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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  E04B
管理番号 1061019
異議申立番号 異議2001-72044  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-11-16 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-07-27 
確定日 2002-04-15 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3129418号「建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切り」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3129418号の請求項1および2に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3129418号に係る出願は、平成10年2月6日に出願した意願平10-3331号を特許法第46条第1項の規定により平成11年3月16日に特許出願に変更したものであって、平成12年11月17日に特許権の設定登録がなされ、その後、関根欣一から特許異議の申立がなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成13年12月17日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の要旨
訂正事項a:特許請求の範囲の請求項1の記載を、次のように訂正する。
【請求項1】 間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠であって、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなる建物用間仕切りパネル間連結枠。
訂正事項b:特許請求の範囲の請求項2の記載を、次のように訂正する。
【請求項2】 間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠(1a,1b)を用いた建物用間仕切りであって、前記建物用間仕切りパネル間連結枠は、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなり、一対の連結枠(1a,1b)それぞれにおける1つの凹部(2,2)にパネル(21,22)の端部を嵌合させ、これら一対の連結枠(1a,1b)を凹部平面(2a,3a)同士で接当させてある建物用間仕切り。
訂正事項c:特許請求の範囲の請求項3を、削除する。
訂正事項d:明細書の段落【0004】の記載を、次のように訂正する。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物用間仕切りパネル間連結枠の特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられるものであって、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなることにある。
訂正事項e:明細書の段落【0005】の記載を、次のように訂正する。
加えて、本発明に係る建物用間仕切りの特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠を用いた建物用間仕切りであって、前記建物用間仕切りパネル間連結枠は、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなり、一対の連結枠それぞれにおける1つの凹部にパネルの端部を嵌合させ、これら一対の連結枠を凹部平面同士で接当させたことにある。
訂正事項f:明細書の段落【0001】の記載を、次のように訂正する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、間仕切りパネルを形成する石膏ボード等の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りに関する。

3.訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項a〜cに係る訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、一対の凹部(2,3)のいずれか一方が使用される場合と、双方を同時使用される場合を含みうる構成を、いずれか一方が使用される場合のみに明りょうにした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
また、訂正事項d,eに係る訂正は、訂正事項a〜cに関連してなされた明りょうでない記載の釈明に該当し、訂正事項fに係る訂正は、明りょうでない記載の釈明に該当し、いずれも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び第3項で準用する特許法第126条第2項および第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

4.異議の申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
