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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G09G
管理番号 1059447
異議申立番号 異議2001-72325  
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-10-15 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-08-27 
確定日 2002-04-08 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3138681号「映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法」の請求項1ないし8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3138681号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3138681号は、平成10年3月30日に特許出願され、平成12年12月8日に特許権の設定登録がされた。その後、異議申立人足立信幸により特許異議の申立てがされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成14年2月19日に訂正請求が請求されている。

2.訂正の適否についての判断
2-1.訂正の内容
平成14年2月19日付訂正請求書による訂正の内容は次のとおりである。
ア.特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ.特許請求の範囲の請求項2を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項1とする。
ウ.特許請求の範囲の請求項3を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項2とする。
エ.特許請求の範囲の請求項4を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項3とする。
オ.特許請求の範囲の請求項5を削除する。
カ.特許請求の範囲の請求項6を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項4とする。
キ.特許請求の範囲の請求項7を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項5とする。
ク.特許請求の範囲の請求項8を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項6とする。
ケ.発明の詳細な説明の段落【0037】を次のように訂正する。
「本発明の映像表示装置の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始する制御手段(103〜109)と、制御手段(109)の調整結果に応じて、映像信号(Sv)を表示する表示手段(110〜112)とを具備し、制御手段(109)は、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、制御手段(103〜105,109)は、同期信号(Hsy,Vsy)の変更を、以下により検出する。(1)同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出する。(2)同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出する。(3)同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出する。」
コ.発明の詳細な説明の段落【0038】を次のように訂正する。
「本発明の映像表示装置の表示調整方法の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,又は映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始し、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、同期信号(Hsy,Vsy)の変更は、以下により検出される。(1)同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出される。(2)同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出される。(3)同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出される。」
サ.発明の詳細な説明の段落【0088】を次のように訂正する。
「又、インターレース/ノンインターレースの走査種別や、映像信号の表示開始位置の情報も併せて検出し、前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより、同期信号の変更を検出するので、一層高精度に信号源の接続変更の有無を検出できる。」

2-2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記訂正事項アは請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするもので、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項イは、請求項1を引用して記載していた請求項2を請求項1の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項ウは、請求項1を引用して記載していた請求項3を請求項1の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項エは、請求項1を引用して記載していた請求項4を請求項1の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項オは請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするもので、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項カは、請求項5を引用して記載していた請求項6を請求項5の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項キは、請求項5を引用して記載していた請求項7を請求項5の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項クは、請求項5を引用して記載していた請求項8を請求項5の削除に伴って独立形式で記載し、項の番号を繰り上げたものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

上記訂正事項ケは、特許請求の範囲の請求項1の削除に伴って、発明の詳細な説明の[課題を解決するための手段]の欄に独立形式に変更された新たな請求項1〜3の構成を記載するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

上記訂正事項コは、特許請求の範囲の請求項5の削除に伴って、発明の詳細な説明の[課題を解決するための手段]の欄に独立形式に変更された新たな請求項4〜6の構成を記載するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

上記訂正事項サは、発明の詳細な説明に訂正後の新たな請求項3及び請求項6に係る発明の作用を記載するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加には該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

2-3.むすび
以上のとおりであるから、上記各訂正は、特許法第120条の4第2項、並びに同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合しているので、訂正を認める。

3.特許異議申立てについて
3-1.異議申立て理由の概要
特許第3138681号の請求項1及び請求項5に係る発明は、甲第1号証(特開平9-212132号公報、以下、「刊行物1」という)刊行物に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許されたものであり、また、請求項2〜4及び請求項6〜8に係る発明は、前記甲第1号証、甲第2号証(特開平10-39838号公報、以下、「刊行物2」という)、甲第3号証(特開平9-114443号公報、以下、「刊行物3」という)、甲第4号証(特開平1-200391号公報、以下、「刊行物4」という)及び甲第5号証(特開平7-44125号公報、以下、「刊行物5」という)の刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、当該特許は取り消されるべきものである。

3-2.本件発明
上記「2.訂正の適否についての判断」で示したように訂正が認められるから、本件特許の請求項1〜6に係る発明は、訂正明細書及び図面の記載によれば、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜6に記載された次の事項により特定されるものである。(以下、「本件発明1」〜「本件発明6」という。)
【請求項1】(本件発明1)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】(本件発明2)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】(本件発明3)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】(本件発明4)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。
【請求項5】(本件発明5)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。
【請求項6】(本件発明6)
供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。

