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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L |
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管理番号 | 1051000 |
審判番号 | 不服2000-15988 |
総通号数 | 26 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-08-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-10-05 |
確定日 | 2002-01-08 |
事件の表示 | 平成11年特許願第 23048号「窒化物半導体素子」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年 8月22日出願公開、特開2000-232236、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.出願の経緯と本願発明 本願は、平成11年1月29日の出願(国内優先権主張1998年12月8日)であって、その発明は、平成12年10月30日付けで補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜3(以下、本願発明1〜3という。)に記載されたとおりのものである。 2.引用例に記載の発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用例1(特開平08-023124号公報)には以下の事項が記載されている。 「n型コンタクト層、InGaNとAlGaNとを5層ずつ積層した第二のn型層(本願の「n型多層膜層」に相当。)及びn型クラッド層とからなるn型窒化物半導体と、活性層と、p型クラッド層、p型コンタクト層とからなるp型窒化物半導体と、を有する窒化物半導体素子」(段落28、第3図) 同じく引用例2(特開平09-116234号公報)には以下の事項が記載されている。 「窒化物半導体素子において、p型コンタクト層の劣化を防止するために、p型クラッド層とp型コンタクト層との間にp型AlGaN/GaN超格子層、すなわち、p型多層膜層を設ける」(段落7、13、58〜67、第7図) 同じく引用例3(特開平08-083956号公報)には以下の事項が記載されている。 「n型AlGaNクラッド層と、活性層と、n型クラッド層よりもバンドギャップが小さい、すなわち組成の異なるp型AlGaNクラッド層と、を備えた窒化物半導体発光素子」(段落34、第3図)。 同じく引用例4(特開平10-145004号公報)には以下の事項が記載されている。 「窒化物半導体発光素子において、GaN膜とAlGaN膜とを交互に成長させた多層膜をクラッド層として用いること」(特に、第12図参照)。 同じく引用例5(特開平03-229480号公報)には以下の事項が記載されている。 「基板上に、多層積層構造からなるn型DBR層と、活性層と、前記n型DBR層よりも層数の少ないp型DBR層と、を備えた半導体発光素子」(表1、第1図参照) 3.対比・判断 引用例1には、本願発明1〜3の「AlxGa1-xN(0<x<1)とInyGa1-yN(0≦y<1)とが積層されてなる超格子構造のp型多層膜層を前記p型窒化物半導体に含む」ことは記載も示唆もされていないし、引用例2には、「p型クラッド層とp型コンタクト層との間にp型AlGaN/GaN超格子層のp型多層膜層を設ける」ことは記載されているが、本願発明1〜3の「AlxGa1-xN(0<x<1)とInyGa1-yN(0≦y<1)とが積層されてなる超格子構造のp型多層膜層を前記p型窒化物半導体に含む」ことは記載も示唆もされていない。 してみると、引用例1に記載の窒化物半導体素子の「p型クラッド層」として、引用例2に記載の「AlxGa1-xN(0<x<1)とInyGa1-yN(0≦y<1)とが積層されてなる超格子構造のp型多層膜層」を採用したとしても、本願発明1〜3の「アンドープGaNとアンドープInpGa1-pN(0<p≦0.5)とが積層されてなる超格子構造のn型多層膜層を前記n型窒化物半導体に含み、AlxGa1-xN(0<x<1)とInyGa1-yN(0≦y<1)とが積層されてなる超格子構造のp型多層膜層を前記p型窒化物半導体に含む窒化物半導体素子」を構成することはできない。 また、引用例3、4には、本願発明1〜3の「アンドープGaNとアンドープInpGa1-pN(0<p≦0.5)とが積層されてなる超格子構造のn型多層膜層を前記n型窒化物半導体に含み、AlxGa1-xN(0<x<1)とInyGa1-yN(0≦y<1)とが積層されてなる超格子構造のp型多層膜層を前記p型窒化物半導体に含む窒化物半導体素子」は記載も示唆もされていない。 4.むすび 以上のとおり、本願発明1〜3は、上記引用例1〜5に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明することができないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることができない。 また他に、本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2001-12-19 |
出願番号 | 特願平11-23048 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H01L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 原 光明、杉山 輝和、金高 敏康 |
特許庁審判長 |
森 正幸 |
特許庁審判官 |
土屋 知久 東森 秀朋 |
発明の名称 | 窒化物半導体素子 |
代理人 | 石井 久夫 |
代理人 | 豊栖 康弘 |