• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効とする(申立て全部成立) E05F
管理番号 1054236
審判番号 無効2001-35036  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-05-16 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-01-30 
確定日 2001-12-03 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2859110号発明「上げ下げ窓及び上げ下げ障子付ドア」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2859110号の請求項1、3、5に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.経緯

本件特許第2859110号は、平成5年10月30日に出願(特願平5-294175号)され、平成10年12月4日に登録され、吉田栄一及びワイ ケイ ケイ アーキテクチュラルプロダクツ株式会社よりそれぞれ特許異議の申立てがなされ、平成11年12月17日付けで取消理由通知がなされ、平成12年3月14日に特許異議意見書及び訂正請求書が提出され、平成12年6月15日付けで、訂正を認めるとともにその請求項1、3、5に係る発明の特許を維持する旨の異議決定がなされ、その後、平成13年1月30日にワイ ケイ ケイ アーキテクチュラルプロダクツ株式会社より無効審判(本件審判)の請求がなされ、平成13年5月7日付けで被請求人より審判事件答弁書及び訂正請求書が提出され、平成13年7月10日付で請求人より審判事件弁駁書が提出された。

2.審判請求人の請求の趣旨及び被請求人の答弁の趣旨

審判請求人の請求の趣旨は、本件特許の請求項1、3、5に係る特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求めることにあり、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
一方、被請求人の答弁の趣旨は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めることにある。

3.訂正請求について

3-1 訂正の内容
平成13年5月7日付け訂正請求書により特許権者がした訂正の内容は次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1を、
「【請求項1】内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ窓。」
と訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項3を、
「【請求項3】上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。」
と訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0006を、
「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る上げ下げ窓は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。」
と訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0008を、
「請求項3の発明に係る上げ下げ障子付ドアは、上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。」
と訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0011を、
「【作用】請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。」
と訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0029を、
「(1)請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。」
と訂正する。

3-2 訂正の適否
(1)上記訂正事項1及び2の特許請求の範囲の請求項1及び3の訂正は、調節ネジの構成を、「頭部が下方を向いた調節ネジ」と限定するものであるから、これらの訂正は、特許請求の範囲を減縮することを目的としたものと認められる。
また、これらの訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)上記訂正事項3ないし6の明細書の発明の詳細な説明の訂正は、特許請求の範囲の請求項1及び3の訂正に伴って、それとの整合を図るために発明の詳細な説明を訂正したもので、明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認められる。
また、これらの訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)むすび
したがって、平成13年5月7日付けの訂正請求は、平成6年改正前の特許法第134条第2項ただし書き及び同条第5項において準用する特許法第126条第2項の規定に適合するので、当該訂正請求は適法な訂正と認める。

