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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C07D
管理番号 1055717
審判番号 訂正2001-39171  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-11-18 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-09-28 
確定日 2001-11-22 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2976885号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2976885号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 本件審判請求の要旨は、特許第2976885号(平成8年5月31日特許出願;平成7年6月1日及び平成8年3月4日の特許出願に基づく優先権主張、平成11年9月10日特許権設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書の通りに訂正しようとするもの、すなわち、特許請求の範囲の請求項2を削除することを求めるものである。

そこで、この訂正について検討すると、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当するので特許法第126条第1項ただし書き第1号に適合し、また同法第126条第2項〜第4項の規定に違反するものではない。

よって、結論の通り審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
縮合複素環化合物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】5-[4-(6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインスリン抵抗性、高脂血症、高血糖症、妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:GDM)、肥満症、耐糖能不全(impaired glucose tolerance:IGT)状態、糖尿病合併症(例えば網膜症、腎症、神経症、白内障、冠動脈疾患等)、動脈硬化症、白内障および多嚢胞卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)等を改善し、更にアルドース還元酵素阻害作用、5-リポキシゲナーゼ阻害作用および過酸化脂質生成抑制作用を有する新規な縮合複素環化合物またはその塩に関する。
【0002】
更に本発明は、縮合複素環化合物またはその塩を有効成分として含有する、高脂血症、高血糖症、肥満症、耐糖能不全、高血圧症、骨粗鬆症、悪液質、脂肪肝、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障等の予防薬および/または治療薬、および上記疾病以外の、妊娠糖尿病、多嚢胞卵巣症候群等のようなインスリン抵抗性に起因する疾病の予防薬および/または治療薬、ならびに炎症性疾患(例えば骨関節炎、、疼痛、発熱、リウマチ性関節炎、炎症性腸炎等)、アクネ、日焼け、乾癬、湿疹、アレルギー性疾患、喘息、GI潰瘍、心血管性疾患(例えば虚血性心疾患等)、アテローム性動脈硬化症および虚血性疾患により惹起される細胞損傷(例えば卒中により惹起される脳損傷等)等の予防薬および/または治療薬に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、糖尿病、高血糖症治療薬として、インシュリンおよびトリブタミド、グリピジド等のスルホニル尿素化合物が使用されているが、最近、インシュリン非依存性糖尿病治療薬として、チアゾリジンジオン誘導体が知られている。
(1)血糖低下作用を有するチアゾリジン化合物としては、数多くのものが知られている。例えば特開昭55-22636号(特公昭62-42903号)、特開昭60-51189号(特公平2-31079号)、Y.KAWAMATSUら、Chem.Pham.Bull.,30巻、3580-3600頁(1982年)、ヨーロッパ特許公開第0441605号などである。
(2)更に、複素環基を含む化合物としては、例えば特開昭61-286376号、特開平5-213913号、WO92/07850A号(=特表平6-502144号)、WO92/07839A号(=特表平6-502146号)、特開昭61-85372号、特開平1-131169号、特開平2-83384号などに開示されている。
(3)また、血糖低下作用を有するオキサゾリジン-2,4-ジオン化合物が、特開平3-170478号、WO92/02520A号などに開示されている。
(4)更に、N-ヒドロキシウレイド基または3,5-ジオキソオキサジアゾリジン-2-イルメチルフェニル基を含む化合物で同様の活性を有する化合物が、WO92/03425A号(=特表平5-508654号)に開示されている。
【0004】
しかし、これらの化合物は、活性が十分でない、安全性に問題を有する、等の欠点を有する。そして臨床上、さらに強力で安全なこれら疾病の予防薬および/または治療薬が望まれている。
【0005】
そして、チアゾリジン系化合物と各種疾病の関係が、例えば以下に示す文献に記載されている。
【0006】
高血糖症に対するチアゾリジン系化合物の作用がDiabetes.,32(9),804-810(1983);Diabetes.,37(11),1549-1558(1988);Prog.Clin.Biol.Res.,265,177-192(1988);Metabolism.,37(3),276-280(1988);Arzneimittelforschung.,40(1),37-42(1990);Arzneimittelforschung.,40(2 Pt 1),156-162(1990);Arzneimittelforschung.,40(3),263-267(1990)などで報告されている。
【0007】
高脂血症に対するチアゾリジン系化合物の作用がDiabetes.,40(12),1669-1674(1991);Am.J.Physiol.,267(1 Pt 1),E95-E101(1994);Diabetes.,43(10),1203-1210(1994)などで報告されている。
【0008】
耐糖能不全、インスリン抵抗性に対するチアゾリジン系化合物の作用がArzneimittelforschung.,40(2 Pt 1),156-162(1990);Metabolism.,40(10),1025-1230(1991);Diabetes.,43(2),204-211(1994〉;N.Engl.J.Med.,331(18),1226-1227(1994)などで報告されている。
【0009】
高血圧症に対するチアゾリジン系化合物の作用がMetabolism.,42(1),75-80(1993);Am.J.Physiol.,265(4 Pt 2),R726-R732(1993);diabetes.43(2),204-211(1994)などで報告されている。
【0010】
悪液質に対するチアゾリジン系化合物の作用がEndocrinology.,135(5),2279-2282(1994);Endocrinology.,136(4),1474-1481(1995)などで報告されている。
【0011】
腎症に対するチアゾリジン系化合物の作用が糖尿病,第38巻臨時増刊号(1995年)で報告されている。
【0012】
冠動脈疾患に対するチアゾリジン系化合物の作用がAm.J.Physiol.,265(4 Pt 2),R726-R732(1993);Hypertension.,24(2),170-175(1994)などで報告されている。
【0013】
動脈硬化症に対するチアゾリジン系化合物の作用がAm.J.Physiol.,265(4 Pt 2),R726-R732(1993)で報告されている。
【0014】
更に、近年、耐糖能不全を伴わないインスリン抵抗性を有する正常人が糖尿病を発症するリスクが高い[インスリン抵抗性非耐糖能不全(insulin resistant non-IGT:NGT)という。]ことがN.Engl.J.Med.,331(18),1226-1227(1994)で報告されている。インスリン抵抗性を改善する医薬は上記のような正常人の糖尿病発症の予防薬として有用であることが示唆される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、インスリン抵抗性、高脂血症、高血糖症、妊娠糖尿病、肥満症、耐糖能不全状態、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障および多嚢胞卵巣症候群等を改善し、更にアルドース還元酵素阻害作用、5-リポキシゲナーゼ阻害作用および過酸化脂質生成抑制作用を有する誘導体の合成とその薬理活性について鋭意研究をおこなった結果、新規な縮合複素環化合物が優れた薬理活性を有することを見出して本発明を完成した。
【0016】
更に、本発明のほかの目的は、該縮合複素環化合物および/またはその塩を有効成分として含有する高脂血症、高血糖症、肥満症、耐糖能不全、高血圧症、骨粗鬆症、悪液質、脂肪肝、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障等の予防薬および/または治療薬、および上記疾病以外の、妊娠糖尿病、多嚢胞卵巣症候群等のようなインスリン抵抗性に起因する疾病の予防薬および/または治療薬、ならびに炎症性疾患、アクネ、日焼け、乾癬、湿疹、アレルギー性疾患、喘息、GI潰瘍、心血管性疾患、アテローム性動脈硬化症および虚血性疾患により惹起される細胞損傷等の予防薬および/または治療薬を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1) 一般式(1)
【0018】
【化1】

【0019】
を有する縮合複素環化合物またはその塩に関する。
【0020】
但し、式中、
Xはベンズイミダゾール環基を示し、該基は1ないし5個の後述する置換分(a)を有していてもよい。
【0021】
Yは酸素原子または硫黄原子を示す。
【0022】
Zは
【0023】
【化2】

