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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A61B 審判 全部申し立て 発明同一 A61B |
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管理番号 | 1061052 |
異議申立番号 | 異議2001-72481 |
総通号数 | 32 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-08-08 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-09-04 |
確定日 | 2002-05-13 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3150126号「指紋入力装置」の請求項1ないし4に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3150126号の請求項に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3150126号の請求項1-4に係る発明は、平成11年2月3日に特許出願され、平成13年1月19日にその特許権の設定登録がなされ、その後、佐藤勝明より特許異議の申立がなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成14年3月14日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否について (1)訂正の内容 ア.訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1の記載について、「・・・指紋がこれら受光素子の受光面に近接配置され・・・」とあるのを、「・・・指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され・・・」と訂正する。 イ.訂正事項b 明細書の段落【0005】の記載について、「・・・指紋がこれら受光素子の受光面に近接配置される2次元イメージセンサを設け・・・」とあるのを、「・・・指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され・・・」と訂正する。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的として「受光面に近接配置され」を「受光面を保護する透明カバーの上面に配置され」とするものである。しかも、「受光面を保護する透明カバーの上面に配置」については、願書に添付された明細書の段落【0010】【0011】の記載に基づくものである。したがって、この訂正は、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 また、訂正事項bは、上記訂正事項aとの整合をとるために発明の詳細な説明の記載を訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的としたものである。そして、この訂正は、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 (3)むすび したがって、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立についての判断 (1)申立の理由の概要 申立人佐藤勝明は、証拠として 甲第1号証:特開平11-259638号公報(特願平10-78575号の公開公報) 甲第2号証:特開平8-180173号公報(以下、刊行物2という) 甲第3号証:特開平1-281583号公報(以下、刊行物3という) 甲第4号証:特開平7-171137号公報(以下、刊行物4という) 甲第5号証:特開平6ー300930号公報(以下、刊行物5という) 甲第6号証:特開平5-266174号公報(以下、刊行物6という) を提出し、 本件請求項1に係る発明は、本件特許出願前に出願され、本件出願後に出願公開された甲第1号証に記載の発明と同一であるので特許法第29条の2の規定に違反し、本件請求項1乃至4に係る発明は、甲第2号証乃至甲第6号証から容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するので特許を受けることができない旨主張している。 (2)本件の請求項1-4に係る発明 前記のとおり訂正は認められるから、本件の請求項1-4に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1-4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 指紋稜線部および指紋谷間部からなる指先の指紋パターンを画像として入力する指紋入力装置において、 2次元配列された多数の受光素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され、これら受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、 受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出する2次元イメージセンサを備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項2】 