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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A47G |
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管理番号 | 1048390 |
異議申立番号 | 異議2001-70305 |
総通号数 | 24 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1998-12-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-01-26 |
確定日 | 2001-07-04 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3072417号「敷物」の請求項1ないし7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3072417号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件特許3072417号(以下「本件」という。)は、平成9年5月20日に出願されたものであって、平成12年6月2日に設定登録がされ、同年7月31日に特許公報に掲載され、これに対して、特許異議申立人日本マイヤー株式会社より、平成13年1月26日付けで本件の請求項1乃至請求項7(全請求項)に係る発明の特許に対して特許異議の申立てがされ、その後、当審の取消理由通知に対して、平成13年6月7日付け訂正請求書により訂正請求がされたものである。 〔2〕訂正事項と訂正の適否についての判断 1.本件訂正請求は、以下の事項について訂正するものである。 (1)特許請求の範囲の請求項1の「・・・敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成る敷物。」を「・・・敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成り、下布が鎖編目列(21)に囲まれた開口(28)を有するネット構造を成し、上布の隣合う鎖編目列間(22・22)が挿入糸(23)で連結されており、上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左右の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されている排水性敷物。」と訂正。 (2)特許請求の範囲の請求項2及び請求項3を削除し、これに伴って、請求項4乃至請求項6を請求項2乃至請求項4に繰り上げる。 (3)特許請求の範囲の請求項7を請求項5に繰り上げるとともに、同請求項の「繊維糸条」を「繊維」と訂正。 (4)上記各請求項の訂正にともない、発明の詳細な説明中の段落【0005】〜【0011】、【0017】、【0022】、【0023】、【0025】〜【0027】の各記載を訂正。 2.そこで、訂正事項について検討すると、特許請求の範囲の訂正は、本件各発明の上布と下布の間の構成を、訂正前の請求項2、3及び発明の詳細な説明に記載された態様に限定し、また、本件発明の敷物が発明の詳細な説明中に示されている「排水性敷物」である旨、及び扁平断面が繊維の断面のことである点を明確にするものであると認められ、さらに、発明の詳細な説明の訂正は、訂正された特許請求の範囲の記載と整合させたものであるから、これらの訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書第1号及び同第3号にいう特許請求の範囲の減縮、及び、明りょうでない記載の釈明に該当し、また、本件訂正事項は、全体として願書に最初に添付した明細書及び図面の範囲においてされたものであると認められるので、同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定にも適合する。 したがって、本件訂正はこれを認める。 〔3〕特許異議申立てについての判断 1.本件請求項1乃至請求項5に係る発明は、訂正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至請求項5に記載された以下のものにある。 「請求項1 上糸で構成される上布と、下糸で構成される下布を、それらの間に一定のスペースを開けて連結糸(24)で連結して成る二重経編地(27)を、敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成り、下布が鎖編目列(21)に囲まれた開口(28)を有するネット構造を成し、上布の隣合う鎖編目列間(22・22)が挿入糸(23)で連結されており、上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左右の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されている排水性敷物。 請求項2 前掲請求項1に記載の二重経編地(27)の上布と下布の各鎖編目列(21・22)と連結糸(24)が、樹脂組成物の塗膜で被覆されている前掲請求項1に記載の敷物。 請求項3 前掲請求項1に記載の連結糸(24)が単糸繊度50デニール以上のフイラメントに成るフイラメント糸である前掲請求項1に記載の敷物。 請求項4 前掲請求項1に記載の表面基材(34)がパイル布帛である前掲請求項1に記載の敷物。 請求項5 前掲請求項4に記載のパイル(32)が扁平断面の繊維で構成されている前掲請求項4に記載の敷物。」 2.