【0024】
(以下、これらを 2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル基、2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基、 2,4-ジオギソオキサゾリジン-5-イルメチル基、 3,5-ジオキソオキサジアゾリジン-2-イルメチル基およびN-ヒドロキシウレイドメチル基という)
を示す。
【0025】
Rは水素原子、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、置換分(b)を有していてもよいアミノ基(該置換分(b)は炭素数1ないし8個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基、炭素数6ないし10個を有するアリール基、炭素数1ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族アシル基、炭素数8ないし12個を有する芳香脂肪族アシル基または炭素数7ないし11個を有する芳香族アシル基を示す。)または炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基を示す。
【0026】
mは1ないし5の整数を示す。
【0027】
ここに、置換分(a)は炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基フェニルチオ基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、置換分(b)を有していてもよいアミノ基(該置換分(b)は炭素数1ないし8個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基、炭素数6ないし10個を有するアリール基、炭素数1ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族アシル基、炭素数8ないし12個を有する芳香脂肪族アシル基または炭素数7ないし11個を有する芳香族アシル基を示す。)、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基(該置換分(c)は炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、置換分(b)を有していてもよいアミノ基)、または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基を示す。
【0028】
上記化合物中、好適な化合物は、
(2) (1)において、Rが水素原子、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子である縮合複素環化合物またはその塩、
(3) (1)において、Yが酸素原子である縮合複素環化合物またはその塩、および
(4) (1)において、Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基、2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル基または2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル基である縮合複素環化合物またはその塩であり、
特に好適な化合物は、
(5) (1)において、
Rが水素原子、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子であり、
Yが酸素原子であり、
Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基、2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル基または2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル基である縮合複素環化合物またはその塩である。
【0029】
より好適な化合物としては、
(6) (1)において、Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基または2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル基である縮合複素環化合物またはその塩、
(7) (1)において、Rが水素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子または塩素原子である縮合複素環化合物またはその塩、および
(8) (1)において、mが1ないし3の整数である縮合複素環化合物またはその塩であり、
特に好適な化合物は、
(9) (1)において、
Yが酸素原子であり、
Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基または2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル基であり、
Rが水素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子または塩素原子であり、
mが1、2または3である縮合複素環化合物またはその塩である。
【0030】
更に好適な化合物は、
(10) (1)において、Xが1ないし5個の下記置換分(a’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’)は炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、フェニルチオ基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、ベンジル基またはフェニル基である、
である縮合複素環化合物またはその塩、
(11) (1)において、Zが2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル基である縮合複素環化合物またはその塩、および
(12) (1)において、Rが水素原子、メチル基またはメトキシ基である縮合複素環化合物またはその塩であり、
特に好適な化合物は、
(13) (1)において、
Xが1ないし5個の下記置換分(a’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’)は炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、フェニルチオ基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、ベンジル基またはフェニル基である、
であり、
Yが酸素原子であり、
Zが2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル基であり、
Rが水素原子、メチル基またはメトキシ基であり、
mが1ないし3の整数である縮合複素環化合物またはその塩である。
【0031】
更に好適な化合物としては、
(14) (1)において、Xが1ないし5個の下記置換分(a’’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’’)はメチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ベンジルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、ベンジル基またはフェニル基である、
である縮合複素環化合物またはその塩、
(15) (1)において、Rが水素原子である縮合複素環化合物またはその塩、および
(16) (1)において、mが1または2である縮合複素環化合物またはその塩であり、
特に好適な化合物は、
(17) (1)において、
Xが1ないし5個の下記置換分(a’’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’’)はメチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ベンジルオキシ基、フッ素原子、塩素原子、フェニルチオ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基、ベンジル基またはフェニル基である、
であり、
Yが酸素原子であり、
Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基であり、
Rが水素原子であり、
mが1または2である縮合複素環化合物またはその塩である。
【0032】
更に好適な化合物としては、
(18) (1)において、Xが1ないし5個の下記置換分(a’’’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’’’)はメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基またはベンジル基である、
である縮合複素環化合物またはその塩、および
(19) (1)において、mが1である縮合複素環化合物またはその塩であり、
特に好適な化合物は、
(20) (1)において、
Xが1ないし5個の下記置換分(a’’’)を有していてもよいベンズイミダゾール環基:
置換分(a’’’)はメチル基、メトキシ基、ヒドロキシ基、アセトキシ基またはベンジル基である、
であり、
Yが酸素原子であり、
Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル基であり、
Rが水素原子であり、
mが1である縮合複素環化合物またはその塩である。
【0033】
最も好適な化合物としては、
(21) 5-[4-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩、
(22) 5-[4-(6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩、
(23) 5-[4-(5-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩、
(24) 5-[4-(1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩、
(25) 5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩、および
(26) 5-[4-(5-アセトキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンまたはその塩である。
【0034】
本発明の新規な「医薬」、「インスリン抵抗性に起因する疾病の予防薬および/または治療薬」、「高血糖症予防薬および/または治療薬」、「糖尿病合併症の予防薬および/または治療薬」、「動脈硬化症予防薬および/または治療薬」、「高脂血症予防薬および/または治療薬」、「肥満症予防薬および/または治療薬」、「耐糖能不全予防薬および/または治療薬」、「高血圧症予防薬および/または治療薬」、「多嚢胞卵巣症候群予防薬および/または治療薬」、「妊娠糖尿病予防薬および/または治療薬」、「インスリン抵抗性非耐糖能不全予防薬および/または治療薬」、「炎症性疾患予防薬および/または治療薬」、「白内障予防薬および/または治療薬」は、上記(1)ないし(26)に記載の縮合複素環化合物またはその塩を有効成分として含有する。
【0035】
ここに、
Xがベンズイミダゾール環基を示す場合、該ベンズイミダゾール環基としては、例えば1-ベンズイミダゾリル、2-ベンズイミダゾリル、4-ベンズイミダゾリル、5-ベンズイミダゾリル、6-ベンズイミダゾリル、7-ベンズイミダゾリルなどをあげることができる。
【0036】
R、置換分(a)および/または置換分(c)が同一もしくは異なって、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す場合、該アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチルなどをあげることができる。好適にはメチル、エチルであり、最適にはメチルである。
【0037】
R、置換分(a)および/または置換分(c)が同一もしくは異なって、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基を示す場合、該アルコキシ基としては例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシなどをあげることができる。好適にはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシであり、より好適にはメトキシ、エトキシであり、最適にはメトキシである。
【0038】
R、置換分(a)および/または置換分(c)が同一もしくは異なって、ハロゲン原子を示す場合、該ハロゲン原子としては臭素原子、塩素原子、フッ素原子などをあげることができる。好適には塩素原子、フッ素原子であり、最適にはフッ素原子である。
【0039】
R、置換分(a)および/または置換分(b)が同一もしくは異なって、炭素数7ないし11個を有するアラルキル基を示す場合、該アラルキル基としては、アルキレン部分が炭素数1ないし5個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンであり、例えば、ベンジル、2-フェニルエチル、1-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、1-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、1-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチルなどをあげることができる。好適にはベンジルである。
【0040】
R、置換分(a)および/または置換分(c)が同一もしくは異なって、置換分(b)を有していてもよいアミノ基を示す場合において、置換分(b)が
1)炭素数1ないし8個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を示す場合、該アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、4-ヘプチル、3,3-ジメチルペンチル、オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、1,1,3,3-テトラメチルブチルなどをあげることができる。好適には炭素数1ないし6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基である。最適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基である。特に最適にはメチル基、エチル基である。
【0041】
2)炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基を示す場合、該アラルキル基としては上記置換分(a)で述べたアラルキル基と同じである。
【0042】
3)炭素数6ないし10個を有するアリール基を示す場合、該アリール基としては、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルなどをあげることができる。
【0043】
4)炭素数1ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族アシル基を示す場合、該脂肪族アシル基としては、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイルなどをあげることができる。好適にはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘキサノイルである。
【0044】
5)炭素数8ないし12個を有する芳香脂肪族アシル基を示す場合、該芳香脂肪族アシル基としては、例えばフェニルアセチル、3-フェニルプロピオニル、4-フェニルブチリル、5-フェニルペンタノイル、6-フェニルヘキサノイル、α-メチルフェニルアセチル、α,α-ジメチルフェニルアセチルなどをあげることができる。好適にはフェニルアセチルである。
【0045】
6)炭素数7ないし11個を有する芳香族アシル基を示す場合、該芳香族アシル基としては、例えばベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイルなどをあげることができる。好適にはベンゾイルである。
【0046】
従って、ここにR、置換分(a)および/または置換分(c)が同一もしくは異なって、置換分(b)を有していてもよいアミノ基を示す場合、該アミノ基としては例えば以下のような基をあげることができる。
【0047】
1)メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s-ブチルアミノ、t-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、2-ペンチルアミノ、3-ペンチルアミノ、2-メチルブチルアミノ、3-メチルブチルアミノ、1,1-ジメチルプロピルアミノ、1,2-ジメチルプロピルアミノ、2,2-ジメチルプロピルアミノ、ヘキシルアミノ、2-ヘキシルアミノ、3-ヘキシルアミノ、2-メチルペンチルアミノ、3-メチルペンチルアミノ、4-メチルペンチルアミノ、1,1-ジメチルブチルアミノ、1,2-ジメチルブチルアミノ、1,3-ジメチルブチルアミノ、2,2-ジメチルブチルアミノ、2,3-ジメチルブチルアミノ、3,3-ジメチルブチルアミノ、1,1,2-トリメチルプロピルアミノ、1,2,2-トリメチルプロピルアミノ、ヘプチルアミノ、2-ヘプチルアミノ、3-ヘプチルアミノ、4-ヘプチルアミノ、3,3-ジメチルペンチルアミノ、オクチルアミノ、1-メチルヘプチルアミノ、2-エチルヘキシルアミノ、1,1,3,3-テトラメチルブチルアミノのような水素原子とアルキルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0048】
2)ベンジルアミノ、2-フェニルエチルアミノ、1-フェニルエチルアミノ、3-フェニルプロピルアミノ、2-フェニルプロピルアミノ、1-フェニルプロピルアミノ、4-フェニルブチルアミノ、1-フェニルブチルアミノ、5-フェニルペンチルアミノ、1-ナフチルメチルアミノ、2-ナフチルメチルアミノのような水素原子とアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0049】
3)フェニルアミノ、1-ナフチルアミノ、2-ナフチルアミノのような水素原子とアリールとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0050】
4)ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ピバロイルアミノ、ペンタノイルアミノ、ヘキサノイルアミノ、ヘプタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、ノナノイルアミノ、デカノイルアミノ、ウンデカノイルアミノのような水素原子と脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0051】
5)フェニルアセチルアミノ、3-フェニルプロピオニルアミノ、4-フェニルブチリルアミノ、5-フェニルペンタノイルアミノ、6-フェニルヘキサノイルアミノ、α-メチルフェニルアセチルアミノ、α,α-ジメチルフェニルアセチルアミノのような水素原子と芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0052】
6)ベンゾイルアミノ、1-ナフトイルアミノ、2-ナフトイルアミノのような水素原子と芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0053】
7)ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-メチル-N-エチルアミノ、N-メチル-N-ペンチルアミノのようなアルキルとアルキルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0054】
8)N-エチル-N-ベンジルアミノ、N-t-ブチル-N-ベンジルアミノ、N-ヘキシル-N-ベンジルアミノのようなアルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0055】
9)N-メチル-N-フェニルアミノ、N-エチル-N-フェニルアミノ、N-オクチル-N-フェニルアミノのようなアルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0056】
10)N-プロピル-N-アセチルアミノ、N-ペンチル-N-プロピオニルアミノ、N-エチル-N-ヘキサノイルアミノのようなアルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0057】
11)N-エチル-N-フェニルアセチルアミノ、N-イソプロピル-N-(2-フェニルプロピオニル)アミノ、N-メチル-N-(6-フェニルヘキサノイル)アミノのようなアルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0058】
12)N-メチル-N-ベンゾイルアミノ、N-s-ブチル-N-ベンゾイルアミノ、N-ヘプチル-N-ベンゾイルアミノのようなアルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0059】
13)ジベンジルアミノ、N-ベンジル-N-(3-フェニルプロピル)アミノ、N-ベンジル-N-(2-ナフチルメチル)アミノのようなアラルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0060】
14)N-ベンジル-N-フェニルアミノ、N-(3-フェニルプロピル)-N-フェニルアミノのようなアラルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0061】
15)N-ベンジル-N-アセチルアミノ、N-ベンジル-N-プロピオニルアミノ、N-ベンジル-N-ペンタノイルアミノのようなアラルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0062】
16)N-ベンジル-N-フェニルアセチルアミノ、N-ベンジル-N-(4-フェニルブチリル)アミノのようなアラルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0063】
