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審決分類 |
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 C01B 審判 全部申し立て 2項進歩性 C01B 審判 全部申し立て 発明同一 C01B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C01B |
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管理番号 | 1058176 |
異議申立番号 | 異議1999-74740 |
総通号数 | 30 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1995-12-19 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1999-12-17 |
確定日 | 2002-03-06 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2918092号「微細な無機酸化物のシリル化法」の請求項1ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2918092号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 特許第2918092号の請求項1〜8に係る発明は、平成7年5月31日(優先権主張、平成6年6月1日、独国)の出願であって、平成11年4月23日にその特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、特許異議申立人 倉持 武により特許異議の申立がなされ、平成12年7月14日に取消の理由が通知され、期間延長された指定期間内である平成13年1月15日に訂正請求がなされ、さらに平成13年6月22日に取消の理由が通知され、期間延長された指定期間内である平成13年12月21日に先の訂正請求を取り下げると共に、新たな訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否 2-1.訂正の内容 (1) 訂正事項a 特許請求の範囲中、請求項1の「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4ーn (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)X OR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数である]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。」とあるのを、 「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、かつ、付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4ーn (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)XOR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0よりも大きいものとする]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。」と訂正する。 (2) 訂正事項b 特許請求の範囲中、請求項2を削除する。 (3) 訂正事項c 特許請求の範囲中、請求項3を請求項2と訂正するとともに、「請求項1または2に記載の」を「請求項1記載の」と訂正する。 (4) 訂正事項d 特許請求の範囲中、請求項4を請求項3と訂正するとともに、「請求項1から3までのいずれか1項記載の」を「請求項1または2に記載の」と訂正する。 (5) 訂正事項e 特許請求の範囲中、請求項5を請求項4と訂正するとともに、「1から4まで」を「1から3まで」と訂正する。 (6) 訂正事項f 特許請求の範囲中、請求項6を請求項5と訂正するとともに、「1から5まで」を「1から4まで」と訂正する。 (7) 訂正事項g 特許請求の範囲中、請求項7を請求項6と訂正するとともに、「1から6まで」を「1から5まで」と訂正する。 (8) 訂正事項h 特許請求の範囲中、請求項8を請求項7と訂正するとともに、「1から7まで」を「1から6まで」と訂正する。 2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否、独立特許要件 (1) 訂正事項aは、実質上 a-1.「エーロゾルの形で混合することにより処理し、」に、元の請求項2の特徴部分を取り入れて、「エーロゾルの形で混合することにより処理し、かつ、付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理し、」とする訂正 a-2.「R1は同じかまたは異っていてもよく、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、」を「R1は同じかまたは異っていてもよく、1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、」とする訂正 a-3.「x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数である」を「x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0よりも大きいものとする」とする訂正 に細分することができる。 そして、訂正事項a-1は、難揮発性のシリル化剤による処理に加え、揮発性シリル化剤による処理を付加するものであり、特許請求の範囲の減縮に該当する。 訂正事項a-2は、1価の炭化水素基のうちハロゲン化されたものを削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮に該当する。 訂正事項a-3は、zについての定義を、本件特許明細書中段落【0022】に記載されるとおりに限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮ないし明りょうでない記載の釈明に該当する。 (2) 訂正事項bは、請求項2の削除であるから特許請求の範囲の減縮に該当する。 (3) 訂正事項cないし訂正事項hは、請求項2の削除に伴って生じる、項番、及び引用する請求項の不整合を正すものであるから、明りょうでない記載の釈明に該当する。 (4) これらの訂正は、もとの請求項2に記載されているか発明の詳細な説明の段落【0022】に記載されていた事項であり、新たな事項を付け加えるものではないから、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲の拡張又は変更するものでもない。 (5) また、後述するように訂正後の特許請求の範囲は、本件特許出願の際、独立して特許を受けることができるものである。 2-3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第第1項但し書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立の概要 3-1.特許異議申立人は、甲第1〜7号証及び参考資料1を提出し、 (1) 本件請求項1〜8に係る発明は、甲第1〜5号証記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し特許を受けることができないものであり、 (2) 本件請求項2及び請求項6に係る発明は、甲第4号証と甲第6号証、又は甲第1〜3号証と甲第6号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、 (3) 本件請求項3に係る発明は、甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、 (4) 本件請求項1,4,6〜8に係る発明は、甲第7号証に開示する発明と実質的に同一であるので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり、 (5) 本件発明には重大な記載不備があり、特許法第36条第4項の規定を満たさないため、特許を受けることができない 旨主張している。 甲第1号証:特開平4-231318号公報 甲第2号証:特開平2-174974号公報 甲第3号証:特開昭63-139367号公報 甲第4号証:特開昭59-231550号公報 甲第5号証:特開平6-80405号公報 甲第6号証:特開昭48-47346号公報 甲第7号証:特開平7-232912号公報(特願平7-10144号の願書に最初に添付した明細書の内容を掲載した公報) 参考試料1:化学工学協会編「化学工学便覧」改訂5版(1988)丸善、p.296〜297 4.特許異議申立についての判断 4-1.特許法第36条違反について 異議申立人は、以下の点で本件特許発明は特許法第36条第4項に規定する要件を満たさない旨主張する。 (1) 請求項1の発明において、式(II)のzについての定義がない。 (2) 本件特許明細書の詳細な説明には、z=0または1としているが、z=1のとき、酸素の数(個数)は[x+y+1/2]個になってしまい、化学的に成り立たない。 (3) 式(II)の(-z)のマイナスは意味不明である。 しかしながら、(1)の点は、訂正後の請求項1には、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されたとおりに、zについての定義が追加され、(2)の点については、単に元素の比率を表すものにすぎないから、整数とならなかったからといって、化学的に成り立たないとはいえず、(3)で指摘されたzの前のマイナスは、特許庁において顕著な事実によれば、データエントリーミスであり、平成7年5月31日付手続補正書は平成13年6月12日付で職権により訂正されている。 したがって、訂正された本件特許明細書には、特許異議申立人が主張する記載不備は存在せず、本件特許明細書は特許法第36条各項の規定を満たしている。 4-2.特許法第29条、特許法第29条の2違反について 4-2-1.本件発明 訂正明細書の請求項1〜7に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下「本件発明1」ないし「本件発明7」という)。 「【請求項1】微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、かつ、付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4ーn (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)XOR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0よりも大きいものとする]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項2】方法が、微細な無機酸化物とシリル化剤とを混合する第1工程、熱処理することにより後処理する第2工程およびガス気流中で精製する第3工程からなることを特徴とする請求項1に記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項3】方法の温度が400℃以下の温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項4】シリル化剤として、同じかまたは異っていてもよい1種または数種の有機ケイ素化合物を使用することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項5】微細な無機酸化物を付加的にプロトン性溶媒で処理することを特徴とする請求項1から4でのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項6】微細な無機酸化物が既に、比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)100m2/gあたり1重量%以下の炭素含量を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項7】微細な無機酸化物としてケイ酸を使用することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。」 4-1-2.引用刊行物記載の発明 (1) 甲第1号証には、以下の記載がある。 ア-1.「熱分解法により製造した表面変性した二酸化ケイ素を製造する方法において、次の物理化学的データ: BET表面積 m2/g 200±25 一次粒子の平均粒子径 ナノメータ 12 嵩密度 g/l 約50 乾燥減量(105℃で2時間) % <1.5 灼熱減量(1000℃で2時間) % <1 pH値(4%の水性分散液中) 3.6-4.3 SiO2 % >99.8 Al2O3 % <0.05 Fe2O3 % <0.003 TiO2 % <0.03 HCl % <0.025 モッカーによる篩別残分(45μm) % <0.05 を有する熱分解により製造したケイ酸を、一般の混合装置に装入し、強力に混合しながら、次のシラン: CHF2-CF2-O-(CH2)3-Si(OCH3)3 CF3-CHF-CF2-O-(CH2)3-Si(OCH3)3 C4F9-CH2-CH2-Si(OCH3)3 C6F13-CH2-CH2-Si(OCH3)3のグループからの化合物を噴霧し、後混合し、得られた混合物を1.5〜2.5時間100〜140℃の温度で熱処理することを特徴とする熱分解法により製造した表面変性した二酸化ケイ素を製造する方法。」(請求項5)、 ア-2.「【実施例】次に、使用した熱分解により製造したケイ酸、Aerosil 200は、次の物理化学的データを有している。【0017】 BET表面積 m2/g 200±25 一次粒子の平均粒子径 ナノメータ 12 ・・・135lのLoedige混合器中に、Aerosil200 2kgを装入する。