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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A61G |
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管理番号 | 1057436 |
審判番号 | 訂正2001-39204 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-09-12 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2001-11-07 |
確定日 | 2002-02-01 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2805278号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2805278号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1、訂正の要旨 本件訂正請求に係る発明は平成6年3月1日に特許出願され、平成10年7月24日に特許第2805278号として特許権の設定登録がされたものであって、その訂正の要旨は、願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)について訂正審判請求書に添付された訂正明細書に記載された以下のとおりに訂正しようとするものである。 2、訂正事項 イ、訂正事項1 請求項1の記載について、 「【請求項1】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、 を備えてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項1】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。(下線部は訂正個所を示す。以下同じ。) ロ、訂正事項2 請求項2の記載について、 「【請求項2】 請求項1記載のレース用車椅子であって、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項2】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 ハ、訂正事項3 請求項3の記載について、 「【請求項3】 請求項1および2記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項3】 請求項1又は2記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 ニ、訂正事項4 請求項4の記載について、 「【請求項4】 請求項1,2,3記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項4】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 3、判断 イ、訂正事項1について 訂正事項1は、特許明細書の請求項1の記載に、 「前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなる」点を追加し、技術的に限定をするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、上記の点は、特許明細書の請求項3に記載されていた事項であるから、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。 また、特許明細書の【0004】欄ないし【0006】欄に記載されている「発明が解決しようとする課題」に変更を及ぼすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 さらに、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由は発見しない。 ロ、訂正事項2について 訂正事項2は、特許明細書の請求項2の記載における、「請求項1記載のレース用車椅子」を引用形式ではなく独立形式で、 「シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、」 と訂正するとともに、特許明細書の請求項3に記載されていた、 「前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなる」点を追加し、技術的に限定をするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、上記の点は、特許明細書の請求項1、3に記載されていた事項であるから、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。 また、特許明細書の【0004】欄ないし【0006】欄に記載されている「発明が解決しようとする課題」に変更を及ぼすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 さらに、訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由は発見しない。 ハ、訂正事項3について 訂正事項3は、特許明細書の請求項3の記載における、「請求項1および2記載のレース用車椅子」を「請求項1又は2記載のレース用車椅子」と訂正するとともに、特許明細書の請求項3の記載における、「前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなる」を削除し、 「前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度である」点を追加し、技術的に限定をしたものである。 ここで、「請求項1および2記載のレース用車椅子」を「請求項1又は2記載のレース用車椅子」と訂正した点は、法理上択一的な引用しかできない点からみて誤記の訂正を目的とするものであり、同時に特許明細書の請求項1又は2のいずれかを引用していたものを、上記訂正事項1、2により、「前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなる」点を構成要件とした点で、特許明細書の請求項2のみを引用することとして特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもある。 また、「前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなる」を削除した点は、上記訂正事項1、2により当該の点が請求項1又は2に追加して記載されたために明りょうでない記載の釈明を目的としてする削除である。 さらに、「前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度である」点を追加した点は、それにより技術的に限定をするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、この追加した点は、特許明細書の請求項4に記載されていた事項であるから、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものである。 