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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A63F |
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管理番号 | 1059433 |
異議申立番号 | 異議1998-75683 |
総通号数 | 31 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1996-10-15 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 1998-11-25 |
確定日 | 2002-03-30 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2756109号「遊技機」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2756109号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本件特許第2756109号発明は、平成5年11月22日出願の特願平5-292074号出願の一部を平成8年4月18日に分割して新たに出願した特願平8-97057号出願に係り、平成10年3月6日にその特許の設定登録がなされ、その後、小林澄より請求項1及び2に係る発明について特許異議の申立てがなされ、1回目の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成11年4月28日に1回目の訂正請求がなされ、特許権者と異議申立人の双方に対して1回目の審尋がなされ、その指定期間内である平成12年3月7日に1回目の回答が双方からなされ、2回目の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成12年8月4日に1回目の訂正請求が取り下げられると共に2回目の訂正請求がなされ、異議申立人に対して2回目の審尋がなされ、その指定期間内である平成12年12月26日に2回目の回答が異議申立人からなされ、訂正拒絶理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年3月30日に意見がなされ、平成13年4月27日に異議申立人から上申がなされ、さらにその後、3回目の取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年3月6日に2回目の訂正請求が取り下げられると共に3回目の訂正請求がなされものである。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 1)訂正事項a 特許請求の範囲を次のように訂正する。 「【請求項1】遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、 軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、 大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、 前記大当りランプへの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、 前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としたことを特徴とする遊技機。 【請求項2】請求項1記載の遊技機において、前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする遊技機。」(下線は訂正に係る個所を示す) 2)訂正事項b 明細書段落【0005】を次のように訂正する。 「【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の遊技機は、遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、前記大当りランプへの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としている。また請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする。」(下線は訂正に係る個所を示す) 3)訂正事項c 明細書段落【0007】を次のように訂正する。 「この遊技機においては、上部前面枠は、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ本体側に対して開閉自在である。この上部前面枠は、その背面側にガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、ガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う。したがって、上部前面枠を開放すれば、遊技盤はもとよりその周囲も露出させることができる。よって遊技盤やその周囲の部品の点検や修理はきわめて容易に実行できる。また、上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して本体側に開閉可能に取付けることにより、上皿を、上部前面枠とは別個に本体側で支持する構造としているので、遊技盤や上皿の荷重が上部前面枠に負荷されることはない。したがって、従来の前面枠と比較すればきわめて軽量となり、その開閉も簡単である。こうしたことから、遊技盤およびその周囲に配置されている部品の点検や修理に当たっての作業性を格段に向上される。」(下線は訂正に係る個所を示す) 4)訂正事項d 明細書段落【0008】を次のように訂正する。 「なお、請求項2記載のように、上部前面枠をプラスチック製にするとよい。」(下線は訂正に係る個所を示す) (2)訂正の目的、新規事項の有無、拡張変更の存否の各要件についての判断 1)訂正事項a 本訂正は、請求項1において、上部前面枠とガラス枠との関係と、上部前面枠に組み付けられるものと、上皿の支持とについて、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項(特に、明細書段落【0009】,【0011】,【0045】,【0048】及び図1,13参照)の範囲内で限定し、さらに、請求項2においては上部前面枠の材質について願書に添付した明細書又は図面に記載した事項(特に、明細書段落【0009】参照)の範囲内で限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 2)訂正事項b,c,d これらの訂正は、訂正された特許請求の範囲に発明の詳細な説明の記載を整合させるためのものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とし、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。 (3)独立特許要件の判断 訂正後の請求項1,2に係る発明は、後述するように、その特許を取り消すべき理由のないものであり、それぞれ特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 (4)訂正の適否のまとめ 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。以下「平成6年改正法」という。