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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C02F 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C02F |
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管理番号 | 1056645 |
異議申立番号 | 異議2001-70311 |
総通号数 | 29 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-03-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-01-26 |
確定日 | 2002-02-06 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3079109号「地下水中のハロゲン化汚染物質の除去方法」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3079109号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 特許第3079109号の請求項1〜5に係る発明は、平成2年11月28日の出願であって、平成12年6月16日にその特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人 斉藤慎二(申立人A)および特許異議申立人 三澤貞一(申立人B)により特許異議の申立がなされ、平成13年7月10日に取消の理由が通知され、期間延長申請により延長された指定期間内である平成13年11月30日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否 (1)訂正の内容 ア.訂正事項a 特許請求の範囲中、請求項1の「帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を与え、該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記の汚染されている地下水を、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。」を、「帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、該帯水層中の該地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を該地下水の流れの流路に与え、該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記の汚染されている該帯水層中の該地下水の流れを、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。」と訂正する。 イ.訂正事項b 特許請求の範囲中、元の請求項5を削除する。 ウ.訂正事項c 特許請求の範囲中、元の請求項6の項数を5に繰り上げる。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 ア.該訂正事項aは、 a-1.請求項1の第2行の「地下水」を「該帯水層中の該地下水」とする訂正 a-2.請求項1の第3行の「与え」を「該地下水の流れの流路に与え」とする訂正 a-3.請求項1の第6行の「地下水」を「該帯水層中の該地下水の流れ」とする訂正 に細分することができる。 訂正事項a-1は、本件発明の方法が処理対象とする「地下水」が帯水層中の地下水であることを明確にしたもので、明りょうでない記載の釈明の該当する。また、訂正事項a-2は、該地下水の処理剤である金属体が該地下水の流路に与えられることに限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。さらに、訂正事項a-3は、前記金属体の中へ次いで外金属体を通過するよう導く「地下水」が帯水層中の地下水であることを明確にしたもので、明りょうでない記載の釈明の該当する。 そして、本件特許明細書第1頁4〜6行(公報第3欄21〜23行)「本発明は、溶剤或いは殺虫剤などの塩素化あるいはハロゲン化有機物質によって汚染された帯水層を流れる地下水を浄化する方法に関する」との記載からみて、本件発明の方法が処理対象とする「地下水」が帯水層中の地下水であることは、本件特許明細書に記載された事項である。また、本件特許明細書第6頁6〜8行(公報第5欄48〜50行)「布掘り(トレンチ)6は、汚染物質の進行方向にあり、トレンチ6には鉄の充填物と砂の混合物からなる本体部7が設置されている」、同第6頁15〜17行(公報第6欄7〜9行)「本体部7は、水の流れに対して障害となってはならず、よって、鉄と砂の混合物の透水性は帯水層の透水性よりも下回ってはいけない。」