• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する A61M
管理番号 1054239
審判番号 訂正2001-39139  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1989-12-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-08-27 
確定日 2001-12-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第1930016号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第1930016号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 1.訂正の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第1930016号発明(昭和63年6月28日特許出願、平成7年5月12日設定登録)の明細書及び図面を審判請求書に添付した訂正明細書及び図面のとおり、すなわち、下記(a)乃至(c)のとおり訂正することを求めるものである。

(a)特許第1930016号発明の明細書(平成6年1月31日付け手続補正書により補正された明細書。以下、「特許明細書」という。)の特許請求の範囲につき、「1.白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には少なくとも2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。」を、
「1.白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。」と訂正する。

(b)特許明細書第3頁第28行乃至第4頁第4行記載の「すなわち本発明は、白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には少なくとも2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記血液成分分離用バッグに分取する方法である。」を、
「すなわち本発明は、白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用ばっぎに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法である。」と訂正する。

(c)特許明細書第4頁第27行記載の「全血を濃厚赤血球、血漿等に」を、
「全血を濃厚赤血球、血漿に」と訂正する。

2.当審の判断
(1)訂正の目的の適否について
上記訂正事項について検討すると、上記訂正事項(a)のうち、「・・・遠心分離を行い比重差により分離された・・・」を「・・・遠心分離を行い、比重差により分離された・・・」と訂正したこと(以下、「訂正事項(a1)」という。)は、句読点を付して文章を明確にしたものにすぎないから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項(a)のうち、上記事項(a1)以外について、
「少なくとも2つ」を「第1及び第2の」と(以下、「訂正事項(a2)」という。)、
「血小板を除去した後に、」を「血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、」と(以下、「訂正事項(a3)」という。)、
「遠心分離を行い」を「白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い」と(以下、「訂正事項(a4)」という。)、
「分離された血液成分」を「分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤」と(以下、「訂正事項(a5)」という。)、
それぞれ訂正し、それぞれ請求項1に係る発明の構成を技術的に限定するものであるから、特許請求の範囲の限縮を目的とするものである。
上記訂正事項(b)は、特許請求の範囲に係る訂正事項(a)に対応してなされた特許明細書中の訂正であるので、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項(c)は、「等」を削除するものであるが、特許明細書の「血液は白血球血小板除去フィルター2を通過する事により白血球、及び血小板を除去されるので、第1の血液成分分離用バッグに送られた血液に含まれるのは赤血球および血漿である。」(第5頁第11乃至13行)及び「この後上清を第2の血液成分分離用バッグ4に移し、前述した様にして血液成分分利用バッグ3、4を切り離せば第1のバッグ3に白血球除去濃厚赤血球、第2のバッグ4に血漿がそれぞれ無菌的に得られる。」(第5頁第19乃至21行)等の記載からみて、「全血」は「濃厚赤血球」と「血漿」に分離されるものと判断できるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
上記訂正事項(a)のうち、(a1)は単に句読点を付したのみであり、また上記訂正事項(c)は、単に「等」なる語を削除するのみであるから、いずれの訂正も、新規事項の追加にはあたらない。
さらに、上記訂正事項(a2)は、特許明細書第4頁第13行、同第21行、同第5頁第2行、同第6頁第8行に、
上記訂正事項(a3)は、特許明細書第5頁第10行、第11乃至13行に、
上記訂正事項(a4)は、特許明細書第5頁第13乃至16行に、
上記訂正事項(a5)は、特許明細書第5頁第16乃至21行、同第6頁第21、22行に、
それぞれ記載されているので、いずれの訂正事項も新規事項の追加にはあたらない。
さらに、上記訂正事項(b)は、特許請求の範囲に係る上記訂正事項(a)に対応してなされた特許明細書中の訂正であるので、新規事項の追加にはあたらない。

そして、上記訂正事項(a)乃至(c)は、本件に係る発明の課題に変更を及ぼすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)次に独立特許要件について検討する。
(3-1)本件特許発明
本件特許発明は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。
「白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。」