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年改正法による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2,3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.異議申立てについての判断 (1)本件請求項1,2に係る発明 本件請求項1,2に係る発明は、訂正明細書及び図面の記載からみて、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1,2に記載されたとおりのものである(上記訂正事項a参照)。 (2)異議申立ての理由と証拠 異議申立人は、異議申立時に甲第1乃至6号証を提出し、その後、上記1回目の回答時に甲第7乃至13号証を提出し、さらに、上記2回目の回答時に甲第14乃至15号証を提出し、本件請求項1,2に係る発明は、甲第1乃至6号証に記載された発明に基づいて、さらには、甲第1乃至15号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明であって、その発明の特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願についてなされたものであるから取り消されるべきである旨の理由を主張している(当審が通知した特許法第29条第2項に係る取消理由において引用された刊行物は甲第1乃至15号証から採用されたものである)。 甲第1,3乃至15号証とそれらに記載された発明は次のとおりである(なお、甲第2号証の特開平6-198053号公報は本件出願の分割の元となった原出願の出願日である平成5年11月22日以降の平成6年7月19日に公開されたものであるため採用しない)。 甲第1号証:実公平3-4299号公報 機枠体1に略長方形の扉枠2を開閉自在に蝶着し、扉枠2の背面側には、機構枠体6と遊技板7を受ける受台8とを固定する一方、扉枠2の前面側には、左右に補助枠23を固定し、扉枠2の開口部4にガラス板装着枠3を前方へ開閉自在に蝶着し、ガラス板装着枠3を前面板3aと前面板3aから後方に延設した枠板3bと前面板3aの背面側にクリップ20等で保持したガラス板16,17と飾り枠18とで構成し、前面板3aの窓19の周囲に入賞や球切れ等を表示する表示ランプ24を設け、ガラス板装着枠3の下方には上部賞球受皿15を備えた前枠板5を開閉自在に蝶着し、上部賞球受皿15から供給された遊技球を発射杵で遊技領域に発射し、その入賞により設定した賞球を排出するパチンコ機が図面と共に記載されている。 このパチンコ機の構成を対比のために記載し直すと、甲第1号証には、「遊技板7と該遊技板7を内側に収容する略長方形の扉枠2とを含む遊技板保持側と、前記遊技板7の前面側を覆って前記遊技板7との間に遊技領域を形成するためのガラス板16,17を保持するクリップ20等と、発射杵に供給するための遊技球を貯留する上部賞球受皿15とを備えて、前記発射杵によって発射されて前記遊技板7の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出するパチンコ機において、軸支手段を介して前記遊技板保持側に取り付けられ該遊技板保持側に対して開閉自在なガラス板装着枠3の前面板3aと枠板3bであって、その背面側に前記ガラス板16,17を保持するクリップ20等を保持しており、前記ガラス板16,17と共同して前記遊技板保持側の前記上部賞球受皿15よりも上方の前面部分の左右の補助枠23を除く部分を覆うガラス板装着枠3の前面板3aと枠板3bを設けると共に、入賞や球切れ等が発生した際に点灯する表示ランプ24を前記ガラス板装着枠3の前面板3aの周辺部に組み付け、前記上部賞球受皿15が設けられている前枠板5を軸支手段を介して開閉可能に取付けることにより、前記上部賞球受皿15を支持する構造としたことを特徴とするパチンコ機。」が記載されている。 甲第3号証:特公昭63-36269号公報 機枠2に前面枠3をヒンジ4により開閉自在に装着し、前面枠3の背面側に遊技盤6と機構盤7を装着し、前面枠3の前面側には、二重の透明ガラス13bを収納したガラス枠13と供給皿19を備えたパネル14とを個別に前方へ開閉自在に装着してなるパチンコ機が記載されている。 甲第4号証:実願平2-56951号(実開平4-15985号)のマイクロフイルム 第1図に係る実施例として、本体13の前面上部のほぼ全域を覆う開閉自在な本枠扉11を備えたパチンコ機10が、第7図に係る実施例として、本体84に開閉自在な本枠扉81に対し前方へ開閉する窓枠扉54備えたパチンコ機80が記載されている。 甲第5号証:実願昭58-138221号(実開平60-45080号)のマイクロフイルム 開閉する扉Bにはめたガラス1の隅に広告用シール3を貼ったパチンコ台Aが記載されている。 甲第6号証:特開平5-68737号公報 外枠2に前面枠3を開閉自在に設け、前面枠3のの背面側に遊技盤13を収納するリヤプレート6を設け、前面側に外部表示灯ユニット7とガラス枠8と上皿ユニット4と下皿セット5を設けたパチンコ機1が記載されている。 甲第7号証:特開平3-57473号公報 裏箱10の前面上部に、表側にキャビネット30を固定した扉枠20を開閉自在に設け、下部に受け皿50を固定したスロットマシンが記載されている。 甲第8号証:実願昭60-178685号(実開昭62-87676号)のマイクロフイルム 遊技盤3を備える本体枠1に上皿24を備えるガラス枠5を開閉自在に取付、ガラス枠5の基枠15と基枠15補強用のフレーム16,17とで前面ガラス33,34を保持してなるパチンコ機が記載されている。 甲第9号証:実公平4-32141号公報 中枠Sにおいて、前面に露呈する表枠辺材1とガラス収容枠Kに結合された仕切材2とで上枠辺部を形成し、表枠辺材1と仕切材2との間に上からガラス板4を差し込んだ後、補強材3を前方へ回動してガラス板5を上から差し込んでなるパチンコ機が記載されている。 甲第10号証:実公平2-44787号公報 従来例として、前面枠2にビス止めされた金枠3にガラス扉4を開閉自在に保持し、ガラス扉4の背面側に2条の凹溝でガラスを保持するガラス保持枠5を固着してなる弾球遊技機1が記載され、ビスを弛める不正がなされても内ガラス6bと遊技盤7との間隔が広げられないように、前面枠2にビス止めされた金枠3に外ガラス扉枠4aを開閉自在に保持し、前面枠2の切欠断差部15に内ガラス扉枠4bを開閉自在に保持してなる弾球遊技機1が記載されている。 甲第11号証:実公昭57-64号公報 表枠1の窓孔2の内側縁に取り付けた縁金枠7に玉皿8を設けた前板9とガラス枠10を開閉自在に枢着したパチンコ機が記載されている。 甲第12号証:実公昭61-9676号公報 パチンコ機本体1の表枠2の縁金枠5にガラス枠6と上部玉受皿7を設けた前板8とをそれぞれ枢着したパチンコ機が記載されている。 甲第13号証:特開平4-220278号公報 機枠2に開閉自在な前面枠3の背面に遊技盤部を設け、前面にガラス枠4と球供給皿6を備えた開閉パネル5とを独立して開閉自在に軸着してなるパチンコ機1が記載されている。 甲第14号証:特開平2-209181号公報 取付枠900にパチンコ遊技機700を開閉自在に設け、パチンコ遊技機700の前面側に開閉パネル701を設け、開閉パネル701にガラス板702と供給皿703を取付け、パチンコ遊技機700の下部に受皿704を設け、パチンコ遊技機700の前側上端部に情報表示装置710を取付けて、そのリード線716e,719を背面側に延出し、背面側にはコード保護部材915を設けたパチンコ遊技機が記載されている。 