及び本件特許請求の範囲請求項3「汚染された地下水の流路の帯水層中にトレンチを掘り、次いで、前記トレンチ中に金属体を設置する」との記載からみて、地下水の処理剤である金属体が該地下水の流路に与えられ、前記金属体の中へ次いで外金属体を通過するよう導く「地下水」が帯水層中の地下水であることは本件特許明細書に記載された事項である。 したがって、訂正事項aは新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲の拡張又は変更するものでもない。 イ.訂正事項bは、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。 ウ.訂正事項cは、訂正事項bの結果生じる、特許請求の範囲の項数の不整合を正すものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当し、これらの訂正が新規事項の追加に該当しないことは明らかであり、実質的に特許請求の範囲の拡張又は変更するものでもない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第第1項但し書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立の概要 (1)申立人Aは、甲第1〜6号証を提出し、請求項1ないし6に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから請求項1ないし6に係る発明の特許を取り消すべきであると主張している。 甲第1号証:特開昭64-27690号公報 甲第2号証:特開平01-194993号公報 甲第3号証:ENVIRONMENTAL PROGRESS 4[3](1985,aug.)p.168〜170 甲第4号証:PPM 13[9](1982年9月)p.47〜55 甲第5号証:特開昭63-280127号公報 甲第6号証:新版土木工法事典編集委員会編「新版土木工法事典」産業調査会、昭52.12.1、469頁 (2)申立人Bは、甲第1〜10号証を提出し、請求項1及び請求項5に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してなされたものであり、請求項1ないし6に係る発明の特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから請求項1ないし6に係る発明の特許を取り消すべきであると主張している。 甲第1号証:「工業用水」No.369、日本工業用水協会、(1989年6月)p.19〜25 甲第2号証:「工業用水」No.357、日本工業用水協会、(1988年6月)p.2〜7 甲第3号証:FOCUS Conference on Southwestern Ground Water Issues (1988 Mar. p.441〜453) 甲第4号証:書簡(本件特許の優先権出願に係る米国特許において、出願人代理人Anthony Asquithが、甲第3号証を「当該特許に関連すると考慮され得る刊行物である」と述べ、且つ、その刊行物の写しを米国特許商標庁に提出した送り状) 甲第5号証:特開昭63-280127号公報 甲第6号証:日本工業用水協会編「工業用水便覧」産業図書(株)p.193〜200、昭和33年11月15日発行 甲第7号証:特開昭63-264192号公報 甲第8号証:日本工業用水協会編「水処理実験法」コロナ社 p.313〜319、昭和46年6月20日発行 甲第9号証:用水廃水ハンドブック編集委員会編「用水廃水ハンドブック」産業用水調査会、p.361〜363、昭48年12月19日発行 甲第10号証:「マグローヒル科学技術用語大辞典」日刊工業新聞社、「帯水層」の項 4.特許異議申立についての判断 (1)本件発明 訂正明細書の請求項1〜5に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜5に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下「本件発明1」ないし「本件発明5」という)。 「【請求項1】帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、該帯水層中の該地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を該地下水の流れの流路に与え、該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記の汚染されている該帯水層中の該地下水の流れを、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。 