(3-2)本件特許発明の無効審判請求に係る審決において引用した甲第2号証乃至甲第6号証記載の発明(なお、甲第1号証(特公平6-59305号公報)は、本件特許公報であるので、以下の判断では省略する。)

甲第2号証(Vox Sanguinis Vol.27,p.21-28 (1974年))には、「乏白血球CPD添加血液」に関し以下の事項が記載されている。
「臓器移植を予定している患者及び輸血性発熱反応を伴う頻回輸血患者のための乏白血球血液の要求の高まりが、輸血用血液提供事業者に HL-Aに覆われた白血球と血小板を除去するための簡便且つ経済的な方法の開発を強く迫っている。」(第21頁本文第1〜4行、請求人の翻訳による(以下同じ)。)
「ナイロン繊維フィルターが開発され、また、最近は木綿繊維フィルターを用いて新鮮血液を濾過すると、かなりの数の白血球が捕捉できることが提唱され始めた。」(第21頁本文第14〜16行)
「この方法で製造される乏白血球血液にはいくつか欠点がある:このフィルターを通過してしまう白血球の絶対数は、400mlの血液1単位当たりおよそ 5×108個である・・・;これらの白血球のうちの 95%は免疫学的に能力のあるリンパ球である;しかもへパリン抗凝固剤は製剤の保存期限を48時間に制限する。」(第22頁第2〜7行)
「濾液中の白血球含有量を減少させ且つ乏白血球濃厚赤血球の保存期限を延長させる観点から、我々は標準的なCPD 添加プラスチックバッグ中に採取された血液を製造することを試みた。」(第22頁第8〜10行)
「現在、我々が日常実施しているのはへパリン添加新鮮血・・・から乏白血球濃厚赤血球をする方法である。血液がまだ温かいうち(採血後10分以内)にへパリンを添加した採血液400mlを市販のナイロン繊維フィルターで濾過しプラスチックの移送バッグに移した。血液は機械的な加圧や加温の必要なしに 10‐15 分以内にフィルターから流出した。その後、移送バッグはシールされ、Halterman等の手順(1500gで3分)に従って標準的な低温遠心分離機を用いて遠心分離した。遠心分離の後、上清の血漿とバフィーコートと赤血球沈降層の最初の30mlはもう一つの移送バッグ中に絞り出された。残った乏白血球濃厚液が密封されて輸血用とされた。」(第22頁「材料と方法」の項第1〜11行)
「基本的に同じ方法を用いてへパリンを添加せずに標準的なCPD添加プラスチックバッグに採取した新鮮血から乏白血球濃厚赤血球を製造した。」(第22頁「材料と方法」の項第12〜14行)
「さらに4°Cで2乃至7 日間保存されていた普通のCPD添加保存血を37°Cの温浴で徐々に撹拌しながら3〜4時間あたため、次いで前記フィルターを通過させて上記のように製造した。」(第22頁「材料と方法」の項第14〜16行)
「乏白血球新鮮へパリン化新鮮血・・・元の赤血球の 75%以上が回収され、白血球は3%以下(4‐9×l07個)で、これらの細胞のうち、90‐95%はリンパ球であった。」(第23頁第2〜6行)
「赤血球の損失と白血球の除去はへパリン添加血液と同等かそれ以上のようであった。・・・遠心と濾過による血小板数の減少は・・・単位当たり元の血液の94.5%の血小板が取り除かれたものに等しい。」(第23頁第7〜21行)
「乏白血球CPD添加保存血 濾過及ぴ遠心された新鮮なCPD添加血液の場合の赤血球の損失は25%以下であった。4°Cで2日間乃至7日間保存された血液の残存白血球数は・・・新鮮CPD添加血液の場合より幾分多めであるが、ヘパリン添加血液と同等だった。」(第23頁第22〜27行)
「無菌性試験 新鮮なうちに製造された乏白血球CPD添加の2単位と7日間保存後濾過し遠心分離処理された6単位とについて、保存期間が終了する21日目に細菌汚染の試験を行った。いずれの培地も細菌の繁殖の兆候を示さなかった。」(第25頁第11〜15行)
「新鮮なCPD 添加血液を濾過し短い遠心分離にかけた後に血漿とバフィーコートを取り除く方法は、その他のより複雑な脱白血球方法による結果に比較してよりよい製剤を提供できる。」(第26頁第16〜19行)
「血小板も本法で効果的に除去できる。」(第26頁第19行)
「本方法の操作はどこの血液銀行の技術者でも市販の器具を用いて実施可能であり、血液が既に採取されていれば30分以内で行える。」(第26頁第19〜22行)
「フィルターと移送パックとを接続する際に最小の汚染の可能性があるのみであり、殆ど閉じた系で行えるという利点を有する。予備的な無菌性試験の結果では、乏白血球CPD添加血液は21日の保存期間後も無菌性が維持されていた。」(第26頁第22〜25行)
「新鮮なCPD添加血液のpHは7.2であり、保存中に血液が酸性側に傾く速度はゆっくりである。このpHではリンパ球と顆粒球が同程度に良く取り除かれるようである:しかしながら、白血球のナイロン繊維カラムへの吸着性に影響する他の未知の因子があるに違いない。」(第27頁第5〜9行)