4 本件訂正発明について

4-1 本件訂正発明の認定
上記のように平成13年5月7日付けの訂正請求は適法な訂正であり、訂正された特許請求の範囲の請求項1、3、5に係る発明は次のとおりである。
「【請求項1】内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項3】上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。
【請求項5】前記請求項1又は2に記載の上げ下げ窓をドア本体に設けられた開口に装着してなることを特徴とする上げ下げ障子付ドア。」
(以下、請求項1、3、5に係る発明を本件訂正発明1、3、5という。)

4-2 審判請求人の提出した刊行物
審判請求人が、本件特許出願前に頒布された刊行物として提出した証拠のうち次の刊行物には以下に記載する技術的事項が記載されていると認められる。
(1)刊行物1:実願平2-71753号(実開平4-30312号)のマイクロフィルム(請求人提出の甲第1号証)
明細書3頁8行ないし10行、同5頁14行ないし8頁12行、同9頁4行ないし10頁4行及び第1図、第2図の記載からみて、
「屋内外側の2枚の障子を上下移動可能に支持する案内溝を有する竪枠を含む上げ下げ窓において、上枠の両端に支持された滑車に掛けられて一端が屋内側の障子を他端が屋外側の障子を吊るためのワイヤを案内溝内に配置し、障子の下端部に取付板を案内溝内に突出して設け、該取付板にねじ棒を螺合し、ワイヤの端部とねじ棒とを、両者の間の軸線回りの相対回動を許容する連結部材を介して連結したワイヤ長さ調節手段を設けてなり、調節を行う際には障子を適当な高さに上昇させ、ねじ棒を下方から直に回動することにより、ワイヤ長さを調整することを特徴とする上げ下げ窓。」が記載されていると認められる。
(2)刊行物2:実願昭60-160983号(実開昭62-69575号)のマイクロフィルム(請求人提出の甲第2号証)
明細書3頁19行ないし4頁4行、同5頁17行ないし6頁6行及び第1図、第4図の記載からみて、
「内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝内に、ワイヤが掛けられる滑車(バランス車)が取り付けられている上げ下げサッシ。」が記載されていると認められる。
(3)刊行物3:特公昭31-3984号公報(請求人提出の甲第7号証)
公報1頁右欄2行ないし12行、同1頁右欄34行ないし2頁左欄5行及び第1図、第7図、第8図の記載からみて、
「索条調整金具Bの摺動子14は、座金12に形成された蟻溝13に沿って摺動自在に嵌着され、摺動子14の側部には索条18が固定され、摺動子14は螺杆16の頭部を回動することにより昇降して索条の長さを調整する昇降窓戸。」が記載されていると認められる。
(4)刊行物4:実公平5-3668号公報(請求人提出の甲第3号証)
公報2欄14行ないし19行、3欄33行ないし41行及び第1図ないし第5図の記載からみて、
「上下框と左右の縦框を框組みしてなる扉本体を形成し、前記縦框に添設された縦枠に内外の上げ下げ戸を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下框に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下框に添設された上下枠により形成した通風扉。」
が記載されていると認められる。

4-3 本件訂正発明1について
(1)本件訂正発明1と刊行物1に記載されたものとを比較すると、刊行物1に記載されたものの「屋内外側」、「案内溝」、「竪枠」、「屋内側の障子」、「屋外側の障子」、「ワイヤ」、「取付板」及び「ワイヤ長さ調節手段」は、それぞれ本件訂正発明1の「内外」、「ガイド溝」、「竪枠」、「内障子」、「外障子」、「吊りロープ」、「吊り部」及び「有効長さ調節部」に相当しているから、両者の一致点及び相違点は以下のとおりと認められる。
(一致点)
内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該調節部は調節ネジを備えたことを特徴とする上げ下げ窓。
(相違点1)
滑車を設けた位置について、本件訂正発明1では、縦枠のガイド溝内としたのに対し、刊行物1に記載されたものでは、上枠の両端としている点。
(相違点2)
本件訂正発明1の吊り部には係止部が形成され、有効長さ調節部は吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているのに対して、刊行物1に記載されたものでは、有効長さ調節部であるねじ棒が障子の下端部に設けられた取付板に螺合して、有効長さが調整されるようになっている点。
(2)そこで、上記相違点を検討する。
(2-1)相違点1について
刊行物2に記載された滑車は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝内に取り付けられるものであり、刊行物1に記載された滑車に換えて刊行物2に記載された滑車を適用して、本件訂正発明1の上記相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到できたことにすぎない。
(2-2)相違点2について
