厚い可撓性の外側層を備え、この外側層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、更に、
厚い外側管部の内面に結合される薄い中間結合層を備え、この結合層は、短鎖炭化水素透過に対して抵抗する押出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、この結合層は、外側管に用いられる押出し可能な可塑性材料と化学的に非類似で厚い外側管の内面に対して十分永久的に層状密着可能な熱可塑性材料からなり、更に、
押出し可能で、溶融加工可能な熱過塑性材料から形成され、この熱過塑性材料は中間結合層に対して十分永久的に層状密着可能である内側層を備え、この内側層の熱過塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有し、この内側層は外側管の厚さよりも薄肉である。
図面の説明
本発明の目的、特徴および利点は、次の図面を参照する後述説明からより明らかとなり、図中、同様な符号は全図を通じて同様な部材に付してある。ここに、
第1図は、種々の層のいずれにも導電材料を用いてない本発明の管部材の断面図であり、
第2図は、内側層に点を付して示す導電材料を用いた本発明の管部材の断面図である。
好ましい実施例の説明
本発明は多層構造の燃料管路および蒸気管(vapor tube)10であり、少なくとも1の結合層16と少なくとも1の外側12および内側層14とを有する。本発明の管10は、その途中に配置されて、湾曲、撓みあるいは捩じりが可能な少なくとも1の波形領域28により規定される。一部に波形領域28を有する多層管10は、積層された多数の層を有する直線状の管材料を同時押出しにより形成し、モールド成形して所要の波形および外径を形成する方法により製造することができる。
管10は、好適な長さに同時押出しするか、あるいは、連続した長尺長さに同時押出しし、続いて用途に合わせて切断することもできる。本発明の管は、50mmまでの外径を有することができる。しかし、燃料管路および蒸気回収システム等の用途では、50.8mm(2インチ)までの外径が好ましい。
この材料(material)は、必要に応じて適宜の壁厚を有することができる。しかし、ここに記載のような自動車システムにおいては、0.5mmと2.0mmとの間の壁厚が一般に用いられており、ほぼ0.8から1.5mmの壁厚が好ましい。種々の熱可塑性材料の層を多数重ねた管を準備することが本発明の範囲にあるものであるが、本発明の管10は、一般的に結合層を含む最大5つの層を有する。好ましい実施例では、この管10は3あるいは4層を有する。
本発明の管10は、自動車に使用するのに適した材料(material)であり、比較的厚い外側層12を備え、この外側層は外部環境に対して無反応性であり、自動車の通常作動中に受ける種々の衝撃、振動による疲労、温度変化、および、種々の腐食性あるいは崩壊性物質との接触に耐えることができる。
外側層12およびこれに結合された内側層は、外部温度が約-40°Cと約150°Cとの間の範囲で、約-20°Cから120°Cの範囲が好ましい作動環境でで使用するのに適している。管10の種々の層は、互いに一体的に積層され、管10の使用寿命を通じてはく離に対して抵抗する。多層管10は、23°Cおよび120°Cで少なくとも20barの破裂強さを有する。本発明の多層管10は、ブレーキ流体、エンジンオイル、および、例えばガソリン中の過酸化物に対して十分な耐性を有する。
外側層12は、紫外線崩壊、熱の極端な変化、塩化亜鉛等の周部有害物質との接触、および、エンジンオイルおよびブレーキ流体との接触による崩壊に対して耐性を有する溶融加工可能でかつ押出し可能な熱可塑性材料から形成される。一般に、外側層12は、12炭素ブロックポリアミド、11炭素ブロックポリアミド、および塩化亜鉛耐性の6炭素ブロックポリアミド熱可塑性エラストマーからなるグループから選択される。これらの熱可塑性エラストマーは合成物であり、SANTOPRENE(登録商標)、KRATON(登録商標)、SARLINKおよびVICHEM等の商品名で市販されている。
