• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B01J
管理番号 1055037
異議申立番号 異議2000-71481  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-03-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-11 
確定日 2001-11-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2961587号「界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子」の請求項1ないし4、6ないし9に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2961587号の請求項1ないし4、6ないし9に係る特許を維持する。 
理由 1.本件の経緯
本件特許第2961587号は、平成4年6月27日に出願した特願平4-193327号に基づいて国内優先権を主張して、平成5年4月27日に出願し、平成11年8月6日に設定登録され、同年10月12日に特許公報に掲載されたところ、平成12年4月11日に日本カーバイト工業株式会社から特許異議の申立を受けたものであって、その後平成12年7月17日付で取消理由通知(平成12年8月1日発送)がなされ、その指定期間内である平成12年10月2日に訂正請求がなされ、その後審尋がなされたが、異議申立人から何ら応答がなかった。
2.訂正の要旨
平成12年10月2日付訂正請求における訂正の要旨は次のとおりである。
(イ)誤記の訂正を目的として、特許請求の範囲の請求項9の「含存」を、「含有」と訂正する。
(ロ)明瞭でない記載の釈明を目的として、特許請求の範囲の請求項6〜9を以下のように訂正する。
【請求項6】カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項7】非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項8】皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項9】入浴剤として用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項10】カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項11】非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
[請求項12]皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
[請求項13]入浴剤として用いられることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
3.訂正の適否についての検討
上記(イ)の訂正は、請求項9に対応する本件明細書の記載「本発明により得られる界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子は、・・・浴用品、洗浄品分野等に利用可能である」(段落【0042】)からみても、単なる漢字のタイプミスであることは明らかであるから、誤記の訂正を目的とするものであり、また、願書に添付した明細書の記載事項の範囲内のものであって、新規事項の追加に該当せず、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張したり変更したりするものでもない。
上記(ロ)の訂正は、請求項2および5、もしくは、請求項1、2および5を引用した多項引用形式で記載されていた請求項6〜9の内、界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子の内層が同心状の2層以上の層構造を有すると規定されていて、特許異議の申立の対象となっていない請求項5を引用した部分を請求項10〜13として新たに起こすと同時に、請求項6〜9において請求項5を引用する発明を削除したものであって、多項引用形式で記載されていた請求項6〜9の引用項の括り方を改めて、特許異議の申立の対象となっていない本件請求項5を引用した部分を請求項6〜9から分けて請求項10〜13として起こし、訂正前の請求項6〜9をより現実的な合理性をもって整理し直したものであるから、上記(ロ)の訂正は、明瞭でない記載の釈明に当たる。
そして、上記(ロ)の訂正は、訂正前の請求項6〜9等の記載に基づくものであるから、願書に添付された明細書に記載された事項の範囲内のものであり、新規事項の追加に該当せず、また、上記(ロ)の訂正は、形式的に請求項の数は増加しているが、その内容は訂正前と変わらないから、実質上特許請求の範囲を拡張したり、変更したりするものでもない。
してみると、上記訂正は、特許法第120条の4第2項の第2号もしくは第3号に掲げる事項を目的とするものであり、また、同条第3項で準用する同法第126条第2項および第3項の規定にそれぞれ適合するものであるから、上記訂正は認める。
4.特許異議申立人の主張
特許異議申立人日本カーバイト工業株式会社は、甲第1〜5号証および参考資料1を提出して、次のような主旨の主張をしている。
「本件請求項1〜4、6〜9に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1〜5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。」
5.特許異議申立人の主張についての検討
(1)本件発明の認定
本件発明は、平成12年10月2日付訂正請求書に添付された訂正明細書の請求項1ないし13に記載された事項により特定された次のとおりのものである。
「【請求項1】内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつカプセル粒子の内容液の乳化特性が内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で撹拌した後40℃において、該内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
撹拌条件;
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm、高さ20cm)
撹拌翼:アンカー翼(翼径5cm、翼高さ5cm、翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
撹拌時間:30秒
【請求項2】単層の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつ該界面活性剤成分が油性成分中に実質的に均一分散または溶解していることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項3】カプセル粒子の重量に対する皮膜の重量比率である皮膜率が、5〜60重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項4】カプセル粒子の平均粒子径が0.2mm〜2cmであることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項5】内層が同心状の2層以上の層構造を有し、その外側に皮膜形成体を有するカプセル粒子において、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分を含有し、かつ、以下の(A)〜(D)のいずれかの構造を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
(A)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる、
(B)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる、
(C)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分からなる、
(D)内層中の少なくとも1つ以上の層が、界面活性剤成分からなる。