これに対して、異議申立ての理由は、本件各発明は甲第1号証・特公平5-17027号公報に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というにあるものと認められる。 3.甲第1号証についてみてみると、甲第1号証には、シート材料に関して第1〜8図とともに記載されており、異議申立人のいう下記の点が記載されているものと認められる。 (1)「表裏二枚の地組織と該地組織を連結する連結部からなる二重構造布帛の少くとも一面に、シート状物が積層されているシート材料。」(特許請求の範囲) (2)「・・・シート状物9の地糸側とハニカム状二重構造布帛10を接着剤により接着し、本発明のシート材料を得た。」(第4頁右欄第1〜3行) (3)「・・・図中4,5は一枚の地組織を形成する地糸、4′、5′は別の一枚の地租織を形成する地糸、6は地糸4,5および地糸4′,5′でそれぞれ形成された地組織を連結する連結糸を示す。」(第2頁右欄第34〜37行) (4)「・・・二重構造布帛を樹脂加工なしで用いる場合には前記連結糸に合成繊維モノフィラメント等を用いるとよい。これは連結糸に合成繊維マルチフィラメント等を用いた場合よりも外力による変形に対して抵抗力が高く、且つ回復力を大にすることができるからである。」(第3頁左欄第28〜33行) (5)「・・・連結糸にポリアミド繊維の150デニールモノフィラメントを用い(る)・・・」(第3頁左欄第39〜40行) (6)「・・・シート材料の表面に用いられるシート状物としては通常パイル糸又は立毛繊維を有する織物、編物に、不織布が用いられる。」(第2頁左欄第29〜31行) しかしながら、平成13年6月4日の訂正請求によって限定された構成に係る「・・・上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左右の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されている排水性敷物」の点に関しては、甲第1号証には記載も示唆もない。そして、本件各発明は、かかる構成と請求項に記載された他の構成が相俟って明細書記載の効果を奏するものであると認められる。 そうすると、その余について検討するまでもなく、本件請求項1乃至請求項5に係る発明が甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 4.したがって、特許異議申立人の主張する申立ての理由及び提出した証拠方法によっては、本件特許を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 敷物 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上糸で構成される上布と、下糸で構成される下布を、それらの間に一定のスペースを開けて連結糸(24)で連結して成る二重経編地(27)を、敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成り、下布が鎖編目列(21)に囲まれた開口(28)を有するネット構造を成し、上古の隣合う鎖編目列間(22・22)か挿入糸(23)で連結されており、上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左直の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されている排水性敷物。 【請求項2】 前掲請求項1に記載の二重経編地(27)の上布と下布の各鎖編目列(21・22)と連結糸(24)が、樹脂組成物の塗膜で被覆されている前掲請求項1に記載の敷物。 【請求項3】 前掲請求項1に記載の連結糸(24)が単糸繊度50デニール以上のフイラメントに成るフイラメント糸である前掲請求項1に記載の敷物。 【請求項4】 前掲請求項1に記載の表面基材(34)がパイル布帛である前掲請求項1に記載の敷物。 【請求項5】 前掲請求項4に記載のパイル(32)が扁平断面の繊維で構成されている前掲請求項4に記載の敷物。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、主として屋外で使用される敷物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 基布にパイルを植設した屋外使用の敷物では、表面に水溜りが出来ないように、パイルを基布に固定する裏打工程で塗布した接着剤の塗布面に高圧空気を噴射して接着剤の塗膜に微細孔を開けて透水性を付与し、その微細孔から裏面に雨水が透過し易くし、パイルには排水性のよい扁平断面のモノフイラメント糸を用いると共に、基布を透過した雨水の排水性を考慮して敷物裏面には凹凸が付設される。その敷物裏面での排水性を改善するために、実開平5-28627では、多数の脚部を基板の裏面に突設したプラスチック製デッキを敷物表面基材の裏面に積層している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 実開平5-28627に示されるようなプラスチック製デッキを裏打した敷物では、それをパラペットやベランダ等のコンクリート地盤に敷設するとき、その脚部間に排水溝か確保されて排水性は優れたものとなるものの、プラスチック製デッキは射出成形されて硬く形状安定性が優れているが故に、コンクリート地盤の凹凸・起伏に馴染まず、コンクリート地盤と脚部の間に隙間が出来て敷物が浮いた恰好になり、その上を踏み歩いて発生する軋音は不快感を与え、又、それを地面に敷設するときは脚部か地面に食い込んで脚部間の排水溝が土砂で塞がれる。 