甲第15号証:特開平4-197285号公報 外枠1に前枠2を回動可能に設け、前枠2の背面側に基枠22と遊技盤24とベース板50を保持し、前枠2の前面にガラス扉枠4と上皿6を備える下方板5とをそれぞれ前方回動可能に設け、前枠2の上部に当り表示灯29を配設してなるパチンコ機が記載されている。 (3)対比・判断 1)本件請求項1に係る発明について 本件請求項1に係る発明(前者)と甲第1号証に記載された発明(後者)とを対比するに、後者の遊技板7が前者の遊技盤に対応し、前者において遊技盤を内側に収容する略長方形の枠を本体枠と称していることから、後者における遊技板7を内側に収容する略長方形の扉枠2を本体枠ということができ、前者において遊技盤と本体枠とを含む側を本体側と称していることから、後者における遊技板7と扉枠2とを含む遊技板保持側を本体側ということができる。 また、後者におけるガラス板装着枠3の前面板3aと枠板3bとからなる部分は、本体側(遊技板保持側)に開閉自在であり、単にガラス板を保持するだけでなく、ランプの組み付けや本体側の一部領域を覆うことができるだけの広がりを有することから、前者の上部前面枠に対応する。 さらに、後者の、発射杵、上部賞球受皿15、パチンコ機、前枠板5は、それぞれ、前者の、発射装置、上皿、遊技機、皿部材に対応し、後者のガラス板16,17を保持するクリップ20等はガラス板保持部材といえる点で前者のガラス枠と共通し、後者の表示ランプ24は遊技状態表示ランプといえる点で前者の大当りランプと共通する。 そうすると、両者は、「遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス板保持部材と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス板保持部材を保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分を覆う上部前面枠を設けると共に、遊技状態表示ランプを前記上部前面枠に組み付け、前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して開閉可能に取付けることにより、前記上皿を支持する構造としたことを特徴とする遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。 <相違点1>前者が、ガラス板保持部材を上部前面枠の背面側に密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持されたガラス枠とし、上部前面枠がガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆うのに対し、後者は、ガラス板保持部材がクリップ20等であり、上部前面枠とガラス板とで覆う範囲が該前面部分の左右の補助枠23を除く部分である点。 <相違点2>遊技状態表示ランプについて、前者が、大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプとし、上部前面枠の上部に組み付け、かつ、大当りランプへの配線を保護するための保護板を、上部前面枠が本体側に対して開放された際に露出する上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置しているのに対し、後者は、入賞や球切れ等が発生した際に点灯する表示ランプ24であり、上部前面枠の周辺部に組み付け、かつ、ランプへの配線を保護するための保護板を設置していない点。 <相違点3>上皿の支持について、前者が上部前面枠と別個に本体側で支持しているのに対し、後者は定かでない点。 相違点1について検討するに、遊技盤を収容している本体側に対して前方回動する枠の背面側に、ガラス板を保持する枠を密接且つ離脱可能に軸支すること、すなわち後方へ回動できるように軸支することについては、甲第3乃至15号証にも記載がなく、甲第1,3乃至15号証の記載から示唆されることとも認められない。 このことは、異議申立人が、上記1回目の回答時に、背面側にガラス枠のガラス板を取り付けることが周知であることの他の例として文献番号のみを示した実公平3-37664号,同3-37667号公報(同回答で「実公昭」としているのは誤記と思われる)にも示唆するものがない。 しかも、遊技盤を収容している本体側に対して前方回動する枠がガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆うものにおいては、該枠を開いたときに本体側前面のほぼ全域が露出して点検・修理が容易になる一方で、錠やランプなどに係る部材等が該枠の背面に配されることとなって、ガラス板の挿入・取出に支障を来すことが推測されるのであるが、このような場合であっても、該枠の背面側に対してガラス板を保持する枠を密接且つ離脱可能に軸支すれば、ガラス板を保持する枠を該背面側から後方へ回動することができて、本件明細書段落【0045】にも記載があるように、ガラス板の挿入・取出部を容易に開放できるものである。 そうすると、本件請求項1に係る発明は、上部前面枠の背面側にガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持することと、上部前面枠がガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆うこととの組合せにも格別の意義が認められるのであり、たとえ、上記相違点2が甲第14,15号証などの記載から容易に想起でき、上記相違点3が甲第3,10号証などの記載から容易に想起できるとしても、甲第1,3乃至15号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 2)本件請求項2に係る発明について 本件請求項2に係る発明は、本件請求項1に係る発明の構成要件の全てを構成要件の一部とするものであるから、上記本件請求項1に係る発明についての判断と同様の理由により、甲第1,3乃至15号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件請求項1乃至2に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1乃至2に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件請求項1乃至2に係る発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 遊技機 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、 軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、 大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、 前記大当りランプヘの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、 前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としたことを特徴とする遊技機。 【請求項2】 請求項1記載の遊技機において、 前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする遊技機。