【請求項6】カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項7】非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項8】皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項9】入浴剤として用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項10】カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項11】非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項12】皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項13】入浴剤として用いられることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。」
(2)取消理由に引用した刊行物記載の発明
刊行物1(特開昭61-227519号公報:甲第1号証)には、「常温で液状でありHLB8以下の親油性非イオン性界面活性剤と常温で液状でありHLB10以上の親水性非イオン性界面活性剤との合計が該浴用剤全重量中6〜25重量%であり、常温で液状の油分50〜92重量%と水0.1〜10重量%とを含有し、且つ該親油性非イオン性界面活性剤と該親水性非イオン性界面活性剤との比が1:4〜3:1重量比である浴用剤。」(特許請求の範囲第1項)等が記載されており、また、その第3頁右上欄20行から同頁左下欄4行には、「本発明の浴用剤は10〜30g程度を150〜300l程度の浴湯に分散させるように使用するのが好ましく、その剤型は求める浴用剤のタイプにより任意に選択され、液状、ゲル状、カプセル状などが可能である。」と記載されており、さらに、その実施例6には、処方物Aと処方物Bを混合撹拌した液状物をカプセル充填機により充填して、浴用剤(カプセル製剤)を得た旨(5頁右上欄)が記載されている。
刊行物2(特開昭54-35210号公報)には、「植物油不けん化物を非加熱条件下に10,000センチポアズ以下の粘度になるまで攪拌し次いでそれをソフトカプセル化することを特徴とする植物油不けん化物のソフトカプセルの製造方法」(特許請求の範囲)が記載されている。
刊行物3(特開昭51-8178号公報:甲第2号証)には、「カプセルの外層部皮膜形成用物質と、内層部皮膜形成用物質と、カプセルの核となる部分に入れる物質とを、三重管状ノズルの複合ジェット流として冷却液体中に連続的に押し出し、冷却液体とともに、下降する間に、界面張力で造粒作用を行わしめる継ぎ目なし単核二重カプセルの製造方法において、カプセルの内層部皮膜を形成する物質の組成を、乳化物としたことを特徴とした内層部に乳化物を用いた継ぎ目なし単核二重カプセル」(特許請求の範囲)が記載されている。
刊行物4(特開平3-52639号公報:甲第3号証)には、「内容物と該内容物を被覆する皮膜よりなるシームレスカプセルにおいて、該内容物が親水性物質であり、該内容物と皮膜との間にショ糖の低級脂肪酸エステルが介在することを特徴とする親水性物質を内容物とするシームレスカプセル。」(特許請求の範囲第1項)等が記載されており、また、その実施例における処方1、2、3ではショ糖脂肪酸エステル(SAIB)が使用されている。
刊行物5(「食品と開発」、Vol.23、No.2、p.32-36:甲第4号証)には、「新しいソフトカプセル食品の開発と、その応用-特に耐水性カプセルと顆粒カプセルについて」と題した富士カプセル株式会社の近藤隆氏の技術紹介記事が掲載されており、その表1(33頁)には、ソフトカプセルの種類として製法名と概要が示されていて、滴下法や打ち抜き法としてロータリーダイ法が挙げられている。
刊行物6(「食品工業」、3下-1985、p.57-64:甲第5号証)には、「ミニカプセルの食品への応用」と題した鈴木敏行氏の技術紹介記事が掲載されており、それには、打ち抜き法を連続自動化したロータリー法や滴下法(オリフィス法)およびその改良法(1.ソフトカプセルについての項および図1〜4を参照)が紹介されており、また、シームレスミニカプセルの粒径や皮膜率等(2.ミニカプセルの特徴と応用の項を参照)が紹介されている。
(3)本件発明と引用刊行物記載の発明との対比・判断
刊行物1の実施例6で得られるカプセル製剤は、カプセル充填機で充填して得るものであるから、いわゆる滴下法で得られるような継ぎ目無しカプセル粒子ではない。
また、刊行物3の実施例では、内層部に精製植物油の乳化のためにゼラチンとD-ソルビットが使用されている(第2頁左上欄3〜7行を参照)だけで、界面活性剤は使用されていない。
刊行物4における、「ショ糖の低級脂肪酸エステル」は、非イオン性界面活性剤の1種ではあるものの、原審における平成10年4月9日付拒絶理由通知の引用例(特開平5-31352号公報)の[0013]段落の「乳化剤としてはHLB2〜8の非イオン系乳化剤、例えばショ糖脂肪酸エステル・・・」という記載や【0019】〜【0023】段落の実施例1および2でショ糖脂肪酸エステル(SAIB)が使用されていることから分かるように、ショ糖の低級脂肪酸エステル(SAIB)はHLBが2〜8の非イオン性界面活性剤に入るものであり、本件請求項1および2でいうようなHLB9〜18の非イオン性界面活性剤ではない。
刊行物5又は6の技術紹介記事は、ソフトカプセル食品についての技術を一般的に紹介しているものに過ぎず、界面活性剤含有継ぎ目無しカプセルについて触れるところはない。
そして、参考資料1(「油脂化学製品便覧」、日刊工業新聞社、昭和38年10月30日発行、p.720-721)には、HLBの意味およびその定義が解説されているに過ぎない。
本件請求項1および2に係る発明と上記各刊行物に記載される発明とを対比すると、各刊行物には、本件請求項1及び2で特定される内層成分(界面活性剤)を含有する継ぎ目無しカプセル粒子について記載されていない。
特許異議申立人は、本件請求項1および2に係る発明と甲第1号証(刊行物1)に記載された発明を対比して、本件請求項1および2に係る発明は、継ぎ目無しカプセル粒子であるのに対し、甲第1号証に記載された発明は、継ぎ目無しのものではない点を相違点の一つとして挙げ、継ぎ目無しカプセル粒子とすることは、甲第2〜4号証(刊行物3〜5)に記載されているから、当業者が容易になし得ることである旨(特許異議申立書第10頁17-29行)を主張しているが、刊行物6(甲第5号証)の第59頁左欄9〜26行に記載されるように、目無しカプセル(シームレスカプセル)はいわゆる滴下法、即ち、滴下した液滴を界面張力によって球形化し形成するものであるから、甲第1号証に記載されたような界面活性剤を含有している液をそのまま滴下法でカプセル化しようとしても、許権者が平成12年10月2付意見書に添付した花王株式会社和歌山研究所の重野千年氏が作成した実験成績証明書に開示されるように、該界面活性剤が液の球形化を妨げることは技術常識であり、刊行物1(甲第1号証)に記載された浴用剤に刊行物3ないし6(甲第2〜5号証、刊行物2も同じ内容)記載の滴下法を組み合わせて継ぎ目無しカプセルを得ることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。
してみると、本件請求項1および2に係る発明は、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められないし、また、請求項1および(または)2を引用している本件請求項3〜4および訂正後の本件請求項6〜9に係る発明も、刊行物1〜6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
したがって、特許異議申立人の上記主張は理由がない。
7.結び
そして訂正後の本件請求項1〜4、6〜9に係る特許は、特許異議申立の理由および証拠によっては取り消すことができない。
また、他に訂正後の本件請求項1〜4、6〜9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつカプセル粒子の内容液の乳化特性が内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で撹拌した後40℃において、該内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
攪拌条件;
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm,高さ20cm)
撹拌翼:アンカー翼(翼径5cm,翼高さ5cm,翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
撹拌時間:30秒
【請求項2】 単層の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつ該界面活性剤成分が油性成分中に実質的に均一分散または溶解していることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項3】 カプセル粒子の重量に対する皮膜の重量比率である皮膜率が、5〜60重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項4】 カプセル粒子の平均粒子径が0.2mm〜2cmであることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項5】 内層が同心状の2層以上の層構造を有し、その外側に皮膜形成体を有するカプセル粒子において、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分を含有し、かつ、以下の(A)〜(D)のいずれかの構造を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