甲第3号証(特開昭60-193468号公報)には、「白血球除去フィルター」に関し以下の事項が記載されている。
「白血球および血小板等が捕捉され、赤血球および血漿が通過し、」(第4頁右上欄第12〜13行)
「第5図は、本発明の白血球除去フィルターによるフィルター装置の一使用態様を示すものである。人体から採集された血液は、採血バッグ16から落差圧により、回路17を通り、本発明の白血球除去フィルターによるフィルター装置18に供給される。」(第4頁右下欄第1〜6行)

甲第4号証(米国特許第4596657号明細書)には、「フィルター機能を統合した血液バッグ系」に関し、以下の事項が記載されている。
「採血針(22)及び柔軟チューブ(20)を通じて血液を採取する採血バッグ(12)の下流側に少なくとも2つのバッグ(14,16)を接続し、採血バッグ(12)と一方のバッグ(16)との間に白血球除去フィルター(26)を組み込んだ血液成分分離装置」(第2欄第59行〜第3欄第14行、請求人の翻訳による。)
「1つの閉じた多連バッグ系」(第1欄第56〜59行、請求人の翻訳による。)

甲第5号証(特公平1-30582号公報)には、「無菌ドッキング方法及び装置」に関し、以下の事項が記載されている。
「最近使用されている唯一に真に無菌の輸送システムは容器をチューブと予め接続し次いで全組立体を減菌することを含む。これは非柔軟性であり且つ費用がかかる。」(第5欄第31〜34行)

甲第6号証(特開昭55-141247号公報)には、「血液分離のための方法および装置」に関し、以下の事項が記載されている。
「血液成分の採集、分離、貯蔵のための多くの各種方法および装置が知られている。現在最もよく使用されている方法としては、周知の”フエンウオル(Fenwal)”タイプのクローズド化された減菌の血液嚢システムが利用されている。・・・・(しかし、この場合システムはその時完全にクローズド化されていないので汚染危険のおそれがある。)」(第2頁右下欄第10行〜第3頁左上欄第17行)
「したがって、本発明に係る血液嚢システムは、頂部および底部の両方に流出口を有する血液採集嚢からなり、この流出口は遮断されうる導管を介して少なくとも1つの付加血液嚢に接続されている。血液穿刺採血/血液貯蔵に適するクローズド化血液嚢システムは、1つの採集嚢と2つのおそらく相互に連結された移送嚢とからなる。各嚢は好ましくは”環”状に連結され、すなわち採集嚢の上部および下部の各流出口は移送嚢に連結され、2つの移送嚢は相互に連結される。」(第4頁左上欄第6〜16行)