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機等、遊技球の入賞に応じて賞球を機外に排出する遊技機に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、例えばパチンコ機やアレンジボール式遊技機(アレパチ)等の鋼製の遊技球を使用する遊技機は、木製の本体枠、蝶番を介して本体枠に装着された木製の前枠、前枠に固定されて遊技盤を支承するプラスチック製の中枠、遊技盤の裏側に配されて制御基盤や制御基盤に接続されている配線を保持すると共に遊技球通路等が設けられているプラスチック製のいわゆる裏パック等を備えていた。 【0003】 また、前枠には、上皿と下皿が装着されていた。詳しくは、上皿は前枠に対して開閉自在に装着され、下皿は上皿の下方において前枠に固定されていた。 すなわち、前枠は、遊技盤、上皿、下皿等を支持することになるため、これらを含めた重量は大きく、前枠を回動させる際の作業性が悪かった。 また、前枠の前面側にはガラス枠が開閉可能に装着されていて、ガラス枠を閉じるとガラス枠に保持されているガラス板が遊技盤を覆って、遊技盤の前面側に遊技領域を形成する構造であった。 ところが、前枠を閉鎖した状態でガラス枠を開いても遊技盤面の全面が露出するわけではなく、特に遊技盤の周囲はまったく露出されなかった。このため、ガラス枠を開いただけでは例えば遊技盤の周囲の配線などを点検、修理することはできなかった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、遊技盤およびその周囲に配置されている部品の点検や修理に当たって作業性を向上させることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の遊技機は、遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、 軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、 大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、 前記大当りランプヘの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、 前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としている。 また請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】 請求項1記載の遊技機では、遊技盤の前面側に形成される遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する。ここでいう入賞状態の発生とは、パチンコ機では入賞口(入賞チャッカー)への遊技球の入球であり、アレパチでは例えば隣接する4つ以上のチャッカーに遊技球が入球する等の所定の組合せが実現されることである。 【0007】 この遊技機においては、上部前面枠は、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ本体側に対して開閉自在である。この上部前面枠は、その背面側にガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、ガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う。したがって、上部前面枠を開放すれば、遊技盤はもとよりその周囲も露出させることができる。よって遊技盤やその周囲の部品の点検や修理はきわめて容易に実行できる。 また、上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して本体側に開閉可能に取付けることにより、上皿を、上部前面枠とは別個に本体側で支持する構造としているので、遊技盤や上皿の荷重が上部前面枠に負荷されることはない。したがって、従来の前面枠と比較すればきわめて軽量となり、その開閉も簡単である。こうしたことから、遊技盤およびその周囲に配置されている部品の点検や修理に当たっての作業性を格段に向上される。 【0008】 なお、請求項2記載のように、上部前面枠をプラスチック製にするとよい。 【0009】 【実施例】 次に、本発明の好適な一実施例により発明の実施の形態を詳しく説明する。 図1は本発明の遊技機としてのパチンコ機10の正面図であり、周知の遊技盤12を備えている。遊技盤12の前面側は、装飾部13aを備えるほぼ全体がプラスチック製のガラス枠13を介してほぼ全体がプラスチック製の上部前面枠(以下、単に前面枠とも言う)14に装着された二重のガラス16a、16bで覆われており、遊技盤12と内側のガラス16aおよび装飾部13aとの間に遊技領域18が形成されている。前面枠14の上部にはいわゆる大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプ20が組み付けられている。また、前面枠14は、右側部22に設けられた錠24を操作することにより、左側部26の裏面側に装着されている迫出しヒンジ176a、176b(詳細は後述)を軸として開閉可能である。 【0010】 前面枠14の下方には、プラスチック製で、上受け皿28および下受け皿30が一体的に設けられた皿部材32が配されている。上受け皿28および下受け皿30には、それぞれにパチンコ機10内部からの遊技球を排出するための上皿排出口34および下皿排出口36が開口している。また、皿部材32には複数の小孔からなるスピーカ面38が設けられており、スピーカ面38の裏側には遊技状態に応じて音声を発するスピーカ(図示略)が装着されている。さらに皿部材32には、上受け皿28から供給される遊技球を遊技領域18に発射するためのモータ(図示略)を操作する発射ハンドル40および遊技球の発射を一時的に停止するためのストップスイッチ42が設置されている。さらに皿部材32の下方には、裾板43が設置されている。 【0011】 この皿部材32は左裏側に装着された迫出しヒンジ176c、176d(詳細は後述)を軸として開閉可能であるが、通常の使用時には右裏側にてロックされて閉状態に保持されている。また通常の使用時には、皿部材32は前面枠14によって上辺部分を押さえられ開放を防止されている。したがって、皿部材32を開くには、前面枠14を開放し右裏側のロックを解除する必要がある。 【0012】 図2に示すようにパチンコ機10の裏面側には、パチンコ機10の各部材を支持すると共に遊技機設置島(以下、単に島という)に装着するための部材でもあるプラスチック製の本体枠44が配されており、上述の前面枠14および皿部材32は迫出しヒンジ176a、176b、176c、176d(迫出しヒンジ176bは図2には示さない)を介して本体枠44と連結されている。この本体枠44には、遊技盤12を支承する裏盤48が組み付けられている。 【0013】 図2、図3および図4に示すように、裏盤48は中央部に略5角形状の窓48aを備える略長方形で、裏盤48の上端部には島の上部に設置された球供給路(図示略)から供給される遊技球を貯留するプラスチック製の賞球タンク50が設置されている。賞球タンク50には、中央やや左寄りに遊技球の荷重の有無によって遊技球の有無を検知する荷重センサ52が設置されており、賞球タンク50の下部には遊技球が流出可能な賞球流出口54が設けられている。賞球流出口54は、遊技球を整列させながら流下させる透明プラスチック製の賞球誘導樋56を介して、賞球払出装置58に接続されている。また賞球誘導樋56の中間部には荷重センサ60a、60bが設置されており、遊技球の誘導状況を検出可能である。 