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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G01C
管理番号 1051507
異議申立番号 異議2000-72204  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1998-12-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-05-26 
確定日 2001-12-20 
異議申立件数
事件の表示 特許第2984646号「車両用ナビゲーション装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2984646号の請求項1ないし4に係る特許を取り消す。 
理由 [1]手続の経緯
本件特許第2984646号は昭和63年8月23日に出願した特願昭63ー209053号(以下、「原出願」という。)の一部を、特許法第44条第1項の規定により平成10年3月19日に新たな特許出願としたものにかかり、平成11年9月24日に設定登録されたものである。
これに対して、平成12年5月26日に特許異議申立人 三洋電機株式会社より特許異議の申立てがなされ、平成12年10月19日付で当審より取消理由を通知したところ、平成12年12月27日付で訂正請求がなされた。これに対して、平成13年3月26日付で当審より訂正拒絶理由を通知したところ、平成13年6月5日付で意見書が提出されたものである。
[2]訂正の適否
【1】訂正の内容
前記平成12年12月27日付訂正請求の請求の趣旨は本件特許明細書を請求書に添付した訂正明細書のとおり次のように訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1を次のように訂正することを求めるものである。
「目的地を入力する入力手段と、
車両自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、
1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、
前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。」、
を、
「現在地および目的地を入力する入力手段と、
車両自車位置を算出する自車位置算出手段と、
地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、
前記入力手段により入力された現在地から目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路の情報および前記自車位置算出手段により算出された自車位置の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、
1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、
前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。」と訂正する。
(2)訂正事項b
前記訂正事項に合わせて明細書の段落番号【0005】の記載、即ち、
「そのために本発明の車両用ナビゲーション装置は、目的地を入力する入力手段と、車両自車位置を検出する自車位置検出手段と、地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、前記自車位検出手段により検出された自車位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、該経路探索手段により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示することを特徴とする。」を、明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として
「そのために本発明の車両用ナビゲーション装置は、現在地および目的地を入力する入力手段と、車両自車位置を算出する自車位置算出手段と、地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、前記入力手段により入力された現在地から目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、該経路探索手段により探索された経路の情報および前記自車位置算出手段により算出された自車位置の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示することを特徴とする。」、と訂正する。

【2】訂正の適否についての判断
上記訂正事項aの内、訂正前の「前記自車位置検出手段により検出された自車位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段」(以下、「前者の構成」という。)と、訂正後の「前記入力手段により入力された現在地から目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段」(以下、「後者の構成」という。)とを比較する。
前者の構成では、探索対象となる経路の出発位置は「自車位置検出手段により検出された自車位置」であって、即ち経路の出発位置を自車位置とし、該自車位置を「自車位置検出手段」により検出しているに対し、後者の構成では、経路の出発位置は「入力手段により入力された現在地」であって、即ち経路の出発位置を現在地とし、該現在地は「入力手段」により入力されるものであるが、自車位置検出手段と入力手段とは異なる手段であるから、両者は別異の構成であり、しかも、明らかに技術思想を異にする。