刊行物3に記載された索条調整金具Bは、本件訂正発明1と同じ技術分野である上げ下げ窓に用いられるものであって、ロープの有効長さを調整する手段として用いられるものであり、その座金12は窓戸に固定されていることは明らかである。また、索条調整金具Bの摺動子14には索条(ロープ)が固定され、この摺動子14は螺杆16の頭部の回動によって金具の蟻溝に沿って昇降することにより索条の長さが調整されるのであるから、螺杆の頭部は螺杆の回動によって昇降するものではなく、座金12に対しては回動を許容するものの上下の移動を伴わないように係止されていることは明らかであり、座金12は本件訂正発明1の吊り部に相当し、座金にはネジの頭部が係止される係止部が設けられているといえることから、刊行物3には、「吊り部には係止部が形成され、有効長さ調節部は吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止された」技術的事項が記載されているといえる。
ここで、調節ネジの頭部が係止される係止部は、刊行物3に記載されたものでは、座金の上方に設け、調節ネジの頭部は上方から回動するようになっているが、刊行物3に記載されたものにおいて、当該係止部のみを座金の下方に設けることにより調節ネジの頭部を下方より回動するようにしても摺動体の昇降には何らの不都合もなく、そのようにすることを妨げる事由も見当たらないから、そのように変更することは単なる設計事項にすぎない。
そうすると、刊行物1に記載された「有効長さ調節部」は、障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するものであるから、刊行物1に記載された「有効長さ調節部」に換えて、刊行物3に記載された「有効長さ調節部」を適用し、ネジの頭部の係止部を下方に設けることにより本件訂正発明1の上記相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できた事項にすぎない。
(2-3)したがって、本件訂正発明1は、刊行物1ないし刊行物3に記載されたものから当業者が容易に発明できたものであって、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができない。

4-4 本件訂正発明3について
(1)本件訂正発明3と刊行物1に記載されたものとを比較すると、刊行物1に記載されたものの「屋内外側」、「案内溝」、「竪枠」、「屋内側の障子」、「屋外側の障子」、「ワイヤ」、「取付板」及び「ワイヤ長さ調節手段」は、それぞれ本件訂正発明3の「内外」、「ガイド溝」、「竪枠」、「内障子」、「外障子」、「吊りロープ」、「吊り部」及び「有効長さ調節部」に相当しているから、両者の一致点及び相違点は以下のとおりと認められる。
(一致点)
縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を形成し、前記ガイド溝に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該調節部は調節ネジを備えたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。」
(相違点1)
本件訂正発明3は、障子を支持するガイド溝は、上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に形成されているのに対し、刊行物1に記載されたものでは窓の竪枠である点、
(相違点2)
本件訂正発明3は、内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部は、ドア本体の上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成されているのに対し、刊行物1に記載されたものではそのようになっていない点、
(相違点3)
滑車を設けた位置について、本件訂正発明1では、縦枠のガイド溝内としたのに対し、刊行物1に記載されたものでは、上枠の両端としている点。
(相違点4) 本件訂正発明1の吊り部には係止部が形成され、有効長さ調節部は吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているのに対して、刊行物1に記載されたものでは、有効長さ調節部であるねじ棒が障子の下端部に設けられた取付板に螺合して、有効長さが調整されるようになっている点。
(2)そこで、上記相違点を検討する。
(2-1)相違点1及び2について
上記刊行物4には「4-2」の(4)に記載したように、「上下框と左右の縦框を框組みしてなる扉本体を形成し、前記縦框に添設された縦枠に内外の上げ下げ戸を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下框に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下框に添設された上下枠により形成した通風扉。」が記載されていると認められることから、刊行物1に記載された障子の枠を刊行物4に記載された障子の枠に適用して、本件訂正発明3の上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到できたことにすぎない。
(2-2)相違点3について
