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審決分類 審判 訂正 判示事項別分類コード:812 訂正しない B29C
審判 訂正 旧特126条1項1号 請求の範囲の減縮 訂正しない B29C
審判 訂正 判示事項別分類コード:813 訂正しない B29C
管理番号 1055941
審判番号 訂正2001-39122  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1993-09-07 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2001-07-31 
確定日 2002-03-22 
事件の表示 特許第2528064号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.訂正請求の要旨
特許第2528064号は、平成4年10月9日(平成3年10月9日特許出願に基づく国内優先権主張)に特許出願され、平成8年6月14日にその特許権の設定登録がなされ、その後、西部機械株式会社(以下、「請求人」という。)より無効審判請求がなされ、平成13年2月20日付けで請求は成り立たないと審決され、その後、平成13年3月29日審決取消訴訟(平成13年(行ヶ)第130号)が提起されたものであって、そして、本件訂正審判請求の平成13年7月31日時点では、上記本件特許に係る特許無効審判事件は特許庁に係属していない。その後、平成13年11月30日付けで訂正拒絶理由の通知がなされ、その指定期間内である平成13年12月17日付けで意見書が提出されたものである。
本件訂正審判の請求は、その特許明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるというもので、その訂正内容の要旨は、次のとおりである。
「特許明細書の特許請求範囲請求項1の18行目乃至19行目(登録公報第2欄下から4行目乃至2行目)「前記プラスチックフイルム層の送り時間T1とヒートシール時間T2の間に待ち時間T4を入れ、」との記載を、
「前記プラスチックフイルム層の送り時間T1の後ヒートシール時間T2の前に待ち時間T4を入れ、」と訂正する。」
2.訂正拒絶の理由
一方、平成13年11月30日付けで通知した訂正の拒絶の理由は、次のとおりである。
本件訂正審判の請求に係る訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的として、要するに訂正前の、「送り時間T1」と「ヒートシール時間T2」との間に「待ち時間T4」を入れるとあるものを、送り工程に相当する「送り時間T1」の後であって、ヒートシール工程に相当する「ヒートシール時間T2」の前に「待ち時間T4」なるものを入れるとするものであるが、特許明細書の特許請求の範囲の、訂正前の当該記載箇所前の「・・・プラスチックフィルム間欠送り機構と〜プラスチックフィルム層をヒートシールする可動シールバー駆動機構とを有する装置において」と記載している、基本となる装置構成を記載した箇所には、「・・・2層に重ね合わせたプラスチックフィルムを前記可動シールバーと前記固定シールバー間に通し、一定長さずつ間欠的に送り、その間欠送り毎に、前記プラスチックフィルム層を一時的に停止させるプラスチックフィルム間欠送り機構と、前記プラスチックフィルム層の間欠送り毎に、・・・可動シールバーを・・・往復移動させ、前記プラスチックフィルム層が一時的に停止しているとき、前記プラスチックフィルム層を前記可動シールバーと前記固定シールバー間に挟み、これによって前記プラスチックフィルム層をヒートシールする可動シールバー駆動機構とを有する装置において、」と記載され、装置の作動順序が明確に記載されている。すなわち、先ず、間欠送り機構が作動して、必要な長さプラスチックフィルムを送り、送り終わると所定時間、間欠送り機構は停止し、プラスチックフイルムは停止された状態になり、その停止状態の時に、プラスチックフィルムを可動シールバーと固定シールバーとにより挟み、ヒートシールするという一連の動作を行なう装置であることが明記されている。
してみると、本件特許第2528064号の請求項1に係る発明の装置の動作の順序は、間欠的な送りがあり、次いで、ヒートシールがあり、そして、また、間欠的な送りがくるものである。とすると、「「送り時間T1」と「ヒートシール時間T2」との間に「待ち時間T4」を入れ」と記載があれば、それは取りも直さず、間欠送り工程の送り時間T1-待ち時間T4-ヒートシール工程のヒートシール時間T2-間欠送り工程の送り時間T1という一連の工程順序を意味することは明らかであるから、「前記プラスチックフイルム層の送り時間T1の後ヒートシール時間T2の前に待ち時間T4を入れ、」と記載されているに等しく、訂正前の特許請求の範囲の記載が明りょうでない点があるということはできない。したがって、上記訂正事項のように訂正することが明りょうでない記載を釈明するものとは認められない。
また、上記訂正が、「特許請求の範囲の減縮」及び「誤記の訂正」のいずれにも該当しないことは明らかである。
したがって、上記訂正審判の請求は、平成6年改正特許法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項だたし書きの規定に適合しないので、本件訂正審判の請求は認められない。
3.当審の判断
本件訂正審判請求人は、訂正拒絶理由通知に対する平成13年12月17日付けの意見書において、「審判請求人は、本件特許請求の範囲第1項の発明の要旨である待ち時間T4は、送り時間T1の後ヒートシール時間T2の前に入れるものであることは明瞭であると信じていたのでありますが、誤解を生じる恐れを排除しておくために、本件訂正を請求した次第であります。今回、前記のことは原明細書によって明瞭であるとの判断が示されましたので、請求人としては何等異議はなく、今回のご認定を承服いたします」と意見を述べていることからみて、当審の判断について実質的に反論するところはなく、むしろ追認しているものと認められる。
以上のことから、上記訂正拒絶理由は妥当なものと認められる。
4.むすび
したがって、上記訂正審判の請求は、平成6年改正特許法附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項だたし書きの規定に適合しないので、本件訂正審判の請求は認められない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-01-16 
結審通知日 2002-01-21 
審決日 2002-02-08 
出願番号 特願平4-297914
審決分類 P 1 41・ 813- Z (B29C)
P 1 41・ 811- Z (B29C)
P 1 41・ 812- Z (B29C)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 高梨 操
特許庁審判官 石井 淑久
小林 正巳
加藤 志麻子
喜納 稔
登録日 1996-06-14 
登録番号 特許第2528064号(P2528064)
発明の名称 プラスチックフィルム層をヒ―トシ―ルする装置  
代理人 吉崎 修司  
代理人 武石 靖彦  
代理人 村田 紀子  

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