好ましい実施例では、ナイロン12等のポリアミドを効果的に用いることができる。ナイロン12等の熱可塑性樹脂は改質しあるいは非改質とすることが可能なことが知られている。改質すると、材料には、当該分野で既知の種々の可塑剤が包含される。好ましい実施例では、ポリアミドは、組成重量で17%までの可塑剤を内包し、これは約1%と約13%との間の量が好ましい。
ナイロン12を用いる場合は、外側層12は、約0.5mmと約0.9mmとの間で、約0.7と約0.8mmとの間の範囲が好ましい壁厚を有する。上述のように、材料は、通常の同時押出し法(co-extrusion methods)により、所要に応じて適宜の連続長に押出される。
第2の好ましい実施例では、外側層12は、ナイロン6等の6炭素ブロックポリアミドからなり、これは塩化亜鉛に接触したときに崩壊に対して抵抗する。外側層12を形成するナイロン6は、当業者に既知の態様で、種々の可塑剤、難燃剤等で改質することもできる。
この第2の好ましい実施例では、外側層12は、カプロラクタムの縮合重合から誘導されたポリアミド系熱可塑性樹脂(polyamide thermoplastic)からなる。このような材料は、一般に6炭素ブロックポリアミドあるいはナイロン6と称されている。好ましい実施例では、6炭素ブロックポリアミドは、内在的に耐塩化亜鉛性を示し、あるいは、十分な量の改質剤を内包してSAE基準J844に示されるパーフォーマンスリクワイヤメント9.6(Performance Requrement9.6)で必要とされる以上の耐塩化亜鉛性すなわち50重量%の塩化亜鉛溶液中に200時間浸漬した後の無反応性を与える。好ましい実施例では、6炭素ブロックポリアミド材料は、他のナイロンとオレフィン系化合物とを混合されたナイロン6共重合体からなる複合剤システム(multi-component system)である。特に優れた耐塩化亜鉛性ナイロン6は約220°Cと240°Cとの間の溶融温度を有する。本発明の管10に使用するのに適した熱可塑性材料の例には、エヌワイシーオーエイ社(NYCOA Corporation)およびアライドケミカル社(Allied Chemical)からそれぞれM-7551およびALLIED 1779の商品名で市販されているものがある。
6炭素ブラックポリアミド(6-carbon black plyamide)は、一般に熱可塑性複合剤に全重量%で約1.0%と例えば約13%との間の量で存在する種々の可塑剤等の当該分野で既知の他の改質物質を含む。用いられるポリアミド材料は、約-20°Cよりも低い温度で少なくとも2フット・ポンドの衝撃に耐えることのできる耐衝撃性改善材料である。
本発明の方法では、ナイロン6あるいはナイロン12は、好適な同時押出しヘッドから連続的に押出され、モールド成形されかつ外形を成形された領域に、局部的な拡張および伸張部を収容する十分な壁厚を持つ。外形成形された領域は、ある程度局部的なに引張りあるいは薄肉化されるが、しかし、多層壁構造の一体性を損なうことなく、この拡張に耐える十分な初期厚さを有する。好ましい実施例では、外側層は、約0.5mmと約2.5mmとの間の初期壁厚を有し、好ましい厚さは約0.75mmと約1.25mmとの間である。
本発明の内側層14に用いられる熱可塑性材料は、溶融加工可能で、押出し可能な熱可塑性材料であり、熱の極端な変化に耐え、例えばエンジンオイルおよびブレーキ流体内に存在する化学物質(chemical intervals)との接触に耐える。好ましい材料は少なくとも15%の破断点伸び値を有する。
特に好適な熱可塑性材料は、肉厚の外側層12に用いた熱可塑性材料と構造および成分において化学的に類似していることが好ましい。ここで「化学的に類似」の語は、12炭素ブロックポリアミド、11炭素ブロックポリアミド、および、耐塩化亜鉛性6炭素ブロックポリアミド、熱可塑性エラストマーおよびその混合物からなるグループから選択された熱可塑性材料として定義される。本発明の管10に好適に用いることができる熱可塑性エラストマーは、SANTOPRENE(登録商標)、KRATON(登録商標)、SARLINKおよびVICHEMの商品名で市販されている材料である。