刊行物2に記載された滑車は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝内に取り付けられるものであり、刊行物1に記載された滑車に換えて刊行物2に記載された滑車を適用して、本件訂正発明3の上記相違点3に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到できたことにすぎない。
(2-3)相違点4について
刊行物3に記載された索条調整金具Bは、本件訂正発明1と同じ技術分野である上げ下げ窓に用いられるものであって、座金12は窓戸に固定されていることは明らかであり、また、索条調整金具Bはロープの有効長さを調整する手段として用いられるものであり、この索条調整金具Bの摺動子14には索条(ロープ)が固定され、この摺動子14は螺杆16の頭部の回動によって金具の蟻溝に沿って昇降することにより索条の長さが調整されるのであるから、螺杆の頭部は螺杆の回動によって昇降するものではなく、座金12に対しては回動を許容するものの上下の移動を伴わないように係止されていることは明らかである。
そして、刊行物3において、座金12は本件訂正発明1の吊り部に相当し、座金にはネジの頭部が係止される係止部が設けられているといえことから、刊行物3には、「吊り部には係止部が形成され、有効長さ調節部は吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止された」技術的事項が記載されているといえる。
ここで、調節ネジの頭部が係止される係止部は、刊行物3に記載されたものでは、座金の上方に設け、調節ネジの頭部は上方から回動するようになっているが、刊行物3に記載されたものにおいて、当該係止部のみを座金の下方に設けることにより調節ネジの頭部を下方より回動するようにしても摺動体の昇降には何らの不都合もなく、そのようにすることを妨げる事由も見当たらないから、そのように変更することは単なる設計事項にすぎない。
そうすると、刊行物1に記載された「有効長さ調節部」は、障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するものであるから、刊行物1に記載された「有効長さ調節部」に換えて、刊行物3に記載された「有効長さ調節部」を適用し、ネジの頭部の係止部を下方に設けることにより本件訂正発明3の上記相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できた事項にすぎない。
(2-3)したがって、本件訂正発明3は、刊行物1ないし刊行物4に記載されたものから当業者が容易に発明できたものであって、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができない。
4-5 本件発明5について
本件訂正発明5は、本件訂正発明1(又は2)を引用して、「上げ下げ窓をドア本体に設けられた開口に装着してなる」と限定したものである。
しかしながら、当該限定に係る構成は上記刊行物4に記載されており、刊行物1に記載された上げ下げ窓を刊行物4に記載された上げ下げ窓に適用して、本件訂正発明5の上記限定に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到できたことにすぎない。
したがって、本件訂正発明5は、刊行物1ないし刊行物4に記載されたものから当業者が容易に発明できたものであって、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許を受けることができない。

5.まとめ
以上のように、本件訂正発明1、3、5は、いずれも特許法第29条2項の規定に違反してなされたものであって、特許法第123条第1項第2号の規定に該当し、無効とすべきものである。
審判に係る費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
上げ下げ窓及び上げ下げ障子付ドア
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項2】内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する係止部を有してガイド溝には吊りロープ及び滑車を覆うカバーを、前記障子の両側上端部に上記カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたことを特徴とする上げ下げ窓。
【請求項3】上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。
【請求項4】上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する係止部を有しガイド溝には吊りロープ及び滑車を覆うカバーを、前記障子の両側上端部に上記カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。
【請求項5】前記請求項1又は2に記載の上げ下げ窓をドア本体に設けられた開口に装着してなることを特徴とする上げ下げ障子付ドア。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上げ下げ窓及び上げ下げ障子付ドアに関する。
【0002】
