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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H05K |
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管理番号 | 1048229 |
審判番号 | 審判1999-19735 |
総通号数 | 24 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-06-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-12-09 |
確定日 | 2001-11-27 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第305013号「多層プリント配線板」拒絶査定に対する審判事件〔平成7年6月23日出願公開、特開平7-162154、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成5年(1993)12月6日の出願であって、その請求項1ないし3に係る発明は、当審において補正された明細書の記載からみても、その特許請求の範囲の各請求項に記載された事項により構成されるとおりの次のものである。 「【請求項1】 液状樹脂をガラスクロスに含浸させ硬化させた絶縁層を用い、かつ両面及び内層に配線層が形成された多層構造のリジッド基板と、前記リジッド基板の両面側に表裏同じ材質からなる液状の樹脂を塗布し硬化させて得られる絶縁層を介して、めっきにより設けられる表層配線層と、リジッド基板に設けられた配線層と表層配線層との間を、前記絶縁層を貫通して接続し、かつリジッド基板を貫通しないように設けられたバイアホールと、リジッド基板に設けられた配線層の相互間を接続するバイアホールと、を有する多層プリント配線板であって、前記リジッド基板に設けられた配線層の相互間を接続するバイアホールは、両面の表層配線層を貫通しないことを特徴とする多層プリント配線板。 【請求項2】 前記リジッド基板に設けられた配線層の相互間を接続するバイアホールの上部に、絶縁層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の多層プリント配線板。 【請求項3】 上記多層プリント配線板の周囲に端子が設けられ、該端子に外部接続用のリードが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多層プリント配線板。」 そこで、当審での拒絶理由通知に引用された文献の開示事項について検討すると、 [刊行物1:特開平1―307294号公報]には、その第2図(i)、及び第3図(i)(j)に、両面の表層配線層を貫通しないようにスルホールあるいはバイアホールを設計する点が示されているが、基体となるプリント基板54の両面に配線層が設けられたものではない。 [刊行物2:特開平1―120781号公報]には、周囲に端子が設けられ、該端子に外部接続用のリードが電気的に接続されている多層プリント配線板が示されているが、基体となる基板11の配線層構成については示されていない。 次に、原査定の拒絶の理由に引用された文献の開示事項について 検討すると、 [引用例1:特開平3―261196号公報]には両面の表層配線層を貫通しないようなスルホールを設ける点が記載されているが、基板の材質はセラミックスであって、本願発明とは全く相違し、また、基体となる基板11は多層構造のものではない。 [引用例2:特開平5―75269号公報]には、両面の表層配線層を貫通しないようなバイアホールを設ける点が記載されてはいるが、両面及び内層に配線層が形成された多層構造の基体までの発明で、表面配線層を意図したものではない。 なお、引用例3は、前記刊行物2と同じ文献のため刊行物2と同じである。 以上、各刊行物及び引用例からは、表層配線層を貫通しない基体部分だけのバイアホールあるいはスルーホールが、公知であることは認められるにしても、少なくとも、本願明細書の特許請求の範囲の各請求項に係る発明の構成の一部である「両面及び内層に配線層が形成された多層構造の基板の両面側に表裏同じ材質からなる液状の樹脂を塗布し硬化させて得られる絶縁層を介して、めっきにより設けられる表層配線層」という事項についての記載は見出せない。 そして、本願の各請求項に係る発明は、この事項と基体部分だけのバイアホールあるいはスルーホールとの組み合わせによって明細書に記載の特有な効果を奏するものと認められる。 したがって、本願の各請求項に係る発明は、引用された各刊行物及び引用例に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとは認めることができないから、本願を原査定の拒絶の理由及び当審で通知した拒絶理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-11-08 |
出願番号 | 特願平5-305013 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H05K)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 市川 裕司、青木 俊明、中川 隆司 |
特許庁審判長 |
蓑輪 安夫 |
特許庁審判官 |
井口 嘉和 鈴木 法明 |
発明の名称 | 多層プリント配線板 |