また、この訂正事項3により、特許明細書の【0004】欄ないし【0006】欄に記載されている「発明が解決しようとする課題」に変更を及ぼすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 さらに、訂正後の請求項3に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由は発見しない。 ニ、訂正事項4について 訂正事項4は、特許明細書の請求項4の記載における、 「請求項1、2、3記載のレース用車椅子であって」 を、 「シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、」 と訂正するものである。 したがって、この訂正事項4は、特許明細書の請求項4が特許明細書の請求項1、2、3のいずれかを引用していたものを、特許明細書の請求項2のみを引用することとしたものであって、結局、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、この訂正事項4により、特許明細書の【0004】欄ないし【0006】欄に記載されている「発明が解決しようとする課題」に変更を及ぼすものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 さらに、訂正後の請求項4に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由は発見しない。 4、むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求に係る訂正事項は、実質的に特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであって、実質上特許請求の範囲を拡張するものでも変更するものでもない。 また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により構成される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものとすることはできない。 したがって、本件訂正請求は、平成6年法律第116号附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる平成5年法律第26号により改正された特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同法第1項ただし書き及び第2、3項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 レース用車椅子 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。 【請求項2】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方に延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。 【請求項3】 請求項1又は2記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。 【請求項4】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方に延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。 【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 この発明は、スポーツ競技に使用されるレース用車椅子に関する。 【従来の技術】 従来、陸上競技のようにタイムを競う競技に用いられるレース用車椅子としては、例えば、図4に示すようなレース用車椅子50がある。このレース用車椅子50は、シートフレーム51の両側に設けられた1対の駆動輪52と、シートフレーム51より前方へ延設されて前端部にヘッドチューブ53を有するベースフレーム54と、を備え、ホーク55に回転自在に支持された操向輪56が、自転車のようにヘッドチューブ53の下方に前向きに取付けられて構成されている。なお、符号57はハンドルでである。 そして、ヘッドチューブ53の軸線(ホーク55の中心線でもある)と路面GLの垂直線とのなす角度a(キャスター角)を20〜30度程度とし、ヘッドチューブ53の軸線の延長線と路面GLとの交点G1を、操向輪56の接地点G2より前方に設定することにより、操向輪56の直進性,操舵力,ハンドルの戻り性等の運動性能,操作性能を保持するように形成されていた。 【発明が解決しようとする課題】 このような従来構成のレース用車椅子においては、ヘッドチューブが操向輪の上方にあるため、ベースフレームの前端部が高くなり重心位置が高くなって走行安定性が損なわれるとともに、搭乗者が競技に最適な前傾姿勢をとることができないという問題があった。 しかし、このような構成において、ベースフレームを水平に配設すると、ホーク角度aが大きくなり、ハンドル操作による操向輪の傾きにより、操向輪の車軸の高さ位置が上下に大きく変動するという問題が生ずる。 この発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、重心位置を低くして走行安定性を向上させるとともに搭乗者が容易に前傾姿勢をとることができるレース用車椅子を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 この発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明のレース用車椅子は、シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備えてなることを特徴とする。 また、前記ホークは前記ヘッドチューブより前方に延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなることを特徴とする。 また、前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点又は接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とする。 また、前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とする。 【作用】 この発明は上記のように構成されたものであり、ヘッドチューブより前方に操向輪を配設するとともに、ベースフレームを水平に設けることにより、ベースフレーム前端部の高さを低くして、重心位置を低く形成している。 また、操向輪は、ヘッドチューブの軸線を軸として操向回動し、操向輪の車軸の高さ位置の上下変動を小さくして操向が行われる。 【実施例】 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。 図1はこの実施例のレース用車椅子の側面図、図2は平面図、図3はヘッドチューブ部分の拡大断面図である。 図において符号1で示すレース用車椅子(以下車椅子1と略称す)は、シートフレーム10の両側に設けられた1対の駆動輪14と、シートフレーム10と一体的に形成され前方へ向けて水平に延設されるとともに前端部にヘッドチューブ18を有するベースフレーム17と、ヘッドチューブ18により操向可能に設けられたホーク20により支持されるとともにヘッドチューブ18より前方に配設された操向輪28とを備えて構成されている。 シートフレーム10は、金属パイプ部材によりほぼ角形枠状に形成され、所定位置に搭乗者を支持するためのシート(図示省略)が張設されている。