(A)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる、
(B)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる、
(C)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分からなる、
(D)内層中の少なくとも1つ以上の層が、界面活性剤成分からなる。
【請求項6】 カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項7】 非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項8】 皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項9】 入浴剤として用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項10】 カプセル粒子の内容液の乳化特性が、内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、請求項1において記載の条件で撹拌した後40℃において、内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項11】 非イオン性界面活性剤がソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項12】 皮膜形成体の主成分が、天然、半合成および合成の親水性高分子体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【請求項13】 入浴剤として用いられることを特徴とする請求項5記載の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子に関する。更に詳しくは、医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品分野に利用可能な、界面活性剤および油性成分を含有する継ぎ目無しカプセル粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物油等の油性成分を内容物とし界面活性剤成分を含有しない継ぎ目無しカプセル粒子は従来から存在する。しかし、この継ぎ目無しカプセル粒子は特公昭36-3700号公報に開示されているごとく界面張力を利用して作られるため、内溶液にHLBの高い界面活性剤成分を含む場合は、内容液と皮膜との界面張力がかなり低下してしまう。そのためカプセル化が難しかった。
【0003】
特開昭61-227519号公報、特開平1-238519号公報にはHLBが比較的高い非イオン性界面活性剤を含有したカプセル粒子に関する開示がある。しかし、このカプセル粒子は、カプセル充填機により充填して製造しているため皮膜に継ぎ目があり、外観上好ましくないばかりか、継ぎ目からの内容物の漏れが懸念されたり、また平均皮膜厚さの不均一性により、個々のカプセル粒子の溶解速度に差異が生ずるという問題があった。
一方、特公昭53-39193号公報、特開昭55-99177号公報には、多重ノズルを用いて得られる多層構造を有する継ぎ目無しカプセル粒子が開示されているが、該カプセル粒子は界面活性を有する成分を内容物とするカプセル粒子ではない。また、特開平3-52639号公報には、親水性物質である内容物と皮膜との間に界面活性能を有するショ糖の低級脂肪酸エステルを介在させたシームレスカプセルが開示されている。しかし、界面活性剤成分および油性成分を内容物として含有するカプセル粒子についての開示ではない。
【0004】
更に、特開昭58-13508号公報には、液体の油類中に水に難溶な薬剤とポリグリセロール脂肪酸エステルが分散してなるものを含有する薬剤組成物をシームレスカプセルとしたものについて、また特開平5-31352号公報には、親水性物質を内容物とするシームレスカプセルおよびその製法についての開示がある。しかしながら、これらのカプセルの内容物は水中における乳化特性が充分ではないため、例えば該カプセルを入浴剤等の水中への適用を必要とする用途に用いる場合、油性成分が水と分離するため油性成分の皮膚への吸着が不充分となり、その機能の発現が低下する等の問題がある。換言すれば、これらの公報には、カプセル内の内容液が水中で実質上乳化分散するカプセル粒子、または実質的に界面活性剤成分が油性成分中に均一分散又は溶解しているカプセル粒子についての開示はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、内容液として界面活性剤成分および油性成分を含有する、継ぎ目のないカプセル粒子であって、内容液の乳化分散性、または界面活性剤成分の油性成分中への分散・溶解性の優れているものは未だ知られていなかったが、特に浴用品、洗浄品等の分野においては、内容液の乳化分散性が要求され、このような継ぎ目無しカプセル粒子の開発が望まれていた。
本発明の目的は、かかる課題を解決すべく、皮膜に継ぎ目が無く、かつ界面活性剤成分および油性成分を含み、さらに前記のような内容液の乳化分散性、または界面活性剤成分の油性成分中への分散・溶解性の優れたカプセル粒子を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、
(1)内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつカプセル粒子の内容液の乳化特性が内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で撹拌した後40℃において、該内層の油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していない状態を示すものであることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子、
攪拌条件;
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm,高さ20cm)
撹拌翼:アンカー翼(翼径5cm,翼高さ5cm,翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
撹拌時間:30秒
(2)単層の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層がアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分と油性成分を含有し、かつ該界面活性剤成分が油性成分中に実質的に均一分散または溶解していることを特徴とする界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子、並びに
(3)内層が同心状の2層以上の層構造を有し、その外側に皮膜形成体を有するカプセル粒子において、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびHLB9〜18の非イオン性界面活性剤からなる群より選ばれた1種以上の界面活性剤成分を含有し、かつ、以下の(A)〜(D)のいずれかの構造を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子に関する。
(A)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる、
(B)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる、
(C)内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分からなる、
(D)内層中の少なくとも1つ以上の層が、界面活性剤成分からなる。
【0007】
本発明の界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子(以下、単にカプセル粒子と略す場合がある)は、内層と外層とからなるカプセル粒子である。外層は皮膜形成体を有し、内層は単層または同心状の2層以上からなり、各層には(1)油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる層、(2)油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる層、(3)油性成分と界面活性剤成分とからなる層、(4)油性成分の層、(5)界面活性剤成分の層などが適宜組み合わされて形成されている。
