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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H03M |
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管理番号 | 1057923 |
審判番号 | 審判1999-10037 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1996-11-01 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 1999-06-17 |
確定日 | 2002-05-07 |
事件の表示 | 平成 7年特許願第113603号「符号化変調方法および検出方法」拒絶査定に対する審判事件[平成 8年11月 1日出願公開、特開平 8-288850]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成7年4月14日の出願であって、原審において拒絶の査定がなされたところ、平成11年6月17日付けで審判請求がなされ、審判請求と同日付けで手続補正がなされたものである。 なお、平成11年6月17日付けの手続補正は却下された。 2.本願発明 本願請求項1に係る発明は、平成10年2月16日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりの事項により特定されるものである。 「【請求項1】 8ビットのデータ語を9ビットの符号語に変換するブロック符号化変調方法において、 連続して現れる“1”の個数が予め定めた所定の整数値以下となるような9ビットの語を前記符号語として前記データ語に対応させると共に、前記符号語が複数個接続した際に連続する“1”の個数が前記所定の整数値以下となるように前記符号語を出力することを特徴とする符号化変調方法。」 3.引用刊行物に記載された発明 これに対し、原査定の拒絶の理由に引用された特開平3-102920号公報(以下、引用例という)には、第1図乃至第6B図とともに以下の事項が記載されている。 (1).「(1)それぞれ第1の所与の数のビットを含むブロックに区分されている2進データを、それぞれ第2の所与の数のビットを含むコードワードにコード化する方法であって、 2進データを受け取るステップ、及び 固定長コードワードのシーケンスを生成するステップを含み、 上記シーケンスがせいぜい第1の予め選択した数(G0)の連続する0を含み、 上記シーケンスが奇数ビット位置のみからなるものと偶数ビット位置のみからなるものの2つの部分シーケンスを含み、上記各部分シーケンスがせいぜい第2の予め選定した数(I0)の連続する0を含み、 上記シーケンスがさらに、せいぜい第3の予め選定した数(G1)の連続する1を含み、上記第3n予め選定した数(G1)が10未満である コード化方法。 (2)可能なすべての9ビット・ワードの集合Y=(Y1,Y2,...,Y9)から、論理条件 (Y1+Y2+Y3)・(Y2+Y3+Y4+Y5+Y6)・(Y3+Y4+Y5+Y6+Y7)・ (Y4+Y5+Y6+Y7+Y8)・(Y7+Y8+Y9)=1 (Y1+Y3+Y5+Y7)・(Y3+Y5+Y7+Y9)・(Y2+Y4+Y6+Y8)=1、 及び Y1・Y2・Y3+Y2・Y3・Y4・Y5・Y6・Y7+ Y3・Y4・Y5・Y6・Y7・Y8+Y6・Y7・Y8・Y9=0 を満たす潜在的に可能な263個のコードワードからなる完全部分集合(L1)を選択するステップと、 潜在的に可能なコードワードからなる完全部分集合から実際の256個のコードワードからなる部分的部分集合を選択するステップと、 部分的部分集合中の実際のコードワードのそれぞれに、可能な256個の8ビット・データ・ブロックの1つを割り当てるステップと、 コード化のため、各データ・ブロックを割り当てられたコードワードで置換して、その結果得られるコードワードのシーケンスについて、上記第1の予め選定した数(G0)が4、上記第2の予め選定した数(I0)が6、上記第3の予め選定した数(G1)が5になるようにするステップと を含む、区分によってそれから8ビットのデータ・ブロックが形成されたデータを、9ビットのコードワードにコード化するための、請求項1に記載の方法。 (3)可能なすべての9ビット・ワードの集合Y=(Y1,Y2,...,Y9)から、論理条件 (Y1+Y2+Y3)・(Y2+Y3+Y4+Y5+Y6)・ (Y3+Y4+Y5+Y6+Y7)・(Y4+Y5+Y6+Y7+Y8)・ (Y7+Y8+Y9)=1 (Y1+Y3+Y5+Y7)・(Y3+Y5+Y7+Y9)・(Y2+Y4+Y6+Y8)=1、 及び Y1・Y2・Y3・Y4+Y2・Y3・Y4・Y5・Y6・Y7+Y3・Y4・Y5・ Y6・Y7・Y8+Y7・Y8・Y9=0 を満たす潜在的に可能な263個のコードワードからなる完全部分集合(L2)を選択するステップと、 潜在的に可能なコードワードからなる完全部分集合から実際の256個のコードワードからなる部分的部分集合を選択するステップと、 部分的部分集合中の実際のコードワードのそれぞれに、可能な256個の8ビット・データ・ブロックの1つを割り当てるステップと、 コード化のため、各データ・ブロックを割り当てられたコードワードで置換して、その結果得られるコードワードのシーケンスについて、上記第1の予め選定した数(G0)が4、上記第2の予め選定した数(I0)が6、上記第3の予め選定した数(G1)が5になるようにするステップと を含む、区分によってそれから8ビットのデータ・ブロックが形成されたデータを、9ビットのコードワードにコード化するための、請求項1に記載の方法。」