【0004】 【発明の目的】 そこで本発明は、裏材によって排水に必要なスペースを敷物裏面に確保すると共に、その裏材がコンクリート地盤の凹凸・起伏によく馴染んで密着敷設出来、地面に敷設しても排水に必要とされる敷物裏面のスペースが土砂に塞がれることなく、長期にわたって排水機能が維持される敷物を得ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明に係る敷物は、上糸で構成される上布と、下糸で構成される下布を、それらの間に一定のスペースを開けて連結糸(24)で連結して成る二重経編地(27)を、敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成り、下布が鎖編目列(21)に囲まれた開口(28)を有するネット構造を成し、上布の隣合う鎖編目列間(22・22)が挿入糸(23)で連結されており、上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左右の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されていることを第1の特徴とする。 【0006】 【0007】 【0008】 本発明に係る敷物の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、二重経編地27の上布と下布の各鎖編目列21・22と連結糸24が、樹脂組成物の塗膜で被覆されていることにある。 【0009】 本発明に係る敷物の第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、連結糸24に単糸繊度50デニール以上のフイラメントに成るフイラメント糸が使用されていることにある。 【0010】 本発明に係る敷物の第4の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、表面基材34がパイル布帛によって構成されていることにある。 【0011】 本発明に係る敷物の第5の特徴は、上記第4の特徴に加えて、表面基材34が扁平断面の繊維で構成されたパイル32を有することにある。 【0012】 【発明の実施の形態】 二重経編地27は、上布(22)と下布(21)の間でパイル糸をカット(所謂、センターカット)して上下2枚のカットパイル布帛を形成するダブルラッシェル経編布原反と同様に、ダブルラッシェル経編機を用い、そのパイル糸を連結糸24として編成される。 【0013】 下布を鎖編目列21に囲まれた開口28を有するネット構造にするには、その下布鎖編目列21を構成する下糸を、編成過程で数コース毎に1ウェール分づつ左又は右に移動し、その隣合う左右2本の下糸が、数コース毎に左右異なる隣のウェールの下糸と共に複合鎖編目29を形成するようにすればよい。そうすると、図2に図示する如く、左右隣合う下糸が単独で形成する単一鎖編目30と、その隣合う下糸が複合した複合鎖編目29に囲まれた開口28が形成される。上布の隣合う鎖編目列間22・22を挿入糸23で連結するには、上布の編成過程で各コース毎に挿入糸23を1ウェール分または数ウェール分だけ左または右に移動(ラッピング)し、その左右に移動する折り返される箇所で、上糸が形成する上布鎖編目22に挿入糸23を係止させればよい(図2)。 【0014】 下布を鎖編目列21に囲まれた開口28を有するネット構造にし、上布の隣合う鎖編目列間22・22を挿入糸23で連結する場合には、図1と図2に図示するように、上布の1ウエール間の挿入糸23を底辺とし、下布の複合鎖編目29から左右の上布鎖編目列22・22へと分かれて続く2本の連結糸24a・24bを斜辺とする逆三角形状のスペース31が、複合鎖編目29を頂点として、その上側に形成される。上布は、その逆三角形状をなすスペース31の2辺を構成する2本の連結糸24a・24bに支えられ、而も、その連結糸24が、上布鎖編目22と下布鎖編目29の間を往復して、ループパイルに似た輪奈構造を構成し、その上端と下端がそれぞれ上布と下布に係止される。このため、踏み込まれて上布が窪んでも、その押圧荷重がなくなれば、連結糸24に押し上げられて窪みがなくなり、上布と下布の間のスペース31は、弾性的に復元して排水溝としての機能を回復する。 【0015】 上布と下布の各鎖編目列21・22と連結糸24を樹脂組成物で被覆するのは、上布と下布の間で直立状態に並ぶ連結糸間(24・24)の微細な隙間や上布や下布の鎖編目を塞いで、二重経編地27が保水し難くなるようにするためである。そのためには、連結糸24に単糸繊度50デニール以上のフイラメントに成るフイラメント糸を使用し、隣合う連結糸間(24・24)に保水し難い大きい隙間か出来るようにするとよい。そしてそのように、連結糸24に単糸繊度50デニール以上のフイラメントを用い、鎖編目列21・22と連結糸24に樹脂組成物を塗着すると、二重経編地27の圧縮弾性回復力が強化され、排水溝の役目をなすスペース31が長期確保され、敷物20もクッション性に富むものとなる。 【0016】 樹脂組成物は、天然ゴム、合成ゴム、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂と、可塑剤、有機溶剤、水その他の溶媒によって液状に調製して使用される。鎖編目列21・22と連結糸24を樹脂組成物で被覆するには、二重経編地27を液状樹脂組成物に浸漬して後、或いは、液状樹脂組成物をスプレーやロールコーター等で付与して後、プレスロールに通すとよい。そうすると、液状樹脂組成物は二重経編地27の内部に十分に浸透し、二重経緯地27を構成する全ての繊維が液状樹脂組成物で被覆され、又、二重経編地27の1本1本の繊維表面に皮膜を形成するに必要な量以上の余剰の液状樹脂組成物が絞り出され、排水溝の役目をなすスペース31が確保される。このように、プレスロールを通過してから元のスペース31を回復し易くする上でも、連結糸24には単糸繊度50デニール以上のフイラメントを使用することが推奨される。 