【従来の技術】内外の障子を滑車に巻き掛けた吊りロープにより連動させて上下に開閉するようにした上げ下げ窓は、例えば実開昭56-121863号公報、実開昭56-121873号公報等により知られている。これらの公報に記載されている上げ下げ窓は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を備えており、この窓枠の上枠には滑車が設けられ、この滑車に巻き掛けた吊りロープの両端が縦枠のガイド溝内に垂下されている。そして、各障子の側部下端には前記吊りロープの端部が吊り金具を介して固定されている。従って、例えば最下端の閉じ位置にある内障子を上に移動させて開けると、最上端の閉じ位置にある外障子が下に移動して開き、窓枠内の上部と下部が開放されるようになっている。
【0003】ところで、このような上げ下げ窓においては、吊りロープに障子の荷重が常時加わっていることから、吊りロープが緩み(伸び)易く、障子の閉りが不十分になる場合がある。このため、例えば前記実開昭56-121863号公報に記載されている上げ下げ窓においては、窓枠の上枠に調節ネジ及びブラケットを介して滑車を上下方向に移動調節可能に設けることにより、吊りロープの緩みを吸収すべく調節できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述したような上げ下げ窓においては、窓枠の上枠に調節ネジ及びブラケットを介して滑車を上下方向に移動調節可能に設けているため、構造が複雑で製造コストが高くなるばかりでなく、障子の荷重が加わっている滑車を高所にある調節ネジにより上下方向に移動させて吊りロープの調節を行わなければならず、調節に困難を伴うなどの問題があった。
【0005】本発明は、前記問題点を解決すべくなされたもので、構造が簡単で製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる上げ下げ窓および上げ下げ障子付ドアを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る上げ下げ窓は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りローブを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。
【0007】請求項2の発明に係る上げ下げ窓は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する係止部を有してガイド溝には吊りロープ及び滑車を覆うカバーを、前記障子の両側上端部に上記カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたことを特徴とする。
【0008】請求項3の発明に係る上げ下げ障子付ドアは、上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。
【0009】請求項4の発明に係る上げ下げ障子付ドアは、上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する係止部を有しガイド溝には吊りロープ及び滑車を覆うカバーを、前記障子の両側上端部に上記カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項5の発明に係る上げ下げ障子付ドアは、前記請求項1又は2に記載の上げ下げ窓をドア本体に設けられた開口に装着してなることを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を回いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係正部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。
【0012】請求項2の発明によれば、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい、縦枠に滑車を固定したので上枠に滑車が固定されているものに比べて吊りロープの長さが短くできる。滑車がカバーで覆われているため、ホコリが入りにくく、滑車の耐久性が向上する。吊りロープ及び滑車を覆うカバーを外せば、メンテナンスができる。縦枠に吊りロープ及び滑車を配置したので、従来技術である上枠に滑車を固定したものでは吊りロープが上枠と縦枠の両方にかかることにより枠組みがしにくいのに対して、本願発明では枠組みがしやすい。障子の両側上端部には、カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたので、縦枠のガイド溝内に吊りロープ及び滑車を配置したにもかかわらず、障子の上端部が滑車固定位置を円滑に通過できる。
【0013】請求項3〜請求項5の発明によれば、上げ下げ障子付ドアが構成されるため、ドアでありながら通気や換気を取ることが可能となり、例えば勝手口のドア等として有効に利用することができる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0015】図1〜図3において、1は上げ下げ障子付ドアのドア本体で、このドア本体1は左右の縦框1a,1aと、上桟1b及び下桟1cを方形に框組みすることにより構成されている。このドア本体1の縦框1a,1aと、上桟1b及び下桟1cにより区画された開口2には上げ下げ窓3の窓枠4が装着されており、この窓枠4は内外の障子5,6を上下移動可能に支持するガイド溝7a,7bを有する両側の縦枠4a,4aと、上枠4b及び下枠4cを方形に組むことにより構成されている。なお、前記上下桟1b,1cには、前記内外の障子5,6の全閉時にその上下端を規制する上下枠部が直接又は間接的に形成されている。すなわち、窓枠3の上枠4bは上枠部としてドア本体1の上桟1bに直接的(一体)に形成され、窓枠3の下枠4cは下枠部としてドア本体1の下桟1cに間接的(別体)に形成されている。また、図2において、8はドア本体1の一側部に設けられたヒンジ、9はドア本体1の他側部に設けられたハンドル、10はドア本体1の開口2の外側に取付けられた網戸である。
