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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G10L |
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管理番号 | 1057913 |
審判番号 | 不服2001-15544 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-08-21 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-09-03 |
確定日 | 2002-05-27 |
事件の表示 | 平成 3年特許願第178982号「テキスト-音声変換装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成 4年 8月21日出願公開、特開平 4-233598、請求項の数(27)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願発明 本願は、平成3年6月25日の出願(優先権主張 1990年6月28日、米国)であって、その請求項1ないし27に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成8年7月23日、平成14年4月2日付手続補正書において補正されたとおりのものであり、その請求項1,26は次に掲げるものである。 「【請求項1】 音声信号を合成するためのテキスト-音声変換装置において、 1つの自由生成テキスト信号に応答して、当該テキスト信号中の個々のワードを検出し、合成すべきワード列を生成するワード検出器と、 Nを整数として、前記ワード検出器から適切なタイミングで順次供給される前記ワード列中のN個の隣接ワードをN個のワード格納器に格納し、前記隣接ワードに関して前記ワード列中の各ワードを分析し、分析された各ワードが属するカテゴリを決定するカテゴライズ手段と、 前記カテゴライズ手段に応答して、前記ワード列中の各ワードを順次考慮し、各ワードを考慮する過程で、考慮中のワードのカテゴリに基づいて、必要に応じて当該考慮中のワードの前または後にポーズ生成信号を挿入するシンタクス増強手段と を有し、 前記カテゴリには、言語の音声要素とワードクラスが存在し、 前記考慮されたワードを自然発話のリズムと一致したタイミングで合成器に出力して発話音声とする ことを特徴とするテキスト-音声変換装置。 【請求項26】 音声信号を合成するためのテキスト-音声変換装置において、 1つの自由生成テキスト信号に応答して、当該テキスト信号中の個々のワードを検出し、合成すべきワード列を生成するワード検出器と、 所定の規則に従って、前記ワード列を別のワード列に変換するワード変更手段と、 前記別のワード列に応答して、Nを整数として、前記別のワード列中のN個の隣接ワードをN個のワード格納器に格納し、前記隣接ワードに関して前記別のワード列中の各ワードを分析し、分析された各ワードが属するカテゴリを決定するカテゴライズ手段と、 前記カテゴライズ手段に応答して、前記カテゴリに基づいて、前記別のワード列中のポーズ受容ワードを識別し、識別されたワードに対応して、前記別のワード列中にポーズ生成信号を挿入するシンタクス増強手段と を有し、 前記カテゴリには、言語の音声要素および1以上のワードクラスに属するタームが存在し、 前記別のワードを自然発話のリズムと一致したタイミングで合成器に出力して発話音声とする ことを特徴とするテキスト-音声変換装置。」 第2 刊行物発明、及び、本願発明と刊行物発明との対比・検討 1 刊行物 当審の拒絶理由で引用した刊行物1ないし2は次に掲げるものである。 刊行物1:特開昭59-185395号公報 刊行物2:特開昭58-40684号公報 (1) 刊行物1の発明 刊行物1には、入力として音声信号を受け取り、デジタル録音編集を行う音声応答装置が記載されている。また、登録フレーズに記憶する際、登録フレーズの音声情報の前に登録フレーズの品詞情報として品詞に対応したポーズ時間を表わすポーズコードを付加し記憶しておき、音声を出力する際、前記ポーズコードから対応する無音区間をつくり登録されているフレーズを次々に出力する点が記載されている。 (2) 刊行物2の発明 刊行物2には、品詞認識処理によりバッファを操作して読み出した品詞情報を用いた自然言語間の自動翻訳方式、特に、自動翻訳の成功率が高く、複雑な文章を正確に翻訳することができ、しかも文型パターンの増補が容易な方式が記載されている。また、入力装置100、翻訳処理装置200、辞書用メモリ300、作業用メモリ400および出力装置500を有し、入力装置100は英文テキストを入力するためのもので、通常、キーボードが用いられるが、磁気テープ、磁気ディスクその他の方法により英文テキストを入力することも可能であって、英文テキストは、翻訳処理装置200によって処理され、翻訳処理装置200は、第2図に示された処理を行うためのプログラムを格納しており、辞書メモリ300の情報を適宜用い、メモリ400をワーキングエリアとして用いて、入力の英文テキストを和文に翻訳して出力する。出力装置500としては和文出力をプリントまたは表示するためのプリンタまたはディスプレイ装置等が用いられる点が記載されている。 2 本願発明と刊行物発明との対比・検討 請求項1,26に係る発明と刊行物1ないし2の発明とを対比・検討すると、刊行物1ないし2の発明は、上記発明における主要な事項である、「カテゴリには、言語の音声要素とワードクラスが存在」する点および「ワードを自然発話のリズムと一致したタイミングで合成器に出力して発話音声とする」点を具備していないし、刊行物1ないし2には、この主要な事項を示唆する記載もなされていない。 そして、上記主要な事項により、上記発明は、「自由に生成された言語テキストを受容し、その言語を正しい強勢および正しいポーズを入れて合成できるので、例えばアテンダントを介在させることなく音声障害者により生成されたテキストを合成する拡張デュアルパーティ中継サービスを提供することができる」という顕著な効果を奏するものである。 したがって、上記発明は、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認められない。 また、請求項2〜25,27に係る発明については、それぞれ請求項1、26あるいは請求項1に従属する請求項に従属するものであるから、上記見解を適用できることはあきらかであるので、さらなる見解を省略する。 さらに、提出された意見書による釈明により、本願特許請求の範囲の記載は36条に規定する要件を満たすものとなった。 第3 むすび 以上、本願発明は、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものと認められないし、記載に不備があるとも認められない。 また、他に本願発明に係る特許を拒絶する理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2002-04-16 |
出願番号 | 特願平3-178982 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G10L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山下 剛史 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
小松 正 石川 伸一 |
発明の名称 | テキスト-音声変換装置 |
代理人 | 三俣 弘文 |