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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B21B
管理番号 1053232
異議申立番号 異議2000-72686  
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-04-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-10 
確定日 2001-10-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2996845号「ストリップの先端・尾端の検出装置」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2996845号の請求項1ないし2に係る特許を取り消す。 
理由 1、手続の経緯
本件特許第2996845号は、平成5年10月1日の特許出願に係り、平成11年10月29日にその特許の設定登録がされたものであって、その後、その請求項1、2に係る特許について特許異議の申立てがなされたので、当審より特許取消理由を通知したところ、その指定期間内である平成13年3月22日に訂正請求がなされたものである。

2、訂正請求について
2-1、訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項A
本件特許の願書に添付した明細書(以下、単に「明細書」という。)の特許請求の範囲を、
「【請求項1】熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送することを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。
【請求項2】前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設けることを特徴とする請求項1記載のストリップの先端・尾端の検出装置。」に訂正する。
(2)訂正事項B
明細書の段落【0009】及び【0040】の
「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用の光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、かつ前記受光部の検出出力は光信号」を、
「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送すること」と訂正する。
(3)訂正事項C
明細書の段落【0010】及び【0041】の
「前記ストリップの搬送路の下側に配設された方の前記受光部または前記投光部に対し、その受光窓または投光窓の表面に塵埃パージ用の水を供給する」を、
「前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面に塵埃パージ用の水を常時供給できる」に訂正する。
(4)訂正事項D
明細書の段落【0012】の
「ストリップの搬送路の下側に配設された前記受光部または前記投光部に対し、その受光窓または投光窓の表面に対し、」を、
「ストリップの搬送路の下側に配設された前記受光部の受光窓の表面に対し、」に訂正する。
(5)訂正事項E
明細書の段落【0026】の
「耐熱ゴム33は、センサ部31に固定治具34側からの振動を伝わり難くするために用いられるが、周囲が高温の雰囲気であるために耐熱性が要求される。さらに、ガラス板35の表面にスケール等が付着堆積して透過性能が下がらない」を、
「耐熱ゴム33は、センサ部31に固定治具34側からの振動を伝わり難くし耐振構造とするために用いられるが、周囲が高温の雰囲気であるために耐熱性が要求される。さらに、ガラス板35の表面にスケール等の塵埃が付着堆積して透過性能が下がらない」に訂正する。
(6)訂正事項F
明細書の段落【0036】〜【0038】の記載を削除する。

2-2、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項Aは、請求項1において、(a)「検出用の光」を「検出用のレーザ光」に、また、(b)「検出出力は光信号である」を「検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送する」に、それぞれ訂正しようとするとともに、(c)「前記受光部は前記ストリップのホットランテープル開□部下部に設置されていて、」を追加しようとするものであり、さらに、請求項2において、(d)「前記ストリップの搬送路の下側に配置された方の前記受光部または前記投光部に対し、」を、「前記ストリップのホットランテープル開□部下部に設置された前記受光部は、」に、(e)「その受光窓または投光窓の表面に塵埃パージ用の水を供給する」を「その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できる」に、それぞれ訂正しようとするものである。