本発明の管10の内側層14に用いられる熱可塑性材料は、厚い外側層12に用いられる材料と同一、あるいは、種々の熱可塑性材料の特別な性質の利点を取げ上げたリスト中から選定した異なる熱可塑性材料であってもよい。好ましい実施例では、内側層14は、厚い外側層12と類似するかあるいは同一の材料から形成することができる。ナイロン12等のポリアミドを用いると効果的である。これに代え、カプロラクタムの縮合重合から誘導されたポリアミドを用いることができる。好適な材料は、一般に6炭素ブロックポリアミドあるいはナイロン6と称されるものである。ここに用いられる6炭素ブロックポリアミドは、十分な量の改質剤を内包してSAE基準J844に示される試験方法で必要とされるものと等しいかあるいはそれ以上の耐塩化亜鉛性すなわち50重量%の塩化亜鉛水溶液中に200時間浸漬した後の無反応性を与える。
この内側層14に用いられる熱可塑性材料は、改質してもよくあるいは改質しなくてもよい。改質する場合は、この材料は、当該分野で既知の種々の可塑剤を含む。好ましい実施例では、ポリアミドは17成分重量%までの可塑剤を含み、これは約1%と約13%との間の量が好ましい。
6炭素ブロックポリアミド材料が用いられる場合は、一般に、他のナイロンとオレフィン系化合物とを混合されたナイロン6共重合体からなる複合剤システム(multi-component system)の一部である。特に優れた耐塩化亜鉛性6炭素ブロックポリアミド材料は約220°C240°Cとの間の溶融温度を有する。本発明の管10に使用するのに適した熱可塑性材料の例には、エヌワイシーオーエイ社(NYCOA Corporation)およびアライドケミカル社(Allied Chemical)からそれぞれM-7551およびALLIED1779の商品名で市販されているものがある。
6炭素ブロックポリアミド材料が可塑剤を含む例では、これらの物質は一般に可塑剤成分の全重量で約1.0%と約13%との間の量として存在する。
内側層14は、多層管10に対して十分な強度と化学物質耐性とを与える厚さを有する。特に、脂肪族および芳香族炭化水素分子およびこれらの分子の透過およびこれらの分子が厚い外側層12に至る移動を妨げるに十分な厚さを有する。本発明では、内側層14は、厚い外側層12よりも薄い壁厚を有する。好ましい実施例では、内側層14は、外側層12の約40%と約60%との間の壁厚を有し、約0.05mmと約0.2mmのと間で、約0.05mmと約0.17mmとの間の壁厚が好ましい。
更に内側層14は、選択に応じて、本発明の管10に、静電伝導特性を与えるために十分な量の物質を包含することができる。この場合、104から109Ohm/cm2の範囲の静電荷散逸能力(capable of dissipation of electrostatic charges)を有するのが好ましい。本発明に用いる熱可塑性材料は、その成分が規定された範囲で静電荷散逸可能とするために十分な量の導電性形状および成分の適宜の材料でよい。導電材料は、元素炭素と、ステンレス鋼と、銅と銀とニッケルとシリコンとそれらの混合体等等の高導電性金属とからなるグループから選択することができる。この「元素炭素(elemental carbon)」の語は、一般に「カーボンブラック」と称される材料を示しかつ包含するために用いているものである。このカーボンブラックは、炭素繊維、粉末、および球体等の形状で存在する。
熱可塑性樹脂内に含まれる導電性材料の量は、一般に、低温に対する耐性および管10を貫通するガソリンあるいは燃料の分解作用に対する耐性を考慮して制限される。使用する導電材料の量は、管10に対して静電気散逸特性を付加するに十分な量とすることができる。この場合、熱可塑性樹脂材料における導電性材料の最大量は、容積で5%よりも少ない。
導電性材料は、重合体の結晶性構造内に混合するか、あるいは、熱可塑性樹脂を形成するモノマーの重合の際に取入れることができる。なんらの理論に拘束されることなく、カーボンブラック等の炭素含有材料を、周囲熱可塑性材料の重合の際に取入れることが可能であると考えられている。例えばステンレス鋼等の材料は、重合体の結晶性構造内により混合しやすい。
内側層14と外側層12とからなる2つの熱可塑性材料を効果的に積層するために、本発明の管10は、更に、少なくとも1の中間層16を備え、この中間層は上述の2つの層間に介装され、これらと同時に押し出され、この中間層と2つの層とのそれぞれの間で好適に均一に結合する。内側層14は、中間結合層16により、外側層12に永久的かつ均一に結合される。中間結合層16は、一般に、内側層14に用いた材料よりもより弾性の材料から形成される。
