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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04F
管理番号 1052710
審判番号 審判1999-5727  
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-01-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-04-08 
確定日 2002-02-06 
事件の表示 平成 6年特許願第152462号「床パネル支持装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成 8年 1月16日出願公開、特開平 8- 13757、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯、本願請求項1、2に係る発明
本願は、平成6年7月4日の特許出願であって、その請求項1、2に係る発明は、平成9年9月26日付け手続補正書、及び、平成11年5月10日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された次のとおりのものである。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】支持脚上に床パネルの隅部を載置し、その隅部の上面を前記支持脚に装着されるパネル押圧部材により下方に押圧して該床パネルを前記支持脚上に挾圧固定するようにした床パネル支持装置であって、前記支持脚が、床盤上に載置されるベースと、このベースに螺合昇降可能に支承され床パネルを下面側から当接支持する昇降体とを具備してなり、前記昇降体が合成樹脂製のパネル支持板を備えており、このパネル支持板に床パネルの下面側縁に密接する膨出部と該パネル支持板の回動範囲を規制するストッパに接触する合成樹脂製の係合片を設けてなる床パネル支持装置。
【請求項2】支持脚上に床パネルの隅部を載置し、その隅部の上面を前記支持脚に装着されるパネル押圧部材により下方に押圧して該床パネルを前記支持脚上に挾圧固定するようにした床パネル支持装置であって、前記支持脚が、床盤上に載置されるベースと、このベースに螺合昇降可能に支承され床パネルを下面側から当接支持する昇降体とを具備してなり、前記昇降体が合成樹脂製のパネル支持板を備えており、パネル押圧部材が、円板形状の鍔部と、その鍔部の下面に設けられて近接する床パネルの隅部同士の縁部分に係合して回動を規制する突条と、鍔部の下面側に一体的に設けられて支持脚に螺合する円筒部とを具備してなることを特徴とする床パネル支持装置。」(以下、「本願請求項1、2に係る発明」という。)

2.引用刊行物の記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願前に頒布された、特開平5-230983号公報(以下、「刊行物1」という。)、実願昭61-32756号(実開昭62-144340号)のマイクロフイルム(以下、「刊行物2」という。)には、次の発明が記載されている。
刊行物1
刊行物1は「床パネルの支持装置」の発明で、次の事項が記載されている。
「【0007】【実施例】以下図面にもとづいて本願の実施例を詳述すると、コンクリートなどにより構成された床盤A上に固着される支持台1は、放射状に延びる複数の凸条2とそれらの間に位置する孔3とを有した金属製円板から成る接地板4の中心部にボルト5を立設して成り、このボルト5に、中心部が椀状に窪み、その窪み部6の中心部にナット7を設けて成る円形状の金属製調整部材8の前記ナット7が螺合され、また、外周には90°角毎に突片9が設けてある。
【0008】前記調整部材8の上面に回転自在に重合される載置板10は、周縁の90°角毎に下向きのリブ11を有した金属製円板から成り、その中心部に通孔12を有すると共に、上面の90°角毎に切り起こしにより一対の起立片13a,13bが対設してある。この起立片13a,13bは、直径方向に延び、かつ、両端部が対向する方向に屈曲されており、隣接する起立片13a,13bとの背面相互間に、後述する床パネル20の隅部が介入する。また前記載置板10の上面には、ゴムなどのシート14が張設してある。」(第3頁左欄第20行〜第39行)
「【0012】このようにして、調整部材8の高さ位置と起立片13a,13bの向きを床パネル20相互の接合方向に合致させた状態で、隣接する起立片13a,13bの相互間に床パネル29の隅部を介入する。すると、床パネル20の隅部を形成する直角2辺が隣接する起立片13a,13bに当接して、載置板10上に4枚の床パネル20の隅部が相互に接合して集合し、その集合位置に切欠部26によって円形の孔が形成される。従ってこの状態で、押さえ部片15の軸筒17を前記孔及び通孔12に夫々挿通すると共に、ボルト5の上部に螺合し、かつ、工具を用いて操作溝19を回動操作して締付けることにより、4枚の床パネル20の隅部を載置板10の上面に共通に挟圧するものである。
【0013】このようにして、フリーアクセスフロアが構成された状態に、支持装置に作用する外部振動により、ボルト5に対し、調整部材8が回転しようとしても、載置板10は床パネル20と起立片13a,13bとの当接により、回転不能な状態におかれ、かつ、調整部材8の回転も突片9とリブ11との当接により制限されるので、ナット7トボルト5との螺合が殆ど緩むことなく、ガタの発生は防止される。
【0014】【発明の効果】以上のように、本願によれば、高さ調整を行う調整部材と、床パネルを載置する載置板とを回転可能に重合すると共に、それらの間に、相互の回転範囲を制限する制限手段を設けて成るので、床パネルの高さ位置の調整は勿論のこと、その調整後、載置板上に床パネルを載置して、フリーアクセスフロアを構成したのちにおける調整部材と支持台との螺合の緩みが解消できて、ガタ付きの生じない安定した床構造が得られる。」(第3頁右欄第17行〜第46行)
これらの記載からみて、刊行物1には、次の発明が記載されていると認められる。
「支持台上に床パネルの隅部を載置し、その隅部の上面を前記支持台に装着される押さえ部片により下方に押圧して該床パネルを前記支持台上に挟圧固定するようにした床パネル支持装置であって、前記支持台が、床盤上に載置される接地板と、この接地板に螺合昇降可能に支承され床パネルを下面側から当接支持する調整部材とを具備してなり、前記調整部材が載置板と前記載置板の上面に張設したゴムなどのシートを備えており、この載置板に床パネルの下面側縁に密接する起立片と該載置板の回動範囲を規制する突片に接触する下向きのリブを設けてなる床パネルの支持装置。」

