• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04L
管理番号 1059371
審判番号 不服2000-11146  
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-05-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-07-21 
確定日 2002-06-26 
事件の表示 平成 7年特許願第280893号「ATM通信網」拒絶査定に対する審判事件〔平成 9年 5月16日出願公開、特開平 9-130386、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 (1)手続の経緯、本願発明
本願は、平成7年10月27日の出願であって、その請求項1〜6に係る発明は、平成12年8月18日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜請求項6に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める(以下、「本願発明1」〜「本願発明6」という。)。
「【請求項1】 複数の加入者交換機と、この複数の加入者交換機相互間を接続する複数の物理伝送路と、この複数の物理伝送路に介挿される中継交換機とを備え、前記複数の加入者交換機相互間に複数のバーチャルパスによるルートが設定可能なATM通信網において、
加入者交換機は、発側の加入者交換機として着側の加入者交換機となる他の加入者交換機との間に設定される複数のルートについてバーチャルパスの使用率、空帯域、セルロスレートを含むルート情報を接続要求の有無にかかわらず収集し記録する手段と、ユーザからの接続要求に際してこの記録されたルート情報に基づき呼毎にそのユーザに対して前記複数のルートから接続に使用するルートを選択する手段とを備えた
ことを特徴とするATM通信網。
【請求項2】 前記ルート情報を収集する手段は、発側の加入者交換機にルート毎にルート情報を収集するためのセルを送出する手段を含み、前記中継交換機にはこのセルが到来したときにその情報領域にルート情報を搭載してその宛先領域に記録された経由情報にしたがってこのセルを送出する手段を備え、着側の加入者交換機にはこのセルが到来したときにその情報領域にルート情報を搭載して前記発側の加入者交換機に向けて返送する手段を備えた、請求項1記載のATM通信網。
【請求項3】 前記ルート情報は、前記中継交換機および加入者交換機にかかわるバーチャルパスについての情報であり、前記送出する手段は、発側の加入者交換機に宛てて前記セルを自発的に送出する請求項1記載のATM通信網。
【請求項4】 前記ルートを選択する手段は、前記複数のルートのうちユーザの要求帯域以上の空帯域を有するルートの中で最も空ルート帯域または空ルート帯域率の少ないルートを選択する請求項1記載のATM通信網。
【請求項5】 前記ルートを選択する手段は、前記複数のルートのうちユーザの要求帯域以上の空帯域を有するルートの中で、前記ルートを選択したと仮定した場合に、その結果として最も使用帯域または使用帯域率が大きくなるルートを選択する請求項1記載のATM通信網。
【請求項6】 前記送出する手段は、その加入者交換機またはその中継交換機にかかわるルートで輻輳が発生したときにその輻輳情報を含むルート情報を搭載したセルをそれぞれ送出する請求項3記載のATM通信網。」

(2)引用例
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願の日前である平成7年8月29日に頒布された特開平7-231322号公報(以下、「刊行物1」という。)には以下の発明が記載されている。
「複数の交換機と、この複数の交換機相互間を接続する複数の物理伝送路と、この複数の物理伝送路に介挿される交換機とを備え、前記複数の交換機の間にバーチャルパスが設定されたATM通信網において、発側の交換機には、着側の交換機との間に設定されたバーチャルパスの空き容量情報を収集する手段を備え、収集された空き容量情報をテーブルに記憶し、各バーチャルパスの空き容量情報を参照することによりフロー制御を行う手段とを備えたことを特徴とするATM通信網。」(以下、「刊行物1記載の発明」という。)
同じく、本願の出願の日前である平成5年10月15日に頒布された特開平5-268240号公報(以下、「刊行物2」という。)には以下の発明が記載されている。
「ATM交換網において各交換ノードが自ノードの出力ハイウェイの空帯域量を隣接する交換ノードに通知し、発側交換ノードは隣接(次段)の出力ハイウェイの残り帯域とユーザの要求帯域を比較し、これが満足されれば次交換ノードまでルーチングすることを特徴とするATM交換網におけるルート選択方式。」(以下、「刊行物2記載の発明」という。)
同じく、本願の出願の日前である平成7年10月20日に頒布された、電子情報通信学会技術研究報告 SSE95-105(以下、「刊行物3」という。)には以下の発明が記載されている。
「マルチプロトコルエミュレーション網(ALPEN)においてABR通信を行う際に、各コネクションにできる限りの帯域を割り当てることによりリンクの使用率を向上させる帯域割当算出法。」(以下、「刊行物3記載の発明」という。)

(3)対比判断
本願発明1と刊行物1記載の発明を比較すると、本願発明1は「加入者交換機は、発側の加入者交換機として着側の加入者交換機となる他の加入者交換機との間に設定される複数のルートについてバーチャルパスの使用率、空帯域、セルロスレートを含むルート情報を接続要求の有無にかかわらず収集し記録する手段と、ユーザからの接続要求に際してこの記録されたルート情報に基づき呼毎にそのユーザに対して前記複数のルートから接続に使用するルートを選択する手段」を備えているのに対し、刊行物1記載の発明は有していない点で相違する。
ここで前記相違点について検討するに、前記刊行物2記載の発明は、各交換機が自交換機の出力ハイウェイの空帯域量を隣接する交換機に通知し、発側交換機は次交換機の出力ハイウェイの残り帯域とユーザの要求帯域を比較し、これが満足されれば次交換機までのルート選択を行うものであり、発着交換機間のルート選択を行うものでもない。また、例え、空き容量情報として「バーチャルパスの使用率、空帯域、セルロスレート」が周知であったとしても、これをもって、本願発明1におけるルート選択時に、バーチャルパスの使用率、空帯域、セルロスレートを含むルート情報に基づいたルート選択を行うことを当業者が容易に成し得たこととすることはできない。
そして、本願発明1は前記相違点に記載された構成を有することにより、「ユーザの要求に見合う発着ノード間のルート選択を発側ノードのみで瞬時に行え、呼毎にルート選択を行うためのルート情報として、バーチャルパスの使用率、空帯域、セルロスレートを含むことを特徴とするので、ルート上の空帯域情報の他に帯域使用率とセルロスレートを参照することによって、呼毎のより木目細かなルートの選択制御が実施可能であり、結果的にスループットの高いATM通信網を提供できることとなる。」という、本願発明1特有の効果を奏するものである。
したがって、本願発明1は前記刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

本願発明2は、本願発明1に対してさらに、「ルート情報を収集する手段」、「中継交換機」、「加入者交換機」の構成を限定したものであるから、さらなる検討を加えるまでもなく前述の理由と同様の理由により、前記刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

本願発明3は、本願発明1に対してさらに、「ルート情報」、「送出する手段」の構成を限定したものであるから、さらなる検討を加えるまでもなく前述の理由と同様の理由により、前記刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

本願発明4、5は、本願発明1に対してさらに、「ルートを選択する手段」の構成を限定したものであるから、さらなる検討を加えるまでもなく前述の理由と同様の理由により、前記刊行物1〜3記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

本願発明6は、本願発明3に対してさらに、「送出する手段」の構成を限定したものであるから、さらなる検討を加えるまでもなく前述の理由と同様の理由により、前記刊行物1、2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)むすび
したがって、本願発明1〜本願発明6は、刊行物1〜3記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-06-05 
出願番号 特願平7-280893
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 江嶋 清仁中木 努間野 裕一  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 山本 春樹
矢頭 尚之
発明の名称 ATM通信網  
代理人 澤井 敬史  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