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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01D
管理番号 1060631
審判番号 審判1999-13436  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-12-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-08-25 
確定日 2002-06-21 
事件の表示 平成6年特許願第126614号「農産物収穫機」拒絶査定に対する審判事件[平成7年12月19日出願公開、特開平7-327440]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成6年6月8日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成11年6月24日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(なお、平成11年8月25日付け手続補正書による補正は平成14年4月16日付けで却下の決定がなされ確定している)。
「【請求項1】走行機体に、圃場に植生している農産物の茎葉部Sを左右一対の無端帯により挟持して機体の走行と共に圃場から根茎部Cを引き抜いて収穫し、この収穫した農産物を、茎葉部Sを挟持した状態で機体の後方に向け揚上しながら搬送する収穫・搬送帯6を設けた収穫機1において、
上記収穫・搬送帯6の左右の無端帯の始端部に、無端帯の始端部の外径とほぼ同径の花形状の掻き込みホイール9を、無端帯の上方に無端帯の上面と所定の間隔A及び前後差Bを有して同軸に設けたことを特徴とする農産物収穫機。」(以下、「本願発明」という)

2.引用例
これに対して、原審の拒絶理由に引用した引用文献1(特開平2-131515号公報)には次の事項が記載されている。
a.「本発明は、生姜等の引抜装置に関するものである。」(1頁右下欄4〜5行)
b.「圃場に植生されている作物Sは茎桿がデバイダ68に案内されて・・・左右掻込ホイール52内に引入れられる。左右掻込ホイール52は前プーリ41の軸51に設けられ・・・挟んだ茎桿を左右引抜ベルト8A,8B間へ少量ずつ強制的に掻込んでいく。」(2頁右上欄16行〜左下欄6行)
c.「この引抜装置は、機体1を左右一対の走行装置2と・・・補助車輪3とで支持すると共に、・・・左右一対の無端状の引抜ベルト8を備えて成り、」(2頁左下欄19行〜右下欄5行)
d.「引抜ベルト8は圃場に植生する生姜等の作物Sの茎桿を左右両側から挟んで後方に搬送しながら圃場から引抜くためのものであって、・・・全体として後上がり状に若干傾斜して回動自在に設けられている。」(3頁左下欄1〜10行)
等が記載されている。
また、図面には、掻込ホイール52が左右引抜ベルト8A,8Bの始端部の外径より大径の花形状であり、左右引抜ベルト8A,8Bの上方に左右引抜ベルト8A,8Bの上面と所定の間隔及び前後差を有して同軸に設けられていることが明示されている。
これらの記載を対比のためにまとめると、生姜は茎桿即ち茎葉部と根茎部とからなる農産物であり、その引抜装置は農産物収穫機であるから、引用文献1には次の発明が記載されている。
「走行機体に、圃場に植生している農産物の茎葉部を左右一対の無端状の引抜ベルト8A,8Bにより挟持して機体の走行と共に圃場から根茎部を引き抜いて収穫し、この収穫した農産物を、茎葉部を挟持した状態で機体の後方に向け揚上しながら搬送する引抜ベルト8を設けた収穫機において、上記引抜ベルト8の左右の引抜ベルト8A,8Bの始端部に、引抜ベルト8A,8Bの始端部の外径より大径の花形状の掻込ホイール52を、引抜ベルト8A,8Bの上方に引抜ベルト8A,8Bの上面と所定の間隔及び前後差を有して同軸に設けたことを特徴とする農産物収穫機。」

3.対比
本願発明(前者)と上記引用文献1に記載された発明(後者)とを対比するに、後者の無端状の引抜ベルト8A,8Bと引抜ベルト8は、それぞれ、前者の無端帯、収穫・搬送帯に対応するから、両者は、「走行機体に、圃場に植生している農産物の茎葉部を左右一対の無端帯により挟持して機体の走行と共に圃場から根茎部を引き抜いて収穫し、この収穫した農産物を、茎葉部を挟持した状態で機体の後方に向け揚上しながら搬送する収穫・搬送帯を設けた収穫機において、上記収穫・搬送帯の左右の無端帯の始端部に、花形状の掻き込みホイールを、無端帯の上方に無端帯の上面と所定の間隔及び前後差を有して同軸に設けたことを特徴とする農産物収穫機。」である点で一致し、次の点で相違する。
<相違点>掻き込みホイールの径について、前者が無端帯の始端部の外径とほぼ同径であるのに対して、後者は無端帯の始端部の外径より大径である点。

4.当審の判断
相違点について検討するに、農産物収穫機において、茎桿を左右から挟持して搬送する無端帯の始端部に同軸に設ける花形状の掻き込みホイールの径を、無端帯の始端部の外径に近い径とすることは周知であり(例えば、特開昭58-76016号公報、特公昭34-3705号公報、実公昭34-4924号公報等参照)、引用文献1記載の発明においても、掻き込みホイールの径を無端帯の始端部の外径に近いものとすることは当業者が必要に応じて適宜なし得ることと認められる。
ところで、本願発明は、掻き込みホイールの径を無端帯の始端部の外径と「ほぼ同径」としているが、本願明細書には「ほぼ」の程度を具体的に示す記載はないところ、実施例を示す図面において、掻き込みホイールの径と無端帯の始端部の外径との大小関係を把握できる図2及び図3(a),(b)の記載からすると、該「ほぼ同径」は、掻き込みホイールの径として無端帯の始端部の外径に近いやや大きな径の範囲を含むものと認められる。
してみると、本願発明における上記「ほぼ同径」と周知技術における上記「近い径」との間には実質的な差異が認められないことから、相違点は当業者が必要に応じて適宜なし得た設計の変更と認められる。
そして、相違点に係る構成を備えた本願発明の作用効果も当業者が容易に予測できる程度のものである。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-04-16 
結審通知日 2002-04-26 
審決日 2002-05-10 
出願番号 特願平6-126614
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A01D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 昭次  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 渡部 葉子
小澤 和英
発明の名称 農産物収穫機  
代理人 小橋 信淳  

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