【請求項2】一定の時間は、地下水の酸化還元電位が-100mV以下になるのに充分長い、請求項1記載の方法 【請求項3】汚染された地下水の流路の帯水層中にトレンチを掘り、次いで、前記レンチ中に金属体を設置する諸工程を更に含み、しかも、前記トレンチの大きさ及び配置、並びに前記金属体の酸素欠如部分の大きさ及び配置は、汚染された地下水が酸素欠如部分を通って通過するように設定される、請求項1記載の方法 【請求項4】水汲み上げ井戸に入り込む実質的に全ての水が金属体の酸素欠如部分を通過し、一定の滞留時間の間、該酸素欠如部分内部に滞留するように、トレンチを設け、トレンチと前記酸素欠如部分との大きさを決定する工程を更に有する、請求項3記載の方法。 【請求項5】汚染された地下水の流路の帯水層中に一連の複数のボアホールを設け、次いで、該複数のボアホール中に金属を注入する諸工程を更に含み、しかも、該複数のボアホールの間隔、及び注入される金属の量は、その注入された金属が充分に帯水層を貫通し、金属体本体の及びその酸素欠如部分を形成する用に決定する、請求項1記載の方法。」 (2)引用刊行物記載の発明 ア.取消理由通知に引用された引用例1(異議申立人Bが提出した甲第1号証)には、次の事項が記載されている。 ア-1.「最近、地下水や上水から発ガン性の疑いのもたれている有機塩素化合物が検出され、人体への影響が心配されている。」(第19頁左欄2〜4行) ア-2.「金属鉄を用いてトリクロロエチレンを還元処理することにより、トリクロロエチレンは容易に脱塩素化されてその脱塩素化物であるエタンおよびエチレンガスになることを確かめた」(第19頁左欄24〜末行) ア-3.「トリクロロエチレンの処理試験は、・・・流通試験の場合は内径10mmのジャケット付ガラス管を用いた。・・・流通方式による試験は図-1に示す装置を用い、所定の層高になるように金属鉄を反応管に充填し、原水を上向きに流す充填塔方式により処理試験を行った」(第20頁左欄16〜23行) イ.同じく引用例2(異議申立人Bが提出した甲第2号証)には、次の事項が記載されている。 イ-1.「鉄などの金属の存在下での有機塩素化合物の脱塩素反応は還元反応と考えられる。しかし、一般に水中には酸素が数ppm溶解しているため酸化性の雰囲気にある。この溶存する酸素は金属鉄を酸化して消失していく」(第3頁右欄2〜5行) イ-2.「テトラクロロエタンの還元処理には溶存酸素の除去が効果的である」(第3頁右欄22〜23行) イ-3.「有機塩素化合物と金属鉄の反応は酸化還元反応であり、酸化還元電位が約-300mV付近で起きる。また、反応は金属(鉄)の存在が不可欠である」(第6頁左欄14〜16行) ウ.同じく引用例3(異議申立人Aが提出した甲第3号証)には、次の事項が記載されている。 ウ-1.「産業廃棄物の貯蔵タンク、処理や処分の過程また偶発的な漏出事故などに由来する土壌および地下水汚染の問題は幅広く関心を集めている」(第168頁左欄1〜4行) ウ-2.「本論文で焦点としているのは、汚染地下水の原位置での浄化手法である。・・・地表面下での処理プロセスとしては、吸着、イオン交換、沈殿法、栄養塩や酸素による微生物分解などが考えられる。適当な処理媒体を含有する遮水トレンチを構築し、そこに汚染地下水を通過させることによって浄化することが提案できる。処理媒体には、活性炭のように有機物を吸着するもの、イオン交換樹脂のように無機イオン種を捕捉するもの、pHを調整するもの、栄養塩や酸素の供給によって微生物活動を活性化させるもの、これらのものの組合せおよびその他の処理技術によるものを含む」(第168頁左欄15〜34行) ウ-3.「この原位置処理手法の概念には、物理化学的な処理段階、水理学的および地盤技術的設計段階の3つの段階を含んでいる。汚染地下水の化学的特性を初期の段階で適当に把握する必要がある。このとき・・・必要がある。たいていの地下水処理においては、その環境は等温で、嫌気的で還元的である。適用可能な処理技術が決定できたら、その技術は原位置に適用可能であると考えられる。現状で最も適した方法は、地下水の流れを損なわず、再生したり置換する必要がなく汚染物質を捕捉あるいは処理可能な処理媒体を用いる方法である」(第168頁左欄36行〜同頁右欄4行) エ.同じく引用例4(異議申立人Bが提出した甲第3号証)には、第448頁第1段落にトレンチに処理剤として活性炭を充填して地下水中の有機汚染物質を吸着除去する方法が紹介され、第447頁Figure.3及びFigure.4に、前記活性炭を充填した透過性バリヤが地下水が通るような大きさ及び配置に設定されていることが図示されている。 (3)対比・判断 【本件発明1について】 記載ア-1及びア-2によれば、引用例1に記載される発明は、地下水中の汚染有機塩素化合物であるトリクロロエチレンを金属鉄を用いて還元処理する方法に関するものであり、還元処理であるから金属鉄の酸素欠如部分でトリクロロエチレンが還元分解されているものと認められ、記載ア-3によれば、該トリクロロエチレンを含有する被処理水を金属鉄の充填槽中を流すことにより処理するものである。 