【0017】 表面基材34には、パイル布帛、特に扁平断面の繊維をパイル32として目粗な基布33に植設した人工芝生用パイル布帛を使用するとよいが、敷物20を屋内で使用する場合は、ニードルパンチングフェルトを表面基材34に使用することも出来る。表面基材34と二重経編地27を貼り合わせる接着材26には、液状接着剤、繊維状や粉末状、或いは、フイルムや不織布状に調製された熱融着性樹脂等を使用する。 【0018】 敷物20を30〜100cm角のタイル伏に裁断したタイルカーペットとして敷設する場合には、表面基材34と二重経偏地27の間に格別な透水性は要求されない。タイル状になった敷物20の周縁から雨水が裏側に透過して表面に水溜りか出来難くするためである。 【0019】 【発明の効果】 本発明(請求項1)によると、裏面に上布と下布の間に四方八方に連続したスペース31による排水溝が出来るので、排水性に優れ、屋外使用に適した敷物が得られる。 【0020】 このスペース31が、上布と下布を連結して直立状態に介在する連結糸24に囲まれて形成されているので、二重経編地27は厚手の布帛同様の可撓性を有する。このため本発明の敷物は、起伏のあるコンクリート地盤にもよく密着し、その上を歩行して不快感がなく、上布と下布の間に直立状態に介在する連結糸24がクッション感を与える。 【0021】 その連結糸24は、その両端が上布と下布に係止されているので、基布から突き出たパイル布帛のパイルのように押し倒されたままになることがなく、その直立状態が長期維持される。又、そのように連結糸24の下端が下布に係止されているので、敷物20を地面に敷設する場合でも地面に食い込まず、下布(21)がスペース31への土砂の侵入を妨げるので、スペース31の排水機能が長期にわたって保たれる。 【0022】 連結糸24の下端は開口28を縁取る下布鎖編目列21へと押し分けられ、上布と下布の間で隣合って直立状態にある連結糸間24のスペース31を大きくすることが出来、その排水機能を高めることが出来る。 【0023】 上布の表面は挿入糸23に覆われた平面となるので、表面基材34に貼り合わせる接着剤26の二重経編地27の内部への侵入か抑えられ、接着剤26によってスペース31の排水機能か損なわれず、又、表面基材34と二重経編地27が全面で密着して強固に接着される。 【0024】 そして、下布を鎖編目列21に囲まれた開口28を有するネット構造にし、上布の隣合う鎖編目列間22・22を挿入糸23で連結する場合、連結糸24a・24bが逆三角形状のスペース31を形成するので、連結糸24a・24bのクッション効果が一層強まる。 【0025】 本発明(請求項2および請求項3)によると、鎖編目内(21・22)や連結糸内(24・24)の隙間が大きくなるのでスペース31の排水機能が向上し、又、敷物20がクッション性に富むものとなる。 【0026】 本発明(請求項4)によると、表面基材34の表面に付着した水は、直立したパイル32の各繊維の長さ方向に沿って垂れ落ち、スペース31を通って排水され易くなる。 【0027】 本発明(請求項5)によると、表面基材34の表面に付着した水が垂れ落ち易くなり、敷物20が雨上がり後や散水後に乾き易くなり、雑菌が繁殖せず衛生的である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明に係る敷物の一部切截拡大表面斜視図である。 【図2】 本発明に係る敷物の裏面斜視図であり、その一部を丸で囲んで拡大して図示している。 【符号の説明】 20 敷物 21 下布鎖編目列 22 上布鎖編目列 23 挿入糸 24 連結糸 26 接着材 27 二重経編地 28 開口 29 複合鎖編目列 30 単一鎖編目列 31 スペース 32 パイル 33 基布 34 表面基材 |
訂正の要旨 |
本件訂正請求は、以下の事項について訂正するものである。 (1)特許請求の範囲の請求項1の記載中、「・・・敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成る敷物。」を「・・・敷物表面基材(34)の裏面に貼り合わせて成り、下布が鎖編目列(21)に囲まれた開口(28)を有するネット構造を成し、上布の隣合う鎖編目列間(22・22)が挿入糸(23)で連結されており、上布と下布の間に、上布の1ウエール間の挿入糸(23)を底辺とし、下布の鎖編目列(21)から上布の左右の鎖編目列(22・22)へと分かれて続く2本の連結糸(24a・24b)を斜辺とする逆三角形状のスペース(31)が形成されている排水性敷物。」と訂正。 (2)特許請求の範囲の請求項2及び請求項3を削除し、これに伴って、請求項4乃至請求項6を請求項2乃至請求項4に繰り上げる。 (3)特許請求の範囲の請求項7を請求項5に繰り上げるとともに、同請求項の記載中、「繊維糸条」「繊維」と訂正。 (4)上記各請求項の訂正にともない、発明の詳細な説明中の段落【0005】〜【0011】、【0017】、【0022】〜【0023】、【0025】〜【0027】の各記載を訂正。 |
異議決定日 | 2001-06-13 |
出願番号 | 特願平9-147172 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A47G)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松縄 正登 |
特許庁審判長 |
青山 紘一 |
特許庁審判官 |
松下 聡 熊倉 強 |
登録日 | 2000-06-02 |
登録番号 | 特許第3072417号(P3072417) |
権利者 | 森田産業株式会社 |
発明の名称 | 敷物 |
代理人 | 千葉 茂雄 |
代理人 | 千葉 茂雄 |