3-3.刊行物記載の発明
(1)刊行物1(特開平9-212132号公報、甲第1号証)
刊行物1には、次の記載がある。
(ア)「図1は、この発明の実施の形態によるマトリックス液晶表示装置の概略ブロック図である。 図において、1は横1024画素(1024×3ドット)、縦768ラインで構成されるLCDパネルで、XGAモード(1024×768)、SVGAモード(800×600)、VGAモード(640×480)を、複雑なデータ処理なしに表示することができる。・・・(中略)・・・8はHD4及びVD5を入力し、現在の表示モードがXGA、SVGA、VGAのどれに該当するかを判定するモード判別回路であり、例えばCPU、アプリケーションプログラムを書き込んだROM、データを格納するRAM等を一つのチップに収めた1チップMPUが用いられる。9はモード判別回路8が出力する選択信号、10はスタートゲートIC選択回路であり、モード判別回路8からの選択信号9にもとづいて、垂直ブランキング後最初にスキャンパルスを出力するゲート駆動ICを選択する。11はスタートソースIC選択回路であり、モード判別回路8からの選択信号9にもとづいて、第一列目の表示データをスタートするソース駆動ICを選択する。」(第3頁左欄第37行から右欄第17行)
(イ)「【0014】このように構成されたマトリックス液晶表示装置の動作について説明する。 初めに、図4を用いてモード判別回路8の判別動作の一例を説明する。先ずステップ101において、判別結果を格納するレジスタAを0とし、判別結果Aを初期化する。次にステップ102において垂直同期一周期期間中の水平同期信号の数をカウントする。ここで標準的なXGAモードの垂直同期周波数は60Hz、水平同期周波数は48.5KHz、SVGAモードでは垂直同期周波数は60Hz、水平同期周波数は37.5KHz、VGAモードでは垂直同期周波数は60Hz、水平同期周波数は31.5KHzである。したがって垂直同期一周期期間中の水平同期信号の数はXGA:808、SVGA:625、VGA:525となる。ここで、各表示モード毎に標準値に所定の想定誤差を勘案し、判定テーブルを予め用意し、設定しておく。
【0015】 次にステップ103で、カウント数がXGAの判定テーブル内か判断する。判定テーブル内であれば真となり、ステップ107へ移行し、レジスタAにXGAを意味する1を入れる。偽であればステップ104へ進み、SVGAの判定テーブル内か判断する。判定テーブル内であれば真となり、ステップ108へ移行し、レジスタAにSVGAを意味する2を入れる。偽であればステップ105へ進み、VGAの判定テーブル内か判断する。判定テーブル内であれば真となり、ステップ109へ移行し、レジスタAにVGAを意味する3を入れる。いずれのステップもステップ106へ進み、判定結果出力処理に進む。ここではレジスタAの値により、仮にA=0ならば判定未終了を意味し、出力処理を行わない。A=1、2、3ならば、図1の選択信号9にそれぞれのレジスタAの値に基づいた値を出力する。すなわち図2及び図3における9a、9b、9cの信号として、それぞれA=1の場合は“H”“L”“L”、A=2の場合は“L”“H”“L”、A=3の場合は“L”“L”“H”を出力する。」(第4頁左欄第8〜42行)
(ウ)「【0023】このようにして、XGA、SVGA、VGA各モードに応じて、第一行目、第一列目のデータを取り込むゲート駆動IC及びソース駆動ICを選択することにより、XGA(1024×768)表示装置において、SVGA、VGAなど低解像度の表示モード信号が入力しても、画面のほぼ中央に表示することができる。」(第5頁右欄第10〜15行)
(エ)また、図1には、マトリックス液晶表示装置の概略ブロック図が、図4には、モード判別回路の動作フローチャートが記載されている。

そして、マトリックス液晶表示装置はVGA,SVGA,XGAなどの表示モードの信号を表示するものであるから、供給される映像信号を表示する装置であることは明らかである。
また、上記記載事項(ア)(イ)(ウ)から、モード判別回路8は、垂直同期一周期期間中の水平同期信号の数をカウントしてXGA,SVGA,VGAのどのモードに該当するかを判別し、判別結果に応じてスタートゲートIC選択回路10によりゲート駆動IC2を、スタートソースIC選択回路11によりソース駆動IC3を選択して、画面のほぼ中央に表示すると共に、同期信号が供給されない場合はレジスタAの値は0のままであるから、同期信号が供給されていない間は、ゲート駆動IC及びソース駆動ICの選択は行わないものである。
以上をまとめると、刊行物1には、「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(マトリックス液晶表示装置)において、前記映像信号の同期信号が変更された場合には、前記映像信号の表示状態を調整する制御手段(モード判別回路8,スタートゲートIC選択回路10,スタートソース選択回路11)と、制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段(マトリックス表示部1)とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整は行わないようにした映像表示装置。」(刊行物1記載の発明1)、及び「供給される映像信号の表示状態を調整して表示する映像表示装置(マトリックス液晶表示装置)の表示調整方法において、前記映像信号の同期信号が変更された場合には、前記映像信号の表示状態を調整し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を行わないようにした映像表示装置の表示調整方法。」(刊行物1記載の発明2)が記載されていると認められる。

(2)刊行物2(特開平10-39838号公報、甲第2号証)
刊行物2には、次の記載がある。
(オ)「上記画像変化検出回路18、表示左位置検出記憶・制御回路19、表示右位置検出記憶・制御回路20及び水平同期周期検出・記憶・制御・モード検出回路25等の各検出回路の精度を高めるためには、計数用パルス信号発生回路26で、幅は狭く、周期の短いパルスを発生させるようにするべきであるが、計数回路の段数が多くなることやデバイスの性能上の制約、消費電力、コスト面で不利になるので、適当な幅、周期を設定する。この場合の計数用パルスは、サンプリング・クロック発生回路27で発生させる使用サンプリング・クロックの最高速の1〜1/2倍程度とする。従って、XGAまでを想定した場合、幅・周期共およそ15から30nsec程度のパルス列を生成する。」(第5頁右欄第6〜18行)
(カ)「以上は、通常の使用状態での画像信号及び同期信号から位置情報を得ようとしているが、意図的・積極的に、表示出力装置側のシステムの立ち上がり時期などにサンプリング・クロックの1/2の周波数に相当する画像信号を表示左位置から表示右位置まで連続的に出力し、これを液晶表示装置側で捕捉するようにすれば、初動段階で必要な情報がすべて得られることは明らかである。」(第4頁右欄第49行から第5頁左欄第6行)
そして、上記記載事項(オ)によれば、計数用パルスの周期は15から30nSであるから、周波数は33.3〜66.7MHzであり、同期信号の周波数よりも少なくとも10倍以上高い周波数の基準クロック信号を用いて水平同期周期を検出すること、が示唆されていると認められる。
また、上記記載事項(カ)によれば、電源が投入された場合に、映像表示装置の表示状態の調整を行うことが示唆されていると認められる。

(3)刊行物3(特開平9-114443号公報、甲第3号証)
刊行物3には、次の記載がある。
(キ)「CPU20の動作クロックの周波数は数十MHzであり、水平同期信号の周波数は数十kHz,垂直同期信号の周波数は数十Hzなので、ソフトウェア処理によって周波数決定部26の機能を実行し、これらの周波数を十分精度良く測定することが可能である。例えば、CPU20が一定周期でカウントアップを行ない、水平同期信号HSYNC1のエッジ(例えば立下りエッジ)の間のカウント数を求めるようにすれば、そのカウント数から水平同期信号HCYNC1の周波数を求めることができる。垂直同期信号VSYNC1についても同様である。」(第4頁右欄第43行から第5頁左欄第3行)
(ク)「なお、入力映像信号VPCの解像度を決定する際には、水平同期信号と垂直同期信号の周波数のみでなく、それらの期間幅HH ,HV や、インターレースの有無に基づいて決定するようにしてもよい。・・・(中略)・・・同期信号の周波数のみでなく、それらの期間幅HH ,HV や、インターレースの有無に基づいて入力同期信号の解像度を決定するようにすれば、解像度を決定する際の誤りを少なくすることができる。」(第5頁左欄第23〜33行)
そして、上記記載事項(キ)によれば、同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号を、同期信号の周期中に計数することにより同期信号の周波数を測定すること、が記載されていると認められる。
また、上記記載事項(ク)によれば、同期信号のインターレースの有無、即ち、同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無により同期信号の種類を検出すること、が記載されていると認められる。

(4)刊行物4(特開平1-200391号公報、甲第4号証)
刊行物4には、CRT(表示手段)を縦位置または横位置へ回転可能に構成し、位置変更が行われた場合には横方向の表示桁数を変更するようにした映像表示装置、が記載されていると認められる。

(5)刊行物5(特開平7-44125号公報、甲第5号証)
刊行物5には、映像データ信号と水平・垂直同期信号の相対位置ズレを検出し、ドットクロック数のカウント値、水平表示期間のカウント値を変更することにより、同期信号と映像信号の相対位置を常に映像が表示装置の表示有効エリアに収まるように補正するようにした液晶表示装置、が記載されていると認められる。

3-4.対比・判断
上記「2.訂正の適否についての判断」で示したように訂正により請求項1及び請求項5は削除されたので、訂正後の請求項1〜6(「本件発明1」〜「本件発明6」)が各刊行物記載の発明から容易であるかを検討する。
(1)本件発明1について
本件発明1と刊行物1記載の発明1とを対比すると、両者は「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、前記映像信号の同期信号が変更された場合には、前記映像信号の表示状態を調整する制御手段と、制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を行わないようにした映像表示装置。」である点では一致するが、刊行物1には、本件発明1の構成要件である、制御手段が「同期信号の変更を、同期信号の周期中に計数される、同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出し」、これにより表示状態の調整を開始することは記載も示唆もされていない。
また、上記刊行物2には、同期信号の周波数よりも少なくとも10倍以上高い周波数の基準クロック信号を用いて水平同期周期を検出することが示唆されており、上記刊行物3には、同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号を、同期信号の周期中に計数することにより同期信号の周波数を測定することが記載されているが、何れも同期信号の周波数や周期を測定するものであって、同期信号の変更を、同期信号の周期中に計数される基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出するものではない。
さらに、刊行物4及び刊行物5にも上記「3-3.刊行物記載の発明」にみられるように、本件発明1の構成要件である、「同期信号の変更を、同期信号の周期中に計数される、同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていない。
したがって、異議申立ての証拠である刊行物1乃至刊行物5にはその何れにも、本件発明1の構成要件である「同期信号の変更を、同期信号の周期中に計数される、同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていないから、刊行物1乃至刊行物5記載の発明をどのように組み合わせても、本件発明1が容易であるとすることはできない。

(2)本件発明2について
本件発明2と刊行物1記載の発明1とを対比すると、両者は「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、前記映像信号の同期信号が変更された場合には、前記映像信号の表示状態を調整する制御手段と、制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を行わないようにした映像表示装置。」である点では一致するが、刊行物1には、本件発明2の構成要件である、制御手段が「同期信号の変更を、前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出し」、これにより表示状態の調整を開始することは記載も示唆もされていない。
また、上記刊行物3には、同期信号のインターレースの有無、即ち、同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無により同期信号の種類を検出すること、が記載されているが、これは同期信号の種類を検出するものであって、同期信号の変更を、インターレースの有無が変化したことにより検出するものではない。
さらに、刊行物2及び刊行物4〜5にも上記「3-3.刊行物記載の発明」にみられるように、本件発明2の構成要件である、「同期信号の変更を、前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていない。
したがって、異議申立ての証拠である刊行物1乃至刊行物5にはその何れにも、本件発明2の構成要件である「同期信号の変更を、前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていないから、刊行物1乃至刊行物5記載の発明をどのように組み合わせても、本件発明2が容易であるとすることはできない。

(3)本件発明3について
本件発明3と刊行物1記載の発明1とを対比すると、両者は「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、前記映像信号の同期信号が変更された場合には、前記映像信号の表示状態を調整する制御手段と、制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を行わないようにした映像表示装置。」である点では一致するが、刊行物1には、本件発明3の構成要件である、制御手段が「同期信号の変更を、同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出し」、これにより表示状態の調整を開始することは記載も示唆もされていない。
また、上記刊行物5には、映像データ信号と水平・垂直同期信号の相対位置ズレを検出すること、が記載されているが、これは同期信号と映像信号の表示期間までの期間長を検出するものであって、同期信号の変更を、同期信号の立上り時点又は立下り時点から、映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出するものではない。
さらに、刊行物2〜4にも上記「3-3.刊行物記載の発明」にみられるように、本件発明3の構成要件である、「同期信号の変更を、同期信号の立上り時点又は立下り時点から、映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていない。
したがって、異議申立ての証拠である刊行物1乃至刊行物5にはその何れにも、本件発明3の構成要件である「同期信号の変更を、同期信号の立上り時点又は立下り時点から、映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出すること」は記載も示唆もされていないから、刊行物1乃至刊行物5記載の発明をどのように組み合わせても、本件発明3が容易であるとすることはできない。

