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審決分類 |
審判 一部申し立て 発明同一 C12N |
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管理番号 | 1046805 |
異議申立番号 | 異議2000-70910 |
総通号数 | 23 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1994-02-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-03-06 |
確定日 | 2001-08-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第2944841号「コリネ型バクテリア中の挿入配列又はトランスポゾンの発見法及び発見用陽性選択システム、挿入配列のDNA、及びコリネ型バクテリアの突然変異誘発法並びに菌株のゲノム中での更なるコピーの検出法」の請求項4、5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第2944841号の請求項4に係る特許を取り消す。 同請求項5に係る特許を維持する。 |
理由 |
(1)手続の経緯 特許第2944841号に係る発明についての出願は、平成5年3月18日に特許出願され、平成11年6月25日にその特許の設定登録がなされ、その後、味の素株式会社より請求項4及び5に対し特許異議の申立がなされ、請求項4に対して取消理由通知がなされたが、これに対し特許権者からの応答はなかった。 (2)本件発明 本件請求項4乃至5に係る発明(以下、「本件発明4乃至5」という。)は、その特許請求の範囲の請求項4乃至5に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (3)特許異議申立の理由の概要 特許異議申立人は、証拠として甲第1号証乃至甲第3号証を提出し、本件発明4乃至5の特許は、特許法29条の2、1項の規定に違反してされたものであるから取り消すべき、と主張している。 記 甲第1号証(平成5年特許願第515540号の明細書及び図面(国際出願日:1993年3月11日;国際出願番号:PCT/JP93/00300;優先権主張日:1992年3月11日(平成4年特許願第52694号);国際公開番号:WO93/18151;国際公開日:1993年9月16日)(国際公開第93/18151号パンフレット)) 甲第2号証(International Journal of Systematic Bacteriology,Vol.41,No.2,Apr.1991,p.255-260) 甲第3号証(ATCC Bacteria and Bacteriophages Nineteenth edition,1996,p109-111) (4)判断 (本件発明4について) 平成5年特許願第515540号の明細書及び図面(甲第1号証)には、ブレビバクテリウム ラクトファーメンタム由来の転移因子(トランスポゾン)を含むDNA断片が示され、「【配列表】配列番号:2」には、配列長さ1441のDNA断片が記載されている。 そして、該DNA断片は、その両末端塩基配列の長さ26bpの逆方向反復末端: IR-L GGCCCTTCCGGTTTTGGGGTACATCA IR-R GGCTCTTCCTGTTTTAGAGTGCATTG を有している。 本件発明4と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、両者は、「約1.45kbからなり、かつ同じ塩基配列の長さ26bp(請求項4には、「24bp」と記載されているが、「26bp」の誤記と認める。)の逆方向反復末端を有する挿入配列のDNA」である点で一致し、前者では、「C.グルタミクム、C.ファシアンス、C.ヘルクリス及びB.フラブムからの」と特定されているが、後者ではそのような特定がない点で一応相違する。 しかるに、転移因子(トランスポゾン)を有するか否かは、「種」特異的ではなく、「菌株」特異的なものであることは本件優先日当時周知の事項であったから、上記「C.グルタミクム、C.ファシアンス、C.ヘルクリス及びB.フラブムからの」とは、「挿入配列のDNA」を何ら特定したことにはならない。 すなわち、両末端塩基配列に挟まれる塩基配列は、何ら特定されているとはいえない。 そうすると、本件発明4は、甲第1号証に記載された発明と同一ということになり、しかも、本件発明4の発明者が甲第1号証に記載された発明の発明者と同一であるとも、本件出願の時において、その出願人が上記他の出願の出願人とも同一であるとも認められないので、本件発明4の特許は、特許法29条の2、1項の規定に違反してされたものである。 (本件発明5について) 本件発明5に係る塩基配列と甲第1号証に係る「配列番号:2」に記載の塩基配列とを対比すると、両者では27ヶ所で相違している。 しかるに、上記相違は、塩基の置換、並びに対応塩基の欠如に係るところ、これらの相違が本件優先日当時周知の事項であったということはできない。 そうすると、本件発明5は、甲第1号証に記載された発明と同一であるとはいえない。 なお、甲第2号証及び甲第3号証には、ブレビバクテリウム フラバムとブレビバクテリウム ラクトファーメンタムに属ずるグルタミン酸生産性を有する菌株は、コリネバクテリウム グルタミカムと同一種として分類されることを立証するものであるが、これが立証されたとしても、上記判断が左右されることはない。 (5)まとめ 以上のとおり、本件発明4は、甲第1号証に記載された発明と同一であるから、本件発明4の特許は、特許法29条の2,1項の規定に違反するので、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、他に本件発明5についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-03-28 |
出願番号 | 特願平5-58443 |
審決分類 |
P
1
652・
161-
ZC
(C12N)
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最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 上條 肇 |
特許庁審判長 |
徳廣 正道 |
特許庁審判官 |
田村 明照 田中 久直 |
登録日 | 1999-06-25 |
登録番号 | 特許第2944841号(P2944841) |
権利者 | デグッサ アクチェンゲゼルシャフト |
発明の名称 | コリネ型バクテリア中の挿入配列又はトランスポゾンの発見法及び発見用陽性選択システム、挿入配列のDNA、及びコリネ型バクテリアの突然変異誘発法並びに菌株のゲノム中での更なるコピーの検出法 |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 金谷 宥 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |