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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H03F
管理番号 1057862
審判番号 不服2000-11284  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-21 
確定日 2002-05-28 
事件の表示 平成 8年特許願第152531号「チャージポンプ回路」拒絶査定に対する審判事件〔平成 9年12月22日出願公開、特開平 9-331216、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1 手続きの経緯・本願発明
本願は、平成8年6月13日の出願であって、その請求項1ないし4に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、「本願発明1ないし4」という)
「【請求項1】 ベースが第1の入力端子に接続され、コレクタが負荷抵抗を介して第1の定電圧源に接続され、エミッタが定電流源を介して接地される第1のnpnトランジスタと、ベースが前記第1の入力端子に与えられる信号と逆相の関係にある信号が与えられる第2の入力端子に接続され、コレクタが前記第1の定電圧源と前記負荷抵抗との接続点に接続され、エミッタが前記第1のnpnトランジスタと前記定電流源との接続点に接続される第2のnpnトランジスタと、ベースが前記第1の定電圧源よりも低い電圧を供給する第2の定電圧源に接続され、コレクタが出力端子のみに接続され、エミッタが前記第1のnpnトランジスタのコレクタと前記負荷抵抗との接続点に接続されたpnpトランジスタとを備えることを特徴とするチャージポンプ回路。
【請求項2】 請求項1において、第2の定電圧源の電圧値Vref は、前記第1の定電圧源の電圧値Vccから前記pnpトランジスタのベース・エミッタ間の電圧値VBEと前記負荷抵抗の抵抗値rl および前記pnpトランジスタのコレクタ電流値ic3の積とを減じた値に設定されることを特徴とするチャージポンプ回路。
【請求項3】 請求項2において、前記負荷抵抗の抵抗値rl および前記pnpトランジスタのコレクタ電流値ic3の積は、出力ダイナミックレンジを考慮して100ミリボルト(mV)に設定されることを特徴とするチャージポンプ回路。
【請求項4】 ゲートが第1の入力端子に接続され、ドレインが負荷抵抗を介して第1の定電圧源に接続され、ソースが定電流源を介して接地される第1の電界効果トランジスタと、ゲートが前記第1の入力端子に与えられる信号と逆相の関係にある信号が与えられる第2の入力端子に接続され、ドレインが前記第1の定電圧源と前記負荷抵抗との接続点に接続され、ソースが前記第1の電界効果トランジスタと前記定電流源との接続点に接続される第2の電界効果トランジスタと、ゲートが前記第1の定電圧源よりも低い電圧を供給する第2の定電圧源に接続され、ドレインが出力端子のみに接続され、ソースが前記第1の電界効果トランジスタのドレインと前記負荷抵抗との接続点に接続された第3の電界効果トランジスタとを備えることを特徴とするチャージポンプ回路。」
2 引用刊行物
引用刊行物1:特開平6-338787号公報
引用刊行物2:実願昭60-137823(実開昭62-47233号)のマイクロフィルム
周知例1:特開昭53-23063号公報
周知例2:特開平5-121971号公報
3 対比・判断
本願発明1、2、3と引用刊行物1、2及び周知例1、2に記載された発明と対比すると、引用刊行物1、2及び周知例1、2に記載された発明には、本願発明を特定するために必要と認める事項である「ベースが前記第1の定電圧源よりも低い電圧を供給する第2の定電圧源に接続され、コレクタが出力端子のみに接続され、エミッタが前記第1のnpnトランジスタのコレクタと前記負荷抵抗との接続点に接続されたpnpトランジスタ」を備えておらず、その事項により、本願発明1、2、3は「比較周波数を上げることができるので、PLL回路に対してロックアップタイムを短縮することができる。また、差動増幅器の出力を負荷抵抗からのみ得るので、他の複雑な条件が排除され、出力のダイナミックレンジを広く設計することができ、PLL回路に用いる場合にロックレンジを拡大することができる。」という顕著な効果を奏するものである。
本願発明4と引用刊行物1、2及び周知例1、2に記載された発明と対比すると、引用刊行物1、2及び周知例1、2に記載された発明には、本願発明を特定するために必要と認める事項である「ゲートが前記第1の定電圧源よりも低い電圧を供給する第2の定電圧源に接続され、ドレインが出力端子のみに接続され、ソースが前記第1の電界効果トランジスタのドレインと前記負荷抵抗との接続点に接続された第3の電界効果トランジスタ」を備えておらず、その事項により、本願発明4は「比較周波数を上げることができるので、PLL回路に対してロックアップタイムを短縮することができる。また、差動増幅器の出力を負荷抵抗からのみ得るので、他の複雑な条件が排除され、出力のダイナミックレンジを広く設計することができ、PLL回路に用いる場合にロックレンジを拡大することができる。」という顕著な効果を奏するものである。
4 むすび
したがって、本願発明1ないし4が、引用刊行物1、2及び周知例1、2に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないので、「本願発明1ないし4は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」という理由で本願を拒絶すべきものとした原査定は妥当でない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-05-16 
出願番号 特願平8-152531
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H03F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 長島 孝志  
特許庁審判長 鈴木 康仁
特許庁審判官 山本 春樹
白井 孝治
発明の名称 チャージポンプ回路  
代理人 福田 修一  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  

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