【0014】 賞球払出装置58は、例えば特開平5-42248号公報に記載されているように、ステッピングモータ(図示略)にて駆動されるフライトスクリュ(図示略)を備え、ステッピングモータの回転に応じて賞球誘導樋56から遊技球を導入し排出口62から排出する。 【0015】 さらに、図2および図3に示すように、賞球誘導樋56には、遊技球を整列させるための整列板59が内挿されており、賞球払出装置58の上方には、賞球タンク50に隣接してヒューズボックス61が設置されている。 図2、図3および図4に示すように、賞球払出装置58の排出口62の下方には、賞球払出装置58から排出される遊技球を導く賞球導入樋64を備えるプラスチック製の賞球受部材66が接続されている。この賞球受部材66の内部には、遊技球の落下速度を規制するための屈曲部(図示略)が設けられており、賞球導入樋64を経て落下した遊技球は屈曲部で落下速度を調節されて落下口68から排出される。 【0016】 図3に示すように、この落下口68は、裏盤48に設けられている壁状の樋部70と透明プラスチック製のカバー部材72とで形成される賞球樋74に連通している。この賞球樋74は下部中央に縦壁76を備える箱状の賞球振り分け機構78に連通している。 【0017】 図3および図6に示すように、賞球振り分け機構78は、賞球として排出される遊技球を上受け皿28と下受け皿30とに振り分けて排出するため機構で、上受け皿28へ連通する上皿導入口80および下受け皿30に連通する下皿導入口82とが、縦壁76を介して互いに隣接して開口している。また上皿導入口80の底部および側壁部は、落下する遊技球の衝撃からこれらを保護するための金属製のカバー84で被覆されている。この構成により、賞球樋74から落下した遊技球は、通常は縦壁76によって上皿導入口80側から下皿導入口82側への水平方向の移動を阻まれて上受け皿28へと導かれることになる。ところが、入賞の連続等があり上受け皿28に多量の遊技球が蓄積されると上皿導入口80付近まで遊技球によって満たされて、上皿導入口80へ遊技球が進入できなくなることがある。このような状態で賞球樋74から排出された遊技球は、上皿導入口80付近に滞留する遊技球によって通路を遮られるので、縦壁76の上方の空間を通過して下皿導入口82側へ溢流し、下受け皿30へと導かれることになる。したがって、上受け皿28への遊技球の受け入れに余裕があるにもかかわらず、賞球としての遊技球が下受け皿30へと排出されることは回避される。 【0018】 また図3に示すように、賞球樋74には、図示しないソレノイドで駆動されるダンパ86を介して玉抜樋88が接続されている。この玉抜樋88は、例えばパチンコ機10を島から撤去する場合等に、賞球タンク50、賞球誘導樋56等に貯留されている遊技球を機外へ排出するための経路であり、玉抜スイッチ(図示略)をオンするとダンパ86が駆動されて、賞球樋74と賞球振り分け機構78との連通を遮断すると共に賞球樋74と玉抜樋88とを連通させる。併せて賞球払出装置58が稼動して賞球タンク50からの遊技球を排出する。排出された遊技球は賞球導入樋64、賞球受部材66、賞球樋74および玉抜樋88を経て機外へ排出される。 【0019】 従来の遊技機においては、賞球払出装置の上流側に設置されたダンパを操作ピンによって機械的に操作して玉抜き作業を実施する構成であったため、ダンパ操作のために操作ピンを挿通させる操作穴をダンパ近傍に設ける必要があった。このためダンパの設置位置や操作穴の設置位置の自由度は低く、遊技機全体の構成を制限することもあった。 【0020】 ところが本実施例のパチンコ機10では、上述のようにダンパ86および賞球払出装置58が電気的に操作されるので、ダンパ86や玉抜スイッチの設置位置は事実上制限されず、機構配置上の自由度が高まっている。 賞球振り分け機構78に隣接して、遊技盤12から入賞球を集中して導く入賞球集合樋90が設置されている。この入賞球集合樋90には入賞した遊技球を入口92から導入し、1球毎に賞球通過信号を出力して出口94から排出する入賞球排出装置96が設置されている。この賞球通過信号は、例えば賞球払出装置58のステッピングモータを稼動させるための信号として使用される。 【0021】 入賞球排出装置96の出口94には入賞球排出装置96から排出された遊技球の通路としての入賞球排出樋98が設けられている。また入賞球排出装置96の左方には、遊技盤12の下部に開口するアウト穴(図示略)に接続されているアウト球排出樋100が設置されている。図示のように、入賞球排出樋98とアウト球排出樋100とは合流して合流樋102に接続されており、この合流樋102には玉抜樋88も合流している。さらに合流樋102の出口102aには島に設置されている回収路(図示略)が接続されている。 【0022】 こうした構成により、パチンコ機10が稼動しているとき(遊技中)には、入賞球は入賞球排出装置96および入賞球排出樋98を経て合流樋102に導かれ、アウト球はアウト球排出樋100を経て合流樋102に導かれ、いずれも回収路へと排出される。また上述した玉抜き作業の実施に当たって玉抜樋88へと導かれた遊技球は、合流樋102を経て回収路へと排出される。 【0023】 このように、入賞球、アウト球および玉抜き作業によって排出される遊技球のいずれもが、合流樋102から排出される。したがって、回収路は合流樋102の出口102aのみに接続されればよく、パチンコ機10と島との接続を簡略化できる。 【0024】 また、裏盤48の窓48aの下辺、賞球受部材66と対向する側辺に沿った部分および上辺に沿って賞球誘導樋56に覆われている部分には、各種の配線(図示略)を収納する配線ピット106が設けられている。この配線ピット106の側辺部106aは、窓48aに揺動自在に設けられているピットカバー106bを矢印K方向に揺動させることで、閉鎖状態および開放状態とできる。図示は開放状態であるが、閉鎖状態とした際には、ピットカバー106bの3箇所に設けられている突起106cで配線ピット106の壁面との摩擦力によりピットカバー106bを閉鎖状態に保持できる。この裏盤48に形成されている配線ピット106は、少なくとも3面(側辺部106aは4面とも)が導電性プラスチック製となるので、この配線ピット106内に収容される電気配線は電磁的にシールドされることになる。したがって、これらの電気配線へのパチンコ機10の内外からの電磁波の侵入は防止される。このため、例えば電気配線を介して侵入したノイズによって制御装置が誤作動する等の事故は防止できると共に電波発信機等を使用する不正行為に対する防御性能が向上する。 【0025】 図2および図3に示すように、裏盤48の窓48aの下方に端子板108が装着されており、端子板108と裏盤48との間には端子板108に接続されている配線(図示略)を収容する配線ピット106の一部が形成されている。また端子板108の下方には副制御基盤110が装着されている。 【0026】 図2、図3、図4、図5および図6に示すように、裏盤48の下縁隅には、図5および図6に示される発射装置112のモータ112aを収容するためのモータ収容室114が設けられている。またモータ収容室114に隣接して設けられている調節器収容室116には、図5および図6に示される調節器118が収容されている。この調節器118は、発射ハンドル40とモータ112aとの間に介装されており、発射ハンドル40の操作に応じてモータ112aに供給される電力等を調節するためのものである。 