(3-3)対比
そこで、本件特許発明と甲第2号証に記載された発明とを比較すると、甲第2号証に記載された「標準的なCPD添加プラスチックバッグ」は、本件特許発明の「採血バッグ」に相当する。さらに、甲第2号証に記載された「移送バッグ」と「もう一つの移送バッグ」は、本件特許発明の「第1の血液成分分離用バッグ」、「第2の血液成分分離用バッグ」に一応対応する。
また、甲第2号証には「ヘパリンを添加した採血液400mlを市販のナイロン繊維フィルターで濾過し、プラスチックの移送バッグに移した」と記載されていることから、「フィルターの上流側に採血バッグが接続され該フィルターの下流側には第1及び第2の血液成分分離用バッグが接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて」いることが記載されている。
さらに、甲第2号証には「当該移送バッグを密封し、HALTERMAN等の操作基準(1,500Gで3分間)に従って、標準的な低温遠心分離器を用いて遠心分離を行う。遠心後に、上澄の血漿、バフィーコート、及び赤血球沈降層の初流30mlを他の移送バッグに移す」と記載されていることから、「採血バッグに採取された血液をフィルターに通して予め白血球を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記血液成分分離用バッグに分取」することが記載されている。

してみると、両者は
「フィルターの上流側に採血バッグが接続され該フィルターの下流側には第1及び第2の血液成分分離用バッグが接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記フィルターに通して予め白血球を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記第1及び第2の血液成分分離用バッグに分取する方法。」である点で一致するが、少なくとも下記の点で相違する。

(a)本件特許発明によって分取されるのは、「血液製剤」としての、「白血球血小板除去濃厚赤血球」と「白血球血小板除去血漿」であるのに対し、甲第2号証に記載された発明では、「上清の血漿とバフィーコートと赤血球沈降層の最初の30ml」と「乏白血球濃厚赤血球」が分取されるものの、「上清の血漿とバフィーコートと赤血球沈降層の最初の30ml」を「血液製剤」として用いることについて開示がなされていない点、
(b)「フィルター」に関し、本件特許発明では「白血球血小板除去フィルター」であり、「フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去」しているのに対し、甲第2号証に記載された発明では「白血球除去」については記載されているものの「血小板除去」については特に限定されていない点、
(c)各バッグとフィルターの接続に関し、本件特許発明では「無菌的に接続」されているのに対し、甲第2号証に記載された発明では、特に限定されていない点。

(3-4)判断
上記相違点について検討する。
・相違点(a)について
甲第3号証には、「白血球除去フィルター」において「白血球および血小板等が捕捉され、赤血球および血漿が通過」することが公知となっていることから、甲第2号証に記載された発明において甲第3号証に記載された「白血球除去フィルター」を採用すれば、遠心分離を行う前のものとして、本件特許発明同様に「白血球血小板除去赤血球」及び「白血球血小板除去血漿」の混合液が得られることは、当業者であれば容易に想到しうることである。
しかしながら、そもそも「白血球血小板除去血漿」を「血液製剤」として分取する構成、「白血球および血小板を除去した血漿」を得るという本件特許発明の課題について、いずれの刊行物にも記載されていないので、たとえ、甲2号証に記載された発明に、甲第3号証に記載された「白血球除去フィルター」を採用し、さらに甲第4乃至6号証に記載された事項を加味したとしても、本願発明のような「白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法」を想到することは、当業者といえども容易であると判断するに足る理由がない。しかもこの構成によって、「全血から・・・白血球および血小板を除去した濃厚赤血球、血漿を簡単な操作で得る」とともに、「白血球、血小板を除去した血液製剤が得られる」との、明細書記載の効果が生じるものである。
したがって、相違点(b)その他の相違点を検討するまでもなく、本件特許発明は、甲第2号証乃至甲第6号証に記載された発明から、当業者が容易になし得たこととすることができない。