なお、特許権者は平成13年6月5日付意見書において、「自車位置と現在地が同一の意味である」から「自車位置」と「現在地」の間に相違はないことを論拠として訂正事項aが特許請求の範囲の減縮に相当すると主張しているが、「検出された自車位置」と「入力された現在地」とがほぼ同一であるとしたところで、「自車位置検出手段」と「入力手段」とが別異の構成であることに変わりはないのであるから、特許権者の主張は採用し得ない。
以上のとおりであるから、上記訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮に該当せず、また、明細書又は図面の不明瞭な記載の釈明にも、誤記の訂正にも該当しない。
それ故、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項ただし書きの規定に適合しないので、当該訂正請求は認められない。
[3]特許異議申立てについての判断
【1】本願発明
本件請求項1〜4に係る発明は、特許明細書及び図面の記載から見て、特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された次の事項によって特定されるとおりのものである。
1.請求項1に記載された発明(以下、「本願発明1」という。)
「目的地を入力する入力手段と、
車両自車位置を検出する自車位置検出手段と、
地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、
前記自車位置検出手段により検出された自車位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を前記地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、
1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、
前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示することを特徴とする車両用ナビゲーション装置。」。
2.請求項2に記載された発明(以下、「本願発明2」という。)
「前記表示手段は、前記描画手段により描画された複数の道路図を前記マルチウインドウの各画面に対応して表示することを特徴とする請求項1記載の車両用ナビゲーション装置。」。
3.請求項3に記載された発明(以下、「本願発明3」という。)
「前記複数の道路図は縮尺の異なる地図であることを特徴とする請求項2記載の車両用ナビゲーション装置。」。
4.請求項4に記載された発明(以下、「本願発明4」という。)
「前記道路図は、前記経路探索手段により探索された経路上の次に案内すべき地点に関する情報であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ナビゲーション装置。」。
【2】原出願の発明との比較
ここで、本願のもとの出願である特願昭63-209053号には、「データ処理制御部16は、ナビゲーション装置の中枢となるものであって、入力部13から目的地と現在地が設定されると、道路データより、この2点を結ぶコースを探索、設定し、ファイル21に格納されたそのコースのナビゲーションプログラムを呼び出して実行する。」(第7頁第11行乃至同頁第16行)と記載されている。そして、入力部13とは、「入力部13は、ジョイスティックやキー、タッチパネルであり、或いは表示部18の画面と結合し画面にキーやメニューを表示してその画面から入力するものでもよい。」(第6頁第18行乃至第7頁第1行)と記載されていることから、操作者により入力されるものであると解される。したがって、上記記載より、上記原出願には、操作者により入力される現在地と目的地とを利用してコースを探索することは記載されているが、本願発明1の構成要件である、「自車位置検出手段により検出された自車位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を探索する経路探索手段」については、記載されているとはいえない。
また、上記原出願には、「自車位置算出部31は、選択されたコースの情報と走行履歴(距離計と舵角形の信号による演算結果)から自車位置を算出するものであり、この自車位置と道路データおよび地図データから表示部18に表示する画面の編集を行なうのが画面編集部33である。」(第9頁第20行乃至第10頁第5行)と記載され自車位置算出部を有することは記載されているが、そこから算出される自車位置を目的地までの経路の探索に用いることは記載されていない。
以上のことより、本願発明1の構成要件である自車位置検出手段により検出された自車位置と入力手段により入力された目的地までの経路を地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段について、上記原出願には記載されているとはいえない。
さらに、上記原出願の出願時点において、自車位置検出手段により検出された自車位置と入力手段により入力された目的地までの経路を地図情報記憶手段に基づき探索することが周知の技術でもない。
したがって、上記経路探索手段を構成要件とする本願発明1乃至4は、上記原出願に包含される発明の一部であるとはいえず、特許法第44条第1項の規定を満たしていないから、本願の出願日は、新たな特許出願が行なわれた平成10年3月19日というべきである。
【3】引用刊行物記載の発明
当審が通知した取消理由に引用した刊行物1(特開平2-57910号公報(以下、「引用例1」という。))には、以下の事項(1)乃至(7)が記載されている。