シラン200gを、稼働している混合器において噴霧ノズルを用いてAerosilに吹き付ける。引き続き、なお15分間後混合する。このシラン化したAerosilを2時間120℃で熱処理する。」(第8欄28行〜第10欄1行) (2) 甲第2号証には、以下の記載がある。 イ-1.「(1)約10lb/ft3以下の嵩密度を有する材料を、その材料を密な相として保存容器から一つの容器へ移動させながら処理剤と連続的に接触させることからなる処理方法。・・・(3)接触が、材料に処理剤を噴霧することにより行われる請求項1に記載の方法。(4)材料をパイプ中で移動させ、噴霧が該パイプの内部に配置された注入手段により行われる請求項3に記載の方法。・・・(8)材料がヒュームドシリカである請求項1に記載の方法。(9)処理剤がシランオイルからなる請求項8に記載の方法。(10)シランオイルがポリジメチルシロキサンからなる請求項9に記載の方法。」(特許請求の範囲) イ-2.「注入手段(26)は、処理剤をパイプ(14)全体に均一に分布させ、従って約10lb/ft3以下の嵩密度を有する材料を処理剤と均一に接触させるために用いられる。」(第4頁右上欄13〜17行) イ-3.「ヒュームドシリカは、容器(10)中に保存され、シランオイルは容器(20)中に保存される。ポンプ(20)は慣用的隔膜ポンプであり、ポンプ(22)は慣用的ポンプである。容器(30)はヒュームドシリカ生成物を疎水性にするのに充分な温度に加熱されている。」(第4頁左下欄14〜19行) (3) 甲第3号証には、以下の記載がある。 ウ-1.「(1)シランカップリング剤で処理された後、さらにシリコンオイルで処理されたケイ酸微粉体を含有することを特徴とする現像剤。」(特許請求の範囲) ウ-2.「本発明に用いられるシランカップリング剤は一般式 RmSiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基を含む炭化水素基 n:3〜1の整数 もので例えば代表的にはジメチルジクロルシラン・・・・等をあげることができる。上記ケイ酸微粉末のシランカップリング剤処理は、ケイ酸微粉末を攪拌等によりクラウド状としたものに気化したシランカップリング剤を反応させる乾式処理又は、・・・湿式法等一般に知られた方法で処理することができる。」(第3頁左下欄2行〜右下欄4行) ウ-3.「本発明に使用されるシリコンオイルは、一般に次の式で示されるものであり・・・。例えば、ジメチルシリコンオイル・・・等が上げられる。・・・シリコンオイル処理の方法は公知の技術が用いられ、・・・ベースシリカへシリコンオイルを噴霧する方法によっても良い。」(第3頁右下欄5行〜第4頁左上欄10行) (4) 甲第4号証には、以下の記載がある。 エ-1.「ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体であって、一般式 RmSiYn ・・・・で示されるシランカップリング剤で処理され、かつシリコーンオイル処理されたシリカ微粉体」(第1頁左欄8〜16行) エ-2.「シリコーンオイル処理の好ましい方法としては、・・・シランカップリング剤で処理した後、あるいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコーンオイルで処理する。その処理方法は公知の技術が用いられ、例えば・・・ベースシリカへシリコーンオイルを噴霧する方法によっても良い。」(第5頁左下欄2〜11行) エ-3.「次にシリカ微粉体アエロジル200(日本アエロジル社製)を70℃に加熱した密閉型ヘンシェルミキサー中に入れシリカに対してシランカップリング剤が5.0重量パーセントの処理量となる様に、アルコールで希釈したγ-アミノプロピルトリエトキシシランを加え高速で撹拌した。得られた微粉体を120℃にて乾燥した後、再びヘンシェルミキサー中に入れ、撹拌しながら該シリカに対して、25℃における粘度が100センチポイズであるジメチルシリコーンオイルが2.0重量パーセントとなる様に噴霧した。室温で2時間高速撹拌し、さらに160℃で15時間撹拌し、次いでこの混合物をさらに大気圧で室温にて3時間撹拌した該処理シリカ微粉体を上記微粉体に対し0.4重量%加え、ヘンシェルミキサーで混合したものをトナーとした。」(第7頁左下欄11行〜右下欄6行) (5) 甲第5号証には、以下の記載がある。 オ-1.「【請求項1】オルガノポリシロキサンとポリアルキレンイミンの被覆を有する金属酸化物粉体。・・・【請求項3】金属酸化物がシリカ、アルミナまたはチタニアである請求項1に記載の金属酸化物粉体。」(特許請求の範囲) オ-2.「本発明に用いられる金属酸化物粉体の処理には、従来公知の方法が適応される。すなわち、被処理金属酸化物粉体を機械的に十分攪拌をしながら、これにオルガノポリオシロキサン、ポリアルキレンイミンを滴下あるいは噴霧して加える。」(第3欄19〜23行) オ-3.「加熱乾燥したシリカ粉末(日本アエロジル社製「アエロジル#130」比表面積130m2/g)10gをステンレス鋼製の容器に仕込み、室温で窒素雰囲気下で攪拌しながら、下記の組成の処理剤を噴霧した。 処理剤 ポリエチレンイミン(30%水溶液) 2.00g ジメチルポリシロキサン(信越化学社製[KF-96](50cs)) 1.00g n-プロパノール 5.0ml」(第4欄22〜30行) (6) 甲第6号証には、以下の記載がある。 カ-1.「意図されている研摩物質は、コロイド状シリカ、表面変性親有機性シリカ・・・など、及びその混合物を含む。特に好ましい物質は、疎水特性を与えるため表面変性したものである。例えば、ケイ素原子に結合した炭化水素基と加水分解性基とを有する少なくとも1種の有機ケイ素化合物と、新しく調製したコロイド状シリカとを反応させることによって、疎水性シリカをつくる。1方法では、反応試薬と水蒸気とを、約400℃に加熱した流動床反応器に平衡流で空気で導入する。」(第7頁右上欄18行〜左下欄12行) カ-2.「代表的有機ケイ素化合物の例は、ジメチルジクロルシラン、・・・ビニルトリエトキシシランを含む。」(第7頁右下欄4〜7行) (7) 甲第7号証(特願平7-10144号の願書に最初に添付した明細書を掲載した公報)には、以下の記載がある。 キ-1.「【請求項1】シラン化された熱分解的に製造されたケイ酸において、熱分解的に製造されたケイ酸が基(RO)3SiCnH2n+1[式中、n=10〜18およびR=アルキルを表す]からなる化合物で処理されていることを特徴とする、シラン化された熱分解的に製造されたケイ酸。 【請求項2】熱分解的に製造されたケイ酸を、(CH3O)3SiC16H33(ヘキサデシルトリメトキシシラン)の化合物で処理した、請求項1記載のシラン化された熱分解的に製造されたケイ酸。 【請求項3】熱分解的に製造されたケイ酸を、(CH3O)3SiC18H37(オクタデシルトリメトキシシラン)の化合物で処理した、請求項1記載のシラン化された熱分解的に製造されたケイ酸。 【請求項4】請求項1から3項のいずれか1項記載のシラン化された熱分解的に製造されたケイ酸の製法において、熱分解的に製造されたケイ酸を混合機中に装入し、激しく混合下に、ケイ酸に、必要に応じてまず水を、かつ引続き、基(RO)3SiCnH2n+1からなるの化合物を噴霧し、15〜30分間後混合し、かつ引続き、100〜160℃の温度で、1〜3時間の時間にわたって熱処理することを特徴とする、シラン化された熱分解的に製造されたケイ酸の製法。」(特許請求の範囲) キ-2.「【0009】熱分解的に製造されたケイ酸を(RO)3SiCnH2n+1[式中、n=10〜18およびR=アルキル基、たとえばメチル基、エチル基または同様のものを表す]で処理する。【0010】殊に、次の化合物を使用することができる; シランI (CH3O)3SiC16H33(ヘキサデシルトリメトキシシラン) シランII(CH3O)3SiC18H37(オクタデシルトリメトキシシラン)。【0011】本発明によるケイ酸は、熱分解的に製造されたケイ酸を混合機に装入し、激しく混合下に、ケイ酸に、場合によりまず水をおよび引続き基(RO)3SiCnH2n+1からなる化合物(オルガノシラン)を噴霧し、15〜30分間後混合し、かつ引続き、100〜160℃の温度で、1〜3時間の時間にわたって熱処理することにより製造することができる。」(第4欄右欄1行〜第5欄2行) キ-3.「【0020】ケイ酸を混合機中に装入し、かつ激しく混合下に、まず水を、引続きオルガノシランを噴霧する。」(第6欄下から12〜11行) 4-1-3.対比・判断 (1) 本件発明1と甲第1号証記載の発明との対比 甲第1号証の記載ア-1、2によれば「熱分解により製造したケイ酸」は、表面積が大きく一次粒子が12nm程度の粉末であるから、本件発明1における「微細な無機酸化物」に相当し、記載ア-2によれば、該ケイ酸をLoedige混合器で強力に混合しながら、表面変性剤であるシランを噴霧しているのであるから、ケイ酸は流動化しており、処理温度においてシランは液体であり「方法全体の温度範囲内で難揮発性」であるといえる。 したがって、本件発明1と甲第1号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシランで、難揮発性シランを流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理する微細な無機酸化物の表面変性法」である点で一致するが、甲第1号証には、シランとして本件発明1で特定するオルガノシランおよび/またはオルガノシロキサンを使用すること、並びに「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについては記載も示唆もされていない。 (2) 甲第2号証記載の発明との対比 甲第2号証の記載イ-1によれば、約10lb/ft3以下の嵩密度を有する材料として、ヒュームドシリカが、処理剤としてポリジメチルシロキサンが、それぞれ例示され、処理が、材料に処理剤を噴霧することによって行われることが開示されており、ポリジメチルシロキサンが本件発明1において式IIで表されるオルガノシロキサンに相当することは明らかである。 したがって、本件発明1と甲第2号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理する微細な無機酸化物のシリル化法」である点で一致するが、甲第2号証には、微細な無機酸化物を流動化させること、及び「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについては記載も示唆もされていない。 (3) 甲第3号証記載の発明との対比 記載ウ-2からみて、「シランカップリング剤」として例示される化合物が本件発明における式Iで表されるオルガノシランに、記載ウ-3からみて、「シリコンオイル」として例示される化合物が本件発明における式IIで表されるオルガノシロキサンに相当し、これらの記載中「ケイ酸微粉末」が本件発明における「微細な無機酸化物」に相当し、更に記載ウ-2には、シランカップリング剤を気化して反応させることが記載されているので、この場合、シランカップリング剤は本件発明の「揮発性シリル化剤」ということになる。しかしながら、シランカップリング剤での処理と、シリコンオイルでの処理とは、別途行われ、両者の処理を同一温度で行うことについては記載がなく、さらに、記載ウ-2によれば、反応の際、ケイ酸粉末を攪拌等によりクラウド状とすること、すなわち流動化することも記載されているが、これと反応させるシリル化剤は気相であって、液相ではない。 したがって、本件発明1と甲第3号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、付加的に、揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する微細な無機酸化物のシリル化法」である点で一致するが、甲第3号証には、微細な無機酸化物を流動化させた状態で難揮発性シリル化剤を噴霧すること、及び「方法温度」、すなわち難揮発性シリル化剤が難揮発性である処理温度で揮発性シリル化剤の処理を行うことについては記載がない。 (4) 甲第4号証記載の発明との対比 甲第4号証には、甲第3号証に記載された「シランカップリング剤」と「シリコンオイル」が記載され、記載エ-3には、ジメチルシリコーンオイルをシリカ微粉末に噴霧するのに、シリカをヘンシェルミキサー中で攪拌することも記載されているので、結局、甲第4号証には、シリコンオイルを流動化されたシリカ微粉末に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することよりなるシリカ微粉末のシリル化法が記載されているといえる。 ここで、特許権者は、平成13年12月21日付意見書(第4頁4〜18行)において、攪拌又は攪拌機の使用は、必然的に流動化を教示するものではなく、とくにヘンシェルミキサーは流動化をしない旨主張している。 しかしながら、本件特許明細書には、本件発明における「流動化」について、「搬送装置によるかまたは攪拌することによって流動化されているように運動させ、これはたとえば翼攪拌により10〜5000rpm望ましくは100〜2000rpmで行なう」(本件特許掲載公報第11欄41〜45行)と記載されているように、ヘンシェルミキサのような「翼攪拌」は本件発明における「流動化」のための典型的な手段としているのであり、また一般的に「攪拌」が必ずしも「流動化」を教示するものではないとしても、本件発明のような微細粉末を翼攪拌する場合、少なくともその一部が流動化してしまうことも技術常識であるから、上記特許権者の主張は採用できない。 そして、甲第4号証における「シリコンオイル」、「シリカ微粉末」は、本件発明1における「難揮発性シリル化剤」、「微細な無機化合物」にそれぞれ相当するから、本件発明1と甲第4号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理する微細な無機酸化物のシリル化法」である点で一致するが、甲第4号証には、「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについては記載も示唆もされていない。 (5) 甲第5号証記載の発明との対比 甲第5号証における「オルガノポリシロキサン」は、本件発明1の「オルガノシロキサン」に相当し、記載オ-3の「シリカ粉末」は、本件発明でいう「微細な無機酸化物」であるから、本件発明1と甲第5号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理する微細な無機酸化物のシリル化法」である点で一致するが、甲第5号証には、「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについては記載も示唆もされていない。 (6) 甲第6号証記載の発明との対比 甲第6号証に記載される「ビニルエトキシシラン」は、本件発明1において、一般式(I)で示されるシリル化剤であり、約400℃という温度でガス状である。 したがって、甲第6号証には、反応温度の約400℃で気相となるシリル化剤で、コロイド状シリカを処理することが記載されているといえるが、本件発明1の構成要件である「方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤」を使用することについては、記載も示唆もされていない。 (7) まとめ 以上検討したように、甲第1ないし6号証には、本件発明1における「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについて記載も示唆もされていない。 そして、本件発明1は上記の構成により、本件明細書の例5及び例6(本件特許掲載公報第11頁21欄24行〜第12頁24欄39行)に示されるように、一部のシリル化剤を揮発性の条件で使用することにより、全体の処理時間を短縮できるという作用効果を生じるものである。 したがって、本件発明1は、甲第1ないし6号証に記載された発明といえないばかりか、同号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (8) 甲第7号証(特願平7-10144号の願書に最初に添付した明細書を掲載した公報)記載の発明との対比 甲第7号証における「熱分解的に製造されたケイ酸」は、本件発明1において有利に使用される「微細な無機酸化物」の一つであるケイ酸の望ましい製造例として本件特許明細書に記載されているものであり、記載キ-1,記載キ-2に例示される「シランI」、「シランII」は本件発明1における式(I)で表されるオルガノシランに相当し、記載キ-3によれば、ケイ酸を混合機中で激しく混合させながら、すなわちケイ酸を流動化させて状態で前記オルガノシランを噴霧しているのである。 したがって、本件発明1と甲第7号証記載の発明を対比すると、両者は「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理する微細な無機酸化物のシリル化法」である点で一致するが、甲第7号証には、「微細な無機酸化物を付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理する」ことについては記載されていない。 したがって、本件発明1は、甲第7号証に掲載される特願平7-10144号の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。 (9) 本件発明2ないし7について 本件発明2ないし7は、いずれも請求項1記載の発明(本件発明1)を直接又は間接的に引用する発明であるから、上記(7)(8)と同じ理由で、甲第1ないし6号証に記載された発明といえないばかりか、同号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもなく、甲第7号証に掲載される特願平7-10144号の願書に最初に添付した明細書に記載された発明と同一であるとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件発明1〜7の特許は、特許異議申立の理由及び証拠によっては取り消すことはできない。 また、他に本件発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 微細な無機酸化物のシリル化法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、かつ、付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4-n (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、 Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)XOR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0よりも大きいものとする]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項2】 方法が、微細な無機酸化物とシリル化剤とを混合する第1工程、熱処理することにより後処理する第2工程およびガス気流中で精製する第3工程からなることを特徴とする請求項1に記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項3】 方法の温度が400℃以下の温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項4】 シリル化剤として、同じかまたは異っていてもよい1種または数種の有機ケイ素化合物を使用することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項5】 微細な無機酸化物を付加的にプロトン性溶媒で処理することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項6】 微細な無機酸化物が既に、比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)100m2/gあたり1重量%以下の炭素含量を有することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【請求項7】 微細な無機酸化物としてケイ酸を使用することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の微細な無機酸化物のシリル化法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、ケイ酸のような高無極性無機酸化物、高無極性無機酸化物の製造方法およびその使用に関する。 【0002】 【従来の技術】 無機酸化物、たとえばケイ酸を液体中で増粘剤およびチキソトロピー剤として使用することは公知である。増粘およびチキソトロピー効果は液体中でのケイ酸粒子の三次元網状結合の構成によって説明される。液体中での網状結合の構成および安定性にとっては隣接ケイ酸粒子のシラノール基間の相互作用が、たとえば水素橋の形成により決定的である。無極性液体中では、この相互作用は完全に出現する。従って、液体の増粘剤としてのケイ酸の作用は、無極性の系または極性の小さい系、たとえば炭化水素またはポリジメチルシロキサン中ではとくに強く現われる。ケイ酸表面のシラノール基に対する高い親和力(たとえば水素橋による)を有する媒体中では、ケイ酸立体網の脱安定化が行なわれる。この理由から、水またはエタノールのような高極性液体の増粘は大量のケイ酸により可能であるにすぎない。酸素含有極性基、たとえばケト基、エポキシ基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシ基またはカルボキシル基のような酸素含有極性基またはたとえば第一級、第二級または第三級のアミノ基、イミノ基または第四級アンモニウム基のような窒素含有極性基を含有する極性系、たとえば溶媒、ポリマーまたは樹脂は、今日工業的に極めて重要であり、たとえばエポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニルエステル樹脂または水性分散液およびエスルションは塗料、被覆剤または接着剤として重要である。ここで粒子立体網形成におけるケイ酸表面のシラノール基の脱安定化作用を阻止するために、かかる系を無極性ケイ酸、つまり表面シラノール基の含量が減少しているようなケイ酸を用いて増粘し、チキソトロピー化する試みは存在する。しかし、この試みは、非常に異なる程度でしか成功せずかつ系に依存するように思われる。 【0003】 従って、1つの目的は、ケイ酸表面上のシラノール基の有効な除去、つまりケイ酸の完全なシリル化である。それというのもこれらのシラノール基は、増粘およびチキソトロピー化に必要な極性系中での粒子立体網を脱安定化するからである。 無極性ケイ酸の製造方法は公知である。 【0004】 ドイツ国特許出願公開第1163784号(Deutsche Gold-und Silber-Scheideanstalt)およびそれに成立したドイツ国特許第3211431号(Degussa AG)には、ケイ酸をシリル化する方法が記載されている。そこに記載された方法においては、表面にシラノール基を有するケイ酸を、乾燥した不活性ガス気流中で、600〜1000℃、とくに800〜900℃の温度で絶対乾燥生成物に乾燥し、シリル化剤、たとえばアルキル-またはアリール-またはアルキル・アリール混成ハロゲンシランでシリル化する。この方法ではケイ酸を、酸素遮断下に、少量の水蒸気、不活性ガスおよびガス状シリル化剤で、200〜800℃、とくに400〜600℃の温度で処理する。この方法の欠点は、ケイ酸に結合したシリル化剤の収率が小さいことである。この方法のもう1つの欠点はケイ酸の表面シラノール基の残存含量である。 【0005】 ドイツ国特許出願公開第1916360号(Deutsche Gold-und Silber-Scheideanstalt)にはケイ酸を流動層中で乾燥不活性ガス気流で、600〜1000℃、とくに800〜900℃の温度で絶対乾燥生成物に乾燥し、ガス相に変えた線状および/または環状オルガノポリシロキサンおよび場合によりオルガノハロゲンシランを、25〜350℃の温度で負荷し、350〜650℃の範囲内の温度で有機ケイ素化合物と反応させ、次いで125〜500℃の温度で後処理する方法が記載されている。シリル化剤としては、上記の温度範囲内で蒸発可能であるかまたはこの温度範囲内で蒸気として生成する線状または環状のオルガノポリシロキサンまたは混合物が使用される。 【0006】 上記の方法は、ガス状のシリル化剤を用いて実施する。従って、シリル化の本来の化学反応の前に、ガス状シリル化剤と表面に結合したシリル化剤との間に吸着/脱着平衡が成立する。シリル化剤の化学的固定に必要な高い温度では、この平衡は著しく、ケイ酸表面からシリル化剤が脱着する側にある。従って、使用したケイ酸に対する得られる、ケイ酸に結合したシリル化剤の収率は僅かである。この僅かな収率が、未反応シリル化剤による環境汚染を高めかつ高いコストをもたらす。 【0007】 ドイツ国特許出願公開第2513608号(Deutsche Gold und Silber-Scheideanstalt)からは、ケイ酸を流動層中で乾燥不活性ガス気流で、600〜1000℃、とくに800〜900℃の温度で絶対乾燥生成物に乾燥し、引き続き同時に約200〜300℃の範囲内の温度に加熱して流動状態にもたらし、その間300℃以下の沸点を有する揮発性の安定なオルガノシランを滴加する方法が公知である。しかし、実験室での研究は、シランの沸騰温度以上の温度におけるケイ酸に対するオルガノシランの滴加は悪い収率をもたらし、所望の高いシリル化度を生じないことを示す。 【0008】 ドイツ国特許出願公開第2403783号(Bayer AG)にはケイ酸に、水と緩慢にしか反応しない液状のオルガノシラザンおよび使用したシラザンの量よりも約50%多い大量の水からなる混合物を、0〜100℃、とくに室温で、流動化ケイ酸を介して噴霧し、得られる生成物から130〜170℃の温度で揮発性成分を除去する、ケイ酸のシリル化法が記載されている。そこに記載されているように、こうして得られるケイ酸の増粘作用はこの処理によって強く低下する。 【0009】 ドイツ国特許第2728490号(Deutsche Gold-und Silber-Scheideanstalt)においては、ケイ酸を適当な溶媒中でオルガノポリシロキサンでシリル化する。生じるケイ酸は、液体の著しい増粘も構造化も示さない。 【0010】 さらに、粉末状の無機酸化物、たとえばケイ酸に、液状有機ケイ素化合物を小液滴の形で噴霧する方法が公知である。高分散性ケイ酸のような微細な無機酸化物は、サブミクロン範囲内の極めて小さい一次粒子直径を特徴とする。従来の噴霧技術を用いてシリル化剤を噴霧すると、経験によれば不均一な被覆およびたんに物理的に被覆された、完全には無極性でない粒子が生じる。それで実験室での実験は、かかる方法は、高分散性ケイ酸を均一に、高いシリル化度の形成およびすべての反応性シラノール基の除去下に、十分化学的に固着された、つまりもはや分離しないシリル化剤層で被覆するのには適当でないことを示す。これらの問題は殊に、高められた粘度を有するシリル化剤を使用するときに起きる。 【0011】 ドイツ国特許第2107082号(Imperial Chemical Industries Ltd.)においては熱分解法ケイ酸に液体有機ケイ素化合物を噴霧する。しかし、35よりも小さいメタノール価(ここではケイ酸を完全に濡らすため、つまり水・メタノール混合物中でのケイ酸の完全な沈降を達成するのに十分な、水中でのメタノールの重量%と定義されている)を特徴とするケイ酸の僅かなシリル化度が達成されるにすぎない。 【0012】 ドイツ国特許第2057731号(Deutsche Gold-und Silber-Scheideanstalt)による方法においては、ケイ酸にアルコキシシランないしはアルコキシ末端のオルガノシロキサンを噴霧する際に疎水性、つまり非水湿潤性を達成するためには、付加的にアンモニアを添加しなければならない。 【0013】 ドイツ国特許出願公開第3707226号(Wacker-Chemie GmbH)からは、二酸化ケイ素にアンモニウム官能性オルガノポリシロキサンのアルコール溶液を加える。