本発明では、内部結合層16は、化学的に非類似の耐透過性、化学物質耐性、燃料耐性を有する熱可塑性材料であり、通常押出し範囲すなわち約175°と約250°との間で溶融加工可能である。特に優れた材料は、約150%の破断点伸び値を有し、約150%と約250%との間の破断点伸び値を有するのが好ましい。「化学的に非類似(chemicany dissimilar)」の語は、中間結合層16が非ポリアミド材料で、同時押出しにより、厚い外側層12と内側層14との間で共に一体的に接着可能であることを意味する。
中間結合層16は、内側層14と外側層12との間に均質結合を形成し、例えば燃料中の脂肪族および芳香族物質の透過に対する抵抗特性を有する。ここに用いる熱可塑性材料は、溶融加工可能で、同時押出し可能で、種々の可塑剤および他の改質物質を包含しあるいは包含しない熱可塑性材料であるのが好ましい。
好ましい実施例では、中間結合層16を形成する熱可塑性材料は、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)と、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)と、ポリテレメチレンテレフタアレート(polyteremethylene terephthalete)と、4よりも少ない炭素原子とビニルアルコールとを有する置換あるいは無置換アルケンの共重合体と、4よりも少ない炭素原子とビニルアセテートとを有するアルケンの共重合体と、これらの混合体とからなるグループから選択されたエチレングリコールから誘導される熱可塑性ポリエステルである。好ましい材料は、ポリブチレンテレフタレートと、エチレンおよび重量で約27%と約35%との間のエチレンを含有するビニルアルコールの共重合体からなるグループから選択された材料である。エチレンビニルアルコール共重合体が用いられる場合は、約27%と約32%との間のエチレンを有する重合体が好ましい。好適なポリブチレンテレフタレート材料は、ドイツ国デュッセルドルフのハルス(Huls)から1607ZE40の商品名で市販されている。本発明の管に用いることができる好適なEVA材料は、EVA/LAから市販されているエチレンビニルアルコールを含む。
選択により、中間層16に用いられる材料は、導電性特性を有し、104から109Ohm/cm2の範囲の静電荷散逸能力を有する。本発明に用いる熱可塑性材料は、その成分に、所定の範囲内における静電荷散逸を可能とする十分な量の導電性媒体を含む。導電性媒体はこの静電気の散逸を可能とする適宜の成分材料および形状でよい。導電性材料は、元素炭素、ステンレス鋼、および、例えば銅と銀と金とニッケルとシリコンとこれらの混合物等の高導電性金属からなるグループから選択することができる。この「元素炭素(elemental carbon)」の語は、一般に「カーボンブラック」と称される材料を示しかつ包含するために用いているものである。このカーボンブラックは、炭素繊維、粉末、および球体等の形状で存在する。
熱可塑性材料内に包含される導電性材料の量は、一般に、低温に対する耐性および管10を貫通するガソリンあるいは燃料の分解作用に対する耐性を考慮して制限される。使用する導電材料の量は、管10に対して静電気散逸特性を付加するに十分な量とすることができる。この場合、熱可塑性樹脂材料における導電性材料の最大量は、容積で5%よりも少ない。
導電性材料は、重合体の結晶性構造内に混合するか、あるいは、熱可塑性樹脂を形成するモノマーの重合の際に取入れることができる。なんらの理論に拘束されることなく、カーボンブラック等の炭素含有材料を、周囲熱可塑性材料の重合の際に取入れることが可能であると考えられている。例えばステンレス鋼等の材料は、重合体の結晶性構造内により配合しやすい。
結合送16に用いられる熱可塑性材料は、短連鎖芳香族および脂肪族化合物が透過するのに抵抗することができる。このような透過耐性は、内側ポリアミド送14との相乗作用により、熱可塑性結合送16が内側ポリアミド層4に結合されたときに、全透過耐性が飛躍的に増大する。したがって、多層管10により示される短連鎖芳香族および脂肪族炭化水素の透過に対する耐性は、本発明の複合材以上の厚さのポリブチレンテレフタレートあるいはポリアミドの各層が示す透過耐性を越える。
