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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B62D |
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管理番号 | 1052687 |
審判番号 | 不服2000-7845 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-10-20 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-05-25 |
確定日 | 2002-02-13 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第 88400号「自動変速機付き車両の自動操舵装置」〔平成10年10月20日出願公開、特開平10-278825、請求項の数(3)〕拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯と本願各請求項の発明 本願は、平成9年4月7日の出願であって、その請求項1乃至3に係る発明は、平成12年3月24日付で手続補正された明細書における特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された事項によってそれぞれ特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 目標位置までの車両(V)の移動軌跡を記憶または算出する移動軌跡設定手段(23)と,移動軌跡設定手段(23)により設定された移動軌跡に基づいて車輪(Wf)を転舵するアクチュエータ(7)と,ドライバーにより操作されて車両(V)を制動するブレーキ入力手段(9)と,ブレーキ入力手段(9)の操作時にアクチュエータ(7)を駆動するアクチュエータ駆動制御手段(22b)と,を備えた,自動変速機付き車両の自動操舵装置において, ブレーキ入力手段(9)の実操作量を検出するブレーキ操作量検出手段(S4)と,そのブレーキ操作量検出手段(S4 )で検出した実操作量と,自動操舵装置で自動駐車制御を行うのに適したクリープ車速が得られる予め設定した基準操作量との偏差を算出する偏差算出手段(22a)と,を備えたことを特徴とする,自動変速機付き車両の自動操舵装置。 【請求項2】 前記実操作量、基準操作量及び偏差の少なくともひとつを報知する報知手段(11)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の車両の自動操舵装置。 【請求項3】 前記偏差が所定値以上になったときに警報を行う警報手段(11)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の車両の自動操舵装置。」 2.原査定の理由についての検討 これに対する原査定の理由の概要は、本願請求項1の発明は、本願出願前に頒布された刊行物である特開昭61-263851号公報(以下「第1引用例」という)に記載された発明および特開昭62-216852号号公報(以下「周知例1」という)、特開昭62-137256号公報(以下「周知例2」という)、特開昭61-272440号公報(以下「周知例3」という)、特開昭61-207847号公報(以下「周知例4」という)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたというものである。 また、本願請求項2,3については、上記第1引用例および上記周知例1〜4に加えて特開昭59-184050号公報(以下「周知例5」という)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたというものである。 そこで、請求項1に係る発明と上記第1引用例および周知例1〜5の記載事項を対比する。 請求項1に係る発明の自動変速機付き車両の自動操舵装置が、「ブレーキ入力手段(9)の操作時にアクチュエータ(7)を駆動するアクチュエータ駆動制御手段(22b)」および「ブレーキ操作量検出手段(S4 )で検出した実操作量と,自動操舵装置で自動駐車制御を行うのに適したクリープ車速が得られる予め設定した基準操作量との偏差を算出する偏差算出手段(22a)」を備えた構成については、上記第1引用例、上記周知例1〜5のいずれの文献にも記載されておらず、かつ自明な事項とも認められない。 そして、請求項1に係る発明は、上記構成により、「車両のクリープ速度を適切に保って自動駐車制御を確実に行うことができる。」という独自の作用効果を奏するものである。 したがって、請求項1に係る発明は、上記第1引用例および上記周知例1〜5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、 請求項2および3に係る発明は、上記請求項1に係る発明を、引用する発明であるので、請求項1に係る発明と同様に上記第1引用例および上記周知例1〜5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3.むすび 以上のとおり、本願については、原査定の拒絶理由を検討しても、その理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-01-29 |
出願番号 | 特願平9-88400 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B62D)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 西本 浩司 |
特許庁審判長 |
藤井 俊明 |
特許庁審判官 |
鈴木 法明 藤井 昇 |
発明の名称 | 自動変速機付き車両の自動操舵装置 |
代理人 | 落合 健 |
代理人 | 仁木 一明 |