そして、これら(a)〜(e)の訂正は、訂正前の構成をより具体化するものであり、(a)の訂正は、明細書の段落【0025】などの「レーザ光」の記載に基づくものであり、(b)の訂正は、明細書の段落【0027】〜【0029】などの光ファイバ39を用いて光のまま取り出して伝送する点の記載に基づくものであり、(c)及び(d)の訂正は、明細書の段落【0025】の受光部がホットランテーブル開口部下部に設置されている記載や図1に基づくものであり、また、(e)の訂正は、明細書の段落【0026】や【0033】のパージ用の水を常時供給する点の記載に基づくものであるから、このらの訂正は、いずれも特許請求の範囲の減縮に該当するものであり、かつ、願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものではない。
訂正事項B〜Fは、明細書の「発明の詳細な説明」の欄の記載を、前記特許請求の範囲の訂正と整合するように訂正するものであるから、これらの訂正は、いずれも、明りょうでない記載の釈明に該当するものであり、かつ、願書に添付した明細書及び図面に記載された事項の範囲内のものであって、実質上特許請求の範囲を拡張または変更するものではない。

2-3、まとめ
以上のとおり、上記訂正請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するものであるから、当該訂正を認める。

3、取消理由について
3-1、本件発明
上記のように訂正が認められることから、本件特許の請求項1、2に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された次のとおりのものである
「【請求項1】熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送することを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。
【請求項2】前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設けることを特徴とする請求項1記載のストリップの先端・尾端の検出装置。」
(以下、各請求項に係る発明を、順に、「本件発明1」、「本件発明2」という。)

3-2、取消理由の概要
当審の通知した取消理由の概要は次の通りである。
訂正前における本件発明1、2は、本件特許に係る出願の出願日前に頒布された下記の刊行物1〜3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、それらの発明に係る特許は、いずれも特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
刊行物1:特開平5-232045号公報
刊行物2:竹中電子工業(株)パンフレット「鉄鋼・重工業用光電子センサー」第55〜84頁、昭和63年4月発行
刊行物3:日立製作所(株)国分工場発行「検出器 HAND-BOOK」第5、9、47頁、昭和58年5月30日発行

3-3、引用刊行物の記載について
(1)刊行物1
イ、図1に示された帯状体のエッジ割れ、穴明き検出装置に関し、
「【0013】【実施例】・・・(中略)・・・図1は、本発明の一実施例の帯状体のエッジ割れ、穴明き検出装置の信号処理部を除いた投光部及び受光部の断面図である。投光部1及び受光部2は、帯状体(この例ではストリップ)3を挟むように、投光部1がストリップ3の下部に、受光部2がストリップ3の上部に位置するように配置されている。」、「【0018】すなわち、本実施例の場合、投光部1はガラス板6で覆われており、毎分10リットルの洗浄液7がガラス板6の上面に連続的に流れている。・・・(中略)・・・このようにしているので、ガラス板6は、常に洗浄液7で洗われている状態にあり、ガラス板6が汚れて欠陥検出能が低下することがない。・・・(中略)・・・
【0019】受光部2は、投光部1のように圧延油が滴下するという問題は無いが、圧延油の飛散や霧化によりやはり汚染されるので、ガラス板14が受光部2の下部に設けられている。」と記載されている。
(2)刊行物2
ロ、半導体レーザー方式アンプ内蔵CMDのKL(R)44Aシリーズに関し、第63頁の「概要」の欄には、「・このシリーズのCMDは、光源に半導体レーザダイオードを使用したもので、・・・主に製鉄所における鋼材の通過、位置検出にお使いいただくものです。」と記載されており、「特長」の欄には、「・ハイパワー 光源に半導体レーザダイオードを採用しており、LED方式に比べ数百倍(当社比)のパワーがありますので、悪環境の検出に威力を発揮します。」
ハ、光ファイバー式アンプ内蔵CMDのFT10Aシリーズに関し、第55頁の「概要」の欄には、「・この光電子センサーはオプティカルヘッド部と、アンプユニット間を光ファイバーユニットで接続したものです。従って電子部品を一切含まない検出ヘッド部を高温場所に電子部品を収納したアンプユニットを高温場所から離れた位置に設置することが出来ます。」と記載されている。