内側層14に用いられる材料は、外側層12よりも大きな伸張度を有する。一般に、内側層の破断点伸び値は約150%と約250%との間である。一般に、材料は弾性記憶をを有し、これにより、伸張あるいは他の変形作用をなしたときに、その伸び値の約200%まで材料が収縮する。
好ましい実施例では、中間結合層は、内側層14と外側層12との間で効果的に結合するために必要な最小厚さを維持するのが好ましい。更に、中間結合層16は、内側層14と共に、管10を通る燃料の透過を防止する作用をなすことができる。上述したように、炭化水素の透過は24時間の間に0.5gm/m2を越えないことが好ましい。したがって、結合層16は、透過抵抗に寄与し、内側層14と中間結合層16とはこれをなすために改質することができる。
内側層14と外側層16との間に均質な結合を形成可能なことに加え、中間結合層16は、脂肪族および芳香族化合物の透過に対する耐性を示す。更に、中間結合層は、上述のように導電性あるいは静電荷散逸特性を有する。したがって、中間結合層16は、選択に応じた十分な量の導電性媒体を含み104から109Ohm/cm2の範囲で静電荷を散逸する。内側層14と同様に、元素炭素、ステンレス鋼、銅、銀、金、ニッケル、シリコン、および、これらの混合体からなるグループから選択された所定の導電性物質を包含することにより、中間結合層16も本質的に静電荷を散逸可能であるか、あるいは、そのような性質とすることができる。
中間結合層16は、内側層14と外側層12との間でほぼ均質な結合を可能とするに十分な厚さを有している。一般に、中間結合層16は、他の2層よりも薄く、全壁厚の約10%と約50%との間、あるいは、外側層12の厚さの約20%と約30%との間の厚さに形成することができる。特定の実施例では、中間層16の厚さは、約0.05mmと約0.2mmとの間であり、約0.05mmと約0.2mmとの間であるのが好ましい。
本発明の多層管10は、長い円筒状壁18に形成され、長手方向軸線20に対して垂直なほぼ円形状断面を有する。円筒状壁18は、その全長および周方向に沿ってほぼ均一な壁厚を有し、内側面22と反対の外側面24とで限定される。内側面22は、ほぼ円筒状の開口を限定し、この開口は本発明の管10の長手方向に沿い、長手方向軸線20とほぼ同軸状に延びる。
多層管10の円筒状壁18は、少なくとも2つの別個の領域を備える。この円筒状壁18は、長手方向軸線20とほぼ平行な第1領域26を有する。第1領域26に隣接して波形領域である第2領域28が配置され、この第2領域は、円筒状壁18における少なくとも1のコンボルーション(convolution)あるいは波形部(corrugation)30で限定される。ここではコンボルーションの用語は、長手方向軸線20に対して平行からずれた円筒状壁18の1領域として規定されており、これは長手方向軸線に対して平行な位置から外方にずれていることが好ましい。このずれは、最大で、第1領域26の内径よりも約20%と300%の間の値大きな内径を形成する。好ましい実施例では、コンボルーション30の内径は、第1領域26の内径よりも20%と100%の範囲で大きい。
本発明の管10は、必要な撓み度を得るために、必要に応じて、適宜の長さの円筒状管に適宜数のコンボルーションを有することができる。コンボルーションの形状は必要に応じてどのような断面形状であってもよい。したがって、コンボルーション30は、必要に応じて、アングル付き、方形、あるいは正弦波形状などでもよい。好ましい実施例では、本発明の管10は、垂直から90°を越えて曲げるために、管10の全長中に配置された十分なコンボルーションを有する。なお、本発明の管10は最終ユーザに合わせてカスタマイズすることができる。したがって、このような鋭角状の曲げが必要でない場合は、管のコンボルーションはより少数あるいは浅く形成することができる。
本発明の管10内の屈曲として、第2領域28一側の長手方向領域を圧縮して種々のコンボルーション30の一部を互いに側部接触させ、一方、経方向に対向する領域を逆に伸張させることにより、行うこともできる。
