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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A61K
管理番号 1061009
異議申立番号 異議2000-74670  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-08-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-12-27 
確定日 2002-02-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3065375号「メーキャップ化粧料」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3065375号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3065375号発明は、平成3年3月28日(優先権主張平成2年3月30日)特許出願されたものであって、平成12年5月12日にその特許権の設定登録がなされ、その後、戸高美昭、エンゲルハード・コーポレーション及びメルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングより特許異議申立がなされ、当審より平成13年4月9日付け取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年6月25日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(a)訂正の内容
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の
「 油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、ルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。」を
「 油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。」と訂正する。
訂正事項b
願書に添付された明細書(以下、特許明細書という。)の【0005】の
「 すなわち本発明は、油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、ルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とする。」を
「すなわち本発明は、油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とする。」と訂正する。
訂正事項c
特許明細書の【0008】の
「ルチル型パール剤の配合量は本発明のメーキャップ化粧料全量中0.5〜80重量%である。」を
「ルチル型パール剤の配合量は本発明のメーキャップ化粧料全量中20〜80重量%である。」と訂正する。
訂正事項d
特許明細書の【0009】の
「本発明の効果をより発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、好ましくは30重量%以上である。」を
「本発明の効果を発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、好ましくは30重量%以上である。」と訂正する。
訂正事項e
特許明細書の【0032】〜【0037】の、
「実施例4 乳化ファンデーション…」〜「…良好なものであった。」を削除する。

(b)訂正の目的の適否、拡張・変更の存否、及び新規事項の追加の有無
上記訂正事項aは、訂正前の請求項1に記載されていたルチル型二酸化チタン被覆雲母の含有量を化粧品全量中20重量%以上と限定するものであり、特許明細書【0009】の「本発明の効果をより発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、…」と記載されていた事項であるから、特許明細書に記載した事項の範囲内であって、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
訂正事項b〜eは、特許請求の範囲の訂正に伴って発明の詳細な説明を整合させるものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
そして、これらは、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
