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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N
管理番号 1057513
審判番号 不服2001-13715  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1991-10-09 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-08-02 
確定日 2002-04-18 
事件の表示 平成 2年特許願第 23092号「画像読み込み装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 3年10月 9日出願公開、特開平 3-228466]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続きの経緯・本件発明
本件審判請求に係る出願は、平成2年2月1日に出願されたものであって、平成9年1月13日付け、平成11年10月21日付けおよび平成13年9月3日付け(2通)の手続補正書で補正された明細書および図面の記載から見て、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、
「【請求項1】 画像読み込み手段と、画像読み込み開始スイッチとを備えるイメージセンサユニット部と、
前記イメージセンサユニット部が連結されていることを検出する連結状態検出スイッチと、シート状原稿を給送する給紙手段と、前記シート状原稿の有無を検出する紙検出スイッチとを備える紙送り機構部と、を具備し、
前記イメージセンサユニット部の連結が検出され、かつ前記シート状原稿の有が検出された場合は、前記画像読み込み開始スイッチが押されたのち離されると前記シート状原稿の読み込み処理が開始、継続され、
前記イメージセンサユニット部の連結が検出されない場合は、前記画像読み込み開始スイッチが押され、前記イメージセンサユニット部が操作者によって原稿の上を移動されると前記原稿の読み込み処理が開始され、前記押された状態を維持している間前記読み込み処理が継続される画像読み込み装置において、
前記画像読み込み手段を間に挟むように、前記原稿の上を移動するための2列のローラーを配置した画像読み込み装置。」
にあるものと認める。
なお、特許請求の範囲が最終的に変更された平成13年9月3日付けの手続補正書には、上記記載の後に、『する。」』という記載があるが、明らかな誤記と認め、上記のように認定した。

2.引用刊行物に記載の発明
一方、原審の拒絶の理由に引用された特開平1-235462号公報(以下「刊行物1」という。)の明細書・図面には、画像読取装置に関して、以下に示すような技術が開示されているということができる。
イメージセンサ10と開始スイッチ5とを備える読取装置4と、
読取装置4が連結されていることを検出する検知センサ15と、1枚ずつ原稿を給紙するパルスモータ31,搬送ローラ13等の給紙手段と、原稿の有無を検出する原稿検知センサ14とを備える装置本体2とを具備し、
検知センサ15により読取装置4の連結が検出され、かつ原稿検知センサ14により原稿の有りが検出された場合は、開始スイッチ5が操作されると、原稿の読取処理が開始されるとともに原稿検知センサ14からの信号によって原稿の終端部分が検出されるまで継続され、
検知センサ15により読取装置4の連結が検出されない場合は、開始スイッチ5が操作されると、読取装置4が操作者によって原稿の上を移動されると原稿の読み込み処理が開始されるとともにその移動が停止してからあらかじめ定められた一定時間経過するまで読み込み処理が継続される画像読取装置において、イメージセンサ10の片側に読取装置4の移動を検出する検出ローラ11を配置した画像読取装置。
また、原審の拒絶の理由に引用された特開昭63-84248号公報(以下「刊行物2」という。)の明細書・図面には、以下に示すような技術が開示されている。
第6図のように読取開始ボタン36と読取解除ボタン37を別々に設け読取開始ボタン36を押してから読取解除ボタン37を押すまでの間に、または、第7図のように読取開始/解除ボタン38を1個設けこれを押している場合のみに原稿を読み取るようにした操作スイッチ34を設けた原稿読取部をファクシミリ装置本体19と分離可能としたファクシミリ装置。