(4)本件発明4乃至本件発明6について
本件発明4乃至本件発明6は、「映像表示装置」即ち「物の発明」として表された「本件発明1」乃至「本件発明を3」を、それぞれ、単に「映像表示装置の表示調整方法」即ち「方法の発明」として表現したものであるから、前記「(1)本件発明1について」乃至「(3)本件発明3について」で述べたと同様の理由で、本件発明4乃至本件発明6も刊行物1乃至刊行物5記載の発明から容易に発明をすることができたとすることはできない。

3-5.むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては請求項1〜6に係る本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項3】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。
【請求項5】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。
【請求項6】 供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部の信号源から供給された映像信号を最適状態で表示する、映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、外部の信号源から供給された映像信号を、その映像信号の画面上の走査領域や走査周波数等の各種要素に応じて、表示状態を最適調整して表示するようにした映像表示装置が存在する。
【0003】図5は従来例の映像表示装置2のブロック図である。
【0004】信号源1a,1bは、各映像信号Svと、これら映像信号Svの各水平,垂直同期信号Hsy,Vsyを出力する。
【0005】映像表示装置2は、クロック生成部3と、水平同期周期検出部4と、垂直同期周期検出部5と、姿勢切替スイッチ8と、制御部9と、A/D変換部10と、表示調整部11と、表示部12とを具備している。
【0006】クロック生成部3は、水平同期信号Hsy及び垂直同期信号Vsyの周波数及び位相を測定する為の基準となる、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyとそれぞれほぼ等しいか又はそれぞれ数倍程度の周波数である水平,垂直基準クロック信号φh,φvを出力する。
【0007】水平同期位相検出部4は、水平基準クロック信号φhの立上り時点又は立下り時点から水平同期信号Hsyの立上り時点又は立下り時点迄の位相差を検出し、この位相差に比例した水平位相信号Sphを出力する。
【0008】垂直同期位相検出部5は、垂直基準クロック信号φvの立上り時点又は立下り時点から垂直同期信号Vsyの立上り時点又は立下り時点迄の位相差を検出し、この位相差に比例した垂直位相信号Spvを出力する。
【0009】姿勢切替スイッチ8は、映像表示装置2の後述する筐体13の姿勢に応じて、操作者が手動操作で切り替えるスイッチである。
【0010】制御部9は、水平,垂直位相信号Sph,Spvに応じた最適なサンプリング周波数及び位相,表示形態を指示する、サンプリング制御信号Scs,表示制御信号Scdを出力する。
【0011】A/D変換部10は、サンプリング制御信号Scsに応じて内部のサンプリングクロック信号の周波数及び位相を調整し、映像信号SvをA/D変換し出力する。
【0012】表示調整部11は、表示制御信号Scdに応じてA/D変換部10の出力の走査領域,走査周波数等の各種要素を調整し、表示信号Sdpを出力する。
【0013】表示部12は、表示信号Sdpを映像として投写表示する。
【0014】図6(a)は図5の映像表示装置2の水平同期周期検出部4の波形図、図6(b)は図5の映像表示装置2の垂直同期周期検出部5の波形図である。
【0015】図6(a)のように水平同期位相検出部4では、水平基準クロック信号φhの立上り時点から、水平同期信号Hsyの立下り時点までの位相差が検出され、この位相差に比例した水平位相信号Sphが出力される。
【0016】同様に図6(b)のように垂直同期位相検出部5では、垂直基準クロック信号φvの立上り時点から、垂直同期信号Vsyの立下り時点までの位相差が検出され、この位相差に比例した垂直位相信号Spvが出力される。
【0017】これら水平,垂直基準クロック信号φh,φvの周波数は、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyとそれぞれほぼ等しいか又はそれぞれに対して数倍程度の周波数である。
【0018】制御部9は、この水平,垂直位相信号Sph,Spvに対応して、内部に予め設定されているサンプリング周波数,位相,表示形態のデータを読み出してメモリ9aへ設定し、これらのデータをサンプリング制御信号Scs,表示制御信号ScdとしてA/D変換部10,表示制御部11へ出力する。
【0019】A/D変換部10,表示調整部11で最適状態でサンプリングされ表示調整された映像信号Svは、表示部12から投写表示される。
【0020】ここで、信号源1aから信号源1bへ接続変更があると、水平,垂直同期位相検出部4,5の出力である水平,垂直位相信号Sph,Spvが変化する。
【0021】制御部9は、この水平,垂直位相信号Sph,Spvに対応して、内部に予め設定されている別のサンプリング周波数,位相,表示形態のデータを読み出してメモリ9aへ設定し、これらのデータをサンプリング制御信号Scs,表示制御信号ScdとしてA/D変換部10,表示制御部11へ出力し、同様に表示する。
【0022】又、図7(a)は図5の映像表示装置2の床置き姿勢時の全体斜視図、図7(b)は図7(a)の天吊り姿勢時の全体斜視図である。
【0023】映像表示装置12は、筐体13と、筐体13前面に設けられた投写レンズ14と、筐体13の底面に設けられたゴム足15とを具備している。
【0024】先程の処理とは独立して、図7(a),(b)のような筐体13の設置姿勢に合わせて、操作者が手動操作で姿勢切替スイッチ8を切り替えることにより、制御部9が表示信号Sdpのスキャン方向及びスキャン開始位置を表示部12の投写画面上で正反対となるよう表示制御信号Scdを出力し、映像の向きを常に正立させている。
【0025】このように、従来例の映像表示装置では、特定の判別条件を設けず、映像信号の周波数及び位相の検出結果から、映像信号の種別を直接判別していた。
【0026】又、同期信号とほぼ等しいかその数倍程度の基準クロック信号と、同期信号との位相差を検出することにより、映像信号の種別を判別していた。
【0027】更に、操作者の手動操作により、設置姿勢に対する映像の表示方向を切り替えていた。
【0028】尚、特開平9-261561号公報には、前記サンプリングクロック周波数及び位相を最適制御する技術が、特開平7-219486号公報には、映像信号の画面上における表示位置を最適調整する技術がそれぞれ開示されている。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の映像表示装置では、次のような問題点があった。