以上のとおりであるから、上記訂正請求は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2〜3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議申立についての判断
イ、本件特許発明
本件請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)は、訂正された特許明細書の記載からみて、特許請求の範囲に記載されたとおりの
「油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。」
と認められる。

ロ、当審の取消理由における引用刊行物の記載
特開昭62-16408号公報(以下、引用例1という。)には、次の事項が記載されている。
(i)製造例1として、「二酸化チタン被覆マイカを、マイカ40gを20容量%のエタノール水溶液800mlに分散させ、該分散液を1l入り4口フラスコに入れ、プロペラ攪拌しながら2モルの硫酸チタニル水溶液27.5mlを加え90℃に加熱し4時間加熱攪拌した。放冷後水洗濾過し、100℃で乾燥後粉砕して二酸化チタン被覆マイカを44g得た。」こと。(2頁右下欄〜3頁左上欄)
(ii)実施例4にブラッシャーの処方として
(1) タルク 12.5%
(2) カオリン 9.0%
(3) 群青 0.1%
(4) 赤色226号 0.4%
(5) 雲母チタンパール剤 3.0%
(6) 製造例1の二酸化チタン被覆マイカ 66.0%
(7) 製造例2の赤色酸化鉄被覆マイカ 0.5%
(8) 製造例4の二酸化チタンと黄色酸化鉄被覆マイカ 0.2%
(9) スクワラン 3.0%
(10)イソプロピルミリステート 5.0%
(11)防腐剤 0.3%
(12)香料 適量

米国特許第4,038,099号明細書(以下、引用例2という。)には、次の事項が記載されている。
(iii)本発明によれば、雲母粒子の基体上に形成された二酸化チタン層が基本的にルチルからなる改良された二酸化チタン被覆真珠様雲母顔料が提供されることが見出された。また、ルチルで被覆した真珠様顔料は、アナターゼ又はアナターゼ・ルチル被覆雲母顔料よりも光安定性において顕著に優れていることが見出された。また、ルチル被覆雲母顔料は後者の顔料に比べ改良された光沢および化学安定性を有する。更に、ルチル被覆は無毒性物質によって形成されているから、その製品は化粧料に使用するのに適している。(2欄10〜22行)
(iv)硫酸チタン水溶液及び続いての900℃での72時間のか焼から雲母上に析出したTiO2は、まだTiO2のアナターゼ型を示す。…雲母粒子が水性の酸性スズ化合物を含有する被覆浴で処理され、次いでか焼される場合には、強く付着し、ひび割れがなく、かつ剥離のない雲母上のルチル型の被覆が製造されることが見出された。TiO2の析出の前の前処理において、例えばスズ化合物溶液を用いる場合は、X線回折粉体図形法により示されるように約650℃と同程度に低い温度でのか焼でも析出された非晶質の被覆を高度に結晶形のルチルへと転化する。(3欄39〜57行)
(v)実施例4B スズ化合物前処理を行う、雲母へTiO2-被覆
実施例4Aと同様の方法によって行った。ただし、今回は最初の雲母分散水中に、1.8gのSnCl4・5H2Oと1.0gの濃HClを添加した。55℃に達したとき、スラリーを15分間、55℃に保った後、再び加熱した。70℃になったとき、実施例4Aと同様に硫酸チタン溶液を添加した。スラリーを60分間還流した後、実施例4Aと同様に処理した。最終生成物は青い光沢を有していた。この実施例では白雲母上にルチル被覆した最終生成物を得た。光安定性試験は、フェード-Oメーターでの100時間照射によっても変色しないことを示した。(9欄10〜25行)
(vi)光沢のあるクリーム状アイシャドウ製品
実施例4Bで得られた青い光沢の製品をクリームアイシャドウベースに添加した。使用したルチル被覆雲母は3.0g、クリーム状アイシャドウベースは17.0gであり、このベースは次の組成を有する。
A部:ステアリン酸 16.0%
ペトロラタム 25.0
ラノリン 5.0
B部:プロピレングリコール 5.0
トリエタノールアミン 4.0
メチル p-ヒドロキシ安息香酸 0.2
水 44.4
C部:香料 0.4
A部とB部をそれぞれ70℃まで加熱し、B部を攪拌しつつA部に混入させた。温度が40℃まで低下した時点で、攪拌しながらC部を添加した。
皮膚に塗布すると、この光沢のあるアイシャドウ製品は光沢効果とともに、玉虫色の青いハイライトを有していた。(11欄51行〜12欄6行)

ハ 対比・判断
ルチル型二酸化チタン被覆雲母を製造するためには、雲母の被覆浴(懸濁液)にスズ化合物を含有させることが必須である((iv)及び(v)参照)が、引用例1における製造例1の二酸化チタン被覆マイカ(雲母)は、雲母の分散液がスズ化合物を含有するもの((i)参照)でないので、アナターゼ型二酸化チタン被覆雲母と認められる。このことから、引用例1には、着色剤として群青、赤色226号等、製造例1の二酸化チタン被覆マイカ、すなわち、アナターゼ型二酸化チタン被覆雲母を66重量%、及び油分としてスクワラン、イソプロピルミリステートを含むブラッシャー((ii)参照)、すなわちメーキャップ化粧料が記載されているものと認められる。