請求項1記載の指紋入力装置において、 指紋を入力する指先の腹部下側に配置され、下方から上方の指先腹部に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させる光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項3】 請求項1記載の指紋入力装置において、 指紋を入力する指先の前方下側に配置され、前方下方から斜め上方の指先先端に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させる光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項4】 請求項2または3記載の指紋入力装置において、 前記光源として、近赤外光を照射するものを設け、 2次元イメージセンサの表面に、光源からの近赤外光を透過させ他の外乱光を減衰させる薄膜のフィルタを備えることを特徴とする指紋入力装置。」 (3)刊行物等 (3-1) 特願平10-78575号の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下「先願明細書」という。)には、以下の発明が記載されている。(甲第1号証:特開平11-259638号公報を参照のこと。) 「【0005】 【発明の実施の形態】・・・この指紋読取装置は、面光源1上に2次元フォトセンサ(フォトセンサデバイス)2が設けられ、・・・ 【0006】次に、2次元フォトセンサ2について説明する。・・・トップゲート絶縁膜21が設けられている。トップゲート絶縁膜21の上面において半導体層15に対応する部分にはITO等の透明電極からなるトップゲート電極22が設けられ、その上面全体には窒化シリコンからなるオーバーコート膜23が設けられている。そして、この2次元フォトセンサ2では、その下面側から光がランダムに入射されると、この光は、遮光性電極からなるボトムゲート電極13、ソース電極19及びドレイン電極20の部分以外からなる透過部を透過するとともに、ボトムゲート電極13によって遮光されて半導体層15に直接入射しないようになっている。 【0007】次に、この指紋読取装置の動作について簡単に説明する。面光源1の上面からランダムに出射された光が2次元フォトセンサ2の透過部及び透明導電層3を透過し、この透過光が透明導電層3上に接触された指5(図2参照)を下方からランダムに照射し、指5の表面で反射された光が透明導電層3及びその近傍の透明電極からなるトップゲート電極22を透過してその下の半導体層15のソース電極19及びドレイン電極20間の入射面より入射される。この場合、透明導電層3の表面に接触された指5の指紋の凸部(隆線)に対応する部分が明状態となり、指5の指紋の凹部(降線)に対応する部分が暗状態となる。かくして、指5の指紋の凹凸に応じた光学的に明暗の強調された画像が得られ、指5の指紋が読み取られることになる。 【0008】・・・ 【0009】・・・ 【0010】フォトセンサ部31は、図4に示すように、図1に示すフォトセンサ11が複数マトリックス状に配列された部分からなっている。・・・ 【0011】図4に戻って説明を続けると、各フォトセンサ11のボトムゲート電極(BG)は、行方向に延びて配列されたボトム電極線41に接続されている。各フォトセンサ11のドレイン電極(D)は、列方向に延びて配列された信号線42に接続されている。各フォトセンサ11のトップゲート電極(TG)は、行方向に延びて配列されたトップ電極線43に接続されている。各フォトセンサ11のソース電極(S)は接地されている。」 (3-2) 刊行物2には、以下の記載がある。 「【請求項1】 平面状にほぼ均一な輝度の光を放射する平面状光源と、前記光を透過させる開口部とマトリクス状のアレイに配列され前記光の入射に応答して光電信号を出力する光電変換素子と走査信号の供給に応答して前記光電信号をオンオフし光電データ信号を出力するスイッチ素子と前記光電変換素子の各々にバイアス電圧を供給するバイアス線と前記光電データ信号および走査信号をそれぞれ伝達するデータ線および走査線とを含む画素接続線と前記走査信号を供給する走査手段と前記光電データ信号を検出する光電データ検出手段とを有する2次元イメージセンサと、前記開口部を透過した光を導いて指紋画像入力対象の指を照射しこの指からの反射光を前記光電変換素子に導く光学手段とを備える指紋画像入力装置において、前記2次元イメージセンサ表面に対する前記指の接触の検出用の予め定めた指検出信号を供給する指信号発生手段と、前記指の接触に応答した前記指検出信号の変化を検出する指接触検出手段とを備え、前記2次元イメージセンサが、制御信号の供給に応答して前記画素接続線の1つの一端および他端の各々に前記指信号発生手段および前記指接触検出手段の各々を選択的に接続する第1および第2のスイッチ手段と、前記指接触検出時と指紋画像入力時とに対応する前記制御信号を出力するスイッチ制御手段とを備えることを特徴とする指紋画像入力装置。 ・・・ 【0002】【従来の技術】従来この種の指紋画像入力装置としては、プリズム等の光学系とCCDカメラとを用い、指の接触による押圧力を検出して撮像を開始する特開昭58-201178号公報(文献1)記載の第1の指紋画像入力装置や、プリズム等の光学系と1次元CCDセンサを用い透明円筒に指を乗せその光反射を上記CCDセンサで検出する特開昭64-13677号公報(文献2)記載の第2の指紋画像入力装置や、その発展型の上記透明円筒内に透明電極を設け指の接触による電気的ショートを検出して撮像の開始を行う特開平1-180685号公報(文献3)記載の第3の指紋画像入力装置等が知られている。 