以上の記載事項を勘案して本件発明1と引用例1記載の発明とを対比すると、両者は「地下水等の被処理水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、該被処理水が通過するのに充分である形の金属体を該被処理水の流れの流路に与え、前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該被処理水を該金属体の中に導き、次いで前記被処理水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過し、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。」である点で一致し、引用例1には、本件発明1の構成要件である(a)「帯水層中の地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体を該地下水の流れの流路に与え」ること、及び(b)「該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するように」することについて記載がない点で相違する。 上記相違点について検討する。引用例3には、記載ウ-2によれば、汚染地下水の原位置での浄化手法が開示されており、地下水汚染の処理媒体として、吸着剤や微生物など種々のものが適用できることが示唆され、記載ウ-3によれば、原位置における地下水処理においてその環境は嫌気的で還元的であることが記載されているが、処理剤として金属体を用いること及び該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導くことについては、記載も示唆もされていない。即ち、記載ウ-3によれば、原位置における地下水が還元的であることが記載されているが、かかる還元的環境を維持することについては開示がない。 さらに、引用例2には、金属鉄を用いてテトラクロロエタンを還元分解するに当たり、水中の溶存酸素が、金属鉄を消失する問題点が開示されているものの、その解決手段としては、溶存酸素の除去が開示されているにすぎず、引用例4には、汚染地下水の原位置浄化手段として、吸着剤を適用した方法が開示されているにすぎない。 本件発明は、上記の構成を採用することにより、特許権者が提出した意見書に添付された参考資料1ないし3に記載されるように、従来技術と比べ長期間に亘り、高い除去率を維持することができるという、顕著な作用効果を奏するものと認められる。 したがって、本件発明1は、各引用例に記載された発明と認めることができないばかりでなく、各引用例記載の発明を組み合わせて当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 【本件発明2ないし4について】 本件発明2ないし4は、本件発明1を引用する発明であるから、本件発明1で検討したのと同じ理由で、各引用例に記載された発明と認めることができないばかりでなく、各引用例記載の発明を組み合わせて当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件発明1〜5の特許は、特許異議申立の理由及び証拠によっては取り消すことはできない。 また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 地下水中のハロゲン化汚染物質の除去方法 【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、溶剤あるいは殺虫剤などの塩素化あるいはハロゲン化有機物質によって汚染された帯水層を流れる地下水を浄化する方法に関する。 本発明は、地下水帯水層中に存在する地下水に関する。ここで帯水層とは広義の意味での、地中にある砂、石、砕石等からなる保水している地質学的構造を意味し、単に水を供給する構造だけに限定していない。 地下水中の、四塩化炭素、トリクロエチレン、テトラクロロエチレン、PCB、クロロホルム等の工業溶剤は、非常に有害かつ発ガン性がある。飲料水においては、これらの汚染物質は極めて微量、ppbの測定レベルの範囲で許容されている。 背景技術 塩素系溶剤によって汚染された地下水を浄化する従来の方法では通常、汚染物質の分解を行っておらず、単に汚染物質を地下水中から除去するのみである。例えば、水中の汚染物質が活性炭に吸着されることが知られている。これは水を浄化するのに効果的であるが汚染物質は活性炭に吸着された状態で残留する。よって、新たな廃棄物問題を生起する。 通常、汚染物質は揮発性なのでエアーストリッピング(air-stripping)によっても取り除くことが出来る。地下水に空気を送り込めば、地下水は浄化されるものの、汚染物質は依然として存在するという問題が残る。また、汚染された空気を処理せず大気中に放出することは、現在では許容され難く、例えば、活性炭に吸着させることによって汚染物質を再度除去する必要がある。 