したがって、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とすることはできない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、平成6年法改正前の特許法第126条第1項ただし書に掲げる事項を目的とし、かつ同条第2項及び第3項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
血液成分分離方法
(57)【特許請求の範囲】
1.白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、血液をその成分毎に分離する為に用いるバッグと白血球血小板除去フィルターとより成る分離方法に関する。
更に詳細に述べると、採血に用いられる抗凝固剤入りの採血バッグ、血漿、赤血球は通過させるが白血球、血小板は通過させない白血球血小板除去フィルターおよび少なくとも2つの血液成分分離用バッグを流路を介して組み合わせる事により、無菌的に白血球除去濃厚赤血球、血漿の2種類の血液成分を同時に分離しようとする方法に関するものである。
(従来技術)
近年、医学、特に免疫学の進歩により、血液をその成分毎に分離し、治療の目的に適した血液成分のみを輸血する、いわゆる成分輸血が普及して来た。しかしながら成分輸血の際、輸血用の血液成分中に混入して来る白血球は患者にとっては他人の白血球であり、赤血球のABO型を合わせたとしても白血球の血液型は種類が多く、白血球の型を完全に一致させて輸血する事は困難である。その為輸血された白血球の表面に存在する抗原(血小板表面にも存在する)に対し、患者の体内には抗体が産生され、繰り返し輸血された患者の場合、患者体内の抗白血球抗体と輸血血液中の白血球、血小板とが抗原抗体反応を起こし、発熱、蕁麻疹等の輸血副作用を起こす事が多い。この為、輸血用血液成分中に含まれる白血球および血小板を除去する目的に使用される白血球血小板除去フィルターが近年開発されて来ている。これらの白血球血小板除去フィルターは全血または成分毎に分離された血液成分中の白血球、血小板を効率良く除去する事ができるので、輸血を受ける患者にとっては副作用が抑えられ、非常に喜ばれている。
(発明が解決しようとする問題点)
しかしながら、これらの白血球血小板除去フィルターは血液バッグに接続する際、完全に無菌状態で接続する事が不可能である為、白血球血小板を除去した血液製剤は製造後24時間以内に使用する事が義務付けられている。白血球、血小板を除去していない血液製剤は、これよりもずっと長い期間保存する事ができるので、無菌的に白血球、血小板を除去する方法があれば非常に有用である事は言うまでも無い。これを解決しようとする試みが米国特許第4596657号であるが、この方法は、採血バッグに少なくとも2つのバッグを接続し、採血バッグと一方のバッグとの問に白血球除去フィルターを組み込んだものであり、使用方法は、先ず採血バッグ中の全血を遠心分離し、その後、血小板を含む血漿は白血球除去フィルターが接続されていないバッグに移され、濃厚赤血球が白血球除去フィルターを通してもう一方のバッグに移される。この発明によれば白血球除去濃厚赤血球と白血球、血小板を含む血漿が得られる事になる。すなわち、濃厚赤血球中に含まれる白血球は除去できるが、血漿中に混入する血小板および白血球は除去できず、更には、白血球除去フィルターが血液バッグと一緒に遠心分離機により遠心される為白血球除去フィルターの容器やバッグの破損があり、安心して使え無い為広く一般に普及するには至っていない。
本発明者らは上記した様な従来技術の欠点を解決し、遠心分離繰作を行なう際には、白血球血小板除去フィルターを取り外す事ができ(すなわち、フィルター容器やバッグの破損の心配が無く)、白血球および血小板を除去した濃厚赤血球、白血球および血小板を除去した血漿の2つの血液成分を無菌的に分離できる方法を提供する事を目的に鋭意研究した結果、本発明を成すに至った。
(問題点を解決する為の手投)
すなわち本発明は、白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法である。
本発明で言う採血バッグとは、採血針を備える採血チューブを連結し、内部にはACD(アシッドサイトレートデキストローズ)、CPD(サイトレート・フォスフェート・デキストローズ)等の抗凝固剤を封入したバッグであり、一般の採血に使用する採血バッグを使用する事ができる。