17)N-ベンジル-N-ベンゾイルアミノ、N-(2-フェニルエチル)-N-ベンゾイルアミノのようなアラルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0064】
18)ジフェニルアミノ、N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ、N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノのようなアリールとアリールとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0065】
19)N-フェニル-N-アセチルアミノ、N-フェニル-N-プロピオニルアミノ、N-フェニル-N-ヘキサノイルアミノのようなアリールと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0066】
20)N-フェニル-N-フェニルアセチルアミノ、N-フェニル-N-(4-フェニルブチリル)アミノのようなアリールと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0067】
21)N-フェニル-N-ベンゾイルアミノ、N-フェニル-N-(2-ナフトイル)アミノのようなアリールと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0068】
22)ジアセチルアミノ、N-アセチル-N-プロピオニルアミノ、N-ブチリル-N-ヘキサノイルアミノのような脂肪族アシルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0069】
23)N-アセチル-N-フェニルアセチルアミノ、N-アセチル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ、N-ブチリル-N-フェニルアセチルアミノのような脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0070】
24)N-アセチル-N-ベンゾイルアミノ、N-ブチリル-N-(2-ナフトイル)アミノのような脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0071】
25)N、N-ジフェニルアセチルアミノ、N-フェニルアセチル-N-(2-フェニルプロピオニル)アミノ、N-フェニルアセチル-N-(4-フェニルブチリル)アミノのような芳香脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0072】
26)N-フェニルアセチル-N-ベンゾイルアミノ、N-フェニルアセチルーN-(2-ナフトイル)アミノのような芳香脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0073】
27)ジベンゾイルアミノ、N-ベンゾイル-N-(2-ナフトイル)アミノのような芳香族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノ基をあげることができる。
【0074】
置換分(a)が、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルチオ基を示す場合、該アルキルチオ基としては例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s-ブチルチオ、t-ブチルチオなどをあげることができる。
【0075】
置換分(a)が、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基を示す場合、該アリール基としては、例えばフェニル、1-ナフチル、2-ナフチルなどをあげることができる。
【0076】
更に置換分(c)が炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、置換分(b)を有していてもよいアミノ基である場合、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換分(b)を有していてもよいアミノ基については、既に前述した。
【0077】
そこで置換分(a)が、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基を示す場合、該アリール基としては例えば以下のような基を挙げることができる。
1) 例えば、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-プロピルフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-ブチルフェニル、4-イソブチルフェニル、4-s-ブチルフェニル、4-t-ブチルフェニル、4-メチル-1-ナフチル、5-エチル-1-ナフチル、8-プロピル-1-ナフチル、4-イソプロピル-1-ナフチル-5-ブチル-1-ナフチル、4-イソブチル-1-ナフチル、4-s-ブチル-1-ナフチル、4-t-ブチル-1-ナフチル、4-メチル-2-ナフチル、5-エチル-2-ナフチル、8-プロピル-2-ナフチル、4-イソプロピル-2-ナフチル、5-ブチル-2-ナフチル、8-イソブチル-2-ナフチル、4-s-ブチル-2-ナフチル、5-t-ブチル-2-ナフチルのような炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルを有するアリール基;
2) 例えば、4-メトキシフェニル、4-エトキシフェニル、4-プロポキシフェニル、4-イソプロポキシフェニル、4-ブトキシフェニル、4-イソブトキシフェニル、4-s-ブトキシフェニル、4-t-ブトキシフェニル、4-メトキシ-1-ナフチル、5-エトキシ-1-ナフチル、8-プロポキシ-1-ナフチル、4-イソプロポキシ-1-ナフチル、5-ブトキシ-1-ナフチル、4-イソブトキシ-1-ナフチル、4-s-ブトキシ-1-ナフチル、4-t-ブトキシ-1-ナフチル、4-メトキシー2-ナフチル、5-エトキシ-2-ナフチル、8-プロポキシ-2-ナフチル、4-イソプロポキシ-2-ナフチル、5-ブトキシ-2-ナフチル、8-イソブトキシ-2-ナフチル、4-s-ブトキシ-2-ナフチル、5-t-ブトキシ-2-ナフチルのような炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを有するアリール基;
3) 例えば、4-臭化フェニル、4-塩化フェニル、4-フッ化フェニル、4-沃化フェニル、3-塩化フェニル、3-フッ化フェニル、3-臭化フェニル、3-沃化フェニル、4-臭化-1-ナフチル、4-塩化-1-ナフチル、4-フッ化-1-ナフチル、4-沃化-1-ナフチル、5-塩化-1-ナフチル、5-フッ化-1-ナフチル、5-臭化-1-ナフチル、8-塩化-1-ナフチル、4-フッ化-2-ナフチル、4-臭化-2-ナフチル、4-塩化-2-ナフチル、4-沃化-2-ナフチル、5-臭化-2-ナフチル、5-塩化-2-ナフチル、5-フッ化-2-ナフチル、5-沃化-2-ナフチルのようなハロゲン原子を有するアリール基;
4) 例えば、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシ-1-ナフチル、5-ヒドロキシ-1-ナフチル、8-ヒドロキシ-1-ナフチル、4-ヒドロキシ-2-ナフチル、5-ヒドロキシ-2-ナフチル、8-ヒドロキシ-2-ナフチルのようなヒドロキシを有するアリール基;
5) 例えば、2-ニトロフェニル、3-ニトロフェニル、4-ニトロフェニル、4-ニトロ-1-ナフチル、5-ニトロ-1-ナフチル、8-ニトロ-1-ナフチル、4-ニトロ-2-ナフチル、5-ニトロ-2-ナフチル、8-ニトロ-2-ナフチルのようなニトロを有するアリール基;
6) 例えば、3-フェニルフェニル、4-フェニルフェニル、4-フェニル-1-ナフチル、5-フェニル-1-ナフチル、8-フェニル-1-ナフチル、4-フェニル-2-ナフチル、5-フェニル-2-ナフチル、8-フェニル-2-ナフチルのようなフェニルを有するアリール基;
7) 例えば、3-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-トリフルオロメチル-1-ナフチル、5-トリフルオロメチル-1-ナフチル、8-トリフルオロメチル-1-ナフチル、4-トリフルオロメチル-2-ナフチル、5-トリフルオロメチル-2-ナフチル、8-トリフルオロメチル-2-ナフチルのようなトリフルオロメチルを有するアリール基;
8) 例えば2-アミノフェニル、3-アミノフェニル、4-アミノフェニル、4-アミノ-1-ナフチル、8-アミノ-2-ナフチルのような無置換アミノを有するアリール基;
置換アミノを有するアリール基としては、
i)例えば3-メチルアミノフェニル、4-エチルアミノフェニル、3-プロピルアミノフェニル、3-イソプロピルアミノフェニル、4-ブチルアミノフェニル、3-イソブチルアミノフェニルのような水素原子とアルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
ii)例えば4-ベンジルアミノフェニル、4-(2-フェニルエチルアミノ)フェニル、4-(1-フェニルエチルアミノ)フェニル、4-(4-フェニルブチルアミノ)フェニル、4-(1-ナフチルメチルアミノ)フェニルのような水素原子とアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
iii)例えば4-フェニルアミノフェニル、4-(1-ナフチルアミノ)フェニルのような水素原子とアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
iv)例えば4-ホルミルアミノフェニル、4-アセチルアミノフェニル、4-ブチリルアミノフェニル、4-ピバロイルアミノフェニル、4-ヘキサノイルアミノフェニル、4-オクタノイルアミノフェニル、4-ウンデカノイルアミノフェニルのような水素原子と脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
v)例えば4-フェニルアセチルアミノフェニル、4-(4-フェニルブチリルアミノ)フェニル、4-(6-フェニルヘキサノイルアミノ)フェニル、4-(α-メチルフェニルアセチルアミノ)フェニル、4-(α,α-ジメチルフェニルアセチルアミノ)フェニルのような水素原子と芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
vi)例えば4-ベンゾイルアミノフェニル、4-(1-ナフトイルアミノ)フェニル、4-(2-ナフトイルアミノ)フェニルのような水素原子と芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
vii)例えば4-ジメチルアミノフェニル、4-ジエチルアミノフェニル、4-(N-メチル-N-エチルアミノ)フェニルのようなアルキルとアルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
viii)例えば4-(N-エチル-N-ベンジルアミノ)フェニル、4-(N-t-ブチル-N-ベンジルアミノ)フェニル、4-(N-ヘキシル-N-ベンジルアミノ)フェニルのようなアルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
ix)例えば4-(N-メチル-N-フェニルアミノ)フェニル、4-(N-オクチル-N-フェニルアミノ)フェニルのようなアルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
x)例えば4-(N-プロピル-N-アセチルアミノ)フェニル、4-(N-エチル-N-ヘキサノイルアミノ)フェニルのようなアルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xi)例えば4-(N-エチル-N-フェニルアセチルアミノ)フェニル、4-[N-メチル-N-(6-フェニルヘキサノイル)アミノ]フェニルのようなアルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xii)例えば4-(N-メチル-N-ベンゾイルアミノ)フェニル、4-(N-ヘプチル-N-ベンゾイルアミノ)フェニルのようなアルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xiii)例えば4-ジベンジルアミノフェニル、4-[N-ベンジル-N-(2-ナフチルメチル)アミノ]フェニルのようなアラルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xiv)例えば4-(N-ベンジル-N-フェニルアミノ)フェニル、4-[N-(3-フェニルプロピル)-N-フェニルアミノ]フェニルのようなアラルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xv)例えば4-(N-ベンジル-N-アセチルアミノ)フェニル、4-(N-ベンジル-N-ペンタノイルアミノ)フェニルのようなアラルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xvi)例えば4-(N-ベンジル-N-フェニルアセチルアミノ)フェニル、4-[N-ベンジル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]フェニルのようなアラルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xvii)例えば4-(N-ベンジル-N-ベンゾイルアミノ)フェニル、4-[N-(2-フェニルエチル)-N-ベンゾイルアミノ]フェニルのようなアラルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xviii)例えば4-(ジフェニルアミノ)フェニル、4-[N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ]フェニルのようなアリールとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xix)例えば4-(N-フェニル-N-アセチルアミノ)フェニル、4-(N-フェニル-N-ヘキサノイルアミノ)フェニルのようなアリールと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xx)例えば4-(N-フェニル-N-フェニルアセチルアミノ)フェニル、4-[N-フェニル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]フェニルのようなアリールと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxi)例えば4-(N-フェニル-N-ベンゾイルアミノ)フェニルのようなアリールと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxii)例えば4-ジアセチルアミノフェニル、4-(N-ブチリル-N-ヘキサノイルアミノ)フェニルのような脂肪族アシルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxiii)例えば4-(N-アセチル-N-フェニルアセチルアミノ)フェニル、4-(N-ブチリル-N-フェニルアセチルアミノ)フェニルのような脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxiv)例えば4-(N-アセチル-N-ベンゾイルアミノ)フェニル、4-[N-ブチリル-N-(2-ナフトイル)アミノ]フェニルのような脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxv)例えば4-(N、N-ジフェニルアセチルアミノ)フェニル、4-[N-フェニルアセチル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]フェニルのような芳香脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxvi)例えば4-(N-フェニルアセチル-N-ベンゾイルアミノ)フェニル、4-[N-フェニルアセチル-N-(2-ナフトイル)アミノ]フェニルのような芳香脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
xxvii)例えば4-ジベンゾイルアミノフェニル、4-[N-ベンゾイル-N-(2-ナフトイル)アミノ]フェニルのような芳香族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアリール;
を挙げることができる。
【0078】
置換分(a)が、置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有するアラルキル基を示す場合、該アラルキル基としては、アルキレン部分が炭素数1ないし5個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレンであり、例えば、ベンジル、2-フェニルエチル、1-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、1-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、1-フェニルブチル、5-フェニルペンチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチルなどをあげることができる。
【0079】
更に置換分(c)が炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、フェニル基、トリフルオロメチル基、置換分(b)を有していてもよいアミノ基である場合、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシ基、ハロゲン原子、置換分(b)を有していてもよいアミノ基については、既に前述した。
【0080】
そこで置換分(a)が、置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有するアラルキル基を示す場合、該アラルキル基としては幌えば以下のような基を挙げることができる。
1) 例えば、4-メチルベンジル、4-エチルベンジル、4-プロピルベンジル、4-イソプロピルベンジル、4-ブチルベンジル、4-イソブチルベンジル、4-s-ブチルベンジル、4-t-ブチルベンジル、4-メチル-1-ナフチルメチル、5-エチルー1-ナフチルメチル、8-プロピル-1-ナフチルメチル、4-イソプロピル-1-ナフチルメチル、5-ブチル-1-ナフチルメチル、4-イソブチル-1-ナフチルメチル、4-s-ブチル-1-ナフチルメチル、4-t-ブチル-1-ナフチルメチル、4-メチル-2-ナフチルメチル、5-エチル-2-ナフチルメチル、8-プロピル-2-ナフチルメチル、4-イソプロピル-2-ナフチルメチル、5-ブチル-2-ナフチルメチル、8-イソブチル-2-ナフチルメチル、4-s-ブチル-2-ナフチルメチル、5-t-ブチル-2-ナフチルメチルのような炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキルを有するアラルキル基;
2) 例えば、4-メトキシベンジル、4-エトキシベンジル、4-プロポキシベンジル、4-イソプロポキシベンジル、4-ブトキシベンジル、4-イソブトキシベンジル、4-s-ブトキシベンジル、4-t-ブトキシベンジル、4-メトキシー1-ナフチルメチル、5-エトキシ-1-ナフチルメチル、8-プロポキシ-1-ナフチルメチル、4-イソプロポキシ-1-ナフチルメチル、5-ブトキシ-1-ナフチルメチル、4-イソブトキシ-1-ナフチルメチル、4-s-ブトキシ-1-ナフチルメチル、4-t-ブトキシ-1-ナフチルメチル、4-メトキシ-2-ナフチルメチル、5-エトキシ-2-ナフチルメチル、8-プロポキシ-2-ナフチルメチル、4-イソプロポキシ-2-ナフチルメチル、5-ブトキシ-2-ナフチルメチル、8-イソブトキシ-2-ナフチルメチル、4-s-ブトキシ-2-ナフチルメチル、5-t-ブトキシ-2-ナフチルメチルのような炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコキシを有するアラルキル基;
3) 例えば、4-臭化ベンジル、4-塩化ベンジル、4-フッ化ベンジル、4-沃化ベンジル、3-塩化ベンジル、3-フッ化ベンジル、3-臭化ベンジル、3-沃化ベンジル、4-臭化-1-ナフチルメチル、4-塩化-1-ナフチルメチル、4-フッ化-1-ナフチルメチル、4-沃化-1-ナフチルメチル、5-塩化-1-ナフチルメチル、5-フッ化-1-ナフチルメチル、5-臭化-1-ナフチルメチル、8-塩化-1-ナフチルメチル、4-フッ化-2-ナフチルメチル、4-臭化-2-ナフチルメチル、4-塩化-2-ナフチルメチル、4-沃化-2-ナフチルメチル、5-臭化-2-ナフチルメチル、5-塩化-2-ナフチルメチル、5-フッ化-2-ナフチルメチル、5-沃化-2-ナフチルメチルのようなハロゲン原子を有するアラルキル基;
4) 例えば、2-ヒドロキシベンジル、3-ヒドロキシベンジル、4-ヒドロキシベンジル、4-ヒドロキシ-1-ナフチルメチル、5-ヒドロキシ-1-ナフチルメチル、8-ヒドロキシ-1-ナフチルメチル、4-ヒドロキシ-2-ナフチルメチル、5-ヒドロキシ-2-ナフチルメチル、8-ヒドロキシ-2-ナフチルメチルのようなヒドロキシを有するアラルキル基;
5) 例えば、2-ニトロベンジル、3-ニトロベンジル、4-ニトロベンジル、4-ニトロ-1-ナフチルメチル、5-ニトロ-1-ナフチルメチル、8-ニトロ-1-ナフチルメチル、4-ニトロ-2-ナフチルメチル、5-ニトロ-2-ナフチルメチル、8-ニトロ-2-ナフチルメチルのようなニトロを有するアラルキル基;
6) 例えば、3-フェニルベンジル、4-フェニルベンジル、4-フェニル-1-ナフチルメチル、5-フェニル-1-ナフチルメチル、8-フェニル-1-ナフチルメチル、4-フェニル-2-ナフチルメチル、5-フェニル-2-ナフチルメチル、8-フェニル-2-ナフチルメチルのようなフェニルを有するアラルキル基;
7) 例えば、3-トリフルオロメチルベンジル、4-トリフルオロメチルベンジル、4-トリフルオロメチル-1-ナフチルメチル、5-トリフルオロメチル-1-ナフチルメチル、8-トリフルオロメチル-1-ナフチルメチル、4-トリフルオロメチル-2-ナフチルメチル、5-トリフルオロメチル-2-ナフチルメチル、8-トリフルオロメチル-2-ナフチルメチルのようなトリフルオロメチルを有するアラルキル基;
