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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1049486 |
審判番号 | 不服2000-7660 |
総通号数 | 25 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-03-20 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-05-23 |
確定日 | 2001-11-14 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第174756号「ダイシング装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 3月20日出願公開、特開平 7- 78794]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】 本件出願は、平成5年6月22日に出願されたものであり、その発明は、平成12年3月15日付けの手続補正書により補正された明細書及び出願当初の図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 カセットテーブルとチャックテーブルと切削手段との前面には開閉カバーが取り付けられ、上部には保護カバーが取り付けられたダイシング装置であって、前記カセットテーブルは、ダイシング装置の角隅部に設けられたカセット載置領域とダイシング装置の前方に突出して確立されるカセット着脱領域とに位置付けできるスライド手段によって引き出し式に構成され、該カセットテーブルは、カセットを着脱する際に前記開閉カバーを開くと共にスライド手段によって引き出され、ダイシング装置の前方に突出してカセット着脱領域に位置付けられることを特徴とするダイシング装置。 【請求項2】 カセット載置領域は、カセット昇降領域を含みダイシング装置の角隅部内で突出しない状態で形成されている 請求項1に記載のダイシング装置。」 【2】 原審の拒絶理由において引用した本件出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物である各引用例には、それぞれ次の発明が記載されている。 1 特開平2-153548号公報(以下、第1引用例という) ウェーハ処理室、すなわち、ウェーハを処理する設備を具備した部分に連通し、かつ、外部との間に開閉可能な蓋体を具備したカセット収納室とウェーハ処理室の外部に突出して確立されるカセット着脱領域とに位置付けできるスライド手段によって引き出し式に構成されたものであって、カセットを着脱する際には、前記開閉可能な蓋体が開くと共にスライドして引き出され、ウェーハ処理室の外部に突出してカセット着脱領域に位置付けられるカセットステージを具備した装置。 そして、第1引用例に記載された発明におけるカセット収納室は、本件出願の請求項1に係る発明におけるカセット載置領域に、以下同じく、開閉可能な蓋体は、開閉カバーに、カセットステージは、カセットテーブルに、それぞれ相当するものと認める。 2 実願昭62-188284号(実開平1-91509号)のマイクロフィルム(以下、第2引用例という) エレベータとカッティングテーブルと切断部とを具備したダイシング装置であって、前記エレベータは、ダイシング装置の前方に突出して設けられているダイシング装置。 そして、第2引用例に記載された発明におけるエレベータは、カセットテーブルに、以下同じく、カッティングテーブルは、チャックテーブルに、切断部は、切削手段に、それぞれ相当するものと認める。 【3】 本件出願の請求項1に係る発明と第1引用例に記載された発明とを比較すると、ウェーハを処理する設備を具備した部分に連通し、かつ、外部との間に開閉カバーを具備したカセット載置領域と外部に突出して確立されるカセット着脱領域とに位置付けできるスライド手段によって引き出し式に構成されたものであって、カセットを着脱する際には、前記開閉カバーが開くと共にスライドして引き出され、外部に突出してカセット着脱領域に位置付けられるカセットテーブルを具備した装置である点で一致し、次の点においてのみ相違する。 相違点:本件出願の請求項1に係る発明においては、カセットテーブルを具備した装置が、カセットテーブルとチャックテーブルと切削手段とを具備し、上部には保護カバーが取り付けられたダイシング装置であって、カセット載置領域が、角隅部であるのに対して、第1引用例に記載された発明においては、カセットテーブルを具備した装置が、ダイシング装置とは記載されておらず、カセット載置領域が、角隅部とは記載されていない点。 そこで、前記相違点について検討する。 本件出願の請求項1に係る発明が、ダイシング装置として、その内部の各構成要素の配置が特定されているものではなく、ダイシング装置において、セット載置領域を角隅部とすることは、設置スペースの有効利用のために当業者が当然にする設計的事項である。 また、ダイシング装置において、その上部には保護カバーを設けることについても、当業者が当然にする設計的事項である。 したがって、第1引用例に記載された発明におけるカセットテーブル及び開閉カバーを、カセット載置領域が角隅部となるごとくして第2引用例に記載された発明におけるカセットテーブルに換えて適用し、さらに、上部に保護カバーを設けることにより、この相違点にとして掲げた本件出願の発明の構成のごとくすることは、当業者が容易に想到することができたものである。 【4】 以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、第1引用例及び第2引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 なお、本件出願は、本件出願の請求項1に係る発明が特許を受けることができない以上、本件出願の請求項2に係る発明について改めて論及するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2001-09-18 |
結審通知日 | 2001-09-19 |
審決日 | 2001-10-02 |
出願番号 | 特願平5-174756 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 村山 睦 |
特許庁審判長 |
小林 武 |
特許庁審判官 |
鈴木 孝幸 桐本 勲 |
発明の名称 | ダイシング装置 |
代理人 | 佐々木 功 |
代理人 | 川村 恭子 |