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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A23K
管理番号 1054420
審判番号 審判1999-3442  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-12-11 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-03-10 
確定日 2002-02-15 
事件の表示 平成 2年特許願第 80806号「反芻動物用飼料添加剤」拒絶査定に対する審判事件[平成 3年12月11日出願公開、特開平 3-280838]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本願発明
本願は、平成2年3月30日の出願であって、その請求項1に係る発明は、明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたと次のとおりものもと認める。(以下、本願発明という。)
「(1)生物学的活性物質と保護物質とを含有する核顆粒を、(a)中性域では不溶性であり酸性域では分解性を示す脂肪酸塩と(b)油脂およびワックスよりなる群から選ばれた少なくとも1種とからなる保護皮膜で被覆したことを特徴とする反芻動物用飼料添加剤。」
2.引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭60ー141242号公報(昭和60年7月26日出願公開、以下、刊行物1という。)には、「生物学的活性物質を、炭素原子数14〜22の直鎖または分枝状の飽和または不飽和のモノカルボン酸、硬化した植物性脂肪および硬化した動物性脂肪よりなる群から選ばれる1種または2種以上を主成分とする保護物質で包囲してなる粒状物を、さらに、前記保護物質の異種同種により被覆してなることを特徴とする反すう動物用飼料添加組成物」(請求項1)、「本発明の反すう動物用飼料添加組成物は、〜従来の如く、生物学的活性物質と保護物質とを混合造粒したものに比較して、第1胃の胃液に対応するMcDougallの人口唾液に対する生物学的活性物質の溶出率が極めて低く抑えられ、かつ、第4胃の胃液に対応するClarkーLubsのPH2の緩衝液に対する生物学的活性物質の溶出率は極めて高い値を示す。すなわち、反すう動物に経口投与した場合に生物学的活性物質が、第1胃内で分解、失活されることなく第4胃以降の消化器管内で有効に消化吸収されることを示す。」(4頁左欄2行〜11行)と記載されている。。
同じく引用された特開昭56ー154956号公報(昭和56年11月30日出願公開、以下、刊行物2という。)には「少なくとも生物学上有効な物質に炭素原子14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸又は前記酸の数種の混合物の塩を含有する被膜を備えている粒子の形の反すう動物の瘤胃(第一胃)を通る飼料添加物において、全重量に対して
(a)生物学上有効な物質少くとも30〜50重量%、(b)炭素原子14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸又はリシノール酸のナトリウム塩、カリウム塩又はカルシウム塩少なくとも10〜35重量%及び(c)残部が100重量%まで、炭素原子14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸及び/又はリシノール酸及び/又は硬化した植物性又は動物性脂肪であるが、少くとも30重量%よりなることからなる反すう動物の瘤胃(第一胃)を通る飼料添加物。」(請求項1)、「本発明による飼料添加物の粒子は、被膜が脂肪酸からか又は脂肪酸塩からなるのに過ぎないものと異なり、既にしわ胃(反すう動物の第四胃)の酸性環境中で侵され、生物学上有効な物質を、胆汁及びすい液の付加的作用を要しないで遊離することが判明した。しかしながら他面では本発明による飼料添加物の粒子は、瘤胃の胃液のpHを有する環境による侵蝕及び瘤胃中の分解にも抵抗する。」(2頁左上欄18行〜右上欄6行)と記載されている。
3.対比・判断
本願発明と刊行物1に記載の発明を対比すると、刊行物1に記載の発明の「生物学的活性物質を保護物質で包囲してなる粒状物」、「保護物質の異種同種により被覆」および「添加組成物」は、本願発明の「生物学的活性物質と保護物質とを含有する核顆粒」、「保護皮膜で被覆」および「添加剤」に相当するから、両者は「生物学的活性物質と保護物質とを含有する核顆粒を、保護皮膜で被覆したことを特徴とする反芻動物用飼料添加剤。」である点で一致するが、保護皮膜が、本願発明では、(a)中性域では不溶性であり酸性域では分解性を示す脂肪酸塩と(b)油脂およびワックスよりなる群から選ばれた少なくとも1種からなるのに対し、刊行物1に記載の発明では、核顆粒の保護物質と異種同種である点で相違する。
上記相違点について検討すると、刊行物2には、保護被覆、即ち、保護皮膜として、(b)炭素原子14〜22個を有する脂肪族モノカルボン酸のカルシウム塩と(c)硬化した植物性又は動物性脂肪を用いることが記載され、上記脂肪族モノカルボン酸のカルシウム塩は、本願明細書10頁1行〜11行の「保護皮膜に使用する中性域では不溶性であり、酸性域では分解性を示す脂肪酸塩は、〜炭素数14、16および/または18の脂肪酸のカルシウム塩、天然油脂から製造される混合脂肪酸のカルシウム塩等が使用される。好ましくは融点が30〜50℃、さらに好ましくは35〜45℃の混合脂肪酸のカルシウム塩が使用される。」に記載の脂肪酸塩であり、上記硬化した植物性又は動物性脂肪は油脂であるから、刊行物2には、(b)中性域では不溶性であり、酸性域では分解性を示す脂肪酸塩と(c)油脂よりなる保護皮膜が記載され、刊行物2に記載の保護皮膜は、反芻動物の第1胃では侵蝕および分解に抵抗し、第4胃の酸性環境中で侵され、生物学上有効な物質を遊離するものであって、引用例1の保護皮膜と同様の作用を奏するものであるから、刊行物1の保護皮膜として、刊行物2に記載の保護皮膜を用いて本願発明を構成することは当業者が容易に想到し得るものである。
そして、本願発明の効果も、刊行物1および2に記載の発明の効果から、当業者が容易に予測し得るものであって格別顕著なものとはいえない。
4.むすび
したがって、本願発明は、引用例1および2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-12-03 
結審通知日 2001-12-14 
審決日 2001-12-28 
出願番号 特願平2-80806
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A23K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 坂田 誠  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 鈴木 寛治
白樫 泰子
発明の名称 反芻動物用飼料添加剤  
代理人 東海 裕作  
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