8) 例えば2-アミノベンジル、3-アミノベンジル、4-アミノベンジル、4-アミノ-1-ナフチルメチル、8-アミノ-2-ナフチルメチルのような無置換アミノを有するアラルキル基;
置換アミノを有するアラルキル基としては、
i)例えば3-メチルアミノベンジル、4-エチルアミノベンジル、3-プロピルアミノベンジル、3-イソプロピルアミノベンジル、4-ブチルアミノベンジル、3-イソブチルアミノベンジルのような水素原子とアルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
ii)例えば4-ベンジルアミノベンジル、4-(2-フェニルエチルアミノ)ベンジル、4-(1-フェニルエチルアミノ)ベンジル、4-(4-フェニルブチルアミノ)ベンジル、4-(1-ナフチルメチルアミノ)ベンジルのような水素原子とアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
iii)例えば4-フェニルアミノベンジル、4-(1-ナフチルアミノ)ベンジルのような水素原子とアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
iv)例えば4-ホルミルアミノベンジル、4-アセチルアミノベンジル、4-ブチリルアミノベンジル、4-ピバロイルアミノベンジル、4-ヘキサノイルアミノベンジル、4-オクタノイルアミノベンジル、4-ウンデカノイルアミノベンジルのような水素原子と脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
v)例えば4-フェニルアセチルアミノベンジル、4-(4-フェニルブチリルアミノ)ベンジル、4-(6-フェニルヘキサノイルアミノ)ベンジル、4-(α-メチルフェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-(α,α-ジメチルフェニルアセチルアミノ)ベンジルのような水素原子と芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
vi)例えば4-ベンゾイルアミノベンジル、4-(1-ナフトイルアミノ)ベンジル、4-(2-ナフトイルアミノ)ベンジルのような水素原子と芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
vii)例えば4-ジメチルアミノベンジル、4-ジエチルアミノベンジル、4-(N-メチル-N-エチルアミノ)ベンジルのようなアルキルとアルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
viii)例えば4-(N-エチル-N-ベンジルアミノ)ベンジル、4-(N-t-ブチル-N-ベンジルアミノ)ベンジル、4-(N-ヘキシル-N-ベンジルアミノ)ベンジルのようなアルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
ix)例えば4-(N-メチル-N-フェニルアミノ)ベンジル、4-(N-オクチル-N-フェニルアミノ)ベンジルのようなアルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
x)例えば4-(N-プロピル-N-アセチルアミノ)ベンジル、4-(N-エチル-N-ヘキサノイルアミノ)ベンジルのようなアルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xi)例えば4-(N-エチル-N-フェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-[N-メチル-N-(6-フェニルヘキサノイル)アミノ]ベンジルのようなアルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xii)例えば4-(N-メチル-N-ベンゾイルアミノ)ベンジル、4-(N-ヘプチル-N-ベンゾイルアミノ)ベンジルのようなアルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xiii)例えば4-ジベンジルアミノベンジル、4-[N-ベンジル-N-(2-ナフチルメチル)アミノ]ベンジルのようなアラルキルとアラルキルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xiv)例えば4-(N-ベンジル-N-フェニルアミノ)ベンジル、4-[N-(3-フェニルプロピル)-N-フェニルアミノ]ベンジルのようなアラルキルとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xv)例えば4-(N-ベンジル-N-アセチルアミノ)ベンジル、4-(N-ベンジル-N-ペンタノイルアミノ)ベンジルのようなアラルキルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xvi)例えば4-(N-ベンジル-N-フェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-[N-ベンジル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]ベンジルのようなアラルキルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xvii)例えば4-(N-ベンジル-N-ベンゾイルアミノ)ベンジル、4-[N-(2-フェニルエチル)-N-ベンゾイルアミノ]ベンジルのようなアラルキルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xviii)例えば4-ジフェニルアミノベンジル、4-[N-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ベンジルのようなアリールとアリールとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xix)例えば4-(N-フェニル-N-アセチルアミノ)ベンジル、4-(N-フェニル-N-ヘキサノイルアミノ)ベンジルのようなアリールと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xx)例えば4-(N-フェニル-N-フェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-[N-フェニル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]ベンジルのようなアリールと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxi)例えば4-(N-フェニル-N-ベンゾイルアミノ)ベンジルのようなアリールと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxii)例えば4-ジアセチルアミノベンジル、4-(N-ブチリル-N-ヘキサノイルアミノ)ベンジルのような脂肪族アシルと脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxiii)例えば4-(N-アセチル-N-フェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-(N-ブチリル-N-フェニルアセチルアミノ)ベンジルのような脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxiv)例えば4-(N-アセチル-N-ベンゾイルアミノ)ベンジル、4-[N-ブチリル-N-(2-ナフトイル)アミノ]ベンジルのような脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxv)例えば4-(N、N-ジフェニルアセチルアミノ)ベンジル、4-[N-フェニルアセチル-N-(4-フェニルブチリル)アミノ]ベンジルのような芳香脂肪族アシルと芳香脂肪族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxvi)例えば4-(N-フェニルアセチル-N-ベンゾイルアミノ)べンジル、4-[N-フェニルアセチル-N-(2-ナフトイル)アミノ]ベンジルのような芳香脂肪族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
xxvii)例えば4-ジベンゾイルアミノベンジル、4-[N-ベンゾイル-N-(2-ナフトイル)アミノ]ベンジルのような芳香族アシルと芳香族アシルとの組み合わせからなる置換アミノを有するアラルキル;
を挙げることができる。
【0081】
ここに、Xが示すベンズイミダゾール環基の1位および/または2位に置換分(a)が存在する場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。
【0082】
従って、Xが1ないし5個の置換分(a)を有するベンズイミダゾール環基としては、例えば、
1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、1-エチルベンズイミダゾール-2-イル、1-プロピルベンズイミダゾール-2-イル、1-イソプロピルベンズイミダゾール-2-イル、1-ブチルベンズイミダゾール-2-イル、6-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル、5-メトキシ-1H-ベンズイミダゾール-2-イル、6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、1-エチル-6-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、1-エチル-5-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、6-メトキシ-1-プロピルベンズイミダゾール-2-イル、5-メトキシ-1-プロピルベンズイミダゾール-2-イル、1-イソプロピル-6-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、1-イソプロピル-5-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、1-イソブチル-6-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、1-イソブチル-5-メトキシベンズイミダゾール-2-イル、6-エトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-エトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-6-プロポキシベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-5-プロポキシベンズイミダゾール-2-イル、6-イソプロポキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-イソプロポキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-イソブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-イソブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-s-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-s-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-t-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-t-ブトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブトキシ-1-プロピルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブトキシ-1-プロピルベンズイミダゾール-2-イル、6-ベンジルオキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ベンジルオキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-メトキシ-1,6-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-メトキシ-1,5-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブロム-5-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブロム-6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-エトキシ-6-フルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-エトキシ-5-フルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5,7-ジフルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、4,6-ジフルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-フルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-フルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-クロロ-1,6-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-クロロ-1,5-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、5-クロロ-1,6-ジエチルベンズイミダゾール-2-イル、6-クロロ-1,5-ジエチルベンズイミダゾール-2-イル、5-エチル-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-エチル-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブロモ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブロモ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、7-ブロモ-1-メチル-5-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、4-ブロモ-1-メチル-6-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、7-クロロ-1-メチル-5-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、4-クロロ-1-メチル-6-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-7-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-4-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-5-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチル-6-トリフルオロメチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブロモ-1,6,7-トリメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブロモ-1,4,5-トリメチルベンズイミダゾール-2-イル、5-フルオロ-6-クロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-フルオロ-5-クロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブロモ-1,7-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブロモ-1,4-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6-t-ブチル-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-t-ブチル-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ヒドロキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ヒドロキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、1,7-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、1,4-ジメチルベンズイミダゾール-2-イル、6,7-ジクロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、4,5-ジクロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5,6,7-トリフルオロー1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、4,5,6-トリフルオロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ブロモ-6-ベンジルオキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ブロモ-5-ベンジルオキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、7-クロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、4-クロロ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イル、6-ヒドロキシ-1,5,7-トリメチルベンズイミダゾール-2-イル、5-ヒドロキシ-1,4,6-トリメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-メチルベンズイミダゾール-6-イル、1-エチルベンズイミダゾール-6-イル、1-プロピルベンズイミダゾール-6-イル、1-イソプロピルベンズイミダゾール-6-イル、1-ブチルベンズイミダゾール-6-イル、1-ベンジルベンズイミダゾール-6-イル、1-メチルベンズイミダゾール-7-イル、1-エチルベンズイミダゾール-7-イル、1-ベンジルベンズイミダゾール-7-イル、1-メチルベンズイミダゾール-4-イル、1-メチルベンズイミダゾール-5-イル、1,2-ジメチルベンズイミダゾール-6-イル、5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-エチル-5-ヒドロキシ-4,6,7-トリメチルベンズイミダゾール-2-イル、1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イル、5-アセトキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イル、のようなベンズイミダゾール環基、
を挙げることができる。
【0083】
本発明の前記一般式(1)を有する化合物は、常法に従って塩にすることができる。そのような塩として例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸のようなハロゲン化水素酸の塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩またはメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸のような低級アルカンスルホン酸の塩;ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸のようなアリールスルホン酸の塩;グルタミン酸、アスパラギン酸のようなアミノ酸の塩;酢酸、フマール酸、酒石酸、蓚酸、マレイン酸、りんご酸、コハク酸、安息香酸、マンデル酸、アスコルビン酸、乳酸、グルコン酸、クエン酸のようなカルボン酸の塩;等の有機酸塩を挙げることができる。好適には薬理上許容しうる塩である。
【0084】
更に、前記一般式(1)を有する化合物は、常法に従って金属塩にすることができる。そのような塩としては例えばリチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属の塩;カルシウム、バリウム、マグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩;アルミニウム塩;等の無機塩を挙げることができる。好適には薬理上許容しうる塩である。
【0085】
なお、前記一般式(1)を有する化合物は、種々の異性体を有する。
【0086】
即ち、Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチルまたは2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル基を示す場合、該チアゾリジン環の5位およびオキサゾリジン環の5位は不斉炭素原子である。前記一般式(1)においては、これら不斉炭素原子に基づく立体異性体およびこれら異性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示されている。従って、本発明においてはこれらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0087】
更に、前記一般式(1)を有する化合物において、Zが2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イルメチル、2,4-ジオキソオキサゾリジン-5-イルメチル、2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデニルメチル、3,5-ジオキソオキサジアゾリジン-2-イルメチルを示す場合、種々の互変異性体の存在が考えられる。例えば次に示す通りである。
【0088】
【化3】