なお、符号11は駆動輪14のカバーである。 駆動輪14は、図示しないハンドリムを有する大径の車輪からなり、その車軸15がシートフレーム10の底部に取付けられて回転自在に設けられている。 ベースフレーム17は、角筒状部材からなり、後端部がシートフレーム10の底部に一体的に固着されるとともに、車軸15の取付け位置とほぼ同じ高さで、前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられている。 ベースフレーム17の前端部には、円筒状のヘッドフレーム18が路面GLの垂直線に対する傾斜角A(キャスター角)が、実施例では、45度に設定されて固着されている。また、ヘッドチューブ18軸線の延長線は、操向輪28の接地点Gを通る(トレール=0)ように形成されている。なお、傾斜角Aは40度〜50度とすることが好ましい。 ホーク20は、ヘッドチューブ18に回動自在に係合するホーク基部21および補助アーム22を有し、その長手方向の中心線は、路面GLの垂直線に対する傾斜角B(ホーク角)が70度に設定されている。ホーク20のホーク基部21は、操向軸24,ブッシュ25を介し、ナット26によりヘッドチューブ18に回動自在に支持されている。 これにより、ホーク20の中心線とヘッドチューブ18の軸線とは、斜め下向きのV字状に形成され、ホーク20は操向軸24(ヘッドチューブ18の軸線相当)を軸として回動するように形成されている。なお、傾斜角Bは、傾斜角Aとの兼ね合いで60度〜80度とすることが好ましい。また、符号23はホーク20に設けられた操向用のハンドルである。 操向輪28は、駆動輪14直径のほぼ2/3の直径を有し、その車軸29がホーク20の先端部に回転自在に取付けられている。これにより、操向輪28の後端部がヘッドチューブ18の前端部より前方に位置するとともに、ベースフレーム17の高さ位置は、操向輪28の中央部とほぼ同じ高さに位置するように形成されている。なお、ホーク基部21とベースフレーム17との間には、公知の操舵制御用ダンバー(図示省略)が取付けられており、また、操向輪28にはブレーキ機構(図示省略)が装備されている。 次にこのように構成されたレース用車椅子の動作を説明する。 図1,2は車椅子1が直進の状態を示す。このときベースフレーム17は、操向輪28および駆動輪14間にあって、両者の車軸29および15間をほぼ水平に結び、車椅子1の重心位置を低くして走行安定性を高めている。 そして、操向輪28は、ベースフレーム17の前方に位置して、キャスター角A=45度で操向可能に支持されるとともに、ホーク角度B=70度で回転自在に支持され、かつ、トレール=0で配設されている。 この大キャスター角Aにより、操向輪28の直進性とハンドルの戻り性を保持し、また、トレール=0により操舵力の軽減を図っている。また、ホーク20に支持された操向輪28は、ヘッドチューブ18の軸線を軸として操向回動し、その車軸29の高さ位置の上下変動を小さくして操向される。 【発明の効果】 以上説明したように、本発明のレース用車椅子によれば、操向輪をベースフレームの前方に配設することができるので、ベースフレームを低い位置でかつ水平に設けることができる。 従って、レース用車椅子の重心を低くして走行安定性を高めることができるとともに、搭乗者が競技を行うのに最適な前傾姿勢を容易にとることができる。 また、ヘッドチューブの軸線、ホークの中心線、操向輪の接地点、との関係設定により、操向輪の直進性,操舵力,ハンドルの戻り性等の運動性能,操作性能を保持するとともに、ハンドル操作時の操向輪の車軸の高さ変動を小さくして、良好な操縦性を得ることができる。 さらに、ベースフレームを低く、水平に設けることができるので、レース用車椅子の外観をスポーツ感覚のあるものに形成することができる効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例のレース用車椅子の側面図。 【図2】 図1の平面図。 【図3】 ヘッドチューブ部分の拡大断面図。 【図4】 従来のレース用車椅子の一例を示す側面図。 【符号の説明】 1 レース用車椅子 10 シートフレーム 14 駆動輪 17 ベースフレーム 18 ヘッドチューブ 20 ホーク 28 操向輪 |
訂正の要旨 |
訂正事項 イ、訂正事項1 請求項1の記載について、 「【請求項1】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、 を備えてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項1】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。(下線部は訂正個所を示す。以下同じ。) ロ、訂正事項2 請求項2の記載について、 「【請求項2】 請求項1記載のレース用車椅子であって、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項2】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 ハ、訂正事項3 請求項3の記載について、 「【請求項3】 請求項1および2記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線の延長線が前記操向輪の接地点または接地点近傍を通るように設定されてなることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項3】 請求項1又は2記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 ニ、訂正事項4 請求項4の記載について、 「【請求項4】 請求項1,2,3記載のレース用車椅子であって、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 を、 「【請求項4】 シートフレームの両側に回転操作可能に設けられた1対の駆動輪と、 前記シートフレームと一体的に形成され前方へ向けてほぼ水平に延びて設けられるとともに前端部にヘッドチューブを有するベースフレームと、 前記ヘッドチューブにより操向可能に設けられたホークにより回転自在に支持されるとともに前記ヘッドチューブの前方に配設された操向輪と、を備え、 前記ホークは前記ヘッドチューブより前方へ延びるとともに、前記ホークの長手方向の中心線と前記ヘッドチューブの軸線の延長線とが非同軸状に配設されてなり、 前記ヘッドチューブの軸線と路面の垂直線とのなす角度が40度ないし50度であって、前記ホークの長手方向の中心線と路面の垂直線とのなす角度が60度ないし80度であることを特徴とするレース用車椅子。」 と訂正する。 |
審理終結日 | 2002-01-07 |
結審通知日 | 2002-01-10 |
審決日 | 2002-01-22 |
出願番号 | 特願平6-31175 |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(A61G)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山中 真 |
特許庁審判長 |
佐藤 洋 |
特許庁審判官 |
岡田 和加子 和泉 等 |
登録日 | 1998-07-24 |
登録番号 | 特許第2805278号(P2805278) |
発明の名称 | レース用車椅子 |
代理人 | 江間 路子 |
代理人 | 飯田 昭夫 |
代理人 | 飯田 昭夫 |
代理人 | 飯田 堅太郎 |
代理人 | 飯田 堅太郎 |
代理人 | 江間 路子 |