これに代わる一つの従来方法によると、塩素処理された汚染物質は分解される。この方法には、上昇した温度での触媒酸化が含まれる。なお、この方法はコストが非常に高いが、汚染物質を二酸化炭素と適当な塩化物とに分解する。これらは、低濃度では無害である。この方法は、飲料水供給のためには、コスト上の理由で、通常実施不可能である。 米国特許、US-4382865(SWEENY、1983年5月10日)ではハロゲン化殺虫剤を製造する際に生ずる汚水の処理システムが述べられている。ここでは、殺虫剤製造によって生ずる廃棄物を含有する汚水を数種の金属の組合せの中を通過せしめることにより、ハロゲン化汚染物質の分解が金属の組合せにより有効に起こることが示されている。 本発明は、Sweenyと同様にハロゲン化汚染物質を水から取り除くことに関しているが、Sweenyとは異なり、特に溶剤中のハロゲン化汚染物質を帯水層中を拡散通過している地下水から取り除くことに関する。本発明における主眼は、工場排水とは異なり、地下水は一般的に実質上、無酸素状態にあることにある。 本発明の利点は、地中にある地下水中のハロゲン化汚染物質の化学的分解を例えば金属切断の過程において生ずる廃物等から必要量だけ得られる物質を用いることにより従来法より極めて安価に効率的に行えることにある。 本発明の開示 本発明は相当な期間、高い還元状態の中におかれて残存しているハロゲン化有機汚染物質を含む地下水をある一定期間、金属と密接に接触せしめることよりなる。このような条件下で、有機物質中の塩素イオン(或いは、他のハロゲンイオンでもよい)は、水酸化物イオンで置換されることが可能であり、一方、離脱した塩素イオンは溶解したままである。塩化物は、無機塩化物の許容限度より通常十分低い濃度で水中に残存するか又は沈殿する。 このように、有機分子は、加水分解反応と考えられるものによって無害化され、また塩素は、その痕跡量では無害である無機化合物に変化される。本発明で、この好都合な反応は、高い還元状態のために生じるものと考えられる。 本発明においては、汚染地下水のEh(酸化還元)電位、即ち、Eh(酸化還元)プローブとメーターを用いて測定される値は発明を実施後、-100mV以下、望ましくは、-200mV以下とする必要がある。 本発明においては、まずはじめに酸素の供給源を地下水から除去するか、あるいは、地下水から遠ざけることが好ましい。このことによって、ほとんどEh値が0近傍まで下がった地下水を供給でき、また、金属との密接な接触によりEh値を速やかに下げることが可能となる。 金属と地下水の接触は非常に密接に、しかも長くする必要がある。よって、金属は小接片あるいは繊維状であることが好ましく、このことにより、金属と地下水との接触面積を高めることが可能となり単位質量当たりの金属を効率的に活用することとなる。接触面が大きければ大きいほど地下水のEh値が下がるのに必要な金属本体との接触時間は少なくなるのである。 ここで、金属は好ましくは鉄であり、微紛状、切片状あるいはスティールウールの形態をとることが好ましい。 帯水層中に存在する地下水の浄化についてはコスト面において地下水を常温で処理することが最も好ましい。本発明においてはハロゲン化汚染物質の分解は、前述のように加水分解反応と考えられ、前記のように常温で達成可能な高還元状態に地下水を保つことで実施可能となる。 また、本発明において水のpH値はハロゲン化汚染物質の分解速度を決定するのに重要な因子であることがわかっている。帯水層中に存在する地下水の多くは帯水層中にある限りは実質上、中性であり、本発明における汚染物質の分解はかくの極き自然界の中性の状態において可能である。 本発明の具体例及びその説明 本発明を具体的に説明するため、以下に示す図を参考として発明の具体例を示す。 図1(FIG1)は、帯水層の平面図でありハロゲン化汚染物質は本発明を具体化した方法により除去される。 図2(FIG2)は、本発明の図1とは異なる具体例の説明図である。 図3(FIG3)は、汚染物質の濃度とEh値が時間と共にどの様に変化するかを示したものである。 図に示した実施例や以下に述べることは本発明を単に具体的に説明したものであり、必ずしも以下に示される特許請求の範囲を限定するものではない。 図1には、汚染された水が2で示されている。ここで汚染物質は、例えば四塩化炭素あるいは他の工業溶剤であり、事故により帯水層3に入り地下水4を汚染しつつある。 帯水層3の透水性は汚染物質が帯水層の中を特定の方向に動く程度のものであり、これにより汚染物質の流れが形成される。 仮に汚染水が井戸5の方向に向かっており、数基の井戸がかなり離れたところにある地下水を汲み出しているとするならば、井戸5が汚染されることを防ぐための手段を講じることは経済的に価値がある。 この典型的なケースにおいて、この汚染物質の源は不明であり、手段を講じて汚染物質を浄化する理由は井戸水を汚染から守るためである。また、他の状況においては、特定の水の供給が危険となるという理由ではなく、ただ単に工業的に流出した汚染の浄化義務のために、汚染物質の浄化が要求されることがある。 