(1)「入力部13は、ジョイスチックやキー、タッチパネルであり、或いは表示部18の画面と結合し画面にキーやメニューを表示してその画面から入力するものでもよい。」(第2頁右下欄第18行乃至第3頁左上欄第1行)及び「データ処理制御部16は、ナビゲーション装置の中枢となるものであって、入力部13から目的地と現在地が設定されると、道路データより、この2点を結ぶコースを探索、設定し、ファイル21に格納されたそのコースのナビゲーションプログラムを呼び出して実行する。」(第3頁左上欄第11行乃至同欄第16行)と記載されていることより、目的地と現在地を入力する入力部について記載されている。
(2)「自車位置算出部31は、選択されたコースの情報と走行履歴(距離計と舵角計の信号による演算結果)から自車位置を算出するものであり、この自車位置と道路データおよび地図データから表示部18に表示する画面の編集を行うのが画像編集部33である。」(第3頁左下欄第20行乃至同頁右下欄第5行)と記載されていることから、車両自車位置を算出する自車位置算出部について記載されている。
(3)「第3図において、ファイル22は、各コースの道路データ、地図データを格納したものであり、コース選択部32は、予め走行前に入力指定された現在地と目的地との組み合わせからコースを探索し、ファイル22から対応する道路データ、地図データを読み出すものである。」(第3頁左下欄第15行乃至同欄第20行)及び「第4図は、対象地図内に太線で示される案内経路9を示し、第5図に示すように案内経路9周辺の地図には、道路データとして道路番号、交差点番号(○印)が付けられている。」(第4頁左上欄第3行乃至同欄第6行)、「第7図は前記交差点番号データを示し、その交差点から出る道路番号、交差点名が格納されている。」(第4頁左上欄第18行乃至同欄第20行)と記載されていることから、地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶するファイルについて記載されている。
(4)「データ処理制御部16は、ナビゲーション装置の中枢となるものであって、入力部13から目的地と現在地が設定されると、道路データより、この2点を結ぶコースを探索、設定し、ファイル21に格納されたそのコースのナビゲーションプログラムを呼び出して実行する。」(第3頁左上欄第11行乃至同欄第16行)と記載されていることから、入力部により入力された現在地から目的地までの経路を前記ファイルに基づき探索するデータ処理制御部について記載されている。
(5)「本発明は、かかる点に鑑み、コース外は勿論運転者に提供すべき情報以外の情報は除き、運転者に提供すべき情報のみを表した地図をコース道路図とするものである。この道路図はナビゲーションプログラムにより自動的に作成されて画像出力制御部17を通して表示部18に出力されるが、その道路図出力処理部の概要を示したブロック図が第3図である。」(第3頁左下欄第6行乃至同欄第14行)と記載されていることから、前記データ処理制御部により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき情報のみを選択してコース道路図を描画する道路図出力処理部について記載されている。
(6)「例えば、上記の実施例では、案内図に交差点名を表示するようにしているが、信号機の有無、コース上にある橋、踏み切り等を表示するようにしてもよい。また、特に込み入った部分は、さらに拡大表示してもよいし、1画面内に縮尺を変えて表示するマルチウインドウ表示を採用してもよいことは勿論である。」(第5頁左下欄第7行乃至同欄第14行)と記載されており、ここで、表示される案内図は上記コース道路図であるから、1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画されたコース道路図を表示することが記載されている。
(7)「従って、第1図の表示画面に示すように、コース以外の部分は、僅かに交差点4の付近を残して削除され、逆に、前に通過した交差点4、次に通過する交差点5および案内交差点6の名称が付記されている。」(第3頁右下欄第14行乃至同欄第18行)と記載されている。
以上のことにより、引用例1には、「目的地と現在地を入力する入力部13と、車両自車位置を算出する自車位置算出部31と、地図データ、道路データ及び交差点に関するデータを記憶するファイル22と、入力部13により入力された現在地から目的地までの経路を前記ファイル22に基づき探索するデータ処理制御部16と、前記データ処理制御部16により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択してコース道路図を描画する道路図出力処理部と、1画面内にマルチウインドウ表示する表示部18とを備え、前記表示部18により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記道路図出力処理部により描画されたコース道路図を表示するナビゲーション装置」が記載されている。
【4】対比
本願発明1と引用例1に記載された発明を対比すると、まず、引用例1に記載された「入力部13」、「ファイル22」、「データ処理制御部16」、「コース道路図」、「道路図出力処理部」、「表示部8」、「ナビゲーション装置」は、それぞれ本願発明1の「入力手段」、「地図情報記憶手段」、「経路探索手段」、「道路図」、「描画手段」、「表示手段」、「車両用ナビゲーション装置」にそれぞれ相当する。
次に、本願発明1における「自車位置検出手段」という語句自体は本願明細書の詳細な説明中には見いだせないが、該「自車位置検出手段」が詳細な説明中に見られる「自車位置算出手段」に該当することは明らかである。そうすると、引用例1における「自車位置算出手段」は本願発明1における「自車位置検出手段」に相当するとしてよい。