本件発明と、引用例1に記載のブラッシャーとを対比すると、両者は、油分、着色料、及び、化粧料全量中20重量%以上の二酸化チタン被覆雲母を含むメーキャップ化粧料である点で一致し、前者は二酸化チタン被覆雲母がルチル型であるのに対し、後者はアナターゼ型である点で相違する。
そこで、この相違点について検討する。
引用例2には、ルチル型二酸化チタン被覆雲母顔料はアナターゼ又はアナターゼ・ルチル型のものより光安定性に優れ、光沢及び化学安定性を有し、化粧料に用いることに適していること((iii)参照)、及びメーキャップ化粧料であることが明らかであるアイシャドウにルチル型TiO2被覆雲母を配合すること((vi)参照)が記載されている。これは、メーキャップ化粧料において、アナターゼ型二酸化チタン被覆顔料をルチル型のものに代えると光安定性、光沢及び化学安定性においてより優れた効果を奏することを示すものと認められる。
そうすると、化粧料の技術分野では、製品の安定性を求められることは通常であるから、引用例1に記載のメーキャップ化粧料において、アナターゼ型二酸化チタン被覆雲母に代えて、化粧料への配合成分として光安定性及び化学安定性に優れている引用例2に記載のルチル型二酸化チタン被覆雲母を適用することは当業者ならば容易に想到しうるものと認められる。そして、引用例2に上記効果が記載されているので、本件明細書に記載の効果は格別顕著なものとは認められない。
なお、特許権者は、特許異議意見書において、油分と着色料とともにアナターゼ型二酸化チタン雲母を10%程度配合した化粧料では、パール剤外観がやや黄色く変色するものの、基剤外観は変化しないから、パール外観及び基剤外観が変化しないルチル型のものと同程度の光安定性であるが、20%以上配合するとアナターゼ型では基剤外観に変色がみられるとの試験結果を提出し、引用例2には、アナターゼ型二酸化チタン被覆雲母による化粧料中の油分、着色料に与える悪影響について全く認識されてない旨主張している。
確かに、引用例2の光安定性、光沢、及び化学安定性についての効果はルチル型二酸化チタン被覆雲母自体のものであるが、ルチル型のものがアナターゼ型のものより化学的安定性が向上している以上、これを化粧料に配合すれば、化粧料中の他のどの成分に影響を与えるかという認識の有無に拘わらず、当業者ならばアナターゼ型のものを配合した化粧料よりルチル型を配合した化粧料の方が化粧料全体としての安定性に良い影響があると認識するものと認められる。してみると、ルチル型二酸化チタン被覆雲母を化粧料に配合することに何らの阻害要因があるものではないから、上記発明者の認識によってルチル型のものを配合することが困難であるとは認められない。
したがって、特許権者の上記主張は採用できない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件特許が特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認められる。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
メーキャップ化粧料
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ルチル型二酸化チタンで被覆した雲母を含有してなる、優れた光沢をもち、耐光性、温度安定性の良好なメーキャップ化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】ファンデーション、アイシャドー,ほほ紅,白粉,口紅などのメーキャップ化粧料は通常、粉末、油分、水、ワックスよりなる。粉末部はタルク、マイカ、カオリンなどの体質顔料に有色顔料や白色顔料、パール剤を混合して使用される。パール剤は微細な薄片状雲母の表面に二酸化チタンを被覆したもので、真珠光沢を有し、化粧料に光沢を付与し、仕上りを美しくする目的で配合される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のパール剤はアナターゼ型二酸化チタンを被覆した雲母で、このものを配合した化粧料は、光を照射した時に色のくすみが生じたり、高温に放置すると化粧料中の他の成分と相互作用を起こして匂いが劣化するなどの欠点があった。また、輝度についても更に向上させることが望まれていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討した結果、ルチル型二酸化チタンで被覆した雲母を含有することによって従来のパール剤のもつ上述したような欠点をなくし、且つパール光沢にも優れたメーキャップ化粧料を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とする。