ニ、上記KL(R)44Aシリーズにおける第63頁の「特長」の欄には、「・エア-レスフード取付け可能 標準仕様は・・・エアーパージフードが付いていますが、・・・マフラー効果により防塵効果が得られるエアーレスフードも取付けることが出来ます。」と記載され、上記FT10Aシリーズにおける第58頁の「特長」の欄にも、「・各種のフードを用意」と記載されている。
ホ、上記KL(R)44Aシリーズにおける第66頁の「一般仕様」の欄及び上記FT10Aシリーズにおける第58頁の「仕様」の欄には、「耐振動」の項目が設けられている。
(3)刊行物3
ヘ、5頁の『〔3〕検出器の動作原理』の表題の下には、「機種」毎に「動作原理」と「用法例」を記載した表が示されている。そして、「機種」の欄に、輻射光形検出器(HMD)、透過形光電検出器(CMD)、導波管式MICRO波検出器(MD)の3種類が記載され、そのうち、透過形光電検出器(CMD)について、「動作原理」の欄には、「投光器から発せられた変調光を受光器で受けるように設置し,この投,受光器間のBEAMを検出対象物が遮光した時,受光器内蔵の光電変換素子で変換した電気信号を電子回路により継電器の出力接点を駆動し,所要の電気信号を得るものです。」と記載されるとともに、検出器の構成と動作原理の図が示され、さらに、「用法例」の欄には、「冷,熱材料,部品等の材有,位置検出」と記載されるとともに、ローラコンベア上の対象物を斜めから挟んで上側に投光器を、下側に受光器を配置する図が示されている。
ト、9頁の「4.2応用具体例」の表題の下には、設備別に4つの図が示され、その上から2番目の図には、ホット・ストリップ・ミルとダウンコイラーの間に、検出用の光が、ホットランテーブル上のストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されるCMDを配置するとともにストリップ下方にMDを配置している図が示されている。
チ、47頁の「輻射光検出器(光導形HMD)」について、「特徴」の欄には、高温環境用(光ファイバー式)と記載されている。
そして、上記トで摘記したCMDについて、前記ヘで摘記したCMDについての説明及び図を参照すると、ホットランテーブル上方に投光器が、下方に受光器が配置され、投光器は発光素子を用いるものであり、受光部の検出出力は電気信号として伝送するものといえるから、刊行物3には、「ホット・ストリップ・ミル設備内を搬送されているストリップの有無や位置を検出するCMDにおいて、該CMDは発光素子からの検出用の光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル下方に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は電気信号として伝送することを特徴とするCMD。」(以下、刊行物3に記載のものという。)が記載されているものといえる。

3-4、対比・判断
3-4-1、本件発明1について
刊行物3に記載のものにおいて、CMDは、ホット・ストリップ・ミル設備、すなわち熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置であることは明らかであるから、本件発明1と上記刊行物3に記載のものとを対比すると、両者は、
「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、
該検出装置は検出用の光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル下方に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は信号として伝送することを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
(1)本件発明1が検出用の光としてレーザ光を用いるのに対し、刊行物3に記載のものは発光素子からの光を用いている点。(以下、相違点1という。)
(2)本件発明1が投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備えているのに対し、刊行物3に記載のものはそれらの構造を備えているかどうか明らかでない点。(以下、相違点2という。)
(3)本件発明1が受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されているのに対し、刊行物3に記載のものはホットランテーブル下方であって、その位置が開口部下部かどうか明らかでない点。(以下、相違点3という。)
(4)本件発明1が、受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送するのに対し、刊行物3に記載のものは電気信号として伝送する点。(以下、相違点4という。)