【0003】また、従来、軽量、薄型の画像入力装置として、特開昭60-235456号公報(文献4)記載のイメージセンサや、MRSブレテン(MRS Bulletin),第17巻,1992年11月,第11号,第70?76頁所載の論文「アモルファスシリコンエレクトロニクス(Amorophous silicon electronics)」(文献5)記載のイメージセンサのように、ガラス等の絶縁性基板上に形成したアモルファスシリコン(a-Si)等の薄膜で構成されるフォトダイオードと薄膜トランジスタとから成る密着型イメージセンサを用いる画像入力装置が開発されており、この画像入力装置を用いた第4の指紋画像入力装置が提案されている。 【0004】従来の第4の指紋画像入力装置の構成を斜視図で示す図4を参照すると、この図に示す従来の画像入力装置は、平面光源1と、2次元のイメージセンサ2と、光学部品3とから構成される。 【0005】このイメージセンサ2の構成をブロックで示す図5を参照すると、イメージセンサ2は、マトリクス配置した複数の画素10と、画素10の各々に走査信号を供給する走査線13と、画素10の各々の出力信号を伝送するデータ線14と、画素10にバイアス電圧を供給するバイアス線15と、走査線13を駆動する走査回路16と、データ線14のデータを検出する検出回路17とを備える。 【0006】さらに画素10は、a-Si等の薄膜で構成されるフォトダイオードから成る受光素子11と、a-Si等の薄膜で構成される薄膜トランジスタとから成るスイッチ素子12とから構成される。 【0007】次に、図4,5を参照して、従来の画像入力装置の動作について説明すると、平面光源1から放射された光は、イメージセンサ2の画素10の隙間を通って光学部品3に達し、図示されていない指に斜めから入射するように光路を規定される。指からの反射光は再度光学部品3を経由して受光素子11に導かれる。受光素子11の各々は、バイアス線15により逆方向のバイアス電圧が印加され充電状態となった後スイッチ素子12をオフ状態とすることにより光検出可能な状態になっている。光が入射すると受光素子11の充電電荷が光入射により生成された光電荷に応じて減少する。走査回路16により任意の一行分のスイッチ素子12を一斉にオンにしたときに各データ線14から各受光素子11に流れ込む電荷すなわち光電流を検出回路17で検出する。走査回路16により各行の画素について同様の操作を行って指からの反射光分布である2次元画像を読み出す。 ・・・ 【0010】【発明が解決しようとする課題】上述した従来の第1〜第3の指紋画像入力装置は、撮像用のテレビジョンカメラや1次元CCDセンサなどの画像センサとプリズムや透明円筒などの光学部品とを組合せて用いるので、大型かつ大規模な構成となるという欠点がある。 【0011】また、薄型の2次元イメージセンサを用いる従来の第4の指紋画像入力装置は、指の検出のため、第1〜第3の指紋画像入力装置と同様な指接触により変化する静電容量,圧力,光反射,電気的ショート等の検出手段を表面に取付ける必要があり、この結果2次元イメージセンサと指との密着性が失われて画質が劣化するという欠点がある。 【0012】また、圧力検出手段を裏面に取付けてもよいが、この場合は薄型というコンパクト性が犠牲になるという欠点がある。 【0013】さらに、上記指接触検出手段を別途設けることは製造コスト増加要因となるという欠点がある。 ・・・ 【0022】また、部品追加が最小限であるため、コンパクト性を犠牲にすることなく廉価で実現できるという効果がある。」 (3-3) 刊行物3には、以下の記載がある。 「〔実施例〕 以下、本発明の実施例として、指を導光板に接触させて指紋像を得る場合について第2図以下を参照して説明する。尚、指紋の凸部から発し、導光板11内を全反射により伝播し、結像光学系により画像として取り込むプロセスは本発明と直接関係ないので省略する。 指10を接触させる導光板11の表面13は結像系の一部を形成する。従って、指を接触させる位置(置く位置)は所定の領域内に限定される。そこで、指を確実に指定した位置に置けるようにするため、第3図に示したように指の形状に対応して略U字形状にくりぬいたガイド21を使用する。 ガイド21の外形形状は特に限定されないが、例えば第3図に示す如く略U字形の位置決め空所22を有する矩形プレートとして形成される。ガイド21は導光板11の所定の場所に固定される。 ガイド21内には空所22を挟んで指を両側面から照明する光源としてのLED 23が配置される。 LED 23はガイド21の両側に形成した凹溝24内に固設され、凹溝24に連結した開口、好ましくは照射範囲を広くするために末広がりに拡った開口26内に臨ませられる。LED 23は一対でもあるいは複数対(第3図)でもよい。光源としては原理的にはLEDの代りに電球、豆ランプ等でもよい。 LED 23の光は指の側面から一部指の内部に入り(成分r4)、導光板11との接触面13に伝播する。これによって指自身が発光体となり、導光板11内に凸部Qの情報を伝播させることができる。LED 23の使用波長は、なるべく指内部での吸収が少ない帯域を選ぶ(例えば赤または近赤外がよい)。LED 23は指の両サイドから、指の接触面を均一に照明する。LED 23として第4図に示す如く指の長手方向に延びるLEDアレイ25を用いることもできる。」(第3頁左下欄第1行―右下欄第17行) 「以上の説明は透明導光板(平行平板)11を用いて結像光学系を形成した場合に向けられているが、導光板として平板の代わりに従来から用いられているプリズムを用いた場合についても、全く同様に適用できることは勿論である。」(第4頁右上欄第4行-第8行) (3-4) 刊行物4には、以下の記載がある。 「【0020】一方、図5に示すように、この状態で、入力端面2に、特定の物体、例えば指10の表面を密着させた場合には、指紋の凹凸によって、入力端面2と密着する密着部11と、入力端面2との間に空隙を生じる非密着部12とが形成される。密着部11では、入力端面2と指10の表面とが密着しており、指表面の屈折率は空気の屈折率よりも大である。したがって、入力端面2に入射する光の入射角度と、クラッドとの境界面における全反射の条件との関係が、密着前の関係から変化し、クラッドとの境界面において全反射の条件を満たすような角度で入射する光も存在するようになる。例えば、指10の背後から光を照射し、この透過光がA点に到達したとする(図5)。このA点からFOP1内に入射する光のうち、図示するように、40.68 °の範囲で入射された光は、コア5とクラッド6との境界面において全反射の条件を満たすので((2)式より)、この入射光はクラッドとの境界面で全反射を繰り返し、出力端面3側から出力される。なお、この角度の範囲を越えて入射した光は、屈折を繰り返し伝搬する過程で減衰し消滅する。」 「【0022】したがって、このように物体の表面像などを検出する際には、入力端面2に密着した物体表面の凸部から入射する光のみが出力端面3から出力され、表面の凹部から入射する光は伝搬過程で減衰して消滅する。このため、背景光などの不要な光が除去され、入力端面に密着した部分の像のみが伝送されて出力されることになる。」 「【0027】図8は、指紋読み取り装置を示しており、前述したFOP1、CCD20、コンピュータ21などで構成している。FOP1の入力端面2は、光軸に対し傾斜して形成しており、この傾斜角度θは、前述した(1)〜(3)式で求められた傾斜角度α以下に設定している。この面に指22を押し付けて密着させ、この背後或いは側面側に設けた光源23から光を照射するものである。このように密着させると、密着部の凹凸パターン(指紋の像)が、出力端面3に伝送され、この画像データがCCD20に与えられ、その信号がコンピュータ21において画像処理される構成となっている。」 (3-5) 刊行物5には、以下の記載がある。 「【0054】実施例12.図11は本発明の実施例12を示す全体概略構成図であり、請求項7に係わる実施例である。以下、図11に基づいて実施例12を説明する。尚、図11上で図1に示す実施例1と同一類似部材については同一符号を付して説明を省略する。図11において、901は光ファイバ束、901aは光ファイバ束901の入射面であり、入射面901aは光ファイバ束901の各光ファイバの中心軸に対して所定角度で傾斜している。また、901bは光ファイバ束901の出射面、902は照明手段である。 【0055】次に動作について説明する。まず、照明手段902から投光された光902aで、光ファイバを透過せず被検体103を直接照射すると、被検体103に入射した光902aは被検体103の内部で拡散、透過する。これにより、被検体103に入射した光902aの一部は被検体103の凹凸面に到達する。そして、被検体103の凹部が非接触の入射面901aに到達した光は凹部から空気中に拡散され、この拡散光が入射面901aに入射する。また、被検体103の凸部が接触している入射面901aに到達した光は凸部から空気を通過せずに直接入射面901aに入射して拡散する。従って、被検体103の凸部から入射面901aに入射した拡散光のみを光ファイバ束901で伝搬することにより被検体103の凸部のパターンを得ることができる。すなわち、被検体103の凸部からの拡散光はほぼ完全拡散光であるのに対し、被検体103の凹部を介して光ファイバ束901b内に入射した拡散光は入射面901aの法線に対する角度が入射面901aにおける臨界角θc (図9参照)より小さい。従って、入射面901aの法線と光ファイバの中心軸701(図9参照)のなす角φを実施例9で説明した式(2)を満たすように設定することにより、被検体103の凸部からの拡散光のみを光ファイバを介して出射面901bに伝搬することができる。また、撮像素子105は出射面901bに直接付着されているので、撮像素子105の撮像面は出射面901bに直接接触、または出射面901bの近傍に配置されている。従って、出射面901b上の光パターンは撮像素子105の撮像面に直接入力される。このように、被検体に直接照射光を投光して、照射光の照射方向の制約をなくし、かつ光ファイバ束の入射面を所定角度傾斜することで、光パターンのコントラストを高くすることができる。」 (3-6) 刊行物6には、以下の記載がある。 「【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のような従来の指紋像入力装置においては、指紋入力面を構成する導光板2として透明ガラスを使用しているのが普通である。したがって、外部から強い光を入射させたときは誤動作を起こす可能性がある。さらに、指紋入力面が透明であることから、これを通して装置内部の構造を知られる恐れがあり、保安上の問題を有する。 ・・・ 【0012】すなわち、図1(A)は、指紋入力面を構成する導光板としてプリズム6を採用し、このプリズム6の上面に赤外透過フィルタ7を載置することにより装置内部を掩蔽したものである。なお、1は指、3は光源(赤外光源)、4はレンズ、5はCCDなどのイメージセンサ、Cは装置ケースである。 【0013】この図1(A)の場合、光源3から放射された赤外光はプリズム6の右側の面から入射し、直接または左側の面で反射された後、フィルタ7を介して指1の指紋の凹凸により反射散乱され、再びプリズム6内に戻って右側の面から出ていく。プリズム6から出た反射散乱光はレンズ4によってイメージセンサ5上に指1の指紋の隆線パターンとして結像される。 【0014】図1(B)は、指紋入力面を構成する導光板として透明平板8を採用し、この透明平板8の上面に赤外透過フィルタ7を載置したものである。指1の指紋の凹凸による反射散乱光は、この透明平板8内で全反射を繰り返しながらホログラム9の位置まで達し、回折格子としてのホログラム9により垂直方向に引き出された後、レンズ4によってイメージセンサ5上に指1の指紋の隆線パターンとして結像される。」 (4)対比・判断 (4-1)請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)と先願明細書に記載された発明の対比・判断 先願明細書に記載された発明は、 「面光源1の上面からランダムに出射された光が2次元フォトセンサ2の透過部及び透明導電層3を透過し、この透過光が透明導電層3上に接触された指5(図2参照)を下方からランダムに照射し、指5の表面で反射された光が透明導電層3及びその近傍の透明電極からなるトップゲート電極22を透過してその下の半導体層15のソース電極19及びドレイン電極20間の入射面より入射される」(段落7参照)と記載されているように、指紋入力時に指紋が透明導電層上に配置され、指表面での反射光を検出する指紋入力装置であり、「指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され」、「指先内部からの散乱光」を検出する指紋入力装置である本件発明と相違する。 そして、先願明細書に記載された透明導電層は静電気を逃がすためのものであり(請求項2参照)、本件発明の受光面を保護する透明カバーとは機能が異なっている。 また、本件発明の「指先内部からの散乱光」については、発明の詳細な説明に「指2の周囲光」(段落15参照)、「指2の腹部2Aの下側の下側に配置された光源」(段落16参照)「指2の先端部2Bの前方下側に配置された光源」(段落18参照)からの光を指内に導くこと、「指紋3の稜線部4は、2次元イメージセンサ11のカバー1Bに接触し、指2内部からの散乱光が、稜線部4から直接にカバー1Bを介して受光素子1で受光される」(段落11参照)ことが記載されていることから、 先願明細書に記載されているような「フォトセンサ2の透過部及び透明導電層3を透過し、この透過光が透明導電層3上に接触された指5(図2参照)を下方からランダムに照射し、指5の表面で反射された光」に付随して生じる指先表皮内での散乱光ではなく、前記「・・・指5の表面で反射された光」を伴わない「指先内部からの散乱光」であると解され、この意味においても相違する。 よって、本件発明と先願明細書に記載された発明は同一ではなく、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 (4-2)本件発明と刊行物2―6に記載された発明の対比・判断 刊行物2に記載された「マトリクス状のアレイに配列され前記光の入射に応答して光電信号を出力する光電変換素子」は、本件発明の「2次元配列された多数の受光素子」に相当するので、 本件発明と刊行物2に記載された発明とは、 「マトリクス状のアレイに配列され前記光の入射に応答して光電信号を出力する光電変換素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面に配置される2次元イメージセンサを備える指紋入力装置」である点で一致する。 しかしながら、以下の点で相違する。 (相違点1) 指紋入力時に指紋と受光素子の間に存在する部材が、 本件発明では、受光面を保護する「透明カバー」であるのに対し、 刊行物2に記載された発明では、2次元イメージセンサの開口部を透過した光を導いて指紋画像入力対象の指を照射しこの指からの反射光を受光素子に導く「光学手段」である点。 (相違点2) 本件発明では、受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先からの光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先からの光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出するのに対し、 刊行物2には、指紋稜線部、谷間部と明部、暗部領域の対応関係が明記されていない点。 (相違点3) 受光素子の検出する光が、本件発明では、指先内部からの内部散乱光であるのに対し、刊行物2に記載された発明では、指先からの反射光である点。 相違点について検討する。 上記相違点3に関する、受光素子の検出する光を指先内部からの内部散乱光とする点については、刊行物3-5に記載されているように周知ではあるが、 上記相違点1に関する、指紋と受光素子の間の部材については、刊行物3には結像光学系である導光板等が、刊行物4にはファイバー光学プレート(FOP)が、刊行物5には光ファイバ束が、刊行物6にはプリズムや透明平板の導光板がそれぞれ記載されているだけで、いずれの刊行物に記載された発明からも本件発明の受光面を保護する「透明カバー」の構成を導くことは当業者にとって困難である。 