白血球血小板除去フィルターとは、血液中の白血球および血小板は捕捉するが他の血液成分すなわち血漿、赤血球は捕捉しないフィルターであり、繊維状物質、多孔性物質、粒子状物質等を充填したフィルターを用いる事ができる。フィルター素材としては親水性材料、疎水性材料いずれも使用する事ができる。フィルター素材の形態としては、繊維状のものが白血球および血小板の捕捉効率が良く推奨できる。繊維状物質の形態としては、織布状、不織布状、綿状いずれも使用できるが、血液の通液性の観点から不織布状のものが特に好ましい結果を与える。
上記白血球血小板除去フィルターは、例えば繊維状物質の集合体である不織布をフィルターの主要材料として容器に充填して用いるが、白血球および血小板の捕捉効率をより良くする為に不織布表面を白血球、血小板捕捉性高分子でコーティングする事もできる。繊維の直径は、0.3μmから20μm程度の物が用いられ、繊維の素材としては、合成繊維、再生セルロースの様な半合成繊維、綿の様な天然繊維、無機繊維等が用いられる。中でも合成繊維、例えばポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル等の繊維が好ましく用いられる。また、コート材としては、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートとヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの共重合体の様に塩基性含窒素官能基を有する高分子材料を用いる事ができる。
血液成分分離用バッグとは、全血を濃厚赤血球、血漿に分離する為に用いられる液密性のバッグであり、一般に用いられている血液成分分離用バッグを用いる事ができる。
以下、図面を用いて本発明血液成分分離方法を更に具体的に説明する。
第1図は、本発明の基本構成を示す模式図であり、第2図は第1図の方法に白血球血小板除去フィルターに滞留する血液を回収する為の生理的溶液入りバッグを配したものであり、第3図は第1図の方法に赤血球保護液としての赤血球保存液入りバッグを配したものであり、第4図は、第2図と第3図を組み合わせたものである。
第1図において、供血者から採血された血液は採血バッグ1に導入され、採血バッグ内に存在する抗凝固剤と混合され、血液が凝固するのを防止される。採血された血液は白血球血小板除去フィルター2に重力により、または、採血バッグを押える等の方法により送られ、白血球血小板除去フィルター2を通過した血液は第1の血液成分分離用バッグ3に送られる。血液は白血球血小板除去フィルター2を通過する事により白血球、及び血小板を除去されるので、第1の血液成分分離用バッグに送られた血液に含まれるのは赤血球および血漿である。この後、白血球血小板除去フィルター2と第1の血液成分分離用バッグ3との間のチューブをアルミリングで圧着、あるいはヒートシーラーで熱融着した後切り離し、血液成分分離用バッグ3、4だけを遠心分離装置にかけ、遠心する。この操作により第1の血液成分分離用バッグ3中の血液は層分離し、上清に血漿、沈渣に白血球除去濃厚赤血球が得られる。
この後上清を第2の血液成分分離用バッグ4に移し、前述した繰作の様にして血液成分分離用バッグ3、4を切り離せば第1のバッグ3に白血球除去濃厚赤血球、第2のバッグ4に血漿がそれぞれ無菌的に得られる(説明中、血液成分を1つのバッグから別のバッグへ移す際等のチューブのクランプ操作は省略した。以下同じ)。遠心分離操作の際には血液成分分離用バッグ3、4のみを遠心すれば良いので、白血球血小板除去フィルター2の容器が破損したり血液成分分離用バッグ3、4が白血球血小板除去フィルター2の容器に押し潰されて破れる様な事が無く、安全である。第2図は第1図に生理的溶液入れのバッグ5を取り付けたものであるが、生理的溶液は、血液を採血バッグ1から白血球血小板除去フィルター2に流し終えた後、白血球血小板除去フィルター2に送られ、白血球血小板除去フィルター2の中に少量残存する血液を第1の血液成分分離用バッグ3に回収する為に用いられる。この操作により、赤血球、血漿の回収率が高くなる。生理的溶液は生理食塩水、リンゲル液等血液成分に対してダメージを与え難く、生体にとって安全なものであれば全て使用できる。
第3図は、第1図に赤血球保存液入れのバッグ6を取り付けたものであるが、赤血球保存液は、遠心分離操作を行ない、上清の血漿を第2の血液成分分離用バッグ4に移した後、第1の血液成分分離用バッグ3内に残る濃厚赤血球に加えられる。赤血球保存液を濃厚赤血球に加える事で赤血球の保存日数を更に長くしても輸血に用いる事が可能になる。赤血球保存液の例としては、アデニン、マンニトール、ソルビトール、グアノシン等を1種類以上含む生理的溶液が挙げられる。