申立人関根欣一は、証拠として甲第1号証(実公平8-9293号公報)、甲第2号証(日本建築学会「せっこうボードドライウォール設計・施工指針(案)・同解説」 1995.12.1 社団法人日本建築学会 p.7、8、51)、甲第3号証(「建築設計施工詳細図集」 昭和52年11月10日 トータルアート出版株式会社 p.130、131)、甲第4号証(実公昭56-55375号公報)、甲第5号証(実公昭52-31138号公報)、甲第6号証(実願昭46-82134号(実開昭48-37913号)のマイクロフィルム)、甲第7号証(特開平9-242224号公報)、甲第8号証(「建築の技術 施工」1986No.246 昭和61年5月1日 株式会社彰国社 p.98〜105)を提出して、本件請求項1及び本件請求項3に係る特許発明は、甲第1号証又は甲第4号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、また、本件請求項1に係る特許発明は、甲第2号証に記載された発明と甲第1号証及び甲第4号証の他甲第5号証、また、甲第1号証及び甲第4号証の他甲第6,7号証に開示される如き慣用的手段の寄せ集めにすぎないから、また、本件請求項2に係る特許発明は、甲第1号証又は甲第4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許を受けることができないものであり、本件の特許を取り消すべきであると主張している。

(2)本件訂正後発明
本件訂正明細書の請求項1及び2に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものである(以下、「訂正後発明1」及び「訂正後発明2」という。)。(上記2.訂正の要旨の訂正事項a、b参照。)

(3)特許法第29条第1項第3号及び同法第29条第2項に関して
(3-1)引用刊行物に記載の発明
甲第1号証記載の発明
甲第1号証には、第2頁左欄第2〜5行、同左欄第43〜48行、同右欄第24〜27行、同右欄第32〜34行および第1図の記載を参照すると、「パネル板の端部を嵌合させる一対の凹部を中間の凹溝の両端に連続して形成した長尺物であり、各凹部におけるパネル端部嵌合側の反対側である各接続端面が他の枠部材の各接続端面と接当可能である間仕切りパネル接続用枠部材」が記載されていると認められる。
甲第2号証記載の発明
甲第2号証には、第8頁表3.1 せっこうボードの厚さおよび寸法に、ドライウォール工法に用いる強化せっこうボードの厚さとして12.5,15.0,21.0mmのものがあることが記載されている。また、第51頁解説図2.8 シャフトウォールのディテールに、せっこうボードの側縁部分を差し込み可能な凹部を備えたCH型スタッドが記載されている。
甲第3号証記載の発明
甲第3号証には、第130,131頁に、ボード建材の縁部を差込み可能な見切り縁(回り縁)に関し、ボード建材の厚さ規格に相応した差込み部の幅(寸法A)を有する多種の部材が、予め用意される実態が示されている。
甲第4号証記載の発明
甲第4号証には、第1頁第2欄第10〜19行、第2頁第4欄第17〜20行及び第2図の記載を参照すると、「変形H形の両フランジの一側端にフランジと共にボードの側辺をそれぞれ嵌入させて挟持する一対の凹部を形成する鍔部を有する長尺物である側枠であって、この側枠の各凹部底部裏面が他の側枠の各凹部底部裏面と突合わせ可能である間仕切用パネル間側枠」(以下、「甲第4号証記載の発明1」という。)及び「該一対の側枠それぞれにおける少なくとも1つの凹部にボードの側辺を嵌入させ、これら一対の側枠を凹部底部裏面同士で突合わせてある間仕切」(以下、「甲第4号証記載の発明2」という。)が記載されていると認められる。
甲第5号証記載の発明
甲第5号証には、第1頁第1欄第28〜30行に「3,3は、支柱1の両側面に当接された側枠で支柱1の両側面に嵌合する主溝4の前後縁に、主溝4と反対方向を向く副溝5,5を連設してなり」、同第2欄第9、10行に、「12,12は、側縁を側枠3,3の副溝5,5へ嵌合したボードである。」と記載されている。
甲第6号証記載の発明
甲第6号証には、第2頁第11〜14行に、組立枠に関し「従来構造のものは、コの字型の組立枠1自体が一体的なものであるから、その製作が極めて困難で、製作費が高くつく欠点があった。」、第4頁第12〜17行に「係止溝8を有する組立枠1をして、横断面形状が略同型の条材2,2’を略面対称に接合させて形成するものであるから、第3図に示すように、コの字型形状を有する係止溝8を一体的な素材から形成していた従来のものに比して、その製作が容易で、安価に製作し得る利点がある。」と記載されている。
甲第7号証記載の発明
甲第7号証には、段落【0010】に「このような連結部材1を2個用意して一対とし、合わせ目線L-Lに対して鏡像関係に組み合せ、図4に示されるように、左側の連結用部材1の空間形成部S1と右側の連結用部材の空間形成部S1とで形成される空間部Sに係合部材2を挿入し、左側の連結用部材のパネル嵌合部S2には第1パネルP1を嵌合させ、右側の連結用部材のパネル嵌合部S2には第2パネルP2を嵌合させて、両パネルP1とP2とを連結するものである。」と記載されている。
甲第8号証記載の発明
甲第8号証には、第100頁図-2 断面リストに、ボードを垂直支柱の片側面にのみ配置する場合(片面張り)と、その両側面に配置する場合(両面張り)とがあることが記載されていると認められる。
(3-2)対比・判断
訂正後発明1と、甲第4号証記載の発明1とを比較すると、甲第4号証記載の発明1の「ボード」、「側辺」、「変形H形のウエブ」、「側枠」、「凹部底部裏面」、「間仕切用パネル間側枠」は、それぞれ、訂正後発明1の「間仕切りパネル」、「端部」、「中間部」、「連結枠」、「パネル端部嵌合側の反対側である凹部平面」、「建物用間仕切りパネル間連結枠」に相当し、甲第4号証記載の発明1においても、明記されてはいないが、側枠はボードの補強効果を奏するから、両者は、間仕切りパネルの補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠であって、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の各凹部におけるパネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能である建物用間仕切りパネル間連結枠の点で一致し、下記の点で相違している。
a.訂正後発明1では、一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなるのに対し、甲第4号証記載の発明1では一対の凹部は双方とも使用され、両凹部幅に関する限定はない点。