そして、本件発明は、上記のような光学部品を用いないことで、「従来のものと比較して、光学部品自体の大きさやその取付位置などによる物理的大きさの制約がなくなり、装置の薄型化や小型化を実現できる。また、光学部品による光学処理がなされないため、特別な画像修正処理を実行することなく歪みのない指紋画像を得ることができ、指紋パターンの認識率を改善できる。」(段落24参照)という効果を生じるものである。 そうすると、本件発明は、刊行物2-6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 また、本件発明(請求項1)を引用している請求項2-4に係る発明についても、刊行物2-6に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (5)むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1-4に係る特許を取り消すことができない。 また、他に本件請求項1-4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 指紋入力装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 指紋稜線部および指紋谷間部からなる指先の指紋パターンを画像として入力する指紋入力装置において、 2次元配列された多数の受光素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され、 これら受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、 受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出する2次元イメージセンサを備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項2】 請求項1記載の指紋入力装置において、 指紋を入力する指先の腹部下側に配置され、下方から上方の指先腹部に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させる光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項3】 請求項1記載の指紋入力装置において、 指紋を入力する指先の前方下側に配置され、前方下方から斜め上方の指先先端に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させる光源を備えることを特徴とする指紋入力装置。 【請求項4】 請求項2または3記載の指紋入力装置において、 前記光源として、近赤外光を照射するものを設け、 2次元イメージセンサの表面に、光源からの近赤外光を透過させ他の外乱光を減衰させる薄膜のフィルタを備えることを特徴とする指紋入力装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、指紋入力装置に関し、特に2次元イメージセンサーを用いて指紋像を直接得る指紋入力装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、この種の指紋入力装置は、レンズやプリズムあるいはファイバーなどの光学部品を使用し、所定の角度から指先の指紋に対して光を照射し、その反射光を集光して指紋の画像を出力するものとなっていた。 また、光学系を用いて指紋の画像を得るのではなく、静電容量によって直接指紋画像を入力する方式も研究されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような従来の指紋入力装置では、レンズやプリズムあるいはファイバーなどの光学部品を用いている場合は、これら光学部品自体の大きさやその取付位置などがある程度必要となるとともに、これら光学部品が比較的高価であり、装置の薄型化や小型化、さらには低価格化を妨げるという問題点があった。 また、これら光学部品により指紋の画像を光学処理した場合、得られた画像に歪みが生じやすいという問題点があった。 【0004】 一方、静電容量によって直接指紋画像を入力する方式では、外来静電気に非常に弱く、かつ良好な感度を得難いという問題点があった。 本発明はこのような課題を解決するためのものであり、静電容量によらず光を用いて歪みのない画像が得られるとともに、比較的薄型かつ小型で安価に実現できる指紋画像入力装置を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】 このような目的を達成するために、本発明による指紋入力装置は、2次元配列された多数の受光素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され、これら受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出するようにしたものである。 【0006】 また、指紋を入力する指先の腹部下側に光源を配置し、下方から上方の指先腹部に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させるようにしたものである。 また、指紋を入力する指先の前方下側に光源を配置し、前方下方から斜め上方の指先先端に光を照射することにより、指先内部に散乱光を発生させるようにしたものである。 