【0008】
即ち、本発明のカプセル粒子には、次に示すような各種の態様が挙げられる。
(a)単層の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層が油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる場合、
(b)単層の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層が油性成分と界面活性剤成分とからなる場合、
(c)同心状の2層以上の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層中の少なくとも1つ以上の層が油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる場合、
(d)同心状の2層以上の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層中の少なくとも1つ以上の層が、油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる場合、
(e)同心状の2層以上の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層中の少なくとも1つ以上の層が油性成分と界面活性剤成分とからなる場合、
(f)同心状の2層以上の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子であって、該内層中の少なくとも1つ以上の層が界面活性剤成分からなる場合等である。
【0009】
このような同心状の2層以上の内層と皮膜形成体を有する外層とからなるカプセル粒子について、さらに具体的に説明する。例えば、中間層および最内層よりなる内層および外層の3層のカプセル粒子としては、以下に示すような種々の例が挙げられる(それぞれ外層/内層(中間層)/内層(最内層)を示す)。
▲1▼親水性皮膜形成体/油性成分/界面活性剤・油性成分含有水性分散体
▲2▼親水性皮膜形成体/油性成分/界面活性剤・油性成分・有機溶剤含有水性分散体
▲3▼親水性皮膜形成体/油性成分/界面活性剤・油性成分
▲4▼親水性皮膜形成体/油性成分/界面活性剤
▲5▼親油性皮膜形成体/水性成分/界面活性剤・油性成分
▲6▼親油性皮膜形成体/界面活性剤/油性成分
▲7▼親油性皮膜形成体/界面活性剤・油性成分含有水性分散体/油性成分
▲8▼親油性皮膜形成体/界面活性剤・油性成分・有機溶剤含有水性分散体/油性成分
【0010】
以下に本発明のカプセル粒子を構成する各層の構成成分について説明する。
まず、外層は皮膜形成体を有する層であり、皮膜形成体を形成させるのに用いる皮膜形成用液体は、皮膜形成体を溶融液としたものか、あるいは皮膜形成体を含有する溶液である。この皮膜形成体は例えば冷却等の物理的手段または架橋反応等の化学的手段により硬化またはゲル化する物質であれば、特に限定されるものではなく親水性、親油性のいずれのものも用いることができるが、浴用品(例えば入浴剤)、洗浄品(例えば身体洗浄剤)として用いる場合、水との親和性の高い天然、半合成又は合成の親水性高分子体が好ましく用いられる。
【0011】
このような親水性高分子体としては、例えばにかわ、ゼラチン、コラーゲンタンパク、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、ファーセレラン、タマリンドガム、ペクチン、アラビアガム、グアーガム、キサンタンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、寒天、澱粉等の天然親水性高分子;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン澱粉等の半合成親水性高分子;及びポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン等の合成親水性高分子等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの親水性高分子体は、単独で又は2種以上を混合して用いられる。
皮膜形成用液体として皮膜形成体を含有する溶液を用いる場合、皮膜形成体として親水性高分子を用いて0.1〜80重量%の溶液とするのが好ましく、より好ましくは1〜50重量%の溶液とする。溶媒としては特に限定されるものではないが水が好ましい。
【0012】
このとき、上記の親水性高分子体とともに水溶性多価アルコールおよびその誘導体の1種又は2種以上を添加しても良い。水溶性多価アルコールおよびその誘導体を添加する場合は、皮膜形成体に対して通常5〜100重量%、好ましくは10〜80重量%添加する。添加される水溶性多価アルコールおよびその誘導体としては、例えばグリセリン、ソルビット、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレン-酸化プロピレン共重合体、オリゴサッカライド、グリセリド類等が例示されるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、本発明においては親油性の皮膜形成体も同様に用いることができ、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンゴム、酢酸ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリレート共重合体、エチルセルロース等を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。皮膜形成用液体として親油性の皮膜形成体を含有する溶液を用いる場合溶媒としては、該皮膜形成体に対する良溶媒であれば特に限定されるものではなく、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン等が例示される。
【0013】
内層は油性成分と界面活性剤成分を含有する層であり、単層または同心状の2層以上からなる。各層には前記のように(1)油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる層、(2)油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤とを含有する水性分散体よりなる層、(3)油性成分と界面活性剤成分とからなる層、(4)油性成分の層、(5)界面活性剤成分の層などが適宜組み合わされて形成されている。
ここで使用される界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤の1種又は2種以上から選ばれるものであるが、油に対する溶解性の高い界面活性剤が好適に選択される。界面活性剤を2種以上用いる場合、油に対する溶解性が低いものでも、混合して全体として溶解性があればよい。また、カプセル粒子の崩壊後、内溶液が皮膚と接触する用途の場合等においては、より皮膚刺激性が少ない非イオン性界面活性剤の1種又は2種以上から選ばれるものが好ましい。
【0014】
アニオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、半硬化牛脂肪酸ナトリウム、半硬化牛脂肪酸カリウム、オレイン酸カリウム、ヒマシ油カリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ソーダ、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0015】
カチオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルアミンオレエート、ステアリルアミンアセテート、ステアリルアミン酸等が挙げられる。
【0016】
非イオン性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。これらの中でも、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルが皮膚刺激性が少ないため好ましい。
【0017】
両性界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えばアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、レシチン、ラウリルアミノプロピオン酸、アルキルジアミノエチルグリシン等が挙げられる。
