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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1060828
審判番号 審判1997-9891  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1995-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1997-06-16 
確定日 2002-07-04 
事件の表示 平成 5年特許願第510976号「視聴者参加のためのビデオイメージング方法及び装置」拒絶査定に対する審判事件[平成 5年 6月24日国際公開、WO93/12614、平成 7年 2月23日国内公表、特表平 7-501905]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯及び本願発明
本件審判請求に係る出願は、平成4年12月9日を出願日とする国際出願(優先日:1991年12月10日)であって、請求項1に係る発明は、平成6年9月9日付、平成8年10月3日付、平成9年6月16日付、及び平成13年11月21日付手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(以下「本願発明」という。)。
「視聴者をなす複数の人からデータを収集するための方法であって、
少なくとも2つの状態を有し、その中から1つの状態を示し得る放射線源を前記複数の人のそれぞれに備えさせる過程と、
前記放射線源のすべてを検出器により走査して、前記放射線源の全ての画像データを取得し、走査された各放射線源の状態を決定する走査過程と、
コンピュータを用いて、各視聴者の位置における前記各放射線源の状態の情報を前記画像データから自動的に抽出し、各位置ごとの状態を自動集計してデータとする抽出・集計過程とを有することを特徴とする方法。」

2.引用例
これに対して、当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願出願前の1981年(昭和56年)には日本国内においてよく知られていた公知の方法は次のものである。
毎年12月31日にNHKで実況放送される「NHK紅白歌合戦」において、紅白双方の組の出場歌手の歌う歌、パフォーマンス等に対して、10数名の審査員及び会場にいる視聴者の意見により、紅白の勝敗を決する際に、会場にいる視聴者の意見を収集する方法であって、予め、視聴者に表裏が紅白の色のプレートを渡し、視聴者は各自、優れていると思われる組の色を舞台側に提示し、舞台にいる日本野鳥の会の会員が、紅白毎に(会員各自が所持する)カウンターを押すことにより、紅白毎のプレートの数を集計する視聴者の意見収集方法。

3.対比・判断
本願発明(以下「前者」という。)と上記拒絶の理由に示した公知方法(以下「後者」という。)とを対比する。
後者の「表裏が紅白の色のプレート」は、その作用からみて、前者の「少なくとも2つの状態を有し、そのなかの1つの状態を示し得る放射線源」に相当することは明らかである。
又、後者において、日本野鳥の会の会員が紅白毎にカウンターを押すということは、会場に着席している全ての視聴者の提示するプレートの状態を見て、席ごと(位置ごと)の視聴者のプレートの状態(「紅白」の別)を認識した上でカウンターを押すものであり、それにより(ある位置の)プレートの状態(紅白の別)を決定していることに他ならない。同時に、「紅」担当の会員がカウンターを1回押すごとに、或る位置(例えば、第m列第n番の席の視聴者)のプレートの状態が「紅」であることを抽出し、各位置毎の状態(例えば「紅」)を集計していると言える。
してみると、両者は次の一致点、相違点を有するものと認められる。
【一致点】
視聴者をなす複数の人からデータを収集するための方法であって、
少なくとも2つの状態を有し、その中から1つの状態を示し得る放射線源を前記複数の人のそれぞれに備えさせる過程と、
放射線源のすべてについて、各放射線源の状態を決定する過程と、
各視聴者の位置における各放射線源の状態の情報を抽出し、各位置ごとの状態を集計してデータとする抽出・集計過程とを有することを特徴とする方法。
【相違点1】
各放射線源の状態を決定する過程において、前者では、検出器により走査して画像データを取得して決定するのに対して、後者では、野鳥の会の会員により決定する点。
【相違点2】
各位置ごとの放射線源の状態を抽出・集計する過程において、前者では、コンピュータにより、放射線源の状態の情報を画像データから自動的に抽出し集計するのに対して、後者では、野鳥の会の会員により放射線源の状態を抽出して集計する点。
上記相違点について検討する。
【相違点1について】
例えば、実開平3-74063号のマイクロフィルムに記載されるように「人間の視覚を通して得られるような情報を画像データとして工学的に読取り、電気信号に変換して解析及び判断処理され、出力が可能な状態で記憶手段に格納される画像処理装置」は周知の技術手段であるから、人間が目視により決定する代わりに、検出器により走査して画像データを取得して決定するようにした点は、当業者が容易に想到し得たことと認められる。
【相違点2について】
人間が目視により対象物を集計する代わりに、コンピュータにより(検出器により得た)画像データから対象物の情報を抽出し、集計することは、例えば、特開平2-230475号公報、特開平3-134777号公報等に記載されるように周知の技術手段であるから、上記公知の方法において、野鳥の会の会員が抽出・集計する代わりに、コンピュータにより抽出・集計するようにしたことは当業者が容易に想到し得たことと認められる。
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、上記公知の方法及び周知の技術手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
【作用効果について】
前者の奏する作用効果も、後者及び周知の技術手段の奏する作用効果から予測できる以上の格別のものとも認められない。
なお、請求人は、公知方法との効果の差異として、本願発明がコンピュータを用いたことにより迅速で正確な処理ができる旨主張するが、そもそも様々な分野においてコンピュータを導入するのは、迅速で正確な処理を目的とするものであり、人間が行ってきたことを、コンピュータが処理することにより上記の効果を奏することは当然のことであると認める。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、上記公知方法及び周知の技術手段に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-01-22 
結審通知日 2002-02-01 
審決日 2002-02-18 
出願番号 特願平5-510976
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和  
特許庁審判長 佐藤 荘助
特許庁審判官 岡 千代子
村上 友幸
発明の名称 視聴者参加のためのビデオイメージング方法及び装置  
代理人 大島 陽一  
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