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審決分類 |
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない A47L |
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管理番号 | 1057446 |
審判番号 | 無効2000-35399 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1995-05-09 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2000-07-24 |
確定日 | 2001-04-09 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2623064号発明「電気掃除機用吸込具」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
結 論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人が7分の3、被請求人が7分4の負担とする。 理 由 〔1〕手続の経緯 本件特許第2623064号(以下「本件特許」という。)及び本件無効審判事件に係る手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 1)本件特許の出願日:平成5年10月28日 2)手続補正(第1回):平成8年6月12日付け 3)手続補正(第2回):平成8年11月1日付け 4)特許権の設定の登録:平成9年4月11日 5)特許無効審判の請求:平成12年7月21日 6)審判事件答弁書:平成12年10月27日付け 7)訂正請求書の提出:平成12年10月27日付け 8)口頭による審尋:平成12年11月13日 9)口頭審理:平成12年11月13日 10)書面審理通知書:平成12年11月28日付け 11)上申書(被請求人):平成12年12月1日付け 12)訂正請求取下書:平成12年12月12日付け 13)無効理由通知書:平成12年12月14日付け(発送:同年12月19日) 14)意見書(被請求人):平成12年12月21日付け 15)訂正請求書の提出:平成12年12月21日付け 16)上申書(請求人):平成13年1月25日付け 〔2〕当事者の主張 1.請求人は、「第2623064号特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」(請求の趣旨)ものであって、請求の理由として、「本件特許発明は、第1に、出願公開後、特許査定前にした明細書の補正が発明の要旨を変更するものと認められるので、旧特許法第40条規定の特許出願に該当し、それ以前に刊行されていた公知の刊行物に記載の事項と実質的に同一であり、もし、そうでないとしても同刊行物から容易に発明し得たものであること、また、本件明細書は、特許法第36条の規定を満たしていないものであること、第2に、その出願前に既に公知であった刊行物に記載の事項から少なくとも容易に発明し得た程度のものであるから、発明としての進歩性が否定されるべきものであり、特許法第29条第2項の規定に該当するものであること、のいずれの理由によってもその特許は無効とされるべきである。」(概要)と主張する。 そして、請求人は以下の証拠方法を提出している。 甲第1号証の1:特開昭54-158068号公報 甲第1号証の2:実願昭50-167803号(実開昭52-79761号)のマイクロフイルム 甲第1号証の3:実願昭53-54471号(実開昭54-156955号)のマイクロフイルム 甲第2号証:実願昭59-156170号(実開昭61-71034号)のマイクロフイルム 甲第3号証:特開平4-259428号公報 甲第4号証:特開平7-116091号公報 甲第5号証の1:特開昭59-192331号公報 甲第5号証の2:特開平2-48248号公報 甲第5号証の3:特開平5-95862号公報 その他、以下の参考資料を提出している。 参考資料1:本件特許の出願経過データ 参考資料2の1:本件特許の平成8年6月12日付け手続補正書 参考資料2の2:本件特許の平成8年6月13日付け早期審査に関する事情説明書 参考資料2の3:本件特許の面接記録(平成8年7月25日) 参考資料2の4:本件特許の平成8年9月13日拒絶理由通知書 参考資料2の5:本件特許の平成8年11月1日付け手続補正書 参考資料3の1:'96大阪ジャンボにほん市小間割り表 参考資料3の2:「ふとんローラー ダニクリーン」パンフレット 参考資料4の1:「ふとんローラー ダニクリーン」パンフレット 参考資料4の2:「ふとんローラー ダニクリーン」取扱説明書 参考資料5:特開平9-215639号公報 参考資料6の1〜5:被請求人発信の警告書 参考資料7の1:口頭弁論期日呼出・答弁書催告状(大阪地方裁判所) 参考資料7の2:訴状(大阪地方裁判所(ワ)13579) 参考資料8の1:特許第2620677号公報 参考資料8の2:特開平7-124084号公報 参考資料8の3:東京高等裁判所平成11年(行ケ)第63号判決書 参考資料8の4:平成9年異議第75954号異議決定書 参考資料9の1の1:判例工業所有権法第1307の15頁 参考資料9の1の2:判例工業所有権法第1307の10頁 参考資料9の2の1:判例工業所有権法第1307頁 参考資料9の2の2:判例工業所有権法第2115の67の50頁 参考資料9の3の1:判例工業所有権法第1307の9頁 参考資料9の3の2:判例工業所有権法第2115の182頁 参考資料9の4:判例工業所有権法第2115の155頁 2.