【0030】第1点は、映像信号Svの種別を判別する際に、特定の判別条件を設定せず、水平,垂直位相信号Sph,Spvの出力結果をそのまま用いて判別していたので、信号源1a,1bの電源投入時や、信号源1a,1bから一時的に水平,垂直同期信号Hsy,Vsyが供給されないような場合には、水平,垂直位相信号Sph,Spvが不安定となり、制御部9が異なる信号源1bに接続変更されたと誤判別し、不適当なサンプリング制御信号Scsや表示制御信号Scdが出力されて、投射映像が乱れる問題があった。
【0031】第2点は、メモリ9aに設定されたデータを操作者が手動操作で微調整したような場合、第1点の誤判別が起こるとこの調整されたデータがメモリ9aから消去されてしまい、操作者は再度手動操作で微調整しなければならない問題があった。
【0032】第3点は、信号源1aから信号源1bに接続変更されたことを、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyとほぼ等しいか又はその数倍程度の水平,垂直基準クロックφh,φvに対する水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの位相差から検出していただけであったので、信号源1a,1bが近接した同期周波数を持つ場合には、接続変更されたことを十分検出できない問題があった。
【0033】第4点は、筐体13を移動する度に地磁気の影響等により投写映像にコンバージェンスずれが生じるが、このコンバージェンスずれをなくす為の表示状態の再調整指示を操作者が手動操作で付与しなければならず、操作が煩雑な問題があった。
【0034】第5点は、筐体13の設置姿勢を変更する度に、操作者が映像の向きを手動操作で切り替えなければならず、操作が煩雑な問題があった。
【0035】ここにおいて本発明の目的は、特定の判別条件下でのみ映像信号の表示状態を自動的に再調整するようにした映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為、本発明は次に列挙する新規な特徴的手法及び手段を採用する。
【0037】本発明の映像表示装置の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始する制御手段(103〜109)と、制御手段(109)の調整結果に応じて、映像信号(Sv)を表示する表示手段(110〜112)とを具備し、制御手段(109)は、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、制御手段(103〜105,109)は、同期信号(Hsy,Vsy)の変更を、以下により検出する。▲1▼同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出する。▲2▼同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出する。▲3▼同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出する。
【0038】本発明の映像表示装置の表示調整方法の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,又は映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始し、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、同期信号(Hsy,Vsy)の変更は、以下により出される。▲1▼同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出される。▲2▼同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出される。▲3▼同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出される。
【0039】このような手法及び手段を採用したことにより、本発明の映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法では、特定の判別条件下でのみ映像信号の表示状態を自動的に再調整する。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の映像表示装置を説明する。
【0041】図1は本発明の実施の形態の映像表示装置102のブロック図である。
【0042】信号源1a,1bは、それぞれ互いに異なる種別の映像信号Sv及び水平,垂直同期信号Hsy,Vsyを出力する。
【0043】ここで映像信号Svの種別とは、映像信号Svの水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの周波数,インターレース走査の有無,水平,垂直の表示開始位置,表示終了位置、その他この映像信号Svの表示に関わる特性値の組み合わせを指すものとする。
【0044】映像表示装置102は、クロック生成部103と、水平同期周期検出部104と、垂直同期周期検出部105と、位相差検出部106aと、表示位置検出部106bと、移動センサ107と、姿勢センサ108と、制御部109と、A/D変換部110と、表示調整部111と、表示部112とから構成される。
【0045】クロック生成部103は、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの各周波数に対してそれぞれ少なくとも10倍以上の周波数の水平,垂直基準クロック信号φh,φvを生成出力する。
【0046】水平同期周期検出部104は、信号源1a,1bから水平同期信号Hsyが供給され、水平同期信号Hsyの立下り又は立上り時点から次の立下り又は立上り時点迄の水平基準クロック信号φhのパルス数を計数し、このパルス数を水平周期信号Schとして出力することにより、水平同期信号Hsyの周期Chを検出している。又、水平同期信号Hsyが供給されていない間は、水平周期信号Schは値=“0”を出力する。これは例えばカウンタ等を用いて実現でき、水平同期信号Hsyをリセット端子へ、水平基準クロック信号φhをクロック端子へ供給しカウンタ端子からこのパルス数を水平周期信号Schとして出力する等して実現される。
【0047】垂直同期周期検出部105は、信号源1a,1bから垂直同期信号Vsyが供給され、垂直同期信号Vsyの立下り又は立上り時点から次の立下り又は立上り時点迄の垂直基準クロック信号φvのパルス数を計数し、このパルス数を垂直周期信号Scvとして出力することにより、垂直同期信号Vsyの周期Cvを検出している。又、垂直同期信号Vsyが供給されていない間は、垂直周期信号Scv=“0”を出力する。これも水平同期検出部104と同様の構成で実現される。
【0048】位相差検出部106aは、信号源1a,1bから水平,垂直同期信号Hsy,Vsyが供給され、垂直同期信号Vsyの立上り又は立下り時点から水平同期信号Hsyの立上り又は立下り時点迄の期間長を検出し、この期間長に応じた位相差検出信号Spを出力する。
【0049】表示位置検出部106bは、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの立上り又は立下り時点から映像信号Svの表示期間の開始時点迄の期間長を、水平,垂直基準クロック信号φh,φvをそれぞれ計数して検出し、これら期間長に応じた水平表示開始位置信号Shs,垂直表示開始ライン位置信号Svsを出力する。