管10は、図に示すホース掛かり部38などの種々のモールド成形されたフランジ等を有することもできる。全てのモールド成形された領域と同様にホース掛かり38では、壁厚は外方拡張部を通じてほぼ一定に保持され、種々の層の相対的な厚さも同様である。
したがって、本発明は、装着の際に種々の曲げおよび輪郭形状とすることができる多層管材料である。このように形成された材料は、丈夫で、装着および使用中における層はく離に対して耐性を有する。本発明は炭化水素を含有する流体を取り扱うために自動車システムに接続する長い多層管を開示する。内面は、長手方向に延びるほぼ障害の無い通路を、管の内側に形成する。壁部は、ほぼ均一断面形状の長手方向に延びる第1領域と、断面形状が変化する少なくとも1の波形部を有して長手方向に延びる第2領域とを備える。第2領域は、少なくとも第1領域の断面領域の大きさの断面領域を有する。第2領域は、管の長手方向軸線が非直線状となるように、管を曲げることができる。壁部は、ほぼ一定の厚さで永久的かつ第1,第2領域を通じて互いに均一に結合された多数の層で形成される。多数の層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンド(約2.71Nm)の衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料から本質的になる第1層と、此の第1層に均質に結合された第2層とを備え、この第2層は、短連鎖炭化水素の透過に対する耐性を有する押し出し可能で溶融可能可能な熱可塑性材料からなり、この第2層は、第1層に用いられる熱可塑性材料とは化学的に非類似で、第1層に十分永久的に積層接着して管の所要の寿命中における層はく離を防止可能で、更に、この第2層に均質に結合される押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からなる第3層を備え、この第3層は、第2層に十分永久的に積層接着し、管の所要の使用寿命にわたって層はく離を防止可能であり、この第3層の押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンド(約2.71Nm)の衝撃に耐える能力とを有し、この第3層は第1層よりも薄い厚さを有する。
以下は、上述の市販されている化合物の種々の例を簡単に説明するものである。なお、これらは説明のために適した化合物の例である。したがって、他の好適な化合物も本発明が意図し、その範囲に含まれていることを理解されたい。
SANTOPRENE(登録商標)はミズリー州セントルイスのアドバンストエラストマーシステムズ社(Advanced Elastomer Systems L.P.)から市販され、FRグレードの熱可塑性ゴムである。熱、可塑性ゴムの他、三酸化アンチモン難燃剤を含み、およびカーボンブラック、CASNo.1333-86-4を含む。SANTOPRENE(登録商標)熱可塑性ゴムは、強酸化物と反応し、425°F以上の温度でアセタール樹脂と反応し、アセタール樹脂の分解物(decomposition)および分解物としてホルムアルデヒドを生成する。ハロゲン化ポリマーおよびフェノール樹脂の分解は、加工温度でSANTOPRENE(登録商標)熱可塑性ゴムと接触すると更に加速される。SANTOPRENE(登録商標)の物理的特性は、僅かにゴム状の臭いを有し、黒あるいは自然(着色可能)ペレット状の外観を有する。500°Fまで熱的に安定である。引火温度は、ASTM-D1929-77方法によると650°Fよりも高く、同じ方法により、自然発火温度は700°Fより上である。典型的な比重は0.9から1.28である。この材料は、本発明に適した種々の硬さを有するが、しかし、好ましい実施例では、80ショアA硬さを有するSANTOPRENE(登録商標)熱可塑性ゴムが使用される。SANTOPRENE(登録商標)熱可塑性ゴムは、ネオプレンなどの通常の熱硬化性ゴムと等しい流体およびおいる耐性を持つように形成されている。オイルに対するSANTOPRENE(登録商標)熱可塑性ゴムの耐性は、ゴムに対するSAEJ200/ASTMD2000標準分類システムを用いることにより分類することができる。