【0089】
【化4】

【0090】
【化5】

【0091】
【化6】

【0092】
前記一般式(1)においては、これらに基づく互変異性体およびこれらの異性体の等量および非等量混合物がすべて単一の式で示されている。従って、本発明においてはこれらの異性体およびこれらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
【0093】
更に本発明において、前記一般式(1)を有する化合物またはその塩が溶剤和物(例えば水和物)を形成する場合には、これらもすべて含むものである。
【0094】
更に本発明において、生体内において代謝されて前記一般式(1)を有する化合物またはその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグもすべて含むものである。
本発明の前記一般式(1)を有する化合物の具体例としては、例えば下記の表に記載する化合物をあげることができる。
【0095】
表 1
【0096】
【化7】

【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
【表4】

【0101】
【表5】

【0102】
【表6】

【0103】
【表7】

【0104】
【表8】

【0105】
【表9】

【0106】
【表10】

【0107】
【表11】

【0108】
【表12】

【0109】
【表13】

【0110】
【表14】

【0111】
【表15】

【0112】
【表16】

【0113】
【表17】

【0114】
【表18】

【0115】
【表19】

【0116】
【表20】

【0117】
【表21】

【0118】
【表22】

【0119】
【表23】

【0120】
【表24】

【0121】
【表25】

【0122】
【表26】

【0123】
【表27】

【0124】
【表28】

【0125】
【表29】

【0126】
表 2
【0127】
【化8】

【0128】
【表30】

【0129】
【表31】

【0130】
【表32】

【0131】
【表33】

【0132】
【表34】

【0133】
【表35】

【0134】
【表36】

【0135】
【表37】

【0136】
【表38】

【0137】
【表39】

【0138】
【表40】

【0139】
【表41】

【0140】
【表42】

【0141】
【表43】

【0142】
【表44】

【0143】
【表45】

【0144】
【表46】

【0145】
【表47】

【0146】
【表48】

【0147】
【表49】

【0148】
【表50】

【0149】
【表51】

【0150】
【表52】

【0151】
【表53】

【0152】
【表54】

【0153】
【表55】

【0154】
【表56】

【0155】
表 3
【0156】
【化9】

【0157】
【表57】

【0158】
【表58】

【0159】
【表59】

【0160】
【表60】

【0161】
【表61】

【0162】
【表62】

【0163】
【表63】

【0164】
【表64】

【0165】
【表65】

【0166】
【表66】

【0167】
【表67】

【0168】
【表68】

【0169】
【表69】

【0170】
【表70】

【0171】
【表71】

【0172】
【表72】

【0173】
【表73】

【0174】
【表74】

【0175】
【表75】

【0176】
【表76】

【0177】
【表77】

【0178】
【表78】

【0179】
【表79】

【0180】
【表80】

【0181】
【表81】

【0182】
【表82】

【0183】
【表83】

【0184】
表 4
【0185】
【化10】

【0186】
【表84】

【0187】
【表85】

【0188】
【表86】

【0189】
【表87】

【0190】
【表88】

【0191】
【表89】

【0192】
【表90】

【0193】
【表91】

【0194】
【表92】

【0195】
【表93】

【0196】
【表94】

【0197】
【表95】

【0198】
【表96】

【0199】
【表97】

【0200】
【表98】

【0201】
【表99】

【0202】
【表100】

【0203】
【表101】

【0204】
【表102】

【0205】
【表103】

【0206】
【表104】

【0207】
【表105】

【0208】
【表106】

【0209】
【表107】

【0210】
【表108】

【0211】
【表109】

【0212】
【表110】

【0213】
表 5
【0214】
【化11】

【0215】
【表111】

【0216】
【表112】

【0217】
【表113】

【0218】
【表114】

【0219】
【表115】

【0220】
【表116】

【0221】
【表117】

【0222】
【表118】

【0223】
【表119】

【0224】
【表120】

【0225】
【表121】

【0226】
【表122】

【0227】
【表123】

【0228】
【表124】

【0229】
【表125】

【0230】
【表126】

【0231】
【表127】

【0232】
【表128】

【0233】
【表129】

【0234】
【表130】

【0235】
【表131】

【0236】
【表132】

【0237】
【表133】

【0238】
【表134】

【0239】
【表135】

【0240】
【表136】

【0241】
【表137】

【0242】
表1ないし表5において、
Me=メチル、 Et=エチル、 Pr=プロピル、
iPr=イソプロピル、 Bu=ブチル、 iBu=イソブチル、
tBu=ターシャリブチル、 Bz=ベンジル、
Ac=アセチル、
を示す。
【0243】
上記表において、
好適には、例示化合物番号 1-11、1-16、1-18、1-22、1-27、1-49、1-50、1-54、1-56、1-98、1-100、1-109、1-129、1-146、1-155、1-156、1-229、1-237、1-238、1-247、1-250、2-11、2-49、2-146、2-229、2-237、2-250、3-11、3-49、3-146、3-229、3-237、3-250、4-11、4-49、4-146、4-229、4-237、4-250、5-11、5-49、5-146、5-229、5-237、5-250の化合物である。
【0244】
更に好適には、例示化合物番号 1-11、1-16、1-18、1-22、1-27、1-49、1-50、1-54、1-56、1-98、1-100、1-109、1-129、1-146、1-229、1-237、1-238、1-247、1-2502-11、2-49、2-146、2-229、2-237、2-250、3-11、3-49、3-146、3-229、3-237、3-250の化合物である。
【0245】
更に好適には、例示化合物番号 1-11、1-16、1-27、1-49、1-50、1-54、1-98、1-100、1-109、1-129、1-146、1-229、1-237、1-238、1-250の化合物である。
【0246】
最も好適には、例示化合物番号
1-11; 5-[4-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン、
1-49; 5-[4-(6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン、
1-146; 5-[4-(5-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン、
1-229; 5-[4-(1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン、
1-237; 5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン、および
1-250; 5-[4-(5-アセトキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンである。
【0247】
【発明の実施の形態】
次に、前記一般式(1)を有する化合物の製造法を述べる。
製造法(I)
【0248】
【化12】

【0249】
第1工程は前記一般式(3)(式中、Xおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(2)(式中、Xおよびmは前述したものと同意義を示し、R′は炭素数1ないし5個を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を示す。)を有する化合物を還元することにより行なわれる。
【0250】
R′が示す炭素数1ないし5個を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基としては、置換分(b)について述べたのと同様な基をあげることができる。好適にはメチル、エチル、n-ブチルである。
【0251】
反応は通常、還元剤の存在下で水素添加することにより行なわれる。
【0252】
使用される還元剤としては、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソプロピルアルミニウムのような金属水素化物があげられる。
【0253】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0254】
反応は冷却下ないし加温下で行なわれる。
【0255】
反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし数日間である。
【0256】
反応は好適にはアルコール類またはアルコール類との混合溶剤中で水素化ホウ素リチウムの存在下、1時間ないし1日間、室温ないし還流下で行なわれるか、あるいは炭化水素類またはエーテル類の溶剤中、水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムの存在下、1時間ないし10時間、冷却下ないし加温下で行なわれる。
【0257】
第2工程は前記一般式(5)[式中、X、Y、Rおよびmは前述したものと同意義を示し、Z′は
【0258】
【化13】

【0259】
(式中、Trはトリフェニルメチル基を示す。)を示す。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(3)(式中、Xおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物と前記一般式(4)(式中、Y、RおよびZ′は前述したものと同意義を示す。)を有する化合物とを通常の光延反応〔O.Mitsunobu、シンセシス(Synthesis)、1頁(1981年)〕に準じた反応に付すことによって行なわれる。
【0260】
反応は通常溶剤の存在下でアゾ化合物類とホスフィン類の存在下で行われる。
【0261】
反応試薬のアゾ化合物類としてはアゾジカルボン酸ジエチル、1、1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジンなどが用いられる。ホスフィン類としてはトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどが用いられる。
【0262】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行われる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、1、2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0263】
反応温度は室温下ないし加温下で行なわれ、好適には室温下ないし60℃で行われる。
【0264】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数時間ないし数日間であり、好適には5時間ないし3日間である。
【0265】
第3工程は前記一般式(1)(式中、X、Y、Z、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。但し、Zが、基 -CH2N(OH)C(=O)-NH2、であるものは除く。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(5)(式中、X、Y、R、mおよびZ′は前述したものと同意義を示す。)を有する化合物に溶剤の存在下または非存在下でトリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、塩酸、硫酸などのような酸と反応させることによって行なわれる。
【0266】
溶剤を使用する場合、使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;酢酸エチル、酢酸メチルのようなエステル類;水;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。反応温度は氷冷下ないし加温下である。反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数十分ないし数十時間であり、好適には0.5時間ないし10時間である。
【0267】
また、本工程は前記一般式(5)を有する化合物に接触水素添加反応を行うことによっても達成される。使用される触媒としては例えばパラジウム-炭素、パラジウム黒、酸化白金、白金黒などがあげられ、好適にはパラジウム-炭素である。
【0268】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0269】
反応温度は室温下ないし加温下である。
【0270】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数時間ないし数日間であり、好適には1時間ないし1日間である。
製造法(II)
【0271】
【化14】

【0272】
第4工程は前記一般式(6)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(3)(式中、Xおよびmは前述したものと同意義を示す。)に水素化ナトリウムのような塩基を作用させた(第1段階)後、2-メトキシ-4-フルオロベンズアルデヒド、3-メチル-4-フルオロベンズアルデヒドのようなp-フロロベンズアルデヒド誘導体と反応させる(第2段階)ことにより達成される。
【0273】
第1段階は通常、溶剤の存在下で好適に行われる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0274】
反応は氷冷下ないし加温下で行なわれる。
【0275】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数十分ないし1日間であり、好適には1時間ないし10時間である。
【0276】
第2段階は第1段階反応が終了後、反応混合物中にp-フロロベンズアルデヒド誘導体を加え、室温下ないし加温下に反応させることによって行なわれる。
【0277】
反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常数十分ないし数日間である。
【0278】
第5工程は前記一般式(7)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(6)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物とチアゾリジン-2、4-ジオンとを反応させることによって得られる。
【0279】
反応は触媒の存在下または非存在下で行なわれる。反応を触媒の存在下で行う場合、使用される触媒としては、例えば酢酸ナトリウム、ピペリジニウムアセテートまたはピペリジニウムベンゾエートなどがあげられる。
【0280】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;ギ酸エチル、酢酸エチルのようなエステル類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0281】
反応は通常加温下に行なわれる。
【0282】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常1時間ないし50時間である。
【0283】
第6工程は前記一般式(8)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(7)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を接触水素添加反応による還元に付すことよって行なわれる。使用される触媒としては、例えばパラジウム-炭素、パラジウム黒であり、好適にはパラジウム-炭素である。
【0284】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行われる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0285】
反応は室温下ないし加温下に行われる。
【0286】
反応は通常大気圧下ないし加圧下で行なわれ、好適には加圧下で行なわれる。
【0287】
反応時間は圧力、温度、触媒などによって異なるが通常数時間ないし数日間であり、好適には1時間ないし1日間である。
【0288】
また該工程は金属水素化物を反応させることによっても達成される。反応は通常、WO93/1309A号に開示された方法に準じて行なうことができる。
製造法(III)
【0289】
【化15】

【0290】
第7工程は前記一般式(9)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(6)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物とヒドロキシルアミン(好適にはヒドロキシルアミン塩酸塩)とを反応させた後、還元することにより得られる。
【0291】
前記一般式(6)を有する化合物とヒドロキシルアミン(塩酸塩)との反応は通常溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;ギ酸エチル、酢酸エチルのようなエステル類;ピリジン、トリエチルアミン、N、N-ジイソプロピル-N-エチルアミンのようなアミン類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0292】
反応は室温ないし加温下に行なわれる。
【0293】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数時間ないし数十時間である。
【0294】
次いで、還元反応は還元剤の存在下で水素添加することにより行われる。使用される還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムのような金属水素化物があげられる。
【0295】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0296】
反応は冷却下ないし加温下で行なわれる。
【0297】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが、通常数十分ないし1日間である。
【0298】
第8工程は前記一般式(10)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(9)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物とトリメチルシリルイソシアネート(イソシアン酸トリメチルシリル)とを反応させることによって得られる。
【0299】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0300】
反応は冷却下ないし加温下に行なわれる。
【0301】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが通常数十分ないし数日間である。
【0302】
第9工程は前記一般式(11)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を製造する工程であり、前記一般式(9)(式中、X、Rおよびmは前述したものと同意義を示す。)を有する化合物とN-(クロロカルボニル)イソシアナートとを反応させることによって得られる。
【0303】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリルのようなニトリル類;ギ酸エチル、酢酸エチルのようなエステル類:またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0304】
反応は冷却下ないし加温下に行なわれる。
【0305】
反応時間は反応試薬、反応温度、溶剤などによって異なるが通常数十分ないし数十時間である。
製造法(IV)
【0306】
【化16】

【0307】
第10工程は前記一般式(14)(式中、Y、Rおよびmは前述したものと同意義を示し、Y′は酸素原子又は硫黄原子を示し、Qは低級アルコキシカルボニル基、ホルミル基、保護されたホルミル基、カルボキシル基またはヒドロキシ基を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(12)(式中、Qは前述したものと同意義を示し、Haloはハロゲン原子を示す。)を有する化合物と前記一般式(13)(式中、Y、Y′およびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物を塩基の存在下に反応させることにより行なわれる。
【0308】
使用される塩基としては、例えば水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのような無機塩基類およびトリエチルアミンなどのような有機塩基類があげられる。
【0309】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0310】
反応は冷却下ないし加温下で行なわれる。
【0311】
反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし数日間である。
【0312】
反応は好適にはアミド類またはアミド類との混合溶剤中で水素化ナトリウムの存在下、1時間ないし10時間、冷却下ないし加温下で行なわれる。
【0313】
なお、本工程によって製造される前記一般式(14)を有する化合物は、それらを経由して他の目的化合物を製造することができるので重要な中間体である。
【0314】
なお、Qがカルボキシル基、ヒドロキシ基である化合物は、Qが低級アルコキシカルボニル基、ホルミル基又は保護されたホルミル基から常法によって容易に製造される。
【0315】
第11工程は前記一般式(15)(式中、X、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、
(a)前記一般式(14)(式中、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示し、Qは低級アルコキシカルボニル基を示す。)を有する化合物と1、2-ジアミノベンゼン誘導体を反応させることによって行なわれる。
【0316】
ここに、Qが低級アルコキシカルボニル基を示す場合、該基としは炭素数2ないし7個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の低級アルコキシカルボニル基が好ましく、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s-ブトキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル、2-メチルブトキシカルボニル、1-エチルプロポキシカルボニル、4-メチルペンチルオキシカルボニル、3-メチルペンチルオキシカルボニル、2-メチルペンチルオキシカルボニル、1-メチルペンチルオキシカルボニル、3,3-ジメチルブトキシカルボニル、2,2-ジメチルブトキシカルボニル、1,1-ジメチルブトキシカルボニル、1,2-ジメチルブトキシカルボニル、1,3-ジメチルブトキシカルボニル、2,3-ジメチルブトキシカルボニル、2-エチルブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、イソヘキシルオキシカルボニルを挙げることができる。これらのうち、好ましくは炭素数2ないし5個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の低級アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルであり、更に好ましくはメトキシカルボニル、エトキシカルボニルである。
【0317】
反応は通常、溶剤の存在下または非存在下に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、ブタノールのようなアルコール類;酢酸、プロピオン酸のような酸類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0318】
反応は加温下で行なわれる。
【0319】
反応時間は反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常3時間ないし数日間である。
【0320】
反応は好適には溶剤の非存在下で50℃ないし150℃で5時間ないし2日間加温下で行なわれる。
【0321】
(b)前記一般式(14)(式中、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示し、Qはホルミル基を示す。)を有する化合物と1,2-ジアミノベンゼン誘導体を反応させた後、酸化剤と処理することにより行なわれる。
【0322】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;酢酸、プロピオン酸のような酸類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;またはこれらの混合溶剤が好適に用いられる。
【0323】
反応は室温下ないし加温下で、1時間ないし数日間で行なわれ、次いで酸化剤で処理される。
【0324】
酸化剤としてはヨウ素、酸化銀、四酢酸鉛などがあげられ、好適にはヨウ素である。
【0325】
酸化剤との処理は通常、溶剤の存在下で好適に行なわれる。使用される溶剤としては反応に影響を与えなければ特に限定はなく例えば、上記に示した溶剤が用いられる。好適にはエーテル類である。処理は好適には加温下で、1時間ないし数日間である。
【0326】
(c)前記一般式(14)(式中、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示し、Qは保護されたホルミル基を示す。)でQが保護されたホルミル基である場合、例えばジメトキシメチル、ジエトキシメチル、1,3-ジオキサン-2-イル、1,3-ジオキソラン-2-イル、1,3-ジチアン-2-イル、1,3-ジチオラン-2-イルがあげられ、第11工程の反応に先だって、脱保護を行った後、反応に付すことができる。脱保護反応は通常の脱保護反応、例えばT.W.Green、プロテクティブ グループス イン オーガニック シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、John Wiley & Sons; J.F.W.McOmie、プロテクティブ グループス イン オーガニック ケミストリー(Protective Groups in Organic Chemistry)、Plenum Pressに準じて行なうことにより達成される。
製造法(V)
【0327】
【化17】