【0027】 図2、図4および図5に示すように、裏盤48の樋部70と共に賞球樋74を構成しているカバー部材72には、カバー部材72に設けられている一対の軸ピン120a、120bに回動可能に軸支されて、カバー部材72の外面側を通過して副制御基盤110に接続される配線(図示略)を保護するための透明プラスチック製の配線カバー122が装着されている。 【0028】 図2および図3に示すように、裏盤48には、端子板108と副制御基盤110との間およびモータ収容室114に隣接する部分に、一対の軸ピン124a、124bが設けられている。 図4、図5および図6に示すように、これらの軸ピン124a、124bには、主制御基盤126を保持する基盤保持部材128が軸支されている。主制御基盤126は、基盤保持部材128にビス止めされると共に基盤カバー130にて覆われている。また、基盤保持部材128の軸ピン124a、124bと対向する辺には一対の連結ピン132a、132bが取り付けられている。これら連結ピン132a、132bは、図2および図3に示されるカバー部材72の一対の連結穴134a、134bと係合して、基盤保持部材128の回動を規制している。 【0029】 図7に示すように、連結ピン132a、132bは先端側に設けられた割ピン部136a、後端に設けられたフランジ136bおよび割ピン部136aとフランジ136bとの中間に設けられた嵌合部136cを備える筒体136と、この筒体136に進退可能に挿通された軸部138aと軸部138aに固着されたつまみ138bとを備えるピン体138とから構成されている。これらの連結ピン132a、132bは、筒体136の嵌合部136cを基盤保持部材128の嵌合穴128aに嵌合させることで、基盤保持部材128に装着されている。 【0030】 このような連結ピン132a、132bでは、ピン体138の軸部138aを矢印M方向に沿って相対移動させると、筒体136の割ピン部136aは外径を拡大する方向に弾性変形させられる。また軸部138aを矢印N方向に沿って相対移動させると、割ピン部136aは上記弾性変形を回復する方向に変形し外径が縮小される。このため、割ピン部136aの外径を縮小状態としてこれをカバー部材72の連結穴134a、134bに挿通させ(図7(a)参照)、つまみ138bを押し込むようにして軸部138aを矢印M方向に移動させれば、割ピン部136aと連結穴134a、134bとが強固に嵌合された状態となる(図7(b)参照)。また図7(b)の状態から、つまみ138bを引っ張るようにして軸部138aを矢印N方向に移動させれば、割ピン部136aの外径は縮小されて、割ピン部136aと連結穴134a、134bとは上述の嵌合状態から解放される。 【0031】 したがって、このように割ピン部136aと連結穴134a、134bとを嵌合状態とすれば、基盤保持部材128を連結ピン132a、132bでカバー部材72に固定し、軸ピン124a、124bで裏盤48に固定することになる。既に述べたようにカバー部材72もまた裏盤48に固定されているので、上記の場合、基盤保持部材128は裏盤48に対して固定されることになる。一方、割ピン部136aと連結穴134a、134bとの該嵌合を解除すれば、軸ピン124a、124bを軸として基盤保持部材128を裏盤48に対して開閉、揺動させることができる。 【0032】 なお図4に示すように、裏盤48には賞球受部材66に設けられている軸ピン140aおよびカバー部材72に設けられている軸ピン140bに軸支された遊技盤カバー142が装着されているが、この遊技盤カバー142も上記基盤保持部材128の連結ピン132a、132bと同様の連結ピン144を備えており、この連結ピン144を操作することによって裏盤48に対して閉鎖、固定された状態および揺動可能な開放状態とできる。 【0033】 パチンコ機10から前面枠14および皿部材32を取り去った状態の正面図である図8に示すように、裏盤48は、2個のヒンジ148、148を介して本体枠44の第1側壁44aに軸支され、また図2および図8に示すように、一対の係止機構150、150を介して第2側壁44bに係脱可能に係止されている。 【0034】 図9に示すように、この係止機構150は、ピン152に軸支されて矢印Cに沿って揺動可能に裏盤48に装着された係止部材154と本体枠44の第2側壁44bに固着された係止バー156とから構成されている。係止部材154には、係止バー156と係止可能な係止鈎154aおよびハンドル154bとが設けられており、ハンドル154bを矢印Cに沿って揺動させることによって係止鈎154aを係止バー156に係脱させることができ、この操作によって裏盤48を本体枠44に係止させ、その係止を解除できる。 【0035】 図8に示すように、裏盤48には4箇所の圧締機構158を介して遊技盤12が保持されている。 図10に示すように、圧締機構158には一対の板状の突起160a、160bを備えた圧締部材160、半月状の横断面形状を有し圧締部材160を貫通する軸162および軸162を回転操作するノブ164が設けられている。圧締機構158は圧締部材160とノブ164との間の軸162を裏盤48の軸穴166に回動自在に保持されており、圧締部材160は裏盤48に形成された挿通部168に収容されている。このような構成により、ノブ164を介して圧締部材160を約90度の範囲で回動させれば、遊技盤12と裏盤48の圧締縁部170とを密接、圧締状態(図10(a)、(c)参照)とし、この状態から解放(図10(b)、(d)参照)することができる。 【0036】 図8に示すように、裏盤48に装着された遊技盤12は、上述の圧締機構158によって水平方向の移動を規制され、裏盤48のサポート部48cによって支承されて重力方向の移動を規制されているが、圧締機構158による圧締を解除すれば、遊技盤12を図8における紙面垂直方向に移動させて裏盤48から離脱させることができる。またこれと逆に作業すれば遊技盤12を裏盤48に装着できる。このように遊技盤12の裏盤48への着脱が裏盤48の前面側から可能であり、しかも容易である。したがって、例えば遊技盤12のみを新規な遊技盤と交換する作業は、きわめて容易となる。 【0037】 このように、本体枠44に保持される裏盤48にて直接に遊技盤12を支えるので、従来のパチンコ機等では本体枠に軸支されて遊技盤を保持すると共に発射ハンドル40等を固定していた木製の前枠が不要となっている。また前枠に固定されて遊技盤を支承するプラスチック製の中枠も不要となっている。すなわち、本実施例の裏盤48は、従来のプラスチック製のいわゆる裏パックと遊技盤を保持する前枠および中枠との機能を備えており、このように構成することで部品点数を削減できる。 【0038】 図5、図6および図8に示すように、裏盤48の下部には上述の発射装置112が装着されている。この発射装置112はモータ112aにて駆動される打球槌112bにて、発射装置112の斜め上方に配されている発射レール171の後端部171aに置かれた遊技球を打撃することで、遊技球を発射することができる。発射された遊技球は、発射レール171を経て、遊技盤12に固着されているガイドレール172に沿って誘導されて遊技領域18へ放出される。なお、発射レール171とガイドレール172との間には、例えば打球槌112bによる付勢が不足して、遊技領域18に到達できなかった遊技球を回収して下受け皿30へと導くためのファール球誘導路174が設けられている。 【0039】 本体枠44の第1側壁44aの内面側には、4箇所の迫出しヒンジ176a、176b、176c、176dが設置されており、迫出しヒンジ176a、176bには前面枠14が取り付けられ、迫出しヒンジ176c、176dには皿部材32が取り付けられている。 