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審決分類 審判 査定不服 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N
管理番号 1059215
審判番号 不服2000-17444  
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-09-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-11-02 
確定日 2002-06-17 
事件の表示 平成11年特許願第 60393号「三次元表示方法およびヘッドマウントディスプレイ装置」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年 9月22日出願公開、特開2000-261832、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は、平成11年3月8日の出願であって、その請求項1〜15に係る各発明は、平成12年2月10日付け、および平成12年12月4日付けの各手続補正書により補正された明細書および図面の記載からみて、請求項1〜5(独立項1と従属項2〜5)にそれぞれ記載されるとおりの「三次元表示方法」および請求項6〜15(独立項6,7と従属項8〜15)にそれぞれ記載されるとおりの「ヘッドマウントディスプレイ装置」であると認めることができる。

2.引用例
これに対して、原査定の拒絶理由で引用する特開平9-297282号公報(以下引用例1という)および特開平9-331552号公報(以下引用例2という)には、いずれも立体表示を行うヘッドマウント(頭部搭載型)ディスプレイ装置について、左右の眼で見る各表示像を表示物体の奥行き方向での標本化像(輪切り像)とし、各標本化像をそれぞれ対応する奥行き位置にある複数の平面に表示するようになすことが記載されている。

3.対比、判断
(1)本願の請求項1〜15に係る各発明(以下本願各発明という)は、いずれも、三次元立体像の表示を行う上で、
〈a〉奥行き位置の異なる複数の表示面を配置し、
〈b〉観察者の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から表示対象物体を前記複数の表示面へ射影した二次元像を生成し、
〈c〉上記生成された二次元像の輝度を上記複数の表示面毎に各々独立に変化させて上記複数の表示面に表示する
ことを要件とし、かつ上記二次元像の輝度の変化について、
〈d〉「前記表示物体が、観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記複数の表示面のうちの観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、また、前記表示対象物体が、観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に、前記複数の表示面のうちの観察者に近い表示面に表示する前記二次元像の輝度を低くし、観察者から遠い表示面に表示する前記二次元像の輝度を高くする」
ことを要件とするものであるところ、これら要件は、三次元立体像の表示を行う上で「奥行き位置の異なる複数の表示面を配置」する点で上記引用例1,2記載のものと共通しているといえるものの、これら表示面には、「観察者の右眼と左眼とを結ぶ線上の一点から表示対象物体を前記複数の表示面へ射影した二次元像」を表示し、その輝度を「表示面毎に各々独立に変化させて」(上記の要件〈d〉で規定する変化態様で変化させて)三次元立体像の表示を行うというのであるから、このような立体像の表示手法においては、引用例1,2が開示する上記奥行き標本化像による立体表示手法とは基本原理を異にするものであることが明らかであり、したがって、本願各発明の上記要件が引用例1,2記載のものから容易に想到し得たものであるとすることはできない。また他にこれを想到容易なものとすべき合理的理由も見出せない。
(2)本願請求項の記載の明確性について
〈イ〉複数の表示面に表示される二次元像の輝度は所定の関係を有するはずであるのに、これを「独立に変化させ」と表現している点。
〈ロ〉表示は複数の表示面にのみなされるにもかかわらず「前記表示対象物体が、観察者に近い奥行き位置に表示される物体である場合に・・・」との表現や「前記表示対象物体が、観察者から遠い奥行き位置に表示される物体である場合に・・・」との表現がなされている点。
〈ハ〉「前記二次元像の輝度を高くし」「前記二次元像の輝度を低くし」との表現では、表示面全体の輝度なのか「表示対象物体」の像の輝度なのかが不明である点。
の各点について検討すると、上記〈イ〉の点について、請求項の記載(独立請求項1,6,7の記載)では、三次元立体像の表示を行う上で必要な上記二次元像の輝度の所定の関係を前記の要件〈d〉として規定しているところであり、このような所定の関係(各二次元像の輝度変化の相補的関係)との対応で考えると、上記「独立に変化させ」との記載は、各二次元像それぞれの輝度を無関係に変化させることをいうものではなく、それぞれを個別的に異なる態様で変化させることをいうものと理解でき、また上記〈ロ〉の点について、上記報告書で摘示する表現は、確かに必ずしも適切な表現ではないが、本願各発明が表示対象物体を三次元表示するものであることからすると、三次元表示において表示対象物体が近い位置に表示される物体である場合と遠い位置に表示される物体である場合とをいうものであることが明らかであり、更に、上記〈ハ〉の点について、請求項記載の「二次元像」は、前記の要件〈b〉で規定されるとおり、表示対象物体を表示面に射影したものであるから、「二次元像の輝度」とは、表示面全体の輝度を特に除外するか否かは別にして、表示対象物体の二次元像の輝度であることは明らかである。
したがって、上記の各点が技術的に不明確であるとすることはできない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明が引用例1,2に記載された発明から想到容易なものであるとする原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-05-23 
出願番号 特願平11-60393
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04N)
P 1 8・ 532- WY (H04N)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 達也  
特許庁審判長 杉 山 務
特許庁審判官 小林 秀美
山本 章裕
発明の名称 三次元表示方法およびヘッドマウントディスプレイ装置  
代理人 澤井 敬史  
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