【0328】
本製造法(V)は前記一般式(14)(式中、Q、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する方法である。
【0329】
第12工程は前記一般式(17)(式中、Q、m、YおよびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(12)(式中、Q、mおよびHaloは前述と同意義を示す。)を有する化合物と前記一般式(16)(式中、YおよびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物を塩基の存在下に反応させることにより行なわれる。反応は前記製造法(IV)に示された第10工程に準じて行なわれる。
【0330】
第13工程は前記一般式(18)(式中、Q、m、YおよびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(17)を有する化合物を還元することによって得られる。
【0331】
反応は通常の接触水素添加反応および一般的なニトロ基の還元法である亜鉛-酢酸法または錫-塩酸法を用いることによって行なわれる。
【0332】
第14工程は前記一般式(19)(式中、Q、m、Y、R、R’およびHaloは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(18)を有する化合物に Meerwein Arylation反応を行なうことによって得られる。
【0333】
反応は通常、特開昭55-22657号および S-Oaeらの方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.、53巻、1065頁(1980年))に準じて行なわれる。
【0334】
第15工程は前記一般式(14)(式中、Q、m、Y、Y′およびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(19)を有する化合物と尿素またはチオ尿素を反応させ、次いで加水分解反応に付すことによって行なわれる。
【0335】
反応は通常、特開昭55-22657号に記載の方法に準じて行なわれる。
【0336】
このようにして得られた前記一般式(14)(式中、Q、m、Y、Y′およびRは前述と同意義を示す。)を有する化合物は、前述の第11工程の(a)または(b)で述べたと同様な反応に付すことによって、前記一般式(15)(式中、X、Y、Y′、Rおよびmは前述と同意義を示す。)を有する化合物が得られる。
【0337】
上記製造法(I)における原料化合物である前記一般式(2)を有する化合物が、下記一般式(2-1):
【0338】
【化18】

【0339】
[式中のベンズイミダゾール環の2位、4位、5位、6位および7位は置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述したものと同意義を示す。ここに、ベンズイミダゾール環の2位が置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する場合、該化合物は下記の方法にしたがって合成することができる。
【0340】
【化19】

【0341】
第16工程は前記一般式(22)[式中のベンズイミダゾール環の2位、4位、5位、6位および7位は置換分(a)で置換されていてもよい。ここに、ベンズイミダゾール環の2位が置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を合成する工程であり、前記一般式(20)[式中のベンゼン環部分は、1ないし4個の置換分(a)を有していてもよい。]を有する化合物と、前記一般式(21)[式中の炭素原子は、水素原子の代わりに置換分(a)を有していてもよく、R”は水素原子または低級アルキル基を示す。ここに式中の炭素原子が水素原子の代わりに置換分(a)を有している場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物とを、前述の第11工程に準じて反応させることにより行われる。
【0342】
ここにR”が低級アルキル基を示す場合、該基としては炭素数1ないし6個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基が好ましく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、S-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2-メチルブチル、1-エチルプロピル、4-メチルペンチル、3-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-メチルペンチル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘキシル、イソヘキシルをあげることができる。好適には炭素数1ないし4個を有するアルキル基であり、さらに好適にはメチル、エチルである。
【0343】
第17工程は前記一般式(2-1)[式中のベンズイミダゾール環の2位、4位、5位、6位および7位は置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述したものと同意義を示す。ここに、ベンズイミダゾール環の2位が置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(22)[式中のベンズイミダゾール環の2位、4位、5位、6位および7位は置換分(a)で置換されていてもよい。]を有する化合物に前記一般式(23)[式中、Halo、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。]を有する化合物を、公知の方法(例えばLiebigs Ann.Chem.,1078頁(1983年))に準じて、縮合させることにより行われる。
【0344】
また、上記製造法(I)における原料化合物である前記一般式(2)を有する化合物が、下記一般式(2-2):
【0345】
【化20】

【0346】
[式中のベンズイミダゾール環基は1ないし5個の置換分(a)を有していてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに、イミダゾール環部分が置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する場合、下記の方法にしたがって合成することができる。
【0347】
【化21】

【0348】
第18工程は、前記一般式(25)[式中のベンゼン環部分は1ないし3個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに式中のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(24)[式中のベンゼン環部分は1ないし3個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ただし、アミノ基のオルト位のどちらか一方は必ず水素原子であり、式中のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]をニトロ化することにより行われる。このニトロ化反応は公知の方法、例えばHoggett,J.G.;Moodie,R.B.;Peton,J.R.;Schofield,K.,Nitration and Aromatic Reactivity,Cambridge University Press,Cambridge,1971、Schofield,K.,Aromatic Nitration,Cambridge University Press,Cambridge,1980、P.B.D.de la Mare and J.H.Ridd,Aromatic Substitution,Nitration and Halogenation,Academic Prees,New York,1959、A.V.Topchiev,Nitration of Hydrocarbons and Other Organic Compounds,Pergamon Press,New York,1959、L.F.Albright,in Kirk-Othmer,Encyclopedia of ChemicalTechnology,2nd ed.Vol.13,The Interscience Encyclopedia,Inc.,New York,p.784,1967、H.A.Lubs,Chemistry of Synthetic Dyes and Pigments,Reinhold Publishing Corp.,New York,1955,pp.12,71,350などに記載の方法に準じて行われる。
【0349】
第19工程は、前記一般式(26)[式中のベンゼン環部分は1ないし3個の置換分(a)を有していてもよく、式中の一方のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに、式中の一方のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(25)[式中のベンゼン環部分は1ないし3個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに式中のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を還元することにより行われる。
【0350】
使用される還元剤としてはスズと塩化水素、亜鉛とアルコール性アルカリ、亜鉛と酢酸、ナトリウムアマルガムと水、または、水素化ホウ素ナトリウムとスズの組合せなどを用いることができる。
【0351】
反応は通常、溶剤の存在下または非存在下で好適に行われる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのようなアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、t-ブタノールなどのようなアルコール類;酢酸エチルなどのようなエステル類;水またはこれらの混合溶剤をあげることができる。
【0352】
反応は冷却下ないし加温下で行われる。
【0353】
反応時間は、反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし数日間である。
【0354】
また本工程は接触水素添加反応によって行うこともできる。
【0355】
使用される触媒としては、例えばラネーニッケル、パラジウム-炭素、パラジウム黒、ルテニウム、酸化白金などをあげることができる。
【0356】
反応は通常、溶剤の存在下で好適に行われる。使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタンなどのような炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのようなエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどのようなアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのようなアルコール類;クロロホルム、塩化メチレンなどのようなハロゲン化炭化水素類;水またはこれらの混合溶剤を好適に用いることができる。
【0357】
反応は室温ないし加温下で行われる。
【0358】
反応時間は、反応試薬、反応温度などによって異なるが、通常0.5時間ないし数日間である。
【0359】
第20工程は、前記一般式(2-2)[式中のベンズイミダゾール環基は1ないし5個の置換分(a)を有していてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに、イミダゾール環部分が置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(26)[式中のベンゼン環部分は1ないし3個の置換分(a)を有していてもよく、式中の一方のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよく、mおよびR’は前述のものと同意義を示す。ここに式中の一方のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を前記一般式(21)[式中の炭素原子は、水素原子の代わりに置換分(a)を有していてもよく、R”は水素原子または低級アルキル基を示す。]を有する化合物と、第11工程に準じて反応させることにより行われる。
【0360】
上記製造法(VI)中、第11工程で用いられる、1,2-ジアミノベンゼン誘導体は下記の方法により合成することができる。
【0361】
【化22】