そこで、これら相違点について検討する。
(5)相違点1について
投光部と受光部から構成される検出装置において、検出用の光としてレーザ光を用いるのは、刊行物2について上記ロで摘記したように周知技術であるから、刊行物3に記載のものにおいて、検出用の光としてレーザ光を単に用いて、この相違点に係る本件発明1のようにすることは当業者が適宜なし得ることである。
(6)相違点2について
上記刊行物2のニ、ホで摘記したように、検出装置が塵や振動の影響を考慮しなければならないことは当然のことであるから、刊行物3に記載のものにおいて、単に防塵構造及び耐振構造を備えることにより、この相違点に係る本件発明1のようにすることは当業者が適宜なし得ることである。
(7)相違点3について
刊行物1に、圧延油が滴下して検出能が低下するおそれのあるストリップの真下に投光部を設置した例が記載されているように(摘記イや図1参照)、検出装置の設置位置は、検出目的に応じて誤検出がないような最適な位置に設定されるものである。
本件発明1では、ホットランテーブル開口部、すなわちストリップ真下のテーブルローラ間の隙間の下部に受光部が設置されるものであるが、そのために特別の工夫がされるものではない。
そうすると、刊行物3に記載のものにおいても、受光部について刊行物1に記載のものと同様にして、前記本件発明1のようにすることは当業者が容易になし得ることであり、しかも、それによって本件発明1は格別な作用効果を奏するものではない。
(8)相違点4について
投光部と受光部から構成される検出装置において、受光部の検出出力として受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送するのは、上記刊行物2のハや刊行物3のチで摘記したように周知技術であるから、刊行物3に記載のものにおいて、この相違点に係る本件発明1のようにすることは当業者が適宜なし得ることである。

そして、本件発明1は、これら相違点に係る構成を合わせ持つことによって格別の作用効果を奏するものではない。
そうすると、本件発明1は刊行物1〜3に記載のものに基づいて当業者が容易に発明できたものである。

3-4-2、本件発明2について
本件発明2は、本件発明1において、「前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設ける」という構成を追加したものであるから、刊行物3に記載のものと対比すると、本件発明2が上記追加された構成を有するのに対し、刊行物3に記載のものがその構成を有するかどうか明らかでない点で相違する。(以下、相違点5という。)
そこで、相違点5について検討すると、刊行物1には、上記イで摘記したように、投光部と受光部から構成される検出装置において、ストリップの下部に配置される投光部1をガラス板で覆い、毎分10リットルの洗浄液をガラス板の上面に連続的に流すことにより、ガラス板が汚れて欠陥検出能が低下することがないようにすることが記載されているから、刊行物3に記載のものにおいても、刊行物1に記載の上記投光部における構造を単に採用することによって、ストリップ3の下部に配置される受光部に対し、受光窓をガラス板としたケースで囲まれるようにするとともに、ガラス板の表面に塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設けるようにすることは、当業者が容易になし得ることであり、その際に、さらに、ガラス板を強化ガラスにするとともにケースを耐振構造をもったものにすることは、単なる設計的な事項であって、当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。
そうすると、刊行物3に記載のものにおいて、相違点1〜4のようにすることに加えさらに相違点5のようにすることも当業者が容易になし得ることであり、しかも、それによって本件発明2は格別な作用効果を奏するものではない。
したがって、本件発明2は、刊行物1〜3に記載されたものに基づいて当業者が容易に発明できたものである。

4、むすび
以上のとおり、本件発明1、2は、いずれも特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明1、2に係る特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ストリップの先端・尾端の検出装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送することを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。