【0006】本発明で用いるルチル型二酸化チタンで被覆した雲母(以下、ルチル型パール剤と略する)は、雲母としては解砕して薄片板状にした白雲母(大きさ約5〜10μm,厚さ約0.05〜1.0μm程度のもの)、黒雲母、金雲母、合成雲母(大きさ約0.1〜150μm、厚さ約0.05〜50μm程度のもの)等が用いられる。また、酸化チタンを被覆する工程の例を以下に示す。
【0007】まず、被覆されるべき雲母の水性懸濁液を調整する。これに水溶性スズ塩(塩化第1スズなど)を溶解し、硫酸等の酸を加えて加熱加水分解して含水酸化スズを沈積させる。(含水酸化スズは二酸化チタンの核形成剤及びルチル化剤として作用する。)これに四塩化チタン(TiCl4)及び苛性アルカリ(KOHなど)を添加し、反応により生成した水酸化チタン(Ti(OH)4)を雲母表面に付着させる。あるいは硫酸チタニル(TiOSO4)水溶液を添加し、これを加熱加水分解することによって二酸化チタンを雲母表面に沈積・付着させる。これを濾過、乾燥し、焼成することによって得られる。酸化チタンの被覆量は、約10〜70重量%であり、商品としてはイリオジン(Merk社製)、フラメンコスーパーレッド(Mearl社製)等がある。
【0008】ルチル型パール剤の配合量は本発明のメーキャップ化粧料全量中20〜80重量%である。
【0009】本発明の効果を発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、好ましくは30重量%以上である。
【0010】本発明のメーキャップ化粧料は、皮膚に使用され、その保護及び化粧を目的とする全てを含み必要に応じて、各種オイル、界面活性剤、粉末、水溶性高分子、防腐剤、薬剤、色素、香料、保湿剤、水等の一般に化粧品に配合される原料を配合することができる。
【0011】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。本発明はこれにより限定されるものではない。配合量は重量%である。実施例に先立ち、各配合サンプルを評価する際に用いた試験方法について説明する。
【0012】パール光沢感の評価各サンプルを中皿に成型したときの外観及びそれを皮膚に塗布したときのパール光沢感を目視により判定し、評価した。
◎ 非常にパール光沢感がある。
○ パール光沢感がある。
× パール光沢感がない。
【0013】また、各サンプルを両面テープに塗布し、測色して評価した。測色機器は村上色彩研究所製変角分光測色システムGCMS-3を用い、正反射角(45°)におけるL値及び(a2+b2)1/2値(彩度に対応)を評価した。
【0014】耐光性各サンプルを中皿に成型し、耐光性試験*を実施した後、その退色度合いを目視により判定し、評価した。(Xeランプ照射、50℃ 30時間)
○ ほとんど退色しない。
△ やや退色する。
× かなり退色する。
また、測色機により照射前後のΔEを測定した。
【0015】温度安定性各サンプルを中皿に成型し、50℃恒温槽内に保存し、2ケ月後のパール光沢感、色調の変化を目視により判定し、評価した。
◎ パール光沢感の劣化、くすみ、退色が全くない。
○ パール光沢感の劣化、くすみ、退色がほとんどない。
△ パール光沢感の劣化、くすみ、退色がやや認められる。
× パール光沢感の劣化、くすみ、退色が顕著に認められる。
【0016】実施例1 パウダーアイシャドー(1)
(1)マイカ 10
(2)タルク 49
(3)赤色226号 1
(4)ルチル型パール剤 30
(5)シリコーンオイル 2
(6)流動パラフィン 8
(7)防腐剤 適量
(8)香料 適量
【0017】(製法)(1)〜(4)を攪拌混合し、これに(5)〜(8)を加熱溶解混合したものを添加し混合粉砕する。これを中皿に成型してパウダーアイシャドーを得た。
【0018】比較例1 パウダーアイシャドー(1)
(1)マイカ 10
(2)タルク 49
(3)赤色226号 1
(4)アナターゼ型パール剤 30
(5)シリコーンオイル 2
(6)流動パラフィン 8
(7)防腐剤 適量
(8)香料 適量
*アナターゼ型パール剤:アナターゼ型チタンを被覆した雲母
【0019】(製法)実施例1に同じ。
【0020】実施例1及び比較例1について、パール光沢感、耐光性、温度安定性を比較した。
【0021】
【表1】


【0022】上記表1から明らかなように、本発明の化粧料は優れたパール光沢感を有し、耐光性、温度安定性も良好である。
【0023】実施例2 パウダーアイシャドー(2)
(1)マイカ 4.5
(2)赤色226号 0.5
(3)ルチル型パール剤 80
(4)ワセリン 10
(5)流動パラフィン 5