一方、被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」(答弁の趣旨)ものである。 〔3〕訂正事項及び訂正の適否 1.訂正請求は、特許請求の範囲の減縮を目的として、請求項1中の「間隔保持手段」、請求項5〜7中の「突起」を、それぞれ「リブ」と訂正し、併せて、明細書の発明の詳細な説明中の関連の記載を訂正した請求項の記載に整合するように訂正するものであると認められる。 2.そして、上記請求項1及び請求項5〜7の訂正は、各発明を願書に添付した明細書の発明の詳細な説明及び図面に記載された実施例ないし実施態様に限定するものであるから、この訂正は、特許法第134条2項第1号の特許請求の範囲の減縮に該当し、また、特許法第134条第5項で準用する同法第126条第2項及び第3項に規定する訂正の要件にも適合するものであると認められる。 したがって、本件訂正はこれを認めることとする。 〔4〕本件特許に係る発明 本件特許に係る発明は、訂正された明細書及び図面からみて、特許請求の範囲の請求項1乃至請求項7に記載された以下のものにある。 「請求項1 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 請求項2 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周に、回転部材内面に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 請求項3 前記リブを、本体部外周の回転部材両端部に当接する位置に形成したことを特徴とする請求項2記載の電気掃除機用吸込具。 請求項4 前記リブを、本体部外周の回転部材両端部及び中央部に当接する位置に形成したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の電気掃除機用吸込具。 請求項5 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記回転部材内面に、本体部外周下部に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 請求項6 前記リブを、回転部材両端部内面に形成したことを特徴とする請求項5記載の電気掃除機用吸込具。 請求項7 前記リブを、回転部材両端部内面及び中央部内面に形成したことを特徴とする請求項5または請求項6記載の電気掃除機用吸込具。」 〔5〕これに対して、請求人の提出した甲号各証には、請求人が主張する事項が記載されているものと認められる。 しかしながら、平成12年12月21日の訂正請求によって限定された「本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間」(請求項1)、「本体部外周に回転部材内面に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間」(請求項2)、「本体部外周の回転部材両端部に当接する位置」(請求項3)、「本体部外周の回転部材両端部及び中央部に当接する位置」(請求項4)、「回転部材内面に本体部外周下部に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間」(請求項5)、「回転部材両端部内面」(請求項6)、「回転部材両端部内面及び中央部内面」(請求項7)に、それぞれリブを形成した電気掃除機用吸込具に関しては、甲号各証のいずれにも記載も示唆もない。 そして、本件の各発明は、その構成に基づいて、甲号各証に記載された発明に対して有利な効果を奏するものであると認められる。 したがって、その余について検討するまでもなく、本件特許の請求項1乃至請求項7に係る発明が請求人の提出した甲号各証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 また、明細書の訂正によって、請求項1中の「間隔保持手段」、請求項5〜8中の「突起」が「リブ」と訂正され、明細書の発明の詳細な説明中の関連の記載もそのように訂正されたことによって、明細書の発明の詳細な説明及び特許請求の範囲の記載の不備も治癒されたものと認められる。また、この「リブ」と訂正されたことによって、請求人の旧特許法第40条の規定に該当するという主張の根拠ももはや消滅した。 〔6〕以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び証拠方法によっては、本件請求項1乃至請求項7に係る発明の特許を無効とすることはできない。 