【0362】
第21工程は、前記一般式(28)[式中のベンゼン環部分は1ないし4個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよい。ここに、式中のアミン基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(27)[式中のベンゼン環部分は1ないし4個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよい。ただし、アミノ基のオルト位のどちらか一方は必ず水素原子であり、式中のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物をニトロ化することにより行われる。このニトロ化反応は前述の第18工程に準じて行われる。
【0363】
第22工程は前記一般式(20)(式中のベンゼン環部分は1ないし4個の置換分(a)を有していてもよく、式中の一方のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよい。ここに、式中の一方のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を製造する工程であり、前記一般式(28)[式中のベンゼン環部分は1ないし4個の置換分(a)を有していてもよく、式中のアミノ基は1個の置換分(a)で置換されていてもよい。ここに、式中のアミノ基が1個の置換分(a)で置換されている場合、該置換分(a)は、好適には炭素数1ないし4個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、置換分(c)を有していてもよい炭素数6ないし10個を有するアリール基または置換分(c)を有していてもよい炭素数7ないし11個を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアラルキル基である。]を有する化合物を還元することにより行われる。反応は前述の第19程に準じて行われる。
【0364】
前記の各工程によって得られた目的化合物は、反応終了後、必要に応じて常法、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶法、再沈殿法などによって精製することができる。例えば、反応混合物に溶剤を加えて抽出し、抽出液より溶剤を留去する。得られた残燈をシリカゲル等を用いたカラムクロマトグラフィーに付すことによって精製し、目的化合物の純品を得ることができる。
【0365】
本発明の、一般式(1)を有する化合物はインスリン抵抗性、高脂血症、高血糖症、妊娠糖尿病、肥満症、耐糖能不全状態、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障および多嚢胞卵巣症候群等を改善し、更にアルドース還元酵素阻害作用、5-リポキシゲナーゼ阻害作用および過酸化脂質生成抑制作用を有しており、したがって、高脂血症、高血糖症、肥満症、耐糖能不全、高血圧症、骨粗鬆症、悪液質、脂肪肝、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障等の予防薬および/または治療薬、および上記疾病以外の、妊娠糖尿病、多嚢胞卵巣症候群等のようなインスリン抵抗性に起因する疾病の予防薬および/または治療薬、ならびに炎症性疾患、アクネ、日焼け、乾癬、湿疹、アレルギー性疾患、喘息、GI潰瘍、心血管性疾患、アテローム性動脈硬化症および虚血性疾患により惹起される細胞損傷等の予防薬および/または治療薬として有用である。
【0366】
本発明の一般式(1)を有する化合物またはその塩の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤もしくはシロップ剤等による経口投与、または注射剤、座剤もしくは点眼剤等による非経口投与をあげることができる。これらの製剤は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0367】
ここに、賦形剤としては、例えば乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニット、ソルビットのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α-デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;などの有機系賦形剤;および
軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩;などの無機系賦形剤をあげることができる。
【0368】
滑沢剤としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸:アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL-ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;および、上記澱粉誘導体などをあげることができる。
【0369】
結合剤としては、例えばポリビニルピロリドン、マクロゴールおよび前記賦形剤と同様の化合物をあげることができる。
【0370】
崩壊剤としては、例えば前記賦形剤と同様の化合物およびクロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類をあげることができる。
【0371】
安定剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコテウム;フェノール、クレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;およびソルビン酸をあげることができる。
【0372】
矯味矯臭剤としては、例えば通常使用される、甘味料、酸味料、香料等をあげることができる。
【0373】
本発明の一般式(1)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.1mg(好ましくは1mg)、上限として、2000mg(好ましくは500mg、より好ましくは100mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、500mg(好ましくは50mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
【0374】
本発明の前記一般式(1)を有する化合物またはその塩を有効成分として含有する製剤は、例えば次の方法により製造することができる。
【0375】
製剤例1. 散剤
5-[4-(6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物番号1-49:以下「化合物A」という。) 4g、ポリビニルピロリドン 10gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名、TC-5E;信越化学工業(株)製) 0.5gを振動ミルを用いて30分間混合粉砕すると、散剤が得られる。
【0376】
製剤例2. カプセル剤
化合物A 20gおよびポリビニルピロリドン 20gをアセトン 100gおよびエタノール100gの混合溶剤に溶解し、流動層造粒機を用いてクロスカルメロースナトリウム 200gに混合液を噴霧すると顆粒が得られる。この顆粒 10gにヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名、TC-5E;信越化学工業(株)製) 0.1gおよび乳糖 1.9gを混合する。次いで、ゼラチンカプセルにこの混合物のうちの0.24gを充填すると、カプセル剤が得られる。該カプセル剤は1カプセルあたり 0.1gの化合物Aを含有する。
【0377】
製剤例3. 錠剤
化合物A 1gおよびポリビニルピロリドン 1gをアセトン 5gおよびエタノール5gの混合溶剤に溶解し、次いでロータリーエバポレーターを用いて減圧下で有機溶剤を留去する。こうして得られる固形物を粉砕すると細粒が得られる。この細粒 1gに結晶セルロース 0.25g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 0.25g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名、TC-5E;信越化学工業(株)製) 0.05g、乳糖 0.18gおよびステアリン酸マグネシウム 0.2gを混合した後、錠剤機を用いて打錠すると、錠剤が得られる。
【0378】
【実施例】
次に実施例および参考例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0379】
実施例1
5-[4-(6-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物番号 1-49)
5-メトキシ-N-メチル-1,2-フェニレンジアミン 21.8g、5-(4-メトキシカルボニルメチルオキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン 63.4g、1,4-ジオキサン 250mgおよび濃塩酸 750mlの混合液を60時間、加熱還流した。反応混合物を氷冷した後、析出物をろ取した。この析出物に5%炭酸水素ナトリウム水溶液 800mlを加え、室温で2時間攪拌した。不溶物をろ取して、N,N-ジメチルホルムアミド 1000mlおよびメタノール 200mlの混合液に溶解し、更に活性炭を加えて脱色した。活性炭をろ去した後、溶剤を約50mlまで濃縮した。これにジエチルエーテル 750mlを加えて室温で2日間放置した後、析出物をろ取すると、融点267℃ないし271℃、Rf値=0.68(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;5%エタノール-塩化メチレン溶液)を有する目的化合物 20.1gが得られた。
【0380】
製造例1
5-[4-(1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物番号 1-11)
N-メチル-1,2-フェニレンジアミン 1.0g、5-[4-(エトキシカルボニルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン 3.8g、濃塩酸 20ml、 1,4-ジオキサン 10mlおよび水 10mlの混合物を5時間、加熱還流した。反応混合物より析出した不溶物をろ取し、テトラヒドロフランに溶解した後、これに水を加え、炭酸水素ナトリウムで中和した。得られた溶液に酢酸エチルを加えて抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→エタノール)に付し、得られた生成物を更にテトラヒドロフランおよび酢酸エチルを用いて2回再結晶に付すと、融点230℃ないし231℃を有する目的化合物 1.3gが得られた。
【0381】
製造例2
5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物番号1-237)
4-アセトキシ-N-メチル-3,5,6-トリメチル-1,2-フェニレンジアミン 1.0g、5-(4-メトキシカルボニルメチルオキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン 2.7g、1,4-ジオキサン 5mlおよび濃塩酸 25mlの混合物を2日間加熱還流した。反応混合物を氷水に加えた後、炭酸水素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)に付して精製し、目的化合物を含むフラクションを分取した。このフラクションより溶剤を留去し、紅色油状物を得た。この油状物にジエチルエーテル 150mlを加え、5分間超音波振動を与え、析出物をろ取した。この析出物をテトラヒドロフラン 300mlに溶解し、溶剤を約10ないし20mlまで濃縮した。これに酢酸エチル 200mlを加えた後、20分間超音波振動を与えると、析出物が生じた。この析出物をろ取すると、融点240℃ないし244℃、Rf値=0.44(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;酢酸エチル)を有する目的化合物 0.52gが得られた。
【0382】
製造例3
5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン 塩酸塩(例示化合物番号1-237の塩酸塩)
5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン 0.12gを4規定塩化水素-酢酸エチル溶液 3mlに懸濁させた懸濁液を室温で3時間攪拌した後、一夜放置した。反応混合物から不溶物をろ取し、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、次いでジエチルエーテルで洗浄すると、融点228℃ないし231℃を有する目的化合物 0.11gが得られた。
【0383】
製造例4
5-[4-(5-アセトキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物番号1-250)
5-[4-(5-ヒドロキシ-1,4,6,7-テトラメチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン 0.12gのピリジン溶液 2mlに無水酢酸 0.032mlを室温で加え、3時間攪拌し、一夜放置した。反応混合物から溶剤を留主した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液から溶剤を留去した後、析出物にジエチルエーテルを加えて、析出物をろ取し、ジエチルエーテルで洗浄すると融点250℃ないし253℃を有する目的化合物 0.12gが得られた。
【0384】
製造例5
5-[4-(5-メトキシ-1-メチルベンズイミダゾール-2-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン(例示化合物号1-146)
4-メトキシ-N-メチル-1,2-フェニレンジアミン 1.17g、5-(4-メトキシカルボニルメトキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン 3.0g、1,4-ジオキサン 20mlおよび濃塩酸 60mlの混合物を2日間加熱還流した。反応混合物を氷水中に加え、炭酸水素ナトリウムを用いて中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%エタノール含有塩化メチレン)に付して精製すると、融点209℃ないし210℃、Rf値=0.56(5%エタノール含有塩化メチレン)を有する目的化合物 0.3gが得られた。
【0385】
製造例6
5-[4-(1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオン 1/2水和物(例示化合物番号1-229の1/2水和物)
5-[4-(1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イルメトキシ)ベンジル]-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン 0.26g、酢酸 3mlおよび水 1mlの混合物を、50℃油浴上で3時間攪拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。抽出液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶剤を留去した。残渣をエタノールおよびメタノールの混合液で再結晶すると、融点185℃ないし187℃を有する目的化合物 116mgが得られた。
【0386】
参考例1
4-ニトロフェノキシ酢酸メチル
4-ニトロフェノール 56g、ブロモ酢酸メチル 90g、炭酸カリウム 100gおよびジメチルホルムアミド 500mlの混合物を室温で2日間撹拌した。反応終了後、反応混合物よりジメチルホルムアミドを減圧下で留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去した後、ヘキサンを用いて結晶化すると、融点98℃ないし99℃を有する目的化合物 63.3gが得られた。
【0387】
参考例2
4-アミノフェノキシ酢酸メチル
4-ニトロフェノキシ酢酸メチル(参考例1参照) 30.8g、10%パラジウム-炭素 5.0gおよびメタノール 500mlの混合物中へ水素ガスを6時間導入した。反応終了後、反応混合物より不溶物をろ別し、ろ液を減圧留去すると、Rf値=0.79(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;酢酸エチル)を有する目的化合物 25.8gが得られた。
【0388】
参考例3
4-(2-ブロモ-2-ブトキシカルボニルエチル-1-イル)フェノキシ酢酸メチル
4-アミノフェノキシ酢酸メチル 25.8g(参考例2参照)を含むメタノール-アセトン(2:5) 263mlの溶液に氷冷下で47%臭化水素酸 98gを滴下し、続いて亜硝酸ナトリウム 12.8gを含む水溶液 33mlを滴下した。氷冷下、30分間撹拌した後、反応混合物にアクリル酸ブチル 18.2gを加え、氷冷下で30分間撹拌し、臭化銅(I) 3.2gを加え、室温で一夜撹拌した。反応終了後、反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣に食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去すると、Rf値=0.46(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;ヘキサン:酢酸エチル:5:1)を有する目的化合物を含む粗生成物 51.7gが得られた。
【0389】
参考例4
5-[4-(エトキシカルボニルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン-2、4-ジオン
4-(2-ブロモ-2-ブトキシカルボニルエチル-1-イル)フェノキシ酢酸メチル(参考例3参照) 100g、チオ尿素 22gおよびエタノール 200mlの混合物を2.5時間加熱還流した。次いで、反応混合物に2N塩酸を加え、5時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:5)に付して精製すると、融点105℃ないし106℃を有する目的化合物 19.4gが得られた。
【0390】
参考例5
5-メトキシ-2-ニトロアニリン
5-クロロ-2-ニトロアニリン 25gの1,4-ジオキサン溶液 500mlにナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液 70mlを室温で加え、4時間加熱、還流した。反応混合物より、溶剤を留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:4→1:2)に付して精製すると融点124℃ないし128℃を有する目的化合物 16.3gが得られた。
【0391】
参考例6
N-tert-ブトキシカルボニル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン
5-メトキシ-2-ニトロアニリン 16gの無水テトラヒドロフラン溶液500mlにジ-tert-ブチルジカーボネート 25g、ピリジン 15ml、4-ジメチルアミノピリジン 0.6gを室温で加え、2時間攪拌した。反応混合物より溶剤を留去し、得られた残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:10)に付して精製すると、融点112℃ないし114℃を有する目的化合物 12.5gが得られた。
【0392】
参考例7
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン
水素化ナトリウム(55%以上含有)12.0gを無水N,N-ジメチルホルムアミド 300mlに懸濁し、この懸濁液に氷冷下、N-tert-ブトキシカルボニル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン 49.6gの無水N,N-ジメチルホルムアミド溶液 300mlを加え、室温で30分間攪拌した。この混合物にヨウ化メチル 17.2mlを室温で加え、1時間攪拌した後、室温で一夜放置した。反応混合物を約1/5 容量まで濃縮した後、氷水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去すると、融点122℃ないし124℃を有する目的化合物 52.1gが得られた。
【0393】
参考例8
N-メチル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン 52gに4規定塩化水素-1,4-ジオキサン溶液 750mlを室温で加え、2時間攪拌した。反応混合物より溶剤を留去した後、水および酢酸エチルを加え、炭酸水素ナトリウムで中和した。この混合物に、更に酢酸エチルを加えて抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去すると、融点107℃ないし110℃を有する目的化合物35.3gが得られた。
【0394】
参考例9
5-メトキシ-N-メチル-1,2-フェニレンジアミン
N-メチル-5-メトキシ-2-ニトロアニリン 35gのtert-ブタノール溶液 900mlと酢酸エチル 100mlの混合液に塩化スズ(II)二水和物 346gを室温で加え、60℃で2時間攪拌した。この混合物に水素化ホウ素ナトリウム 11gを少量ずつ、60℃で約1時間かけて加え、60℃で3時間攪拌した後、室温で2日間放置した。反応混合物を氷水中に加えた後、炭酸水素ナトリウムで中和した。この混合物に酢酸エチルを加えて抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフイー(酢酸エチル:n-ヘキサン=3:2)に付して精製すると、Rf値=0.18(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)を有する目的化合物 21.9gが得られた。
【0395】
参考例10
トリメチルベンゾキノン
トリメチルハイドロキノン 20gのアセトン 150ml溶液に、塩化鉄(III) 25.6gを水 50mlに懸濁させた懸濁液を室温で加えて1時間攪拌し、2日間放置した。溶剤を約半分まで濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)に付して精製すると、Rf値=0.48(シリカゲル薄層クロマトグラフィー;酢酸エチル:n-ヘキサン=1:6)を有する目的化合物 16.9gが得られた。
【0396】
参考例11
2,3,6-トリメチルベンゾキノン-4-オキシム
トリメチルベンゾキノン 16.9gのメタノール溶液 150mlに、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.04g)の水溶液 30mlを室温で加えて2時間攪拌し、2日間放置した。反応混合物に水 1000mlを加えた後、析出物をろ取した。この析出物を酢酸エチル-n-ヘキサン混合液で再結晶して精製すると、融点188℃ないし190℃を有する目的化合物 11.2gが得られた。
【0397】
参考例12
4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン
2,3,6-トリメチルベンゾキノン-4-オキシム 36.15gと1規定水酸化ナトリウム水溶液 880mlの混合物にハイドロサルファイトナトリウム 152gを氷冷下で加えた後、室温で1時間攪拌し、1夜放置した。反応混合物を氷中に加えて、5規定塩酸水溶液でpHを4乃至5に調整した後、炭酸水素ナトリウムで中和した。これを酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去して得られた結晶にイソプロピルエーテルを加えてろ取し、イソプロピルエーテルで洗浄すると、融点131℃ないし134℃を有する目的化合物 30.1gが得られた。
【0398】
参考例13
N-tert-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン
4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン 20gのテトラヒドロフラン 500ml溶液に、室温でトリエチルアミン 22.0mlを加え、更にジ-tert-ブチルジカーボネート 34.6gを加えて6時間攪拌した後、1夜放置した。反応混合物より溶剤を留去した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去して得られた結晶にn-ヘキサンを加えて結晶をろ取し、n-ヘキサンで洗浄すると、融点158℃ないし161℃を有する目的化合物 31.9gが得られた。
【0399】
参考例14
N-メチル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン
無水テトラヒドロフラン 300mlに水素化アルミニウムリチウム 6.8gを懸濁させた懸濁液に、N-tert-ブトキシカルボニル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン 15gの無水テトラヒドロフラン溶液 200mlを氷冷下で加えた後、室温で3時間攪拌し、2時間加熱還流した。反応混合物に水 10mlとテトラヒドロフラン 30mlの混合液を氷冷下で滴下し、過剰の水素化アルミニウムリチウムを分解した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した後、不溶物をセライトを用いてろ去した。この不溶物を酢酸エチルで洗浄し、洗液とろ液とをあわせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。この溶液より溶剤を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)に付して精製すると、融点120℃ないし122℃を有する目的化合物 5.1gが得られた。
【0400】
参考例15
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン
N-メチル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン 5.0gのテトラヒドロフラン溶液 70mlにトリエチルアミン 5.0mlおよびジ-tert-ブチルジカーボネート 7.92gのテトラヒドロフラン溶液 30mlを室温で加え、1時間攪拌した後、1夜放置した。反応混合物より溶剤を留去した後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去して得られた結晶にn-ヘキサンを加えて結晶をろ取し、n-ヘキサンで洗浄すると、融点163℃ないし166℃を有する目的化合物 7.35gが得られた。
【0401】
参考例16
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチルアニリン
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-ヒドロキシ-2,3,5-トリメチルアニリン 7.2gの無水テトラヒドロフラン溶液 100mlに、無水トリエチルアミン 5.64mlおよび塩化アセチル 2.9mlを室温で加え、1時間攪拌した後、1夜放置した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去した後、残渣に氷冷したn-ヘキサンを加えて結晶化した。氷冷したn-ヘキサンを加えて結晶をろ取し、氷冷したn-ヘキサンで洗浄すると、融点103℃ないし104℃を有する目的化合物 6.25gが得られた。
【0402】
参考例17
N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチルアニリン塩酸塩
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチルアニリン 5.45gに、4規定塩化水素-1,4-ジオキサン溶液 100mlを室温で加え、3時間攪拌した。反応混合物より溶剤を留去して得られた結晶にイソプロピルエーテルを加えて結晶をろ取し、イソプロピルエーテルで洗浄すると、融点172℃ないし176℃を有する目的化合物 4.36gが得られた。
【0403】
参考例18
N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチル-6-ニトロアニリン
N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチルアニリン塩酸塩 4.3gを氷冷した濃硝酸に加え、氷冷下で10分間攪拌した後、さらに室温で10分間攪拌した。反応混合物を氷水に加え、炭酸水素ナトリウムで中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より溶剤を留去した後、残渣にイソプロピルエーテル 50mlおよびn-ヘキサン 50mlを加えて、5分間超音波振動を与えた。不溶の結晶にイソプロピルエーテル:n-ヘキサン(=1:1)混合液加え、結晶をろ取し、更にイソプロピルエーテル:n-ヘキサン(=1:1)混合液で洗浄すると、融点143℃ないし146℃を有する目的化合物 2.76gが得られた。
【0404】
参考例19
4-アセトキシ-N-メチル-3,5,6-トリメチル-1,2-フェニレンジアミン
N-メチル-4-アセトキシ-2,3,5-トリメチル-6-ニトロアニリン 2.65gのエタノール 20ml溶液に、酢酸エチル 20mlおよび酸化白金 0.2gを加え、室温でこの混合物に水素ガスを3.5時間導入し、更に40℃で3時間導入した。次いで、反応混合物より酸化白金をろ去し、ろ液より溶剤を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:1)に付して精製すると、融点、113℃ないし116℃を有する目的化合物 1.3gが得られた。
【0405】
参考例20
5-(4-メトキシカルボニルメトキシベンジル)-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン
5-(4-ヒドロキシベンジル)-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン 120gのアセトン溶液 2.5リットルに炭酸セシウム 126gを加え、更にブロモ酢酸メチル 36mlを室温で加え、1時間攪拌した。反応混合物より溶剤を留去した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。抽出液から溶剤を留去し、油状残渣にジエチルエーテル 1リットルを加え、10分間超音波振動を与えた。析出してくる固体をろ取すると、融点158℃ないし162℃を有する目的化合物 126.3gが得られた。
【0406】
参考例21
5-(4-メトキシカルボニルメトキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン
5-(4-メトキシカルボニルメトキシベンジル)-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン 344gを1,4-ジオキサン 400mlに懸濁させた懸濁液に、酢酸 1700ml、次いで水400mlを室温で加え、80℃で5時間攪拌した。反応混合物から溶剤を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:2→2:1→酢酸エチルのみ)に付して精製すると、融点100℃ないし106℃を有する目的化合物 161.7gが得られた。
【0407】
参考例22
N-tert-ブトキシカルボニル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン
水素化ナトリウム(55%以上含有) 0.72gを無水N,N-ジメチルホルムアミド 30mlに懸濁させた懸濁液に、4-メトキシ-2-ニトロアニリン 2.5gの無水N,N-ジメチルホルムアミド溶液 30mlを室温で加え、10分間攪拌した。次いでこの反応混合物にジ-tert-ブチルジカーボネート 3.57gの無水N,N-ジメチルホルムアミド溶液 20mlを室温で加えた後、1時間攪拌した。反応混合物を氷水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液から溶剤を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)に付して精製すると、Rf値=0.39(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)を有する目的化合物 1.94gが得られた。
【0408】
参考例23
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン
水素化ナトリウム(55%以上含有) 0.46g、無水N,N-ジメチルホルムアミド 15ml、ヨウ化メチル 0.66mlおよびN-tert-ブトキシカルボニル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン 1.9gの無水N,N-ジメチルホルムアミド溶液 15mlを用いて、参考例7に準じて反応および後処理を行うと、Rf値=0.34(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を有する目的化合物 2.0gが得られた。
【0409】
参考例24
N-メチル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン
N-tert-ブトキシカルボニル-N-メチル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン 2.0gおよび4規定塩化水素-1,4-ジオキサン溶液 30mlを用いて参考例8に準じて反応および後処理を行うと、Rf値=0.62(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:5)を有する目的化合物 1.17gが得られた。
【0410】
参考例25
4-メトキシ-N-メチル-12-フェエニレンジアミン
N-メチル-4-メトキシ-2-ニトロアニリン 1.16g、10%パラジウム-炭素触媒 0.3gおよびエタノール 50mlの混合物に室温で3時間水素ガスを導入した。反応混合物から10%パラジウム-炭素触媒をろ去した後、溶剤を留去すると、Rf値=0.50(酢酸エチル:n-ヘキサン=1:3)を有する目的化合物 1.17gが得られた。
【0411】
参考例26
5-ベンズイミダゾールカルボン酸メチル
5-ベンズイミダゾールカルボン酸 10g、メタノール 150mlおよび4規定塩化水素-1,4-ジオキサン溶液 100mlの混合物に4時間超音波振動を与えた。反応混合物から溶剤を減圧下で留去した後、残渣にメタノール 300mlおよび水素化ホウ素リチウム 3.5gを加え、1時間攪拌した。反応混合物から減圧下で溶剤を留去した後、残渣に食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液から溶剤を留去すると、融点136℃ないし138℃を有する目的化合物 5.44gが得られた。
【0412】
参考例27
1-ベンジル-5-ベンズイミダゾールカルボン酸メチル
5-ベンズイミダゾールカルボン酸メチル 2.8g、臭化ベンジル 3.52g、炭酸カリウム 3gおよびアセトン 50mlの混合物を室温で3日間攪拌した。反応混合物から溶剤を留去し、残渣に食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶剤を留去し、残渣を酢酸エチルおよびn-ヘキサンの混合液で再結晶すると、融点156℃ないし162℃を有する目的化合物 0.94gが得られた。
【0413】
参考例28
1-ベンジル-5-ベンズイミダゾールメタノール
水素化アルミニウムリチウム 0.23gを無水テトラヒドロフラン 10mlに懸濁させた懸濁液に、1-ベンジル-5-ベンズイミダゾールカルボン酸メチル 0.87gの無水テトラヒドロフラン溶液 18mlを氷冷下で滴下し、混合物を室温で2時間攪拌した。更に、反応混合物に水素化アルミニウムリチウム 0.11gおよび無水テトラヒドロフラン 10mlを加えて、室温で1時間、ついで50℃油浴上で4.5時間攪拌し、更に2時間加熱還流した。反応混合物を放冷した後、過剰量の硫酸ナトリウム10水和物を加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物をセライトを用いてろ過し、ろ液から溶剤を留去した。残渣をエタノールおよびジイソプロピルエーテルの混合液で再結晶すると、融点148℃ないし150℃を有する目的化合物 383mgが得られた。
【0414】
参考例29
5-[4-(1-ベンジルベンズイミダゾール-5-イルメトキシ)ベンジル]-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン
5-(4-ヒドロキシベンジル)-3-トリフェニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン 822mg、アゾジカルボニルジピペリジン 454mg、無水トルエン 6mlおよびトリブチルホスフィン 0.44mlの混合物を室温で30分間攪拌した。反応混合物に1-ベンジル-5-ベンズイミダゾールメタノール 349mgを加え、3時間攪拌した後、室温で10日間放置した。反応混合物から溶剤を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n-ヘキサン=3:1→1:0)に付して精製すると、軟化点90℃ないし91℃を有する目的化合物 0.32gが得られた。
【0415】
試験例1 血糖降下作用
体重 40g以上で高血糖状態を示す雄性KKマウスに各化合物を ポリエチレングリコール400:水=1:1の溶剤に混合して経口投与し、飽食条件下で18時間放置した。次いで無麻酔下で尾静脈より採血し、グルコースアナライザー GL-101(商標名、三菱化成(株)製)またはグルコローダー-F(商標名、シノ テスト(株)製)にて血糖値を測定した。
【0416】
血糖降下率は以下の式より求めた。
【0417】
血糖降下率(%)=
[(溶剤投与群血糖値-化合物投与群血糖値)/溶剤投与群血糖値]×100
結果を以下に示す。
【0418】
【表138】