布掘り(トレンチ)6は、汚染物質の進路方向にあり、トレンチ6には鉄の充填物と砂の混合物からなる本体部7が設置されている。その混合物は、トレンチの下部に充填され、一方、トレンチの上部(即ち、汚染された水流の縦広がりの上部)には、トレンチを作る際にでた土や、れき土が充填される。トレンチ6中の本体部7の水平方向の広がりと縦方向の深さの点については、十分に全ての汚染された水流が本体部7を通過出来るだけの大きさが必要である。 本体部7は、水の流れに対して障害となってはならず、よって、鉄と砂の混合物の透水性は帯水層の透水性よりも下回ってはいけない。本体部7と帯水層3の間には、しき金を入れることは避けるべきであり、少なくともトレンチの透水性を下げるようなものがあってはいけない。また、トレンチを作る際に壁を支えるために用いた支柱は本体部7が入れられた後取り除かれなければならない。 汚染された水が金属と接触する際の充填物中での滞在時間が適当に確保されるようにトレンチの大きさとその中に入れられる鉄の充填物の量が決められなければならない。本発明において水の充填物中での滞在時間は、1〜2日あることが好ましい。また、トレンチの幅は以上のことを考慮して決定されなければならない。 酸素との接触が完全にないように鉄はトレンチの中に充填されなければらならない。従って鉄は、トレンチの中に埋める必要がある。鉄が酸素に接した場合、腐食され、汚染物質の分解の促進が効率的でなくなる。しかしながら、この酸素に接触した鉄は、いったん錆を生じるとその下部にある鉄に対する密閉作用を有する。これは鉄の酸素欠乏(anaerobic)部分と呼ばれる。しかし密閉作用に関していえば、トレンチから掘り出された土等の安価な材料を用いる方が鉄の場合好ましい。この鉄の酸素欠乏部分はトレンチの中にあり、実質上すべての汚染された水はトレンチの中、つまり鉄の酸素欠乏部分を通過しなければならないので、かなりの期間、鉄の酸素欠乏部分がトレンチの中に残留する。 トレンチ中には金属のみを入れる必要はなく、前述のように砂や他のかさのある充填材が鉄と混合されうる。かさのある材料がトレンチの中に含まれることにより、地下水はトレンチの中を流れる際に鉄と長時間にわたって接触することが可能となり、しかも莫大な量の金属を使用するに伴って生じる高コストを避けることが出来る。 実際上、通常のトレンチ切削機を使用するため、トレンチ幅を大きくする必要がある。よって、いくつかのケースにおいては、汚染物質を分解するのに必要な金属の量に相当するトレンチ幅よりも広い幅が用いられることがある。このような場合、かさのある充填材料として砂が用いられる。 砂が鉄と一緒に用いられた場合、鉄の充填物と砂は、トレンチ内で充分に混合、分散されていることが望ましい。 汚染物質が井戸を囲んでいる場合や汚染物質の流れが多方向から井戸に向かっている場合はトレンチは井戸を囲むように、作らなければならないと考えられる。 前述のようにトレンチは通常のトレンチ切削機によって作り得る。また、トレンチを作る代替手段としてはドリル アンド ジェット(drill-and-jet)工法によって金属本体を地中に挿入することが出来る。特にれき土などの緩い材料からなる地質学的構造の中に壁を作るためにこの工法は用いられる。 ドリル アンド ジェット工法を本発明に適応するにあたり適当な間隔をおいて一連のボアホール(試掘孔、boreholes)を作る。それぞれのボアホールに底まで届くパイプを挿入し、鉄の充填物を加圧下、パイプを通してボアホールに注入する。その後、パイプを徐々に取り除く。即ち、充填物は、れき土や他の材料を貫入して注入されるのである。要求される厚さの充填物から構成されるとぎれのない壁が形成されるように工事施工者は、ボアホールの間隔と注入する鉄の量を決定しなければならない。 図2に別のシステムを示す。タンクあるいは貯水槽8は地表に設置されている。ポンプ9によって汚染地下水は土中から汲み上げられ、貯水槽8に貯えられる。貯水槽8には鉄の充填物あるいは鉄の充填物と砂の混合物10が入れられており、その中を水が緩やかに浸潤するようになっている。 汚染地下水は、貯水槽の中に1〜2日の範囲で残留することが望ましく、また、貯水槽の大きさと鉄の量は適宜に計算されなければならない。従って汚染地下水の処理量が1分当たり100リットル程度の範囲では約10平方メートルの面積と約3メートルの深さの貯水槽が必要となる。 パイプ12を通して水は貯水槽から放水され、帯水層に再び戻されるか、あるいは必要ならば他の処理のために送水される。 図2に示されているように汚染地下水は、貯水槽の底に直接供給されるべきであって、貯水槽に入る以前に大気中に被曝されてはならない。深い地点から汲み上げられた地下水は、実質的にすでに無酸素状態とみなされる。本発明において、水が大気に触れている状態よりも酸素を持っていない状態の方がEh値を-100mVあるいは-200mVに下げる過程が速やかに進行する。 