【0040】 図11および図12に示すように、迫出しヒンジ176a〜176dは、固定部材178を介して第1側壁44aに固定されている。この固定部材178には、ピン180を中心として揺動自在に板状片182が連結され、ピン184を中心として揺動自在に三角片186が連結されている。また板状片182の他端はピン188を介して相互に揺動自在にL字板190の後端部に連結されており、三角片186の中央頂点部はピン192を介して相互に揺動自在にL字板190の中央部に連結されている。このL字板190の先端側は略コの字状となっており、その突端は、前面枠14(皿部材32)に固着された凹部材194に、ピン196を介して相互に揺動自在に連結されている。さらに、この凹部材194に、ピン198を介して連結されたS字片200の他端は、ピン202を介して三角片186に連結されている。 【0041】 このような迫出しヒンジ176a〜176dでは、閉鎖状態(図11参照)から開放状態(図12参照)へ移行する際には、L字板190およびS字片200が矢印E方向に沿って引き出されるように変位する。しかし、三角片186の中央付近に連結されているL字板190の変位量よりも三角片186の先端部に連結されているS字片200の変位量が大きくなるので、前面枠14(皿部材32)は矢印E方向に沿って迫出すと共に矢印F方向に沿って揺動することになる。このように、前面枠14(皿部材32)は本体枠44から離脱しつつ扇形に移動するので、開放状態では前面枠14(皿部材32)と本体枠44との間に空隙Kが形成される。したがって、例えば隣接する他のパチンコ機やパチンコ機の間に設置されている玉貸機と開放された前面枠14(皿部材32)との間にも空隙Kに応じた距離的なゆとりが確保できる。従って、例えば前面枠14を従来よりも大きな角度で開くことが可能となり、パチンコ機10内部のメンテナンス等が一層容易となる。また、例えば空隙Kに見合っただけ上下の受け皿を張り出すことも可能となり、上下の受け皿の容積を増加することができる。 【0042】 図13に示すように、これらの迫出しヒンジ176a〜176dを介して本体枠44に取り付けられている前面枠14および皿部材32の裏面側には、各種の部材が設置されている。なお、図13にては前面枠14と皿部材32とを明瞭に区別するために、実際以上に両者を離隔させて表示している。 【0043】 先ず前面枠14について説明すると、上辺206に沿って大当りランプ20への配線を保護するための保護板208が設置されている。また迫出しヒンジ176a、176bと対向する側辺に沿って、本体枠44の第2側壁44bに固着されたL部材(図示略)と係止して前面枠14を閉鎖状態に維持するための前面枠係止機構210が配されている。この前面枠係止機構210は、所定の範囲で上下動可能な係止板212、係止板212を上方向に付勢するばね214および錠24を介して回動操作され係止板212を下方へ押し下げ可能な押部材216を備えている。前面枠14が閉じられた状態では係止板212とL部材とが相互に係止し、ばね214はこの状態を保持すべく係止板212を付勢しているが、錠24を介して押部材216を回動させ、係止板212をばね214の付勢力に抗して押し下げると、係止板212とL部材との係止は解除され、前面枠14を開放可能となる。 【0044】 また、前面枠14には迫出しヒンジ176a、176bとの間に配された一対の軸ピン218、218に軸支されて、ガラス枠13が装着されている。 図14に示すように、ガラス枠13は矩形でガラス16a、16bを保持する一対のガラス溝220a、220bを備える外周部材222と外周部材222の内部に配されて中央に略円形の空間を形成している装飾部13aとで構成されており、図示左側には軸ピン218、218と係合可能な穴を備えた係合部224a、224bを有する金属製の係合支持金具226が固着されている。また、係合支持金具226と対向する辺には、ガラス16a、16bをガラス溝220a、220b内に保持すると共に、蝶番部228a、228bを軸として開閉しガラス16a、16bの挿入、取出しを可能とする金属製のガラス押え板230が装着されている。ガラス押え板230の中央付近には、鋼製の弾性板232が配されている。この弾性板232は矢印G方向に沿って弾性変形可能である。また、ガラス押え板230の上端とガラス枠13の上辺との間にはガラス押え板230を上辺側(ガラス押え板230を閉じる方向)に付勢する弦巻ばね233が介装されており、この弦巻ばね233の付勢力でガラス押え板230は閉鎖状態に保持されている。 【0045】 図13に示すように、ガラス枠13を前面枠14に密接させた際には、弾性板232は押部材216の後端部234に当接している。このためガラス枠13は、後端部234によって前面枠14からの離脱を規制されている。一方、弾性板232をガラス枠13の中心方向に向かって弾性変形させた際には、弾性板232は後端部234との当接状態から解放され、ガラス枠13は軸ピン218、218を軸として揺動可能となる。したがって、弾性板232を操作することによってガラス枠13を前面枠14に密接する状態から離脱させることができる。なお、弾性板232は、後端部234からの押圧力によって、上記弦巻ばね233と共にガラス押え板230を閉鎖状態に保持する機能も有しており、上記のようにしてガラス枠13を前面枠14から離脱させた時には、弦巻ばね233の付勢力に抗してガラス押え板230を開放可能である。 【0046】 次に、皿部材32の裏面側について説明すると、皿部材32の裏面はプラスチック製の裏板236で覆われており、裏板236を貫通して上受け皿28の上皿排出口34に通ずる通路238が開口している。この通路238の下方に配された略平行四辺形の部材は、下皿導入口82からの遊技球を下受け皿30の下皿排出口36へと導くためのバイパス部材240であり、上辺部に遊技球口242が設けられている。またバイパス部材240下部の凸状部244に対応して、裏板236には下受け皿30に通ずる開口が設けられている。さらに、バイパス部材240の凸状部244の斜め上方には、発射装置112から発射されて遊技領域18に到達できなかった遊技球が回収されるファール球誘導路174からの遊技球を受け入れるためのファール球受口246が設けられている。 【0047】 バイパス部材240の図示左側は裏板236が一部削除されており、この内部には、上受け皿28から供給される遊技球を1球ずつ発射レール171内に供給する発射球供給装置248が設置されている。また裏板236には、発射球供給装置248の下方に、発射ハンドル40と発射装置112とを接続するリード線(図示略)の通路としてのリード線穴250が設けられている。 【0048】 さらに、皿部材32の迫出しヒンジ176c、176dと対向する辺に沿って、本体枠44に設置された下係止部材(図示略)と係止可能な係止部252a、252bを有する鋼製の係止金具252が取り付けられている。したがって、本体枠44の下係止部材と係止部252a、252bとの係止を解除すれば皿部材32を迫出しヒンジ176c、176dを軸として開放できる。また開放した皿部材32を本体枠44に押し付けるように閉じれば、係止部252a、252bを本体枠44の下係止部材と係止させることができ皿部材32と本体枠44とを接合状態に保持できる。 【0049】 以上のように、前面枠14はガラス枠13およびガラス16a、16bを保持するだけなので全体としてきわめて軽量で、開閉が簡単である。 【0050】 また、前面枠14を開くと、遊技盤12およびその周囲を全面的に露出させることができるから、遊技盤12やその周囲の部品の点検や修理が簡単にできる。 