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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09D
管理番号 1055110
異議申立番号 異議2001-71834  
総通号数 28 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-08-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-07-05 
確定日 2002-02-18 
異議申立件数
事件の表示 特許第3121758号「エアバッグ用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物及びエアバッグ」の請求項1ないし2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3121758号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 
理由 I 本件発明
特許第3121758号の請求項1ないし2に係る発明(平成8年2月1日出願、平成12年10月20日設定登録。)は、その特許請求の範囲請求項1ないし2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】(A)(a)コロイダルシリカのコア80〜5重量%
(b)平均組成式 R1aSiO(4-a)/2 ・・・(I)
(式中、R1は炭素数1〜8の置換または非置換の1価の有機基、aは1.02〜2.02の数を示す)で表される分子末端が水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンのシェル20〜95重量%からなるコロイダルシリカ-シリコーンコアシェル体100重量部、
(B)硬化触媒0〜5重量部、
(C)乳化剤1〜20重量部、および
(D)水50〜1000重量部
とから成ることを特徴とするエアバック用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物。
【請求項2】請求項1記載のエマルジョン型シリコーン組成物の硬化被膜を形成したエアバック基布を縫製してなるエアバック。」
(以下「本件発明1ないし2」という。)
II 異議申立ての理由の概要
異議申立人は、甲第1号証(特開平5-98579号公報)及び甲第2号証(特公昭60-22018号公報)を提示し、本件発明1ないし2は、甲第1号証に記載された発明であるか、あるいは甲第1及び2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1ないし2に係る特許は、特許法第29条第1項、第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものであると主張している。
III 甲号各証に記載された発明
甲第1号証には「(A)一分子中にけい素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンを水に乳化してなるシリコーン水性エマルジョン、(B)アミノファンクショナルシランもしくはその加水分解物と酸無水物との反応生成物、エポキシファンクショナルシランもしくはその加水分解物、一分子中にイソシアナート基と加水分解性基とを有するオルガノシランもしくはその加水分解物の1種又は2種以上、(C)コロイダルシリカ、(D)硬化用触媒を含有するシリコーン水性エマルジョン組成物よりなるエアバック用コーティング剤。」(特許請求の範囲請求項1)、「エアバック布に請求項1記載のエアバック用コーティング剤の硬化被膜を形成してなるエアバック。」(同請求項2)が記載されている。
甲第2号証には「(A)(1)1分子中にけい素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部
(2)アニオン系乳化剤 0.3〜20重量部
(3)水 25〜600重量部
からなるシリコーン水性エマルジョン、
(B)(1)アミノファンクショナルシランもしくはその加水分解物と酸無水物との反応生成物 0.1〜10重量部
(2)コロイダルシリカ 1〜50重量部、
からなる均一分散液の上記(A)(1)のオルガノポリシロキサン100重量部に対し1〜60重量部
および
(C)上記(A)(1)のオルガノポリシロキサン100重量部に対し0.01から10重量部の硬化用触媒
からなるシリコーン水性エマルジョン組成物。」(特許請求の範囲第1項)が記載されている。
IV 対比・判断
1 特許法第29条第1項について
本件発明1と甲第1号証に記載された発明とを対比する。
甲第1号証には、(B)成分であるアミノファンクショナルシラン等は、エアバック材をエアバック布にコーティングし、硬化させた際、この硬化被膜が該エアバック布と接着性を増すために加えられる成分であると記載され(段落【0025】)、この記載によれば、該(B)成分は、本件発明1の任意成分として配合が許容されている接着助剤に相当するものであり、そして、本件発明1は該接着助剤を配合することを特に排除してないから(段落【0028】)、両者は、硬化触媒、乳化剤及び水を含有するエアバック用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物である点で一致し、該エマルジョン型シリコーン組成物の主成分が、本件発明1ではコロイダルシリカコアとポリオルガノシロキサンシェルからなるコロイダルシリカ-シリコーンコアシェル体(以下「コアシェル体」という。)であるのに対し、甲第1号証記載の発明はシリコーン水性エマルジョン成分とコロイダルシリカからなる2成分を使用することが記載されているのみであり、上記コアシェル体について記載されていない点で相違している。
したがって、両者は発明の特定事項において明らかに相違しているから、本件発明1は甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。
また、本件発明2は、本件発明1のエマルジョン型シリコーン組成物を使用するエアバッグに係る発明であるから、上記と同様な理由により、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない。
2 特許法第29条第2項について
甲第2号証には、シリコーン水性エマルジョン、アミノファンクショナルシラン、コロイダルシリカ及び硬化用触媒からなるシリコーン水性エマルジョン組成物が記載されているが、該組成物の成分としてコアシェル体を使用することについて記載も示唆もされていない。
そうすると、本件発明1は甲第1号証記載の発明に、甲第2号証記載の発明を併せ考えても、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
そして、本件発明1は上記特定事項を採用することにより明細書記載の効果を奏するものである。
異議申立人は、甲第1号証記載の組成物を硬化させた場合、コロイダルシリカとポリオルガノシロキサンとの間にシロキサン結合が生じたコアシェル体を含む硬化被膜を与えることは自明の事項である旨主張しているので、以下検討する。
本件明細書には「ここでコロイダルシリカ-シリコーンコアシェル体とは、コロイダルシリカをコアとし少なくとも一部をシリコーンが被覆した構成を主成分とし、分離したシリコーン粒子などが若干含まれてもよい。・・・本発明に係るエマルジョン型シリコーン組成物は、次のようにして製造し得る。すなわち、・・・コロイダルシリカと、・・・オルガノシロキサン・・・を、水性媒体中、乳化剤の存在下に重縮合させることによって、コロイダルシリカ-シリコーンコアシェル体水性エマルジョンを調製し、次いで、・・・硬化触媒を添加することによって得られる。」(段落【0008】)と記載され、この記載によれば、コアシェル体は予め調製され、それから、該コアシェル体をエマルジョン型シリコーン組成物の1成分として配合するものであると認められる。
そうすると、甲第1号証に記載されているように、コロイダルシリカとシリコーン水性エマルジョンとを他の成分と共に、硬化させたとしても、本件発明1のコアシェル体が形成されるとはいえず、かつ、これが自明の事項であるとは認められない。また、他にこれを裏付ける証拠を見出すことはできない。よって、異議申立人の主張は採用できない。
したがって、本件発明1は甲第1及び2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明2は、本件発明1のシリコーン組成物を使用するエアバッグに係る発明であるから、上記と同様な理由により、甲第1及び2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
V むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1ないし2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1ないし2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2002-01-24 
出願番号 特願平8-16539
審決分類 P 1 651・ 121- Y (C09D)
P 1 651・ 113- Y (C09D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 近藤 政克  
特許庁審判長 花田 吉秋
特許庁審判官 佐藤 修
山田 泰之
登録日 2000-10-20 
登録番号 特許第3121758号(P3121758)
権利者 ジーイー東芝シリコーン株式会社
発明の名称 エアバッグ用皮膜形成エマルジョン型シリコーン組成物及びエアバッグ  
代理人 溝部 孝彦  
代理人 西川 裕子  
代理人 古谷 聡  
代理人 小島 隆司  
代理人 持田 信二  
代理人 古谷 馨  
代理人 義経 和昌  
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