ミシガン州アレンデールのビッケム社(Vichem Corporation)のビニルコンパウンドは、ビニル樹脂と機能性添加剤とを含むポリビニルクロライド化合物である。成分は、安定剤、樹脂CAS No.75-01-4、可塑剤CAS No.68515-49-1、エポキシ化大豆オイル(epoxysoya oil)CAS No.8013-07-8、充填剤CAS No.1317-65-3およびカーボンブラックCAS No.1333-85-4を含む。比重は1.35であり、ペレット状の外観を有し、特徴的な無刺激臭を有する。
KARATON(登録商標)は、比重0.9から1.90、15Aから60Dの硬さを有する熱可塑性ゴムである。引張り強さは、2,500psiに達する。伸びは750%に達し、引裂強さは750psi(130kN/m)に達する。曲げ係数(flex modulus)は、750から100000psiである。作動温度は-70°Cから150°Cである。耐オゾン性に優れている。紫外線耐性は優れ、流体抵抗はかなり優れ、難燃性にかなり優れる。
SARLINKは、マサチュセッツ州レオミンスタのノバコケミカル社(Novavor Chemicals Inc.)から市販されている。比重は1.13から1.22の範囲である。弾性率100%の範囲は260から570psiである。引張り強さは780と2060psiの範囲にある。極限伸びは、約345と約395%との範囲にある。引裂強さは、約81と約196psiとの間の範囲にある。永久伸びは約4と6%との間の範囲である。酸およびアルカリ、水溶液、有機溶剤、石油および燃料、例えばオートマチックトランスミッションおよびパワーステアリングなどの自動車用流体、および工業流体に対して優れた流体抵抗を有する。液圧ブレーキ、リチウムグリースおよび不凍液などの自動車用流体に対してかなりの流体抵抗を有し、有機溶剤に対しては耐性が劣る。SARLINK製品は固体で、黒のペレット材料であり、中程度の刺激臭を有する。20°Cで水に溶解しない。
本発明の部材の好ましい実施例、形態および配置について説明してきたが、当業者であれば、開示した実施例を変更することが可能である。したがって、上記の説明は制限するものではなく、例示であり、本発明の真の範囲は請求の範囲に規定されている。
(57)【特許請求の範囲】
1. 外面とこの外面とほぼ平行な内面とを有し、この内面がほぼ円筒状の内部を形成し、このほぼ円筒状の内部はその長手方向軸線とほぼ同軸状に長手方向に延びる円筒状壁を備える自動車に用いるのに適した多層管であって、この円筒状壁自体は、
ほぼ均一な断面径を有する第1領域を備え、この第1領域で、この円筒状壁が平坦な長手方向断面を有し、円筒状壁が同軸の長手方向軸線にほぼ平行に向き、
更に
前記円筒状壁が少なくとも1のコンボルーションを有する第2領域を備え、このコンボルーションはこの第2領域内で、長手方向位置に応じて位置変化する断面径を有し、このコンボルーションは第1領域のほぼ均一な断面径とは異なる断面径を有し、この多層管の円筒状壁は、更に、
内外面を有する厚い可撓性の外側層を備え、この外側層は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有する押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からのみ形成され、更に、
この厚い外側層の内面に均等に結合された薄い中間結合層を備え、この結合層は、短連鎖炭化水素の透過に耐性を持つ押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料からなり、この熱可塑性材料からなる薄い中間結合層は、厚い外側層に用いられる押し出し可能な熱可塑性材料と化学的に非類似で、厚い外側層の内面に十分永久的に積層接着可能であり、更に、
この中間結合層に均等に結合される押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料からなる内側層を備え、この内側層の押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料は、中間結合層に十分永久的に積層接着可能であり、この内側層の押し出し可能で溶融加工可能な熱可塑性材料は、少なくとも150%の破断点伸び値と、約-20°Cより低い温度における少なくとも2フットポンドの衝撃に耐える能力とを有し、この内側層は、外側層の厚さよりも薄く、