【0016】内障子5は両側の縦框5a,5aと、上桟5b及び下桟5cを方形に組んでガラス5dを装着することにより構成され、外障子6も同様に両側の縦框6a,6aと、上桟6b及び下桟6cを方形に組んでガラス6dを装着することにより構成されている。前記上げ下げ窓3は、内障子5を窓枠4の最下端位置に、外障子6を窓枠4の最上端位置にそれぞれ位置させることにより閉状態となるように構成され、内障子5の上桟5bにはこの内障子5を上下に移動操作するための取っ手5eが設けられている。
【0017】また、前記上げ下げ窓3は、内障子5と外障子6を窓枠4の上下方向略中間位置に重なり合うように位置させることにより開状態となるように構成され、縦枠4aのガイド溝7a,7b内には図9の(a)に示すように内障子5と外障子6を開状態に位置決めするためのストッパー11a,11bが設けられている。なお、図9の(a)において、haは内障子5の高さ寸法、saは内障子5のストッパー11aまでの開閉ストローク、hbは外障子6の高さ寸法、sbは外障子6のストッパー11bまでの開閉ストロークである。
【0018】そして、縦枠4aのガイド溝7a,7b内の長手方向略中間位置の奥部には両ガイド溝7a,7b間の仕切壁7cに切欠部7dを設けることにより滑車12が仕切壁7cと干渉しない状態で取付けられ(図10参照)、この滑車12には一端が内障子5を吊るべく一方のガイド溝7aに位置し、他端が外障子6を吊るべく他方のガイド溝7bに位置するように吊りロープ13が巻き掛けられている。また、図9の(a)、(b)に示すように内障子5のガイド溝7a内には閉位置の内障子5の上端よりも若干下方から上方のストッパー11aに亘って滑車12を覆う断面略L字状のカバー14aが取付けられ、外障子6のガイド溝7b内には閉位置の外障子6の下端よりも若干上方からガイド溝7bの上端部に亘って滑車12を覆う断面略L字状のカバー14bが取付けられており、これらのカバー14a,14bによって両ガイド溝7a,7bの一部が浅い溝7e,7fになっている。
【0019】図4に示すように内障子5及び外障子6の両側下端部にはガイド溝7a,7b内を摺動する摺動部である合成樹脂製のガイドピース15,16が突設され、外障子6のガイドピース16には吊りロープ13の一端が係止され、内障子5のガイドピース15には吊りロープ13の他端が係止されている。この場合、外障子6のガイドピース16は、図5、図7ないし図8に示すように外障子6の側部下端よりガイド溝7bと略同じ幅及びガイド溝7bの奥部に届く長さで水平に延出される水平部16aと、この水平部16aより起立して外障子6の側部に当接される平断面U字状の垂直部16bとを一体的に有し、その垂直部16bが外障子6の縦椎6aと下桟6cを結合する結合部材であるビスないしネジ17を利用して外障子6の側部に固定されている。また、前記吊りロープ13の外障子側の端部には鍔状の係止部材18が固定され、外障子6のガイドピース16の水平部16aには吊りロープ13を挿通させるスリット16cが形成されされると共にこのスリット16cの下端に係止部材18を嵌合させて係止するための凹状の係止部16dが形成されている。
【0020】一方、内障子5のガイドピース15は、図6に示すように前記外障子6のガイドピース16と同様に水平部15a及び垂直部15bを一体的に有しその水平部15bにはスリット15c及び係止部15dが形成されているが、これら以外に吊りロープ13の内障子側の端部を上下に変位させて吊りロープ13の長さを調節するための調節部19が設けられている。この場合、調節部19は、前記吊りロープ13の端部に連結されると共にガイドピース15の垂直部15bの内側に回転しない状態で上下に摺動可能に収容される摺動体20と、この摺動体20の下端部に螺合された調節ネジ21とから主に構成されており、この調節ネジ21の頭部21aが前記係止部15dに係止されている。
【0021】なお、内障子5及び外障子6の両側上端部にはガイド溝7a,7b内にカバー14a,14bによって形成された浅い溝7e,7f内を摺動する合成樹脂製のガイドピース22,23が突設されている(図4参照)。また、図10ないし図11において、24は滑車12を取付けるための補強用として縦枠4aの外側部に取付けられた裏板であり、この裏板24には上げ下げ窓3の窓枠4のガタツキを防止するためにドア本体1の縦框1aの内側部に形成した係合穴25と係合する係合爪26が一体形成されている。