そして、相違点aにおける訂正後発明1の構成である、「一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなる」点は、甲第1号証〜甲第3号証及び甲第5号証〜甲第8号証のいずれにも記載されておらず、訂正後発明1は、当該事項によって明細書記載の作用効果を奏するものである。
したがって、訂正後発明1は、甲第1号証又は甲第4号証に記載された発明と同一であるとも、また、甲第2号証に記載された発明と甲第1号証及び甲第4号証の他甲第5号証、また、甲第1号証及び甲第4号証の他甲第6,7号証に開示される如き慣用的手段の寄せ集めにすぎないともいえない。
また、訂正後発明2は、実質的に、訂正後発明1の建物用間仕切りパネル間連結枠を用いた建物用間仕切りであり、訂正後発明2と、甲第4号証記載の発明2とを比較すると、上記訂正後発明1での検討したと同様のことがいえるから、訂正後発明2は、甲第1号証又は甲第4号証に記載された発明と同一であるとはいえない。

5.むすび
以上のとおりであるから、異議申立ての理由及び証拠によっては、本件訂正後発明1及び2の特許を取り消すことはできない。
また、他に本件訂正後発明1及び2の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切り
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠であって、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなる建物用間仕切りパネル間連結枠。
【請求項2】間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠(1a,1b)を用いた建物用間仕切りであって、
前記建物用間仕切りパネル連結枠は、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなり、一対の連結枠(1a,1b)それぞれにおける1つの凹部(2,2)にパネル(21,22)の端部を嵌合させ、これら一対の連結枠(1a,1b)を凹部平面(2a,3a)同士で接当させてある建物用間仕切り。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石膏ボード等の間仕切りパネルの補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の目的は、間仕切りパネルの補強に用いることの可能な建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りを提供することにある。
【0003】
本発明の第二の目的は、板厚の異なる間仕切りパネルに応じて用いることの可能な建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物用間仕切りパネル間連結枠の特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられるものであって、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなることにある。
【0005】
加えて、本発明に係る建物用間仕切りの特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠を用いたものであって、前記建物用間仕切りパネル連結枠は、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなり、一対の連結枠それぞれにおける1つの凹部にパネルの端部を嵌合させ、これら一対の連結枠を凹部平面同士で接当させたことにある。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜3を参照しながら、本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りについて説明する。本実施例では間仕切りパネル20として一対の強化石膏ボード21,22を用いている。
【0007】
図1、2は、本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠1を示す。この図1では省略するが、建物用間仕切りパネル間連結枠1はその背面図が正面図と対称に表れる形状である。同図に示すように、建物用間仕切りパネル間連結枠1は板材を矩形に折り曲げたような形状を呈し、図面には省略するが、正面端5及び背面端6方向にそれぞれ延長する長尺物である。この建物用間仕切りパネル間連結枠1は、コ字状の矩形の凹部2,3を中間部4の両端に配置してなる。また、連結枠1の各凹部2,3におけるパネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面2a,3aは、他の連結枠の当該各凹部平面2a,3aと接当可能である。
【0008】
図3は本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠の使用状態を表す断面図である。建物用間仕切りパネル間連結枠1は、強化石膏ボード21,22の間に配置してこれらを連結すると共にこれら強化石膏ボード21,22の補強に用いられる。使用に際しては、一対の連結枠1a,1bの各広幅凹部2,2に一対の強化石膏ボード21,22の各端部を嵌合させる。また、一対の連結枠1a,1bの各広幅凹部平面2a,2a,狭幅凹部平面3a,3a同士を接当する。そして、さらに強化石膏ボード21,22の表面に表面石膏ボード10を取り付けるとよい。
【0009】
上記実施形態では、強化石膏ボード21,22を連結枠1a,1bの広幅凹部2,2に嵌合させた。しかし、強化石膏ボード21,22の板厚に応じて狭幅凹部3,3に強化石膏ボード21,22の端部を嵌合させて利用することも可能である。
【0010】
なお、特許請求の範囲の項に記入した符号は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものにすぎず、これらの記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0011】