また、審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条乃至第64条の規定を考慮し、請求人が7分の3、被請求人が7分の4を負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 電気掃除機用吸込具 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 【請求項2】 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周に、回転部材内面に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 【請求項3】 前記リブを、本体部外周の回転部材両端部に当接する位置に形成したことを特徴とする請求項2記載の電気掃除機用吸込具。 【請求項4】 前記リブを、本体部外周の回転部材両端部及び中央部に当接する位置に形成したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の電気掃除機用吸込具。 【請求項5】 本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記回転部材内面に、本体部外周下部に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。 【請求項6】 前記リブを、回転部材両端部内面に形成したことを特徴とする請求項5記載の電気掃除機用吸込具。 【請求項7】 前記リブを、回転部材両端部内面及び中央部内面に形成したことを特徴とする請求項5または請求項6記載の電気掃除機用吸込具。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業条の利用分野】 本発明は、電気掃除機に接続して、布団やカーテンなどを掃除する際に使用される吸込具の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種吸込具として、円筒状の吸込具本体に網状の回転部材を回動自在に設けたものが、特開昭54ー158068号公報(92(3)D101.9)及び実開昭52ー79761号公報(92(3)D101.9)にて知られている。これらの吸込具は、吸込具本体の外周下部に形成した吸気口から、回転部材を介してゴミ等を吸引し、吸込具本体側面に設けられたパイプから電気掃除機に集塵するようになっている。 【0003】 しかしながら、回転部材は吸込具本体外周全面に当接しているため、吸込具本体に対する摩擦抵抗が大きくなり、移動性が悪く、掃除作業性が悪い欠点があった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記欠点に鑑みなされたもので、掃除作業性を向上し得る吸込具を提供することを課題とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明の第1の手段は、本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする。 【0006】 この構成によれば、被掃除面の塵埃は、吸込具本体の吸気口から回転部材の小孔を介して吸引される。吸込具本体を移動させると、回転部材が被掃除面との間の摩擦により吸込具本体の移動に伴って回転する。回転部材は、吸込具本体との間にリブにより間隔を保持しているので、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのが抑制され、吸込具本体との摩擦抵抗が小さくなり、容易に回転し、吸込具本体の移動性が向上する。 【0007】 本発明の第2の手段は、本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記本体部外周に、回転部材内面に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする。 【0008】 この構成によれば、被掃除面の塵埃は、吸込具本体の吸気口から回転部材の小孔を介して吸引される。吸込具本体を移動させると、回転部材が被掃除面との間の摩擦により吸込具本体の移動に伴って回転する。回転部材は、吸込具本体に形成したリブにより吸込具本体との間に間隔を保持しているので、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのが抑制されると共に、回転部材と吸込具本体の接触面積が小さくなり、回転部材と吸込具本体との摩擦抵抗が低下して、吸込具本体の移動性が向上する。 【0009】 上記リブは、本体部外周の回転部材両端部に当接する位置に形成することが望ましい。 【0010】 この構成では、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより抑制でき、吸込具本体の移動性がより向上する。 【0011】 また、上記リブは、本体部外周の回転部材両端部及び中央部に当接する位置に形成することがより望ましい。 【0012】 この構成では、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより確実に抑制でき、吸込具本体の移動性がより向上する。 【0013】 本発明の第3の手段は、本体部及び本体部から延設される接続管を有する吸込具本体と、該吸込具本体の本体部外周下部に形成した吸気口と、前記本体部外周に回動自在に装着された多数の小孔を有する回転部材とを備え、前記回転部材内面に、本体部外周下部に当接して本体部外周下部と本体部外周下部に対向する回転部材内面との間に間隔を保持するリブを形成したことを特徴とする。 