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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C11D |
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管理番号 | 1055838 |
審判番号 | 不服2000-4378 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1994-07-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-03-29 |
確定日 | 2002-03-18 |
事件の表示 | 平成 5年特許願第231614号「 半田フラックス除去用洗浄剤」拒絶査定に対する審判事件[平成6年7月12日出願公開、特開平6-192694]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.本願発明 本願は、平成5年9月17日(優先権主張平成4年10月9日)の出願であって、その請求項1及び2に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明1及び2」という。) 「【請求項1】 半田付け後の電子部品の半田フラックスを除去するための洗浄剤であって、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを50重量%以上100重量%以下の範囲であり、水が0重量%以上50重量%以下の範囲であり、かつ前記洗浄剤はジエチレングリコールモノイソブチルエーテルと水との2成分系であることを特徴とする半田フラックス除去用洗浄剤。 【請求項2】 ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを75重量%以上95重量%以下の範囲であり、水が5重量%以上25重量%以下の範囲である請求項1に記載の半田フラックス除去用洗浄剤。」 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張の日前である平成3年7月12日に頒布された特開平3-162496号公報(以下、「引用例」という。)には、「アルキル基の炭素数が4〜8であるジエチレングリコールモノアルキルエーテルを50重量%以上含有する洗浄剤組成物。」(特許請求の範囲の請求項1)、「本発明は洗浄剤組成物・・・ロジン系フラックス等の汚れの除去性に優れ、かつすすぎ性に優れた洗浄剤組成物に関する。」(第5頁左下欄下から2行〜右下欄第3行)、「(2)フラックス除去性試験 ICチップを装着したプリント配線板をフラックス処理し、続いてハンダ処理してテストピースとした。このテストピースを80℃に保った洗浄液に浸漬し、・・・フラックスの洗浄性を黙視で評価した。」(第3頁右下欄下から3行〜第4頁左上欄第4行)、及び、第4頁の表1には実施例2としてジエチレングリコールモノブチルエーテル80重量%、水20重量%からなる洗浄剤組成物が記載されている。 3.対比・判断 引用例に記載のフラックスはプリント配線板をハンダ処理する際に用いるものであるから半田フラックスに相当する。 そこで、本願発明と引用例記載の発明とを対比すると、両者はハンダ付け後の電子部品のハンダフラックスを除去するための、20重量%の水を含む2成分系の洗浄剤である点で一致し、本願発明は洗浄剤の他の成分はジエチレングリコールモノイソブチルエーテルであるのに対し、引用例記載の発明における他の成分はジエチレングリコールモノブチルエーテルである点で一応相違する。 該相違点について、本願明細書において、段落0006に記載の課題を解決するための洗浄剤に使用する化合物として、段落0015には「ジエチレングリコールモノブチルエーテルのブチル基は直鎖上のノルマルブチル基、分岐上のイソブチル基のどちらでも良い。」と記載されており、どちらの基のものも上記課題を解決できるものとされていること、ブチル基はノルマルブチル基と共にイソブチル基も包含すること(必要ならば「化学大辞典7縮刷版」化学大辞典編集委員会編 1989年8月15日 共立出版(株)「ブチル」の項を参照)、ジエチレングリコールブチルエーテルの沸点は228.5〜230℃であり、ブチル基はノルマルだけではなく各種異性体を包含することが示唆されていること(必要ならば「化学大辞典4縮刷版」化学大辞典編集委員会編 1989年8月15日 共立出版(株)「ジエチレングリコール」の項を参照)を考慮すると、引用例記載のジエチレングリコールモノブチルエーテルはジエチレングリコールモノイソブチルエーテルを包含することは明らかである。 よって、本願発明と引用例記載の発明との間において、洗浄剤の水以外の他の成分の点においても差異はなく、本願発明は引用例記載の発明と同一の発明である。 4.むすび したがって、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-01-21 |
結審通知日 | 2002-01-23 |
審決日 | 2002-02-05 |
出願番号 | 特願平5-231614 |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(C11D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 近藤 政克 |
特許庁審判長 |
板橋 一隆 |
特許庁審判官 |
山田 泰之 井上 彌一 |
発明の名称 | 半田フラックス除去用洗浄剤 |
代理人 | 佐藤 公博 |
代理人 | 池内 寛幸 |