【発明の効果】
上記本発明の特徴によれば、間仕切りパネルを形成する間仕切りパネルの補強に用いることの可能な建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りを提供することが可能となった。
【0012】
また、凹部を広幅凹部と狭幅凹部とにより構成したことによって、板厚の異なる間仕切りパネルに応じて用いることの可能な建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りを提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠を表し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【図2】本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠を表し、(a)は右側面図、(b)は左側面図である。
【図3】本発明にかかる建物用間仕切りパネル間連結枠の使用状態を表す参考図である。
【符号の説明】
1 建物用間仕切りパネル間連結枠
1a 第一連結枠
1b 第二連結枠
2 広幅凹部
2a 広幅凹部平面
3 狭幅凹部
3a 狭幅凹部平面
4 中間部
5 正面端
6 背面端
10 表面石膏ボード
20 間仕切りパネル
21 第一強化石膏ボード
22 第二強化石膏ボード。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許第3129418号の明細書を、特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項a〜cのように、また、訂正事項a〜cに関連してなされた明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項d,eのように、さらに、明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項fのように訂正する。
訂正事項a:特許請求の範囲の請求項1の記載を、次のように訂正する。
【請求項1】 間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠であって、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなる建物用間仕切りパネル間連結枠。
訂正事項b:特許請求の範囲の請求項2の記載を、次のように訂正する。
【請求項2】 間仕切りパネル(21,22)の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠(1a,1b)を用いた建物用間仕切りであって、前記建物用間仕切りパネル間連結枠は、間仕切りパネル(21,22)の端部を嵌合させる一対の凹部(2,3)を中間部(4)の両端に有する長尺物であり、この連結枠(1a)の前記各凹部(2,3)における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面(2a,3a)が他の連結枠(1b)の当該各凹部平面(2a,3a)と接当可能であり、前記一対の凹部(2,3)はいずれか一方が使用される広幅凹部(2)と狭幅凹部(3)とよりなり、一対の連結枠(1a,1b)それぞれにおける1つの凹部(2,2)にパネル(21,22)の端部を嵌合させ、これら一対の連結枠(1a,1b)を凹部平面(2a,3a)同士で接当させてある建物用間仕切り。
訂正事項c:特許請求の範囲の請求項3を、削除する。
訂正事項d:明細書の段落【0004】の記載を、次のように訂正する。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る建物用間仕切りパネル間連結枠の特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられるものであって、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなることにある。
訂正事項e:明細書の段落【0005】の記載を、次のように訂正する。
加えて、本発明に係る建物用間仕切りの特徴は、間仕切りパネルの補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠を用いた建物用間仕切りであって、前記建物用間仕切りパネル間連結枠は、間仕切りパネルの端部を嵌合させる一対の凹部を中間部の両端に有する長尺物であり、この連結枠の前記各凹部における前記パネル端部嵌合側の反対側である各凹部平面が他の連結枠の当該各凹部平面と接当可能であり、前記一対の凹部はいずれか一方が使用される広幅凹部と狭幅凹部とよりなり、一対の連結枠それぞれにおける1つの凹部にパネルの端部を嵌合させ、これら一対の連結枠を凹部平面同士で接当させたことにある。
訂正事項f:明細書の段落【0001】の記載を、次のように訂正する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、間仕切りパネルを形成する石膏ボード等の補強に用いられる建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切りに関する。
異議決定日 2002-03-22 
出願番号 特願平11-69431
審決分類 P 1 651・ 121- YA (E04B)
P 1 651・ 113- YA (E04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 須田 紳  
特許庁審判長 安藤 勝治
特許庁審判官 鈴木 憲子
鈴木 公子
登録日 2000-11-17 
登録番号 特許第3129418号(P3129418)
権利者 株式会社オクジュー
発明の名称 建物用間仕切りパネル間連結枠及びこれを用いた建物用間仕切り  
代理人 北村 光司  
代理人 北村 光司  

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