【請求項2】 前記ストリップのホットラインテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設けることを特徴とする請求項1記載のストリップの先端・尾端の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱間圧延設備にあって、ストリップの先端または尾端が仕上圧延スタンドからマンドレルまでの間の所定位置を通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延設備は、粗圧延を行う粗圧延機、この圧延機より搬送されてくる板材に対して最終的な仕上げ圧延を行う仕上圧延機のほか、その出側温度を所望値にする注水装置、圧延の完了したストリップ(材料)を捲き取る捲取装置などを備えて構成されている。
【0003】
さらに、仕上圧延機から捲取装置に至る構成について説明すると、仕上圧延機の後段には、ストリップを後段に導くためのホットランテ-ブル(以下テ-ブルという)が配設され、このHテ-ブルの後段には所定間隔に複数のピンチロ-ルが配設され、ストリップに所定の押圧力を付与している。各ピンチロ-ルの前後には捲取ガイド(サイドガイド)が設けられている。そして、最終段には板材を捲き取ってコイルを生成するための芯になる複数のマンドレルが配設されている。
【0004】
そして、ピンチロールによりストリップに最適な圧力を付与し、或いはマンドレルへのストリップ尾端の捲きつけを確実に行うためには、ストリップの先端または尾端がピンチロール等に到達する以前にセンサによって検出し、到達時間の予測を行っている。この予測に基づいてピンチロール等の制御を行っている。
【0005】
このために、熱間圧延設備においては、前記センサとして、Hテーブルやピンチロールの直前の位置にメタル検出器と称するストリップの先端・尾端検出装置が設置されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術にあっては、メタル検出器が通過するストリップの近傍に設置されているため、ストリップ表面から剥奪したスケールや酸化鉄等がメタル検出器の検出面に付着し、長期の使用に伴って誤検出や最悪の場合には検出不能を招き、ストリップの捲き取りを高精度に行うことができなくなる。
【0007】
これを防止するためには、検出装置を防塵構造にする必要があるが、従来の対策は不十分であり、作業員が定期的に清掃を行うことで対処していた。
【0008】
本発明の目的は、ストリップの先端及び尾端を常に高精度に検出することのできるストリップの先端・尾端の検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送すること」にしている。
【0010】
そして、検出精度の経時変化を防止するため、「前記ストリップのホットラインテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面に塵埃パージ用の水を常時供給できる」パージ手段を設けることができる。
【0011】
【作用】
上記した手段によれば、検出装置を構成する投光部と受光部の各々が、振動吸収ゴム等の素材を用いて固定側に取り付けて耐振動性を向上させている。また、投光スニット及びセンサ部が設置雰囲気内の塵埃に汚れないように、投光部及び受光部には防塵フード及び防塵ケースによる防塵手段が施されている。したがって、耐環境性に優れ、検出精度の高い先端・尾端の検出装置を得ることが可能になる。
【0012】
ストリップの搬送路の下側に配設された前記受光部の受光窓の表面に対し、ノズル等を用いて清掃用の水を供給(噴射)することにより、スケール等の塵埃の付着堆積が防止される。この結果、光の透過性能が低下せず、検出性能を維持することが可能になる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明によるストリップの先端・尾端の検出装置を示す断面図及びその周辺設備を示す構成図でる。また、図2は本発明による先端・尾端の検出装置の設置対象となる熱間圧延設備を示す概略構成図である。
【0015】
図2に示すように、複数の仕上圧延スタンド(ここでは一部、F4〜F7の4基のみを図示)を有する仕上圧延機1の後段にはHテーブル2が設置され、その後段の上部には捲取ガイド3、ピンチロール4及び捲取ガイド5が配設されている。ピンチロール4は、既存の圧延設備には設けられていないものであり、ジャッキ(不図示)及びエアーシリンダ4aによって昇降駆動される。
【0016】
さらに、Hテーブル2の後段にはピンチロール6,7,8が順次配設され、このピンチロール間には捲取ガイド9,10が配設されている。ピンチロール6〜8の他にピンチロール4を設けてツインにしているのは、ストリップ23が仕上圧延機1を抜け出ると、この仕上圧延機1での押圧力が欠けた分をピンチロール4で分担できるようにするためで、ピンチロール4及びピンチロール6,7,8に対する制御については図1に示している。ピンチロール6,7,8の各々の斜め下方には、マンドレル11,12,13が配設され、その各々にはラッパーロール14,15,16が当接自在に配設されている。
【0017】