【0018】
継ぎ目無しカプセル化し得るための非イオン性界面活性剤のHLBは、水浴中でカプセル粒子が崩壊したときに内容物の油性成分が良好に乳化し得るようにするには、通常7〜18であり、好ましくは8〜18、更に好ましくは9〜18である。HLBが7未満だと油性成分の乳化能が不十分であり、HLBが18より大きいとカプセル化が困難となる。
非イオン性界面活性剤を2種以上混合する場合は、混合後のHLBが7〜18であればよく、カプセル粒子内のHLBを調整するためにHLBが7未満の非イオン性界面活性剤を同様に混合してもよい。本発明のカプセル粒子は、後述のように多重ノズルを用いて各層を形成するための液体を連続的に吐出させて製造されるが、HLBの調整に用いるHLBが7未満の非イオン性界面活性剤は、内層用の各液体のうち、いずれの液体に混合されてもよい。
【0019】
界面活性剤の使用量は、特に限定されるものではないが、カプセル粒子内の全油性成分と界面活性剤の重量比率で、通常49:1〜1:3、好ましくは19:1〜1.5:1の範囲である。界面活性剤の使用量が全油性成分に対する重量比率で49:1よりも小さくなると、内溶液が水と接触した時に油性成分が分離して油浮き等の現象が生じ安定な乳化液が得られず、1:3よりも多いとカプセル化が困難になる。
【0020】
本発明で使用される油性成分は特に限定されるものではないが、例えば油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、精油類、シリコーン油類から選ばれる1種又は2種以上の混合物が好ましい。
【0021】
油脂類としては、例えば大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、またはこれらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2-エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリド等が挙げられる。ロウ類としては、例えばカルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば流動パラフィン、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。高級アルコール類としては、例えばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、2-ヘキシルデカノール等が挙げられる。エステル類としては、例えばオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル等が挙げられる。精油類としては、例えばハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ヘルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペル系化合物等が挙げられる。シリコーン油類としては、例えばジメチルポリシロキサン等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
本発明において、(1)油性成分と界面活性剤成分とを含有する水性分散体よりなる層を形成する場合、該水性分散体は、油性成分の1種又は2種以上の混合物を、前記のようなアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上の界面活性剤により水中で直接油性成分を乳化させるか又は油中水分散型エマルションから水中油分散型エマルションヘの転相を介して水中で油性成分を乳化させる等の公知の技術により得られる。乳化方法としては、各種の攪拌機、混合機等を用いた公知の技術が用いられる。水性分散体中の界面活性剤濃度は特に限定されるものではないが、水性分散体中の油性成分に対して通常10〜300重量%、好ましくは50〜250重量%である。界面活性剤濃度が10重量%より小さいと、水浴中でカプセルが崩壊した時に内容物の油性成分が乳化せず、300重量%より大きいと水性分散体の粘度が増大しカプセル粒子生成時におけるカプセル粒子生成の成功率が低減するため好ましくない。
【0023】
水性分散体中の油性成分濃度は特に限定されるものではないが、水に対して通常2〜150重量%、好ましくは5〜130重量%である。油性成分濃度が150重量%より大きいと水性分散体の粘度が増大しカプセル粒子生成時におけるカプセル粒子の形成性が低減するため好ましくなく、2重量%より小さいと均一な水性分散体が得られないため好ましくない。
【0024】
本発明では更に、(2)の態様として(1)の水性分散体中に親水性有機溶剤を含有させた水性分散体よりなる層としてもよい。これにより、水性分散体の粘度を低下させることができ、特に水性分散体中の界面活性剤濃度が高い場合、カプセル生成時におけるカプセル粒子の形成性が向上する。このとき用いられる親水性有機溶剤は、特に限定されるものではないが、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール等の1価アルコール類、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール等の2価アルコール類、アセトン等のケトン類等から選択され、これらの1種又は2種以上混合して用いてもよい。
ここで、水性分散体中の親水性有機溶剤濃度は特に限定されるものではないが、水に対して通常0.01〜200重量%、好ましくは0.1〜100重量%である。親水性有機溶剤が0.01重量%より小さいと、親水性有機溶剤の添加による水性分散体の粘度低下の効果が少なく、200重量%より大きいと水性分散体の界面張力が低下しすぎて、水性分散体が球状になりにくくなるため、カプセル生成時の成功率が低下し、好ましくない。
【0025】
次に、(3)油性成分と界面活性剤成分とからなる層を形成する場合、界面活性剤成分、油性成分は前記と同様のものが用いられる。この場合の油性成分の濃度は、特に限定されるものではないが界面活性剤成分に対して0.01〜300重量%、好ましくは0.1〜200重量%である。油性成分が0.01重量%より小さいと粘度の変化等の添加による効果が少なく、300重量%より大きいと内溶液が水と接触した時に油性成分が分離して油浮き等の現象が生じ、安定な乳化液が得られず好ましくない。
【0026】
更に、(4)油性成分の層および(5)界面活性剤成分の層を形成する場合、用いる油性成分、界面活性剤成分の種類は、それぞれ前記の場合と同様である。
【0027】
本発明のカプセル粒子は、後述のように多重ノズルから各層を形成するための各液体を吐出させて多層液滴を形成させて得られる。この際に全液体流量、液体の粘度、液体の界面張力、振動数等によりカプセル粒子の粒径を制御することができる。更に、このカプセル粒子の粒径が決まれば、最外ノズルの流量と、それ以外のノズルの総流量との流量比により平均皮膜厚さを制御することも可能である。このときの平均皮膜厚さtは、例えば下記の式より求めることができる。
【0028】
【数1】

【0029】
t:平均皮膜厚さ〔cm〕
D:カプセル粒子平均粒子径〔cm〕
D1:カプセル粒子平均内層径〔cm〕
V1:カプセル粒子内層体積〔cm3〕=W1/ρ1=Q1/I
V2:カプセル粒子皮膜体積〔cm3〕=W2/ρ2=Q2/I
W1:カプセル粒子内層重量〔g〕
W2:カプセル粒子皮膜重量〔g〕
Q1:ノズルからの内層液の総流量〔cm3/min〕
Q2:ノズルからの皮膜形成用液体の総流量〔cm3/min〕
ρ1:内層液の平均密度〔g/cm3〕
ρ2:皮膜形成用液体の密度〔g/cm3〕
I:カプセル粒子生成個数(個/min〕
【0030】
本発明においてカプセル粒子の重量に対する皮膜の重量比率である皮膜率は、カプセル粒子の保存安定性と浴槽中等の水中でのカプセル粒子の崩壊性から、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは13〜40重量%である。皮膜率が5重量%未満だとカプセル粒子の保存時に崩壊し易くなり、60重量%を超えると浴槽中等の水中でのカプセル粒子の崩壊性および完全溶解性が不良になってしまう。
【0031】
本発明のカプセル粒子の平均粒子径は、特に限定されるものではないが通常0.2mm〜2cmが好ましく、生産性の観点からは、好ましくは3mm〜2cmである。この理由は、カプセル粒子を、例えば後述の多重ノズルを用いて製造する場合、平均粒子径が大きい程、多重ノズル当たりの生産能力が向上することによる。ただし平均粒子径は重量平均で示されたものである。
また、該カプセル粒子の平均皮膜厚さは、特に限定されるものではないが、通常0.01mm〜5mmの範囲であり、好ましくは0.03mm〜1mmである。5mmより大きいとカプセルを溶解させて内容物を放出させる場合、多大な溶解時間を要し好ましくなく、0.01mm以下ではカプセル粒子生成時に皮膜形成体が崩壊しやすくカプセル生成の成功率が著しく低下する為好ましくない。ここに言う平均皮膜厚さとは、公知の測定技術、例えばマイクロメータ等で測定したものである。