【0022】以上のように構成された上げ下げ障子付ドアによれば、ドア本体1の開口2に上げ下げ窓3が装着された構成になっているので、ドアでありながら通気や換気を取ることができ、例えば勝手口のドアとして有効に利用することができる。そして、その上げ下げ窓3においては、内障子5及び外障子6の両側下端部にガイド溝7a,7b内を摺動するように突設された摺動部であるガイドピース15,16に、吊りロープ13の端部を係止するための係止部15d,16dを設け、内障子5のガイドピース15に前記係止部15dに係止される吊りロープ13の端部を上下に変位させて吊りロープ13の長さを調節するための調節部19を設けているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープ13を調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープ13の調節を極めて容易に行うことができる。すなわち、吊りロープ13の調節を行う場合、内障子5を上げて調節ネジ21を回せば良く、窓枠4の上枠4bの位置とは異なり低い位置で調節作業を行うことができるので、調節が容易であり、しかも、外障子6がストッパー11bに当接して支持された状態で調節ネジ21を回せば調節ネジ21には吊りロープ13を介して外障子6の荷重が掛からないので、調節が極めて容易にできる。
【0023】また、前記ガイドピース15,16が吊りロープ13の端部を固定するための吊り部を兼ねており、しかも、障子5,6の縦権5a,6aと下桟5c,6cを結合するネジ17を利用してガイドピース15,16が取付けられているため、部品点数の削減により更に構造の簡素化が図れる。また、滑車12が縦枠4aのガイド溝7a,7b内における長手方向略中間位置に設置されているので、滑車が窓枠の上枠に設置されている従来の上げ下げ窓に比して、吊りロープ13の長さを短縮することができ、その分製造コストの低減が図れる。更に、ガイド溝7a,7b内には滑車12を覆うカバー14a,14bが取付けられ、滑車12が露出していないので、外観の向上が図れると共に滑車12や吊りロープ13へのほこりの付着を防止することができ、耐久性の向上が図れる。
【0024】なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例の上げ下げ窓3は内障子5を窓枠4内の最下端に、外障子6を窓枠4内の最上端にそれぞれ位置させて閉状態となるように構成されているが、これとは逆に内障子5を窓枠4内の最上端に、外障子6を窓枠4内の最下端にそれぞれ位置させて閉状態となるように構成しても良い。また、実施例では内障子5のガイドピース15に調節部19が設けられているが、外障子6のガイドピース16に調節部19を設けても良く、或いは内障子5及び外障子6の双方のガイドピース15,16に調節部19を設けても勿論構わない。
【0025】更に、ガイドピースとしては、外障子6のガイドピース16のように必ずしも調節部19を備えていなくてもよい。また、実施例の摺動部であるガイドピース15,16は吊りロープ13の端部を係止する吊り部を兼ねているが、吊り部とガイドピースは別体に構成してもよい。
【0026】実施例では上げ下げ障子付ドアについて説明されているが、そのドア本体aの開口2に装着された上げ下げ窓3と略同一構成の上げ下げ窓は通常の上げ下げ窓と同様に建物の壁の開口に据付けることができる。
【0027】実施例の上げ下げ障子付ドアにおいては、ドア本体1の上下桟1b,1c及び左右の縦框1a,1aに上げ下げ窓3の窓枠4が一辺(上桟4b)を除いて連続(連接)する部材として別体(間接的)に設けられているが、一体(直接的)に形成されていてもよく、或いは4辺が一体又は別体の組合せからなっていてもよい。例えば、窓枠4の縦枠4aが縦枠部としてドア本体1の縦框1aに一体に形成され、この縦框1aにガイド溝7a,7bが直接形成されているようになっていてもよく、或いは窓枠4の下枠4cが下枠部としてドア本体1の下桟1cに一体に形成されていてもよい。また、前記上げ下げ障子付ドアのドア本体1は、上下桟1b,1c及び左右の縦権1a,1aを框組みしてなる框ドアからなっているが、框を有しないフラッシュドアからなっていてもよい。この場合、ドア本体1に開口2を設け、この開口2に上げ下げ窓3を装着すればよい。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0029】(1)請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造マストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。
【0030】(2)請求項2の発明によれば、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい、縦枠に滑車を固定したので上枠に滑車が固定されているものに比べて吊りロープの長さが短くできる。滑車がカバーで覆われているため、ホコリが入りにくく、滑車の耐久性が向上する。吊りロープ及び滑車を覆うカバーを外せば、メンテナンスができる。縦枠に吊りロープ及び滑車を配置したので、従来技術である上枠に滑車を固定したものでは吊りロープが上枠と縦枠の両方にかかることにより枠組みがしにくいのに対して、本願発明では枠組みがしやすい。障子の両側上端部には、カバーによって形成された浅い溝内を摺動するガイドピースを備えたので、縦枠のガイド溝内に吊りロープ及び滑車を配置したにもかかわらず、障子の上端部が滑車固定位置を円滑に通過できる。
【0031】(3)請求項3〜請求項5の発明によれば、上げ下げ障子付ドアが構成されるため、ドアでありながら通気や換気を取ることができ、例えば勝手口のドア等として有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す上げ下げ障子付ドアの正面図である。
【図2】図1のA-A線拡大断面図である。
【図3】図1のB-B線拡大断面図である。