また、ピンチロール制御及び圧延に必要な各種の制御を実行するために制御装置17が設けられている。この制御装置17は、工場全体を管理する不図示のホストコンピュータ(或いはプロセスコンピュータ)の下位コンピュータとして位置づけられ、ホストコンピュータの管理のもとに本発明の処理を実行する。
【0018】
捲取ガイド3の手前には先端及び尾端の検出器(以下、これを「先端・尾端検出装置」という)としてのコールドメタル検出器18が設置され、さらに捲取ガイド5とピンチロール6の間の上部には、ストリップ23の通過を検出するためのコールドメタル検出器19(先端・尾端検出装置)が設けられ、同様に、ピンチロール6,7の間及びピンチロール7,8の中間の上部にはコールドメタル検出器20,21(先端・尾端検出装置)が設けられ、各々の出力信号は制御装置17に取り込まれる。また、仕上圧延機1の最終圧延スタンドの後段には、ストリップ23のHテーブル2への進入を検出するためのホットメタル検出器22(先端・尾端検出装置)が設けられている。
【0019】
図2の構成において、仕上圧延機1を抜け出たストリップ先端はHテーブル2を通り、さらに捲取ガイド3でガイドされながらピンチロール4の直下に送り込まれ、所定の圧力が付与される。このとき、コールドメタル検出器18,19,20,21の各出力信号に基づいてストリップ23のピンチロール4,6,7,8の各々への到達タイミングを予測し、ピンチロール圧下量の制御及び各マンドレル及び各ラッパーロールの制御が行われる。
【0020】
さらに、ストリップ23は、捲取ガイド5でガイドされながらピンチロール6へ送り込まれ、このピンチロール6に噛み込まれる。ついでストリップ23の先端はマンドレル11へ送り込まれ、到達と同時にラッパーロール14によって押圧され、徐々にマンドレル11の周面に捲き取られ、コイルが形成される。
【0021】
そして、ストリップ尾端に対しては、同様にコールドメタル検出器18〜21の各出力信号に基づいて仕上圧延機1のほかピンチロール4〜8をストリップ23が抜けるタイミングを予測し、この結果に基づいて仕上圧延機1を抜けた後のピンチロール4及び他のピンチロールの圧下量、さらにはマンドレル等の回転を制御し、ストリップ尾端が綺麗に捲き付くようにする。
【0022】
図1はメタル検出器の1つの構成例を示し、以下においては、先端・尾端検出装置がコールドメタル検出器18であるとして説明する。
【0023】
先端・尾端検出装置は、投光部24と受光部25から構成されている。投光部24は、床面に立設されたポール26の上端に取り付けられ、レーザ光を受光部25へ照射する。
【0024】
投光部24は、不図示の振動吸収ゴムを介してポール26に取り付けられる防塵ケース27と、この内部に配設される投光ユニット28から成り、レーザ光28aの光照射端には円筒状の防塵フード28aが取り付けられている。投光ユニット28は、検出ユニット29(投光ユニット28へレーザ光を供給するためのレーザ送受信ユニットも内蔵している)に接続された光ファイバ30に接続される結合手段(不図示)及び光学系(不図示)などから成り、投光ユニット28から出射されるレーザ光28aはHテーブル2の所定位置の中央部に設けられた開口部2aに向けて照射される。この照射は、操業の間、絶えることなく行われている。
【0025】
一方、受光部25はHテーブル2の前記開口部2aの下部に設置されている。その構成は、Hテーブル2上にストリップ23が存在しないときに投光部24からのレーザ光28aを受光するセンサ部31、このセンサ部31を密封状態にして保護するためのステンレス材等を用いて作られたケース32、このケース32と固定治具34との間に介挿される耐熱ゴム33、Hテーブル2または床面に取り付けられた部材にケース32を固定するための固定治具34、ケース32の受光窓部分に配設されてケース32内に塵埃が入り込まないようにするための強化ガラスを用いたガラス板35、このガラス板35を固定するホルダー36から構成されている。
【0026】
耐熱ゴム33は、センサ部31に固定治具34側からの振動を伝わり難くし耐振構造とするために用いられるが、周囲が高温の雰囲気であるために耐熱性が要求される。さらに、ガラス板35の表面にスケール等の塵埃が付着堆積して透過性能が下がらないように、ガラス板35の近傍にノズル37が設けられ、このノズル37からパージ用の水を常時噴射し、ガラス板35の表面の投光度を維持している。そして、ノズル37には、パージ用浄水を供給するための配水管38が連結されている。
【0027】
さらに、センサ部31には、検出光を検出ユニット29へ導くための光ファイバ39が接続されている。光ファイバ39は、機械的な損傷を防ぐためにステンレス等の耐腐食性の素材による保護パイプ40に挿通して敷設されている。
【0028】
以上の構成において、ストリップ23が受光部25の上に到達しない状態(受光部25の設置位置より仕上圧延機1側にストリップ23の先端以降が介在している状態)では、投光部24からのレーザ光28aは開口部2aを自由に通過でき、受光部25に到達し、ガラス板35を通してセンサ部31の受光面に受光される。このレーザ光28aはセンサ部31によって光ファイバ39に伝送され、さらに検出ユニット29へ伝送される。