そして、引用例1の発明における「目的地と現在地を入力する入力部13」も本願発明1における「目的地を入力する入力手段」も共に「目的地を入力する入力手段」であり、引用例1の発明における「入力部13により入力された現在地」も本願発明1における「自車位置検出手段により検出された自車位置」も共に「経路の出発位置」であるから、両者は、
「目的地を入力する入力手段と、車両自車位置を算出する自車位置算出手段と、地図データ、道路データおよび交差点に関するデータを記憶する地図情報記憶手段と、経路の出発位置と前記入力手段により入力された目的地までの経路を地図情報記憶手段に基づき探索する経路探索手段と、前記経路探索手段により探索された経路の情報に基づいて、運転者に提供すべき経路に関する情報のみを選択して道路図を描画する描画手段と、1画面内にマルチウインドウ表示する表示手段とを備え、前記表示手段により表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示する車両用ナビゲーション装置。」である点で一致し、
1.入力手段について、本願発明1では「目的地を入力」しているに対し、引用例1の発明では「目的地と現在地を入力」している点、
2.経路の出発位置に関し、本願発明1では「自車位置検出手段により検出された自車位置」であるに対し、引用例1の発明では、「入力手段により入力された現在地」である点、で相違する。
【5】当審の判断
1.本願発明1について
上記相違点1,2について検討する。車両用ナビゲーション装置において、目的地を入力部から入力する一方、現在位置検出手段により自車位置を決定し、該自車位置から目的地までの経路を地図情報に基づいて探索することは、本願出願前周知の技術である(例えば、特開平8-94370号公報参照)。
したがって、引用文献1に記載された発明において、目的地を入力手段で入力する一方、経路の出発位置については自車位置検出手段により検出された自車位置を用いて経路を探索する構成とすることは、当業者が容易に成し得た事項である。
2.本願発明2について
次に、本願発明2と引用例1に記載された発明とを比較すると、上記相違点1,2の他に、本願発明2に記載された表示手段は、描画手段により描画された複数の道路図をマルチウインドウの各画面に対応して表示するのに対し、引用例1に記載された表示手段は、表示されるマルチウインドウの少なくとも1つに前記描画手段により描画された道路図を表示する点(相違点3)で異なる。
しかしながら、引用例1には、「特に込み入った部分は、さらに拡大表示してもよいし、1画面内に縮尺を変えて表示するマルチウインドウ表示を採用してもよいことは勿論である。」と、マルチウインドウ表示を採用する旨、示唆されており、更に、ナビゲーション技術分野において、複数の地図をウインドウの各画面に対応して表示することが周知の技術である(例えば、特開平4-319985号公報参照)から、該周知技術を引用例1に記載された道路図の表示に適用して、本願発明2にかかる構成を得ることは当業者が容易に成し得た事項である。
3.本願発明3について
引用例1には、「特に込み入った部分は、さらに拡大表示してもよいし、1画面内に縮尺を変えて表示するマルチウインドウ表示を採用してもよいことは勿論である。」と、1画面内に縮尺を変えてマルチウインドウ表示する旨、示唆されており、更に、ナビゲーション技術分野において、複数の地図を縮尺を異ならせてウインドウ表示することが周知(例えば、特開平4-319985号公報参照)であるから、該周知技術を引用例1に記載された道路図の表示に適用して、上記本願発明3にかかる構成を得ることは当業者が容易に成し得た事項である。
4.本願発明4について
引用例1には、「従って、第1図の表示画面に示すように、コース以外の部分は、僅かに交差点4の付近を残して削除され、逆に、前に通過した交差点4、次に通過する交差点5および案内交差点6の名称が付記されている。」と記載されている。そして、次に通過する交差点5とは、経路探索手段により探索された経路上において次に案内すべき地点といえるから、引用例1にも経路探索手段により探索された経路上の次に案内すべき地点に関する情報を表示することが記載されている。したがって、本願発明4は当業者が引用例1及び周知技術より容易に成し得たものである。
【6】むすび
以上のとおり、本件請求項1〜4に係る発明は、刊行物1に記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1〜4に係る発明についての特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、本件請求項1〜4に係る発明についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
よって結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-10-09 
出願番号 特願平10-71044
審決分類 P 1 651・ 121- ZB (G01C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 太田 恒明森口 正治  
特許庁審判長 西川 一
特許庁審判官 大森 蔵人
岩本 正義
登録日 1999-09-24 
登録番号 特許第2984646号(P2984646)
権利者 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 株式会社新産業開発
発明の名称 車両用ナビゲーション装置  
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