また、光源として近赤外光を照射するものを設けるとともに、2次元イメージセンサの表面に薄膜のフィルタを設け、光源からの近赤外光を透過させ他の外乱光を減衰させるようにしたものである。 【0007】 【発明の実施の形態】 次に、本発明について図面を参照して説明する。 図1は本発明の第1の実施の形態である指紋入力装置のブロック図であり、同図において、11は指2の指紋3の凹凸による光の強弱を2次元的に検出する2次元イメージセンサ、12は2次元イメージセンサ11の出力を画像処理することにより指紋パターンを生成する画像処理部、13は画像処理部12で生成された指紋パターンの特徴を抽出し、所定の基準パターンと比較することにより認識判断するパターン認識部である。 【0008】 以下では、2次元イメージセンサ11としてCCD(固体撮像素子)2次元センサを用いた場合を例として説明する。 なお、画像処理部12およびパターン認識部13については、一般に用いられているものを適用できる。 【0009】 2次元イメージセンサ11は、2次元的に配列された多数の受光素子から構成されており、これら受光素子の出力に基づき平面画像が形成される。 なお、各受光素子の配置間隔は、指紋3の稜線部(凸部)4および谷間部(凹部)5のピッチより小さくする必要があり、50μm以下であれば、パターン認識を行うのに十分な精度の画像が得られる。 【0010】 図2は2次元イメージセンサの受光過程を示す説明図である。 指2の指紋3を入力する際、指紋3が2次元イメージセンサ11のカバー1Bに接触するように指2が配置される。 このカバー1Bはガラスなどの透明部材から構成されており、通常、受光素子1の受光面1Aを保護するために設けられている。 【0011】 このとき、指紋3の稜線部4は、2次元イメージセンサ11のカバー1Bに接触し、指2内部からの散乱光が、稜線部4から直接にカバー1Bを介して受光素子1で受光される。 一方、指紋3の谷間部5とカバー1Bとの間には空間6が生じる。 このため、谷間部5から空間6に射出された散乱光は、皮膚と空気との境界で屈折散乱し、さらには空間6によるカバー1B間での距離により散乱して、カバー1Bを介して受光素子1に届く光の量が減衰すると考えられる。 【0012】 また、空間6内の空気とカバー1Bの屈折率と、カバー1Bへの光の入射角との関係から、カバー1Bに届いた光のうちその一部はカバー1B表面で全反射すると考えられる。 したがって、受光素子1において、カバー1Bと直接接する稜線部4からの光が良好に検出される一方、空間6を介して到達する谷間部5からの光があまり検出されなくなり、稜線部4が明部領域として検出され、谷間部5が暗部領域として検出される。 【0013】 このように、指紋入力時に指先が受光素子1の受光面1Aに近接配置される2次元イメージセンサ11を設け、これら受光素子のうち、受光面1Aが稜線部4と近接している受光素子により、その稜線部4を介して指2内部からの散乱光が良好に届く明部領域を稜線部4として検出するとともに、受光面1Aが谷間部5と近接している受光素子により、指2内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を谷間部5として検出するようにしたものである。 【0014】 したがって、本発明によれば、レンズやプリズムあるいはファイバーなどの光学部品が不要となり、従来のものと比較して、光学部品自体の大きさやその取付位置などによる物理的大きさの制約がなくなり、例えば持ち主の認証が必要なICカード内部などに実装しうる程度まで薄型化および小型化を実現できる。 また、光学部品による光学処理がなされないため、特別な画像修正処理を実行することなく歪みのない指紋画像を得ることができ、指紋パターンの認識率を改善できる。 【0015】 次に、図3を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。 前述した第1の実施の形態では、指2内部からの散乱光が、指2の周囲光から生じるため特別な光源を設ける必要ない。 しかし、周囲光がない場所で使用する場合は、LEDなどの光源を設けて、指2に対して照射すればよい。 【0016】 図3において、14Aは、指2の腹部2Aの下側に配置された光源であり、この光源14Aを用いて、下方から上方の腹部2Aに向かって光を照射することにより、指2内部に散乱光が生成される。 これにより、指2の上部に光源を配置して照射する場合と比較して、指2を2次元イメージセンサ11に配置する際でも光源が邪魔にならなくなり、利用者にとって扱いやすい装置を実現できる。 【0017】 また、光源14Aと指2との距離を極めて小さくなり、光源14Aからの光を効果的に指2内に導くことができ、効率よく散乱光を生成できる。 さらに、光源14Aが直接、受光素子1に届かないため、指2の周囲の受光素子1とのコントラストが抑制され、ノイズを低減できる。 なお、光源14Aから指2の指先に向かって光を照射してもよく、より効率よく散乱光を生成できる。 【0018】 また図3において、14Bは、指2の先端部2Bの前方下側に配置された光源であり、この光源14Bを用いて、下方から斜め上方の先端部2Bに向かって光を照射することにより、指2内部に散乱光が生成される。 これにより、指2の上部に光源を配置して照射する場合と比較して、指2を2次元イメージセンサ11に配置する際でも光源が邪魔にならなくなり、利用者にとって扱いやすい装置を実現できる。 