【0029】
このように、光ファイバ39を用いて光のまま取り出すことにより、電気信号に変えて取り出す場合に比べ、ノイズの影響等を受けることがなく、安定した検出が可能になる。
【0030】
検出ユニット29は、光ファイバ39からの光を光-電変換し、位置検出信号Sdとして制御装置17へ出力する。位置検出信号Sdは、光ファイバ39からの光が有るときに“H”レベル信号を出力するようにすることも、逆に、光が有るときに“L”レベル信号を出力することもできるが、この実施例では光が有るときに“H”レベル信号を出力するものとする。
【0031】
開口部2a上にストリップ23が到達すると、開口部2aは塞がれた状態になり、投光部24からのレーザ光28aが遮られ、センサ部31には到達しない。したがって、検出ユニット29の出力信号は、“H”レベルから“L”レベルに変化し、制御装置17のCPUはストリップ23が検出位置に到達したことを判定できる。
【0032】
Hテーブル2上をストリップ23が搬送されている途中においては、受光部25のセンサ部31から光情報は途絶えたままであり、検出ユニット29は“L”レベルの出力状態を継続している。しかし、ストリップ23の尾端が開口部2a上を通過し終わると同時に、投光部24の投光ユニット28からのレーザ光28aが再びセンサ部31へ入光し、検出ユニット29の出力状態は、“L”レベルから“H”レベルに転じ、ストリップ尾端が検出位置を通過したことを知ることができる。
【0033】
なお、上記したように、操業中、常時ノズル37にパージ用の水を供給し、ガラス板35の表面が曇らないように清掃する。なお、状況によっては常時清掃の必要はなく、この場合には予め設定した時間(制御装置17のタイマで設定)が到達し、或いは光ファイバ39からの検出光量が設定値を下回るようになった時点で不図示のポンプを稼働させ、ノズル37にパージ用の水を供給するようにすればよい。
【0034】
図3はコールドメタル検出器(CMD)18等とホットメタル検出器(HMD)22のトラッキング精度特性を示している。ホットメタル検出器は、ストリップ23の温度が高い状態で搬送される部位に設置されることから、検出媒体に赤外線を用いている。これに対し、コールドメタル検出器はストリップ23の温度が低下した状態で搬送される場所に設置されるため、検出媒体にレーザ光等の光を用いている。
【0035】
このため、図3から明らかなように、トラッキング精度は、ホットメタル検出器に比べコールドメタル検出器の方が良好である。したがって、ピンチロール等の回転制御に用いるセンサとしては、赤外線を用いないコールドメタル検出器が適していることがわかる。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【発明の効果】
本発明は上記の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0040】
請求項1のストリップの先端・尾端の検出装置においては、「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送すること」したので、耐環境性に優れ、検出精度の高い先端・尾端の検出装置を得ることができる。
【0041】
請求項2のストリップの先端・尾端の検出装置においては、「前記ストリップのホットラインテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面に塵埃パージ用の水を常時供給できる」パージ手段を設けるようにしたので、スケール等の塵埃の付着堆積が防止され、光の透過性能を低下させることがなく、検出性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明によるストリップの先端・尾端の検出装置を示す断面図及びその周辺設備を示す構成図である。
【図2】
本発明による先端・尾端の検出装置の設置対象となる熱間圧延設備を示す概略構成図である。
【図3】
コールドメタル検出器とホットメタル検出器のトラッキング精度を示す特性図である。
【符号の説明】
1 仕上圧延機
2 Hテ-ブル
2a 開口部
3 捲取ガイド
4 ピンチロ-ル
5 捲取ガイド
6,7,8 ピンチロ-ル
9,10 捲取ガイド
11,12,13 マンドレル
14,15,16 ラッパ-ロ-ル
17 制御装置
18,19,20,21 メタル検出器
22 ホットメタル検出器
23 ストリップ
24 投光部
25 受光部
26 ポール
27 防塵ケース
28 投光ユニット
28a 防塵フード
28b レーザ光
29 検出ユニット
30 光ファイバ
31 センサ部
32 ケース
33 耐熱ゴム
34 固定治具
35 ガラス板
36 ホルダー
37 ノズル
38 配水管
39 光ファイバ
40 保護パイプ
 
訂正の要旨 訂正の要旨