第4図は、第2図と第3図を組み合わせたものであり、使用方法も前述のとおりである。第1図から第4図までの例では血液成分分離バッグ3、4が直列の位置関係で示されているが並列の位置関係にしても血液成分を分離する操作上特別な問題は無く、この様な接続のしかたも本発明に含まれる。
(発明の効果)
以上述べた様に、本発明を用いる事により、全血から完全に無菌的に白血球および血小板を除去した濃厚赤血球、血漿を簡単な操作で得る事ができる様になった。更に遠心分離操作を行なう際、白血球血小板除去フィルターを取り外してしまう事が可能な為、遠心時に白血球血小板除去フィルターが破損したり、血液成分分離バッグが破損される事が無い為非常に安全な血液成分分離システムとする事ができた。また、白血球、血小板を除去した血液製剤が得られる為、微小凝集物の発生も少なく、溶血等も少なくなった。以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
(実施例)
実施例1
血液成分分離方法として第1図に示すものを用いた。
白血球血小板除去フィルター2としては、第5図に示す構造の容器7内に、濾材A、B、Cを血液導入口8から血液導出口9に向かってC、B、Aの順に積層したものを用いた。容器内での血液が実際に通過する部分の断面積は45cm2(6.7cm×6.7cm)であり、容器はアクリル・スチレン樹脂製、濾材はポリエステル不織布を用い、濾材Aとしては平均繊維直径Xが1.65μm、平均繊維間間隔Yが3.1μm、不織布を重ね合わせた厚さが5.3mmのものを使用した。濾材Bとしては平均繊維直径Xが4μm、平均繊維間間隔Yが6.6μm、不織布を重ね合わせた厚さが2.5mmのものを使用した。濾材Cとしては平均繊維直径Xが25μm、平均繊維間間隔Yが40μm、不織布を重ね合わせた厚さが2.5mmのものを使用した。ここで平均繊維間間隔Yとは下式(1)で定義される数値を言う。
Yは平均繊維間間隔(μm)、Xは平垣繊維直径(μm)、ρは繊維の密度(g/cm3)、Dは濾材の嵩密度(g/cm3)、πは円周率である。
採血バッグ1はCPD入りの採血バッグ、血液成分分離用バッグ3、4は市販のものを用いた。供血者からの血液400gを採血バッグ1に導入した後、重力により白血球血小板除去フィルター2に流し、第1の血液成分分離用バッグ3に導入した。血液全てを流し終えるまでの時間は20分であった。この後、ヒートシーラーを用いて白血球血小板除去フィルター2と第1の血液成分分離用バッグ3との間のチューブを2ケ所溶着し、その間をはさみで切断し、血液成分分離用バッグ3、4を4℃の遠心分離機にセットし、3000gで6分遠心した。この後遠心分離機より血液成分分離用バッグ3、4を取り出し、第1の血液成分分離用バッグ3を押えつけながら上清を第2の血液成分分離用バッグ4に移した。
以上の様にして得られた各血液成分分離用バッグ中の成分を実験に供した血液と比較して分析したところ、第1の血液成分分離用バッグ3中に含まれる濃厚赤血球中には実験に供した赤血球の90%が回収され、混入した白血球は実験に供した白血球の0.9%であった。第2の血液成分分離用バッグ4中には168mlの血漿が回収できた。操作中血液成分分離用バッグ、回路等の破損は無かった。
実施例2
血液成分分離方法として第2図に示すものを用いた。生理的溶液を含むバッグ5としては生理食塩液50mlを含むポリ塩化ビニル製バッグを用いた。これ以外の構成部品は全て実施例1と同じにした。
操作方法も、採血バッグ1中の血液を全て流し終わった後、生理的溶液を含むバッグ5中の生理食塩液を白血球血小板除去フィルター2に流した事以外は、実施例1と同様に操作を行なった。
得られた各血液成分分離用バッグ中の成分を実施例1と同様に分析したところ、第1の血液成分分離用バッグ3中に含まれる濃厚赤血球中には実験に供した赤血球の96%が回収され、混入した白血球は実験に供した白血球の0.7%であった。第2の血液成分分離用バッグ4中には180mlの血漿が回収できた。操作中血液成分分離用バッグ、回路等の破損は無く、実施例1に比べ、赤血球、血漿の回収率が高くなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明血液成分分離方法の基本構成を示す模式図であり、第2図は第1図の方法に生理的溶液入りバッグを配した方法の模式図であり、第3図は第1図の方法に赤血球保存液入りバッグを配した方法の模式図であり、第4図は第2図と第3図を組み合わせた方法の模式図である。第5図は実施例で用いた白血球血小板除去フィルターの構成を示す断面模式図である。
1.採血バッグ
2.白血球血小板除去フィルター
3.4.血液成分分離用バッグ
5.生理的溶液入りバッグ
6.赤血球保存液入りバッグ
7.容器
8.血液導入口
9.血液導出口
A.濾材
B.濾材
C・濾材
 