【0019】 また、光源14Bと指2との距離を極めて小さくなり、光源14Bからの光を効果的に指2内に導くことができ、効率よく散乱光を生成できる。 特に、先端部2Bは前方下方に向けて半球状となっていることから、光源14Bから光を照射した場合は、指2内部で偏ることなく散乱光を生成できる。 【0020】 さらに、光源14Bが直接、受光素子1に届かないため、指2の周囲の受光素子1とのコントラストが抑制され、ノイズを低減できる。 なお、光源14A,14Bをそれぞれ単独で用いてもよいが、両方を用いてもよい。 【0021】 また、光源14A,14Bとして近赤外光を照射する光源、例えば近赤外光用LEDを用いるとともに、この近赤外光を透過させ外乱光例えば可視光を低減させる薄膜のフィルタ15を設けてもよい。 この場合、2次元イメージセンサ11として、近赤外光を受光できるものを選択する必要があるが、一般的な2次元CCDイメージセンサであれば近赤外光を受光できる。 【0022】 これにより、蛍光灯や日光などの外乱光を低減でき、このような外乱光が多い環境であっても、これら外乱光に起因するノイズの影響を抑制して、効率よく指紋を入力できる。 なお、カバー1Bとして、フィルタ15の機能を持つものを予め選択してもよく、両者を兼用できる。 【0023】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明は、指紋入力時に指先が受光素子の受光面に近接配置される2次元イメージセンサを設け、これら受光素子のうち、受光面が稜線部4と近接している受光素子により、その稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を稜線部として検出するとともに、受光面が谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を谷間部として検出するようにしたものである。 【0024】 したがって、本発明によれば、レンズやプリズムあるいはファイバーなどの光学部品が不要となり、従来のものと比較して、光学部品自体の大きさやその取付位置などによる物理的大きさの制約がなくなり、装置の薄型化や小型化を実現できる。 また、光学部品による光学処理がなされないため、特別な画像修正処理を実行することなく歪みのない指紋画像を得ることができ、指紋パターンの認識率を改善できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の第1の実施の形態による指紋入力装置のブロック図である。 【図2】 2次元イメージセンサの受光過程を示す説明図である。 【図3】 本発明の第2の実施の形態による指紋入力装置のブロック図である。 【符号の説明】 1…受光素子、1A…受光面、1B…カバー、2…指、2A…腹部、2B…先端部、3…指紋、4…稜線部、5…谷間部、6…空間、12…次元イメージセンサ、12…画像処理部、13…パターン認識部、14A,14B…光源、15…フィルタ。 |
訂正の要旨 |
特許第3150126号発明の明細書を、本件特許異議申立てに関連してなされた訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正する。 (訂正事項a) 特許請求の範囲の請求項1の記載を、特許請求の範囲の減縮を目的として、 「指紋稜線部および指紋谷間部からなる指先の指紋パターンを画像として入力する指紋入力装置において、2次元配列された多数の受光素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され、これら受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出する2次元イメージセンサを備えることを特徴とする指紋入力装置。」と訂正する。 (訂正事項b) 発明の詳細な説明の段落【0005】の記載を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明による指紋入力装置は、2次元配列された多数の受光素子からなり、指紋入力時に指紋がこれら受光素子の受光面を保護する透明カバーの上面に配置され、これら受光素子のうち、受光面が指紋稜線部と近接している受光素子により、その指紋稜線部を介して指先内部からの散乱光が良好に届く明部領域を指紋稜線部として検出するとともに、受光面が指紋谷間部と近接している受光素子により、指先内部からの散乱光があまり届かない暗部領域を指紋谷間部として検出するようにしたものである。」と訂正する。 |
異議決定日 | 2002-04-16 |
出願番号 | 特願平11-26301 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A61B)
P 1 651・ 161- YA (A61B) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 門田 宏 |
特許庁審判長 |
渡部 利行 |
特許庁審判官 |
森 竜介 関根 洋之 |
登録日 | 2001-01-19 |
登録番号 | 特許第3150126号(P3150126) |
権利者 | エヌイーシーアクセステクニカ株式会社 |
発明の名称 | 指紋入力装置 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 福田 修一 |
代理人 | 河合 信明 |
代理人 | 京本 直樹 |
代理人 | 京本 直樹 |
代理人 | 福田 修一 |