(特許請求の範囲(1)、(2)、(3)) (2).「E-5.(4,6,5)コード用のエンコーダ及びデコーダ (4,6,5)コードのエンコーダ及びデコーダの実施例についてまず説明する。・・・最後に、式(8a)(または(8b))によって、始めに3個(4個)以上の1がある、または終わりに4個(3個)以上の1があるY、あるいは6個以上の1が連続するYがすべて除去されて、G1=5が保証される。・・・9項数列を表す。 アレイL1(4,6,5)から誘導できるブロックコードは多数あり、各コード中のコードワードを256個の8ビット・バイトに割り当てる方法は256!通りある。・・・これはデコーダ入力が違法コードワードのとき立てられる(すなわちF=1)。」(第9頁右下欄第16行〜第11頁右上欄第5行) そして、第1図乃至第6B図及びこれらの記載からみて、引用例には、 「それぞれ8ビットを含むブロックに区分されている2進データを9ビットを含むコードワードにコード化する方法において、 連続して現れる“1”の個数が第3の予め選定した数(G1)以下となるような可能な全ての9ビットワードの集合の部分的部分集合中の実際のコードワードのそれぞれを前記コードワードとして前記2進データに対応させると共に、前記コードワードが複数個接続した際に連続する“1”の個数が前記第3の予め選定した数(G1)以下となるように前記コードワードを出力することを特徴とするコード化方法。」(以下、「引用例に記載された発明」という。) が記載されているものと認められる。 4.対比・判断 4-1.請求項1に係る発明について 本願請求項1に係る発明と引用例に記載された発明とを対比すると、 (1)引用例に記載された発明における「それぞれ8ビットを含むブロックに区分されている2進データ」、「9ビットを含むコードワード」、「第3の予め選定した数(G1)」、「可能な全ての9ビットワードの集合の部分的部分集合中の実際のコードワードのそれぞれ」、「コードワード」、「2進データ」が、それぞれ、本願請求項1に係る発明における「8ビットのデータ語」、「9ビットの符号語」、「予め定めた所定の整数値」、「9ビットの語」、「符号語」、「データ語」に相当し、 (2)引用例に記載された発明における「コード化する方法」、「コード化方法」と本願請求項1に係る発明における「変換するブロック符号化変調方法」、「符号化変調方法」とは、それぞれ、「変換する符号化方法」、「符号化方法」である点において一致するので、 本願請求項1に係る発明と引用例に記載された発明とは、 「8ビットのデータ語を9ビットの符号語に変換する符号化方法において、 連続して現れる“1”の個数が予め定めた所定の整数値以下となるような9ビットの語を前記符号語として前記データ語に対応させると共に、前記符号語が複数個接続した際に連続する“1”の個数が前記所定の整数値以下となるように前記符号語を出力することを特徴とする符号化方法。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点a 「変換する符号化方法」、「符号化方法」が、それぞれ、本願請求項1に係る発明では、「変換するブロック符号化変調方法」、「符号化変調方法」であるのに対し、引用例に記載された発明では、「コード化する方法」、「コード化方法」である点。 そこで、相違点について検討する。 相違点aについて 「変換する符号化方法」、「符号化方法」を、それぞれ、「変換するブロック符号化変調方法」、「符号化変調方法」とすることは当業者が適宜なし得たものと認められる。 よって、本願請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5.むすび 以上のとおり、本願請求項1に係る発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2002-01-17 |
結審通知日 | 2002-01-29 |
審決日 | 2002-03-18 |
出願番号 | 特願平7-113603 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H03M)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小林 紀和 |
特許庁審判長 |
武井 袈裟彦 |
特許庁審判官 |
山本 春樹 白井 孝治 |
発明の名称 | 符号化変調方法および検出方法 |
代理人 | 京本 直樹 |