【0050】移動センサ107は、映像表示装置102の筐体113に取り付けられて当該筐体113の移動の有無を検出するセンサであり、筐体113の移動時に加わる衝撃や加速度を検出して移動検出信号Smを出力する。これは公知の圧電センサ,加速度センサ等が利用できる。
【0051】姿勢センサ108は、筐体113に取り付けられて当該取付面の向きを検出するセンサであり、映像表示装置102の姿勢に応じて姿勢検出信号Sppを出力する。これは公知の水銀スイッチ等が利用できる。
【0052】制御部109は、水平,垂直周期信号Sch,Scvと、位相差検出信号Spの周期的変化の有無と、水平表示開始位置信号Shsと、垂直表示開始ライン位置信号Svsとがそれぞれ示す値の組み合わせに対応するテーブルを、制御部109内部に予め設定された図示しない記憶領域から読み出してメモリ109aへ書き込み、このテーブルが示すA/D変換部110のサンプリング信号の周波数や位相,表示調整部111の走査周波数,走査開始位置等の各種パラメータを、サンプリング制御信号Scs及び表示調整信号Scdとして出力する。更に、水平,垂直周期信号Sch,Scvと、位相差検出信号Spの周期的変化の有無と、水平表示開始位置信号Shsと,垂直表示開始ライン位置信号Svsとがそれぞれ示す値の組み合わせが変化すると、制御部109内部に予め設定された図示しない記憶領域から別のテーブルを読み出してメモリ109aへ書き込むことにより、サンプリング制御信号Scs,表示制御信号Scdを変更する。
【0053】A/D変換部110は、信号源1a,1bの映像信号Svをサンプリング制御信号Scsに応じたサンプリング周波数及び位相でA/D変換し出力する。
【0054】表示調整部111は、A/D変換部110の出力信号を、表示調整信号Scdに応じて、画面上の走査周波数や走査開始位置等を最適状態に調整し、表示信号Sdpとして出力する。
【0055】表示部112は、表示信号Sdpを画面上に表示する。
【0056】次に、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの周期Ch,Cv、映像信号のインターレース走査の有無、映像信号Svの水平表示開始位置,垂直表示開始ラインの検出動作をそれぞれ説明する。
【0057】図2(a)は図1の映像表示装置102の水平同期周期検出部104の波形図、図2(b)は図1の映像表示装置102の垂直同期周期検出部105の波形図である。
【0058】水平同期信号Hsyの周期Chは次のように検出される。
【0059】図2(a)のように、水平同期信号Hsyの立下り時点から次の立下り時点迄の期間内にクロック発生部103から供給された、水平同期信号Hsyの約800倍の周波数を持つ水平基準クロック信号φhのパルス数を、水平同期周期検出部104で計数し、周期Chに比例するこのパルス数を水平周期信号Schとして出力して得ている。図2(a)ではこのパルス数は801パルスであることがわかる。
【0060】垂直同期信号Vsyの周期Cvは次のように検出される。
【0061】図2(b)のように、垂直同期信号Vsyの立下り時点から次の立下り時点迄の期間内にクロック発生部103から供給された、垂直同期信号Vsyの約700倍の周波数を持つ垂直基準クロック信号φvのパルス数を、垂直同期周期検出部105で計数し、周期Cvに比例するこのパルス数を垂直周期信号Scvとして得ている。図2(b)ではこのパルス数は701パルスであることがわかる。
【0062】映像信号Svのインターレース走査の有無は次のように検出される。
【0063】垂直同期信号Vsyの立上り又は立下り時点から水平同期信号Hsyの立上り又は立下り時点迄の期間長を、位相差検出部106aが検出し、この期間長に応じた位相差検出信号Spが出力され、制御部109は、この位相差検出信号が、映像信号Svの1フレーム毎に交互に変化する場合は映像信号Svがインターレース走査であると判別し、変化しない場合はノンインターレース走査であると判別する。
【0064】映像信号Svの画面左端からの表示開始位置、即ち水平表示開始位置は次のように検出される。
【0065】図2(a)のように、水平同期信号Hsyの立下り時点から映像信号Svの表示期間の開始時点迄の期間に供給された、水平基準クロック信号φhのパルス数を、表示位置検出部106bで計数し、このパルス数を水平表示開始位置信号Shsとして得ている。図2(a)ではこのパルス数は10パルスであることがわかる。
【0066】映像信号Svの画面上端からの表示開始位置、即ち垂直表示開始ラインは次のように検出される。
【0067】図2(b)のように、垂直同期信号Vsyの立下り時点から映像信号Svの表示期間の開始時点迄の期間に供給された、垂直基準クロック信号φvのパルス数を、表示位置検出部106bで計数し、このパルス数を垂直表示開始ライン位置信号Svsとして得ている。図2(b)ではこのパルス数は12パルスであることがわかる。
【0068】制御部109は、以上のそれぞれ検出されたデータ、即ち、(水平周期=801パルス,垂直周期=701パルス,インターレース走査,水平表示開始位置=画面左端から10ドット,垂直表示開始ライン=画面上端から12ライン)の組み合わせに対応する、制御部109内部の図示しない記憶領域に予め設定されたテーブルを読み出してメモリ109aへ書き込む。
【0069】このテーブルは、例えば(サンプリング周波数,サンプリング位相,水平走査周波数,垂直走査周波数,水平表示開始位置,垂直表示開始ライン)等の各種パラメータからなる。
【0070】このテーブルの各種パラメータは、水平同期信号Hsyの立下り時点で映像信号Svが常時サンプリングされるよう、即ち水平同期周波数と同一周波数かつ水平同期信号の立下り時点の位相でサンプリングされるように予め最適に選ばれたサンプリング周波数及び位相の各パラメータや、映像信号Svが表示部113の一定の表示領域内に正しい走査状態で表示されるよう、即ちこの水平表示開始位置,垂直表示開始ラインにより定義される表示領域内で、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyに同期して走査されるように予め最適に選ばれた水平,垂直走査周波数,水平表示開始位置,垂直表示開始ラインの各パラメータからなっている。
【0071】制御部109は、これらサンプリング周波数,サンプリング位相を示すパラメータを、サンプリング制御信号ScsとしてA/D変換部110へ供給する。
【0072】A/D変換部110は、このサンプリング制御信号Scsが示すサンプリング周波数及び位相の情報に基づいて、水平同期信号Hsyの立下り時点で映像信号Svが常時サンプリングされるよう、即ち水平同期周波数と同一周波数かつ水平同期信号の立下り時点の位相でサンプリングされるよう、サンプリングクロック信号の周波数及び位相を調整する。
【0073】同様に、制御部109は、これら水平走査周波数,垂直走査周波数,水平表示開始位置,垂直表示開始ラインを示すパラメータを表示制御信号Scdとして表示調整部111へ供給する。