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
【0024】(製法)(1)〜(3)を撹拌混合し、これに(4)〜(7)を加熱溶解混合したものを添加し混合粉砕する。これにアルコールを適量添加してスラリー状にしたものを中皿に充填した後、乾燥してアルコールを揮散しパウダーアイシャドーを得た。
【0025】比較例2 パウダーアイシャドー(2)
(1)マイカ 4.5
(2)赤色226号 0.5
(3)アナターゼ型パール剤 80
(4)ワセリン 10
(5)流動パラフィン 5
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
【0026】(製法)実施例2に同じ
【0027】実施例2および比較例2について、パール光沢感、耐光性、温度安定性を比較した。
【0028】
【表2】

【0029】上記表2から明らかなように、本発明の化粧料は優れたパール光沢感を有し、耐光性、温度安定性も良好である。
【0030】実施例3 油性スティックアイシャドー
(1)ルチル型パール剤 20
(2)タルク 35
(3)赤色226号 2
(4)群青 3
(5)流動パラフィン 25
(6)イソプロピルミリステート 8
(7)ソルビタンセスキオレート 1
(8)セレシン 6
(9)酸化防止剤 適量
(10)香料 〃
【0031】(製法)(5)〜(7)を混合し、これに(1)〜(4)を添加し、約80℃で加熱しながらよく分散する。これに加熱溶解した(8)及び(9)(10)を添加し撹拌混合した後、冷却する。こうして得られた油性スティックアイシャドーは、パール光沢感に優れ、耐光性、温度安定性の良好な油性スティックアイシャドーであった。
【0032】
【発明の効果】本発明のメーキャップ化粧料は、優れた光沢を有し、光を照射してもくすみを生じることがなく、温度安定性も良好なものである。
 
訂正の要旨 訂正事項a
特許請求の範囲の減縮を目的として、特許請求の範囲の請求項1の
「 油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、ルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。」を
「 油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とするメーキャップ化粧料。」と訂正するものである。
訂正事項b
明りようでない記載の釈明を目的として、願書に添付された明細書(以下、特許明細書という。)の【0005】の
「 すなわち本発明は、油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、ルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とする。」を
「すなわち本発明は、油分及び着色料を含むメーキャップ化粧料において、化粧料全量中20重量%以上のルチル型二酸化チタン被覆雲母を含むことを特徴とする。」と訂正するものである。
訂正事項c
明りようでない記載の釈明を目的として、特許明細書の【0008】の
「ルチル型パール剤の配合量は本発明のメーキャップ化粧料全量中0.5〜80重量%である。」を
「ルチル型パール剤の配合量は本発明のメーキャップ化粧料全量中20〜80重量%である。」と訂正するものである。
訂正事項d
明りようでない記載の釈明を目的として、特許明細書の【0009】の
「本発明の効果をより発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、好ましくは30重量%以上である。」を
「本発明の効果を発揮させるためには、20重量%以上が必要であり、好ましくは30重量%以上である。」と訂正するものである。
訂正事項e
明りようでない記載の釈明を目的として、特許明細書の【0032】〜【0037】の、
「実施例4 乳化ファンデーション…」〜「…良好なものであった。」を削除するものである。
異議決定日 2001-12-18 
出願番号 特願平3-89909
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A61K)
最終処分 取消  
前審関与審査官 竹林 則幸塚中 直子  
特許庁審判長 宮本 和子
特許庁審判官 横尾 俊一
深津 弘
登録日 2000-05-12 
登録番号 特許第3065375号(P3065375)
権利者 株式会社資生堂
発明の名称 メーキャップ化粧料  
代理人 岩橋 祐司  
代理人 江角 洋治  
代理人 小田島 平吉  
代理人 岩橋 祐司  
代理人 深浦 秀夫  
代理人 葛和 清司  

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