ポジチブ制御の帯電剤としてのアンモニウム官能性オルガノポリシロキサン変性表面を有する高分散性金属酸化物の製造方法が公知である。 【0014】 公知技術の欠点は、大過剰量のシリル化剤の使用(これは環境の汚染を生じる)にも拘らず、たとえば増粘作用の維持下に、ケイ酸の完全なシリル化が行なわれないことである。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、公知のシリル化法を改善し、ならびに改善された性質を有する高無極性ケイ酸を提供することである。この課題は本発明により解決される。 【0016】 【課題を解決するための手段】 本発明の対象は、微細な無機酸化物をシリル化する方法であって、微細な無機酸化物を方法全体の温度範囲内で難揮発性のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物に液状で細かく噴霧されたエーロゾルの形で混合することにより処理することを特徴とする。 【0017】 本発明方法においては1μmまでの平均一次粒子の粒度を有する微細な無機の金属酸化物を使用することができる。このような金属酸化物は、とくに二酸化チタン、酸化アルミニウムおよびケイ酸のような二酸化ケイ素である。ケイ酸は、湿式化学的沈殿によるかまたは熱分解でたとえばテトラシクロロシランの焔内加水分解によって製造することができる。 【0018】 本発明方法で有利に使用されるケイ酸は、250nmまで、望ましくは100nmより小さい一次粒子の粒度、とくに望ましくは2〜50nmの平均一次粒子の粒度を、殊に25m2/gよりも大きい、望ましくは50m2/g〜400m2/g、殊に望ましくは150m2/g〜250m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)と共に有する、親水性または既にシリル化されたケイ酸を使用することができる。沈降ケイ酸または熱分解法で製造したケイ酸を使用することができる。とくに望ましいのは熱分解法で製造した高分散性ケイ酸であって、このものはたとえばドイツ国特許第2620737号に記載されているような公知方法で、ケイ素ハロゲン化合物から熱分解により製造される。該ケイ酸はなかんずく四塩化ケイ素の爆鳴気内加水分解によって製造される。 【0019】 熱分解法ケイ酸は、直接にバーナから来るか、中間貯蔵されているかまたは既に商習慣的に包装されていてもよい。 【0020】 本発明方法で使用される無機酸化物は、既に比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)1002/gあたり1重量%以下の炭素含量を有する無機酸化物、たとえば表面がジアルキルシロキシ基で変性されている、ドイツ国特許第4221716号(Wacker-Chemie GmbH)により製造されたもののような熱分解法ケイ酸であってもよい。このようなケイ酸はとくに望ましい。このケイ酸は新しく製造されていてもよい。しかし、このケイ酸は貯蔵または商習慣的に包装されたケイ酸として使用することもできる。 【0021】 シリル化剤としては1種の有機ケイ素化合物または数種の有機金属化合物からなる混合物が使用され、その際使用される有機ケイ素化合物の少なくとも1つは0゜〜350℃、望ましくは20℃〜250℃、とくに望ましくは20℃〜180℃の方法の温度範囲内で難揮発性である。望ましい実施形で付加的に揮発性有機ケイ素化合物をを使用する場合には、沸点が方法の上記温度範囲以下であるようなものが使用される。ここで方法とは、ケイ酸およびシリル化剤の混合で始まるシリル化の全工程ならびに後続のすべての後処理および精製工程を表わす。 【0022】 有機ケイ素化合物としては、とくに一般式 R1nSiX4-n (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、 Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲン、望ましくは塩素またはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)XOR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2、望ましくは2であり、x=1、2、3、望ましくは1である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異なり、水素およびR1と異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは上記のもの、望ましくはOHを表わし、aは0、1、2または3、望ましくは2であり、bは0、1、2または3、望ましくは1であり、その際a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200、望ましくは10〜50の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、望ましくはx対yは少なくとも5対1に等しく、かつx+yの和は0に等しいかまたは1〜200、望ましくは10〜50の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0よりも大きく、望ましくはzは1であるものとする]で示されるオルガノシロキサンが使用される。 【0023】 オルガノシランの製造は種々に公知であり、一般に公知の製造方法に基づいて行なわれる。 【0024】 R1の例はアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、イソ-またはn-プロピル基のようなプロピル基、t-またはn-ブチル基のようなブチル基、ネオ-、イソ-またはn-ペンチル基のようなペンチル基、n-ヘキシル基のようなヘキシル基、n-ヘプチル基のようなヘプチル基、2-エチル-ヘキシル基またはn-オクチル基のようなオクチル基、n-デシル基のようなデシル基、n-ドデシル基のようなドデシル基、n-ヘキサデシル基のようなヘキサデシル基、n-オクタデシル基のようなオクタデシル基、ビニル-、2-アリル-または5-ヘキセニル基のようなアルケニル基、フェニル-、ビフェニル-またはナフチル基のようなアリール基、ベンジル-、エチルフェニル-、トルイル-またはキシリル基のようなアルキルアリール基、3-クロルプロピル-、3,3,3-トリフルオロプロピル-またはペルフルオロヘキシルエチル基のようなハロゲン化アルキル基、クロルフェニル-またはクロルベンジル基のようなハロゲン化アリール基である。R1の望ましい例はメチル基、エチル基、イソ-またはn-プロピル基のようなプロピル基、t-またはn-ブチル基のようなブチル基である。とくに望ましくはメチル基である。 【0025】 R2の例は、メチル基、エチル基、イソ-またはn-プロピル基のようなプロピル基、t-またはn-ブチル基のようなブチル基、ネオ-、イソ-またはn-ペンチル基のようなペンチル基、n-ヘキシル基のようなヘキシル基、n-ヘプチル基のようなヘプチル基、2-エチルヘキシル-またはn-オクチル基のようなオクチル基である。R2の望ましい例はメチル-、エチル-およびプロピル基である。とくに望ましくはメチル基である。 【0026】 R3の例は、アルキル基、たとえばメチル基、エチル基、イソ-またはn-プロピル基のようなプロピル基、t-またはn-ブチル基のようなブチル基、ネオ-、イソ-またはn-ペンチル基のようなペンチル基、n-ヘキシル基のようなヘキシル基、n-ヘプチル基のようなヘプチル基、2-エチルヘキシル-またはn-オクチル基のようなオクチル基、n-デシル基のようなデシル基、n-ドデシル基のようなドデシル基、n-ヘキサデシル基のようなヘキサデシル基、n-オクタデシル基のようなオクタデシル基、ビニル-、2-アリル-または5-ヘキセニル基のようなアルケニル基、フェニル-、ビフェニル-またはナフチル基のようなアリール基、ベンジル-、エチルフェニル-、トルイル-またはキシリル基のようなアルキルアリール基、3-クロルプロピル-、3,3,3-トリフルオロプロピル-またはペルフルオロヘキシルエチル基のようなハロゲン化アルキル基、クロルフェニル-またはクロルベンジル基のようなハロゲン化アリール基である。望ましくは、n-オクチル-、n-オクタデシル-、ビニル-および3,3,3-トリフルオロプロピル基である。とくに望ましくはn-オクチル基である。 【0027】 式Iによるオルガノシランの例は、メチルトリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、ビニルメチルジクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルメチルエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシラン、オクチルメチルジクロルシラン、オクタデシルメチルジクロルシランである。望ましくは、ジアルキルシランであり、とくに望ましくはジアルキルジクロルシラン、たとえばジメチルジクロルシラン、オクチルメチルジクロルシランおよびオクタデシルメチルジクロルシランならびにジメチルジメトキシシランおよびジメチルジエトキシシランである。とくに望ましくはジメチルジクロルシランである。 【0028】 オルガノシランの任意の混合割合からなる任意の混合物を使用することもできる。この場合、式Iによるn=2の化合物が80モル%より多く、望ましくは90モル%より多く存在するような混合物が望ましい。この場合、R1が異なり、たとえばメチル基および少なくとも6のC原子を有するアルキル基である式Iで示される、少なくとも1つの化合物が存在する混合物がとくに望ましい。望ましくは、ジメチルジクロルシランとオクチルメチルジクロルシランの5:1〜50:1の割合からなる混合物である。 【0029】 オルガノシロキサンの例は、200まで、望ましくは5〜100、とくに望ましくは10〜50の平均数のジアルキルシロキシ単位を有する線状また環状のジアルキルポリシロキサンである。望ましくはジアルキルポリシロキサンであり、そのうちジメチルポリシロキサンが望ましい。とくに望ましくは、次の末端基を有する線状のポリジメチルシロキサンである:トリメチルシロキシ、ジメチルヒドロキシシロキシ、ジメチルクロルシロキシ、ジメチルメトキシシロキシ、ジメチルエトキシシロキシ、メチルジクロルシロキシ、メチルジメトキシシロキシ、メチルジエトキシシロキシ、ジメチルアセトキシシロキシ、メチルジアセトキシシロキシ;末端基は同じかまたは異っていてもよい。上記のポリジメチルシロキサンのうちでとくに望ましくは、25℃で10〜100mPa.s、殊に20〜60mPa.sの粘度を有し、その際双方の末端基がジメチルヒドロキシシロキシ基であるものである。上記のオルガノシロキサンの任意の混合割合からなる任意の混合物も使用することができる。 【0030】 とくに望ましくは、高無極性の熱分解法ケイ酸を、少なくとも80モル%、望ましくは90モル%、とくに望ましくは少なくとも98モル%、2個の炭化水素基で置換されているシロキシ基を有する炭化水素シロキシ基、望ましくはジアルキルシロキシ基、とくに望ましくはジメチルシロキシ基で被覆する、式IおよびIIで示されるシリル化剤またはシリル化剤混合物である。 【0031】 望ましい実施形においては、本発明方法でシリル化剤として使用される式(I)および式(II)による有機ケイ素化合物が、それぞれ唯1種の式(I)によるオルガノシランおよび唯1種の式(II)によるオルガノポリシロキサン、ならびに少なくとも2種の異なる式(I)によるオルガノシランからなる混合物および少なくとも2種の異なる式(II)によるオルガノシロキサンからなる混合物、または式(I)による1種のオルガノシランおよび式(II)によるオルガノシロキサンの混合物であるか、または式(I)によるオルガノシランの混合物および式(II)による1種のオルガノシロキサンである。 【0032】 本明細書に記載したすべての重量部は、ケイ酸100重量部に対するものである。 【0033】 シリル化剤は、望ましくは1〜100重量部、望ましくは5〜50重量部の量で添加される。 【0034】 本発明方法の望ましい実施形においては、シリル化剤として難揮発性および揮発性の有機ケイ素化合物が使用され、ここで難揮発性とは、シリル化剤が方法の温度範囲内でガス相中へ脱着しないことを表わし、このことはとくに0mbar〜100mbarの蒸気圧、とくに望ましくは0mbar〜10mbarの蒸気圧において与えられている。シリル化剤は、難揮発性有機ケイ素化合物対揮発性有機ケイ素化合物の任意の割合で使用することができ、望ましくは1〜99重量%、とくに望ましくは20〜95重量%、極めてとくに望ましくは50〜90重量%が不揮発性の有機ケイ素化合物からなる。 【0035】 本発明方法の望ましい実施形においては、有機ケイ素化合物のほかにプロトン性溶媒が使用される。これらの溶媒は、液状、噴霧形またはガス状で適用することができる。これはとくに水および/または低級アルコールである。種々のアルコールの混合物および1種または異なるアルコールと水との混合物を使用することもできる。水、アルコールおよび付加的な揮発性有機ケイ素化合物での処理は任意の順序で行なうことができる。水、アルコールおよび付加的な揮発性有機ケイ素化合物での付加的処理は難揮発性有機ケイ素化合物での処理前、同じ工程でまたは該処理に引き続いて行なうことができる。 【0036】 本発明方法において使用されるプロトン性溶媒はとくに低級アルコールまたは異なる低級アルコールの混合物であってもよい。望ましくは最高8の炭素原子を有するアルコールである。とくに望ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールおよびヘキサノールのようなアルコールである。 【0037】 アルコールまたはアルコール混合物は、とくに0.5〜50重量部の量で、望ましくは1〜20重量部の量で、とくに望ましくは2〜10重量部の量で使用される。 【0038】 水は、本発明方法においてプロトン性溶媒として低級アルコールまたは異なる低級アルコールからなる混合物との均一な混合物として使用することができる。水は、とくに0.5〜50重量部の量で、望ましくは2〜20重量部の量で使用される。