【0074】表示調整部111は、この表示調整信号Scdが示す水平,垂直走査周波数,水平表示開始位置,垂直表示開始ラインの情報に基づいて、映像信号Svが表示部113の一定の表示領域内に正しい走査状態で表示されるよう、即ちこの水平表示開始位置,垂直表示開始ラインにより定義される表示領域内で、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyに同期して走査されるよう、映像信号Svの表示領域及び走査周波数を制御する。
【0075】もし、これら検出されたデータの組み合わせに対応するテーブルが制御部109内に予め設定されていなければ、制御部109内に予め設定されている別の複数のテーブルの各種パラメータから補間演算等により各種パラメータを算出し、メモリ109aへ設定する。
【0076】図3は図1の映像表示装置102の表示調整方法のフローチャートである。
【0077】映像表示装置102の電源を投入する(ステップS101)。
【0078】制御部109は、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyの周期Ch,Cvと、インターレース走査の有無と、映像信号Svの水平,垂直の表示開始位置とを検出し、先程の説明のように映像信号Svの表示調整を実行する(ステップS102)。
【0079】制御部109は、映像信号Svが供給されているか否か判別する(ステップS103)。供給されていれば次のステップS104へ進む。供給されていなければステップS103へ戻り映像信号Svが供給されるまで待機する。
【0080】制御部109は、水平,垂直周期信号Sch,Scvの変化を検出し、周期Ch,Cvの変更の有無を判別する(ステップS104)。変更があった場合はステップS102へ戻る。
【0081】変更がなかった場合は、筐体113が移動されたか否かを移動検出信号Sdmの有無から判別する(ステップS105)。移動された場合はステップS102へ戻り再度表示調整する。移動されなかった場合はステップS103へ戻る。
【0082】又、図4(a)は図1の映像表示装置102の床置き姿勢時の全体斜視図、図4(b)は図4(a)の天吊り姿勢時の全体斜視図である。
【0083】映像表示装置102は、筐体113と、筐体113前面に取り付けられた投写レンズ114と、筐体113底面に取り付けられたゴム足115とを具備している。
【0084】姿勢センサ108は、映像表示装置102の筐体113の姿勢を検出する。一例として、図4(a)の床置き姿勢では姿勢検出信号Spp=“0”を、図4(b)の天吊り姿勢では姿勢検出信号Spp=“1”を制御部109へ出力する。
【0085】制御部109は、姿勢検出信号Sppに応じて、映像信号Svの表示の向きを前述のフローチャートとは独立して制御する。一例として、姿勢検出信号Spp=“0”の場合はスキャン方向を画面左上から画面右下へ制御する表示調整信号Scdを、姿勢検出信号Spp=“1”の場合はスキャン方向を画面右下から画面左上へ制御する表示調整信号Scdを出力する。
【0086】このように、映像信号の表示状態の再調整が必要な場合である、電源が投入された場合と、供給される同期信号が変更された場合と、筐体の設置位置が変更された場合とにのみ、映像信号の表示状態の調整を自動的に開始するようにし、又、映像信号の表示状態の再調整をしてはならない、同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の種別の再調整を実行しないようにしているので、映像信号の種別を誤判別することがない。
【0087】更に、水平,垂直同期信号を検出する為の基準クロックを大幅に高めたので、信号源の接続変更の有無を高精度で検出できる。
【0088】又、インターレース/ノンインターレースの走査種別や、映像信号の表示開始位置の情報も併せて検出し、前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより、同期信号の変更を検出するので、一層高精度に信号源の接続変更の有無を検出できる。
【0089】尚、先の実施の形態では、水平同期信号Hsy及び垂直同期信号Vsyがそれぞれ独立して供給されているが、複合同期信号等の他の形態の同期信号であっても、信号源1a,1bから出力される複合同期信号を公知の同期分離回路等で同期分離処理して得た映像信号Sv,水平同期信号Hsy,垂直同期信号Vsyを、A/D変換部110,水平同期周期検出部104,垂直同期周期検出部105へそれぞれ供給すれば同様に処理できる。
【0090】又、水平,垂直同期信号Hsy,Vsyに対する映像信号Svの表示領域の開始時点をそれぞれ示す水平表示開始位置信号Shs,垂直表示開始ライン位置信号Svsを出力するようにしたが、これに代えて表示領域の終了時点をそれぞれ示す水平終了位置信号や垂直終了ライン位置信号等とし、同様に判別しても良い。
【0091】
【発明の効果】以上のような手法及び手段を採用したことにより、本発明の映像表示方法及び装置は、次のような効果を発揮する。
【0092】第1点は、映像の表示状態の再調整が必要な、電源の投入,同期信号の周波数の変更,筐体の移動の場合を自律的に判断し、それ以外の場合は再調整しないようにしているので、確実に表示調整できる利点がある。
【0093】第2点は、同期信号が供給されない場合には、映像信号の種別を再度判別しないようにしているので、操作者の手動操作による表示状態の微調整の結果が不用意に消去されない利点がある。
【0094】第3点は、基準クロック信号の周波数を高めたので、同期信号の周波数の検出精度が高まり、映像信号の種別を確実に判別できる利点がある。
【0095】第4点は、映像信号のインターレース/ノンインターレースの走査種別や水平,垂直方向の表示位置の情報も併せて検出するので、映像信号の種別の判別精度が一層向上する利点がある。
【0096】第5点は、映像表示装置の設置姿勢を変更した場合でも、姿勢に応じて表示映像の向きが自動的に切り替わり、操作者の切替操作が不要であるので、操作性が向上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の映像表示装置102のブロック図である。
【図2】(a)は図1の映像表示装置102の水平同期周期検出部104の波形図、(b)は図1の映像表示装置102の垂直同期周期検出部105の波形図である。
【図3】図1の映像表示装置102の表示調整方法のフローチャートである。
【図4】(a)は図1の映像表示装置102の床置き姿勢時の全体斜視図、(b)は(a)の天吊り姿勢時の全体斜視図である。
【図5】従来例の映像表示装置2のブロック図である。
【図6】(a)は図5の映像表示装置2の水平同期周期検出部4の波形図、(b)は図5の映像表示装置2の垂直同期周期検出部5の波形図である。
【図7】(a)は図5の映像表示装置2の床置き姿勢時の全体斜視図、(b)は(a)の天吊り姿勢時の全体斜視図である。
【符号の簡単な説明】
1a,1b 信号源
2,102 映像表示装置
3,103 クロック生成部
4 水平同期位相検出部
104 水平同期周期検出部
5 垂直同期位相検出部
105 垂直同期周期検出部
106a 位相差検出部
106b 表示位置検出部
107 移動センサ
8 姿勢切替スイッチ
108 姿勢センサ
9,109 制御部
9a,109a メモリ
10,110 A/D変換部
11,111 表示調整部
12,112 表示部
13,113 筐体
14,114 投写レンズ
15,115 ゴム足
 