【0032】
本発明のカプセル粒子は、乳化性に優れるものであり、以下のような乳化性試験に基づく乳化特性を有するものである。
即ち、カプセル粒子の内容液0.5g分を2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で撹拌して内層の油性成分を乳化分散させた後40℃で、好ましくは40℃で3時間静置後、さらに好ましくは6時間静置後、特に好ましくは12時間静置後の乳化の状態を肉眼観察した場合、乳化相の分離がほとんどなく、実質的に水と分離していない状態である乳化特性を有する。
攪拌条件;
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm,高さ20cm)
撹拌翼:アンカー翼(翼径5cm,翼高さ5cm,翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
撹拌時間:30秒
従って、本発明において、油性成分が乳化分散したまま実質的に水と分離していないとは、このような乳化性試験において乳化相の分離がほとんど無く、水相が形成されない状態、又は油性成分あるいは油性成分と界面活性剤成分との混合物が乳化分散液から遊離して油滴として水中に存在しない状態をいう。
また、本発明のカプセル粒子は、内層に含有される界面活性剤成分が、油性成分中に実質的に均一分散または溶解しているものである。これは、カプセル粒子の内容液を取り出して内容液5gを試験管に移し、25℃,湿度60%の雰囲気で6時間静置した時に、油性成分と界面活性剤成分が分離していない状態をいう。
【0033】
次に、前記のような各種の原料を用いた本発明による界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子の製造方法について、詳細に説明する。
本発明のカプセル粒子は、順次増大する直径を有する少なくとも3種以上の多重ノズルを用いて、最外ノズルから皮膜形成用液体を、他のノズルから各種の内層用の液体を連続的に吐出させて多層液滴を形成させた後、該多層液滴の皮膜形成用液体を硬化またはゲル化させることにより行われる。
【0034】
内層を形成する各層の液体として、界面活性剤成分を含む液体を流すノズル以外の他のノズルから流す液体は、カプセル化に支障をきたさない範囲で油性成分、水性成分が適宜選択される。即ち、互いに隣会う層に含有する成分としては、油性成分と水性成分のごとき相互に実質的に混合(溶解)しない成分か混合(溶解)しにくい成分が適宜選択される。この場合の油性成分としては、前記と同様のものが用いられ、また水性成分としては、水、アセトン水溶液、低級アルコール水溶液等が用いられる。
【0035】
図1は本発明における製造方法に用いられる製造装置のノズル部の一例を模式的に示した断面図である。この図では、吐出口端面が揃っている3重ノズルが例示されているが、本発明においては、順次増大する直径を有する少なくとも3重以上の多重ノズルであればその形状等は特に限定されるものではなく、各ノズル吐出口端面がこのように揃っていなくてもかまわない。
【0036】
本発明においては、このような3重ノズルを用いて、前記の皮膜形成用液体を最外ノズル入口4より供給し、油性成分を中間ノズル入口5より供給し、界面活性剤成分を含む液体を最内ノズル入口6より供給し、それぞれ最外ノズル3、中間ノズル2、最内ノズル1より連続的に各々の液体を気相又は液相中で吐出させ、多層液滴を生成させる。この場合、液相としては実質的に皮膜形成体と混合又は溶解しないものであれば特に限定されないが、製造上好ましくは後記のような硬化剤またはゲル化剤が良い。次いで該多層液滴の皮膜形成用液体を物理的または化学的手段により硬化またはゲル化させて界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子を生成させる。ここで物理的手段としては例えば皮膜形成用液体を冷却した硬化剤と接触させて冷却することにより硬化させる方法等が、また化学的手段としては皮膜形成用液体と硬化剤との化学反応によりゲル化させる方法等が用いられるが、皮膜形成用液体を硬化またはゲル化させる方法であればこれらに限定されるものでない。
【0037】
硬化剤は皮膜形成用液体を物理的又は化学的手段により硬化またはゲル化する液体であれば特に限定されるものではないが、冷却により硬化させる場合は、皮膜形成用液体および硬化して得られる皮膜形成体に対して実質的に溶解性を有しない物質が適宜使用される。例えば親水性皮膜形成体に対しては、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、精油類、シリコーン油類から選ばれる1種又は2種以上の混合物の油類が用いられ、親油性皮膜形成体に対しては、水、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール及びこれらの混合物等が用いられる。冷却温度も皮膜形成用液体が硬化するような温度であれば特に限定されるものではない。
【0038】
また化学的に皮膜形成用液体をゲル化させる場合は、例えばアルギン酸ナトリウムでは、塩化カルシウム、リン酸カルシウムを含む溶液、ポリビニルアルコールでは、ほう砂、ホルマリン、塩酸を含む水溶液、ゼラチンでは塩化カルシウム、硝酸ジルコニウムを含む水溶液等が適宜選択され、皮膜形成用液体とこれらの硬化剤とが架橋等の反応をすることよりゲル化が生じる。
【0039】
これらの方法により内層が同心状の2層以上の層構造を有するカプセル粒子を得ることができる。本発明においては、前記のように多重ノズルの各ノズルから各液を連続的に吐出させて多層液滴を形成させるが、この際に多重ノズルから吐出する多層液柱に振動を与えることにより、カプセル粒子の粒径、皮膜厚さ等をより均一なものとすることができる。このとき、公知の振動付与手段が用いられるが、振動を与える手法も特に限定されるものではなく、ノズルに振動を与えるか、ノズルに流入する液体に脈流を与えるか、またはノズルから吐出した多層液柱の外相に振動を与える等の手法が例示される。多層液柱に与える振動数は液柱線速度及び使用する液体粘度より適宜選択され、これらと振動数、ノズルからの吐出流量等との関係により、カプセル粒子の粒径を制御することも可能である。与える振動数は特に限定されるものではないが、カプセル粒子の生産性及びカプセル粒子の粒径の均一性の点で1〜3000Hz、好ましくは1〜2000Hz、特に好ましくは1〜1000Hzである。1Hz未満では、振動が充分ではなく、3000Hzを越えるとカプセル粒子の粒径が不均一となる。なお本発明では、振動を与えず液滴を得る方法も選択される。
【0040】
本発明においては、多重ノズルの各ノズルから吐出される液体の線速度のうち、最大の線速度が最小の線速度の1.0〜1.3倍であることが好ましく、より好ましくは1.0〜1.1倍、更に好ましくは1.0〜1.05倍である。
このように、線速度の比率を1.0〜1.3倍にすると同心状のカプセル粒子が生成し易く、皮膜厚さの均一なものが得られる。また、内容液を多く含有するカプセル粒子を製造するには、各ノズルから吐出される液体の線速度の比率が上記範囲になるように各ノズル口径を適宜選択することにより、内容液を多く含有するカプセル粒子を安定に生成することができる。更に、界面張力の小さいもの同士のカプセル粒子を製造する場合、カプセル粒子が生成しやすくなる。一方、多層液柱に振動を与えカプセル粒子を生成させる場合、よりカプセル化の成功率が高くなる。
【0041】
また、本発明のカプセル粒子として、内層が単層のものを形成するには、前記のようにして得られた内層が同心状の2層以上の層構造を有するカプセル粒子を乾燥させることにより、内層の各層が一体となり単層とすることができる。
また別の方法として、例えば最内ノズルから油性成分と界面活性剤を、中間ノズルから融点が常温付近の油性成分を、最外ノズルから皮膜形成用液体を吐出させたのち、形成された粒子の皮膜形成体を化学的にゲル化させ、ついで加熱処理することにより内層が単層であるカプセル粒子を製造することもできる。
また、本発明ではカプセル粒子内の水分と皮膜形成体との相互作用により、カプセル粒子の流動性、非ケーキング性等の物理性状が悪くなる場合は、カプセル粒子を乾燥させて粒子中の水分を除去することも可能である。本発明におけるカプセル粒子の乾燥方法としては、熱風乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法等の公知の乾燥法が挙げられ、必要に応じて粒子内水分濃度を調整することができ、また抽出により粒子内の水分を除去した後乾燥することもできる。本発明における該水分濃度は通常25重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好ましくは15重量%以下である。25重量%を超えると粒子表面の粘着性が高く乾燥粒子として用いる場合好ましくない。