水をアルコールとの混合物で使用する場合には、水対アルコールはとくに1〜10ないし10:1の割合で、望ましくは1:4ないし4:1の割合で使用される。とくに望ましくは、シリル化剤の重量を越えない水の重量である。 【0039】 本発明方法においては、特別に乾燥しない、場合により水で濡れたHClガス含有ケイ酸を、たとえば送風機または圧縮空気膜ポンプのような搬送装置によるかまたは撹拌することによって流動化されているように運動させ、これはたとえば翼撹拌により10〜5000rpm望ましくは100〜2000rpmで行なうか、ないしは流動層中でガス気流によるか、またはドイツ国特許第4221716号(Wacker Chemie GmbH)に記載された方法に従いサイロ中で流動化し、0〜350℃、とくに20℃〜250℃、とくに望ましくは20℃〜180℃の温度で、この温度において難揮発性、液状で、微細に噴霧されたエーロゾルの形で存在する有機ケイ素化合物と激しく混合し、その際これらの有機ケイ素化合物を全反応空間にわたって細かく分配させる。微細に噴霧された有機ケイ素化合物とは500μmより小さい、望ましくは250μmより小さい、とくに望ましくは100μmよりも小さい平均粒度を表わす。エーロゾルとは、液状/ガス状の系からなる霧エーロゾルの形の分散系を表わす。液状相はシリル化剤であり、ガス状相は環境ガス、たとえば窒素および/または二酸化炭素からなる不活性ガスまたは水との不活性ガス混合物である。微細噴霧は、ノズル-、円板-または超音波技術を用いて噴霧することによって行なわれる。このためには、レヒラー社(Firma Lechler)の超音波噴霧器またはニロ・アトマイザー社(Firma Niro Atomizer)の円板を使用することができる。種々の有機ケイ素化合物の混合物を使用することができる。この混合工程は、1秒ないし24時間、望ましくは5秒ないし60分の滞留時間の間行なわれる。混合は100mbarないし30bar、望ましくは常圧で行なわれる。 【0040】 この混合の後、引き続いて、反応容器外部で場合により密閉された第2の容器中または望ましくは同じ反応容器内で後処理としての熱処理により、0〜400℃の温度、とくに50〜350℃、とくに望ましくは60〜180℃の温度において、1分ないし48時間、とくに15分ないし6時間中に、反応を完結させる。後処理は静止、撹拌することにより動かされたケイ酸またはガス気流、とくに不活性ガス流によって流動層に流動化されたケイ酸につき実施することができる。後処理は1個または数個の反応容器中で行なうことができる。 【0041】 付加的に、反応生成物からケイ酸を精製するもう1つの工程が接続され、該工程は50℃〜400℃、望ましくは150゜〜380℃、とくに望ましくは250〜360℃で、1分ないし6時間の間、0.01mbarないし常圧、望ましくは常圧で行なわれる。精製は、静止、撹拌により運動されたか、またはガス流、とくに不活性ガス流によって流動化されたケイ酸について実施することができる。 【0042】 ケイ酸と有機ケイ素化合物との混合、後処理およびケイ酸の精製は不活性ガス(望ましくは窒素および二酸化炭素)または空気との不活性ガス混合物下で(従ってシリル化剤の点火性が排除されている)実施される。 【0043】 混合、後処理および精製のようなすべての工程においては、まだ結合されていないシリル化剤は凝縮した、ガス状でない形で存在する。 【0044】 本発明方法の利点は、高無極性で高分散性ケイ酸の製造、シリル化剤の完全な化学的固着、僅かなエネルギー費を伴なう400℃以下の方法温度、僅かな揮発性シリル化剤の分量、高い反応収率、従ってシリル化剤による排ガスの僅かな汚染(これは経済的でありかつ環境を汚染しない)である。 【0045】 ケイ酸の表面で難揮発性の有機ケイ素化合物の均一な反応が行なわれる。ケイ酸の表面処理のため難揮発性の有機ケイ素化合物の添加にも拘らず、相応に(炭素含量で測定して)等量のたんにガス状で添加され:その他は化学的に等しい有機ケイ素化合物の使用によるよりも、良好で高い反応収率、、高無極性および良好なケイ酸のレオロジー作用が得られる。さらに、難揮発性有機ケイ素化合物の使用にも拘らず、完成したケイ酸上に化学的に結合されていない、つまり分離可能量の有機ケイ素化合物は認められない。 【0046】 この方法によって製造される高無極性の微細な無機酸化物は望ましくは高無極性のケイ酸、とくに望ましくは100nmよりも小さい平均の一次粒子粒度、望ましくは2〜50nmの平均の一次粒子粒度、とくに望ましくは5〜20nmの平均の一次粒子粒度を有し、殊に25m2/gよりも大きい、望ましくは50〜300m2/g、とくに望ましくは100〜200m2/g(DIN66131および66132によるBET法により測定)の比表面積を有する高無極性ケイ酸である。本発明による高無極性ケイ酸は、比表面積100m2/g(DIN66131および66132によるBET法により測定)あたり少なくとも1重量%、望ましくは少なくとも1.5重量%、とくに望ましくは少なくとも2.0重量%の炭素含量を有する。ケイ酸上にはIR分光により3750cm-1の波数において孤立シラノール基は検出できない。ケイ酸は長時間水と激しく接触、たとえば振とうした後も水湿潤性分量を有しない。ケイ酸は、50に等しいかまたはこれよりも大きい、望ましくは65よりも大きい、とくに望ましくは75よりも大きいメタノール価を示す(補遺III)。ケイ酸上のシリル化剤は完全に化学的に強固に固着されていて、ケイ酸から抽出可能または分離可能な分量を有しない(補遺I)。本発明による高無極性ケイ酸は、ヒドロキシルイオンに対する相対的収着容量の僅かな残存含量を示す(補遺II)。この残存含量は、未処理の親水性ケイ酸に対するような、ヒドロキシルイオンに対する収着容量の出発値の25%以下、望ましくは15%以下である。本発明によるケイ酸は、この特性表示によれば完全に無極性または高無極性とみなすことができる。本発明によるケイ酸は、殊に水性溶液、たとえば水とメタノール、エタノール、イソ-およびn-プロパノールのような低級アルコールとの、殊に50重量%以上の含水量を有する混合物、水性懸濁液およびエマルションのような極性系中、他の極性系、たとえば:ポリエステル、ビニルエステル、エポキシドおよびポリウレタン中でも高い増粘作用を有することを特徴とする。殊に望ましい実施形においてはジアルキルシロキシ単位でシリル化された高無極性ケイ酸はトリアルキルシロキシ単位で変性されていて、ヒドロキシルイオンに対して同じ収着容量を有するようなケイ酸よりも高い増粘作用を有することを特徴とする。 【0047】 結合されたシリル化剤のうちシリル化剤の少なくとも80モル%が、2つの炭化水素基で置換されているシロキシ基からなる高無極性の熱分解法ケイ酸が望ましい。 【0048】 炭化水素基は、とくに上記に記載した意味を有する基R1およびR2である。 【0049】 本発明による高無極性ケイ酸はレオロジー添加剤として使用する場合、付着または中間付着の欠陥を示さず、また結合していないシリル化剤成分に基づき生じうるオーバーコーティングの欠陥(たとえばピンホールの発生)も認められない。 【0050】 このケイ酸はとくに無極性系におけるレオロジー添加剤として使用される。無極性系においてはケイ酸による粘度の形成は、なかんずくケイ酸粒子の表面シラノール基間の水素橋形成によって行なわれる。極性系においてはケイ酸の表面シラノール基は粘度の崩壊を生じる。従って、親水性ケイ酸は極性系、たとえば含水アルコール中、またはエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂またはポリウレタン中ではレオロジー添加剤として満足な作用を達成しないことは公知である。殊に長い貯蔵時間後、流出限界の強い低下により粘度の崩壊が生じる。これが、直立面における大きい塗膜厚の場合に安定性の減少をもたらし、ひいては硬化する際に望ましくない流下を生じる。慣例のシリル化されたケイ酸は長い貯蔵時間後、同様に満足なレオロジー作用を達成しない。 【0051】 本発明のもう1つの対象は、本発明方法に従って製造された高無極性の熱分解法ケイ酸を、極性系中で増粘剤として、油の吸収剤として、トナーの流動性改善のためにならびに消泡剤中で使用することに関する。 【0052】 本発明方法により製造された高無極性の熱分解法ケイ酸は、殊に、たとえば水素橋形成または双極子相互作用をなしうるような化合物から構成されている極性の液状またはペースト状媒体に対して顕著な粘度増加作用を有し、かつかかる系において流出限界およびチキソトロピーを生成する。 【0053】 従って、本発明による高無極性ケイ酸は、たとえば極性のポリマー系、樹脂系および溶媒系、たとえばエポキシ樹脂、ポリウレタン、ビニルエステル樹脂および他の比較可能な系中で、長期にわたって貯蔵安定な粘度、構造粘性および流出限界を得るためにレオロジー添加剤として使用される。 【0054】 本発明は一般にすべての溶剤不含、溶剤含有、水希釈可能の塗膜形成性塗料、ゴム様ないし硬質被覆加工剤、接着剤、シーラントおよび充てん用コンバウンドならびに他の比較可能な系に関する。本発明は、粘度形成成分としてケイ酸を含有する、極性の低いないし高い系に関する。 【0055】 本発明は、殊に下記の系に関する: エポキシド系 エポキシド系は、溶剤含有または溶剤不含で水希釈可能の反応系、たとえばエポキシド/フェノール、エポキシド/アミン、エポキシド/イソシアネートの焼付系、エポキシド/エステルならびにエポキシ樹脂用アミン硬化剤、たとえば脂肪族または脂環式または複素環脂肪族ポリアミンである。 【0056】 ポリウレタン系(PUR) ポリウレタン系は硬化が酸化的に不飽和油成分による低温硬化として行なわれる油変性ウレタンをベースとするPUR-1-成分系、湿分硬化性でありかつイソシアネート基を介して、空気中湿分による低温硬化を行なうPUR-1-成分系、硬化が脂肪族ヒドロキシル基でのイソシアネート基の末端封鎖による低温硬化として行なわれるPUR-1-成分系、物理的に室温において蒸発することにより乾燥するPUR-1-成分系、硬化が物理的に水が乾燥することによって行なわれる水性ベース(PURイオノマー)のPUR-1-成分系またはイソシアネートプレポリマーおよびポリヒドロキシ化合物からなるPUR-2-成分系である。 【0057】 ビニルエステル樹脂 慣例の不飽和ポリエステル樹脂とは異なり、ビニルエステル樹脂中でのレオロジー添加剤として親水性または慣例のシリル化されたケイ酸の使用には種々の困難がある。 【0058】 本発明による無極性ケイ酸は、これらの系においてレオロジー添加剤として、要求される必要な粘度、構造粘性、チキソトロピー、および垂直面における安定性に対して十分な流出限界を与える。これはこれらの系の長い貯蔵時間においてもあてはまる。本発明によるケイ酸はこの点では本発明によらない親水性のシリル化されたケイ酸を凌駕している。 【0059】 この場合、本発明によるケイ酸は、付着または中間付着を妨げることなしに、レオロジー添加剤としてこれらの性質を与える。結合しないシリル化剤成分の移行に基づいて出現しうる不利なオーバーコーティング(たとえばピンホール発生)は本発明によるケイ酸を用いると観察できない。 【0060】 さらに、本発明によるケイ酸は、鉱油、シリコーン油および生物油の吸収剤として使用できる。本発明によるケイ酸は、トナーの流動性改善のために適当である。さらに、本発明によるケイ酸はとくに洗剤のような水性系に対する抑泡剤中のケイ酸としても適当である。 【0061】 【実施例】 例1 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6000mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および100mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)100g中に、温度30℃で15分間に水4.5gを液状の微細に噴霧された形で、メタノール16.0gを液状の微細に噴霧した形で、ならびにジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M2なる名称で購入可能)32.0gを液状の微細に噴霧した形で混入する。その際、微細な噴霧は0.1mmの孔を有する全円錐ノズルを経て10barの圧力によって得られる。こうして負荷されたケイ酸は、差当り乾燥器中で60℃で18分間熱処理し、次いで2.5cm/sの窒素気流中の流動層で60℃で180分間精製する。シリル化剤の使用量は、反応収率100重量%において、Ctheoretisch重量%=5重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186÷100+ジメチルジクロルシランの量(g)×0.574)に一致する。炭素についてのケイ酸の元素分析はケイ酸を酸素中1000℃で燃焼することにより測定し、生じた二酸化炭素を赤外線分光(測定装置Leco CS244)により定量する。元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して、60%の反応収率を有する。 【0062】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BET1)による表面積 160m2/g 突固め密度2) 55g/l 乾燥減量3) <0.1重量% (230℃で2h) 炭素含量 3.0重量% pH値 (4%分散液中) 4.5 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出不可能 抽出可能なシリル化剤5) 検出不可能 OH-の相対的収着容量6) 22% メタノール価7) 55 UP樹脂中での増粘作用8) 5500mPa.s 25%エタノール中での増粘作用 800mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例2(本発明によらない) 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)および6000mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20の名称で購入可能)100g中へ、温度100℃で15分間に、水4.5gおよびメタノール16.0gを液状の微細に噴霧された形で、メタノール16.0gを液状の微細に噴霧された形で、ならびにジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M2なる名称で購入可能)32.00gをガス状で混入する。