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審決分類 |
審判 全部申し立て 発明同一 A23J 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 A23J |
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管理番号 | 1046804 |
異議申立番号 | 異議2000-70280 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1991-03-07 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-01-26 |
確定日 | 2001-09-11 |
異議申立件数 | 2 |
事件の表示 | 特許第2925028号「加水分解された植物タンパク質の製造方法及びこれから得られた生成物」の請求項1ないし26に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2925028号の請求項24ないし26に係る特許を取り消す。 同請求項1ないし23に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.請求項1ないし26に係る発明 特許第2925028号(平成2年7月13日出願、平成11年5月7日設定登録。)の請求項1ないし26に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項によって特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1、24、25及び26に係る発明は、次のとおりのものである。 「【請求項1】(a)植物タンパク質を少なくとも1個のプロテアーゼ-この際少なくとも1個のこのプロテアーゼはエンドプロテアーゼである-を有する水性溶液に加えて、加水分解し、 (b)加水分解された可溶性タンパク質から不溶性塊を分解し、 (c)酸を加水分解された可溶性タンパク質に加え、混合物を加熱し、加水分解物を実質上脱アミド化し、それによって酸加水分解を、2ppmの低い量に対して感度を示すガスクロマトグラフィーによってしか測定されないような、検出不可能な量を生じるのに十分に短い時間実施し、次いで (d)脱アミド化された加水分解物を中和することを特徴とする、 2ppmの低い量に対して感度を示すガスクロマトグラフィーによってしか測定されないような、検出不可能な量のモノクロロプロパノールを有する加水分解された植物タンパク質を製造する方法。 【請求項24】請求項1記載の方法の生成物。 【請求項25】実質上風味増加特性を示す、2ppmの低い量に対して感度を示すガスクロマトグラフィーによってしか測定されないような、検出不可能な量のモノクロロプロパノールを有する、加水分解された植物タンパク質。 【請求項26】かなりの量のグルタミン酸モノナトリウム、すなわち乾燥重量に対して25重量%までを含有する請求項25記載の加水分解された植物タンパク質。」 2.異議申立ての理由の概要 ア.異議申立人 デーエスエム ナムローゼ フェンノートシャップは、下記の証拠を提出して、 (1)請求項25及び26に係る発明は、特願平1ー248239号(甲第1号証参照)あるいは特願平1ー265368号(甲第2号証参照)の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである、 (2)請求項25及び26に係る発明は、甲第3号証あるいは甲第4号証に記載された発明であるから、同法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものである、 (3)請求項25に係る発明は、甲第3号証あるいは甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、また、請求項26に係る発明は、甲第3〜7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、そのいずれも同法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである、 旨主張している。 記 甲第1号証 特開平2ー135056号公報 甲第2号証 特開平2ー150241号公報 甲第3号証 特開昭62ー171645号公報 甲第4号証 特公昭49ー15789号公報 甲第5号証 Murray,J.C.F.,“Production a nd uses of hydrolysed wheat proteins”,IFST Proceedings, (1979),12(3),pp.121ー125 甲第6号証 Knight J.W.,“Chemistry of w heat starch and gluten and their conversion products”, (1965),published by Leonard Hill,London,chapter 3,pp.84 ー105 甲第7号証 Jens Adler‐Nissen,“Enzymic hydrolysis of Food products ”,(1986),publised by Elsevi er Applied Science Publishe rs, London and New York,pp. 146ー147 イ.異議申立人 西川 武則は、下記の証拠を提出して、 (1)請求項24、25及び26に係る発明は、特願平1ー248239号(甲第1号証参照)あるいは特願平1ー265368号(甲第2号証参照)の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである、 (2)請求項1に係る発明は、その特許請求の範囲の記載が不備であり、同法第36条第5項に規定する要件を満たしていない、また、同様の技術事項によって発明が特定されている請求項2ないし26の各記載も同様に同法第36条第5項に規定する要件を満たしていない、 旨主張している。 記 甲第1号証 特開平2ー135056号公報 甲第2号証 特開平2ー150241号公報 甲第3号証 「改訂 日本食品アミノ酸組成表」科学技術庁資源調査会・ 資源調査所編集、昭和61年10月25日、大蔵省印刷局発 行、第116〜117頁、第120〜121頁、第142〜 143頁 3.請求項24、25及び26に係る発明について 当審が平成12年6月19日付けで「請求項24、25及び26に係る発明は、特願平1ー248239号(甲第1号証参照)あるいは特願平1ー265368号(甲第2号証参照)の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである」との取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは何らの応答もない。 そして、上記の取消理由は妥当なものと認められる。 4.請求項1ないし23に係る発明について 異議申立人 西川 武則は、請求項1に記載された「2ppmの低い量に対して感度を示すガスクロマトグラフィーによってしか測定されないような、検出不可能な量のモノクロロプロパノールを有する」という技術事項は、その内容が不明である旨主張しているが、前記箇所は「2ppm程度までは測定可能であるガスクロマトグラフィーでは検出できない量、すなわち、2ppmより少ないために該ガスクロマトグラフィーでは検出できない量のモノクロロプロパノール量である」ことを意味するものと認められ、請求項1ないし23には、異議申立人が指摘するような記載不備はない。 5.むすび 以上のとおり、請求項24ないし26に係る発明は、上記先願明細書に記載された発明と同一であるから、請求項24ないし26に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、請求項1ないし23に係る発明の特許については、取消理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-04-17 |
出願番号 | 特願平2-184406 |
審決分類 |
P
1
651・
161-
ZC
(A23J)
P 1 651・ 534- ZC (A23J) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 上條 肇 |
特許庁審判長 |
田中 久直 |
特許庁審判官 |
大高 とし子 斎藤 真由美 |
登録日 | 1999-05-07 |
登録番号 | 特許第2925028号(P2925028) |
権利者 | シー・ピー・シー・インターナシヨナル・インコーポレイテツド |
発明の名称 | 加水分解された植物タンパク質の製造方法及びこれから得られた生成物 |
代理人 | 竹内 英人 |
代理人 | 宍戸 嘉一 |
代理人 | 箱田 篤 |
代理人 | 江崎 光史 |
代理人 | 今城 俊夫 |
代理人 | 小川 信夫 |
代理人 | 大塚 文昭 |
代理人 | 江崎 光好 |
代理人 | 西島 孝喜 |
代理人 | 中村 稔 |
代理人 | 熊倉 禎男 |
代理人 | 村社 厚夫 |