1)特許請求の範囲の減縮を目的として、明細書の特許請求の範囲の
「【請求項1】熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用の光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、かつ前記受光部の検出出力は光信号であることを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。
【請求項2】前記ストリップの搬送路の下側に配設された方の前記受光部または前記投光部に対し、その受光窓または投光窓の表面に塵埃パージ用の水を供給するパージ手段を設けることを特徴とする請求項1記載のストリップの先端・尾端の検出装置。」を、
「【請求項1】熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送することを特徴とするストリップの先端・尾端の検出装置。
【請求項2】前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面には塵埃パージ用の水を常時供給できるパージ手段を設けることを特徴とする請求項1記載のストリップの先端・尾端の検出装置。」に訂正する。
2)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0009】及び【0040】の
「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用の光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、かつ前記受光部の検出出力は光信号」を、
「熱間圧延設備内を搬送されているストリップの先端が設定した検出位置に到達したか否か、或いは前記検出位置を前記ストリップの尾端が通過したか否かを検出するためのストリップの先端・尾端の検出装置において、該検出装置は検出用のレーザ光が前記ストリップを挟んで上下方向に通過するように配設された投光部と受光部から構成されると共に、前記投光部と受光部の各々は防塵構造及び耐振構造を備え、前記受光部は前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置されていて、かつ前記受光部の検出出力は受光したレーザ光を光ファイバにて光信号として伝送すること」に訂正する。
3)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0010】及び【0041】の
「前記ストリップの搬送路の下側に配設された方の前記受光部または前記投光部に対し、その受光窓または投光窓の表面に塵埃パージ用の水を供給する」を、
「前記ストリップのホットランテーブル開口部下部に設置された前記受光部は、その受光窓を強化ガラス板とした耐振構造を持ったケースで囲まれ、前記ガラス板の表面に塵埃パージ用の水を常時供給できる」に訂正する。
4)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0012】の
「ストリップの搬送路の下側に配設された前記受光部または前記投光部に対し、その受光窓または投光窓の表面に対し、」を、
「ストリップの搬送路の下側に配設された前記受光部の受光窓の表面に対し、」に訂正する。
5)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0026】の
「耐熱ゴム33は、センサ部31に固定治具34側からの振動を伝わり難くするために用いられるが、周囲が高温の雰囲気であるために耐熱性が要求される。さらに、ガラス板35の表面にスケール等が付着堆積して透過性能が下がらない」を、
「耐熱ゴム33は、センサ部31に固定治具34側からの振動を伝わり難くし耐振構造とするために用いられるが、周囲が高温の雰囲気であるために耐熱性が要求される。さらに、ガラス板35の表面にスケール等の塵埃が付着堆積して透過性能が下がらない」に訂正する。
6)明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落【0036】〜【0038】の記載を削除する。
異議決定日 2001-09-06 
出願番号 特願平5-267743
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (B21B)
最終処分 取消  
前審関与審査官 金 公彦國方 康伸  
特許庁審判長 関根 恒也
特許庁審判官 伊藤 明
中村 朝幸
登録日 1999-10-29 
登録番号 特許第2996845号(P2996845)
権利者 新日本製鐵株式会社
発明の名称 ストリップの先端・尾端の検出装置  
代理人 田北 嵩晴  
代理人 田中 久喬  
代理人 田中 久喬  
代理人 田北 嵩晴  
代理人 広瀬 章一  

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