こうして負荷したケイ酸を、差当り乾燥器中で100℃で180分間熱処理し、次いで2.5cm/sの窒素気流中の流動層で100℃で180分間精製する。シリル化剤の使用量は、理論的に100重量%の反応収率においてCtheoretisch重量%のケイ酸の炭素含量=5重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186÷100+ジメチルジクロルシランの量(g)×0.574)に一致する。炭素についてのケイ酸の元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して30%の反応収率を有する。 【0063】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BET1)による表面積 180m2/g 突固め密度 50g/l 乾燥減量 (230℃で2h) 0.5重量% 炭素含量 1.5重量% pH値4) (4%の分散液中) 4.2 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 存在 抽出可能なシリル化剤成分5) 検出可能 OH-の相対的収着容量6) 45% メタノール数7) 40 UP樹脂中での増粘作用8) 3500mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 300mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例3 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6000mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)100g中へ、温度180℃で15分間に反応性末端基を有しないジメチルオルガノシロキサン15.5gを難揮発性の微細に噴霧された形で混入する。ジメチルオルガノシロキサンとしてはトリメチルシロキシ基で末端封鎖された25℃で10mPa.sの粘度を有するポリジメチルシロキサン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker Chemie GmbHにおいてWACKERSiliconcel AK10なる名称で購入可能)を使用する。微細噴霧は、0.1mmの孔を有する全円錐ノズルを経て、15barの圧力によって得られる。使用されるシリコーン油AK10はこの温度で0.5重量%以下の湿分を有する。こうして負荷されたケイ酸は、180℃で15分間さらに撹拌した後乾燥器中で300℃で120分間軽度の窒素洗浄下に精製する。シリル化剤の使用量は100重量%の反応収率において、Ctheoretisch重量%=5重量%の炭素含量に一致する(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルオルガノシロキサンの量(g)×0.324÷100+ジメチルオルガノシロキサンの量(g))。炭素に基づくケイ酸の元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して60%の反応収率を示す。 【0064】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面積1) 170m2/g 突空固め密度2) 55g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <0.1重量% 炭素含量 3.2重量% pH値4) (4%の分散液中) 4.3 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出不可能 抽出可能なシリル化剤残分5) 検出不可能 OH-の相対的収着容量6) 24% メタノール価7) 55 UP樹脂中での増粘作用8) 4600mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 800mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例4(本発明によらない) 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6500mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)100g中へ、温度180℃で15分間に、反応性末端基を有しないジメチルオルガノシロキサン15.5gを揮発性の形で混入する。ジメチルオルガノシロキサンとしては、オクチルメチルシクロテトラシロキサンを使用する。こうして負荷されたケイ酸を、180℃でさらに15分撹拌した後、乾燥器中で300℃で120分間、軽度の窒素噴霧下に精製する。シリル化剤の使用量は、反応収率100重量%において、Ctheoretisch重量%=5重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルオルガノシロキサン(g)×0.324÷100+ジメチルオルガノシロキサンの量(g))のケイ酸の炭素含量に一致する。ケイ酸の炭素についての元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して34重量%の反応収率を有する。 【0065】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面積 185m2/g 突固め密度2) 48g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <0.1重量% 炭素含量 1.7重量% pH値4)(4%分散液中) 4.3 3750cm-1におけるIRバンド 存在 抽出可能のシリル化剤残分5) 検出可能 OH-の相対的収着容量6) 62% メタノール価7) 35 UP樹脂中での増粘作用8) 3500mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 200mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例5 窒素により0.1cm/sの空管ガス速度で流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6500mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)、1000g/hの体積流中へ、温度100℃で、25℃で40mPa.sの粘度を有するOH末端位のポリジメチルシロキサン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker Chemie GmbHにおいてWACKER Weichmacher X345なる名称で購入可能)75g/hを、窒素との1〜1000容量部の混合物で、圧力10barで0.1mmの孔径を有する完全円錐形ノズルを用いて微細に噴霧された液状で供給し、ならびに水蒸気60g/h、メタノール蒸気30g/hおよびジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M2なる名称で購入可能)135g/hをガス状で混入する。こうして負荷されたケイ酸の100℃における滞留時間は2hである。引き続き、ケイ酸を接続された別の反応容器中で300℃で30分間、1.0cm/sの空管速度の窒素により流動化しならびに第3の反応容器中で300℃で15分間、2.5cm/sの空管速度の空気・窒素の混合物で流動化することにより精製する。シリル化剤の使用量は反応収率100重量%においてCtheoretisch重量%=5重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186+ポリジメチルシロキサンの量(g)×0.324÷100+ポリジメチルシロキサンの量(g)×0.574)のケイ酸の炭素含量に一致する。ケイ酸の炭素についての元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して88重量%の反応収率を示す。 【0066】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面1) 125m2/g 突固め密度2) 55g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <0.1重量% 炭素含量 4.4重量% pH値4)(4%分散液中) 4.4 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出不可能 抽出可能のシリル化剤5) 検出不可能 OH-の相対的収着容量6) 13% メタノール価 80 UP樹脂中での増粘作用8) 7800mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 1800mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例6 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6500mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)100g中へ、温度30℃で20分間に、25℃で40mPa.sの粘度を有するOH末端位の反応性ポリジメチルシロキサン(ドイツ国Wacker-ChemieにおいてWACKER Weichmacher X345なる名称で購入可能)10gを、円板霧化装置を用いて100μmより小さい平均半径を有する液状の微細霧化滴の形で、水10.0gを液状の微細霧化滴の形で、メタノール10.0gを液状の微細霧化滴の形で、ならびにジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在、Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M20なる名称で購入可能)10.0gを液状の微細滴の形で、0.1mmのノズル孔を有する完全円錐ノズルにより10barの圧力によって混入する。こうして負荷したケイ酸を差当り乾燥器中で100℃で120分間熱処理し、次いで乾燥器中で軽度の窒素洗浄下に300℃で120分間精製する。シリル化剤の使用量は、反応収率100重量%においてケイ酸の炭素含量Ctheoretisch重量%=5.1重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186+ポリジメチルシロキサンの量(g)×0.324÷100+ポリジメチルシロキサンの量(g)+ジメチルジクロルシランの量(g)×0.574)に一致する。ケイ酸の炭素についての元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して95重量%の反応収率を示す。 【0067】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面積1) 118m2/g 突固め密度2) 52g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <0.1重量% 炭素含量 4.8重量% pH値4)(4%分散液中) 4.6 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出不可能 抽出可能なシリル化剤5) 検出不可能 OH-の相対的収着容量6) 11% メタノール価7) 80 UP樹脂中での増粘作用8) 7600mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 1900mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例7(本発明によらない) 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、6500mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および10mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)100g中へ、温度30℃で20分間に、25℃で40mPa.sの粘度を有するOH末端位のポリジメチルシロキサン(ドイツ国Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER可塑剤X345なる名称で購入可能)10gを、500μmよりも大きい平均粒径の液滴の形でノズルにより噴霧し、ならびに水10.0gを液状の微細霧化した形で、メタノール10.0gを液状の微細に霧化した形で、ならびにジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在、Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M2なる名称で購入可能)10.0gを液状の微細に霧化した形で、0.1mmのノズル孔を有する完全円錐ノズルにより10barの圧力で混入する。こうして負荷されたケイ酸を、差当り乾燥器中で100℃で120分間熱処理し、次いで乾燥器中で軽度の窒素洗浄下に300℃で120分間精製する。シリル化剤の使用量は、反応収率100重量%においてケイ酸の炭素含量Ctheoretisch重量%=5.1重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186+ポリジメチルシロキサンの量(g)×0.324÷100+ポリジメチルシロキサン(g)+ジメチルジクロルシランの量(g)×0.574)に一致する。