図1のトレンチ方式(トレンチシステム)と比べて図2に示されている貯水槽方式(貯水槽システム)の不利な点は、維持管理に関してポンプが必要な点である。一方、トレンチシステムは、一旦設置すると、全く維持管理の必要がない。二つのシステムからどちらを選択するかを決定する要素は、一つには経済性がある。ポンプにかかる費用は深いトレンチを作る費用と相殺されなければならない。トレンチは、20もしくは30メートル程度よりも深い場合、一般的に経済的ではない。 貯水槽では、その上部には幾らか酸素が含まれており、実際上、充填された鉄の上部は酸化されると予想される。それ故、貯水槽の体積は、面積ではなく深さによって得られることが望ましい。貯水槽は、酸素を含む水が浸透してくることを防ぐために、例えば、コンクリートあるいは粘土などの不透水性材料によって内側表面を覆う必要がある。 また、可能ならば不透水性材料の覆いを貯水槽につけることが望ましい。貯水槽が大気に接している限りにおいては、貯水槽の上部、および鉄の上部では水のEh電位を下げるのに効率が悪化すると考えられる。よって、仮に貯水槽が大気に接している場合、水を適当な滞留時間、槽中の深部で保つために貯水槽を十分な大きさにする必要がある。 本発明では、前述のような高い還元状態のもとで鉄自体が徐々に水に溶解することが認められている。よって、ある一定期間の使用後、トレンチあるいは貯水槽の中に新規に鉄を充填する必要がある。 図3において、カーブCSはある一定期間における水中のハロゲン化汚染物質の濃度レベルを示している。カーブESは同一の水の同期間におけるEh電位を示している(カーブは概略的に描かれており単に傾向を示しているに過ぎない)。一旦、Eh値が下がると汚染物質の分解が急激に生ずることが認められる。このCSとESのグラフの場合、軟鉄を用いている。カーブCGとEGは、亜鉛びき鉄板を用いた場合であり、カーブCAとEAは、アルミニウムを用いた場合である。 Eh値が低下する前と汚染物質の分解開始前に遅延時間があることに注目する必要がある。この遅延は、地下水中での最終的な酸素の消耗と低いEh値が始まるために必要とされる時間に起因すると考えられる。また、これは使用される金属の種類によって異なる。金属の反応性の範囲に差があるために、遅延時間に差が起きると考えられうる。従って亜鉛が最も反応性が高く、次に鉄、アルミニウムと続く。これは、図3に示したとおりである。 Eh値を下げる効果はステンレス鋼においても存在するが、遅延時間はかなり長くなる。本発明においては短い遅延時間の金属を使うことが望ましく、それにより水の必要とされる滞留時間は、最小限に抑制することが出来る。また、金属自体、大量に粒状あるいは充填物の形で、かつ適当な価格で入手可能であるという条件のもとで金属を選択すべきである。多くの場合において鉄が最適であると考えられる。 図3に示すグラフは、完全なる代表例ではない。ある場合においては、たとえEh電位が0であっても汚染物質の濃度レベルがかなり落ち始めることが観察されている。しかしながら、全ての場合において汚染物質物質が取り除かれ、許容される微小量に下がるにはEh値が-100mVのレベルあるいはそれ以下になることを認めている。 微紛状で金属を用いる目的は、金属が高い比表面積を持つことを確実にするためである。選択した金属の種類によりこれと同様の高い比表面積を持つものであれば他の形を用いてもよい。例としては、金属屑あるいはメタルウール中の金属繊維のようなものである。 鉄の充填物は、本発明のため特別に調製する必要はない。本発明の一つの経済的な指標は、金属処理過程で出てくるような金属粉を使用することである。特定の例をあげれば、鉄鋳造過程において出てくるような物である。 そのような金属粉は本来、全く汚染されていない。他の種類の金属粉あるいは、切断破片は、切断のために用いた工作機械油などが残っており、これらは洗浄して取り除かれなければならない。このような不純物は、ハロゲン化汚染物質の分解反応を妨害するのみならず、それ自身かなりの毒性があり帯水層に入れることができない。 最も反応性の高い金属を用いてもEh値を-100mVあるいは-200mVにまで下げるのに必要な滞留時間は、偶然に生ずる接触時間よりもかなり長い。本発明において長期間大きな接触面にわたり、金属と水が密に接触しなければならない。従って、例えば、ただ単に、汚染した水を金属パイプ中に流したり貯めることは本発明の範囲外である。 本発明は、帯水層にある汚染地下水、即ち深い地下からの水、を浄化することに関して述べてきた。通常、そのような地下水は、本質的にほとんどが完全に無酸素状態であると想定される。しかしながら、ある場合においては、地下水はいくらかの溶存酸素を含んでいることがある。本発明はそのような地下水を取り扱う上で不利である。何故ならば、Eh電位を下げるために大量の鉄あるいは他の金属、あるいは非常に長い滞在時間が要求されるからである。 (57)【特許請求の範囲】 1. 帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、 該帯水層中の該地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を、該地下水の流れの流路に与え、 該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようなやり方で該金属体を覆い、 前記の汚染されている該帯水層中の該地下水の流れを、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、 前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで 前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、 諸工程を含む、上記方法。 2. 一定の時間は、地下水の酸化還元電位が-100mV以下になるのに充分長い、請求項1記載の方法。 3. 汚染された地下水の流路の帯水層中にトレンチを掘り、次いで、前記トレンチ中に金属体を設置する諸工程を更に含み、しかも、 前記トレンチの大きさ及び配置、並びに前記金属体の酸素欠如部分の大きさ及び配置は、汚染された地下水が酸素欠如部分を通って通過するように設定される、請求項1記載の方法。 4. 水汲み上げ井戸に入り込む実質的に全ての水が金属体の酸素欠如部分を通過し、一定の滞留時間の間、該酸素欠如部分内部に滞留するように、トレンチを設け、トレンチと前記酸素欠如部分との大きさを決定する工程を更に有する、請求項3記載の方法。 5. 汚染された地下水の流路の帯水層中に一連の複数のボアホールを設け、次いで、該複数のボアホールの中に金属を注入する諸工程を更に含み、しかも、該複数のボアホールの間隔、及び注入される金属の量は、その注入された金属が充分に帯水層を貫通し、金属体本体及びその酸素欠如部分を形成するように決定する、請求項1記載の方法。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 1.特許第3079109号の明細書中特許請求の範囲請求項1の「帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を与え、該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記の汚染されている地下水を、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。」とあるのを、明りょうでない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的として「帯水層中の地下水からハロゲン化有機汚染物質を取り除く方法において、該帯水層中の該地下水の流れが通過するのに充分である形の金属体であって粒状体、切断片、繊維状物等の形態の該金属体を該地下水の流れの流路に与え、該金属体の酸素欠如部分に大気中の酸素が到達するのを実質的に完全に防ぐことができるようやり方で該金属体を覆い、前記の汚染されている該帯水層中の該地下水の流れを、元の帯水層から前記金属体の中へ、次いで該金属体を通過するように導き、前記地下水が前記金属体の酸素欠如部分に入る前に、該地下水が大気中の酸素と実質的に接触しないように、該地下水を前記帯水層から該金属体の中に導き、次いで前記地下水が、前記金属体の酸素欠如部分を通過して浸透するようにし、一定の時間、その中の金属と接触するように保持する、諸工程を含む、上記方法。」 と訂正する。 2.特許第3079109号の明細書中特許請求の範囲請求項5を、特許請求の範囲の減縮を目的として削除する。 3.特許第3079109号の明細書中特許請求の範囲請求項6の項数を、明りょうでない記載の釈明を目的として「5」に繰り上げる。 |
異議決定日 | 2002-01-16 |
出願番号 | 特願平3-500237 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(C02F)
P 1 651・ 113- YA (C02F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 関 美祝 |
特許庁審判長 |
石井 良夫 |
特許庁審判官 |
山田 充 冨士 良宏 |
登録日 | 2000-06-16 |
登録番号 | 特許第3079109号(P3079109) |
権利者 | ユニバーシテイー オブ ウォータールー |
発明の名称 | 地下水中のハロゲン化汚染物質の除去方法 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 木川 幸治 |
代理人 | 浅村 皓 |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 木川 幸治 |
代理人 | 長沼 暉夫 |
代理人 | 浅村 肇 |
代理人 | 磯野 道造 |
代理人 | 長沼 暉夫 |