【0042】
本発明により得られる界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子は、医薬品、食品、嗜好品、浴用品、洗浄品分野等に利用可能である。
さらに各種の用途に応じて有用成分、添加剤等を適宜配合して、種々の機能を付与した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子として、これらの分野に利用することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。図1は以下の実施例で用いた順次増大する直径を有する3重ノズルのノズル部を模式的に示した断面図である。
【0044】
実施例1
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7〕を混合し〔平均HLB:10.3〕、そこに水80重量%を投入して得られた水性分散体を最内ノズルより流量2.2〔g/min)で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量4.4〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保った水溶液を流量5.8〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面活性剤と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分を含有する水性分散体であり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、5.1mmであり、粒子径分布の変動係数は6.3%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、1.5mmであった。また、皮膜率は41.7重量%であった。
【0045】
実施例2
実施例1で製造した界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子を、冷蔵庫内の流動パラフィン中で12時間冷却(4℃)させ、その後21℃湿度60%下で12時間乾燥させ、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は単層であり、内層が実質的に油性成分と界面活性剤成分からなり、その外側に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.2mmであり、粒子径分布の変動係数は6.6%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.29mmであった。またカプセル粒子内の水分量は3.5重量%であった。また、皮膜率は25.3重量%であった。
【0046】
実施例3
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン20重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート72重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート8重量%〔HLB:3.7〕の混合液〔平均HLB:10.3〕を最内ノズルより流量0.2〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量0.6〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保った水溶液を流量1.1〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分とからなり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.8mmであり、粒子径分布の変動係数は7.2%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.9mmであった。また、皮膜率は57.9重量%であった。
【0047】
実施例4
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、ポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート90重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート10重量%〔HLB:3.7〕の混合液〔平均HLB:10.3〕を40℃にして最内ノズルより流量0.3〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量1.2〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保った水溶液を流量1.8〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が界面活性剤成分からなり、中間層が油性成分で、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.6mmであり、粒子径分布の変動係数は8.0%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.9mmであった。また、皮膜率は54.6重量%であった。
【0048】
実施例5
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7〕を混合し、〔平均HLB:10.3〕、そこに水70重量%を投入し攪拌し水性分散体を得、そこにエタノール10重量%を混合した親水性有機溶剤含有水性分散体を最内ノズルより流量2.2〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量4.4〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保った水溶液を流量5.8〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分と親水性有機溶剤を含有する水性分散体であり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、5.2mmであり、粒子径分布の変動係数は6.1%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、1.5mmであった。また、皮膜率は41.7重量%であった。
【0049】
実施例6
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7〕を混合し〔平均HLB:10.3〕、そこに水70重量%を投入し攪拌し水性分散体を得、そこにエタノール10重量%を混合した親水性有機溶剤含有水性分散体を最内ノズルより流量4.4〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量8.8〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%の70℃に保った水溶液を流量11.6〔g/min〕でノズルに10Hzの振動を与えながら気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンに滴下することにより、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分を含有する水性分散体であり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4.5mmであり、粒子径分布の変動係数は4.8%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.3mmであった。また、皮膜率は41.7重量%であった。
【0050】
実施例7