ケイ酸の炭素についての元素分析は、ケイ酸に結合したシリル化剤に対して、35重量%の反応収率を示す。 【0068】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面積 183m2/g 突固め密度 65g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <1.6重量% 炭素含量 1.7重量% pH値4)(4%の分散液中) 4.6 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出可能 抽出可能なシリル化剤 検出可能 OH-の相対的収着容量6) 52% メタノール価7) 40 UP樹脂中での増粘作用8) 3600mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 400mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例8 1000rpmで撹拌する(翼型撹拌機、6 lの容器)ことにより流動化した、1.0重量%の炭素含量および160m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)、4000mPa.sのUP樹脂中での増粘作用8)および200mPa.sの25%エタノール中での増粘作用9)を有する、ジメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第4221716号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H20なる名称で購入可能)100g中へ、温度30℃で20分間に、25℃で40mPa.sの粘度を有するOH末端位のポリジメチルシロキサン(ドイツ国Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Weichmacher X345なる名称で購入可能)10gを円板霧化装置を用い100μmよりも小さい平均半径を有する液状の微細霧化滴の形で、ならびに水10.0gを液状の微細霧化滴の形で、ならびにジメチルジクロルシラン(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER Silan M2なる名称で購入可能)10.0gを液状の微細霧化滴の形で、0.1mmのノズル孔を有する完全円錐ノズルにより、10barの圧力によって混入する。こうして負荷されたケイ酸を、差当り乾燥器中で100℃で120分間熱処理し、次いで乾燥器中で軽度の窒素洗浄下に300℃で120分間精製する。シリル化剤の使用量は、反応収率100%においてケイ酸の炭素含量Ctheoretisch重量%=5.1重量%(Ctheoretisch重量%/100=ジメチルジクロルシランの量(g)×0.186+ポリジメチルシロキサンの量(g)×0.324÷100+ジメチルジクロルシランの量(g)×0.574+ポリジメチルシロキサンの量(g))に一致する。ケイ酸の炭素についての元素分析は、処理中に付加的にケイ酸に結合したシリル化剤に対して92重量%の反応収率を示す。 【0069】 ケイ酸の分析データ 外観 ルーズな白色粉末 BETによる表面積1) 105m2/g 突固め密度2) 42g/l 乾燥減量3) (230℃で2h) <0.1重量% 炭素含量 5.7重量% pH値4)(4%の分散液中) 4.8 3750cm-1におけるIRバンド(DRIFT) 検出不可能 抽出可能のシリル化剤5) 検出不可能 OH-の相対的収着容量 8% メタノール価7) 85 UP樹脂中での増粘作用8) 10600mPa.s 25%エタノール中での増粘作用9) 2900mPa.s 1)DIN66131および66132による 2)DIN ISO 787/XI,JIS K5101/18による 3)DIN ISO 787/II,ASTM D280,JIS K5101/21による 4)DIN ISO 787/IX,ASTM D1208,JIS K5101/24による 5)補遺I参照 6)補遺II参照 7)補遺III参照 8)補遺IV参照 9)補遺V参照 例9〜16 溶剤不含のエポキシ・ポリアミノアミド系中でのケイ酸を調べるために、25℃で9000mPa.sの粘度および0.54のDIN53188によるエポキシ価を有するエポキシ樹脂(ビスフェノールおよびエピクロルヒドリンベース)(ドイツ国ベルクカーメン在Schering AGにおいてEuropox730なる名称で購入可能)210g、青色フタロシアニン着色顔料(ドイツ国シュトウットガルト在BASF社においてHeliogenblau L6700Tなる名称で購入可能)2.10gおよびそれぞれ例1〜8により製造したケイ酸それぞれ8.4gを、回転ディソルバー(ドイツ国ライヒホーフ・ハイエンバッハ在Getzmann社においてDispermat F105なる名称で購入可能)に水冷下に、室温で5分間に投入し(直径5cmのフェースギヤ、回転速度2800rpm)、引き続き3本ロール装置(ドイツ国ノルデルシュテット在Exakt-Apperatebau社のExakt80S)(ロールギャップ前方:2mm、後方:3mm、回転数80rpm、通路数3)で分散させる。引き続き、“貯蔵前の粘度”測定のためおよび“貯蔵前の垂直面における層厚”測定のため、ないしは“貯蔵後の粘度”測定のためおよび“貯蔵後の垂直面における層厚”決定のために、60℃で14日間貯蔵後、25℃で550mPa.sの粘度およびDIN16945によるアミン数440を有するポリアミノアミド(ドイツ国ベルクカーメン在シェーリングAGにおいてEurodur250なる名称で購入可能)50gを、直径70mmのプレート撹拌機を有するミキサ(ドイツ国Janke und Kunkel社においてIKA RW27なる名称で購入可能)を用いて400rpmで25℃で5分間混合する。こうして製造した混合物を引き続いて直ちに分割し、一方の部分を粘度測定のために、他方の部分を垂直面における層厚測定のために利用する。 【0070】 粘度の測定:混合物の粘度はブルックフィールド粘度計RTV DV-II,Spindel 6を用いて25℃で測定する。 【0071】 垂直面における層厚の測定:600〜2600μmの層厚を有する段付ドクターブレード(それぞれ100μmの区間に細分されている)を用い、混合物を黒白のコントラストカードに塗布し、カードを直立させる。適用された混合物が、硬化前に流れはじめるような層厚を尺度数としてミクロン(μm)で記録する。 【0072】 貯蔵の前および後に測定された粘度および垂直面における層厚は表1にまとめられている。 【0073】 例17 例9におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、1.0重量%の炭素含量および160m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法によって測定)を有するジメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第4221716号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H20なる名称で購入可能)を使用する。結果は表1に掲載されている。 【0074】 例18 例9におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、2.5重量%の炭素含量および140m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有するトリメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2344388号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2000なる名称で購入可能)を使用する。結果は表1に掲載されている。 【0075】 例19 例9におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、5.5重量%の炭素含量および110m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、アンモニウム官能性オルガノポリシロキサンで表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許出願公開第3707226号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2050EPなる名称で購入可能)を使用する。結果は表1に掲載されている。 【0076】 例20 例9におけるように実施するが、例1により製造されたケイ酸の代りに、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する親水性の熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)を使用する。結果は表1に掲載されている。 【0077】 表1 例9〜20 60℃で14日貯蔵の前後における粘度(mPa.s)および垂直面における層厚(μm) 例21〜28 2成分のポリウレタン被覆組成物中のケイ酸を調べるために、5重量%のOH含量、340の当量、2の酸価および147s-1のセム断速度において20℃で4900mPa.sの粘度を有する、溶剤不含で分枝鎖のエーテルおよびエステル基含有ポリアルコール(ドイツ国レーバクーゼン在Bayer AGにおいてDesmophen 1150なる名称で購入可能)202.67g、ひまし油中0.3の平均孔径を有するゼオライト50重量%からなる、20℃で18000mPa.sの粘度を有するモレキュラーシーブペースト40.00g(ドイツ国レーバクーゼン在Bayer AGにおいてBaylith-L-Pasteなる名称で購入可能)、例1〜8により製造したケイ酸それぞれ8.10g、8μmの平均粒度を有する重晶石充てん剤(ドイツ国デュースブルク在Sachtleben Chemie GmbHにおいてSchwerspat C7なる名称で購入可能)176.00g、92重量%の二酸化チタン含量を有するルチル顔料(ドイツ国レーバクーゼン在Kronos Titan GmbHにおいてKronos RN57なる名称で購入可能)24.00gおよび59重量%の酸化鉄(III)含量を有しかつ6μmの平均粒度を有する、酸化鉄(III)と酸化マンガン(III)の混合顔料(ドイツ国レーバクーゼン在Bayer AGにおいてBayferrox303Tなる名称で購入可能)2.27gを順次に、回転するデイソルバー(ドイツ国ライヒスホーフ・ハイエンバッハ在Fa.GetzmannにおいてDispermat F105なる名称で購入可能)に投入し、室温で10分間予備分散させ(直径5cmのフェースギヤディソルバー、回転数2800rpm)、引き続き3本ロール装置(Exakt80s,ドイツ国ノルデルステット在Exakt-Apperatebau Otto Herrmann社製)(ロール間隙前方:2mm、後方:3mm、回転数80rpm、3通過方式)での主分散にかける。 【0078】 “貯蔵前の粘度”の測定のためおよび“貯蔵前の垂直面における層厚”の測定のためには引き続き直ちに、ないしは“貯蔵後の粘度”の測定のためおよび“貯蔵後の垂直面における層厚”の測定のためには、60℃で14日貯蔵した後、23℃で120mPa.sの粘度を有する、イソシアネート基含量31.5重量%のジフェニルメタンイソシアネートをベースとする溶剤不含ポリイソシアネート(ドイツ国レーバクーゼン在Bayer AGにおいてDesmodur VLなる名称で購入可能)39.60gを、直径70mmのパドル撹拌機を有するミキサ(ドイツ国Janke und Kunkel社においてIKA RW27なる名称で購入可能)を用い400rpmにおいて25℃で5分間混入する。引き続き直ちに、こうして製造した組成物を分割し、一方の部分を粘度の測定のために利用し、他方の部分を垂直面における層厚を測定するために利用する。 【0079】 粘度の測定:組成物の粘度はブルックフィールド粘度計RVT DV-II,Spindel 6を用いて25℃で測定する。 【0080】 垂直面における層厚の測定:600μm〜2600μmの層厚を有する段付ドクターブレード(それぞれ100μm間隔に細分されている)を用い、組成物を黒白のコントラストカードに塗布し、カードを垂直に立てる。適用した組成物が、その硬化前に、流れはじめるような層厚を尺度数としてミクロン(μm)で記録する。 【0081】 測定された、貯蔵前後の粘度および垂直面における層厚は表2にまとめられている。 【0082】 例29 例21におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、1.0重量%の炭素含量および160m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、ジメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第4221716号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H20なる名称で購入可能)を使用する。結果は、表2に掲載されている。 【0083】 例30 例21におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、2.5重量%の炭素含量および140m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、トリメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2344388号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2000なる名称で購入可能)を使用する。結果は表2に掲載されている。 