各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通じてほぼ一定かつ連続状態に維持される、管。
2. 円筒状壁の第2領域に配置されたコンボルーションの断面径は、第1領域の内径よりも約20%と約300%との間で大きい請求項2に記載の管。
3. 内側層に用いられる熱可塑性材料は、104から109ohm/cm2の範囲の静電荷散逸能力を形成するために十分な量の導電性媒体を含む請求項1または2に記載の管。
4. 内側層は、更に、元素炭素と、銅と、銀と、金と、ニッケルと、シリコンと、それらの混合物とからなるグループから選択される導電性物質を包含し、この導電性物質は、ポリマー材料の約5容積%よりも少ない量が存在する請求項1から3のいずれか1に記載の管。
5. 厚い外側層の押し出し可能な熱可塑性材料は、ナイロン11とナイロン12と塩化亜鉛耐性のナイロン6とこれ等の混合物とからなるグループから選択されたポリアミドである請求項1から5のいずれか1に記載の管。
6. 中間結合層に用いられる熱可塑性材料は、主要構成部材として、押し出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性ポリエステルを含み、これは、ポリブチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートと、ポリテレメチレンテレフタレートと、これらの混合物とからなるグループから選択される請求項1から5のいずれか1に記載の管。
7. 中間結合層に用いられる熱可塑性材料は、本質的にポリブチレンテレフタレートからなる請求項1から5のいずれか1に記載の管。
8. 中間層と内側層との双方は、約0.05mmと約0.2mmとの間の厚さを有する請求項1から7のいずれか1に記載の管。
9. 薄い中間層に用いられる熱可塑性材料は、4よりも少ない炭素原子とビニルコールとを有するアルケンの共重合体と、4よりも少ない炭素原子とビニルアセテートとを有するアルケンの共重合体と、これらの混合体とからなるグループから選択された押出し可能で、溶融加工可能な熱可塑性材料であり、
多層管は、24時間の間に0.5g/m2より少ない炭化水素の透過率を有する、請求項1,2,3,4,5,あるいは8のいずれか1に記載の管。
10. 中間結合層に用いられる熱可塑性材料は、エチレンと、重量で約27%と約32%との間のエチレンを含有するビニルアルコールとの共重合体からなるグループから選択される請求項1,2,3,4,5,8又は9に記載の管。
11. 内側層は、カプロラクタムの縮合重合から誘導された押出し可能な6炭素ブロックポリアミドからなる請求項8又は9に記載の管。
 
訂正の要旨 特許第2968045号発明の明細書中、
1.特許請求の範囲の請求項1における次の記載、
「各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通じてほぼ一定に維持される」を、
「各層のそれぞれの厚さは、第2領域におけるコンボルーションを通じてほぼ一定かつ連続状態に維持される」に訂正する。
異議決定日 2001-05-28 
出願番号 特願平7-526507
審決分類 P 1 652・ 121- YA (B32B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 鴨野 研一  
特許庁審判長 小林 正巳
特許庁審判官 仁木 由美子
喜納 稔
登録日 1999-08-20 
登録番号 特許第2968045号(P2968045)
権利者 アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド
発明の名称 少なくとも2層が互いに異なる重合体材料からなる少なくとも3層の波形状重合体管  
代理人 白根 俊郎  
代理人 坪井 淳  
代理人 坪井 淳  
代理人 村松 貞男  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 白根 俊郎  
代理人 村松 貞男  
代理人 鈴江 武彦  
代理人 橋本 良郎  
代理人 橋本 良郎  

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