【0051】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明の遊技機では、遊技盤やその周囲の部品の点検や修理に当たっての作業性はきわめて良好である。 【0052】 また、上部前面枠によってガラス枠が保持されるので、ガラス枠保持のための構造体を特別に設ける必要はなく、構造も取り立てて複雑になることはない。 【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例のパチンコ機の正面図である。 【図2】 実施例のパチンコ機の背面図である。 【図3】 実施例のパチンコ機の裏盤および裏盤に装着される部品の分解斜視図である。 【図4】 実施例のパチンコ機の裏盤および裏盤に装着される部品の一部分解斜視図である。 【図5】 実施例のパチンコ機の下受け皿付近における横断面図である。 【図6】 実施例のパチンコ機の上受け皿付近における横断面図である。 【図7】 実施例のパチンコ機の連結ピンの拡大図であり、図7(a)は軸部を引き出した状態の平面図、図7(b)は軸部を押し込んだ状態の平面図である。 【図8】 実施例のパチンコ機において前面枠および皿部材を撤去した状態の正面図である。 【図9】 実施例のパチンコ機の係止機構付近の拡大断面図である。 【図10】 実施例のパチンコ機の圧締機構の説明図であり、図10(a)、(b)は一部縦断面図、図10(c)は圧締状態の正面図、図10(d)は解除状態の正面図である。 【図11】 実施例のパチンコ機の迫出しヒンジの平面図である。 【図12】 実施例のパチンコ機の迫出しヒンジを開いた状態の平面図である。 【図13】 実施例のパチンコ機の前面枠および皿部材の背面図である。 【図14】 実施例のパチンコ機のガラス枠の斜視図である。 【符号の説明】 10・・・パチンコ機(遊技機)、12・・・遊技盤、13・・・ガラス枠、14・・・上部前面枠、16a・・・ガラス(ガラス板)、18・・・遊技領域、28・・・上受け皿(上皿)、30・・・下受け皿、32・・・皿部材、44・・・本体枠、48・・・裏盤、112・・・発射装置、176a、176b・・・迫出しヒンジ(軸支手段)、218・・・軸ピン(ガラス枠装着手段)。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 1)訂正事項a 特許請求の範囲を特許請求の範囲の減縮を目的として次のように訂正する。 「【請求項1】遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、 軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、 大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、 前記大当りランプヘの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、 前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としたことを特徴とする遊技機。 【請求項2】請求項1記載の遊技機において、前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする遊技機。」(下線は訂正に係る個所を示す) 2)訂正事項b 明細書段落【0005】を明りょうでない記載の釈明を目的として次のように訂正する。 「【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の遊技機は、遊技盤と該遊技盤を内側に収容する略長方形の本体枠とを含む本体側と、前記遊技盤の前面側を覆って前記遊技盤との間に遊技領域を形成するためのガラス板を保持するガラス枠と、発射装置に供給するための遊技球を貯留する上皿とを備えて、前記発射装置によって発射されて前記遊技盤の前面側に形成された遊技領域に撃ち込まれた遊技球の挙動により所定の入賞状態が発生した際に設定数の遊技球を賞球として排出する遊技機において、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ該本体側に対して開閉自在な上部前面枠であって、その背面側に前記ガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、前記ガラス板と共同して前記本体側の前記上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う上部前面枠を設けると共に、大当り状態が発生した際に点灯する大当りランプを前記上部前面枠の上部に組み付け、前記大当りランプヘの配線を保護するための保護板を、前記上部前面枠が前記本体側に対して開放された際に露出する該上部前面枠の背面の上辺に沿った位置に設置し、前記上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して前記本体側に開閉可能に取付けることにより、前記上皿を、前記上部前面枠とは別個に前記本体側で支持する構造としている。また請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記上部前面枠はプラスチック製であることを特徴とする。」(下線は訂正に係る個所を示す) 3)訂正事項c 明細書段落【0007】を明りょうでない記載の釈明を目的として次のように訂正する。 「この遊技機においては、上部前面枠は、軸支手段を介して前記本体側に取り付けられ本体側に対して開閉自在である。この上部前面枠は、その背面側にガラス枠を密接且つ離脱可能にガラス枠装着手段を介して軸支により保持しており、ガラス板と共同して本体側の上皿よりも上方の前面部分のほぼ全域を覆う。したがって、上部前面枠を開放すれば、遊技盤はもとよりその周囲も露出させることができる。よって遊技盤やその周囲の部品の点検や修理はきわめて容易に実行できる。また、上皿が設けられている皿部材を軸支手段を介して本体側に開閉可能に取付けることにより、上皿を、上部前面枠とは別個に本体側で支持する構造としているので、遊技盤や上皿の荷重が上部前面枠に負荷されることはない。したがって、従来の前面枠と比較すればきわめて軽量となり、その開閉も簡単である。こうしたことから、遊技盤およびその周囲に配置されている部品の点検や修理に当たっての作業性を格段に向上される。」(下線は訂正に係る個所を示す) 4)訂正事項d 明細書段落【0008】を明りょうでない記載の釈明を目的として次のように訂正する。 「なお、請求項2記載のように、上部前面枠をプラスチック製にするとよい。」(下線は訂正に係る個所を示す) |
異議決定日 | 2002-03-12 |
出願番号 | 特願平8-97057 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A63F)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 斎藤 利久 |
特許庁審判長 |
藤井 俊二 |
特許庁審判官 |
小沢 和英 久保 竜一 |
登録日 | 1998-03-06 |
登録番号 | 特許第2756109号(P2756109) |
権利者 | タイヨーエレック株式会社 有限会社愛和ライト |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 足立 勉 |
代理人 | 田中 敏博 |
代理人 | 足立 勉 |
代理人 | 足立 勉 |
代理人 | 田中 敏博 |
代理人 | 田中 敏博 |