【0084】 例31 例21におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、5.5重量%の炭素含量および110m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、アンモニウム官能性のオルガノポリシロキサンで表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許出願公開第3707226号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2050EPなる名称で購入可能)を使用する。測定された結果は表2に掲載されている。 【0085】 例32 例21におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する親水性の熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)を使用する。結果は表2に掲載されている。 【0086】 表2 例21〜32 60℃で14日貯蔵の前後における粘度(mPa.s)および垂直面における層厚(μm) 例33〜40 ビニルエステル系中でのケイ酸の増粘作用を調べるために、25℃で500mPa.sの粘度を有する、スチロールに溶解した40重量%のポリビニルエステル樹脂(ドイツ国ルートウィヒスハーフェン在BASF AGにおいてPalatal A430なる名称で購入可能)145.50g中へ、それぞれ例1〜8により製造したケイ酸4.50gをディソルバー(ドイツ国ライヒスホーフ・ハイエンバッハ在Getzmann社においてDispermat F105なる名称で購入可能)を用い、室温で15分間分散させる(直径5cmのフェースギヤディソルバー、回転速度7.3m/s)。引き続き、組成物の粘度をブルックフィールド粘度計RTV DV-II,Spindel 6を用い25℃で測定する。 【0087】 結果は表3にまとめられている。 【0088】 例41 例31におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、1.0重量%の炭素含量および160m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、ジメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第4221716号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H20なる名称で購入可能)を使用する。結果は表3に掲載されている。 【0089】 例42 例31におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、2.5重量%の炭素含量および140m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、トリメチルシロキシ基で表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2344388号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2000なる名称で購入可能)を使用する。結果は表3に掲載されている。 【0090】 例43 例9におけるように実施するが、例1で製造したケイ酸の代りに、5.5重量%の炭素含量および110m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する、アンモニウム官能性オルガノポリシロキサンで表面変性された熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許出願公開第3707226号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK H2050EPなる名称で購入可能)を使用する。測定された結果は表3に掲載されている。 【0091】 例44 例9におけるように実施するが、例1により製造したケイ酸の代りに、200m2/gの比表面積(DIN66131および66132によるBET法により測定)を有する親水性の熱分解法ケイ酸(ドイツ国特許第2620737号により製造可能)(ドイツ国ミュンヒェン在Wacker-Chemie GmbHにおいてWACKER HDK N20なる名称で購入可能)を使用する。結果は表3に掲載されている。 【0092】 表3: 例33〜45/粘度(mPa.s) 例 粘度(mPa.s) 33 4400 34 2300 35 4500 36 2100 37 5900 38 5800 39 2200 40 7300 41 3000 42 1800 43 1900 44 1200 補遺 補遺I:抽出可能のシリル化剤 ケイ酸25gをへらを用いてテトラヒドロフラン100g中へ混入し、引き続き氷冷下にデイソルバー(40mmのフェースギヤを有するPentraulik Labordissolver LD50)を用いて液状コンシステンシーに撹拌し、引き続き60秒8400rpmでせん断し、次いで60分超音波で平衡させ、2日後加圧濾過により澄明な濾液を濾取する。濾液を、原子吸光分光分析(AAS)によりケイ素含量を調べ、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて1/10に濃縮した後有機ケイ素化合物の含量を調べる。検出限界<100ppm有機ケイ素化合物(ケイ酸に対して) 補遺II:OH-に対する相対的収着容量 シアーズ(Sears)等(Anal.Chem.,1956年、第12巻1981頁)によれば、ケイ酸の酸性シラノール基含量は飽和食塩溶液中での0.1nの水酸化ナトリウム溶液での滴定によって確かめることができる。この方法を高無極性ケイ酸に適用すると、一般にヒドロキシルイオン(OH-)の収着容量が検出される。相対的収着容量は、“親水性出発ケイ酸の収着容量によって割った無極性ケイ酸の収着容量に100を乗じたもの”と定義される。 【0093】 補遺III:メタノール価 無極性ケイ酸、殊に高無極性ケイ酸は、定義によれば水により濡れず;これにより無極性ケイ酸は振とうした後も下方にある水上に浮遊する。氷にメタノールを添加すると、混合物の表面張力が純水に比べて低下する。水・メタノールの混合物の表面張力がケイ酸の表面エネルギー(mJ/m2)と同じ大きさである場合、ケイ酸は濡れかつ水・メタノールの混合物中へ沈下する。ケイ酸の1/2が濡れて液体中へ沈下しているような、水・メタノール混合物中のメタノールのパーセンテージ(重量%)がメタノール価と定義されている。実施:水・メタノールの混合物上に同量のケイ酸を入れ、5分間激しく振とうすることによって強力に混合し、次いで10分静置し、引き続き沈降したケイ酸の量を判定する。 【0094】 補遺IV:UP樹脂中の増粘作用 ケイ酸それぞれ9gを、DIN53402による酸価31および23℃で1000mPa.sの粘度を有する、スチロール中の不飽和ポリエステル樹脂の66重量%溶液(ドイツ国ルートウィヒスハーフェン在BASF社においてLudopal P6なる名称で購入可能)141g中へ、ディソルバー(40mmのフェースギヤを有するPentraulik実験室用ディソルバーLD50)を用いて撹拌混入し、引き続き2800rpmで分散させる。せん断速度9.7cm-1においてDIN53019パート1により回転粘度計で測定した25℃における粘度値を、“UP樹脂中での増粘作用”と定義する。 【0095】 補遺V:25%エタノール中での増粘作用 ケイ酸それぞれ15gを、水16.7gおよびエタノール33.3gの混合物中でこね、引き続き水85gを加え、ディソルバー(40mmのフェースギヤを有するPentraulik実験室用ディソルバーLD50)を用いて撹拌し、引き続き2800rpmで5分間分散させる。9.7cm-1のせん断速度においてDIN53019パート1による回転粘度計を用いて測定した25℃における粘度値を、“25%エタノール中での増粘作用”と定義する。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 1.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項1の「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4-n (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)X OR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数である]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。」とあるのを、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として「微細な無機酸化物を、方法全体の温度範囲内で難揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、難揮発性シリル化剤を流動化された微細な無機酸化物に液状で微細に霧化されたエーロゾルの形で混合することにより処理し、かつ、付加的に、方法温度において揮発性の少なくとも1種のシリル化剤で、揮発性シリル化剤を微細な無機酸化物にガス状で混合することにより処理し、シリル化剤として一般式 R1nSiX4-n (I) [式中R1は同じかまたは異っていてもよく、1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、Xは同じかまたは異っていてもよく、ハロゲンまたはOH、OR2、OCOR2、O(CH2)XOR2を表わし、R2は同じかまたは異っていてもよく、1〜8のC原子を有する1価の炭化水素基を表わし、nは1または2であり、xは1、2、3である]で示されるオルガノシランおよび/または式 (R1aXbSiO1/2)z(R12SiO2/2)x(R3R1SiO2/2)y(SiXbR1a)z (II) [式中R1は上記のものを表わし、同じかまたは異っていてもよく、R2は上記のものを表わし、R3は同じかまたは異っていてもよく、水素またはR1とは異なる、場合によりハロゲン化された1〜18のC原子を有する1価の炭化水素基であり、Xは上記のものを表わし、aは0、1、2または3であり、bは0、1、2または3であり、a+bの和は3に等しく、xは0または1〜200の整数であり、yは0または1〜200の整数であり、x+yの和は0に等しいかまたは1〜200の整数であり、zは0または1であり、ただしx+yの和が0であるときはzは0より大きいものとする]で示されるオルガノシロキサンを使用することを特徴とする微細な無機酸化物のシリル化法。」と訂正する。 2.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項2を、特許請求の範囲の減縮を目的として削除する。 3.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項3を請求項2と訂正するとともに、「請求項1または請求項2に記載の」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「請求項1記載の」と訂正する。 4.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項4を請求項3と訂正するとともに、「請求項1から3までのいずれか1項記載の」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「請求項1または2に記載の」と訂正する。 5.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項5を請求項4と訂正するとともに、「1から4まで」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「1から3まで」と訂正する。 6.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項6を請求項5と訂正するとともに、「1から5まで」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「1から4まで」と訂正する。 7.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項7を請求項6と訂正するとともに、「1から6まで」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「1から5まで」と訂正する。 8.特許第2918092号の明細書中特許請求の範囲請求項8を請求項7と訂正するとともに、「1から7まで」を、明りょうでない記載の釈明を目的として「1から6まで」と訂正する。 |
異議決定日 | 2002-02-08 |
出願番号 | 特願平7-134467 |
審決分類 |
P
1
651・
113-
YA
(C01B)
P 1 651・ 161- YA (C01B) P 1 651・ 121- YA (C01B) P 1 651・ 534- YA (C01B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 平塚 政宏、八原 由美子 |
特許庁審判長 |
石井 良夫 |
特許庁審判官 |
唐戸 光雄 冨士 良宏 |
登録日 | 1999-04-23 |
登録番号 | 特許第2918092号(P2918092) |
権利者 | ワツカー-ケミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング |
発明の名称 | 微細な無機酸化物のシリル化法 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |
代理人 | 水野 喜夫 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 矢野 敏雄 |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | 山崎 利臣 |
代理人 | ラインハルト・アインゼル |