ポートフォリオ機能
| ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
| 既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード
|
| 審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード：2 G11B |
|---|---|
| 管理番号 | 1047808 |
| 審判番号 | 補正2001-50004 |
| 総通号数 | 24 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 特許審決公報 |
| 発行日 | 1992-11-09 |
| 種別 | 補正却下不服の審決 |
| 審判請求日 | 2001-02-22 |
| 確定日 | 2001-10-09 |
| 事件の表示 | 平成 3年特許願第 86420号「磁気テープ記録装置」において、平成4年1月27日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
| 結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
| 理由 |
1.手続の経緯、本願発明 本願は、平成3年4月18日の出願であって、「磁気テープ記録装置」に関するものと認められる。 2.原決定の理由 一方、原決定の理由は以下のとおりである。 「上記手続補正書に記載の「5.6」「7.2」「990」「150」「200」「2」は、出願当初の明細書及び図面に記載されていないし、それから自明な事項である認められないので、この補正は、明細書の要旨を変更するものと認める。したがって、この補正は特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」 3.出願人の主張 これに対して、出願人は以下のように主張している。 「本願の出願当初の明細書及び図面に記載された実施例が、”8mmビデオ”において記録/再生される輝度信号,搬送色信号及び音声信号と同様の輝度信号,搬送色信号及び音声信号の記録/再生を行うものであり、その際、輝度信号,搬送色信号及び音声信号の夫々にその時間軸を3/4の圧縮率をもって圧縮する処理を施し、”8mmビデオ”の場合と同様に、時間軸圧縮がなされた輝度信号をFM信号に変換し、時間軸圧縮がなされた搬送色信号の色副搬送波周波数を低域周波数に変換し、さらに、時間軸圧縮がなされた音声色信号をFM信号に変換して、磁気テープに記録するものであってみれば、平成4年1月27日付け手続補正書により補正が試みられた各周波数、即ち、「周波数5.6MHｚ」,「周波数7.2MHｚ」,「約2.7MHｚ」,「約990KHｚ」,「±150〜200KHｚ程度」,「2MHｚ」及び「約2MHｚ」は、当業者にとって出願当初の明細書及び図面から自明な事項であると認められるべきものである。」 4.当審の判断 (1)本願の出願当初の発明の詳細な説明第8,11,23段落の記載からみて、本願の出願当初の明細書及び図面に記載された実施例は、 「径が40mmの標準テープ案内シリンダを備えた標準的ビデオテープレコーダを基準として定められた、40mm×2/3、即ち、略26.67mm に設定された径を有するテープ案内シリンダを備え、標準的ビデオテープレコーダとの互換性を備えた小型ビデオテープレコーダを形成する磁気テープ記録装置」であって「標準的なビデオテープレコーダとの互換性を備えている」こと は認められるが、所謂”8mmビデオ”で記録、再生される信号と同様の信号の記録、再生を行うものであるとは、直接的には記載されていない。 (2)本願の出願当初の明細書に記載された、高域通過フィルタ28の遮断周波数「2MHｚ」、色副搬送波周波数「743KHｚ」、音声搬送波周波数「1.5MHｚ」、音声周波数偏移幅「±100〜150KHｚ」、音声通過帯域中心周波数「1.5MHｚ」は、所謂”8mmビデオ”の規格で定められた周波数と同じであるが、本願の出願当初の明細書に記載された輝度信号の同期信号の先端「5.7MHｚ」、輝度信号のホワイト・ピーク「7.7MHｚ」は、所謂”8mmビデオ”の規格で定められた周波数とは異なっているから、所謂”8mmビデオ”で記録、再生される信号に対して、時間軸圧縮による周波数の変化を、単に計算し忘れたものとは言えない。 また、上記手続補正で補正された音声周波数偏移幅「±150〜200KHｚ程度」も、所謂”8mmビデオ”の音声周波数偏移幅を、出願人が主張するように時間軸圧縮したものであるならば、「±133〜200KHｚ程度」となるはずである。 よって、本願の出願当初の明細書及び図面に記載された実施例が、所謂”8mmビデオ”で記録、再生される信号と同様の信号の記録、再生を行うものであると推定することはできない。 (3)本願発明の磁気テープ記録装置は、出願当初の明細書に記載された上記周波数でも動作可能であるから、上記周波数は誤記であるともいえない。 (4)上記手続補正で補正された、輝度信号の同期信号の先端「5.6MHｚ」、輝度信号のホワイト・ピーク「7.2MHｚ」、高域通過フィルタ28の遮断周波数「2.7MHｚ」、色副搬送波周波数「990KHｚ」、音声搬送波周波数「2MHｚ」、音声周波数偏移幅「±150〜200KHｚ」、音声通過帯域中心周波数「2MHｚ」が、出願当初の明細書及び図面に記載されていないことは明かである。また、上記(1)〜(3)を総合的に勘案すると、当業者にとって出願当初の明細書及び図面から自明な事項であるとも言えない。 5.むすび したがって、上記手続補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
| 審理終結日 | 2001-07-03 |
| 結審通知日 | 2001-07-13 |
| 審決日 | 2001-07-25 |
| 出願番号 | 特願平3-86420 |
| 審決分類 |
P
1
7・
2-
Z
(G11B)
|
| 最終処分 | 不成立 |
| 前審関与審査官 | 竹中 辰利 |
| 特許庁審判長 |
内藤 二郎 |
| 特許庁審判官 |
麻野 耕一 伊東 和重 |
| 発明の名称 | 磁気テープ記録装置 |
| 代理人 | 神原 貞昭 |