訂正の要旨 (1)「白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には少なくとも2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。」とある特許請求の範囲の請求項1の記載を、
「白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用バッグに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法。」と訂正する。
(2)特許明細書第3頁第28行乃至第4頁第4行記載の「すなわち本発明は、白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には少なくとも2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去した後に、遠心分離を行い比重差により分離された血液成分を前記血液成分分離用バッグに分取する方法である。」を、
「すなわち本発明は、白血球血小板除去フィルターの上流側に採血バッグが接続され該白血球血小板除去フィルターの下流側には第1及び第2の2つの血液成分分離用バッグが無菌的に接続されてなる血液成分分離用バッグ装置を用いて、前記採血バッグに採取された血液を前記白血球血小板除去フィルターに通して予め白血球及び血小板を除去して前記第1の血液成分分離用ばっぎに赤血球および血漿を得た後に、白血球血小板除去フィルターと第1の血液成分分離用バッグを切り離し、遠心分離を行い、比重差により分離された上清の血漿を前記第2の血液成分分離用バッグに移すことにより、白血球血小板除去濃厚赤血球及び白血球血小板除去血漿の2つの血液製剤を前記血液成分分離用バッグに分取する方法である。」と訂正する。
(3)特許明細書第4頁第27行記載の「全血を濃厚赤血球、血漿等に」を、
「全血を濃厚赤血球、血漿に」と訂正する。
審決日 2001-11-29 
出願番号 特願昭63-153465
審決分類 P 1 41・ 121- Y (A61M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山中 真  
特許庁審判長 佐藤 洋
特許庁審判官 岡田 和加子
岩崎 晋
登録日 1995-05-12 
登録番号 特許第1930016号(P1930016)
発明の名称 血液成分分離方法  
代理人 伊藤 穣  
代理人 伊藤 穣  
代理人 武井 英夫  
代理人 清水 猛  
代理人 鳴井 義夫  
代理人 清水 猛  
代理人 鳴井 義夫  
代理人 武井 英夫  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