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7〕を混合し〔平均HLB:10.3〕、そこに水80重量%を投入した水性分散体を最内ノズルより流量2.2〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量4.4〔g/min〕で、最外ノズルよりアルギン酸ナトリウム0.8重量%の水溶液を流量5.8〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させ、塩化カルシウム3重量%の水溶液中に滴下し、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率は1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分と界面活性剤成分とからなる水性分散体であり、中間層が油性成分からなり、最外層に皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、5.1mmであり、粒子径分布の変動係数は6.4%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、1.5mmであった。また、皮膜率は41.7重量%であった。
【0051】
実施例8
順次増大する直径を有する3重ノズル〔最内ノズル径0.9mm、中間ノズル径2mm、最外ノズル径3.5mm〕を有する装置を用いて、最内ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリンを流量4.4〔g/min〕で、また中間ノズルよりトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリン〔ココナードMT花王(株)製〕6重量%とポリオキシエチレン(平均付加モル数20)ソルビタントリオレエート12.6重量%〔HLB:11〕、ソルビタンセスキオレエート1.4重量%〔HLB:3.7)を混合し〔平均HLB:10.3〕、そこに水80重量%を投入した水性分散体を流量2.2〔g/min〕で、最外ノズルよりポリスチレン12重量%のジクロロメタン溶液を流量5.8〔g/min〕で、同時に気相中に吐出させ、水に滴下し、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率は1:4のカプセル粒子を得た。該カプセル粒子の内層は、同心状の2層からなり、最内層が油性成分であり、中間層が油性成分と界面活性剤成分とからなる水性分散体で、最外層が皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子であった。
次いで該カプセル粒子を含有する水分散体を50℃に昇温し、100Torrの減圧下で2時間で皮膜中のジクロロメタンを除去し、粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、4mmであり、粒子径分布の変動係数は7.8%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.2mmであった。また、皮膜率は7.9重量%であった。
【0052】
比較例1
実施例3で界面活性剤を用いなかった以外は、実施例3と同様にして継ぎ目無しカプセル粒子を得た。
該カプセル粒子の粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は、5.1mmであり、粒子径分布の変動係数は6.3%であった。平均皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、1.5mmで均一であった。皮膜率は41.7重量%であった。
【0053】
比較例2
順次増大する直径を有する2重ノズル[最内ノズル内径0.6mm外径1.0mm、最外ノズル内径1.5mm]を有する装置を用いて、精製l(エル)-カルボン50g、オクタグリセロールモノオレエート(Quest International社製 商品名Santone8-1-0)50gとデカグリセロールデカオレエート(Quest International社製 商品名Santone 10-10-0)20gを60℃で溶解後、30℃に冷却させた液状組成物を最内ノズルより流量1.1〔g/min〕で、最外ノズルよりゼラチン30重量%、グリセリン4重量%、水66重量%を70℃で溶解後45℃に冷却させた水溶液を流量1.7〔g/min〕で同時に気相中に吐出させて多層液滴を生成させ、2℃に冷却した流動パラフィンの液相中に滴下することにより、粒子内の界面活性剤量と油性成分の重量比率が7:5で、最内層が油性成分と界面活性剤成分とからなり、最外層が皮膜形成体を有する界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子を得た。
該カプセル粒子を温度5℃湿度20%雰囲気中で12時間静置乾燥させ、粒子径Dをノギスで測定したところ平均粒子径は4.4mmであり、粒子径分布の変動係数は15.0%であった。皮膜厚さtはマイクロメータで測定したところ、0.35〜0.75mmの範囲であった。また、皮膜率は43.9重量%であった。
【0054】
試験例1
実施例1〜8および比較例1、2のカプセル粒子の内容液について、乳化性試験を下記のようにして行った。試験装置の概略図を図2に示す。
即ち、カプセル粒子の内容液0.5g分を、2.5リットルの40℃の水中に投入し、下記の条件で撹拌して内層の油性成分を乳化分散させた後40℃で、および40℃で3、6、12時間静置後の乳化の状態を肉眼観察により判断して評価を行った。
攪拌条件;
容器:3リットルビーカー(ビーカーの内径14cm,高さ20cm)
撹拌翼:アンカー翼(翼径5cm,翼高さ5cm,翼幅1cm)
翼の位置:翼の上面が水面より1cm下位
翼の回転数:150rpm
撹拌時間:30秒
【0055】
ここで、乳化特性の評価は以下の基準に基づいて行った。
○:乳化相の分離がほとんど無いか、又は乳化相から遊離した油滴がほとんど無い
△:乳化相の分離による水相が存在するか、又は乳化相の分離による遊離油滴が存在
×:乳化相がほとんど無く、油性成分が遊離した油滴又は油相として存在
その結果、実施例1〜8における内容液は、乳化分散させた後40℃で、および40℃で3、6、12時間静置後いずれも内容液の油性成分が水中できれいに乳化分散し、乳化相の分離がなく評価は○であった。これに対して、界面活性剤を含有していない比較例1、2重ノズルを使用して得られた比較例2の内容液は、油性成分が水中できれいに乳化分散せず、油浮きもかなりあり、乳白度も低く、評価も×であった。
【0056】
試験例2
実施例2で得られたカプセル粒子の内容液5gを取り出して試験管に移し、25℃湿度60%の雰囲気下で6時間静置した後、その性状について肉眼観察を行った。
その結果、試験管中の内容液は、油性成分中に界面活性剤成分が均一に分散していた。
【0057】
【発明の効果】
本発明によると、皮膜に継ぎ目が無くかつ界面活性剤成分および油性成分を含むカプセル粒子を提供することができる。該カプセル粒子は、外観上も好ましく、粒子径分布がシャープであり、皮膜厚さも均一であり溶解性にも優れる。また、内容液の乳化分散性、あるいは界面活性剤の油性成分中への分散・溶解性に優れるため、浴用品、洗浄品等の分野において有効に利用でき、特に入浴剤として用いると、皮膚に効能のある油性成分を界面活性剤により、乳化分散させることができるので有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は本発明における製造方法に用いられる製造装置のノズル部の一例を模式的に示した断面図である。
【図2】
図2は本発明における乳化性試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 最内ノズル
2 中間ノズル
3 最外ノズル
4 最外ノズル入口
5 中間ノズル入口
6 最内ノズル入口
7 3リットルビーカー
8 モーター
9 アンカー翼
D 翼径(5cm)
H 翼高さ(5cm)
m 翼幅(1cm)
h 翼の上面から水面までの距離(1cm)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
1.特許第2961587号の明細書中特許請求の範囲の請求項9の「含存」とあるのを、誤記の訂正を目的として「含有」と訂正する。
2.明りょうでない記載の釈明を目的として、特許第2961587号の明細書中特許請求の範囲の請求項6〜9における「請求項1,2又は6」をとあるのを、「請求項1又は2」に訂正するとともに、請求項6〜9において請求項5を引用する発明を、それぞれ独立した請求項として起こし、請求項10〜13とする。
異議決定日 2001-11-06 
出願番号 特願平5-125060
審決分類 P 1 652・ 121- YA (B01J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中村 泰三繁田 えい子  
特許庁審判長 石井 良夫
特許庁審判官 野田 直人
唐戸 光雄
登録日 1999-08-06 
登録番号 特許第2961587号(P2961587)
権利者 花王株式会社
発明の名称 界面活性剤含有継ぎ目無しカプセル粒子  
代理人 細田 芳徳  
代理人 細田 芳徳  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