訂正の要旨 訂正の要旨
ア.特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ.特許請求の範囲の請求項2を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項1とする。
ウ.特許請求の範囲の請求項3を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項2とする。
エ.特許請求の範囲の請求項4を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,又は前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始する制御手段と、
前記制御手段の調整結果に応じて、前記映像信号を表示する表示手段とを具備し、
前記制御手段は、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記制御手段は、前記同期信号の変更を、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出することを特徴とする映像表示装置。」と訂正し、新たな請求項3とする。
オ.特許請求の範囲の請求項5を削除する。
カ.特許請求の範囲の請求項6を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の周期中に計数される、前記同期信号の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号のパルス数が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項4とする。
キ.特許請求の範囲の請求項7を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号のうち垂直同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記同期信号のうち水平同期信号の立上り時点又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項5とする。
ク.特許請求の範囲の請求項8を「供給される映像信号の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置の表示調整方法において、
前記映像表示装置の電源が投入された場合,前記映像信号の同期信号が変更された場合,前記映像表示装置の筐体の設置位置が変更された場合には、前記映像信号の表示状態の調整を開始し、前記同期信号が供給されていない間は、前記映像信号の表示状態の調整を開始せず、
さらに、前記同期信号の変更は、
前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出されることを特徴とする映像表示装置の表示調整方法。」と訂正し、新たな請求項6とする。
ケ.発明の詳細な説明の段落【0037】を次のように訂正する。
「本発明の映像表示装置の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始する制御手段(103〜109)と、制御手段(109)の調整結果に応じて、映像信号(Sv)を表示する表示手段(110〜112)とを具備し、制御手段(109)は、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、制御手段(103〜105,109)は、同期信号(Hsy,Vsy)の変更を、以下により検出する。(1)同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出する。(2)同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出する。(3)同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出する。」
コ.発明の詳細な説明の段落【0038】を次のように訂正する。
「本発明の映像表示装置の表示調整方法の特徴は、供給される映像信号(図1のSv)の表示状態を最適調整して表示する映像表示装置(102)において、映像表示装置(102)の電源が投入された場合,映像信号(Sv)の同期信号(Hsy,Vsy)が変更された場合,又は映像表示装置(102)の筐体(113)の設置位置が変更された場合には、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始し、同期信号(Hsy,Vsy)が供給されていない間は、映像信号(Sv)の表示状態の調整を開始せず、さらに、同期信号(Hsy,Vsy)の変更は、以下により検出される。(1)同期信号(Hsy,Vsy)の周期中に計数される、同期信号(Hsy,Vsy)の周波数より少なくとも10倍以上高い周波数である基準クロック信号(φh,φv)のパルス数が変化したことにより検出される。(2)同期信号(Hsy,Vsy)のうち垂直同期信号(Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、同期信号(Hsy,Vsy)のうち水平同期信号(Hsy)の立上り又は立下り時点迄の期間長の周期変化の有無が変化したことにより検出される。(3)同期信号(Hsy,Vsy)の立上り時点又は立下り時点から、映像信号(Sv)の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより検出される。」
サ.発明の詳細な説明の段落【0088】を次のように訂正する。
「又、インターレース/ノンインターレースの走査種別や、映像信号の表示開始位置の情報も併せて検出し、前記同期信号の立上り時点又は立下り時点から、前記映像信号の表示期間の開始時点又は終了時点迄の期間長が変化したことにより、同期信号の変更を検出するので、一層高精度に信号源の接続変更の有無を検出できる。」
異議決定日 2002-03-20 
出願番号 特願平10-83693
審決分類 P 1 651・ 121- YA (G09G)
最終処分 維持  
特許庁審判長 西川 一
特許庁審判官 松尾 淳一
高橋 泰史
登録日 2000-12-08 
登録番号 特許第3138681号(P3138681)
権利者 エヌイーシービューテクノロジー株式会社
発明の名称 映像表示装置及び映像表示装置の表示調整方法  
代理人 京本 直樹  
代理人 河合 信明  
代理人 河合 信明  
代理人 福田 修一  
代理人 福田 修一  
代理人 京本 直樹  

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