表から、本発明の化合物は優れた効果を示した。
【0419】
試験例2 アルドース還元酵素阻害作用
牛の水晶体のアルドース還元酵素はS.HymanおよびJ.H.Kinoshita[J.Biol.Chem.、240巻、877頁(1965年)]およびK.Inagaki,I.MiwaおよびJ.Okuda[Arch.Biochem.Biophys.、216巻、337頁(1982年)]に記載の方法によって分離および部分精製した。そして、その活性はVarma et al.[Biochem. Pharmac.、25巻、2505頁(1976年)]に記載の方法により光度的に測定した。酵素活性の阻害は本発明の化合物の5μg/ml濃度で測定した。
【0420】
結果を以下の表に示す。
【0421】
【表139】


試験例3 毒性
実験動物としてF344系雄性ラットを用いた。実験には一群5匹を用いた。被験化合物は各動物に経口で50mg/ml体重量が2週間投与された。被験化合物は実施例1および製造例1で得られた化合物である。動物は投与後2週間観察された。そして、その期間中、被験化合物に起因した異常はなんら見られなかった。
【0422】
各動物に対する実質投与量の観点から、死亡率0は本発明の化合物の毒性が非常に低いことを示している。
【0423】
【発明の効果】
本発明の一般式(1)を有する縮合複素環化合物またはその塩は、インスリン抵抗性、高脂血症、高血糖症、妊娠糖尿病、肥満症、耐糖能不全状態、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障および多嚢胞卵巣症候群等を改善し、更にアルドース還元酵素阻害作用、5-リポキシゲナーゼ阻害作用および過酸化脂質生成抑制作用を有しており、したがって高脂血症、高血糖症、肥満症、耐糖能不全、高血圧症、骨粗鬆症、悪液質、脂肪肝、糖尿病合併症、動脈硬化症、白内障等の予防薬および/または治療薬、および上記疾病以外の、妊娠糖尿病、多嚢胞卵巣症候群等のようなインスリン抵抗性に起因する疾病の予防薬および/または治療薬、ならびに炎症性疾患、アクネ、日焼け、乾癬、湿疹、アレルギー性疾患、喘息、GI潰瘍、心血管性疾患、アテローム性動脈硬化症および虚血性疾患により惹起される細胞損傷等の予防薬および/または治療薬として有用である。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項2を削除する。
審決日 2001-11-12 
出願番号 特願平8-137930
審決分類 P 1 41・ 851- Y (C07D)
最終処分 成立  
特許庁審判長 竹林 則幸
特許庁審判官 大宅 郁治
宮本 和子
登録日 1999-09-10 
登録番号 特許第2976885号(P2976885)
発明の名称 縮合複素環化合物  
代理人 大野 彰夫  
代理人 中田 泰雄  
代理人 中田 ▲泰▼雄  
代理人 大野 彰夫  

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