【0014】 この構成によれば、被掃除面の塵埃は、吸込具本体の吸気口から回転部材の小孔を介して吸引される。吸込具本体を移動させると、回転部材が被掃除面との間の摩擦により吸込具本体の移動に伴って回転する。回転部材は、回転部材に形成したリブにより吸込具本体との間に間隔を保持しているので、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのが抑制されると共に、回転部材と吸込具本体の接触面積が小さくなり、回転部材と吸込具本体との摩擦抵抗が低下して、吸込具本体の移動性が向上する。 【0015】 上記リブは、回転部材両端部内面に形成することが望ましい。 【0016】 この構成では、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより抑制でき、吸込具本体の移動性がより向上する。 【0017】 また、上記リブは、回転部材の両端部内面及び中央部内面に形成することがより望ましい。 【0018】 この構成では、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより確実に抑制でき、吸込具本体の移動性がより向上する。 【0019】 【実施の形態】 本発明の実施の形態を図1乃至図6に基づいて以下に詳述する。 【0020】 1は合成樹脂製の吸込具本体で、略T字状の接続管2と、開口した一側を前記接続管2の開口縁に溶着固定される一対の略円筒状の本体部3とから構成されている。4は前記接続管2の外周下部に穿設した複数の吸気口、5は前記本体部3の外周下部に穿設された多数の吸気口、6は前記本体部3の両端部及び中央部に一体形成された間隔を保持するリブで、本体部3外径より大径に形成されている。 【0021】 7は前記吸込具本体1の両端に回転自在に装着される合成樹脂製の車輪で、図6に示すごとく、後述する回転部材8の端部をインサート成形により、あるいは回転部材8の端部を車輪7に形成した溝に挿入して接着剤により一体化し、車輪7の回転に伴って回転部材8が回転するようになっている。 【0022】 8は前記吸込具本体1の本体部3外周に遊嵌される網状の回転部材で、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂や、ゴムなどの被掃除面との摩擦抵抗が大きく、柔軟な材料にて形成されており、回転部材8は本体部3外周への遊嵌状態において本体部3のリブ6に両端部及び中央部で当接し、本体部3外周との間に間隔を保持するようになっている。9は前記回転部材8に穿設された複数の開口で、前記吸込具本体1の本体部3外周下部に穿設した吸気口5と連通するように形成されている。 【0023】 而して、接続管2を図示しない電気掃除機に接続し、布団等の被掃除面を掃除する。吸込具本体1を前後方向に移動させると、車輪7及び回転部材8が被掃除面に当接するので、被掃除面との間の摩擦により、吸込具本体1の移動に伴って車輪7及び回転部材8が回転する。回転部材8は、吸込具本体1外周に形成した環状のリブ6に接触して回転するので、吸込具本体1との摩擦抵抗を減少することができ、吸込具本体1の移動性を向上することができる。 【0024】 また、回転部材8はリブ6により吸込具本体1底面との間に間隔を保持しているので、掃除動作時、回転部材8の被掃除面への当接によって回転部材8が変形するのが抑制されると共に、回転部材8が変形した際に回転部材8が吸込具本体1に接触するのが抑制される。これにより、回転部材8と吸込具本体1との間の摩擦抵抗を減少することができると共に、回転部材8の開口9縁が吸込具本体1の吸込口6縁に引っかかって回転部材8の回転を妨げるのが防止される。 【0025】 吸込具本体1は、両側に車輪7及び回転部材8を夫々独立して回転自在に枢支しているので、吸込具本体1の移動方向を変更する際にも、容易に移動方向を変更することができる。また、車輪7を回転部材8より大径に形成して回転部材8の端部を車輪7にて覆っているので、回転部材8端部が被掃除面に引っかかって移動性を損なうのを防止することができる。 【0026】 電気掃除機の吸引力により、吸込具本体1の本体部3外周下部に穿設した吸気口5から被掃除面に付着したゴミ等を吸塵するが、リブ6により本体部3外周と回転部材8との間に間隔を保持させているので、電気掃除機の吸引力により被掃除面が吸込口5に吸着することはなく、良好な塵埃機能を維持することができる。 【0027】 また、回転部材8には、吸込具本体1の吸気口5と連通する開口9を形成しているので、回転部材8の回転に伴って吸込具本体1の吸気口5と開口9が合致した位置で髪の毛や糸屑などの比較的大きなゴミも確実に吸引することができる。 【0028】 さらに、吸込具本体1の接続管2外周下部に複数の吸気口4を穿設しているので、吸込具本体1の下部全体で吸塵することができ、掃除むらが発生することがない。 【0029】 尚、本実施の形態においては、吸込具本体1の本体部3外周と回転部材8内面との間の間隔を保持するものとして、本体部3外周にリブ6を環状に形成したが、図7に示すごとく、本体部3外周下部に円弧状に形成してもよい。