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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1051121
審判番号 審判1999-14599  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-01-10 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-09-09 
確定日 2001-12-27 
事件の表示 平成 5年特許願第144478号「表示制御装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 7年 1月10日出願公開、特開平 7- 6016]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.本願発明の要旨
本願発明は、平成5年6月16日に出願されたものであって、その要旨は、当審において通知した拒絶の理由により補正された特許請求の範囲請求項1に記載された下記のとおりのものであると認める。

「ホスト側の制御機器に通信線を介して接続された端末機器が有する表示・操作部に、制御機器から端末機器に通信線を通じて伝送した表示データにより1画面の画面表示を行わせる表示制御装置において、前記表示・操作部に表示される1画面の画面表示が、操作箇所とその操作内容を示す文字とを有する1画面分の固定表示と、前記操作箇所の操作によって発生される操作信号に応じて前記制御機器から前記端末機器に通信線を通じて伝送される表示データにより変えられる変動表示とを有し、前記表示・操作部が、マトリックスによってアドレスが付されている表示部を有し、前記制御機器が、前記表示データを、各々が前記表示・操作部に1画面分の前記固定表示を行わせる複数の固定画面データの一つを指定する画面番号と、前記変動表示を行わせる文字コードと、該文字コードによる文字を表示させる前記表示部上のスタート位置を前記表示部のアドレスによって指定するキャラクタアドレスとを有するフォーマットで送信する送信手段を有し、前記端末機器が、各々が前記表示・操作部に1画面分の前記固定表示を行わせる前記複数の固定画面データを画面番号を付して予め記憶した記憶手段と、前記制御機器から受信した画面番号により前記記憶手段から対応する固定画面データを読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した固定画面データと、前記制御機器から受信した前記文字コード及び前記キャラクタアドレスとにより、前記固定表示と前記変動表示とを有する1画面の画面表示を行うための画面データを作成する画面作成手段と、該画面作成手段により作成された画面データにより前記表示・操作部に画面表示をさせる表示駆動手段とを有し、前記画面作成手段は前記固定表示と前記変動表示とが重なったとき前記変動表示を優先した画面データを作成することを特徴とする表示制御装置。」

2.引用例
前記した拒絶の理由において通知した刊行物である本願出願前の昭和55年10月27日に頒布された特開昭55-137579号公報(以下、引用例という。)には、「可変データ、画素データ及び画素パターンを組合わせて、画面を編集出力するCRT装置を端末に置き、中央計算機室に置いたCRT画面編集装置との間を通信回線で結び、端末からの画面要求により任意の画面を出力可能とする通信端末接続CRT装置に於いて、画素パターン群及び画素メモリ内画素パターン群Noを端末側に記憶しておき、中央計算機からは、可変データ及び画素パターンNoのみを送信し、端末側では画素メモリ内のパターンNoと出力すべき画素パターンNoを比較し、端末側で画素メモリに書込み、CRTに出力することを特徴とする通信端末接続CRT出力方式。」(公報、特許請求の範囲の欄。)が記載されている。

3.対比
本願発明と、引用例に記載されたものとを対比すると、引用例に記載された「CRT画面編集装置」、「通信回線」、「端末」、「画面」、「画素パターン群」、「画素パターンNo」、「可変データ」及び「画素メモリ」は、本願発明における「制御機器」、「通信線」、「端末機器」、「表示データ」、「固定表示」、「画面番号」、「変動表示」及び「記憶手段」に相当するから、両者は、「ホスト側の制御機器に通信線を介して接続された端末機器が有する入力部に、制御機器から端末機器に通信線を通じて伝送した表示データにより画面表示を行わせると共に、該画面表示によって前記表示・操作部に、固定表示と、変動表示とを行わせる表示制御装置において、前記制御機器が、前記固定表示を行わせる固定画面データの画面番号と、前記変動表示を行わせる文字コードなどとからなる表示データを送信する送信手段を有し、前記端末機器が、前記固定表示を行わせる固定画面データを画面番号を付して予め記憶した記憶手段と、前記制御機器から受信した画面番号により前記記憶手段から対応する固定画面データを読み出す読出手段と、該読出手段により読み出した固定画面データと、前記制御機器から受信した文字コードなどとにより1画面データを作成する画面作成手段と、該画面作成手段により作成された1画面データにより画面表示させる表示駆動手段とを有した、表示制御装置。」である点で一致し、以下の各点で相違する。
相違点1.本願発明においては、入力部が表示と操作が一体となった「表示・操作部」であるのに対し、引用例に記載されたものにおいては、表示部であるCRTと入力部である画面選択ボタンとを供えている点。
相違点2.本願発明においては、「固定表示と変動表示とが重なったとき変動表示を優先した1画面データを作成する」のに対し、引用例に記載されたものにおいては、特段の記載がない点。
相違点3.本願発明においては、固定表示が「文字を有し、該文字が変動表示の文字と重なったときには変動表示の文字を優先する」のに対し、引用例に記載されたものにおいては、特段の記載がない点。

4.判断
相違点1.表示部と操作部とが一体となった「表示・操作部」は、例えば、タッチパネルの事例にみられるように本願出願前慣用されたものであり、前記引用例に記載されたものに採用して、本願発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。
相違点2.例えば、特開昭64-13190号公報(公報、第2頁左上欄第15乃至16行。)及び特開昭62-275289号公報(公報、第2頁右上欄第1乃至3行。)に「固定画像を表示した上に可変画像を上書きする」旨記載されているように、変動表示を固定表示に優先して表示することは、本願出願前周知技術である。
また、該周知技術を前記引用例に記載されたものに採用することにより、本願発明のように構成することに格別の困難性はない。
相違点3.表示においてデフォルトで設定された文字(本願発明における固定表示の文字に相当する。)を上書きにより書き換えることは、例えば、特開平3-62122号公報(公報、第3頁左上欄第1乃至9行の記載を参照。)及び特開平4-238520号公報(特許請求の範囲の「表示数値」に係る記載を参照。)等に記載されているように、本願出願前周知技術であり、前記引用例に記載されたものに採用して、本願発明のように構成することに格別の創意を要するものではない。
また、該構成を採用することによる効果も当業者が容易に想到しうる程度のものである。
5.結論
以上のとおりであるから、本願発明は、前記引用例に記載された事項から、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである から、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-10-17 
結審通知日 2001-10-26 
審決日 2001-11-06 
出願番号 特願平5-144478
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 朽名 一夫鳥居 稔寺谷 大亮  
特許庁審判長 川嵜 健
特許庁審判官 下野 和行
治田 義孝
発明の名称 表示制御装置  
代理人 松村 貞男  
代理人 瀧野 秀雄  

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