3.本件発明と引用刊行物に記載の発明との対比・判断
そこで、本件発明と刊行物1に記載された発明を対比すると、刊行物1における「イメージセンサ10」、「開始スイッチ5」、「読取装置4」、「検知センサ15」、「1枚ずつ原稿を給紙するパルスモータ31,搬送ローラ13等の給紙手段」、「原稿検知センサ14」、「装置本体2」、「画像読取装置」がそれぞれ本件発明の「画像読み込み手段」、「画像読み込み開始スイッチ」、「イメージセンサユニット部」、「連結状態検出スイッチ」、「シート状原稿を給送する給紙手段」、「紙検出スイッチ」、「紙送り機構部」、「画像読み込み装置」に相当することは明らかである。また、刊行物1に記載された発明においては、検知センサ15により読取装置4の連結が検出され、かつ原稿検知センサ14により原稿の有りが検出された場合は、開始スイッチ5が操作されると、原稿の読取処理が開始されるとともに原稿検知センサ14からの信号によって原稿の終端部分が検出されるまで継続されるようにしているから、開始スイッチはこの場合押されたのち離されることを前提としていることも明らかである。
従って、本件発明と刊行物1に記載された発明は、
「画像読み込み手段と、画像読み込み開始スイッチとを備えるイメージセンサユニット部と、
前記イメージセンサユニット部が連結されていることを検出する連結状態検出スイッチと、シート状原稿を給送する給紙手段と、前記シート状原稿の有無を検出する紙検出スイッチとを備える紙送り機構部と、を具備し、
前記イメージセンサユニット部の連結が検出され、かつ前記シート状原稿の有が検出された場合は、前記画像読み込み開始スイッチが押されたのち離されると前記シート状原稿の読み込み処理が開始、継続され、
前記イメージセンサユニット部の連結が検出されない場合は、前記画像読み込み開始スイッチが操作され、前記イメージセンサユニット部が操作者によって原稿の上を移動されると前記原稿の読み込み処理が開始され、前記読み込み処理が継続される画像読み込み装置において、
前記画像読み込み手段の近傍に、前記原稿の上を移動するローラーを配置した画像読み込み装置」
の点で一致し、次の2点で相違する。
(a) イメージセンサユニット部の連結が検出されない場合に、本願発明が、前記画像読み込み開始スイッチが押され、前記イメージセンサユニット部が操作者によって原稿の上を移動されると前記原稿の読み込み処理が開始され、前記押された状態を維持している間前記読み込み処理が継続されるのに対して、刊行物1に記載された発明は、開始スイッチ5が操作されると、読取装置4が操作者によって原稿の上を移動されると原稿の読み込み処理が開始されるとともにその移動が停止してからあらかじめ定められた一定時間経過するまで読み込み処理が継続されるものである点。
(b) 画像読み込み手段の近傍に、前記原稿の上を移動するローラーを配置した点が、本願発明が、画像読み込み手段を間に挟むように、前記原稿の上を移動するための2列のローラーを配置したものであるのに対して、刊行物1に記載の発明は、イメージセンサ10の片側に読取装置4の移動を検出する検出ローラ11を配置したものである点。
そこでこれらの相違点について検討する。
(a)については、刊行物1の明細書に、「また本発明の目的は、簡単な構成で画像情報の読取動作を終了するための操作を容易にし、操作性を向上した画像読取装置を有する通信装置を提供することである。」という記載があって、この記載を参酌すれば、刊行物1に記載の発明では、画像情報の読取動作を終了するための操作を操作者がすることなく装置に行わせるようにし、開始スイッチは、画像情報の読取動作を開始するだけのものとしたものと解することができる。そして、その前提技術として、開始キー(スイッチ)と終了キー(スイッチ)を別に有するようにすることが挙げられている(2頁右上欄5〜7行)。
ところが、刊行物2に、第6図のように読取開始ボタン36と読取解除ボタン37を別々に設け読取開始ボタン36を押してから読取解除ボタン37を押すまでの間に原稿を読み取るようにしても、第7図のように読取開始/解除ボタン38を1個設けこれを押している場合のみに原稿を読み取るようにしてもよいことが開示されているから、刊行物1に挙げられている開始キー(スイッチ)と終了キー(スイッチ)を別に有するようにする点あるいは開始スイッチ5が(開始時に)操作されると、読取装置4の移動が停止してからあらかじめ定められた一定時間経過するまで読み込み処理が継続されるようにした点を、1個の開始/終了キー(スイッチ)としてこれを押している場合のみに原稿を読み取るようにすることは、当業者ならば容易に推考できる程度のものと認められる。
(b)については、画像読み込み手段を間に挟むように原稿の上を移動するための2列のローラーを配置したものは、例えば特開昭62-20469号公報、特開昭62-104359号公報、特開昭62-219871号公報、実願昭61-40715号(実開昭62-155561号)のマイクロフィルムなどにみられるように極めて周知であり(このうち、2〜4番目の刊行物には、「走行時の直進性」、「リニアセンサの平行走査」、「直線走行」などの表現で移動の直進性が維持できることが言及されている。)、刊行物1のようにイメージセンサ10の片側に読取装置4の移動を検出する検出ローラ11を配置するのに代え、上記周知技術を採用して、画像読み込み手段を間に挟むように、前記原稿の上を移動するための2列のローラーを配置するようにすることに格別妨げとなるような事情も見あたらないから、この点は単なる周知技術の置換にすぎないものと認められる。

4.むすび
以上から明らかなとおり、(a)、(b)の相違点は格別のものではなく、本願発明は、刊行物1に記載された発明に刊行物2で開示されている技術及び周知技術を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-02-14 
結審通知日 2002-02-19 
審決日 2002-03-04 
出願番号 特願平2-23092
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 東 次男
特許庁審判官 佐藤 聡史
江頭 信彦
発明の名称 画像読み込み装置  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 藤綱 英吉  
代理人 須澤 修  

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