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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 E04G
管理番号 1060947
審判番号 不服2001-21614  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-07-19 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-30 
確定日 2002-07-27 
事件の表示 平成4年特許願第270706号「コンクリート等の表面処理方法」拒絶査定に対する審判事件〔平成6年7月19日出願公開、特開平6-200637、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成4年8月28日の出願であって、その請求項1,2に係る発明(以下、「本願各発明」という。)は、平成13年11月14日付手続補正書により適法に補正された明細書、及び、図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1,2に記載された次のとおりのものと認める。
「【請求項1】コンクリート又はセメントモルタル等の硬化表面に生じた凹孔又はクラック部分に未硬化のコンクリート、セメントモルタル、石膏プラスター、レジンコンクリート、合成樹脂塗料等の充填材を塗布、充填するにあたり、該硬化表面に密着性熱溶融性合成樹脂薄膜を貼り付け、又は形成し、続いて当該薄膜外面側からその融点以上の温度で加熱し、実質的に前記凹孔又はクラック部分の薄膜にのみ貫通孔を生じせしめたのち、該薄膜の少なくとも貫通孔の部分に前記充填材を塗布、充填し、前記硬化表面にあわせてほぼ平滑に均した後、該薄膜を剥離し去るコンクリート又はセメントモルタル等の表面処理方法において、前記薄膜剥離後、少なくとも前記途布、充填した未硬化部分表面に、表面平滑な剥離材を当て、その背面から押圧して該塗布、充填した未硬化部分全表面に剥離材を接触せしめて放置、硬化せしめて後、該剥離材を剥離除去することを特徴とするコンクリート又はセメントモルタル等の表面処理方法。
【請求項2】未硬化のコンクリート、セメントモルタル、石膏プラスター、レジンコンクリート、合成樹脂塗料等の充填材として、その乾燥硬化後には周囲の既硬化部分の表面色に可及的に近い表面色となるように配合調整したものを用いることを特徴とする請求項1記載のコンクリート又はセメントモルタル等の表面処理方法。」

一方、原審における拒絶理由通知で提示された刊行物1〜3には、本願各発明の構成である「薄膜剥離後、少なくとも途布、充填した未硬化部分表面に、表面平滑な剥離材を当て、その背面から押圧して該塗布、充填した未硬化部分全表面に剥離材を接触せしめて放置、硬化せしめて後、該剥離材を剥離除去する」点(以下、「本願特徴構成」という。)について何等記載されていないし、示唆もない。
そして、本願は、上記本願特徴構成により、「充填塗布された部分を外観的に目立たなくすることができる」という明細書記載の作用効果を奏するものである。

刊行物1(特開昭64-39454号公報)には、本願各発明の前提となる構成、すなわち、上記請求項1の「……表面処理方法において」までの構成が記載されているだけであり、刊行物2(特開昭62-78361号公報)には、上記請求項2に記載された「表面色」に関する発明が記載されているだけであり、刊行物3(特開昭63-284360号公報)には、表面仕上げ施工法について記載されており、表面仕上げ材を塗布した塗布施工層をプラスチックフィルムで覆い、その上をコテ押さえすることにより平滑な仕上げ面を形成することが記載されているだけであり、これら刊行物には、塗布充填した部分とその周囲の硬化表面との境界を目立たなくする、という本願各発明の課題を示唆する記載や、その課題を解決する手段としての本願特徴構成を示唆する記載は、何等認められない。

したがって、本願各発明は、上記各刊行物記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-07-04 
出願番号 特願平4-270706
審決分類 P 1 8・ 121- WY (E04G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 古屋野 浩志  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 鈴木 公子
山口 由木
発明の名称 コンクリート等の表面処理方法  

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