【図4】上げ下げ窓の概略的分解正面図である。
【図5】外障子に取付けられるガイドピースの斜視図である。
【図6】内障子に取付けられるガイドピースの斜視図である。
【図7】ガイドピースの取付け状態を示す図である。
【図8】図7のC-C線断面図である。
【図9】上げ下げ窓の縦枠を示す図で、(a)は内側面図、(b)は(a)のD-D線拡大断面図である。
【図10】上げ下げ窓の縦枠に取付けられた滑車部分を示す一部切欠正面図である。
【図11】上げ下げ窓の縦枠をドア本体の縦框に装着する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ドア本体
2 開口
3 上げ下げ窓
4 窓枠
4a 縦枠
5 内障子
6 外障子
7a,7b ガイド溝
12 滑車
13 吊りロープ
15,16 ガイドピース(摺動部)
15d,16d 係止部
17 ネジ(結合部材)
19 調節部
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1を、
「【請求項1】内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ窓。」
と訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項3を、
「【請求項3】上下桟と左右の縦框を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする上げ下げ障子付ドア。」
と訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0006を、
「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る上げ下げ窓は、内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を有する両側の縦枠を含む窓枠を形成し、前記縦枠のガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。」
と訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0008を、
「請求項3の発明に係る上げ下げ障子付ドアは、上下桟と左右の縦横を框組みしてなるドア本体を形成し、前記縦框又は縦框に添設された縦枠に内外の障子を上下移動可能に支持するガイド溝を形成すると共に、前記上下桟に前記内外の障子の全閉時にその上下端を規制する上下枠部を上下桟自体又は上下桟に添設された上下枠により形成し、前記ガイド溝内に滑車を設けると共に、この滑車に巻き掛けられて一端が内障子を且つ他端が外障子を吊るための吊りロープを前記ガイド溝内に配置し、前記障子の両側下端部に前記吊りロープの端部を係止する吊り部を前記ガイド溝内へ突設し、少なくとも一方の障子の吊り部に障子開放時に前記吊りロープの端部を下方から直に調節することによって上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されたことを特徴とする。」
と訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0011を、
「【作用】請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。」
と訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の明りょうでない記載の釈明を目的として、明細書の段落番号0029を、
「(1)請求項1の発明によれば、障子の両側下端部に突設された吊り部に、吊りロープの端部を係止し、少なくとも一方の障子の吊り部に前記吊りロープの端部を上下に変位させて吊りロープの有効長さを調節するための有効長さ調節部を設けてなり、該吊り部には係止部が形成され、該調節部には吊りロープに連結された摺動体と摺動体に螺合された頭部が下方を向いた調節ネジを備え、調節ネジの頭部が前記係止部に係止されているので、窓枠の上枠に取付けた滑車を上下に移動させて吊りロープの調節を行う従来の上げ下げ窓に比して吊りロープを調節するための構造が簡素化され、製造コストの低減が図れると共に、吊りロープの調節を極めて容易に行うことができる。また、上記調節部を障子開放時に下方から直に調節できるようにしてあるので、下方から障子を外すことなく調節できる。また、吊りロープ及び滑車を前記ガイド溝内に位置するように配置したので意匠がよい。」
と訂正する。
審理終結日 2001-10-03 
結審通知日 2001-10-09 
審決日 2001-10-23 
出願番号 特願平5-294175
審決分類 P 1 122・ 121- ZA (E05F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 木原 裕  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 鈴木 公子
中田 誠
登録日 1998-12-04 
登録番号 特許第2859110号(P2859110)
発明の名称 上げ下げ窓及び上げ下げ障子付ドア  
代理人 後藤田 章  
代理人 根本 恵司  
代理人 後藤田 章  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