刊行物2
刊行物2は「床パネルの支持装置」の発明で、次の事項が記載されている。
「ねじ軸1にはナット4が螺合されていると共に、ねじ軸上部に受け皿6を有するねじパイプ5が螺合されている。前記ねじパイプ5は断面が六角形で、ねじ軸1と螺合する雌ねじが形成され、…受け皿6には円形の樹脂座板9が重合されている。…座板9は前記受け皿6の立上り縁7の内径寸法より小径にされており、一方、受け皿6から突出する係合ピン13,13が座板部材10,10の縁部に設けられ、」(明細書第4頁第16行〜第5頁第17行)
「コンクリート床面30上に基板2を接着剤で固定し、次にナット4をゆるめてねじパイプ5を回転し、受け皿6の設置高さを調整し、再びナット4を締めてねじ軸1とねじパイプ5とを固定する。床パネル31,31の四隅部には1個ずつ連結穴32,32が設けられているので、当該連結穴32を座板9の係合ピン13の何れかに嵌合し、1枚目の床パネルを敷設する。このとき床パネル31の隅部は受け皿6の中心部に設置されなければならない。」(明細書第7頁第11行〜第20行)
これらの記載からみて、刊行物2には、次の発明が記載されていると認められる。
「ねじパイプの上に床パネルの隅部を載置した床パネルの支持装置であって、ねじパイプが、床パネルを下面側から当接支持する受け皿とを具備してなり、前記受け皿が樹脂座板を備えており、この樹脂座板が床パネルの下面側縁に密接してなる床パネルの支持装置。」

3.対比・判断
(本願請求項1に係る発明)
刊行物1記載の「支持台」、「押さえ部片」、「突片を設けた調整部材」、「起立片と下向きのリブを設けた載置板」は、それぞれ、本願請求項1に係る発明の「支持脚」、「パネル押圧部材」、「ストッパを設けた昇降体」、「膨出部と係合片を設けたパネル支持板」に相当するから、両者は、「支持脚上に床パネルの隅部を載置し、その隅部の上面を前記支持脚に装着されるパネル押圧部材により下方に押圧して該床パネルを前記支持脚上に挾圧固定するようにした床パネル支持装置であって、前記支持脚が、床盤上に載置されるベースと、このベースに螺合昇降可能に支承され床パネルを下面側から当接支持する昇降体とを具備してなり、前記昇降体がパネル支持板を備えており、このパネル支持板に床パネルの下面側縁に密接する膨出部と該パネル支持板の回動範囲を規制するストッパに接触する係合片を設けてなる床パネル支持装置。」である点で一致しており、次の点で相違している。
相違点、本願請求項1に係る発明では、パネル支持板とこのパネル支持板に設けた係合片が「合成樹脂製」であるのに対し、刊行物1に記載された発明では、この構成を備えていない点。
そこで、この相違点について検討すると、本願請求項1に係る発明では、ストッパと接触する係合片も合成樹脂製であるのでこの部分でも金属同士が接触することがなく、金属同士が軋んで不快な金属音が発生することがあるという従来の不具合を解消できるが、刊行物1のゴムシートは床パネルと載置板の間に設けたもので、さらに効果も明瞭でなく、ストッパと係合片に対する配慮がない。又、刊行物2も、床パネルと受け皿の間に樹脂座板が設けられているが、ストッパと係合片についての記載はなく、効果も明瞭でない。
そうしてみると、刊行物1,2には、本願請求項1に係る発明の「合成樹脂製の係合片」は、記載されても示唆されてもいない。そして、この点により「金属同士が軋んで不快な金属音が発生することがあるという従来の不具合を解消できる」という明細書記載の効果を奏することができる。
従って、本願請求項1に係る発明は、上記刊行物1,2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(本願請求項2に係る発明)
本願請求項2に係る発明は、「パネル押圧部材が、円板形状の鍔部と、その鍔部の下面に設けられて近接する床パネルの隅部同士の縁部分に係合して回動を規制する突条と、鍔部の下面側に一体的に設けられて支持脚に螺合する円筒部とを具備してなる」点を構成としているが、刊行物1には、パネル押圧部材(押さえ片)が支持脚に螺合する円筒部(軸筒)を具備したことが記載されているものの、鍔部の下面に突条を具備することは記載されておらず、また、刊行物2には、パネル押圧部材そのものが記載されていないから、上記刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。又、本願請求項2に係る発明は原査定で拒絶されていない。

4.むすび
以上、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
又、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-01-24 
出願番号 特願平6-152462
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E04F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 長島 和子七字 ひろみ  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 斎藤 利久
藤枝 洋
発明の名称 床パネル支持装置  
代理人 赤澤 一博  
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