この構成であれば、吸込具本体1の本体部3と回転部材8との間隔を維持し、且つ本体部3回転部材8との摩擦抵抗を低減することができる。 【0030】 また、図8に示すごとく、間隔を保持するものとして、回転部材8内面にリブ6を形成し、リブ6により吸込具本体1外周下部と回転部材8内面との間に間隔を保持するようにしてもよい。 【0031】 さらに、図9に示すごとく、車輪7外周に回転部材8の端部を溶着あるいは接着により一体化してもよく、図10に示すごとく、車輪7と回転部材8を一体形成してもよい。 【0032】 【発明の効果】 以上のごとく、本発明の請求項1の構成によれば、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのを抑制でき、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができ、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0033】 本発明の請求項2の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのを抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0034】 本発明の請求項3の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0035】 本発明の請求項4の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより確実に抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0036】 本発明の請求項5の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのを抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0037】 本発明の請求項6の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【0038】 本発明の請求項7の構成によれば、吸込具本体に対する回転部材の摩擦抵抗を低減することができると共に、回転部材の被掃除面への当接によって回転部材が吸込具本体に接触するのをより確実に抑制でき、吸込具本体の移動性を向上して掃除作業性を向上することができる等の効果を奏する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施の形態を示す一部を分解した斜視図である。 【図2】 同斜視図である。 【図3】 同一方の回転部材を取り外した状態の下面図である。 【図4】 同断面図である。 【図5】 同他の方向から見た断面図である。 【図6】 同車輪と回転部材の断面図である。 【図7】 本発明の他の実施の形態の図5に対応する断面図である。 【図8】 本発明の他の実施の形態の図4に対応する断面図である。 【図9】 本発明の他の実施の形態を示す斜視図である。 【図10】 本発明の他の実施の形態の車輪と回転部材の断面図である。 【符号の説明】 1 吸込具本体 2 接続管 4 吸気口 5 吸気口 7 車輪 8 回転部材 9 開口 【図面】 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 ▲1▼ 訂正事項a 特許明細書(平成8年11月1日付で補正された明細書)の特許請求の範囲の【請求項1】に記載された「間隔保持手段」、および段落【0005】【課題を解決するための手段】の「間隔保持手段」、段落【0006】の「間隔保持手段」の記載をそれぞれ「リブ」と、明りょうでない記載の釈明を目的として、訂正する。 ▲2▼ 訂正事項b 特許明細書の段落【0020】の「間隔保持手段となる」の記載を「間隔を保持する」に、段落【0029】の「間隔保持手段」の記載を「もの」に、段落【0030】の「間隔保持手段」の記載を「間隔を保持するもの」に、明りょうでない記載の釈明を目的として、訂正する。 ▲3▼ 訂正事項c 特許明細書の特許請求の範囲の【請求項5】、【請求項6】、【請求項7】のそれぞれに記載された「突起」、および段落【0013】の「突起」、段落【0014】の「突起」、段落【0015】の「突起」、段落【0017】の「突起」、段落【0030】の2カ所の「突起」の記載をそれぞれ「リブ」と、明りょうでない記載の釈明を目的として、訂正する。 |
審理終結日 | 2001-01-31 |
結審通知日 | 2001-02-13 |
審決日 | 2001-02-26 |
出願番号 | 特願平5-270786 |
審決分類 |
P
1
112・
121-
YA
(A47L)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 荘司 英史 |
特許庁審判長 |
青山 紘一 |
特許庁審判官 |
和泉 等 藤本 信男 |
登録日 | 1997-04-11 |
登録番号 | 特許第2623064号(P2623064) |
発明の名称 | 電気掃除機用吸込具 |
代理人 | 山口 隆生 |
代理人 | 佐當 彌太郎 |
代理人 | 山口 隆生 |